JP2009127950A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009127950A
JP2009127950A JP2007304151A JP2007304151A JP2009127950A JP 2009127950 A JP2009127950 A JP 2009127950A JP 2007304151 A JP2007304151 A JP 2007304151A JP 2007304151 A JP2007304151 A JP 2007304151A JP 2009127950 A JP2009127950 A JP 2009127950A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
flow rate
compressor
detected
discharge capacity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007304151A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4882978B2 (ja
Inventor
Yoshinori Murase
善則 村瀬
Seiji Ito
誠司 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2007304151A priority Critical patent/JP4882978B2/ja
Publication of JP2009127950A publication Critical patent/JP2009127950A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4882978B2 publication Critical patent/JP4882978B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

【課題】サイクル構成機器の仕様によらず、冷媒不足状態を精度良く判定できる冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】サイクルの高圧側に配置された流量センサがサイクル内を循環する冷媒流量G1を検出し、流量推定手段S71、S72が、蒸発器のフィン温度を検出する蒸発器温度センサの検出冷媒温度Teを用いて、サイクル内を循環する冷媒の推定流量G2を推定する。さらに、冷媒不足判定手段S73が、流量センサの検出流量G1よりも推定流量G2が大きいときに、冷媒不足状態であることを判定して圧縮機の作動を停止させる。冷媒不足状態では、検出冷媒温度Teが過熱度を有する冷媒温度となり、推定流量G2が検出流量G1よりも確実に大きくなるので、冷媒不足判定手段S73では精度良く冷媒不足状態を判定できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、サイクル内を循環する冷媒が不足している冷媒不足状態を判定可能に構成された冷凍サイクル装置に関する。
蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置では、一般的に、サイクル内を循環する冷媒が不足すると、蒸発器にて発揮される冷凍能力が大幅に低下してしまうだけでなく、冷媒とともにサイクル内を循環する冷凍機油の循環量が減少して、圧縮機の潤滑不良を引き起こす。そこで、従来、サイクル内を循環する冷媒が不足している冷媒不足状態を判定可能に構成された冷凍サイクル装置が知られている。
例えば、特許文献1の冷凍サイクル装置では、可変容量型圧縮機の吐出容量を変化させる容量制御弁を用いて圧縮機の吐出圧力と吸入圧力との差圧を検出し、さらに、この差圧から推定される蒸発器の冷媒蒸発温度および実際に検出した蒸発器吹出空気温度に基づいて、制御装置に予め記憶された制御マップを参照して冷媒の状態を判定している。
そして、サイクル内を循環する冷媒の状態が冷媒不足状態であると判定された場合には、圧縮機の吐出容量を低下させる、あるいは、圧縮機を停止させることで、圧縮機の潤滑不良を防止している。
特開2007−17110号公報
ところで、特許文献1の容量制御弁は、特許文献1の段落0043に記載されているように、制御装置から出力される制御電流値に応じた電磁力を発生させる電磁機構を有して構成され、この電磁機構による電磁力と上記の差圧による力とのバランスによって弁体部を変位させる構成になっている。
そして、特許文献1の冷凍サイクル装置では、制御電流値を変化させることで可変容量型圧縮機の吐出容量を制御するとともに、差圧そのものを制御している。つまり、制御電流値を決定することによって、吐出圧力と吸入圧力との目標差圧が決定されることになるので、この制御電流値に基づいて差圧を検出することができる。
しかしながら、特許文献1には、容量制御弁の制御態様が異なる冷凍サイクル装置、あるいは、容量制御弁を備えていない冷凍サイクル装置等のように、圧縮機、容量制御弁等のサイクル構成機器の仕様が異なる冷凍サイクル装置における具体的な差圧検出手段の詳細について記載されていない。
そのため、特許文献1の冷凍サイクル装置では、サイクル構成機器の仕様が異なってしまうと適切に冷媒不足状態を判定できなくなるおそれがある。
上記点に鑑み、本発明は、サイクル構成機器の仕様によらず、冷媒不足状態を精度良く判定できる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11、41)と、圧縮機(11、41)から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(12)と、放熱器(12)にて放熱された冷媒を減圧膨張させる減圧手段(13)と、減圧手段(13)にて減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器(14)と、圧縮機(11、41)の冷媒吐出能力を変更する吐出能力変更手段(11a、41a)と、吐出能力変更手段(11a、41a)の作動を制御する吐出能力制御手段(20a)と、サイクルの高圧側に配置されて、サイクル内を循環する冷媒流量を検出する流量検出手段(26)と、蒸発器(14)のうち予め定めた部位の温度を検出する冷媒温度検出手段(24)と、冷媒温度検出手段(24)によって検出された検出冷媒温度(Te)を用いてサイクル内を循環する冷媒流量を推定する流量推定手段(S71、S711、S712、S72、S721)と、サイクル内を循環する冷媒が不足している冷媒不足状態であることを判定する冷媒不足判定手段(S73)とを備え、
冷媒不足判定手段(S73)は、流量推定手段(S71、S711、S712、S72、S721)によって推定された推定流量(G2)が流量検出手段(26)の検出流量(G1)よりも大きくなったときに、冷媒不足状態であることを判定し、吐出能力制御手段(20a)は、冷媒不足状態が判定されたときに、圧縮機(11、41)の冷媒吐出能力を低減させるように吐出能力変更手段(11a、41a)の作動を制御する冷凍サイクル装置を特徴とする。
これによれば、流量推定手段(S71、S711、S712、S72、S721)によって推定された推定流量(G2)が流量検出手段(26)の検出流量(G1)よりも大きくなったときに、冷媒不足判定手段(S73)が冷媒不足状態を判定するので、サイクル構成機器の仕様によらず、冷媒不足状態を確実に判定できる。
すなわち、冷媒不足状態では、冷媒温度検出手段(24)が過熱度を有する冷媒の温度を検出するので、この検出冷媒温度(Te)を用いて推定された推定流量(G2)は、実際にサイクルを循環する冷媒流量に相当する検出流量(G1)よりも大きくなる。従って、推定流量(G2)と検出流量(G1)とを比較することで、サイクル構成機器の仕様によらず、冷媒不足状態を確実に判定できる。
さらに、流量検出手段(26)がサイクルの高圧側に配置されているので、検出流量(G1)の実際の冷媒流量に対する検出誤差を小さくできる。つまり、低圧側冷媒に対して密度の大きい高圧側冷媒の流量を測定しているので、冷媒が流量検出手段(26)を通過する際の圧力損失の増加を抑制できる。従って、サイクルの低圧側に流量検出手段(26)を配置する場合に対して、検出誤差を縮小して、冷媒不足状態を精度よく判定できる。
そして、冷媒不足状態が判定されたときに、吐出能力制御手段(20a)が圧縮機(11)の冷媒吐出能力を低減させるように、吐出能力変更手段(11a、41a)の作動を制御するので、圧縮機(11)の潤滑不良を確実に防止することができる。
さらに、流量検出手段(26)を高圧側に配置することで、冷媒が流量検出手段(26)を通過する際の圧力損失を低下させるために流量検出手段(26)自体を大型化する必要もない。その結果、冷媒不足状態を精度よく判定できるとともに、冷凍サイクル装置全体としての大型化も回避できる。
また、上記特徴の冷凍サイクル装置において、流量推定手段(S71、S711、S72)は、検出冷媒温度(Te)を用いて圧縮機(11)に吸入される吸入冷媒密度(ρ)を決定することによって、推定流量(G2)を推定するようになっていてもよい。
例えば、冷媒不足状態時に検出冷媒温度(Te)における飽和圧力から吸入冷媒密度を決定すれば、実際に圧縮機(11、41)に吸入される冷媒の密度よりも高い値が決定される。
さらに、この実際の冷媒密度よりも高い値を用いてサイクルを循環する冷媒流量を推定すれば、推定流量(G2)も検出流量(G1)よりも大きくなる。従って、このように推定された推定流量(G2)を用いれば、冷媒不足状態を、より一層、確実に判定できる。
また、上述の特徴の冷凍サイクル装置において、さらに、放熱器(12)へ送風される空気の温度を検出する空気温度検出手段(21)および高圧側冷媒圧力を検出する高圧側圧力検出手段(25)のうち、少なくとも一方を備え、流量推定手段(S711、S712、S72、S721)は、空気温度検出手段(21)によって検出された検出空気温度(Tam)と高圧側圧力検出手段(25)によって検出された検出高圧圧力(Pd)のうち少なくとも一方を用いて推定流量(G2)を推定するようになっていてもよい。
これによれば、流量推定手段(S711、S712、S72、S721)が、検出冷媒温度(Te)のみならず検出空気温度(Tam)、検出高圧圧力(Pd)を用いて推定流量(G2)を推定するので、推定流量(G2)の推定精度を向上させることができる。その結果、冷媒不足判定手段(S73)が冷媒不足状態を誤判定してしまうことを回避して、冷媒不足状態を、より一層、精度よく判定できる。
例えば、上述の特徴の冷凍サイクル装置において、さらに、放熱器(12)から流出した冷媒と圧縮機(11、41)へ吸入される冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(16)を備え、流量推定手段(S711、S72)は、検出冷媒温度(Te)および検出空気温度(Tam)を用いて推定流量(G2)を推定するようになっていてもよい。
これによれば、内部熱交換器(16)を備える冷凍サイクル装置であっても、後述する実施形態に説明するように、内部熱交換器(16)における高圧冷媒と低圧冷媒との熱交換量の影響が補正された高い精度の推定流量(G2)を推定できる。
さらに、上述の特徴の冷凍サイクル装置において、圧縮機は、吐出容量を変更可能に構成された可変容量型圧縮機(41)であり、吐出能力変更手段は、吐出容量を変更する容量制御弁(41a)であり、流量推定手段(S712、S721)は、検出冷媒温度(Te)、および、検出空気温度(Tam)あるいは検出高圧圧力(Pd)を用いて推定流量(G2)を推定するようになっていてもよい。
これによれば、容量制御弁(41a)によって吐出容量が変更される可変容量型圧縮機(41)を備える冷凍サイクル装置であっても、後述する実施形態に説明するように、サイクルの低圧側冷媒圧力と高圧側冷媒圧力との差圧に基づいて高い精度の推定流量(G2)を推定できる。
さらに、流量推定手段(S712、S713)が、吐出能力制御手段(20a)から容量制御弁(41a)に出力される制御電流(Ic)を用いて推定流量(G2)を推定するようになっていてもよい。これにより、より一層、高い精度の推定流量(G2)を推定できる。この場合、容量制御弁(41a)は、制御電流(Ic)の増減に応じて、サイクル内を循環する冷媒流量を増減させるように構成されていてもよい。
また、上述の特徴の冷凍サイクル装置において、圧縮機は、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機(11)であって、吐出能力変更手段は、固定容量型圧縮機(11)を回転駆動する電動モータ(11a)であってもよい。
また、上述の特徴の冷凍サイクル装置において、吐出能力制御手段(20a)は、検出流量(G1)が予め定めた基準流量(KG1)以下になっているときは、圧縮機(11、41)の作動を停止させるようになっていてもよい。
前述の如く、一般的に、サイクル内を循環する冷媒には、圧縮機(11、41)を潤滑する冷凍機油が混入されており、この冷凍機油は冷媒とともにサイクル内を循環している。従って、冷凍機油を圧縮機(11、41)へ戻すために必要な冷媒流量、すなわち圧縮機(11、41)の潤滑不足を招くことのない最低流量より大きい値に基準流量(KG1)を設定することで、冷凍サイクル装置の作動を停止させることなく圧縮機(11、41)の潤滑不足を回避できる。
また、上述の特徴の冷凍サイクル装置において、冷媒不足判定手段(S73)は、単位時間あたりの圧縮機(11、41)の冷媒吐出能力の変化量が、予め定めた基準冷媒吐出能力変化量以下になっているときのみに、冷媒不足状態の判定を行うようになっていてもよい。
これによれば、冷媒不足判定手段(S73)が、圧縮機(11、41)の冷媒吐出能力変化量の少ないとき、すなわちサイクルを循環する冷媒流量の変動が少ないときのみに冷媒不足状態の判定を行うので、冷媒流量の変動の影響による誤判定を抑制できる。
また、上述の特徴の冷凍サイクル装置において、冷媒不足判定手段(S73)は、単位時間あたりの検出流量(G1)および推定流量(G2)のうち、少なくとも一方の流量変化量(ΔG1)が、予め定めた基準流量変化量(ΔKG1)以下になっているときのみに、冷媒不足状態の判定を行うようになっていてもよい。
これによれば、冷媒不足判定手段(S73)が、検出流量(G1)および推定流量(G2)のうち、少なくとも一方の流量変化量(ΔG1)が少ないとき、すなわちサイクルを循環する冷媒流量の変動が少ないときのみに冷媒不足状態の判定を行うので、冷媒流量の変動の影響による誤判定を抑制できる。
また、上述の特徴の冷凍サイクル装置において、流量検出手段(26)の少なくとも一部は、圧縮機(11、41)と一体に構成されていてもよい。これにより、流量検出手段(26)および圧縮機(11、41)の小型化を図ることができる。
また、上述の特徴の冷凍サイクル装置において、圧縮機(11、41)は、冷媒を臨界圧力以上となるまで昇圧するようになっていてもよい。また、冷媒は二酸化炭素であってもよい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1〜4により、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態では、本発明の冷凍サイクル装置10を車両用空調装置に適用している。図1は、本実施形態の冷凍サイクル装置10の全体構成図である。
冷凍サイクル装置10では、冷媒として二酸化炭素を採用しており、圧縮機11の吐出冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上(超臨界状態)となる超臨界冷凍サイクルを構成している。さらに、この冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、この冷凍機油は冷媒とともにサイクルを循環している。
圧縮機11は、冷凍サイクル装置10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するもので、電動モータ11aから駆動力が伝達されて回転駆動される。また、この圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機であり、具体的には、スクロール型圧縮機、ベーン型圧縮機等の各種圧縮機構を採用できる。圧縮機11および電動モータ11bは同一のハウジング内に収容されており、いわゆる電動圧縮機として一体に構成されている。
電動モータ11aは、後述する空調制御装置20から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。そして、この回転数制御によって、圧縮機11の冷媒吐出能力が変更される。従って、本実施形態の電動モータ11aは、吐出能力変更手段を構成している。
圧縮機11の冷媒吐出側には、放熱器12が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒と冷却ファン12aにより送風される外気(車室外空気)とを熱交換させて、高圧冷媒を放熱させる放熱用熱交換器である。冷却ファン12aは、後述する空調制御装置20から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
なお、前述の如く、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、超臨界冷凍サイクルを構成しているので、放熱器12を通過する冷媒は、凝縮することなく超臨界状態のまま放熱する。
放熱器12の出口側には、圧力制御弁13が接続されている。圧力制御弁13は、放熱器12から流出した高圧冷媒を減圧膨張させるとともに、高圧側冷媒圧力が目標高圧となるように、弁開度(絞り開度)が機械的機構にて調整されるように構成されている。
具体的には、圧力制御弁13は、放熱器12出口側に設けられた感温部13aを有し、この感温部13aの内部に放熱器12出口側の高圧冷媒の温度に対応した圧力を発生させ、感温部13aの内圧と放熱器12出口側の冷媒圧力とのバランスで圧力制御弁13の弁開度を調整するようになっている。
これにより、高圧側冷媒圧力を放熱器12の出口側の高圧側冷媒温度により決まる目標高圧に調整できる。このような高圧制御機能を持つ圧力制御弁13は特開2000−81157号公報等にて公知である。
圧力制御弁13の出口側には、蒸発器14が接続されている。蒸発器14は、圧力制御弁13にて減圧された低圧冷媒と送風ファン14aから車室内へ送風される送風空気とを熱交換させて、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。また、送風ファン14aは、空調制御装置20から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
なお、図2の模式的な外観斜視図に示すように、本実施形態では、蒸発器14として、2つの第1、2熱交換部14b、14cを送風空気流れ方向100に対して直列に配置したものを採用している。なお、第1、2熱交換部14b、14cの基本的な構成は同一であり、それぞれ周知のフィンアンドチューブ型の熱交換器構造になっている。
さらに、風上側に配置される第1熱交換部14b用のタンク部14dおよび風下側に配置される第2熱交換部14c用のタンク部14eを連通させるとともに、各タンク部14d、14e内の内部空間を適宜セパレータによって仕切ることで、図2の太実線矢印200に示すように、圧力制御弁13から流出した冷媒を第2熱交換部14c→第1熱交換部14bの順で流通させる。
これにより、第1、2熱交換部14b、14cのうち送風空気流れ方向100の前後で重なる部分同士における液相冷媒の分布の偏りを相殺して、送風空気の効率的な冷却と蒸発器14から吹き出される吹出空気温度の均一化とを図っている。
また、蒸発器14は、車両用空調装置の室内空調ユニットにおいて車室内送風空気の空気通路を形成する図示しないケース内に配置されており、このケースの空気流れ最上流部には、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替箱(図示せず)が設けられている。
この内外気切替箱の内部には、内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる風量割合変更手段を構成する内外気切替ドアが配置されている。この内外気切替ドアは、空調制御装置20から出力される制御信号によって作動制御されるサーボモータによって駆動される。
従って、蒸発器14では、内外気切替箱を介して導入された内気、外気あるいは内気と外気との混合空気を冷却することができる。さらに、蒸発器14にて冷却された送風空気は、エンジン冷却水を熱源とするヒータコア等の加熱手段により再加熱されることによって温度調整されて、空調対象空間である車室内へ吹き出される。
蒸発器14の出口側には、図1に示すように、アキュムレータ15が接続されている。アキュムレータ15は、蒸発器14から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒に分離するとともに、サイクル内の余剰冷媒を蓄える気液分離器である。また、アキュムレータ15には、気相冷媒を流出させる気相冷媒出口が設けられており、気相冷媒出口は、圧縮機11の冷媒吸入側に接続されている。
次に、本実施形態の電気制御部の概要を説明する。空調制御装置20は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。そして、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、上述の各種電気式アクチュエータ11a、12a、14a等の作動を制御する。
なお、空調制御装置20は、各種電気式アクチュエータを制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、本実施形態では、特に、空調制御装置20のうち電動モータ11aの作動を制御するハードウェアおよびソフトウェアの構成を吐出能力制御手段20aとする。
空調制御装置20の入力側には、空調用センサ群21〜26および車室内に配置された操作パネル30が接続されており、空調用センサ群21〜26の検出信号および操作パネル30に設けられた各種操作スイッチ31〜33の操作信号等が入力される。
空調用センサ群としては、具体的に、外気温Tamを検出する外気温センサ21、内気温Trを検出する内気温センサ22、車室内に入射する日射量Tsunを検出する日射センサ23、蒸発器14のフィン温度Teを検出する蒸発器温度センサ24、圧縮機11から吐出される吐出冷媒圧力Pdを検出する高圧圧力センサ25、圧縮機11から吐出される冷媒流量G1を検出する流量検出手段である流量センサ26等が設けられる。
なお、前述の如く、放熱器12では冷媒と外気とを熱交換させるものなので、本実施形態の外気温センサ21は、放熱器12へ送風される空気の温度を検出する空気温度検出手段を構成し、外気温センサ21によって検出された外気温が検出空気温度Tamとなる。
蒸発器温度センサ24は、蒸発器14のうち予め定めた部位の温度を検出する冷媒温度検出手段であり、蒸発器温度センサ24によって検出されたフィン温度が検出冷媒温度Teとなる。さらに、この蒸発器温度センサ24は、図2に示すように、蒸発器14のうち風下側に配置される第2熱交換部14cの冷媒出口部側に配置されている。
高圧圧力センサ25は、高圧側冷媒圧力を検出する高圧側圧力検出手段を構成しており、高圧圧力センサ25によって検出された吐出冷媒圧力が検出高圧圧力Pdとなる。
流量センサ26は、サイクル内を循環する冷媒流量を検出する流量検出手段を構成しており、流量センサ26にて検出された冷媒流量が検出流量G1となる。この流量センサ26は、圧縮機11の冷媒吐出側通路を形成するハウジング内に設けられている。つまり、流量センサ26は、圧縮機11と一体に構成されて、圧縮機11および流量センサ26の小型化を図っている。
さらに、本実施形態では、流量センサ26として、サイクル内を循環する冷媒を通過させる絞り部と、この絞り部における圧力損失(差圧)を検出する差圧検出部と、絞り部の下流側冷媒の温度および圧力を検出する温度・圧力検出部とを有し、差圧検出部の検出値(差圧)と温度・圧力検出部の検出値から推定される冷媒密度によって、冷媒流量を検出する差圧式流量センサを採用している。
操作パネル30の操作スイッチとしては、具体的に、車両用空調装置の作動指令信号を出力するエアコンスイッチ31、空調状態の自動制御を要求する自動制御要求信号を出力するオートスイッチ32、冷却対象空間である車室内の目標温度Tsetを設定する目標温度設定手段をなす温度設定スイッチ33等が設けられる。
また、空調制御装置20の出力側には、圧縮機11の電動モータ11a、冷却ファン12aおよび送風ファン14aの電動モータ、内外気切替ドアのサーボモータ等の電気式アクチュエータが接続され、これらの機器の作動が空調制御装置20の出力信号により制御される。
次に、上記構成の本実施形態の作動を図3、4に基づいて説明する。図3、4は、空調制御装置20が実行する制御処理を示すフローチャートである。この制御処理は、図示しない車両の始動スイッチ(イグニッションスイッチ)の投入状態において、オートスイッチ32が投入(ON)されるとスタートする。
まず、図3に示すように、ステップS1ではフラグ、タイマ等の初期化がなされ、次のステップS2にて、センサ群21〜26により検出された検出信号、および、操作パネル30の操作信号を読込む。
次に、ステップS3にて、車室内吹出空気の目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは空調熱負荷変動および温度設定スイッチ33により設定した設定温度Tsetに基づいて、下記数式F1により算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ksun×Tsun+C
…(F1)
なお、Kset、Kr、Kam、Ksunは制御ゲインおよびCは補正用の定数である。
次に、ステップS4にて、圧縮機11を除く、各種空調制御機器の制御状態を決定する。すなわち、空調制御装置20の出力側に接続された各種電気式アクチュエータのうち、電動モータ11aを除く、送風ファン14aの電動モータ、内外気切替ドアのサーボモータ等へ出力される制御信号が決定される。
例えば、送風ファン14aの電動モータへ出力される制御信号(制御電圧)については、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置20に記憶された制御マップを参照して、TAOに応じて適切な送風量となるように決定する。
より具体的には、TAOの極低温域(最大冷房域)および極高温域(最大暖房域)で制御電圧を最大値として、送風量を最大風量とする。TAOが極低温域から中間温度域に向かって上昇、あるいは、TAOが極高温域から中間温度域に向かって低下するに伴って、制御電圧を減少させて送風量を減少させる。また、TAOが所定の中間温度域内に入ると、制御電圧を最小値として、送風量を最小風量とする。
内外気切替ドアのサーボモータへ出力される制御信号については、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置20に記憶された制御マップを参照して、TAOに応じて適切な内外気混合割合となるように決定する。
具体的には、設定温度Tsetに対して内気温Trが所定温度以上に高いとき(冷房高負荷時)に内気モードとし、TAOが低温側から高温側へ上昇するにつれて、全内気モード→内外気混入モード→全外気モードと切り替える。
次に、ステップS5にて、蒸発器14における目標冷媒蒸発温度TEOを決定する。具体的には、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置20に記憶された制御マップを参照して目標冷媒蒸発温度TEOを決定する。本実施形態では、TAOの増加に伴って、TEOも増加するように決定する。
次に、ステップS6にて、圧縮機11の冷媒吐出能力を決定する。具体的には、蒸発器温度センサ24にて検出された蒸発器14のフィン温度Teと目標冷媒蒸発温度TEOとの偏差En(Te−TEO)を算出し、この偏差Enに基づいて、TeをTEOに近づけるように比例積分制御(PI制御)によるフィードバック制御手法によって、電動モータ11aへ出力する制御信号を変更する。
この際、具体的に、電動モータ11aとして交流モータを採用している場合は、インバータから電動モータ11aへ供給される駆動電流の周波数を制御する制御信号を変更し、電動モータ11aとして直流モータを採用している場合は、電動モータ11aへ供給される制御電圧を変更する。
従って、いずれの形式の電動モータを採用している場合であっても、制御信号によって電動モータ11aの回転数Ncを検出することができる。もちろん、必要に応じて、回転数センサを設けて、電動モータ11aの回転数を検出してもよい。
次に、ステップS7にて、サイクル内を循環する冷媒が不足している冷媒不足状態の判定と、冷媒不足状態が判定された場合の制御が行われる。このステップS7の詳細については、図4のフローチャートにより説明する。まず、ステップS71では、蒸発器温度センサ24にて検出された蒸発器14のフィン温度Teを用いて圧縮機11に吸入される吸入冷媒密度ρを決定する。
ここで、フィン温度Teを蒸発器14における冷媒蒸発温度TLとし、この冷媒蒸発温度TLにおける飽和圧力を冷媒蒸発圧力PLとすれば、この冷媒蒸発温度TLおよび冷媒蒸発圧力PLに基づいて圧縮機11に吸入される気相冷媒の吸入冷媒密度ρを算出することができる。そこで、ステップS71では、上記の算出手法によって得られた制御マップを参照して、冷媒蒸発温度TLに基づいて吸入冷媒密度ρを決定する。
次に、ステップS72にて、下記数式F2によってサイクル内を循環する冷媒の流量を推定する。以下、数式F2によって得られる流量を推定流量G2という。
G2=ηv×Nc×Vc×ρ…(F2)
なお、ηvは圧縮機11の体積効率であり、Ncは電動モータ11aの制御信号から決定される圧縮機11(電動モータ11a)の回転数であり、Vcは圧縮機11の1回転当たりの吐出容量である。従って、ステップS71、S72は、サイクル内を循環する冷媒の流量を推定する流量推定手段を構成している。
次に、ステップS73にて、サイクル内を循環する冷媒が不足している冷媒不足状態であるか否かの判定がなされる。具体的には、検出流量G1と推定流量G2とを比較して、G1<G2になっている場合は、冷媒不足状態であると判定してステップS74へ進む。
つまり、冷媒不足状態では、蒸発器14内の冷媒が過熱度を有する気相状態(過熱状態)となる。従って、フィン温度Teおよびフィン温度Teにおける飽和圧力に基づいて決定される吸入冷媒密度ρは、アキュムレータ15にて分離されて実際に圧縮機11に吸入される冷媒の密度よりも高い値となる。
さらに、この実際の冷媒密度よりも高い値の吸入冷媒密度ρを用いて上記数式F2にてサイクルを循環する冷媒流量を推定すれば、推定流量G2が検出流量G1よりも大きくなる。その結果、ステップS73では、冷媒不足状態であるか否かを判定することができる。従って、このステップS73は、冷媒不足状態を判定する冷媒不足判定手段を構成している。
ステップS74では、電動モータ11aの回転数が0となるように、すなわち、圧縮機11の作動を停止させるように電動モータ11aへ出力される制御信号を変更してステップS8へ進む。一方、G1<G2になっていない場合は、冷媒不足状態ではないものとして、ステップS8へ進む。
ステップS8では、上記ステップS4、S7にて決定された制御状態が得られるように、空調制御装置20より電気式アクチュエータに対して制御信号が出力される。次のステップS9で制御周期τの間待機し、制御周期τの経過を判定するとステップS2に戻るようになっている。
本実施形態では、上記の如く、流量推定手段を構成するステップS71、S72によって推定された推定流量G2が流量センサ26の検出流量G1よりも大きくなったときに、冷媒不足判定手段を構成するステップS73が冷媒不足状態を判定するので、例えば、電動圧縮機を採用する冷凍サイクル装置であっても、冷媒不足状態を確実に判定できる。
すなわち、サイクル構成機器の仕様によらず、冷媒不足状態では、蒸発器温度センサ24がフィン温度Teとして過熱状態の冷媒の温度を検出するので、このフィン温度Teを用いて推定された推定流量G2は、実際にサイクルを循環する冷媒流量に相当する検出流量G1よりも大きくなる。従って、推定流量G2と検出流量G1とを比較することで、冷媒不足状態を確実に判定できる。
そして、冷媒不足状態が判定されたときに、吐出能力制御手段20aが電動モータ11aの回転数を0として圧縮機11の作動を停止させるので、圧縮機11の潤滑不良を確実に防止することができる。
ここで、本実施形態では、蒸発器温度センサ24を第2熱交換部14dの冷媒出口部側に配置している。このことは、蒸発器温度センサ24が、蒸発器14全体としての冷媒流路の中央部近傍に配置されていることを意味する。従って、蒸発器14全体としての冷媒流路の中央部近傍で冷媒が過熱状態となる程度の冷媒不足状態を判定できる。
これに対して、例えば、蒸発器温度センサ24を蒸発器14の入口部近傍に配置すれば、蒸発器14の入口部近傍で冷媒が過熱状態となるような極端な冷媒不足状態を判定でき、蒸発器14の出口部近傍に配置すれば、蒸発器14の出口部近傍で冷媒が過熱状態となる程度の僅かな冷媒不足状態を判定できる。つまり、蒸発器温度センサ24の配置を変更すれば、判定できる冷媒不足状態の程度を変更することもできる。
さらに、本実施形態では、流量センサ26がサイクルの高圧側に配置されることになるので、検出流量G1の実際の冷媒流量に対する検出誤差を小さくできる。つまり、低圧側冷媒に対して密度の大きい高圧側冷媒の流量を測定しているので、冷媒が流量センサ26を通過する際の圧力損失の増加を抑制できる。従って、サイクルの低圧側に流量センサ26を配置する場合に対して、検出誤差、検出ばらつきを縮小できる。
しかも、冷媒が流量センサ26を通過する際の圧力損失を低下させるために流量センサ26自体を大型化する必要もない。その結果、冷媒不足状態を精度よく判定できるとともに、冷凍サイクル装置全体としての大型化も回避できる。さらに、流量センサ26が、圧縮機11の冷媒吐出側通路を形成するハウジング内に設けられているので、流量センサ26および圧縮機11の小型化を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、ステップS73にて、冷媒不足状態であることが判定された場合に、ステップS74にて圧縮機11の作動を停止させているが、冷媒不足状態ではサイクル内の冷媒が車室内に漏れ出していることが懸念される。そこで、ステップS74において、内外気切替ドアのサーボモータへ出力される制御信号を全外気モードへ強制的に変更するようにしてもよい。
(第2実施形態)
本実施形態の冷凍サイクル装置10では、図5に示すように、上述の第1実施形態に対して、内部熱交換器16を設けている。なお、図5は、本実施形態の冷凍サイクル装置10の全体構成図である。また、図5では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは以下の図面においても同様である。
内部熱交換器16は、高圧側冷媒流路16aを通過する放熱器12出口側冷媒と低圧側冷媒流路16bを通過する圧縮機11吸入側冷媒とを熱交換させて、高圧側冷媒流路16aを通過する冷媒を冷却するものである。これにより、蒸発器14における入口側冷媒のエンタルピと出口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差(冷凍能力)を増大させることができる。
なお、内部熱交換器16の具体的構成としては、高圧側冷媒流路16aと低圧側冷媒流路16bとを形成する冷媒配管同士をろう付け接合して熱交換させる構成や、高圧側冷媒流路16aを形成する内側管の外側に低圧側冷媒流路16bを配置する2重管方式の熱交換器構成等を採用できる。
ところで、本実施形態のように、内部熱交換器16を備えるサイクルでは、蒸発器14流出冷媒が、放熱器12出口側冷媒によって加熱された後に圧縮機11へ吸入される。従って、蒸発器温度センサ24によって検出されたフィン温度Teは、圧縮機11吸入冷媒の温度よりも低くなる。このため、第1実施形態と同様の算出手法で吸入冷媒密度ρを決定すると、実際の圧縮機11の吸入冷媒密度よりも小さい値が決定されてしまう。
さらに、実際の吸入冷媒密度よりも小さい値を用いて推定流量G2を推定すると、推定流量G2実際の冷媒流量よりも小さい値が推定されてしまうため、冷媒不足判定手段を構成するステップS73が冷媒不足状態を判定できなくなってしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、第1実施形態に対して、図6に示すように、図3のステップS7における制御処理を変更し、ステップS711、S72によって流量推定手段を構成している。
まず、本実施形態のステップS711では、下記数式F3によって吸入冷媒温度Tsを算出する。
Ts=f(TL、Tam、G1、φ)…(F3)
なお、φは内部熱交換器16の熱交換効率であり、内部熱交換器16の各冷媒流路16a、16bの長さ、熱伝達率などによって定められる。
前述の如く、内部熱交換器16では、蒸発器14出口側冷媒と放熱器12出口側冷媒とを熱交換させる。従って、蒸発器14出口側冷媒温度に相当する冷媒蒸発温度TL、放熱器12出口側冷媒温度に相当する外気温(検出空気温度)Tam、サイクル内を循環する冷媒の検出流量G1および熱交換効率φによって、内部熱交換器16の低圧側冷媒流路16b流出冷媒の温度、すなわち吸入冷媒温度Tsを算出することができる。
そして、上記数式F3によって算出された吸入冷媒温度Tsにおける飽和圧力を冷媒蒸発圧力PLとすれば、第1実施形態と同様に、この吸入冷媒温度Tsおよび冷媒蒸発圧力PLに基づいて圧縮機11に吸入される気相冷媒の吸入冷媒密度ρを決定することができる。その他の構成および制御は第1実施形態と同様である。
本実施形態では、上記の如く、流量推定手段を構成するステップS71、S72において、検出冷媒温度Teのみならず検出空気温度Tamを用いて推定流量G2を推定するので、内部熱交換器16を備える冷凍サイクル装置10であっても、推定流量G2の推定精度を向上させることができる。
つまり、ステップS711において、内部熱交換器16における高圧冷媒と低圧冷媒との熱交換量の影響が補正されるので、高い精度の推定流量G2を推定できる。その結果、冷媒不足状態を確実かつ精度よく判定することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
第1実施形態では、冷媒不足判定手段を構成するステップS73が冷媒不足状態を判定したときに、圧縮機11の作動を停止させているが、本実施形態では、冷媒不足状態を判定しても圧縮機11の潤滑不足が生じていない場合は、圧縮機11の作動を継続させる例を説明する。具体的には、本実施形態では、図7に示すように、図3のステップS7における制御処理を変更している。
ステップS73にて、冷媒不足状態であると判定されると、ステップS75に進み、検出冷媒流量G1≦基準流量KG1となっているか否かが判定される。この基準流量KG1は、冷媒とともにサイクル内を循環する冷凍機油を圧縮機11へ戻すために必要な冷媒流量、すなわち圧縮機11の潤滑不足を招くことのない最低冷媒循環流量よりも高い値に設定されている。
ステップS75にて、G1≦KG1になっている場合は、圧縮機11の潤滑不足が生じているものとして、ステップS76へ進み、電動モータ11aの回転数が0となるように、すなわち、圧縮機11の作動を停止させるように電動モータ11aへ出力される制御信号を変更してステップS8へ進む。一方、ステップS75にて、G1≦KG1になっていない場合は、圧縮機11の潤滑不足を生じていないものとしてステップS8へ進む。
その他の制御および構成は第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、圧縮機11の潤滑不足が生じていない場合は、圧縮機11の作動を継続させて、空調対象空間の空調を継続できる。
もちろん、上述したステップS75、S76による制御を、第2実施形態で説明した内部熱交換器16を備える冷凍サイクル装置10に適用してもよい。さらに、圧縮機11の潤滑不足が生じていない場合であっても、ステップS73にて、冷媒不足状態が判定された場合は、ユーザーに冷媒不足状態が発生していることを知らせる警報手段等を設けてもよい。
(第4実施形態)
上述の第1〜3実施形態では、圧縮機11として固定容量型圧縮機を採用した例を説明したが、本実施形態では、図8に示すように、可変容量型の圧縮機41を採用した例を説明する。なお、図8は、本実施形態の冷凍サイクル装置10の全体構成図である。
本実施形態の圧縮機41は、プーリおよびベルトを介して車両走行用エンジン(図示せず)から駆動力が伝達されて回転駆動されるもので、空調制御装置20から出力される制御信号によって吐出容量を連続的に変更可能に構成された周知の斜板式可変容量型圧縮機である。なお、吐出容量とは冷媒の吸入圧縮を行う作動空間の幾何学的な容積、すなわちピストンストロークの上死点と下死点との間のシリンダ容積である。
具体的には、圧縮機41は、吸入冷媒と吐出冷媒とを導入させる斜板室(図示せず)、斜板室へ導入させる吸入冷媒と吐出冷媒との割合を調整する電磁式容量制御弁41a、斜板室の圧力に応じて傾斜角度を変位させる斜板(図示せず)を有して構成されている。そして、この斜板の傾斜角度に応じてピストンストローク(吐出容量)が変更される。
電磁式容量制御弁41aは、圧縮機41の吸入冷媒圧力と吐出冷媒圧力との差圧による力を発生する圧力応動機構と、この差圧による力と対向する電磁力を発生する電磁機構とを内蔵しており、差圧による力と電磁力との釣り合いによって弁開度(吸入冷媒と吐出冷媒との割合)を調整して斜板室の圧力を変化させる。
また、電磁機構の電磁力は、空調制御装置20から出力される制御電流Icによって決定され、制御電流Icを増加させると、斜板室の圧力が低下し、斜板の傾斜角度が増加する。これにより、ピストンストローク(吐出容量)が増加する。逆に、制御電流Icを減少させると、斜板室の圧力が上昇し、斜板の傾斜角度が減少する。これにより、ピストンストローク(吐出容量)が減少する。
そして、この吐出容量の増減に応じて、圧縮機41の吐出流量が増減することになるので、本実施形態では、電磁式容量制御弁41aが吐出能力変更手段を構成する。なお、本実施形態における制御電流Icと圧縮機41の吐出流量との関係は、図9の特性図に示されるように、制御電流Icの増加に伴って、圧縮機41の吐出流量が増加するようになっている。このような循環冷媒流量制御機能を持つように構成された容量制御弁は、特開2001−173556号公報等にて公知である。
ここで、図9により、制御電流Icと圧縮機41の吐出流量の関係について説明する。なお、図9のIcmaxは、所定回転数時における最大吐出流量を吐出させる制御電流値を示している。図9に示すように、制御電流Icの増加に伴う吐出流量の増加割合は、圧縮機41の吸入冷媒圧力と吐出冷媒圧力との差圧の増加に伴って小さくなる。
このような関係となる理由は、差圧が小さい場合に所定の流量を吐出させるために必要な制御電流Icに対して、差圧が大きい場合に所定の流量を吐出させるために必要な制御電流Icは小さくなるからである。
また、圧縮機41の最大吐出流量は、圧縮機41の回転数によって変化し、回転数Nc1に対して回転数Nc2が低いときは、図9に示すように回転数Nc1における最大流量よりも回転数Nc2における最大流量が少なくなる。このため、圧縮機の回転数の低下に伴って、Icmaxも低くなる。
制御電流Icの出力は、具体的には電流制御回路の構成上、デューティ制御により変化させる方式とするのが通常であるが、制御電流Icの値をデューティ制御によらず直接、連続的(アナログ的)に変化させてもよい。このように制御電流Icが調整されることによって、圧縮機41では、吐出容量を略0%〜100%の範囲で連続的に変化させることができる。
なお、本実施形態の圧縮機41では吐出容量を約0%とすることができるので、上述の如く、圧縮機41をプーリおよびベルトを介して車両走行用エンジンに常時連結するクラッチレスの構成とすることができる。もちろん、電磁クラッチを介して車両走行用エンジンから動力を伝達できるようにしてもよい。さらに、本実施形態では、図示しない圧縮機41あるいは車両走行用エンジンの回転数Ncを検出する回転数センサも設けている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
次に、本実施形態の冷凍サイクル装置10の作動を説明する。本実施形態では、電磁式容量制御弁41aが吐出能力変更手段を構成しているので、空調制御装置20が実行する制御処理は、第1実施形態の図3に示すフローチャートに対して以下のように変更されている。
まず、ステップS6では、蒸発器温度センサ24にて検出された蒸発器14のフィン温度Teと目標冷媒蒸発温度TEOとの偏差En(Te−TEO)を算出し、この偏差Enに基づいて、TeをTEOに近づけるように比例積分制御(PI制御)によるフィードバック制御手法によって、電磁式容量制御弁41aへ出力する制御電流Icを変更する。
次に、本実施形態における図3のステップS7が図10に示すステップS70に変更されている。図10に示すように、まず、ステップS712では、蒸発器温度センサ24にて検出された蒸発器14のフィン温度Teを用いて圧縮機41に吸入される吸入冷媒圧力Psを決定する。具体的には、フィン温度Teを蒸発器14における冷媒蒸発温度TLとし、この冷媒蒸発温度TLにおける飽和圧力を吸入冷媒圧力Psとしている。
次に、ステップS721では、ステップS712で決定された吸入冷媒圧力Ps、高圧圧力センサ25によって検出された検出高圧圧力(吐出冷媒圧力)Pd、回転数Ncおよび制御電流Icに基づいて、前述の図9から得られた制御マップを参照して、推定流量G2を推定する。従って、本実施形態では、ステップS712、S721が、流量推定手段を構成している。ステップS73以降の制御は第1実施形態と同様である。
つまり、冷媒不足状態では、蒸発器14内の冷媒が過熱度を有する気相状態(過熱状態)となるので、フィン温度Teにおける飽和圧力である吸入冷媒圧力Psは、圧縮機41に吸入される冷媒の圧力よりも高い値となる。従って、圧縮機41の吐出冷媒圧力と吸入冷媒圧力との差圧も実際の差圧より小さくなる。
従って、制御電流Icから図9の特性図を参照して推定流量G2を推定すると、推定流量G2が検出流量G1よりも大きい値となる。その結果、ステップS73では、推定流量G2と検出流量G1とを比較することで冷媒不足状態であるか否かを判定することができる。
本実施形態では、上記の如く、流量推定手段を構成するステップS712、S721において、検出冷媒温度Teのみならず検出高圧圧力Pdを用いて推定流量G2を推定するので、電磁式容量制御弁41aによって吐出容量が変更される可変容量型の圧縮機41を備える冷凍サイクル装置10であっても、推定流量G2の推定精度を向上させることができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、検出高圧圧力Pdを圧縮機41の冷媒吐出圧力として、推定流量G2を推定しているが、外気温センサ21によって検出された外気温(検出空気温度)Tamを用いて冷媒吐出圧力を決定してもよい。
前述の如く、外気温(検出空気温度)Tamは放熱器12出口側冷媒温度に相当する温度であり、圧力制御弁13では、高圧側冷媒圧力を放熱器12の出口側の高圧側冷媒温度により決まる目標高圧に調整している。従って、検出空気温度Tamによって高圧側冷媒圧力、すなわち冷媒吐出圧力を推定することができる。従って、ステップS721において検出空気温度Tamを用いても冷媒不足状態を精度よく判定することができる。
また、本実施形態のように、電磁式容量制御弁41aによって吐出容量が変更される可変容量型の圧縮機41を備える冷凍サイクル装置10に内部熱交換器16を設け、第2実施形態と同様の制御を行ってもよい。さらに、第3実施形態と同様の制御によって、圧縮機41の潤滑不足が生じていない場合は、冷凍サイクル装置10の作動を継続させてもよい。
(第5実施形態)
上述の第4実施形態では、冷凍サイクル装置10の作動中、繰り返しステップS73にて冷媒不足状態となっているか否かが判定されることになるが、本実施形態では、単位時間あたりの圧縮機41の冷媒吐出能力変化量の少ないとき、すなわちサイクルを循環する冷媒流量の変動が少ないときのみに冷媒不足状態の判定を行う。
具体的には、図11のフローチャートに示すように、ステップS6にて圧縮機41の冷媒吐出能力を決定した後、ステップS61にて、電磁式容量制御弁41aに出力される制御電流Icが圧縮機41の吐出流量が最大となる制御電流値Icmaxより大きくなっているか否かを判定する。
ステップS61でIc>Icmaxとなっている場合は、ステップS7へ進む。前述の図9に示すように、Ic>Icmaxとなっている場合は、圧縮機41の吐出流量が最大となるので、吐出流量が変化しない。つまり、本実施形態では、単位時間あたりの圧縮機41の冷媒吐出能力変化量が基準冷媒吐出能力変化量(本実施形態では変化量0)以下になり、サイクルを循環する冷媒流量が変動しない。
そして、ステップS7へ進み、第1実施形態と同様に、冷媒不足状態になっているか否かの判定と、冷媒不足状態が判定された場合の制御が行われる。一方、Ic>Icmaxとなっていない場合は、圧縮機41の吐出流量が変化しうる状態なので、ステップS8へ進む。つまり、ステップS7の制御処理は行われない。その他の制御および構成については、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、上記の如く、単位時間あたりの圧縮機41の冷媒吐出能力の変化量が基準冷媒吐出能力変化量以下になっているときのみ、すなわち、サイクルを循環する冷媒流量の変動が少ないときのみに冷媒不足状態の判定を行うので、冷媒流量の変動の影響による誤判定を抑制できる。
さらに、冷媒不足状態の判定を行った場合は、第1実施形態と同様に、冷媒不足状態を確実かつ精度よく判定することができる。つまり、Ic>Icmaxでは、圧縮機41として可変容量型圧縮機を採用している場合であっても、容量100%状態となっているので、固定容量型圧縮機を採用した第1実施形態の制御ステップS7と同様の制御を適用できる。もちろん、第2、3実施形態の制御ステップS7と同様の制御を適用してもよい。
(第6実施形態)
上述の第5の実施形態ではIc>Icmaxのとき、すなわちサイクルを循環する冷媒流量が変動しないときのみ、冷媒不足状態になっているか否かの判定と、冷媒不足状態が判定された場合の制御を行う例を説明しているが、本実施形態では、図12に示すように、IcとIcmaxの大小関係を比較して、サイクルを循環する冷媒流量が変動し得るとき、および、変動しないときのそれぞれに応じた制御を行っている。
具体的には、図12に示すように、ステップS61において、Ic>Icmaxとなっている場合は、第5実施形態のステップS7と同様の制御で冷媒不足状態になっているか否かの判定と、冷媒不足状態が判定された場合の制御を行う。一方、Ic>Icmaxとなっていない場合は、第4実施形態のステップS70と同様の制御で冷媒不足状態になっているか否かの判定と、冷媒不足状態が判定された場合の制御を行う。
その他の制御および構成については、第5実施形態と同様である。従って、本実施形態では、サイクルを循環する冷媒流量の変動が少ないときに冷媒不足状態を確実かつ精度よく判定することができるだけでなく、単位時間あたりの圧縮機41の冷媒吐出能力の変化量が基準冷媒吐出能力変化量を超えるとき、すなわち、サイクルを循環する冷媒流量の変動が多いときであっても、冷媒不足状態を判定することができる。
(第7実施形態)
上述の第1実施形態では、冷凍サイクル装置10の作動中に、繰り返しステップS73にて冷媒不足状態となっているか否かについて判定しているが、本実施形態では、単位時間あたりにサイクルを循環する冷媒流量の変化量が基準変化量よりも少ないとき、すなわちサイクルを循環する冷媒流量の変動が少ないときのみに冷媒不足状態の判定を行う。
具体的には、図13のフローチャートに示すように、ステップS6にて圧縮機11の冷媒吐出能力を決定した後、ステップS62へ進む。ステップS62では、今回検出された検出流量G1nから、空調制御装置20のメモリに記憶された単位時間前に検出された検出流量G1n−1を減算した値の絶対値、すなわち単位時間あたりの検出流量G1の流量変化量ΔG1が基準流量変化量ΔKG1以下となっているか否かを判定する。
ここで、基準流量変化量ΔKG1は、サイクルを循環する冷媒流量の変動が十分少ない値となるように定めた値であり、本実施形態では、具体的に、単位時間前に検出された検出流量G1n−1の10%の値を基準流量変化量ΔKG1としている。さらに、単位時間は、30秒としている。
このステップS62で、ΔG1≦ΔKG1となっている場合はサイクルを循環する冷媒流量の変動が少ない状態であるとして、ステップS7へ進み、第1実施形態と同様に、冷媒不足状態になっているか否かの判定と、冷媒不足状態が判定された場合の制御が行われる。
一方、ΔG1≦ΔKG1となっていない場合は、サイクルを循環する冷媒流量が大きく変化しうる状態なので、ステップS8へ進む。つまり、ステップS7の制御処理は行われない。その他の制御および構成については、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、上記の如く、単位時間あたりの圧縮機11の冷媒吐出能力の変化量が基準流量変化量ΔKG1以下になっているときのみ、すなわちサイクルを循環する冷媒流量の変動が少ないときのみに冷媒不足状態の判定を行うので、冷媒流量の変動の影響による誤判定を抑制できる。さらに、冷媒不足状態の判定を行った場合は、第1実施形態と同様に、冷媒不足状態を確実かつ精度よく判定することができる。
なお、本実施形態のステップS62では、単位時間あたりの検出流量G1の変化量によって、冷媒流量の変動が少ない状態であることを判定しているが、例えば、ステップS6にて、ステップS71、S72と同様に推定流量G2を推定して、単位時間あたりの推定流量G2の変化量によって、冷媒流量の変動が少ない状態であることを判定してもよい。
さらに、電動モータ11aへ出力される制御電圧の変化量、圧縮機11あるいは電動モータ11aの回転数Ncの変化量によって、冷媒流量の変動が少ない状態であることを判定してもよい。
また、本実施形態のステップS62による制御を、第2実施形態で説明した内部熱交換器16を備える冷凍サイクル装置10に適用してもよい。さらに、本実施形態において、第3実施形態と同様の制御によって、圧縮機11の潤滑不足が生じていない場合は、冷凍サイクル装置10の作動を継続させてもよい。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の第3実施形態では、冷媒不足判定手段を構成するステップS73が冷媒不足状態を判定したときであっても、ステップS75にて圧縮機11の潤滑不足が生じているか否かを判定しているが、ステップS75の判定をステップ73の前に実行してもよい。例えば、図3のステップS2の直後に検出流量G1≦基準流量KG1となっているか否かの判定を行い、G1≦KG1になっているときは、圧縮機11の作動を停止させるようにしてもよい。
(2)上述の第5実施形態では、Ic>Icmaxとなっている場合に、サイクルを循環する冷媒流量の変動が少ないものと判定しているが、単位時間あたりの制御電流Icの変化量ΔIcが予め定めた基準制御電流変化量ΔKIc以下になっている場合に、サイクルを循環する冷媒流量の変動が少ないものと判定してもよい。
この場合、ΔIc≦ΔKIcとなっており、かつ、単位時間あたりの圧縮機41(車両走行用エンジン)の回転数Ncの変化量ΔNcが予め定めた基準回転数変化量ΔNc以下になっている場合に、サイクルを循環する冷媒流量の変動が少ないものと判定すれば、判定精度を向上できる。
(3)上述の第6実施形態では、固定容量型の圧縮機11および電動モータ11aによって構成された電動圧縮機を採用した例を説明しているが、もちろん可変容量型の圧縮機41と電磁式容量制御弁41aを採用してもよい。
(4)上述の実施形態では、流量センサ26として差圧式流量センサを採用した例を説明しているが、流量センサ26の形式はこれに限定されない。例えば、熱線式流量センサのような、質量流量センサを採用してもよい。
(5)上述の実施形態では、本発明の冷凍サイクル装置10を車両用空調装置に適用した例を説明しているが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、業務用冷蔵冷凍装置、家庭用冷蔵庫等に適用してもよい。
また、冷媒も二酸化炭素に限定されることなく、フロン系冷媒、HC系冷媒を採用してもよい。この場合、アキュムレータ15を廃止して放熱器12下流側冷媒の気液を分離する受液器を設けてもよい。
(6)上述の実施形態では、放熱器12を冷媒と外気とを熱交換させる室外側熱交換器とし、蒸発器14を室内側熱交換器として車室内の冷却用に適用しているが、蒸発器14を外気等の熱源から吸熱する室外側熱交換器として構成し、放熱器12を空気あるいは水等の被加熱流体を加熱する室内側熱交換器として構成するヒートポンプサイクルに本発明を適用してもよい。
第1実施形態の車両用空調装置に適用された冷凍サイクル装置の全体構成図である。 第1実施形態の蒸発器の外観斜視図である。 第1実施形態の車両用空調装置の制御の示すフローチャートである。 第1実施形態の車両用空調装置の制御の要部を示すフローチャートである。 第2実施形態の車両用空調装置に適用された冷凍サイクル装置の全体構成図である。 第2実施形態の車両用空調装置の制御の要部を示すフローチャートである。 第3実施形態の車両用空調装置の制御の要部を示すフローチャートである。 第4実施形態の車両用空調装置に適用された冷凍サイクル装置の全体構成図である。 第4実施形態の制御電流と圧縮機吐出冷媒流量との関係を示す特性図である。 第4実施形態の車両用空調装置の制御の要部を示すフローチャートである。 第5実施形態の車両用空調装置の制御を示すフローチャートである。 第6実施形態の車両用空調装置の制御を示すフローチャートである。 第7実施形態の車両用空調装置の制御を示すフローチャートである。
符号の説明
11、41…圧縮機、11a…電動モータ、12…放熱器、13…圧力制御弁、
14…蒸発器、16…内部熱交換器、20a…吐出能力制御手段、
21…外気温センサ、24…蒸発器温度センサ、25…高圧圧力センサ、
26…流量センサ、41a…電磁式容量制御弁、
S71、S711、S712、S72、S721…流量推定手段、
S73…冷媒不足判定手段、G1…検出流量、G2…推定流量。

Claims (15)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11、41)と、
    前記圧縮機(11、41)から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)にて放熱された冷媒を減圧膨張させる減圧手段(13)と、
    前記減圧手段(13)にて減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器(14)と、
    前記圧縮機(11、41)の冷媒吐出能力を変更する吐出能力変更手段(11a、41a)と、
    前記吐出能力変更手段(11a、41a)の作動を制御する吐出能力制御手段(20a)と、
    サイクルの高圧側に配置されて、サイクル内を循環する冷媒流量を検出する流量検出手段(26)と、
    前記蒸発器(14)のうち予め定めた部位の温度を検出する冷媒温度検出手段(24)と、
    前記冷媒温度検出手段(24)によって検出された検出冷媒温度(Te)を用いてサイクル内を循環する冷媒流量を推定する流量推定手段(S71、S711、S712、S72、S721)と、
    サイクル内を循環する冷媒が不足している冷媒不足状態であることを判定する冷媒不足判定手段(S73)とを備え、
    前記冷媒不足判定手段(S73)は、前記流量推定手段(S71、S711、S712、S72、S721)によって推定された推定流量(G2)が前記流量検出手段(26)の検出流量(G1)よりも大きくなったときに、前記冷媒不足状態であることを判定し、
    前記吐出能力制御手段(20a)は、前記冷媒不足状態が判定されたときに、前記圧縮機(11、41)の冷媒吐出能力を低減させるように前記吐出能力変更手段(11a、41a)の作動を制御することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記流量推定手段(S71、S711、S72)は、前記検出冷媒温度(Te)を用いて前記圧縮機(11)に吸入される吸入冷媒密度(ρ)を決定することによって、前記推定流量(G2)を推定することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記放熱器(12)へ送風される空気の温度を検出する空気温度検出手段(21)および高圧側冷媒圧力を検出する高圧側圧力検出手段(25)のうち、少なくとも一方を備え、
    前記流量推定手段(S711、S712、S72、S721)は、前記空気温度検出手段(21)によって検出された検出空気温度(Tam)と高圧側圧力検出手段(25)によって検出された検出高圧圧力(Pd)のうち少なくとも一方を用いて前記推定流量(G2)を推定することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  4. さらに、前記放熱器(12)から流出した冷媒と前記圧縮機(11、41)へ吸入される冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(16)を備え、
    前記流量推定手段(S711、S72)は、前記検出冷媒温度(Te)および前記検出空気温度(Tam)を用いて前記推定流量(G2)を推定することを特徴とする請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記圧縮機は、吐出容量を変更可能に構成された可変容量型圧縮機(41)であり、
    前記吐出能力変更手段は、前記吐出容量を変更する容量制御弁(41a)であり、
    前記流量推定手段(S712、S721)は、前記検出冷媒温度(Te)および前記検出空気温度(Tam)を用いて前記推定流量(G2)を推定することを特徴とする請求項3または4に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記圧縮機は、吐出容量を変更可能に構成された可変容量型圧縮機(41)であり、
    前記吐出能力変更手段は、前記吐出容量を変更する容量制御弁(41a)であり、
    前記流量推定手段(S712、S721)は、前記検出冷媒温度(Te)および前記検出高圧圧力(Pd)を用いて前記推定流量(G2)を推定することを特徴とする請求項3または4に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記流量推定手段(S712、S713)は、さらに、前記吐出能力制御手段(20a)から前記容量制御弁(41a)に出力される制御電流(Ic)を用いて前記推定流量(G2)を推定することを特徴とする請求項5または6に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記容量制御弁(41a)は、前記制御電流(Ic)の増減に応じて、サイクル内を循環する冷媒流量を増減させるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記圧縮機は、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機(11)であって、
    前記吐出能力変更手段は、前記固定容量型圧縮機(11)を回転駆動する電動モータ(11a)であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置
  10. 前記吐出能力制御手段(20a)は、前記検出流量(G1)が予め定めた基準流量(KG1)以下になっているときは、前記圧縮機(11、41)の作動を停止させることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  11. 前記冷媒不足判定手段(S73)は、単位時間あたりの前記圧縮機(11、41)の冷媒吐出能力の変化量が、予め定めた基準冷媒吐出能力変化量以下になっているときのみに、前記冷媒不足状態の判定を行うことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  12. 前記冷媒不足判定手段(S73)は、単位時間あたりの前記検出流量(G1)および前記推定流量(G2)のうち、少なくとも一方の流量変化量(ΔG1)が、予め定めた基準流量変化量(ΔKG1)以下になっているときのみに、前記冷媒不足状態の判定を行うことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  13. 流量検出手段(26)の少なくとも一部は、圧縮機(11、41)と一体に構成されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  14. 前記圧縮機(11、41)は、前記冷媒を臨界圧力以上となるまで昇圧することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  15. 前記冷媒は二酸化炭素であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
JP2007304151A 2007-11-26 2007-11-26 冷凍サイクル装置 Expired - Fee Related JP4882978B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007304151A JP4882978B2 (ja) 2007-11-26 2007-11-26 冷凍サイクル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007304151A JP4882978B2 (ja) 2007-11-26 2007-11-26 冷凍サイクル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009127950A true JP2009127950A (ja) 2009-06-11
JP4882978B2 JP4882978B2 (ja) 2012-02-22

Family

ID=40819063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007304151A Expired - Fee Related JP4882978B2 (ja) 2007-11-26 2007-11-26 冷凍サイクル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4882978B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012132612A1 (ja) * 2011-03-31 2012-10-04 三菱重工業株式会社 熱媒流量推定装置、熱源機、及び熱媒流量推定方法
JP2018179335A (ja) * 2017-04-05 2018-11-15 株式会社デンソー 冷媒漏れ検知装置、冷凍サイクル装置
WO2020007272A1 (zh) * 2018-07-02 2020-01-09 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 变速冷凝机组、容量自适应调节方法、储存介质和控制器
CN110671847A (zh) * 2018-07-02 2020-01-10 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 变速冷凝机组、容量自适应调节方法、储存介质和控制器
WO2020240845A1 (ja) * 2019-05-31 2020-12-03 三菱電機株式会社 空気調和装置
WO2022085691A1 (ja) * 2020-10-23 2022-04-28 株式会社富士通ゼネラル 空気調和機
WO2024034320A1 (ja) * 2022-08-10 2024-02-15 株式会社デンソー 冷凍サイクル装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107462305B (zh) * 2017-08-08 2019-09-13 天信仪表集团有限公司 一种流量计在线诊断方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012132612A1 (ja) * 2011-03-31 2012-10-04 三菱重工業株式会社 熱媒流量推定装置、熱源機、及び熱媒流量推定方法
CN103140729A (zh) * 2011-03-31 2013-06-05 三菱重工业株式会社 载热体流量推测装置、热源机、及载热体流量推测方法
US9541318B2 (en) 2011-03-31 2017-01-10 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Estimation apparatus of heat transfer medium flow rate, heat source machine, and estimation method of heat transfer medium flow rate
JP2018179335A (ja) * 2017-04-05 2018-11-15 株式会社デンソー 冷媒漏れ検知装置、冷凍サイクル装置
WO2020007272A1 (zh) * 2018-07-02 2020-01-09 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 变速冷凝机组、容量自适应调节方法、储存介质和控制器
CN110671847A (zh) * 2018-07-02 2020-01-10 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 变速冷凝机组、容量自适应调节方法、储存介质和控制器
WO2020240845A1 (ja) * 2019-05-31 2020-12-03 三菱電機株式会社 空気調和装置
JPWO2020240845A1 (ja) * 2019-05-31 2021-10-21 三菱電機株式会社 空気調和装置
JP7069415B2 (ja) 2019-05-31 2022-05-17 三菱電機株式会社 空気調和装置
WO2022085691A1 (ja) * 2020-10-23 2022-04-28 株式会社富士通ゼネラル 空気調和機
JP2022069305A (ja) * 2020-10-23 2022-05-11 株式会社富士通ゼネラル 空気調和機
WO2024034320A1 (ja) * 2022-08-10 2024-02-15 株式会社デンソー 冷凍サイクル装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4882978B2 (ja) 2012-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4882978B2 (ja) 冷凍サイクル装置
US7559206B2 (en) Supercritical heat pump cycle system
US7370487B2 (en) Refrigerating cycle device capable of ensuring oil return
JP2009192090A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2010048459A (ja) 冷凍サイクル装置
CN106796061A (zh) 二级升压式制冷循环装置
US8434315B2 (en) Compressor driving torque estimating apparatus
US20070084596A1 (en) Vehicle air conditioner with variable displacement compressor
JP5533483B2 (ja) 圧縮機のトルク推定装置
JP4063023B2 (ja) 蒸気圧縮式冷凍機
JP2009243784A (ja) 冷媒不足検出装置
JP2009097772A (ja) 冷凍サイクル装置
WO2017187790A1 (ja) 冷媒量不足検知装置および冷凍サイクル装置
JP2006145087A (ja) 超臨界冷凍サイクル
JP4338539B2 (ja) 車両用空調装置
JP2010126138A (ja) 車両用冷凍サイクル装置
JP2009063230A (ja) 冷凍サイクル装置および車両用空調装置
JP6601307B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2009137504A (ja) 車両用冷凍サイクル装置
JP2004176938A (ja) 冷凍サイクルの制御方法
JP4715650B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP5062160B2 (ja) 冷凍サイクル及び圧縮機
JP4525515B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP7331822B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP4941363B2 (ja) 冷凍サイクル装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111108

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111121

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4882978

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S802 Written request for registration of partial abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311802

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees