JP2009129912A - 有機発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はフォトニック結晶構造を有する有機発光素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の有機発光素子は、光を通過させる基板10と、基板10上に形成されてフォトニック結晶構造を有するフォトニック結晶層50と、フォトニック結晶層50上に形成されてフォトニック結晶層50に比べて大きい屈折率を有する中間層60と、中間層60上に形成される第1電極層20と、第1電極層20上に形成されて電流の流れにより光を発光する発光層30と、発光層30上に形成される第2電極層40と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は有機発光素子に関し、より詳しくはフォトニック結晶構造を備えることによって光効率が向上する有機発光素子及びその製造方法に関するものである。
有機発光素子(OLED)は、蛍光または燐光有機層に電流が流れて電子と正孔とが有機層で結合することで発光する現象を利用した自発光型素子である。有機発光素子は軽量であり、部品が簡素で製作工程が簡単かつ高画質及び広視野角を実現できる。
有機発光素子は外部発光効率が製品の発光効率を判別する基準となる。このような有機発光素子の外部発光効率は内部量子効率と光学連携効率によって決定される。内部量子効率は、非放射再結合損失と一重項−三重項分岐(singlet−triplet branching)比率によって決定される。内部量子効率は実験的に80%以上まで向上できる。一方、光学連携効率は内部量子効率に比べて相対的に非常に小さくて20%までは向上できると認識されている。従って、有機発光素子は光学連携効率を一層高めるための研究が進行中であり、関連技術開発も着実に進められている。
有機発光素子の各層境界面で生じる全反射現象は光学連携効率を低下させる主な要因となる。有機発光素子は複数の基層で構成されるが、全反射現象はこの基層の境界面でほとんど生じる。全反射現象を遮断すると共に、光学連携効率を向上させるための多様な技術が公知になっている。
従来はマイクロメータ付近の構造寸法を持つシリカ球形状を基板にパターニングする方法、基板の裏面にマイクロレンズをパターニングする方法、フォトニック結晶(photonic crystal)構造を基板にエッチング工程によってパターニングする方法が公知になっている。これらの技術は基板または各基層の境界面で光を散乱させることによって光学連携効率を向上させようとする技術である。このうち研究発表された又は公知になった技術は、基板表面にナノメートル寸法のパターンを形成して発光効率を向上できる。しかし、このように公知にされた技術はナノメートル寸法のパターンを形成するために数mm寸法の領域だけをサンプルとして実験した結果である。従って、実際、有機発光素子製品を製作する場合にはナノメートル級パターンを形成することが難しく、その製作費用も高くなるという短所が予想される。
そして、従来は400〜450nm寸法のホール(孔)があるAAO(アルミニウム陽極酸化物)膜を使って発光効率を向上させた結果も公知になっている。しかし、AAO膜を利用した方法は大面積の薄膜製作が難しく、生産性も低いという問題がある。また、AAO膜を利用した工程はプラスチック基板に適用し難いという問題もある。
本願は従来の問題を解決するために提案されたものであり、本発明の第1の目的は、従来に比べて光学効率を向上させた有機発光素子を提供することである。
本願の第2の目的は、従来に比べて量産が可能で、かつ大面積の有機発光素子を製作できる製造方法を提供することである。
本発明の実施形態による有機発光素子は、光を通過させる基板と、前記基板上に形成されてフォトニック結晶(photonic crystal)構造を有するフォトニック結晶層と、前記フォトニック結晶層上に形成されて前記フォトニック結晶層に比べて大きい屈折率を有する中間層と、前記中間層上に形成される第1電極層と、前記第1電極層上に形成されて電流が流れると発光する発光層と、前記発光層上に形成される第2電極層と、を含む。
前記フォトニック結晶層の屈折率は前記基板に比べて小さいか同じであるように構成できる。前記フォトニック結晶層はポリマー(polymer)で構成され、前記基板は柔軟性を有するように構成できる。
前記中間層の屈折率は前記第1電極層に比べて大きいか又は同等であるように構成できる。前記中間層は酸化物系及び窒化物系の中から選択された何れか一つの以上材料で構成できる。つまり、前記中間層はSiNx、Si、TiO、MgO、ZnO、Al、SnO、及びInより選択された一つ以上の材料で構成できる。
有機発光素子は前記中間層上にゾル−ゲル(Sol−gel)溶液でコーティングされる扁平部をさらに含み、前記扁平部上に前記第1電極層が積層形成されるように構成できる。
前記フォトニック結晶構造は、複数のフォトニック結晶単位形状が規則的に配列されて四角形格子構造または三角形格子構造を形成するように構成できる。前記フォトニック結晶単位形状は円柱、三角柱、四角柱のうちの何れか一つの形状であることができる。
前記第1電極層は透明導電性酸化物(TCO:Transparent Conducting Oxide)材料で構成できる。
本発明の実施形態による有機発光素子の製造方法は、基板上にフォトニック結晶層を形成するフォトニック結晶層形成段階と、前記フォトニック結晶層に比べて大きい屈折率を有する中間層を前記フォトニック結晶層上に形成する中間層形成段階と、前記中間層上に、第1電極層、発光層、及び第2電極層を順に積層形成する電極形成段階とを含む。そして、前記フォトニック結晶層形成段階は、前記基板上に前記フォトニック結晶層素材を塗布する塗布段階、及び前記フォトニック結晶構造の逆表面形状を有するマスクで前記フォトニック結晶層材料をインプリントさせてフォトニック結晶を形成するインプリント段階を含む。前記フォトニック結晶層の材料がポリマーであるように構成できる。
前記フォトニック結晶層形成段階は、前記インプリント段階において前記基板の表面にポリマーレジンを塗布して硬化させた後、前記マスクでポリマーレジンを加圧す及び加熱することによって前記ポリマーレジンにフォトニック結晶構造を転写及び成形することができる。または前記フォトニック結晶層形成段階は、前記インプリント段階において液体状態の前記ポリマーレジンを前記基板の表面に被せ、前記マスクで加圧した状態で紫外線を照射して前記ポリマーレジンを硬化させてフォトニック結晶構造を形成することができる。
前記中間層形成段階は、前記フォトニック結晶層上にゾル−ゲル溶液を投下するゾル−ゲル溶液投下段階と、前記基板を回転させて前記ゾル−ゲル溶液をスピンコーティングさせるスピンコーティング段階と、を含む。この時、中間層形成段階は前記スピンコーティング段階において前記基板を1000rpm〜4000rpmに回転させた後に前記ゾル−ゲル溶液を加熱して結晶化を誘導することができる。
前記中間層形成段階は、化学蒸着法(CVD:Chemical‐Vapor‐Deposition)、プラズマ化学蒸着法(Plasma Enhanced Chemical‐Vapor‐Deposition)、気相蒸着法(Evaporating Deposition)、スパッタリング(sputtering)のうちの何れか一つの方法を使用できる。
前記中間層形成段階は、前記フォトニック結晶層上にゾル−ゲル溶液を投下した後、前記基板を回転させて、前記ゾル−ゲル溶液によって前記フォトニック結晶構造の間の空間を満たして前記フォトニック結晶層の表面を平らにさせる1次中間層形成段階、及び、化学蒸着法、プラズマ化学蒸着法、気相蒸着法、スパッタリングのうちの何れか一つの方法により前記中間層を既設定された厚さにさらに形成する2次中間層形成段階を含むように構成できる。
本発明による有機発光素子は、フォトニック結晶構造を備えるだけでなく屈折率差によって全反射現象を低減させることによって、従来と比べて発光効率が相対的に非常に高い長所がある。
また、本発明の実施形態による有機発光素子の製造方法は、ナノインプリント工程及びゾル−ゲル法を利用して、従来に比べて相対的に廉価の費用で大面積の有機発光素子を量産できる。
以下、添付図を参照して、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は多様な形態で実現でき、ここに説明する実施形態に限られない。
図1は本発明の第1実施形態による有機発光素子の断面図である。
図1に示したように、本実施形態の有機発光素子(OLED)は、基板10、第1電極層20、発光層30、第2電極層40を基本構成要素として備える。特に、本実施形態の有機発光素子は、基板10と第1電極層20との間で屈折率の差によって光が内部反射されることを防止するためのフォトニック結晶構造を有するフォトニック結晶層50と、第1電極層の電気的特性を補う中間層60を備えた特徴がある。
基板10は透明基板であり、有機発光素子の内部で発生した光を外部に発散する。基板10は一般にガラス基板を用いるが、その屈折率は約1.5である。透明基板には結晶状のクォーツ(quartz)基板と非結晶状(amorphous)のガラス基板を用いることができる。また、透明基板としてサファイア(Al)基板とプラスチック基板も用いられる。
第1電極層20は、基板10にフォトニック結晶層50と中間層60が形成された後に中間層60の一面に積層形成される。第1電極層20は透明な透明導電性酸化物(TCO:Transparent Conducting Oxide)材料としては、一般にITO(インジウムスズ酸化物)素材を使い、その屈折率は約1.9である。第1電極層20は正(+)電極と称する。
発光層30は、有機発光層(EML:Emission Layer)であり、第1電極層20の一面に積層形成される。正電極の第1電極層20から負電極の第2電極層40に電流が流れると、発光層30で電子と正孔とが結合する。これによって、発光層30で光を発生する自発光現象が誘発される。
第2電極層40は発光層30の一面に積層形成される。第2電極層40は金属素材が用いられ、負(−)電極でありカソード層(cathode layer)と称する。
そして、フォトニック結晶層50は基板10の一面に積層形成され、図2に示したようにフォトニック結晶51の構造を有する。フォトニック結晶51はフォトニックバンドギャップ(フォトニック結晶構造を通過できない光の波長帯域)を形成する構造体であり、規則的な構造で配列される。フォトニック結晶51は特定の波長範囲の光が透過できないか反射すると共に消失する領域を含む。このような理由によって有機発光素子はその内部において光の反射が減少して、発光効率が向上する。フォトニック結晶51の構造は下記においてより詳しく説明する。
フォトニック結晶層50はポリマー(polymer)素材が用いられる。従って、フォトニック結晶層50はガラス基板だけでなく、柔軟(flexible)な基板にも適用できる。フォトニック結晶層50の屈折率が中間層60の屈折率に比べて小さいほどフォトニック結晶51の構造によって発光効率は向上する。但し、フォトニック結晶層50の屈折率が小さくなるほど光の回折現象がより大きくなる。追加的全反射を防止するためにフォトニック結晶層50の屈折率は基板10の屈折率に比べて同等または小さいことが望ましい。そして、フォトニック結晶層50は基板10に準ずる透過度を有する。
中間層60はフォトニック結晶層50の一面に積層形成されて、フォトニック結晶層50に比べて大きい屈折率を有する。一方、第1電極層20の電導度及び電気的特性はその表面形状によって多くの影響を受ける。しかし、前記説明のようにフォトニック結晶層50はフォトニック結晶51によりその表面形状が平坦でない。これによって、フォトニック結晶層50と第1電極層20が直接接すると多くのリーク電流が誘発される。中間層60はフォトニック結晶層50と第1電極層20の間に形成されて、リーク電流の発生を抑制する役割を果たす。
中間層60は酸化物系及び窒化物系の中から選択された何れか一つ以上の材料で構成される。つまり、中間層60の材料としては、SiN、Si、TiO、MgO、ZnO、Al、SnO、Inのような酸化物及び窒化物に属する物質が用いられる。特に、中間層60の材料として用いられるZnOは、ITO素材の第1電極層20に接して電気的特性がよく発揮されるように誘導する作用もある。
中間層60の屈折率が大きくなるほどフォトニック結晶構造によって発光効率は向上される。しかし、中間層60の屈折率が大きくなるほど光の回折現象もより大きくなる。追加的全反射を防止するために中間層60の屈折率は第1電極層20と同一または大きくするのが望ましい。
このように有機発光素子においては、フォトニック結晶51の構造とフォトニック結晶層50と中間層60の屈折率差によって光の回折または散乱が誘発される。これによって有機発光素子では、光の全反射現象が減少しながら基板へ向かう外部発光効率がより向上できる。そして、最適の発光効率、遠隔長(Far−field)での光強度分布、または観察角による光強度の分布はシミュレーション技法を適用して各基層の厚さ及びフォトニック結晶構造のパラメターを決定する。フォトニック結晶51の構造のパラメターは図3A乃至図3Dを参照して説明する。
図3A乃至図3Dは図1に示したフォトニック結晶層に形成できるフォトニック結晶の配列構造及びフォトニック結晶の単位形状を各々示した平面図である。
図3A乃至図3Dに示したように、フォトニック結晶51、52、53の構造は代表的な例であり、次のような多様な構造が採択できる。
図3Aに示した複数のフォトニック結晶51の単位形状は円柱形状であり、規則的に配列されて四角形格子構造を成す。図3Bに示したフォトニック結晶51の単位形状も円柱形状であり、規則的に配列される。但し、図3Bに示された複数のフォトニック結晶51の単位形状は三角形形状に配列される格子構造を成す。図3Cに示されたフォトニック結晶52の単位形状は三角柱形状であり、規則的に配列されて四角形格子構造を成す。図3Dに示されたフォトニック結晶53の単位形状は四角柱形状であり、規則的に配列されて四角形格子構造を成す。この他にもフォトニック結晶の単位形状は三角柱や四角柱形状を有して三角形格子構造を有してもよい。
図3A乃至図3Dにおける参照符号aはフォトニック結晶51、52、53の単位形状の間の距離であり、参照符号dはフォトニック結晶51、52、53単位形状の代表長さである。フォトニック結晶51、52、53の単位形状の代表長さ(d)はフォトニック結晶51の単位形状が円柱形状の場合にはその直径を意味し、フォトニック結晶52、53の単位形状が三角柱形状または四角柱形状の場合には一辺の長さを意味する。そして、図2の参照符号tはフォトニック結晶51単位形状の高さを意味する。また、フォトニック結晶51、52、53構造のパラメター(a、d、t)及び形状により光学効率、遠距離長での光強度分布または観察角による光強度分布が決定される。つまり、フォトニック結晶間の距離(a)、高さ(t)、または代表の長さ(d)が変更されると光の回折及び散乱程度が変わる。このように回折光学(diffraction optics)的な観点から、光の回折及び散乱が多く発生するほど有機発光素子の光学効率が向上する。
但し、多数のシミュレーション技法を適用して実験した結果、フォトニック結晶51、52、53の単位形状間の距離(a)は光の波長の1/4〜2倍の時に最も望ましい。つまり、フォトニック結晶51、52、53の単位形状間の距離(a)が光の波長の1/4倍未満の場合には回折及び散乱がないまま光が透過したり全反射されるために不適であり、フォトニック結晶51、52、53の単位形状間の距離(a)が光の波長の2倍を超える場合には光の回折及び散乱現象が生じないために望ましくない。
フォトニック結晶51、52、53の単位形状の代表長さ(d)は、フォトニック結晶51、52、53の単位形状間の距離(a)の0.1〜0.5倍の時に最も望ましい。つまり、フォトニック結晶51、52、53の単位形状の代表長さ(d)がフォトニック結晶51、52、53の単位形状間の距離(a)の0.1倍未満の場合にはフォトニック結晶形状が小さ過ぎて、回折及び散乱なしに光が透過したり全反射されるため不適であり、フォトニック結晶51、52、53単位形状の代表長さ(d)がフォトニック結晶51、52、53の単位形状間の距離(a)の0.5倍を超える場合にも全反射が生じるため望ましくない。
以下、図4A乃至図4Cに示された図面を参照して、本発明の第1実施形態によるナノインプリント工程を利用したフォトニック結晶層の製造方法について説明する。
まず、スピンコーティング及び硬化工程を利用して、基板10の一面にフォトニック結晶層50の材料を塗布する。フォトニック結晶層50の材料としてポリマーを使用する。その後にはフォトニック結晶構造の反対形状を有するマスク100でポリマーレジンを加圧し及び加熱してインプリントさせる。そして、マスク100に形成されたナノメートル大きさのフォトニック結晶構造がポリマーレジンに容易に転写されてフォトニック結晶構造を有するフォトニック結晶層50が形成される。ここで用いるフォトニック結晶層50の材料としてのポリマーは、熱可塑性ポリマーである。例えば、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリカーボネート樹脂などを用いることができる。
以下、図5A乃至5Cに示された図面を参照して、本発明の第2実施形態によるナノインプリント工程を利用したフォトニック結晶層の製造方法について説明する。
第2実施形態によるフォトニック結晶層50の製造方法は第1実施形態と同様にナノインプリント工程を利用するが若干異なる点がある。まず、ピペットのようなツールを利用して、基板10の一面に液体状のポリマーレジンを一定量塗布する。その後、フォトニック結晶構造の反対形状を有するマスク100でポリマーレジンを加圧する。また、液体状のポリマーレジンをマスク100で加圧した状態でポリマーレジンに紫外線(UV)を照射したり熱を加えて硬化させる。すると、マスク100に形成されたナノメートル大きさのフォトニック結晶構造がポリマーレジンに容易に転写されてフォトニック結晶構造を有するフォトニック結晶層50が形成される。ここで用いるフォトニック結晶層50の材料としてのポリマーは、紫外線硬化性樹脂である。例えば、アクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタンアクリレート樹脂などを用いることができる。
図6A乃至図6Bは図4Cに示されたフォトニック結晶層上にゾル−ゲル法を利用して、中間層を形成する段階を示した断面図である。
まず、ゾル−ゲル噴射器200を利用してフォトニック結晶層50にゾル−ゲル溶液210を投下する。その後、基板10を1000rpm〜4000rpmで回転させて、ゾル−ゲル溶液210をフォトニック結晶層50にスピンコーティングさせる。その後、ゾル−ゲル溶液210を加熱して結晶化を誘導することによって中間層60を形成する。このような過程が繰り返されることによって設定された厚さの中間層60が形成される。
図7A乃至図7Cは図4Cに示されたフォトニック結晶層に中間層を形成した後、中間層の表面を平坦化させる段階を各々示した断面図である。
図7Aに示したように、ゾル−ゲル法の他にも化学蒸着法(Chemical‐Vapor‐Deposition、CVD)、プラズマ化学蒸着法(Plasma Enhanced Chemical‐Vapor‐Deposition)、気相蒸着法(Evaporating Deposition)、スパッタリング(sputtering)方法のような方法を利用して、フォトニック結晶層50上に中間層61を形成することもできる。
しかし、このような方法によって形成された中間層61は、フォトニック結晶層50に形成された凹凸状のフォトニック結晶構造によってその表面が僅かに平らでないこともありうる。前述したように、第1電極層20の電導度及び電気的特性はその表面形状によって多くの影響を受けるため、平らでない表面を有する中間層61の上に第1電極層20を積層形成するのは望ましくない。
従って、ゾル−ゲル法を利用して、中間層61の表面を平らにさせる必要がある。つまり、中間層61の凹部70をゾル−ゲル溶液で満たすことによって、中間層61の表面を平らにすることができる。つまり、ゾル−ゲル噴射器200を利用して中間層61の表面にゾル−ゲル溶液210を投下する。その後には基板10を1000rpm〜4000rpmに高速回転させてゾル−ゲル溶液210を中間層61にスピンコーティングさせる。その後、ゾル−ゲル溶液210を加熱して結晶化を誘導することによって平らな表面を有する中間層61を形成する。一方、中間層61の凹部70を満たした領域を扁平部72と称する。
図8A乃至図8Cは図4Cに示されたフォトニック結晶層の表面をゾル−ゲル法で平らにさせた後、中間層を形成する段階を示した断面図である。
図8Aに示したようにフォトニック結晶層50の表面は平らでないが、ゾル−ゲル法を利用してフォトニック結晶層50の表面を平らにできる。
まず、図8Bに示したように中間層62を形成する。つまり、フォトニック結晶層50上にゾル−ゲル溶液210を投下した後に基板10を1000rpm〜4000rpmで回転させて、ゾル−ゲル溶液210によってフォトニック結晶構造の間の空間が満たされるとフォトニック結晶層50の表面が平らになる。次に、化学蒸着法(CVD:Chemical‐Vapor‐Deposition)、プラズマ化学蒸着法(Plasma Enhanced Chemical‐Vapor‐Deposition)、気相蒸着法(Evaporating Deposition)、スパッタリング(sputtering)のうちの何れか一つの方法によりフォトニック結晶層50の表面に中間層62を追加的に形成する。
図9及び図10は図1に示されたフォトニック結晶構造を有する有機発光素子の発光量と従来の技術としてフォトニック結晶構造を有していない有機発光素子の発光量を各々シミュレーションを利用して比較示したグラフである。
図9及び図10に示されたグラフは光源の波長が511nmであり、フォトニック結晶パラメターが各々d=265nm、a=530nm、及びt=120nmの有機発光素子を利用してシミュレーションを行った結果である。また、グラフは有限差分時間領域(FDTD:Finite Difference Time Domain)法により電磁場を数値で示したものである。
図9に示されたグラフは光源をパルスに作動するようにした状態の結果であり、ある時点で光源が消えるようにした。そして、光源は実際の状況と類似するように任意の位置に任意の方向の偏光(polarized light)を有する双極子源(dipole source)としてモデリングをし、任意の時点で偏光方向と位相を継続して変化させた。
図9を参照すると、フォトニック結晶構造を有する有機発光素子は光源が消えても継続して光を放出している。さらにフォトニック結晶構造を有する有機発光素子は2ピコ秒(pico−second)が経過すると光効率が約200%程度向上した。一方、フォトニック結晶構造を有していない有機発光素子はフォトニック結晶構造を有する有機発光素子に比べて発光量が少ないだけでなく、光源が無くなった後に発光量の変化はなかった。
図10は光源が持続的に光を放出するようにしたことを除いては図9のシミュレーション条件と同じ条件から得た結果である。この場合、フォトニック結晶構造を有する有機発光素子はフォトニック結晶構造を有していない有機発光素子に比べてより多くの発光量を示した。
図11は図1に示されたフォトニック結晶構造を有する有機発光素子とフォトニック結晶構造を有していない有機発光素子を利用して波長による発光量を比較したグラフである。
図11は図9及び図10で説明したフォトニック結晶パラメターを有する有機発光素子を使用して光の波長による発光量の変化を観察した結果である。フォトニック結晶構造を有する有機発光素子はナノインプリント工程によって形成されたフォトニック結晶構造を有し、プラズマ化学蒸着法(PECVD)を利用して500nmの厚さを有する中間層(素材はSi)を形成した。フォトニック結晶構造を有する有機発光素子の発光量は光の波長により変わるが、フォトニック結晶構造を有していない有機発光素子に比べて最高約50%程度まで発光量が向上したことが分かる。
図12及び図13は図1に示されたフォトニック結晶構造を有する有機発光素子を利用して表示された文字を示した図である。
図12及び図13に示したように、本発明の実施形態による有機発光素子はフォトニック結晶構造を有することによって光が散乱し回折される。従って、本発明の実施形態による有機発光素子を用いると、字や絵が目立って見えるため視認性を向上させて独特の光を示す字や絵を表現できるようになる。従って、本発明の実施形態による有機発光素子は一般照明だけでなく視認性が高い広告照明のような多様なディスプレイ分野に応用できる。
例えば、図12に示したように、字「KIMM」が位置する領域でフォトニック結晶構造のパラメターが異なって設定されると、字「KIMM」をより目立たせて見えるようにすることができる。
また、図13に示したように、エッチングまたは機械的消去方式で特定領域のフォトニック結晶構造を除去すると、フォトニック結晶構造がない特定領域が字「K」に見える。
このように本発明の実施形態による有機発光素子は、視覚的に識別し易くて独特の光を発光する照明などに幅広く用いることができる。
以上、本発明の望ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付図の範囲内で多様に変形して実施するのが可能であり、これも本発明の範囲に属するのは当然である。
本発明の第1実施形態による有機発光素子の断面図 図1に示されたフォトニック結晶層を示した断面図 図1に示されたフォトニック結晶層に形成できるフォトニック結晶の配列構造及びフォトニック結晶単位形状を各々示した平面図 図1に示されたフォトニック結晶層に形成できるフォトニック結晶の配列構造及びフォトニック結晶単位形状を各々示した平面図 図1に示されたフォトニック結晶層に形成できるフォトニック結晶の配列構造及びフォトニック結晶単位形状を各々示した平面図 図1に示されたフォトニック結晶層に形成できるフォトニック結晶の配列構造及びフォトニック結晶単位形状を各々示した平面図 図1に示されたフォトニック結晶層のフォトニック結晶をナノインプリント工程で形成する第1実施形態であり、各段階を各々示した断面図 図1に示されたフォトニック結晶層のフォトニック結晶をナノインプリント工程で形成する第1実施形態であり、各段階を各々示した断面図 図1に示されたフォトニック結晶層のフォトニック結晶をナノインプリント工程で形成する第1実施形態であり、各段階を各々示した断面図 図1に示されたフォトニック結晶層のフォトニック結晶をナノインプリント工程で形成する第2実施形態であり、各段階を各々示した断面図 図1に示されたフォトニック結晶層のフォトニック結晶をナノインプリント工程で形成する第2実施形態であり、各段階を各々示した断面図 図1に示されたフォトニック結晶層のフォトニック結晶をナノインプリント工程で形成する第2実施形態であり、各段階を各々示した断面図 図4Cに示されたフォトニック結晶層上にゾル−ゲル法を使って、中間層を形成する段階を示した断面図 図4Cに示されたフォトニック結晶層上にゾル−ゲル法を使って、中間層を形成する段階を示した断面図 図4Cに示されたフォトニック結晶層に中間層を形成した後に中間層の表面を平らにさせる段階を各々示した断面図 図4Cに示されたフォトニック結晶層に中間層を形成した後に中間層の表面を平らにさせる段階を各々示した断面図 図4Cに示されたフォトニック結晶層に中間層を形成した後に中間層の表面を平らにさせる段階を各々示した断面図 図4Cに示されたフォトニック結晶層の表面をゾル−ゲル法を使って平らにさせた後に中間層を形成する段階を示した断面図 図4Cに示されたフォトニック結晶層の表面をゾル−ゲル法を使って平らにさせた後に中間層を形成する段階を示した断面図 図4Cに示されたフォトニック結晶層の表面をゾル−ゲル法を使って平らにさせた後に中間層を形成する段階を示した断面図 図1に示されたフォトニック結晶構造を有する有機発光素子の発光量とフォトニック結晶構造を有していない有機発光素子の発光量を各々シミュレーションした結果を示したグラフ 図1に示されたフォトニック結晶構造を有する有機発光素子の発光量とフォトニック結晶構造を有していない有機発光素子の発光量を各々シミュレーションした結果を示したグラフ 図1に示されたフォトニック結晶構造を有する有機発光素子とフォトニック結晶構造を有していない有機発光素子を利用して、波長による発光量を示したグラフ 図1に示されたフォトニック結晶構造を有する有機発光素子を利用して表示された文字を示した図 図1に示されたフォトニック結晶構造を有する有機発光素子を利用して表示された文字を示した図
符号の説明
10 基板
20 第1電極層
30 発光層
40 第2電極層
50 フォトニック結晶層
51 フォトニック結晶
60 中間層
100 マスク
200 ゾル−ゲル噴射器

Claims (23)

  1. 光を通過させる基板と、
    前記基板上に形成されてフォトニック結晶構造を有するフォトニック結晶層と、
    前記フォトニック結晶層上に形成されて前記フォトニック結晶層に比べて大きい屈折率を有する中間層と、
    前記中間層上に形成される第1電極層と、
    前記第1電極層上に形成されて電流が流れると発光する発光層と、
    前記発光層上に形成される第2電極層と、を含むことを特徴とする有機発光素子。
  2. 前記フォトニック結晶層の屈折率は前記基板に比べて小さいかまたは同じであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記フォトニック結晶層はポリマーで構成されることを特徴とする請求項2に記載の有機発光素子。
  4. 前記基板は柔軟性を有することを特徴とする請求項3に記載の有機発光素子。
  5. 前記中間層の屈折率は前記第1電極層に比べて大きいかまたは同じであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  6. 前記中間層は酸化物系及び窒化物系の材料の中から選択された何れか一つ以上の材料で構成されることを特徴とする請求項5に記載の有機発光素子。
  7. 前記中間層はSiN、Si、TiO、MgO、ZnO、Al、SnO、及びInより選択された一つ以上の材料で構成されることを特徴とする請求項5に記載の有機発光素子。
  8. 前記中間層上にゾル−ゲル溶液でコーティングされる扁平部をさらに含み、
    前記扁平部上に前記第1電極層が積層形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  9. 前記フォトニック結晶構造は、複数のフォトニック結晶単位形状が規則的に配列されて格子構造を成すことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  10. 前記フォトニック結晶構造は、複数のフォトニック結晶単位形状が規則的に配列されて四角形格子構造を成すことを特徴とする請求項9に記載の有機発光素子。
  11. 前記フォトニック結晶構造は、複数のフォトニック結晶単位形状が規則的に配列されて三角形格子構造を成すことを特徴とする請求項9に記載の有機発光素子。
  12. 前記フォトニック結晶単位形状は円柱、三角柱、四角柱のうちの何れか一つの形状であることを特徴とする請求項9に記載の有機発光素子。
  13. 前記第1電極層は透明導電性酸化物材料で構成されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  14. 基板上にフォトニック結晶層を形成するフォトニック結晶層形成段階と、
    前記フォトニック結晶層に比べて大きい屈折率を有する中間層を前記フォトニック結晶層上に形成する中間層形成段階と、
    前記中間層上に、第1電極層、発光層、及び第2電極層を順に形成する電極形成段階と、を含み、
    前記フォトニック結晶層形成段階は、
    前記基板上に前記フォトニック結晶層素材を塗布する塗布段階、及び前記フォトニック結晶構造の逆表面形状を有するマスクで前記フォトニック結晶層材料をインプリントさせてフォトニック結晶を形成するインプリント段階を含むことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
  15. 前記フォトニック結晶層の材料はポリマーであることを特徴とする請求項14に記載の有機発光素子の製造方法。
  16. 前記フォトニック結晶層形成段階は、前記インプリント段階において前記基板の表面にポリマーレジンを塗布して硬化させた後、前記マスクでポリマーレジンを加圧し及び加熱することによって前記ポリマーレジンにフォトニック結晶構造を転写及び成形することを特徴とする請求項15に記載の有機発光素子の製造方法。
  17. 前記フォトニック結晶層形成段階は、前記インプリント段階において液体状態の前記ポリマーレジンを前記マスクで加圧した状態で紫外線を照射することによって前記ポリマーレジンを硬化させることを特徴とする請求項15に記載の有機発光素子の製造方法。
  18. 前記中間層形成段階は、
    前記フォトニック結晶層上にゾル−ゲル溶液を投下するゾル−ゲル溶液投下段階と、
    前記基板を回転させて前記ゾル−ゲル溶液をスピンコーティングさせることによって前記中間層を形成するスピンコーティング段階とを含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光素子の製造方法。
  19. 前記スピンコーティング段階において前記基板を1000rpm〜4000rpmに回転させることを特徴とする請求項18に記載の有機発光素子の製造方法。
  20. 前記スピンコーティング段階において前記ゾル−ゲル溶液を加熱して結晶化を誘導することを特徴とする請求項19に記載の有機発光素子の製造方法。
  21. 前記中間層形成段階は、
    化学蒸着法、プラズマ化学蒸着法、気相蒸着法、スパッタリングのうちの何れか一つの方法を利用することを特徴とする請求項14に記載の有機発光素子の製造方法。
  22. 前記中間層形成段階と前記電極形成段階との間において前記中間層上に扁平部を形成する扁平部形成段階をさらに含み、
    前記扁平部形成段階は、化学的ゾル−ゲル法を使って前記中間層の表面にゾル−ゲル溶液を投下した後に前記基板を回転させることによって、前記中間層の凹部分が前記ゾル−ゲル溶液によって満たされて前記扁平部が形成されることを特徴とする請求項21に記載の有機発光素子の製造方法。
  23. 前記中間層形成段階は、
    前記フォトニック結晶層上にゾル−ゲル溶液を投下した後、前記基板を回転させて、前記ゾル−ゲル溶液によって前記フォトニック結晶構造の間の空間を満たして前記フォトニック結晶層の表面を平らにさせる1次中間層形成段階、及び、
    化学蒸着法、プラズマ化学蒸着法、気相蒸着法、スパッタリングのうちの何れか一つの方法により前記中間層を既設定された厚さにさらに形成する2次中間層形成段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の有機発光素子の製造方法。
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