JP2009127677A - 樹脂歯車及び減速機構付き電動モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒケの発生を抑えて成形精度を高める。
【解決手段】ウォームホイール23は、ギヤハウジングに植設した支軸に挿通するボス部23aと、外周面に複数の歯面23bが形成された歯部23cと、歯部23cとボス部23aに跨って形成された連結部23dとを備えている。連結部23dの軸方向両面には、歯部23cとボス部23aを連結する複数の補強リブ23gが等間隔で放射状に形成されている。これら補強リブ23gは連結部23dの軸方向両面で周方向に半ピッチだけオフセットさせてある。連結部23dには、補強リブ23gの反対側に補強リブ23gよりも高さの小さい小リブ23hが形成されている。
【選択図】図4
【解決手段】ウォームホイール23は、ギヤハウジングに植設した支軸に挿通するボス部23aと、外周面に複数の歯面23bが形成された歯部23cと、歯部23cとボス部23aに跨って形成された連結部23dとを備えている。連結部23dの軸方向両面には、歯部23cとボス部23aを連結する複数の補強リブ23gが等間隔で放射状に形成されている。これら補強リブ23gは連結部23dの軸方向両面で周方向に半ピッチだけオフセットさせてある。連結部23dには、補強リブ23gの反対側に補強リブ23gよりも高さの小さい小リブ23hが形成されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、連結部の軸方向両面に補強リブを放射状に形成した樹脂歯車と、この樹脂歯車を使用した減速機構付き電動モータに関する。
ワイパ装置やパワーウインド装置などの車載用アクチュエータとして、モータ本体と減速機構を一体化した減速機構付き電動モータが使用されている。この種のモータは、軽量化の要請が強く、減速機構の歯車に樹脂製のものを用いている。しかし、樹脂製の歯車は剛性が小さいため、連結部にリブを設けて補強している。このリブは連結部の両面に等間隔で放射状に設けるのが一般的であるが、連結部の両面のリブ位置が一致していると、歯部の機械的な強度が周方向で異なり、振動発生の原因となる。そこで、図6に示すようにリブaを連結部bの両面で周方向に半ピッチだけオフセットさせることで、本数の少ないリブaで歯部cの強度バランスを確保している(特許文献1参照)。
特開2004−278635号公報
しかし、この樹脂歯車では、溶融樹脂が冷却固化する際、リブaの有無による収縮差が連結部bに生じ、図6(b)に点線枠dで示す箇所にヒケが生じ易く、歯部cとボス部eの真円度が悪くなる。
本発明の目的は、ヒケの発生を抑えて成形精度を高めることにある。
本発明の樹脂歯車は、円筒状に形成されるボス部と、外周面に歯面が形成された歯部と、前記ボス部と該歯部とを連結する薄肉円板状の連結部と、前記ボス部から略等間隔で放射状に延出して前記歯部に到達するように前記連結部の軸方向の両面に形成した複数の補強リブとを備えた樹脂歯車であって、前記補強リブを前記連結部の軸方向の両面で周方向にオフセットして配置するとともに、前記連結部の両面で前記補強リブの反対側に前記補強リブよりも高さの小さい小リブを形成したことを特徴とする。
本発明の樹脂歯車は、前記小リブが前記ボス部と前記歯部の周面に接合するそれぞれの接合部に、前記各小リブの両端から斜めに立ち上がるテーパー部を形成したことを特徴とする。
本発明の減速機構付き電動モータは、一端が開口する有底筒状に形成されるモータケースと、該モータケース内に回転自在に軸支される回転子とからなるモータ本体と、該モータ本体に連結されるとともに、前記回転子の軸心と直交する方向に出力部を有し、内部に減速機構が収容される減速機構ケースと、該減速機構ケースの前記出力部の軸方向一方側の壁面に設けた支軸に回転自在に支持され、前記回転子の回転を減速して出力部に出力する歯車とを備えた減速機構付き電動モータであって、前記歯車として、前記支軸と摺接し円筒状に形成されるボス部と、前記回転子と噛合い外周面に歯面が形成された歯部と、前記ボス部と該歯部とを連結する薄肉円板状の連結部と、前記ボス部から略等間隔で放射状に延出して前記歯部に到達するように前記連結部の軸方向の両面に形成した複数の補強リブとを備えた樹脂歯車を用い、前記樹脂歯車は、前記補強リブを前記連結部の軸方向の両面で周方向にオフセットして配置するとともに、前記連結部の両面で前記補強リブの反対側に前記補強リブよりも高さの小さい小リブを形成した樹脂歯車を有することを特徴とする。
本発明の減速機構付き電動モータは、前記小リブが前記ボス部と前記歯部の周面に接合するそれぞれの接合部に、前記各小リブの両端から斜めに立ち上がるテーパー部を形成した樹脂歯車を有することを特徴とする。
本発明によれば、連結部の軸方向の両面で補強リブの反対側に高さの小さい小リブが形成されるので、連結部にヒケが生じなくなり、歯部とボス部の真円度が向上し、成形精度を高めることができる。ただし、この小リブは補強リブよりも低く形成してあるので、成形材料の増加が少なくて済む。
本発明によれば、小リブがボス部とリムの周面に接合するそれぞれの接合部に、上記各小リブの両端から斜めに立ち上がるテーパー部を形成するようにしたので、連結部にヒケが生じなくなり、歯部とボス部の真円度が向上し、成形精度を高めるだけでなく、接合部の剛性を小リブの部分より上げることができる。
本発明によれば、減速機構付き電動モータに連結部の軸方向の両面で補強リブの反対側に高さの小さい小リブが形成される樹脂歯車を有することで、回転子と歯車の噛み合いがよくなるので作動音低減につながる。
本発明によれば、減速機構付き電動モータに小リブが上記ボス部と歯部の周面に接合するそれぞれの接合部に、上記各小リブの両端から斜めに立ち上がるテーパー部を形成した樹脂歯車を有することで減速機構付き電動モータの作動耐久性向上につながる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の樹脂歯車を採用したパワーウインドモータ(減速機構付き電動モータ)の断面図、図2は図1のI−I線断面図である。
このパワーウインドモータ11はモータ12と減速機構13を備え、これらを有底筒状のモータケース(ヨーク)14と減速機構ケース(ギヤハウジング)15に収容してある。モータケース14の内面にはマグネット16が固着してあり、その内側に回転子としてのアマチュア17が回転自在に軸支されている。アマチュア17は回転軸18を備え、その先端を減速機構ケース15内に突出させてある。アマチュア17のコイルは回転軸18に固定された整流子20を構成する各セグメントに接続され、整流子20にはモータケース14と減速機構ケース15の間に設けられたブラシホルダ19の各ブラシ19aが摺接することによって電流が供給され、アマチュア17がマグネット16との間で電磁力を生じて回転する。減速機構13は、回転軸18に一体的に設けられたウォーム21と、減速機構ケース15に壁面としての底壁24aの支軸22に支持されてウォーム21と噛合するウォームホイール23とからなる。減速機構ケース15の開口部にはリング状のリッド26が装着してあり、その内周側には、ウォームホイール23の出力部23eとの間をシールするシール部材25を設けてある(図2参照)。
減速機構ケース15は図2に示すように有底筒状のウォームホイール収納部24を備え、その底壁24aの中央には支軸22を有する。支軸22は大径部22aと小径部22bとからなり、大径部22aと小径部22bの双方には肉盗み部27a,27b,27cが設けられており、肉盗み部27aは大径部22aの減速機構ケース15の開口の下側に、肉盗み部27bは大径部22aの開口の上側に、肉盗み部27cは減速機構ケース15の開口の上側に向けてそれぞれ形成され、減速機構ケース15を樹脂成形する際に樹脂の収縮によるヒケの発生を防止している。
減速機構ケース15の係止段部24bに立設された支軸22における小径部22bの大径部22a寄りの位置には、Oリング29が軽挿入されており、ウォームホイール23の出力部23eの内面に設けられた段部23jにおいて弾性的に当接することで、支軸22の小径部22bと出力部23eの摺接面から侵入した雨水がパワーウインドモータ11内部にまで浸入することを防止している。
なお、ウォームホイール23は減速機構ケース15から突出された部分にピニオン23fを形成してあり、これをケーブル駆動機構(図示せず)に連係して車両のウインドガラスを昇降させている。
図3は本発明の樹脂歯車であるウォームホイール23の斜視図、図4(a)は図3のウォームホイールを矢印A方向からから見た図、同(b)は同図(a)のII−II線断面図、同(c)は同図(a)のIII−III線拡大断面図である。図5(a)は図4(a)の背面図、同図(b)は同図(a)のIV−IV線断面図である。
ウォームホイール23は、炭素繊維等の強化繊維を含有する樹脂で成形されている。このウォームホイール23は、支軸22の大径部22aに挿通される円筒状のボス部23aと、外周面に歯面23bが形成された歯部23cと、歯部23cとボス部23aとの軸方向中間部位を径方向に連結する薄肉円板状の連結部23dと、支軸22の大径部22aに挿通されるようボス部23aから延設された出力部23eと、出力部23eの先端に形成されたピニオン23fとを備えている。
連結部23dの軸方向両面には、ボス部23aと歯部23cを連結する複数の補強リブ23gが等間隔で放射状に形成されている。そして、これら補強リブ23gを連結部23dの軸方向両面で周方向に半ピッチだけオフセットさせることで、少ない本数の補強リブ23gで歯部23cの強度バランスを確保できるようにしてある。さらに、連結部23dの軸方向両面には、補強リブ23gよりも高さの小さい小リブ23hが補強リブ23gの反対側に対応する箇所に形成されている。つまり、連結部23dの軸方向両面には、補強リブ23gと小リブ23hを周方向に対して等間隔で交互に配置してある。
また、小リブ23hがボス部23aと歯部23cの周面に接合するそれぞれの接合部には、各小リブ23hの両端から斜めに立ち上がるテーパー部28を形成してある(図4(c)参照)。なお、出力部23eにはヒケ発生防止用の肉盗み部23iを設けてある。
このウォームホイール23では、連結部23dの両面で補強リブ23gの反対側に位置するような高さの小さい小リブ23hが形成され、この小リブ23hがボス部23aと歯部23cとの間で均一に作用する梁として作用し、これにより連結部23dにヒケが生じなくなり、ボス部23aと歯部23cの真円度が向上し、成形精度を高めることができる。ただし、この小リブ23hは補強リブ23gよりも低く形成してあるので、成形材料の増加が少なくて済む。
さらに、小リブ23hがボス部23aと歯部23cの周面に接合するそれぞれの接合部には、小リブ23hの両端から斜めに立ち上がるテーパー部28を形成してあるので、ボス部23aと歯部23cの強度向上にも役立つ。
本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、以上の実施形態では、パワーウインドモータ11で使用するウォームホイール23について説明したが、他の減速機構付き電動モータで使用する樹脂歯車にも本発明の適用は可能である。
11 パワーウインドモータ
12 モータ
13 減速機構
14 モータケース(ヨーク)
15 減速機構ケース(ギヤハウジング)
16 マグネット
17 アマチュア
18 回転軸
19 ブラシホルダ
19a ブラシ
20 整流子
21 ウォーム
22 支軸
22a 大径部
22b 小径部
23 ウォームホイール
23a ボス部
23b 歯面
23c 歯部
23d 連結部
23e 出力部
23f ピニオン
23g 補強リブ
23h 小リブ
23i 肉盗み部
23j 段部
24 ウォームホイール収容部
24a 底壁
24b 係止段部
25 シール部材
26 リッド
27a 肉盗み部
27b 肉盗み部
27c 肉盗み部
28 テーパー部
29 Oリング
12 モータ
13 減速機構
14 モータケース(ヨーク)
15 減速機構ケース(ギヤハウジング)
16 マグネット
17 アマチュア
18 回転軸
19 ブラシホルダ
19a ブラシ
20 整流子
21 ウォーム
22 支軸
22a 大径部
22b 小径部
23 ウォームホイール
23a ボス部
23b 歯面
23c 歯部
23d 連結部
23e 出力部
23f ピニオン
23g 補強リブ
23h 小リブ
23i 肉盗み部
23j 段部
24 ウォームホイール収容部
24a 底壁
24b 係止段部
25 シール部材
26 リッド
27a 肉盗み部
27b 肉盗み部
27c 肉盗み部
28 テーパー部
29 Oリング
Claims (4)
- 円筒状に形成されるボス部と、外周面に歯面が形成された歯部と、前記ボス部と該歯部とを連結する薄肉円板状の連結部と、前記ボス部から略等間隔で放射状に延出して前記歯部に到達するように前記連結部の軸方向の両面に形成した複数の補強リブとを備えた樹脂歯車であって、
前記補強リブを前記連結部の軸方向の両面で周方向にオフセットして配置するとともに、前記連結部の両面で前記補強リブの反対側に前記補強リブよりも高さの小さい小リブを形成したことを特徴とする樹脂歯車。 - 請求項1記載の樹脂歯車において、前記小リブが前記ボス部と前記歯部の周面に接合するそれぞれの接合部に、前記各小リブの両端から斜めに立ち上がるテーパー部を形成したことを特徴とする樹脂歯車。
- 一端が開口する有底筒状に形成されるモータケースと、該モータケース内に回転自在に軸支される回転子とからなるモータ本体と、
該モータ本体に連結されるとともに、前記回転子の軸心と直交する方向に出力部を有し、内部に減速機構が収容される減速機構ケースと、
該減速機構ケースの前記出力部の軸方向一方側の壁面に設けた支軸に回転自在に支持され、前記回転子の回転を減速して出力部に出力する歯車とを備えた減速機構付き電動モータであって、
前記歯車として、前記支軸と摺接し円筒状に形成されるボス部と、前記回転子と噛合い外周面に歯面が形成された歯部と、前記ボス部と該歯部とを連結する薄肉円板状の連結部と、前記ボス部から略等間隔で放射状に延出して前記歯部に到達するように前記連結部の軸方向の両面に形成した複数の補強リブとを備えた樹脂歯車を用い、
前記樹脂歯車は、前記補強リブを前記連結部の軸方向の両面で周方向にオフセットして配置するとともに、前記連結部の両面で前記補強リブの反対側に前記補強リブよりも高さの小さい小リブを形成した樹脂歯車を有することを特徴とする減速機構付き電動モータ。 - 請求項3記載の減速機構付き電動モータにおいて、前記小リブが前記ボス部と前記歯部の周面に接合するそれぞれの接合部に、前記各小リブの両端から斜めに立ち上がるテーパー部を形成した樹脂歯車を有することを特徴とする減速機構付き電動モータ。
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JP2007300916A JP2009127677A (ja) | 2007-11-20 | 2007-11-20 | 樹脂歯車及び減速機構付き電動モータ |
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JP2007300916A JP2009127677A (ja) | 2007-11-20 | 2007-11-20 | 樹脂歯車及び減速機構付き電動モータ |
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JP2007300916A Pending JP2009127677A (ja) | 2007-11-20 | 2007-11-20 | 樹脂歯車及び減速機構付き電動モータ |
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2007
- 2007-11-20 JP JP2007300916A patent/JP2009127677A/ja active Pending
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DE102016226131B4 (de) | 2016-12-23 | 2024-05-16 | Robert Bosch Gmbh | Antriebsrad für eine Getriebe-Antriebseinrichtung und Getriebe-Antriebseinrichtung |
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