JP2009129693A - 熱線センサ付き自動スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】埋込穴内の空間から流入する気流による誤動作を抑制することができる熱線センサ付き自動スイッチを提供する。
【解決手段】ハウジング4は、埋込配設時に上向きの外面を天井面に当接させて天井材に固定される本体部41と、本体部41の上向きの外面よりも上方に突出し電線接続端子に接続される電線が挿通される電線挿入穴が少なくとも1個設けられ埋込配設時に天井面に設けられた埋込穴に収納される端子台部42とを有する。ハウジング4内では、ハウジング4の内面に突設された隔壁凸部41cと、熱線センサTPが実装された弱電基板10と、電線接続端子が実装された強電基板20とにより、本体部41の上側の空間に対して熱線センサTPが収納された空間を分離させ気流を阻止する隔壁が構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱線センサ付き自動スイッチに関するものである。
従来から、人体から放射される熱線を検知する熱線センサと、熱線センサにより熱線が検知されると人体の存否に応じた制御信号を生成する制御手段と、それぞれ電線が接続される複数対の電線接続端子と、対を構成する電線接続端子間の電気的接続を、制御手段が出力した制御信号に応じてオンオフするスイッチ手段と、熱線センサと制御手段とスイッチ手段と各電線接続端子とがそれぞれ収納され所定の検知範囲からの熱線を熱線センサの受光面に入射させる窓部が設けられたハウジングとを備え、天井面に設けられた埋込穴に埋込配設される熱線センサ付き自動スイッチが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
この種の熱線センサ付き自動スイッチは、例えば、電線接続端子の対の一方を電源に接続し、電線接続端子の対の他方を照明や換気扇などの負荷に接続して、室内に人が入ったときに電源から負荷への給電をオンし、人が室外に退出したときに電源から負荷への給電をオフするといった制御に用いられる。
特許第3503669号公報
ところで、近年の住宅は機密性が高いため、窓や扉が開閉された際の気圧の変動により、埋込穴内の空間から下方に向かう気流が発生することがある。さらに、天井面の下側の室内空間と、天井面の上側の埋込穴内の空間との間には、空調などにより温度差が発生していることが多く、このような場合に、上記のような埋込穴内からの気流が熱線センサに当ると、熱線センサの温度が変化することにより、誤動作が発生する可能性がある。
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、埋込穴内の空間から流入する気流による誤動作を抑制することができる熱線センサ付き自動スイッチを提供することにある。
請求項1の発明は、人体から放射される熱線を検知する熱線センサと、熱線センサにより熱線が検知されると人体の存否に応じた制御信号を生成する制御手段と、それぞれ電線が接続される複数対の電線接続端子と、対を構成する電線接続端子間の電気的接続を、制御手段が出力した制御信号に応じてオンオフするスイッチ手段と、熱線センサと制御手段とスイッチ手段と各電線接続端子とがそれぞれ収納され所定の検知範囲からの熱線を熱線センサの受光面に入射させる窓部が設けられたハウジングとを備え、ハウジングは、下面に窓部が設けられ埋込配設時に上向きの外面を天井面に当接させて天井材に固定される本体部と、本体部の上向きの外面よりも上方に突出し電線接続端子に接続される電線が挿通される電線挿入穴が少なくとも1個設けられ埋込配設時に天井面に設けられた埋込穴に収納される端子台部とを有し、ハウジング内には、本体部の上側の空間に対して熱線センサが収納された空間を分離させる隔壁が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、埋込穴内の空間から流入する気流が隔壁によって阻止されるから、隔壁を設けない場合に比べ、上記の気流による誤動作が抑制される。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、熱線センサと制御手段を構成する各回路部品とがそれぞれ実装され厚さ方向を上下方向に向けてハウジングの本体部に収納された弱電基板と、各電線接続端子とスイッチ手段を構成する各回路部品とがそれぞれ実装され厚さ方向を弱電基板の厚さ方向に交差させる形でハウジングに収納された強電基板とを備え、弱電基板と強電基板とがそれぞれ隔壁の一部を構成し、隔壁の残りの部分をハウジングの上向きの内面に突設された隔壁凸部が構成することを特徴とする。
この発明によれば、熱線センサを囲み弱電基板とともに隔壁を構成する環形状の隔壁凸部をハウジング内に設けて強電基板を隔壁の一部としない場合に比べ、ハウジングの小型化が可能となる。また、熱線センサを覆う隔壁となる部品を別途に追加する場合に比べ、部品点数の削減が可能となる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、窓部はハウジングの本体部の下面に設けられた貫通穴からなり、検知範囲からの熱線を熱線センサに集光するレンズと、レンズに機械的に結合してレンズをハウジングに対して上下方向に交差する軸周りに回転可能に支持する保持枠と、ハウジングに対して固定される固定部と保持枠を上方からハウジングの内面に押し付ける押し付け部とを有する押し付けばねとを有してハウジングの窓部を閉塞するレンズブロックを備え、レンズブロックを水平方向から挟む両側において、それぞれ、隔壁凸部とレンズブロックとの間には、手の指が入る程度の隙間が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、隔壁凸部とレンズブロックとの間に隙間を設けない場合に比べ、ハウジングへのレンズブロックの組み付けが容易となる。
請求項1の発明によれば、ハウジング内には、本体部の上側すなわち天井側の空間に対して熱線センサが収納された空間を分離させる隔壁が設けられているので、天井面に設けられた埋込穴内の空間から流入する気流が隔壁によって阻止されるから、隔壁を設けない場合に比べ、上記の気流による誤動作が抑制される。
請求項2の発明によれば、弱電基板と強電基板とがそれぞれ隔壁の一部を構成し、隔壁の残りの部分をハウジングの上向きの内面に突設された隔壁凸部が構成するので、熱線センサを囲み弱電基板とともに隔壁を構成する環形状の隔壁凸部をハウジング内に設けて強電基板を隔壁の一部としない場合に比べ、ハウジングの小型化が可能となる。また、熱線センサを覆う隔壁となる部品を別途に追加する場合に比べ、部品点数の削減が可能となる。
請求項3の発明によれば、レンズブロックを水平方向から挟む両側において、それぞれ、隔壁凸部とレンズブロックとの間には、手の指が入る程度の隙間が設けられているので、隔壁凸部とレンズブロックとの間に隙間を設けない場合に比べ、ハウジングへのレンズブロックの組み付けが容易となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、図1〜図4に示すように、人体から放射される熱線を検知する熱線センサTP及び熱線センサTPにより熱線が検知されると人体の存否に応じた制御信号を生成する制御手段を構成する各回路部品がそれぞれ弱電基板10に実装されてなる弱電ブロック1と、それぞれ電線PC(図11参照)が接続される複数対の電線接続端子3、及び、制御手段が出力した制御信号に応じて、対を構成する電線接続端子3間の電気的接続をオンオフするスイッチ手段を構成する各回路部品がそれぞれ強電基板20に実装されてなる強電ブロック2と、熱線センサTPに入射する熱線を通過させる窓穴41aが設けられ弱電ブロック1と強電ブロック2とをそれぞれ収納したハウジング4と、検知範囲からの熱線を熱線センサTPの受光面に集光するレンズ51を有して窓穴41aを閉塞する形でハウジング4に保持されたレンズブロック5とを備える。
制御手段は、例えば、熱線センサTPの出力が所定の閾値を上回ったときにスイッチ手段を制御して対をなす電線接続端子3間の電気的接続をオンさせ、熱線センサTPの出力が上記所定の閾値を下回ってから所定の遅れ時間後に再びスイッチ手段を制御して対をなす電線接続端子3間の電気的接続をオフさせるものであり、周知技術で実現可能であるから詳細な説明は省略する。また、スイッチ手段は、例えば周知のリレーからなる。
以下、上下左右は図2(b)を基準とし、図2(c)の上下方向を前後方向と呼ぶ。すなわち、図3の左下−右上方向を左右方向と呼び、図3の右下−左上方向を前後方向と呼ぶ。
ハウジング4は、下方から見た外周が円形状であって下面に窓穴41aが開口した本体部41と、本体部41の上面に突設され電線接続端子3に接続される電線PCが挿入される電線挿入穴42aが前面に開口した端子台部42とを有する。このように水平方向に向けられた面である前面に電線挿入穴42aを開口させていることにより、電線挿入穴42aを上面に開口させる場合に比べ、電線挿入穴42aに埃や水滴が入りにくくなっている。
弱電ブロック1は、弱電基板10の厚さ方向を上下方向に向けてハウジング4の本体部41に収納されている。熱線センサTPと制御手段を構成する各回路部品とは、それぞれ弱電基板10の下向きの面に実装されており、熱線センサTPは下方から見てハウジング4の中央となる位置に実装されている。また、弱電基板10の下面には、上記の遅れ時間や熱線センサTPの感度を手動操作で設定するための2個の調整素子VRも実装されており、ハウジング4の下面には、それぞれ1個ずつの調整素子VRの操作用の摘みが挿通される2個の摘み挿通穴41bが内外に貫設されている。上記の調整素子VRとしては、例えば可変抵抗器や多接点スイッチが用いられる。
また、強電ブロック2は、強電基板20の厚さ方向を前後方向に向けて弱電基板10の後側に配置されている。強電基板20は、図5(a)(b)に示すように、前面に各電線接続端子3がそれぞれ実装される端子実装部20aと、端子実装部20aの下側に連続してスイッチ手段を構成する各回路部品がそれぞれ後面に実装されるスイッチ実装部20bとからなる。スイッチ実装部20bは端子実装部20aよりも左右両側に突出しており、強電基板20は全体として逆T字形状となっている。弱電基板10と強電基板20とは、フラットケーブルFCを介して互いに電気的に接続されている。
各電線接続端子3は、それぞれ、図6に示すように、強電基板20に電気的に接続される端子部31aを有する端子板31と、電線PCを端子板31に押し付けるとともに一端を電線PCに食込ませて(つまり電線PCを鎖錠して)電線PCを端子板31に接触導通した状態に維持する鎖錠ばね32とからなるいわゆる速結端子である。
電線接続端子3は2対4個設けられており、各電線接続端子3はそれぞれ図7に示すように強電基板20に固定された端子ケース21に収納されている。端子ケース21は、例えば合成樹脂成型品からなり、後面(図6での上面)が開口した左右に長い直方体形状である。端子ケース21の前面には、電線接続端子3に一対一に対応した4個の電線挿入穴42aが左右に並べて前後に貫設されていて、電線挿入穴42aに電線PCを挿入すると、電線PCを挿入した電線挿入穴42aに対応する電線接続端子3に電線PCが接続(鎖錠)されるようになっている。また、端子ケース21には、左右に並んだ一対の電線接続端子3毎に1個ずつ、それぞれ例えば合成樹脂成型品からなり対応する一対の電線接続端子3の2個の鎖錠ばね32の前側に位置する解除釦22が収納されており、端子ケース21の前面において一対の電線挿入穴42aに挟まれた部位の下側には、それぞれ1個ずつの解除釦22を露出させる解除穴42bが前後に貫設されている。電線接続端子3に接続された電線PCを抜く際には、解除穴42bから例えばマイナスドライバーのような治具を挿入して解除釦22を後方へ押圧すれば、解除釦22が一対の電線接続端子3の各鎖錠ばね32をそれぞれ弾性変形させて鎖錠が解除され、電線PCを抜くことが可能となる。
また、端子ケース21は、後面が開口した直方体形状であって各電線接続端子3をそれぞれ収納し前面に各電線挿入穴42a及び各解除穴42bがそれぞれ開口した本体部21aと、本体部21aの左右両面のそれぞれ後端部から左右方向の外向きに突設された固定部21bとを有する。端子ケース21は、図8に示すように、各固定部21bにそれぞれ前後に貫設された固定穴21cと、強電基板20の端子実装部20aの左右両端部においてそれぞれ前後に貫設された固定穴20cとに矢印A1で示すように挿通された2個のリベットRVによって、後面の開口を強電基板20の端子実装部20aによって閉塞される形で強電基板20に対して固定されている。さらに、端子ケース21の各固定部21bの後面において固定穴21cの下側には位置決め凸部21dが後方へ突設され、強電基板20には位置決め穴20dが前後に貫設されていて、端子ケース21を強電基板20に固定する際には位置決め穴20dに位置決め凸部21dを係入させることで端子ケース21の位置決めが可能となっている。また、各端子板31の端子部31aはそれぞれ強電基板20に差し込まれ、例えばはんだ付けによって強電基板20に電気的且つ機械的に接続される。
レンズブロック5は、図3,図4及び図9(a)(b)に示すように、中空の半球形状に形成された集光レンズ51と、下方へ向けられる一端から集光レンズ51の凸曲面を突出させる形で集光レンズ51に機械的に結合し集光レンズ51によって閉塞される筒形状の保持枠52とを有する。集光レンズ51を保持枠52に結合させる手段としては例えば嵌合や凹凸係合などの周知の手段を用いることができる。集光レンズ51は、例えば合成樹脂成型品からなる多焦点レンズである。また、保持枠52の外周面は、保持枠52に囲まれた位置に中心を有する球面形状に形成されている。保持枠52の外周面の球面形状の中心を挟む2箇所には、それぞれ軸が該球面の中心を通る円柱形状の軸凸部52aが突設されており、この軸凸部52aは窓穴41aの上側の開口の周縁部に載置される。すなわち、軸凸部52aを支点としてレンズブロック5をハウジング4に対して回転させることにより、ある程度までレンズブロック5の向きを変えて検知範囲を変化させることができる。ここで、集光レンズ51の焦点と、熱線センサTPの受光面(下面)の中心とは、ともに保持枠52の外周面の球面の中心に位置するようにしてあり、従ってレンズブロック5をどのように回転させても集光レンズ51の焦点が常に熱線センサTPの受光面の中心に位置するようになっている。
また、レンズブロック5は、板ばねからなり保持枠52をハウジングに対して保持する押し付けばね53を有する。押し付けばね53は例えば金属板に打ち抜き加工と曲げ加工とが施されてなり、全体として円環形状であって、周方向に長いスリットが複数個設けられることにより、中心部を外周部に対して上下に変位させるような弾性変形が可能となっている。さらに、押し付けばね53の左右両端部の上下両端には、それぞれ結合凸部53aが上下方向の外向きに突設されている。各結合凸部53aはそれぞれ先端へ向かって上方へ傾斜している。また、ハウジング4の上向きの内面(後述するカバー6の上面)において、窓穴41aの周囲には、上下方向から見て強電基板20とともにレンズブロック5と熱線センサTPとを囲む隔壁凸部41cが上方へ突設されている。隔壁凸部41cの内周面の3箇所には、それぞれ1個ずつの結合凸部53aが係入する結合凹部41dが設けられている。さらに、ハウジング4の上向きの内面において窓穴41aの左後側には、押し付けばね53の1個の結合凸部53aが係入する結合凹部41dが設けられた保持凸部41eが上方へ突設されている。押し付けばね53は、各結合凸部53aがそれぞれ図10に示すように結合凹部41dに係入して結合凹部41dの下向きの内面に弾接することにより、ハウジング4に対する上方への変位を制限されている。また、隔壁凸部41cは、図11に示すように、人の指が入る程度の隙間を、レンズブロック5の左右両側においてそれぞれレンズブロック5との間に空ける形状となっている。これにより、上記のような隙間が空かない場合に比べ、ハウジング4(より具体的には後述するカバー6)に対するレンズブロック5の組み付けが容易となっている。
そして、押し付けばね53は、保持枠52の上端部が内側に嵌合し、外周部がハウジング4に対して固定されることにより、保持枠52を窓穴41aの周縁部においてハウジング4の上向きの内面に押し付ける。また、保持枠52の外径は窓穴41aの内径よりも大きくなっており、押し付けばね53のばね力により、保持枠52の外周面と窓穴41aの内周面との間には摩擦力が生じるから、保持枠52に対して操作力が加わっていなければハウジング4に対する保持枠52の向きは上記の摩擦力によって維持される。さらに、保持枠52の軸凸部52aは、押し付けばね53とハウジング4の上向きの内面との間で、上下方向から見て窓穴41aの中心周りに回転移動可能となっており、これによってハウジング4に対する保持枠52の回転軸を変更可能となっている。
さらに、検知範囲を狭くする必要がある場合には、レンズブロック5の下側に、熱線を遮断する材料からなる環形状のフードFD(図12参照)が取り付けられることもある。
また、ハウジング4は、合成樹脂成型品からなり上面が開口し上下に扁平な有底円筒形状であって底面の中央に円形状の窓穴41aが上下に貫設されるとともに窓穴41aの前側において2個の摘み挿通穴41bが左右に並べて上下に貫設され隔壁凸部41cと保持凸部41eとがそれぞれ上面に設けられハウジング4の下面及び外周面を構成するカバー6と、合成樹脂成型品からなり下端部がカバー6に収納される形でカバー6に機械的に結合しカバー6の上側の開口を閉塞してハウジング4の上面を構成するボディ7とを有する。
ボディ7は、図2に示すように、厚さ方向を上下方向に向けた円板形状であってカバー6に収納される本体部71と、本体部71の上面の中央より後側において左右に長い直方体形状に上方へ膨出し端子ケース21が収納される端子収納部72とを有する。端子収納部72の前面には、端子ケース21において電線挿入穴42aが開口した前面を露出させる露出穴72aが前後に貫設されている。すなわち、端子ケース21とボディ7の端子収納部72とで端子台部42が構成されている。また、本体部71において露出穴72aの左右方向での中央部の前側には、上下方向と後方(露出穴72a側)とに開放された位置決め溝72bが設けられている。端子ケース21の前面の左右方向での中央部には上下に長い位置決め凸部21eが前方へ突設されていて、組立時には、位置決め凸部21eが位置決め溝72に挿通されることにより、左右方向についてボディ7に対する強電ブロック2の位置決めがなされる。
さらに、ボディ7の本体部71の周縁部には、円筒形状の環状凸部7aが下方へ突設されている。カバー6の内周面には、上側の内径を下側よりも大きくする段6aが設けられている。上記の段6aよりも上側におけるカバー6の内径はボディ7の本体部71の外径よりも僅かに大きく、上記の段6aよりも下側におけるカバー6の内径はボディ7の本体部71の外径よりも小さくなっており、環状凸部7aの下端が上記の段6aの上面に当接することにより、ボディ7は本体部71の上面をカバー6の上端面と略面一とする状態でカバー6に対して下方への落ち込みを禁止されている。また、ボディ7の前端には上下方向と径方向の外向きとにそれぞれ開放された位置決め溝7bが設けられ、カバー6の前端部において後ろ向きの内周面には位置決め溝7bに係入する位置決め凸部6bが後方へ突設されていて、位置決め凸部6bが位置決め溝7bに係入することにより、ボディ7はカバー6に対して上下方向から見た面内での向きを位置決めされている。
また、カバー6の内底面において、後端を含み120度ずつ位置をずらした3箇所には、それぞれ、両端がカバー6の内周面に連結された断面コ字形状の当接凸部61が上方に突設され、当接凸部61に囲まれた範囲からはそれぞればね片62が上方に突設されている。各ばね片62は、それぞれ、上下方向での中央部付近をカバー6の径方向について薄肉に形成されることにより、上端を下端に対してカバー6の径方向へ変位させるような弾性変形が可能となっている。各ばね片62の上端部には、それぞれ係止爪62aがカバー6の中心軸に近づく方向へ突設されている。各係止爪62aの上端は、それぞれ下方へ向かって突出寸法を大きくするように傾斜している。また、ボディ7の下面には、下端面がカバー6の当接凸部61の上端面に一対一に当接する3個の当接凸部73が下方へ突設されている。ボディ7の各当接凸部73はそれぞれカバー6の各当接凸部61と同様の断面コ字形状となっている。ボディ7の各当接凸部73の下端において外側へ向けられた各面には、それぞれ係止爪62aが係止される係止凸部73aが突設されている。すなわち、カバー6とボディ7とを互いに結合させる際には、カバー6に対するボディ7の位置を合わせてボディ7をカバー6内に押し込むと、各係止爪62aの傾斜面上をそれぞれボディ7の係止凸部73aが摺動することにより各ばね片62がそれぞれ弾性変形し、やがて各係止爪62aがそれぞれボディ7の係止凸部73aを乗り越えると、各ばね片62がそれぞれ弾性復帰して各係止爪62aがそれぞれボディ7の係止凸部73aの上側に入り込み(つまり係止され)、ここにおいてカバー6とボディ7とは機械的に結合する。また、ボディ7の各係止凸部73aの下面には、それぞれカバー6の当接凸部61とばね片62との間に入り込んで位置決めに寄与する位置決め片73bが下方へ突設されている。また、カバー6の上面やボディ7の下面には、それぞれ機械的強度を向上するための複数個の補強凸部66,77がそれぞれ上下方向の内向きに突設されており、カバー6及びボディ7の各当接凸部61,73はそれぞれいずれかの補強凸部66,77に連結されている。
さらに、カバー6とボディ7とはねじ止めによっても互いに結合する。詳しく説明すると、ボディ7にはカバー6へのねじ止め用の組立ねじSC2(図13参照)が挿通されるねじ挿通穴74aが上下に貫設され、ボディ7の下面には内面がねじ挿通穴74aの内面を構成する円筒形状のねじ挿通部74が下方へ突設されている。カバー6の上面には、上面にねじ穴63aが開口して上面がねじ挿通部74の下面に当接する円筒形状のねじ止め凸部63が上方へ突設されている。すなわち、上記組立ねじSC2は、ボディ7のねじ挿通部74に挿通され、カバー6のねじ止め部63に螺合して、カバー6とボディ7との結合力を生じさせる。ボディ7の上面には、底面の中央部にねじ挿通穴74aが開口して上記組立ねじの頭部が収納される収納凹部74bが設けられている。
ここで、ハウジング4は、図11に矢印A2で示すように、本体部41の上面を天井材CEの下面(すなわち天井面)に当接させ、天井材CEに設けられ天井面に開口した埋込穴CE1に端子台部42を収納する形で、天井材CEに対して取付ねじSC1を用いたねじ止めによる固定が可能となっている。
そして、ハウジング4において窓穴41aの左右両側には、それぞれ左右に長い長円形状であって取付ねじSC1が挿通されるねじ挿通穴41fが上下に貫設されるとともに、ハウジング4の下面には、底面(下向きの内面)にねじ挿通穴41fが開口して取付ねじSC1の頭部が収納される収納凹部41gが設けられている。また、ハウジング4の本体部41の上面(すなわちボディ7の本体部71の上面)には、ねじ挿通穴41fの上端部において水平な断面におけるねじ挿通穴41fの断面形状をだるま穴形状とするような凹部41iが設けられており、これは端子台部42を覆う端子台カバー(図示せず)が取り付けられる際に用いられる。
また、カバー6の内底面とボディ7の本体部71の下面とには、それぞれ内周面がねじ挿通穴41fの内面を構成する2個ずつのねじ挿通筒64,75が上方へ突設されている。カバー側6のねじ挿通筒64の外周面には上側の外形を下側の外形よりも一回り小さくする段64aが設けられるとともに、ボディ7側のねじ挿通筒75の内周面には下側の肉厚を上側の肉厚よりも小さくする段75aが設けられていて、カバー6とボディ7とが互いに結合した状態ではカバー6のねじ挿通筒64の上端部がボディ7のねじ挿通筒75の下端部に挿入される。
さらに、ハウジング4には、図12及び図13にそれぞれ矢印A3で示すように、見栄えを改善するために調整素子VRの摘みやねじ挿通穴41fを覆う化粧カバー8を着脱自在に被着可能となっている。化粧カバー8は、例えば合成樹脂成型品からなり、下方から見た外周が円形状であって下方から見てレンズブロック5を露出させる窓穴81aが上下に貫設された底部81と、底部81の上面の外周から上方に突設されハウジング4の本体部41を囲む円筒形状の周壁部82とを有する。化粧カバー8の底部81は、外周部が径方向の内側へ向かって下方に傾斜するとともに、中央部が径方向の内側へ向かって上方に傾斜しており、窓穴81aの周囲が環形状に下方へ膨出した形状となっている。この膨出により、調整素子VRの摘みが収納される空間を確保しながらも、窓穴81aの開口縁をセンサブロック5の下端よりも十分に上方に位置させ、熱線センサTPが検知すべき熱線への干渉を避けている。
ハウジング4の本体部41の外周面には係止凸部41hが全周にわたって径方向の外向きに突設され、化粧カバー8の周壁部82の内周面にはそれぞれ係止凸部41hに係止される複数個(例えば3個)の被係止凸部82aが周方向について等間隔にそれぞれ径方向の内向きに突設されていて、化粧カバー8は、各被係止凸部82aがそれぞれハウジング4の係止凸部41hに係止されることによってハウジング4に着脱自在に結合する。係止凸部41hと各被係止凸部82aとの係脱は、化粧カバー8を弾性変形させることによって行なわれる。また、係止凸部41hはハウジング4の本体部41の中心軸に関して軸対象(無限回回転対称)な形状となっており、各被係止凸部82aは上下方向での位置がそれぞれ共通となっている。これにより、ハウジング4への化粧カバー8の着脱の際には、化粧カバー8をハウジング4に対して中心軸周りで回転させる位置合わせが不要となっている。
ここで、図14に示すように、弱電基板10には、カバー6のねじ挿通部63が挿通される円形状の挿通穴10aが上下に貫設されるとともに、左右方向の外側と上下両側とにそれぞれ開放されてカバー6のねじ挿通筒64が挿通される挿通切欠10bが左右両端部にそれぞれ設けられている。上記の挿通穴10aの内径はカバー6のねじ挿通部63の外径よりも僅かに大きい程度となっており、また、上記の挿通切欠10bの幅寸法(前後の寸法)は、段64aの上側でのねじ挿通筒64の前後の寸法よりも僅かに大きく且つ段64aの下側でのねじ挿通筒64の前後の寸法よりも小さくなっている。また、カバー6においてねじ挿通筒64の段64aと隔壁凸部41cの上端面とは面一となっている。すなわち、弱電基板10はねじ挿通筒64の段64aと隔壁凸部41cとに載置されるのであり、ハウジング4に対する弱電基板10の水平方向での変位は挿通穴10aへのねじ挿通部74の挿通と挿通切欠10bへのねじ挿通筒64の挿通とによって禁止されている。また、ハウジング4に対する弱電基板10の上方への変位は、弱電基板10の上面にボディ7のねじ挿通筒75の下端面が当接することによって禁止される。以上により、弱電基板10はハウジング4に対して位置決めされている。
また、カバー6の内底面の左右両端部と、ボディ7の本体部71の上面の左右両端部とには、それぞれ、強電基板20のスイッチ実装部20bを厚さ方向である前後方向の両側から挟む挟み凸部65,76が突設されている。ボディ7の各挟み部76は、それぞれ環状凸部7aよりも下方へ突出している。カバー6の後側の挟み部65と、ボディ7の各挟み部76の下端部とは、それぞれ前後に並ぶ他の挟み部65,76との間の距離を先端に向かって大きくするように上記他の挟み部65,76との対向面を傾斜させており、これによって挟み部65,76間への強電基板20の導入が容易となっている。強電ブロック2のハウジング4に対する変位は、前後方向については強電基板20が挟み部65,76間に挟まれることにより禁止され、上下方向については強電基板20がカバー6とボディ7との間に挟まれることにより禁止され、左右方向については強電基板20のスイッチ実装部20bがボディ7の環状凸部7aやカバー6の内周面に挟まれることによって禁止されている。また、上記構成によって強電ブロック2が位置決めされることにより、強電基板20は弱電基板10の後端と隔壁凸部41cの後端とに当接している。すなわち、強電基板20と、弱電基板10と、カバー6と、レンズブロック5とにより、熱線センサTPが収納される空間が閉塞されており、強電基板20と、弱電基板10と、隔壁凸部41cとが請求項における隔壁を構成している。
上記構成によれば、ハウジング4の外部から流入する気流が熱線センサTPに当る前に上記の隔壁によって阻止されるから、上記気流による誤動作が抑制される。さらに熱線センサTPに例えば合成樹脂製であって熱線を透過させるとともに上記気流を阻止するセンサカバーTCを被着して用いた場合には誤動作をより確実に防止することができるが、このようなセンサカバーTCを省略して部品点数を削減しても誤動作は十分に抑制される。
また、強電基板20を隔壁の一部としているので、隔壁凸部41cを熱線センサTPを囲み弱電基板10とともに隔壁を構成する環形状として強電基板20を隔壁の一部としない場合に比べ、ハウジング4の小型化が可能となる。また、熱線センサTPを覆う隔壁となる部品を別途に追加する場合に比べ、部品点数の削減が可能となる。
本発明の実施形態を示す断面図である。 同上を示す図であり、(a)は下面図、(b)は正面図、(c)は左側面図である。 同上を示す上側から見た分解斜視図である。 同上を示す下側から見た分解斜視図である。 (a)(b)はそれぞれ同上の強電ブロックを示す斜視図であり、(a)(b)は互いに異なる方向から見た状態を示す。 同上の強電ブロックの要部を示す分解斜視図である。 同上の強電ブロックを示す分解斜視図である。 同上の強電ブロックの組立方法を示す説明図である。 (a)(b)はそれぞれ同上のレンズブロックを示す斜視図であり、(a)(b)は互いに異なる方向から見た状態を示す。 同上においてカバーにレンズブロックが取り付けられた状態を示す斜視図である。 同上においてカバーにレンズブロックが取り付けられた状態を示す平面図である。 同上の使用形態の一例を示す説明図である。 同上のハウジングと化粧カバーとを示す斜視図である。 同上においてカバーに弱電ブロックと強電ブロックとがそれぞれ取り付けられた状態を示す斜視図である。
符号の説明
3 電線接続端子
4 ハウジング
10 弱電基板
20 強電基板
41 本体部
41a 窓穴
41c 隔壁凸部
42 端子台部
42a 電線挿入穴
CE 天井材
CE1 埋込穴
TP 熱線センサ

Claims (3)

  1. 人体から放射される熱線を検知する熱線センサと、
    熱線センサにより熱線が検知されると人体の存否に応じた制御信号を生成する制御手段と、
    それぞれ電線が接続される複数対の電線接続端子と、
    対を構成する電線接続端子間の電気的接続を、制御手段が出力した制御信号に応じてオンオフするスイッチ手段と、
    熱線センサと制御手段とスイッチ手段と各電線接続端子とがそれぞれ収納され所定の検知範囲からの熱線を熱線センサの受光面に入射させる窓部が設けられたハウジングとを備え、
    ハウジングは、下面に窓部が設けられ埋込配設時に上向きの外面を天井面に当接させて天井材に固定される本体部と、本体部の上向きの外面よりも上方に突出し電線接続端子に接続される電線が挿通される電線挿入穴が少なくとも1個設けられ埋込配設時に天井面に設けられた埋込穴に収納される端子台部とを有し、
    ハウジング内には、本体部の上側の空間に対して熱線センサが収納された空間を分離させる隔壁が設けられていることを特徴とする熱線センサ付き自動スイッチ。
  2. 熱線センサと制御手段を構成する各回路部品とがそれぞれ実装され厚さ方向を上下方向に向けてハウジングの本体部に収納された弱電基板と、
    各電線接続端子とスイッチ手段を構成する各回路部品とがそれぞれ実装され厚さ方向を弱電基板の厚さ方向に交差させる形でハウジングに収納された強電基板とを備え、
    弱電基板と強電基板とがそれぞれ隔壁の一部を構成し、隔壁の残りの部分をハウジングの上向きの内面に突設された隔壁凸部が構成することを特徴とする請求項1記載の熱線センサ付き自動スイッチ。
  3. 窓部はハウジングの本体部の下面に設けられた貫通穴からなり、
    検知範囲からの熱線を熱線センサに集光するレンズと、レンズに機械的に結合してレンズをハウジングに対して上下方向に交差する軸周りに回転可能に支持する保持枠と、ハウジングに対して固定される固定部と保持枠を上方からハウジングの内面に押し付ける押し付け部とを有する押し付けばねとを有してハウジングの窓部を閉塞するレンズブロックを備え、
    レンズブロックを水平方向から挟む両側において、それぞれ、隔壁凸部とレンズブロックとの間には、手の指が入る程度の隙間が設けられていることを特徴とする請求項2記載の熱線センサ付き自動スイッチ。
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