JP2009128370A - カラーフィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、スペーサー部によって表示品質が損なわれることが少ないカラーフィルターを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、基材と、上記基材上にパターン状に形成された着色層と、上記着色層の境界領域上に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有するカラーフィルターであって、上記スペーサー部が、一直線上に複数の上記スペーサー部が配置されたスペーサー列として複数列形成されており、かつ、上記スペーサー列に対して垂直方向に形成されている各スペーサー部の位置が、互いに隣接するスペーサー列間において異なっていることを特徴とするカラーフィルターを提供することにより、上記課題を解決するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルターに関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、液晶表示装置の需要が増加している。また、最近においては家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、益々液晶表示装置の市場は拡大する状況にある。さらに近年普及している液晶表示装置は大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。
一般的な液晶表示装置は、カラーフィルターと液晶駆動側基板とを対向させ、両者の間に液晶化合物を封入することによって液晶層を形成し、液晶駆動側基板により液晶層内の液晶配列を電気的に制御してカラーフィルターの透過光または反射光の量を選択的に変化させることによって表示を行うものである。
このような液晶表示装置においては、色ムラやコントラストムラといった表示ムラを防止し、均一な表示、高速応答性、高コントラスト比、さらには視野角等の良好な表示性能を実現するために、上記液晶層の厚みに相当するセルギャップを一定に、かつ、均一に維持する必要がある。セルギャップを維持する方法としては、従来、上記液晶層中にスペーサーとしてガラス、アルミナ又はプラスチック等からなる一定サイズの球状又は棒状粒子のビーズをランダムに多数散在させる方法が用いられてきた。この方法は、位置を問わず上記液晶層中にビーズをランダムに散在させることにより上記セルギャップを維持できるため、液晶表示装置の製造工程を簡略できるという利点を有することから、現在、広く用いられるに至っている。しかしながら、この方法ではカラーフィルターの全面にビーズが散布されることになるため、画像表示に寄与する領域にもビーズが散布されてしまい、例えば、上記スペーサーが無色透明な場合は遮光状態で輝点となり、また上記スペーサーが黒色の場合は透過状態で黒点となってしまうという問題があった。
このような問題に対し、特許文献1および2にはインクジェット法を用いてビーズを含有するスペーサー部形成用塗工液を塗布することにより、スペーサー部が画像表示に寄与しない非表示領域に選択的に形成されたスペーサー付カラーフィルターが開示されている。このようなカラーフィルターは、上記スペーサー部が画像表示に寄与しない領域に形成されているため、スペーサー部の存在によって表示品質が損なわれないという利点がある。このことは、インクジェット法のような吐出方法によれば、表示品質を損なわない態様で、スペーサー部を形成できる利点があることを示している。
しかしながら、上記吐出方法を用いてスペーサー部を形成する場合でも、その実施態様によってはスペーサー部の存在によって表示品質が損なわれる場合があることが懸念されている。例えば、上記インクジェット法を例に挙げると、インクジェット法では、通常、複数の吐出ノズルを備えるインクジェットヘッドを用い、当該インクジェットヘッドを直線的に走査させながらスペーサー部形成用塗工液を吐出することによってスペーサー部が形成される。このため、インクジェット法によって形成されるスペーサー部は、一直線上に複数のスペーサー部が形成されたスペーサー列が、複数列形成された形態となる。ここで、従来の一般的なインクジェット法においては、スペーサー部を形成する際にすべての吐出ノズルから同時にスペーサー部形成用塗工液を吐出する方法が用いられているため、形成されるスペーサー部は、スペーサー列方向およびスペーサー列に対して垂直方向のいずれにおいても、複数のスペーサー部が直線状に、規則正しく配置された態様になるものであった。しかしながら、このような態様でスペーサー部が形成される場合、すべての吐出ノズルから同時にかつ、均等にスペーサー部形成用塗工液が吐出されれば特に問題は生じないが、高精細な塗布を実施するインクジェット法等においては、必ずしもすべて吐出ノズルから時間的・量的なバラツキなくスペーサー部形成用塗工液が吐出されることが補償されるものではなく、特異的に一部の吐出ノズルから吐出されるスペーサー部形成用塗工液に時間的・量的な変化が生じる場合がある。このため、従来の方法でスペーサー部を形成する場合、特異的な変化が生じた吐出ノズルによって形成されたスペーサー部は、形成位置またはサイズが正常な吐出ノズルによって形成されたスペーサー部と異なるものになってしまい、正常な吐出ノズルによって形成されたスペーサー部の規則性を損なった結果、視認されやすく、液晶表示装置の表示品質を害する恐れがあるという問題点があった。
特開2001-83524号公報 特開平9−105946号公報
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、スペーサー部によって表示品質が損なわれることが少ないカラーフィルターを提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、基材と、上記基材上にパターン状に形成された着色層と、上記着色層の境界領域上に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有するカラーフィルターであって、上記スペーサー部が、一直線上に複数の上記スペーサー部が配置されたスペーサー列として複数列形成されており、かつ、上記スペーサー列に対して垂直方向に形成されている各スペーサー部の位置(以下、単に「垂直方向の形成位置」と称する場合がある。)が、隣接する少なくとも一方のスペーサー列間において異なっていることを特徴とするカラーフィルターを提供する。
本発明によれば、スペーサー部が一直線上に複数のスペーサー部が配置されたスペーサー列として複数列形成されており、かつ、各スペーサーの垂直方向の形成位置が、隣接する少なくとも一方のスペーサー列間において異なっていることにより、仮に本発明のカラーフィルターを製造する工程において、大きさや形成位置にバラツキがある故障スペーサー部が形成されたとしても、形成されたスペーサー部全体において当該故障スペーサー部が特異的に視認されやすくなることを防止できる。このため、本発明によれば全体として、大きさや形成位置のムラの少ないスペーサー部を形成することができる。
このようなことから、本発明によればスペーサー部によって表示品質が損なわれることが少ないカラーフィルターを得ることができる。
本発明においては、隣接する少なくとも一方のスペーサー列間において、一方のスペーサー列内に配置されたスペーサー部の位置が、他方のスペーサー列内に配置された連続する2つのスペーサー部の距離の1/2に相当する位置であることが好ましい。これにより、スペーサー部によって表示品質が損なわれることが少ないことに加え、本発明のカラーフィルターを用いて作製された液晶表示装置において、セルギャップの保持力を均一にすることができるからである。
また本発明においては、上記スペーサー部がインクジェット法によって形成されたものであることが好ましい。これにより本発明のカラーフィイルターをより高生産性で製造可能なものにできるからである。
本発明は、スペーサー部によって表示品質が損なわれることが少ないカラーフィルターを提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明のカラーフィルターについて説明する。
上述したように本発明のカラーフィルターは、基材と、上記基材上にパターン状に形成された着色層と、上記着色層の境界領域上に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有するものであって、上記スペーサー部が、一直線上に複数の上記スペーサー部が配置されたスペーサー列として複数列形成されており、かつ、各スペーサー部の垂直方向の形位置が、隣接する少なくとも一方のスペーサー列間において異なっていることを特徴とするものである。
このような本発明のカラーフィルターについて図を参照しながら説明する。図1は本発明のカラーフィルターの一例を示す概略図である。図1に例示するように、本発明のカラーフィルター10は、基材1と、上記基材1上にパターン状に形成された着色層2と、上記着色層2の境界領域上に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部3と、を有するものである。
このような例において、本発明のカラーフィルター10は、上記スペーサー部3が、一直線上に複数のスペーサー部3が配置されたスペーサー列(X1,X2,X3・・・)として複数列形成されており、かつ、上記スペーサー列(X1,X2,X3・・・)に対して垂直方向(図1中のY方向)に形成されている各スペーサー部3の位置(垂直方向の形成位置)が、隣接する少なくとも一方のスペーサー列間において異なっていることを特徴とするものである。すなわち、図1中のスペーサー列X1およびX2を例に挙げると、Y方向を基準とした場合に、スペーサー列X1およびX2に形成される各スペーサー部3の位置が重なっていないことを特徴とするものである。
本発明によれば、スペーサー部が一直線上に複数の上記スペーサー部が配置されたスペーサー列として複数列形成されており、かつ、各スペーサー部の垂直方向の形成位置が、隣接する少なくとも一方のスペーサー列間において異なっていることにより、仮に本発明のカラーフィルターを製造する工程において、一部のスペーサー部について大きさや形成位置等にバラツキがある故障スペーサー部が形成されたとしても、形成されたスペーサー部全体において当該故障スペーサー部が特異的に視認されやすくなることを防止できる。このため、本発明によれば全体として、大きさや形成位置のムラの視認性が低く、均質なスペーサー部を形成することができる。
このようなことから、本発明によればスペーサー部によって表示品質が損なわれることが少ないカラーフィルターを得ることができる。
本発明のカラーフィルターは、少なくとも基材と、前記基材上に形成され、本発明のカラーフィルターに発色機能を付与する着色層と、上記着色層の境界領域上に形成され、本発明のカラーフィルターを用いて作製される液晶表示装置等においてセルギャップを調整するスペーサー部とを有するものであり、必要に応じて他の任意の構成を有してもよいものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
1.スペーサー部
まず、本発明に用いられるスペーサー部について説明する。本発明に用いられるスペーサー部は、後述する着色層の境界領域上に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するものである。また、本発明に用いられるスペーサー部は、一直線上に複数の上記スペーサー部が配置されたスペーサー列として複数列形成されており、かつ、各スペーサー部の垂直方向の形成位置が、隣接する少なくとも一方のスペーサー列間において異なっていることを特徴とするものである。
このように、本発明に用いられるスペーサー部は形成されている態様に特徴を有するものである。そこで、本発明のカラーフィルターにおいてスペーサー部が形成されている態様について、図を参照しながら具体的に説明する。
図2(a)、(b)は本発明において、スペーサー部が形成されている態様の一例を示す概略図である(なお、図2(a)、(b)においては、説明の便宜のため本発明の必須の構成である着色層の図示を一部省略した。)。
図2(a)、(b)に例示するように、本発明に用いられるスペーサー部3は、基材1上であって、着色層2の境界領域上に形成されるものである。また、本発明に用いられるスペーサー部3は、一直線上に複数の上記スペーサー部3が配置されたスペーサー列(X1,X2,X3・・・)として、複数のスペーサー列(X1,X2,X3・・・)が平行となるような態様で形成されたものである。そして、本発明に用いられるスペーサー部3は、複数のスペーサー列(X1,X2,X3・・・)のうち、互いに隣接する任意のスペーサ列間(X1,X2)において、一方のスペーサー列(X1,X2)に配置されているスペーサー部3の位置が、他方のスペーサー列(X1,X2)に対して垂直方向(図2(a)、(b)中のY方向)で異なっていること、すなわちスペーサー列(X1,X2)に形成されたスペーサー部3の中心位置が、Y方向の同一直線上にないことを特徴とするものである。
このように、本発明はスペーサー部の垂直方向の形成位置が、隣接する少なくとも一方のスペーサー列間において異なっていることを特徴とするものであるが、ここで、本発明において上記垂直方向の形成位置が「異なっている」とは、図2(a)、(b)に例示したように、隣接する少なくとも一方のスペーサー列間においてスペーサー列に形成されているスペーサー部の中心が、スペーサー列に垂直な同一直線上にないことを意味するものとする。
なお、本発明においては上記垂直方向の形成位置が異なる程度を表すパラメーターとして、隣接するスペーサー列間で最も近接している2つのスペーサー部の中心間の、スペーサー列と平行方向の距離を用いる(以下、このようなパラメーターを単に「ずれ量」と称する。)。図3は、上記「ずれ量」を説明する概略図である。図3に示すように本発明においては、各スペーサー部の垂直方向の形成位置が異なる程度を表すパラメーターとして、隣接するスペーサー列(X1,X2)間で最も近接している2つのスペーサー部(3a,3b)の中心位置間の、スペーサー列と平行方向の距離D(ずれ量)を用いる。
このような「ずれ量」を用いた場合、本発明において上記垂直方向の形成位置が「異なっている」とは、少なくとも上記「ずれ量」が、20μm以上であることを意味するものとする。
ここで、本発明における上記「ずれ量」は、上述した範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも25μm〜600μmの範囲内であることが好ましく、特に30μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、さらに30μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。
また、上述したように本発明においては、任意の隣接するスペーサー列に形成されたスペーサー部について、垂直方向の形成位置が異なっていることを特徴とするものであるが、本発明においては、各スペーサー列におけるスペーサ部のすべてについて垂直方向の形成位置が異なっていることを必須とするものではなく、一部のスペーサー部について垂直方向の形成位置が異なっていればよい。なかでも本発明においては、各スペーサー列に含まれる20%以上、より好ましくは50%以上のスペーサー部について垂直方向の形成位置が異なっていることが望ましく、特にすべてスペーサー部について垂直方向の形成位置が異なっていることが好ましい。
なお、本発明においては、各スペーサー列において垂直方向の形成位置が異なっているスペーサー部の割合が同一であってもよく、あるいは、異なっていてもよい。
本発明においてスペーサー部が形成されている具体的態様としては、本発明のカラーフィルターの用途等に応じて適宜決定されるものであり、特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、互いに隣接するスペーサー列において、一方のスペーサー列内に配置されたスペーサー部の位置が、他方のスペーサー列内に配置された連続する2つのスペーサー部の距離の1/2に相当する位置となるような態様(以下、このような態様を「千鳥状配置態様」と称する場合がある。)で形成されていることが好ましい。スペーサー部がこのような態様で形成されていることにより、スペーサー部によって表示品質が損なわれることが少ないことに加え、本発明のカラーフィルターを用いて作製された液晶表示装置において、セルギャップの保持力をより均一にすることができるからである。
このような態様でスペーサー部が形成されている場合について図を参照しながら説明する。図4(a)は、上記スペーサー部が上述したような態様で形成されている場合の一例を示す概略図である。図4に例示するように、本発明に用いられるスペーサー部3は、互いに隣接するスペーサー列(X1,X2)において、一方のスペーサー列(X2)内に配置されたスペーサー部3bの垂直方向の形成位置が、他方のスペーサー列(X1)内に配置された連続する2つのスペーサー部3aの距離dの1/2に相当する位置となるような態様で形成されていることが好ましい。
ここで、図4(a)は、各スペーサー列におけるすべてのスペーサー部の形成位置が、千鳥状配置態様で形成されている例を示したが、本発明においてスペーサー部が千鳥状配置態様で形成されている形態はこれに限定されるものではなく、例えば図4(b)に示すようにスペーサー列の一部のスペーサー部が千鳥状配置態様で形成されている形態であってもよい。
また、図4(a)、(b)は、すべてスペーサー列におけるスペーサー部の形成位置が、千鳥状配置態様で形成されている例を示したが、本発明においてスペーサー部が千鳥状配置態様で形成されている形態はこのような形態に限定されるものではなく、一部のスペーサー列の組み合わせにおいて、スペーサー部が千鳥状配置態様で形成されている形態であってもよい。
本発明に用いられるスペーサー部は、ビーズおよび樹脂を含有するものであるが、本発明に用いられるビーズとしては、所望の強度を有する材料からなり、スペーサー部の高さを所定の範囲にできる程度の大きさを有するものであれば特に限定されるものではない。このようなビーズとしては、例えば、ガラス、シリカ、金属酸化物(MgO、Al)などの無機化合物の多孔質体や非多孔質体、中空体等からなるものや、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリル、ナイロン、シリコーン樹脂などのプラスチック類からなるもの等、一般的なカラーフィルター用のビーズを用いることができる。本発明においては、これらのいずれのビーズであっても好適に用いることができるが、なかでもプラスチック類からなるビーズを用いることが好ましい。
なお、本発明に用いられるビーズは、スペーサー部中に含有される樹脂との接着性を良好なものにするため、表面処理が施されたものであってもよい。
本発明に用いられるビーズの形状についても、スペーサー部を所望の高さに形成できる形状であれば特に限定されるものではない。このような形状としては、例えば、棒状、または、球状等の一般的なカラーフィルター用のビーズと同様の形状を挙げることができる。なかでも本発明に用いられるビーズは球状であることが好ましい。球状のビーズを用いることにより、上記ビーズがスペーサー部内で配置される方向によって、スペーサー部の高さが変化することがないため、高さが均一なスペーサー部を形成することが容易になるからである。
本発明に用いられるビーズとして球状のビーズを用いる場合、その直径としては所望の高さのスペーサー部を形成できる範囲であれば特に限定されないが、通常、1.0μm〜8.0μmの範囲内であることが好ましく、なかでも2.0μm〜6.0μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明に用いられるスペーサー部は、大きさが異なる複数のビーズが用いられたものであってもよい。大きさが異なる複数のビーズが用いられる態様としては、各スペーサー部に大きさの異なる複数のビーズが含有されている態様であってもよく、または、それぞれ大きさの異なるビーズを含有するスペーサー部が複数用いられた態様であってもよい。
さらに本発明に用いられる各スペーサー部に含有されるビーズの数は、通常、1個〜25個の範囲内であることが好ましく、なかでも3個〜20個の範囲内であることが好ましい。
一方、本発明におけるスペーサー部に用いられる樹脂としては、上記ビーズを固定することが可能なものであれば特に限定されるものではないが、通常、硬化性樹脂が好ましく用いられる。このような硬化性樹脂としては、例えば、光を照射することにより硬化する光硬化性樹脂、加熱することにより硬化する熱硬化性樹脂を挙げることができる。本発明においては、光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであっても好適に用いることができる。
本発明に用いられる樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を挙げることができる。
なお、本発明に用いられる樹脂は1種類のみであってもよく、または、2種類以上であってもよい。
本発明に用いられるスペーサー部における樹脂の含有量としては、上記ビーズを所望の強度で固定できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記スペーサー部の固形分中に75質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも85質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、上記ビーズを強固に固定することができ、例えば、本発明のカラーフィルターを用いて液晶表示装置を作製する際に、ビーズが脱離してしまうことを防止できるからである。
本発明に用いられるスペーサー部の高さは、特に限定されるものではなく、本発明のカラーフィルターが用いられる液晶表示装置の表示方式等に応じて所定の規格に合致するように適宜決定されるが、通常、1.0μm〜8.0μmの範囲内であることが好ましく、さらには2.0μm〜6.0μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明に用いられるスペーサー部の形成密度としては、本発明のカラーフィルターを用いて作製する液晶表示装置の画面サイズ等に応じて、セルギャップを所定値にできる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記スペーサー部の形成密度が4個/mm〜100個/mmの範囲内であることが好ましく、特に8個/mm〜65個/mmの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられるスペーサー部は、透明なものであってもよく、また着色されているものであってもよい。
本発明に用いられるスペーサー部は、インクジェット法によって形成されたものであることが好ましい。これにより本発明のカラーフィイルターをより高生産性で製造可能なものにできるからである。
なお、本発明に用いられるスペーサー部は、後述する着色層の境界領域上に形成されるものであるが、本発明に用いられる基材として、後述する遮光部が形成されたものを用いる場合は、当該遮光部上が境界領域上になるため、スペーサー部は遮光部上に形成されることになる。
2.基材
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材は特に限定されるものではなく、従来、カラーフィルターに用いられてきたものを何ら制限なく用いることができる。このような基材としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基材、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基材等を挙げることができる。本発明においては、これらのいずれの基材であっても好適に用いることができるが、なかでも無機基材からなる基材を用いることが好ましく、特にガラス基材を用いることが好ましい。さらにはガラス基材のなかでも無アルカリタイプのガラス基材を用いることが好ましい。上記無アルカリタイプのガラス基材は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、本発明のカラーフィルターをアクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置に好適に用いられるものにできるからである。
本発明に用いられる基材は、透明な基材であってもよく、または、反射性の基材や白色に着色したものであってもよいが、本発明においては通常透明なものが用いられる。
また本発明に用いられる基材は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガスバリア性付与その他の目的の表面処理が施されたものであってもよい。このような表面処理としては例えば表面を親液性とするために、酸素ガスを導入ガスとしてプラズマ等を照射する処理を挙げることができる。
本発明に用いられる基材は、開口部を備える遮光部が形成されているものであってもよい。このような遮光部としては、所望の遮光性を備えるものであれば特に限定されるものではないが、通常、同一の形状を有する開口部が等間隔で規則的に形成されたものが用いられる。ここで、上記開口部の具体的な大きさや配置態様は特に限定されるものではなく、本発明によって製造されるカラーフィルターの用途等に応じて任意に決定することができる。
上記遮光部としては、所望の遮光性を有する材料からなるものであれば特に限定されるものではないが、通常、遮光材料および樹脂成分から構成されるもの、または、金属材料からなるものが用いられる。
上記遮光部として、遮光材料および樹脂成分から構成されるものを用いる場合、上記遮光材料としては、一般的にカラーフィルターに用いられる樹脂製遮光部に用いられる材料を用いることができる。このような遮光材料としては、例えば、カーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子等を挙げることができる。
また、上記樹脂成分としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等を用いることができる。
一方、上記遮光部として金属材料からなるものを用いる場合、上記金属材料としては、所望の遮光性を有する金属であれば特に限定されないが、一般的にはクロム材料が用いられる。
本発明に用いられる遮光部は表面に撥液性を有するものであることが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、本発明に用いられる基材として上記遮光部を有するものを用いる場合、当該遮光部が形成された領域が後述する着色層の境界領域となる。このため、上述したスペーサー部は当該遮光部上に形成されることになる。したがって、上記遮光部が表面に撥液性を有することにより、本発明のカラーフィルターを製造する過程においてスペーサー部が形成される際に、スペーサー部形成用塗工液が遮光部上で濡れ拡がることを防止でき、形成されるスペーサー部の位置精度が低下すること防止できるからである。また、上記遮光部の開口部内に着色層を形成する方法として、インクジェット法を用いた場合に、上記開口部内に吐出された塗工液が遮光部を超えて濡れ拡がることを防止できるため、混色の少ない着色層を形成できるという利点を有するからである。
ここで、本発明に用いられる遮光部が表面に撥液性を有するとは、表面張力40mN/mの液体との接触角が、30°以上であることを意味するものとする。なかでも本発明に用いられる遮光部が表面に撥液性を有する場合は、表面張力40mN/mの液体との接触角が50°以上であることが好ましい。
本発明に用いられる遮光部が表面に撥液性を有する態様としては、所望の撥液性を達成できる態様であれば特に限定されるものではないが、なかでも上記遮光部の表面にフッ素が含まれる態様が好適に用いられる。上記遮光部の表面にフッ素が含まれることにより、上記遮光部の表面により高い撥液性を付与することができるからである。
なお、上記遮光部の表面にフッ素が含まれることは、例えば、X線光電子分光分析装置(XPS:ESCALAB 220i−XL)による分析において、遮光部の表面より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。
本発明において、上記遮光部の表面にフッ素が含まれる態様としては、表面に所定量のフッ素が含まれる態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、上記遮光部の表面にフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマが照射されることにより、上記遮光部の表面にフッ素が含まれる態様と、上記遮光部にフッ素を含有する撥液剤が含まれる態様と、を挙げることができる。
ここで、上記導入ガスに用いられるフッ素化合物としては、例えば、CF、SF、CHF、C、C、C等を挙げることができる。
また、上記導入ガスとしては、上記フッ素ガスと他のガスとが混合されたものを用いることもできる。このような他のガスとしては、例えば、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができるが、なかでも窒素を用いることが好ましい。上記他のガスとして窒素を用いる場合、窒素の混合比率は60%以上であることが好ましい。
さらに、上記プラズマを照射する方法としては、上記遮光部の表面に所望量のフッ素を含ませることができる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、減圧下でプラズマ照射してもよく、または、大気圧下でプラズマ照射してもよい。なかでも、本発明においては特に大気圧下でプラズマ照射が行われることが好ましい。これにより、減圧用の装置等が必要なく、コストや製造効率等の面から好ましいものとすることができるからである。
上記フッ素を含有する撥液剤としては、上記遮光部に含有させることにより、上記遮光部の表面に所定の撥液性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような撥液剤としては、例えば、フッ素含有基と親水基または親油基とを有するモノマーまたはオリゴマー、フッ素含有高分子化合物、および、フッ素含有物質の微粒子等を挙げることができる。
ここで、上記フッ素含有高分子化合物としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロエチレンプロピレン樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂等を挙げることができる。
また、上記フッ素含有物質の微粒子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィンビニルエーテル系共重合体、3フッ化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体等からなる微粒子を挙げることができる。
さらに、上記フッ素含有基と親水基または親油基とを有するモノマーまたはオリゴマーとしては、例えば、下記一般式(1)〜(6)で表される化合物を例示することができる。
Figure 2009128370
ここで、上記一般式(1)〜(6)において、RfおよびRf´はフルオロアルキル基、RおよびR´はアルキレン基を表し、RfとRf´また、RとR´は同一でも異なっていてもよい。また、X、X´およびYは、−COO−、−OCOO−、−CONR''−、−OCONR''−、−SONR''−、−SO−、−SOO−、−O−、−NR''−、−S−、−CO−、OSOO−、−OPO(OH)O−のうちのいずれかを表し、X、X´およびYは同一でも異なっていてもよい。Zは、−SOH、−COOH、−OH、−NH、−SONH、−CONH、−SO NH 、−COONH 、また、R''は、アルキル基または水素を表し、R’’’はアルキル基を表す。
本発明に用いられる撥液剤としては、上記フッ素含有基と親水基または親油基とを有するモノマーまたはオリゴマー、上記フッ素含有高分子化合物、および、上記フッ素含有物質の微粒子のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも上記フッ素含有基と親水基または親油基とを有するモノマーまたはオリゴマーを用いることが好ましい。
なお、本発明に用いられる撥液剤は1種類のみであってもよく、または、2種類以上であってもよい。
3.着色層
次に、本発明に用いられる着色層について説明する。本発明に用いられる着色層は、上記基材上にパターン状に形成されるものであり、本発明のカラーフィルターに発色機能を付与するものである。
なお、本発明に用いられる基材として、上述したような遮光部を有するものが用いられる場合、通常、着色層は上記遮光部が備える開口部内に形成されたものになる。
本発明に用いられる着色層は、通常、赤(R)、緑(G)、および、青(B)の3色で形成される。また上記着色層における着色パターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。
なお、本発明に用いられる着色層の具体的態様については、一般的なカラーフィルターに用いられるものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
4.任意の構成
本発明のカラーフィルターは、少なくとも上記基材、着色層およびスペーサー部を有するものであるが、必要に応じて他の任意の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては、本発明のカラーフィルターの用途等に応じて、所望の機能を有する構成を用いることができる。なかでも本発明に好適に用いられる上記他の構成としては、上記着色層上、および/または上記着色層の境界領域上に形成され、上記スペーサー部を形成するために用いられるパターニング用層、上記着色層上に形成される透明電極層、および、上記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層等を挙げることができる。
以下、本発明に用いられるパターニング用層、透明電極層、および、オーバーコート層について順に説明する。
(1)オーバーコート層
まず、本発明に用いられるオーバーコート層について説明する。本発明に用いられるオーバーコート層は、上記着色層を覆うように形成されるものであり、上記着色層が形成されることによって生じる表面の凹凸を平坦化するものである。このようなオーバーコート層が用いられていることにより、例えば、後述する透明電極層を形成することを容易になり、また、上記着色層の劣化を防止することができる。
本発明に用いられるオーバーコート層としては、可視光に対して透過性を有する透明樹脂を含有し、上記着色層が形成されることによって生じる表面の凹凸を平坦化することが可能な層であれば特に限定されるものではない。このようなオーバーコート層としては、一般的なカラーフィルターに用いられるオーバーコート層を用いることができる。具体的には、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等からなる層を用いることができる。
(2)パターニング用層
次に、本発明に用いられるパターニング用層について説明する。本発明に用いられるパターニング用層は、上記着色層、および/または上記着色層の境界領域上、あるいは上記オーバーコート層上に形成され、上記スペーサー部を形成するために用いられるものである。このようなパターニング用層を有することにより、本発明のカラーフィルターを製造する過程において、上記スペーサー部を画像表示に寄与しない上記遮光部上に高い位置精度で形成することができるため、本発明のカラーフィルターを用いて作製した液晶表示装置において、上記スペーサー部の存在によって表示品質が損なわれてしまうことをさらに防止できるという利点を有する。
本発明に用いられるパターニング用層は、上記着色層上、および/または上記着色層の境界領域上に形成されるものである。また、上記オーバーコート層が用いられている場合は、上記オーバーコート層上に形成されるものである。ここで、上記着色層上、および/または上記着色層の境界領域上にパターニング用層が形成されている態様としては、パターニング用層が、全ての着色層上もしくは全ての遮光部上に形成されている態様であってもよく、あるいは、一部の着色層上のみ、もしくは一部の遮光部上のみに形成されている態様であってもよい。
また、本発明に用いられるパターニング用層は、上記スペーサー部を形成するために用いられるものであるが、ここで、上記「上記スペーサー部を形成するために用いられる」とは、パターニング用層の撥液性や形状、接着性等の特性を利用して、上記スペーサー部を形成するために用いられることを意味するものである。
本発明に用いられるパターニング用層が、上記スペーサー部を形成するために備える特性としては、上記スペーサー部を所定の位置に所望の精度で形成できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられるパターニング用層は、このような特性として表面に撥液性を備えることが好ましい。これにより、例えば、インクジェット法によって上記スペーサー部を形成する際に、塗工液がパターニング用層上で濡れ拡がることを防止できるため、高い位置精度でスペーサー部を形成することが可能になるからである。
ここで、上記「撥液性」とは、上記スペーサー部を形成する際に用いられるスペーサー部形成用塗工液に対する撥液性を意味するものとする。
上記撥液性を有するパターニング用層としては、表面に所望の撥液性を備えるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が30°以上であるものが好ましく、なかでも50°以上であるものであることが好ましい。また、この層の純水との接触角は90°以上であることが好ましく、なかでも100°以上であることが好ましい。
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体や純水との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得られるものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いるものとする。
また、本発明に用いられる上記撥液性を有するパターニング用層は、上記スペーサー部が形成された後に、スペーサー部が形成されている領域以外の部位を分解除去することができるもの(以下、「第1態様の撥液性パターニング用層」と称する。)、または、上記スペーサー部が形成された後に、これらのスペーサー部が形成されている領域以外の表面を親液化することができるもの(以下、「第2態様の撥液性パターニング用層」と称する。)であることが好ましい。これにより、本発明のカラーフィルターを用いて液晶表示装置を作製する工程において、カラーフィルター上に配向膜や、液晶配向制御用突起状部材(リブ)等を形成する際に、上記パターニング用層がこれらの部材を形成するために用いられる塗工液をはじいてしまうことを防止できるため、安定してカラーフィルター上に配向膜やリブ等の部材を形成することが可能となるからである。
上記第1態様の撥液性パターニング用層としては、例えば、紫外光の照射や、酸素プラズマの照射によって分解除去される撥液性材料からなるものを挙げることができる。このような撥液性材料としては、一般的に撥液性の薄膜を形成する際に用いられる撥液性材料を用いることができる。なかでも本発明においてはフッ素を含有する撥液性材料を用いることが好ましく、特に撥液性の薄膜を形成する際に用いられるフッ化炭素等を用いることが好ましい。これにより、本発明に用いられるパターニング用層の撥液性を高いものとすることができるからである。
なお、上記フッ素を含有する撥液性材料の存在は、X線光電子分光分析装置(XPS:ESCALAB 220i−XL)による分析において、着色層と、上記スペーサー部との間に残存するパターニング用層より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。
本発明に用いられる上記撥液性材料は1種のみであってもよく、または、2種以上であってもよい。
また、本発明に用いられる第1態様の撥液性パターニング用層の厚みは、1μm以下であることが好ましく、なかでも0.001μm〜0.500μmの範囲内であることが好ましく、特に0.001μm〜0.100μmの範囲内であることが好ましい。厚みがこのような範囲内であることにより、上記スペーサー部が形成されている領域以外の部位を分解除去することが容易になるからである。
なお、上記第1態様の撥液性パターニング用層の上記スペーサー部が形成されていない領域を分解除去する方法としては、通常、真空紫外光を照射する方法や酸素プラズマを照射する方法が用いられる。
一方、上記第2態様の撥液性パターニング用層としては、例えば紫外光や酸素プラズマ等のエネルギー照射によって、表面の有機基が分解や変性等されて、親液化される撥液性材料からなるものを挙げることができる。このような撥液性材料としては、通常、シラン化合物を含有するものが用いられる。なかでも本発明に好適に用いられる撥液性材料としては、バインダの主骨格が上記エネルギーによって分解されないような高い結合エネルギーを有し、かつ、上記エネルギー照射により分解されるような有機置換基を有するオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。このようなオルガノポリシロキサンとしては、例えば(I)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(II)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
上記の(I)の場合、一般式:YSiX(4−n)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンをパターニング用層に用いることにより、オルガノポリシロキサンを構成するYにより表面を撥液性とすることができるからである。また、紫外光やプラズマ等のエネルギー照射によって、そのYが分解等され、親液性とすることが可能となるからである。
ここで、上記一般式において、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基、クロロアルキル基、イソシアネート基、もしくはエポキシ基、またはこれらを含む有機基であり、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。また、Yで示される有機基全体の炭素数は1〜20の範囲内、なかでも5〜10の範囲内であることが好ましい。
本発明においては、特に上記オルガノポリシロキサンを構成するYがフルオロアルキル基であるオルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。これにより、エネルギー照射前のパターニング用層の撥液性を特に高いものとすることができるからである。このようなオルガノポリシロキサンとしては、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、例えば特開2001−074928に記載されているようなものを用いることができる。
また、上記の(II)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
Figure 2009128370
上記一般式において、nは2以上の整数であり、R、Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
また、本発明に用いられる第2態様の撥液性パターニング用層の厚みは、1μm以下であることが好ましく、なかでも0.001μm〜0.500μmの範囲内であることが好ましく、特に0.001μm〜0.100μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明に用いられるパターニング用層は、上記着色層または上記遮光部の表面、あるいは、上記オーバーコート層の表面にフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマが照射されることにより、上記着色層または上記遮光部の表面、あるいは、上記オーバーコート層の表面にフッ素が含まれる態様であってもよい。
(3)透明電極層
次に、本発明に用いられる透明電極層について説明する。本発明に用いられる透明電極層は、上記着色層上、あるいは、上記オーバーコート層上に形成されるものである。このような透明電極層が形成されていることにより、本発明のカラーフィルターを用いて液晶表示装置を製造する工程を簡略化することができるという利点を有する。
本発明に用いられる透明電極層としては、透明性および導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、通常、金属酸化物の薄膜が用いられる。このような金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫等が挙げることができる。
5.カラーフィルターの製造方法
本発明のカラーフィルターは、一般的にカラーフィルターを製造する方法として公知の方法によって製造することができる。このような方法としては、例えば、基材を用い、上記基材上に着色層をパターン状に形成する着色層形成工程と、上記着色層の境界領域上に上述した態様でスペーサー部を形成する、スペーサー部形成工程と、を有する方法により製造することができる。
以下、本発明のカラーフィルターの製造方法の一例として、このような方法について説明する。
(1)着色層形成工程
本工程において上述した基材上に着色層を形成する方法としては、所望の厚みの着色層を混色無く形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、インクジェット法やフォトリソグラフィー法等を挙げることができる。なかでもインクジェット法は、高生産性で着色層を形成することができ、かつ、製造装置を簡略化することができるという点で望ましいものである。
(2)スペーサー部形成工程
本工程において、上記着色層の境界領域上にスペーサー部を形成する方法としては、所定の位置に、所定の高さのスペーサー部を均一に形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、インクジェット法またはディスペンサー法を好適に用いることができるが、特にインクジェット法が好適に用いられる。インクジェット法を用いることにより、本工程において微小なスペーサー部を高精度で形成することが可能になるからである。
本工程においてインクジェット法を用いる場合、本工程に用いられるインクジェットヘッドとしては、所望量のビーズ含有スペーサー部形成用塗工液を吐出できるものであれば特に限定されるものではない。このようなインクジェットヘッドとしては、例えば、帯電した塗工液を連続的に吐出し、磁場によって吐出を制御する吐出方式のもの、圧電素子を用いて間欠的に塗工液を吐出する吐出方式のもの、または、塗工液を加熱しその発泡現象を利用して間欠的に吐出する吐出方式のもの等を挙げることができる。本工程においては、これらのいずれのインクジェットヘッドであっても好適に用いることができるが、なかでも上記圧電素子を用いる方式のものを用いることが好ましい。このような方式のインクジェットヘッドは、圧電素子に加える電圧のパターンを任意に調整することにより、吐出粒径や吐出速度等を任意に調整することが可能であるため、本発明により製造されるカラーフィルターの用途等に応じて、本工程において形成されるスペーサー部の大きさ等を任意に制御することが容易になるからである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げることにより、本発明をさらに具体的に説明する。
1.比較例1
ガラス基板からなる基材と、上記基材上にパターン上に形成された遮光部と、上記遮光部より区画された開口部に形成された着色層とを有するカラーフィルター用基板を準備した。上記カラーフィルター上を覆うように樹脂層(オーバーコート層)を形成し、下記条件で大気圧プラズマ照射することにより、上記樹脂層の撥液化処理を行った。
(プラズマ照射条件)
・導入ガス : CF 15L/min
25L/min
・電極−基板間距離 : 2mm
・電源出力 : 160V − 5A
上記撥水処理された遮光部上に、以下の組成を有するスペーサー部形成用塗工液を、単一のインクジェットヘッドを用いて1滴ずつ85μmずつ間隔を空けて塗布し、ホットプレートで80℃、10分で乾燥させ、その後オーブンにて230℃、30分熱した。
このときスペーサーが、スペーサー列方向およびスペーサー列に対して垂直方向のいずれにおいても、複数のスペーサー部が直線状に、規則正しく配置されるように形成した。
なお、上記インクジェットヘッドは、128の吐出ノズルを備えるものを用い、128孔の内、端から30孔目の吐出ノズルの10000の整数倍番目の吐出を未吐出として、欠陥部分を形成した。
(スペーサー部形成用塗工液)
・熱硬化型樹脂 : アクリル樹脂(主成分グリシジルメタクリレート)5.0質量%
・希釈溶剤 : ブチルカルビトールアセテート、マロン酸ジメチル、トリアセチンの混合液 94.0質量%
・ビーズ : ミクロパール(積水化学社製:平均粒径3.5μm) 1.0質量%
このようにして作製したカラーフィルターを目視で観察したところ、形成されたスペーサー部の未吐出部分が欠陥として視認された。
2.実施例1
スペーサー部を形成する際に、互いに隣接するスペーサー列において、一方のスペーサー列内に配置されたスペーサー部の位置が、他方のスペーサー列内に配置された連続する2つのスペーサー部の距離の1/2に相当する位置となるように形成したこと以外は、上記比較例1と同様の方法によりカラーフィルターを作製した。
このようにして作製したカラーフィルターを目視で観察したところ、比較例1と比較して、形成されたスペーサー部の欠陥部分が視認され難くなった。
3.実施例2
スペーサー部を形成する際に、2点連続で吐出し、次の1点を未吐出とするようにスペーサー列を形成し、奇数列と偶数列で、未吐出部分がスペーサー列に対して垂直方向の位置で重ならないように形成した。このとき、偶数列同士、および奇数列同士は同じようにスペーサー部を形成した(図5参照)。
上記以外は、上記比較例1と同様の方法によりカラーフィルターを作製した。
このようにして作製したカラーフィルターを目視で観察したところ、比較例1と比較して、形成されたスペーサー部の欠陥部分が視認され難くなった。
本発明のカラーフィルターの一例を示す概略図である。 本発明のカラーフィルターの他の例を示す概略図である。 本発明のカラーフィルターの他の例を示す概略図である。 本発明のカラーフィルターの他の例を示す概略図である。 本発明のカラーフィルターの他の例を示す概略図である。
符号の説明
1 … 基材
2 … 着色層
3,3a,3b … スペーサー部
10 … カラーフィルター

Claims (3)

  1. 基材と、前記基材上にパターン状に形成された着色層と、前記着色層の境界領域上に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有するカラーフィルターであって、
    前記スペーサー部が、一直線上に複数の前記スペーサー部が配置されたスペーサー列として複数列形成されており、かつ、前記スペーサー列に対して垂直方向に形成されている各スペーサー部の位置が、隣接する少なくとも一方のスペーサー列間において異なっていることを特徴とする、カラーフィルター。
  2. 隣接する少なくとも一方のスペーサー列間において、一方のスペーサー列内に配置されたスペーサー部の位置が、他方のスペーサー列内に配置された連続する2つのスペーサー部の距離の1/2に相当する位置であることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター。
  3. 前記スペーサー部がインクジェット法によって形成されたものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のカラーフィルター。
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