JP2009127555A - インジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】外形寸法を肥大化することなく燃料噴射に伴う圧力脈動を抑制できるインジェクタを提供する。
【解決手段】ボディ2内に針弁4を収容する収容穴3が形成され圧力制御室5と、ノズル室6とが各々設けられ、針弁4が開方向に移動したときに噴孔21よりノズル室6からの燃料が噴射されるインジェクタ1において、
針弁4の先端部に弁本体45を形成し、針弁4の基端部にサーボピストン41を形成し、それらサーボピストン41と弁本体45との間に、サーボピストン41から連続して延びるノズルピストン42と、ノズルピストン42から弁本体45まで延びノズルピストン42よりも小径の連結部43とを各々形成し、
ノズル室6を、ノズルピストン42から噴孔21まで連結部43および弁本体45を囲繞して延びるように形成して、噴孔21から燃料が噴射された際の燃料の圧力脈動を抑制する蓄圧室としたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、サーボピストンとノズルピストンとの圧力バランスで針弁を開閉動作させるインジェクタに関するものである。
従来、ディーゼルエンジンにおいて、燃料噴射回数を複数に分ける(パイロット噴射、マルチ噴射などと呼ばれる)ことが行われる場合がある(例えば、特許文献1参照)。
図5は、マルチ噴射の一例を示すものであり、縦軸が噴射率(mm/msec)、横軸が時間(msec)である。図例のマルチ噴射では、燃料噴射回数が2回に分けられ、1回目にパイロット噴射Pが行われ、2回目にメイン噴射Mが行われる。
このようなマルチ噴射を行うことで、エンジンの燃焼騒音が抑えられることは周知の事実である。
そこで、制御自由度の高いコモンレール噴射系では排ガス、出力に悪影響の出ないように運転領域に応じて噴射量と噴射間隔(ときには噴射回数も)をチューニングすることが行われている。
そのようなコモンレール噴射系のインジェクタの構造を図6および図7に基づき説明する。
図6に示すように、インジェクタ81は、噴孔82が形成されたボディ83と、そのボディ83の収容穴84に上下方向に移動自在に収容された針弁85とを有する。
噴孔82は、ボディ83の下端部に形成され収容穴84の下端に接続される。収容穴84の下部にはノズル室87が形成され、収容穴84の上部には圧力制御室86が形成される。それら圧力制御室86およびノズル室87には、供給油路88を通り図示しないコモンレールからの高圧燃料が導入される。圧力制御室86には、圧力制御室86の高圧燃料を排出するための排出路89が接続され、その排出路89を開閉するための電磁弁90が圧力制御室86の上方に設けられる。
針弁85は、断面ほぼ円形で上下に延びる。針弁85は、圧力制御室86の高圧燃料から下向きの圧力を受けるサーボピストン91と、ノズル室87の高圧燃料から上向きの圧力を受けると共にスプリング92から下向きの力を受けるノズルピストン93とを有する。ノズルピストン93の下方には弁本体94が接続されており、ノズルピストン93の受圧面の面積は、ノズルピストン93の下面の面積から弁本体94の断面積を引いた大きさとなる。
サーボピストン91は、ノズルピストン93よりも径が大きく設定されており、針弁85は、基本的にはサーボピストン91が受ける圧力とノズルピストン93が受ける圧力との圧力バランスにより、噴孔82を開閉する。
図6では、圧力制御室86とスプリング92とから針弁85に作用する下向きの力が、ノズル室87からの上向きの力よりも大きく、針弁85がボディ83の下部に着座して噴孔82が閉塞される。
他方、図7に示すように、電磁弁90が圧力制御室86の排出路89を開放すると、圧力制御室86が減圧され、圧力制御室86とスプリング92とから針弁85に作用する下向きの力がノズル室87からの上向きの力よりも小さくなり、針弁85が上昇する。針弁85の上昇により、噴孔82が開放されてノズル室87と連通し、噴孔82から燃料が噴射される。
この圧力バランスにより針弁85を動かすコモンレールインジェクタ81においては、サーボピストン91の径とノズルピストン93の径を変え、噴射特性をチューニングする方法が一般的である。
特開2007−9809号公報
しかしながら、従来のインジェクタ81では、多段噴射(マルチ噴射)を行う際に、1回目の噴射(パイロット噴射P)と2回目の噴射(メイン噴射M)との間の時間(以下、パイロットインタバルという、図5の符号I参照)を短くしていくと、パイロット噴射Pで生じた圧力脈動がメイン噴射Mに影響するという問題があった。
このパイロットインタバルIと燃料噴射量との関係を図8に示す。図8は、横軸がパイロットインタバル(msec)であり、縦軸が1噴射当たりの噴射量(mm/st)である。
図8に示すように、噴射量の指示量(指示噴射量)Cを一定にした状態でパイロットインタバルIを変えていくと、実際の噴射量(実噴射量)RがパイロットインタバルIにより変化してしまう。この結果、所望の燃料噴射量を得ることが困難になってしまう。
圧力脈動は、コモンレールとインジェクタ81間の油路を往復するため、圧力脈動の対策としてインジェクタ81の直近やインジェクタ81内部に蓄圧室を設けることが提唱されてきているが、インジェクタ81の寸法の肥大を招くため、従来、製品化を実現した例はない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、外形寸法を肥大化することなく、燃料噴射に伴う圧力脈動を抑制できるインジェクタを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、先端部に噴孔が形成されたボディ内に、上記噴孔を開閉するための針弁を移動自在に収容する収容穴が形成され、その収容穴に、上記針弁を閉方向に付勢する高圧燃料が導入される圧力制御室と、上記針弁を開方向に付勢する高圧燃料が導入されるノズル室とが各々設けられ、上記圧力制御室が減圧されて上記針弁が開方向に移動したときに、上記ノズル室と上記噴孔とが連通して該噴孔より上記ノズル室からの燃料が噴射されるインジェクタにおいて、上記針弁の先端部に弁本体を形成し、上記針弁の基端部に上記圧力制御室内の燃料圧を受けるサーボピストンを形成し、それらサーボピストンと弁本体との間に、上記サーボピストンから連続して延びるノズルピストンと、そのノズルピストンから上記弁本体まで延び上記ノズルピストンよりも小径の連結部とを各々形成し、上記ノズル室を、上記ノズルピストンから上記噴孔まで上記連結部および上記弁本体を囲繞して延びるように形成して、該ノズル室を上記噴孔から燃料が噴射された際の燃料の圧力脈動を抑制する蓄圧室としたものである。
好ましくは、上記サーボピストンと上記ノズルピストンとが、一体に形成されたものである。
好ましくは、上記圧力制御室内の燃料を排出して該圧力制御室を減圧するための排出路と、その排出路を開閉するための制御弁とを備えたものである。
好ましくは、上記燃料の噴射が、1サイクル当たり少なくとも2段階に分けて実行されるものである。
好ましくは、上記蓄圧室の容積が、上記噴孔からの1回噴射当たりの最大噴射量に対し、10倍以上に設定されたものである。
好ましくは、上記蓄圧室は、少なくとも上記連結部を囲繞する部分の内径が上記ノズルピストンの外径よりも大きく形成されたものである。
好ましくは、上記連結部に、上記蓄圧室の内壁に摺接し上記針弁を案内するガイド部が形成され、上記蓄圧室内に、上記ガイド部を介して上記針弁を閉方向に付勢する弾性部材が設けられたものである。
本発明によれば、外形寸法を肥大化することなく、燃料噴射に伴う圧力脈動を抑制できるという優れた効果を発揮するものである。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
本実施形態のインジェクタは、例えば、車両に搭載されるディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射装置に適用される。
まず、図1に基づき燃料噴射装置の概略構造を説明する。
燃料噴射装置7は、燃料(例えば軽油、DMEなど)が貯留された燃料タンク71と、その燃料タンク71内の燃料をエンジン側に圧送するための圧送ポンプ72と、その圧送ポンプ72からの燃料を所定の噴射圧(コモンレール圧、例えば、数十〜数百MPa程度)まで昇圧する噴射ポンプ73と、その噴射ポンプ73で昇圧された高圧燃料を蓄圧(貯留)するコモンレール74と、そのコモンレール74から分配、供給される燃料をエンジンの燃料室(図示せず)に噴射、供給するための複数(図例では、6つ)のインジェクタ1と、そのインジェクタ1の噴射時期、噴射量、および噴射回数や噴射ポンプ73の作動圧(コモンレール圧)を制御するための制御手段75とを備える。
燃料タンク71とコモンレール74とが燃料供給ライン76で接続され、コモンレール74とインジェクタ1とが高圧管77で接続される。燃料供給ライン76には上流側から順に、圧送ポンプ72と噴射ポンプ73とが配置される。
また、インジェクタ1と燃料タンク71とは、余剰燃料を戻すための燃料戻しライン78で接続され、その燃料戻しライン78に、噴射ポンプ73が、噴射ポンプ戻し管79を介して接続される。
次に、図1から図3に基づきインジェクタ1の概略構造を説明する。
図1に示すように、本実施形態のインジェクタ1は、上下方向に延び下端部(先端部)に複数の噴孔21が形成されたボディ2と、そのボディ2に形成された収容穴3内に上下方向に移動自在に収容され噴孔21を開閉する針弁4(ニードル弁)とを備える。ここで、図1の下側が、針弁4の軸方向(長手方向)の先端側であり、図1の上側が、針弁4の軸方向の基端側である。
針弁4は、上下方向にほぼ断面円形で延びる。本実施形態の針弁4は、複数の外径の異なる円柱部材を上下に接合した形状を有する。
具体的には、針弁4は、上方から順に、上端部(基端部)に形成されたサーボピストン41と、そのサーボピストン41の下方に該サーボピストン41に連続して形成されたノズルピストン42と、そのノズルピストン42から下方に延びる連結部43と、その連結部43の下方に形成され針弁4の下端部(先端部)に位置して噴孔21を開閉する弁本体45とを有する。
サーボピストン41は、上下に延びる円柱形状を有する。サーボピストン41の上面411は、収容穴3の後述する圧力制御室5内の高圧燃料からの圧力(燃料圧)を受け、針弁4を下方(閉弁方向)に付勢するための閉弁側受圧面をなす。
ノズルピストン42は、サーボピストン41の下面412から下方に延び、サーボピストン41よりも小径の円柱形状を有する。ノズルピストン42の下面421(連結部43との接合部分を除く)は、収容穴3の後述するノズル室6内の燃料圧を受け、針弁4を上方(開弁方向)に付勢するための開弁側受圧面をなす。
これらサーボピストン41とノズルピストン42とは一体的に形成される(例えば、一つの部品として形成される)。
連結部43は、ノズルピストン42の下面421から下方に延び、ノズルピストン42よりも小径の円柱形状を有する。
図例の連結部43には、ボディ2の収容穴3(大径部34)の側壁に摺接し連結部43(針弁4)の上下方向の移動を案内するほぼ円盤状の連結部ガイド48が形成される。
図2に示すように、連結部ガイド48には、連結部ガイド48を通して燃料を流通させるための連絡孔481、481が形成される。その連絡孔481、481は、円盤状の連結部ガイド48の縁部を二箇所切り欠いて形成される。この連結部ガイド48は摺動ガイドの機能のみを持ち、圧力バランス用ピストンの機能は持たない。
図1に戻り、弁本体45は、連結部43の下端から下方に延び円筒形状を有する基部46と、その基部46から下方に延び、かつ下方に至るにつれ縮径された円錐形状を有するコーン部47とを有する。図例では、基部46の外径は、連結部43の外径よりも大きく、ノズルピストン42の外径よりも小さく形成される。
図例の基部46には、収容穴3(小径部35)の側壁に摺接し弁本体45(針弁4)の上下方向の移動を案内するほぼ円盤状の弁本体ガイド49が形成される。図3に示すように、弁本体ガイド49には、連結部ガイド48と同様に、円盤状の弁本体ガイド49を切り欠いて形成された連絡孔491、491が形成される。この弁本体ガイド49も摺動ガイドの機能のみを持ち、圧力バランス用ピストンの機能は持たない。
図1に戻り、ボディ2内には、噴孔21から上方に延び針弁4を収容する収容穴3と、その収容穴3に高圧管77からの高圧燃料を供給する供給油路22と、収容穴3からリークおよび排出された燃料を燃料戻しライン78に戻す戻し油路23とが形成される。
収容穴3は、上方から順に、サーボピストン41を摺動自在に収容するサーボピストン収容部31と、そのサーボピストン収容部31から下方に延びノズルピストン42を摺動自在に案内(収容)するノズルピストン案内部32と、ノズルピストン案内部32から下方に噴孔21まで延びる蓄圧室形成部33とを有する。
サーボピストン収容部31は、上下方向に断面円形で延び、サーボピストン41の外径よりも僅かに大きい内径を有する。図例では、サーボピストン収容部31の上下方向長さがサーボピストン41よりも長く形成される。
サーボピストン収容部31の上部には、サーボピストン41を下方(針弁4の閉方向)に付勢する高圧燃料が導入される圧力制御室5が設けられる。
具体的には、サーボピストン収容部31の上方のボディ2内に、サーボピストン収容部31の上端を閉塞する円盤状の閉塞部材35が設けられ、その閉塞部材35の下面とサーボピストン収容部31の上部側壁とサーボピストン41の上面411とにより、圧力制御室5が区画形成される。
閉塞部材35には、圧力制御室5に高圧燃料を導入するための制御室供給路351が形成され、その制御室供給路351はボディ2の供給油路22に接続される。
また、閉塞部材35には、圧力制御室5から高圧燃料を排出するための排出路352が形成される。その排出路352は、閉塞部材35の上方に配置された制御弁24(図例では、電磁弁)により開閉され、かつ制御弁24を収容する制御弁収容室25を介してボディ2の戻し油路23に接続される。
制御弁24は、排出路352の出口を開閉するための制御ピストン部材241と、その制御ピストン部材241を下方(閉方向)に付勢するための制御弁スプリング242と、その制御弁スプリング242の付勢力に抗して制御ピストン部材241を上方(開方向)に移動するための電磁石243(図例では、ソレノイド)とを備える。
サーボピストン収容部31の下部は、針弁4の閉弁時(図1参照)におけるサーボピストン41の下面412よりも下方に延び、サーボピストン41およびノズルピストン42を伝いリークしたリーク燃料を溜める空間Lを区画形成する。そのサーボピストン収容部31の下部は、ボディ2内に形成されたリーク油路26により制御弁収容室25に接続され、空間Lのリーク燃料がリーク油路26により戻し油路23に回収される。
ノズルピストン案内部32は、上下方向に断面円形で延び、ノズルピストン42の外径よりも僅かに大きな内径を有する。図例では、ノズルピストン案内部32の上下方向長さがノズルピストン42よりも短い。
蓄圧室形成部33は、ノズルピストン案内部32から下方に延び針弁4の連結部43を囲繞する大径部34と、その大径部34から下方に延び針弁4の弁本体45の基部46を囲繞する小径部35と、その小径部35から下方に延び弁本体45のコーン部47を囲繞する弁座部36とで構成される。
この蓄圧室形成部33の大径部34および小径部35の壁面と、ノズルピストン42の下面421とにより、ノズルピストン42を上方(針弁4の開方向)に付勢する高圧燃料が導入されるノズル室6が区画形成される。
すなわち、本実施形態のノズル室6は、ノズルピストン42の下端部から噴孔21まで針弁4の連結部43および弁本体45を囲繞して延びるように形成される。詳しくは後述するが、本実施形態のノズル室6は、噴孔21から燃料が噴射された際の燃料の圧力脈動を抑制する蓄圧室となる。
図例のインジェクタ1では、圧力制御室5の燃料圧により作動するサーボピストン41とノズル室6の燃料圧により作動するノズルピストン42とを直近に近接させて配置することにより、ノズル室6の容積が従来のインジェクタ81(図6参照)の100〜200mm程度からの3000mm以上まで拡大される。
大径部34は、上下方向に断面円形で延びる。図例の大径部34は、ノズルピストン案内部32の内径よりも大きな内径を有し、かつ連結部43とほぼ同じ上下方向長さを有する。
大径部34内には、針弁4の連結部ガイド48(ガイド部)を介して針弁4を閉方向に付勢する弾性部材(図例では、針弁スプリング)37が設けられる。針弁スプリング37は、大径部34の天井壁面と連結部ガイド48との間に圧縮状態に配置される。
小径部35は、上下方向に断面円形で延びる。小径部35は、弁本体45の基部46の外径よりも大きな内径を有し、かつ基部46とほぼ同じ上下方向長さを有する。
弁座部36は、下方に至るにつれ縮径された下向きの截頭円錐径状を有する。弁座部36の上部側壁は、針弁4の弁座をなし、針弁4の閉弁時にコーン部47が当接、着座する。弁座部36の下端部側壁には、複数の噴孔21が開口、接続される。
インジェクタ1は、制御手段75に接続され、その制御手段75から噴射時期、噴射量および噴射回数を制御するための制御信号を受信する。具体的には、制御手段75は、制御弁24の電磁石243に接続され、インジェクタ1の開弁時に電磁石243を通電状態、閉弁時に非通電状態に切り換えて、インジェクタ1を開閉制御する。
本実施形態の制御手段75は、1サイクル当たりの燃料噴射を少なくとも2段階に分けて実行する。例えば、制御手段75は、図5に示すように、1サイクル当たりの燃料噴射に際して、圧縮上死点よりも前の時期に噴射量が少量のパイロット噴射Pを行い、そのパイロット噴射P後の圧縮上死点近傍の時期にパイロット噴射Pよりも多量のメイン噴射Mを行う。また、制御手段75は、パイロット噴射Pが終了してからメイン噴射Mが開始されるまでのパイロットインタバルIを、エンジンの運転状態(例えば、エンジン回転数およびエンジン負荷)に基づき変更する。
次に、図1および図4に基づき本実施形態のインジェクタ1の作用を説明する。
まず、インジェクタ1の開閉動作について説明する。
図1に示すように、インジェクタ1の無噴射時は、制御弁24の電磁石243が非通電状態であり制御ピストン部材241により圧力制御室5の排出路352が閉塞される。
このとき、針弁4には、閉弁方向の付勢力(閉弁付勢力)として、サーボピストン41の上面411が圧力制御室5内の燃料から受ける下向き力と、連結部43の連結部ガイド48が針弁スプリング37から受ける下向き力と、基部46の上面がノズル室6内の燃料から受ける下向きの力とが作用する。また、開弁方向の付勢力(開弁付勢力)として、ノズルピストン42の下面412がノズル室6内の燃料から受ける上向きの力が作用する。
無噴射時は、閉弁付勢力が開弁付勢力を上回り、針弁4は下向きに付勢されて針弁4のコーン部47がボディ2の弁座部36に着座する。このコーン部47によりノズル室6と噴孔21とが遮断され、噴孔21が閉塞される。
なお、連結部ガイド48の上下面に加わる圧力は互いに打ち消し合うので、連結部ガイド48には針弁4を開方向または閉方向に付勢する力は発生しない。同様に、弁本体ガイド49にも開方向および閉方向の付勢力は発生しない。
図4に示すように、インジェクタ1の噴射時は、制御弁24の電磁石243が通電状態となり制御ピストン部材241が圧力制御室5の排出路352を開放する。
これにより、圧力制御室5内の燃料が排出路352を通り流出して、圧力制御室5内が減圧され、サーボピストン41の上面411が受ける下向き力が低下する。
その圧力制御室5内の減圧により閉弁付勢力が低下し、閉弁付勢力が開弁付勢力を下回ると、針弁4は上向きに付勢されて上方に移動(上昇、リフトする)。
その結果、針弁4のコーン部47がボディ2の弁座部36から離間してノズル室6と噴孔21とが連通し、ノズル室6内の燃料が噴孔21に流れて噴孔21から噴射される。
この噴射の際に、ノズル室6内の燃料は、比較的高い噴射圧(数十〜数百MPa程度)まで加圧されていることから、ノズル室6内から噴孔21に燃料が急速に流れ、ノズル室6内の圧力が短時間で低下して、圧力脈動および圧力波が発生する。
噴射開始から所定の噴射時期が経過すると、制御弁24の電磁石243が再び非通電状態となり針弁4が下方に移動(下降)して着座する。その着座した針弁4により噴孔21が再び閉塞され、噴射が停止する(図1参照)。このとき、低下したノズル室6内の圧力は、噴射後にコモンレール74から燃料が供給されることで噴射前の圧力まで上昇、回復するが、この圧力上昇によっても圧力脈動が発生することになる。
このように、ノズル室6では、噴射中の噴孔21への燃料流出と、噴射後の供給油路22からの燃料流入とにより、圧力脈動および圧力波が発生する。
ここで、本実施形態のノズル室6は、ノズルピストン42から噴孔21まで針弁4の連結部43および弁本体45を囲繞して延びるように形成されており、ノズル室6の容積が従来のインジェクタ81(図6参照)よりも大きく設定される。
そのため、本実施形態では、燃料の噴射に伴うノズル室6の燃料流入出量(噴射量)が、ノズル室6に貯留された燃料量に対して小さなものとなり、燃料の噴射がノズル室6の圧力に及ぼす影響が低減される。その結果、噴孔21から燃料が噴射された際の圧力脈動および圧力波が抑制、低減される。
ノズル室6の容積は、噴孔21からの噴射量がノズル室6の圧力に影響を及ぼすことを考慮して、1回の開閉動作により噴射される噴射量(パイロット噴射量など)に比べて大きく設定されることが好ましい。例えば、ノズル室6の容積は、噴孔21からの1回噴射当たりの最大噴射量に対し、約10倍以上(約1000%以上)に設定される。
このように、本実施形態のインジェクタ1では、ノズル側の圧力バランス用ピストンであるノズルピストン42を、サーボピストン41の直近に移設してノズル(ボディ2の先端部)付近の燃料油の容積(蓄圧室の容積)を大きくすることで、燃料噴射に伴う圧力脈動を抑制でき、パイロットインタバル変化時の実噴射量を安定させることができる。
ノズル室6(蓄圧室)の容積を大きくすることで、噴射量が安定する点についてより詳細に説明する。
従来のインジェクタ81(図6参照)において、噴射量が不安定になるのは、以下のメカニズム(1)から(4)による。
(1)噴射によりノズル室87の圧力が急激に低下する。
(2)圧力波が発生する。
(3)圧力波がコモンレールとインジェクタ81とを往復する。圧力波がコモンレールとインジェクタ81とを往復する時間は、噴射圧と高圧管の長さで決まるため、噴射の間隔(噴射量とエンジンの回転数で決まる)とは当然同期しない。
(4)その結果、噴射期間中に圧力波が噴孔82に到達すると噴射量が増減する。
これに対して本実施形態のインジェクタ1では、ノズル室6の容積を大きくしているので、燃料噴射をしても圧力の低下が穏やかになる。これは、コモンレール圧のような超高圧では燃料も圧縮性を持つためであり、消音器の容積は大きいほうが静かなのと同じ理屈である。圧力の低下が穏やかになると、圧力波も小さくなり、噴射量の変化(増減量)も小さくなる。
したがって、ノズル室6の容積が大きくなると、燃料を噴射してもノズル室6の圧力の低下は少ないので、圧力の脈動も少ない。
本実施形態では、噴射量の安定に加えて噴射開始後のノズル室6の圧力低減を抑制することができ、その結果、噴射圧(コモンレール圧)を上げたのと等価の効果、すなわち、噴霧が細かくなり、スモークが低減し、かつ燃費が向上するという効果が得られる。
このノズル室6を大きくすることで、噴射圧を上げた(高く設定した)のと等価の効果が得られる点について説明する。
上述の通り、燃料噴射によりノズル室6の圧力は急激に(瞬時に)低下する。
そのため、1回の噴射の前半(噴射始め)と後半(噴射終り)では噴射圧が異なり、後半のほうが前半に比べて噴射圧が低くなる。
ここで、本実施形態では、ノズル室6(蓄圧室)の容積を大きくしているので、ノズル室6の圧力の低下は穏やか(小さく)になり、噴射後半の噴射圧の低下も穏やかになる(噴射後半でも噴射圧があまり低下しない)。
その結果、噴射期間を通してみれば、本実施形態のインジェクタ1は、後半の低下を見越して最初から予め噴射圧を上げたのと等価の効果が得られる。
なお、一般的には従来のインジェクタ81でも本実施形態のインジェクタ1でも、噴射に伴うノズル室6の圧力の急激な短時間での低下はあるが、本実施形態のインジェクタ1であれば、従来に比べて、ノズル室6の圧力の低下の大きさは穏やかになる。
また、外形寸法を肥大化することなく、燃料噴射に伴う圧力脈動を抑制できるので、インジェクタ1が取り付けられるエンジン側(シリンダヘッドなど)の設計変更が不要であり、既存のインジェクタと容易に交換することができる。
その他にも、本実施形態のインジェクタ1は、内部構造を変えながらも圧力を受けるサーボピストン41およびノズルピストン42の面積を、従来のインジェクタ81と同一にできる。
すなわち、図1に示す本実施形態のインジェクタ1のサーボピストン41の断面積、ノズルピストン42の断面積、および基部46の断面積を、図6に示す従来のインジェクタ81のサーボピストン91(図7参照)の断面積、ノズルピストン93、および弁本体94の断面積と同一にすることで、圧力制御室5とノズル室6とから針弁4に作用する力を、本実施形態のインジェクタ1と従来のインジェクタとで同一にできる。
その結果、制御弁24や針弁スプリング37のバネ力を従来のインジェクタ81から変える必要がなく、設計コストや製造コストを低減することができる。
また、連結部43を囲繞する大径部34の内径をノズルピストン42の外径よりも大きく形成し、ノズル室6を拡径することでノズル室6の容積を拡大したので、ノズル室6を上下方向に延長して容積を拡大する場合のように、燃料の流路が長くなり摩擦抵抗が増大することがない。
針弁4に連結部ガイド48と弁本体ガイド49とを設けたので、針弁4をスムーズに案内することができ、針弁4の倒れを防止することができる。
針弁スプリング37を、容積を拡大したノズル室6内に収容したので、針弁スプリング37の収容室が不要となり、ボディ2の構造を単純にできる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
例えば、上述の実施形態では、サーボピストン41とノズルピストン42とを一体に形成したが、これに限定されず、別体とすることも考えられる。
図1は、本発明の一実施形態に係るインジェクタの模式的な断面図であり、閉弁状態を示す。 図2は、図1のII−II断面図である。 図3は、図1のIII−III断面図である。 図4は、本実施形態のインジェクタの模式的な断面図であり、開弁状態を示す。 図5は、パイロット噴射とメイン噴射とを行うマルチ噴射を説明するための図である。 図6は、従来のインジェクタの断面図であり、閉弁状態を示す。 図7は、従来のインジェクタの断面図であり、開弁状態を示す。 図8は、パイロットインタバルと燃料噴射量との関係を説明するための図である。
符号の説明
1 インジェクタ
2 ボディ
3 収容穴
4 針弁
5 圧力制御室
6 ノズル室(蓄圧室)
21 噴孔
41 サーボピストン
42 ノズルピストン
45 弁本体
43 連結部

Claims (7)

  1. 先端部に噴孔が形成されたボディ内に、上記噴孔を開閉するための針弁を移動自在に収容する収容穴が形成され、その収容穴に、上記針弁を閉方向に付勢する高圧燃料が導入される圧力制御室と、上記針弁を開方向に付勢する高圧燃料が導入されるノズル室とが各々設けられ、
    上記圧力制御室が減圧されて上記針弁が開方向に移動したときに、上記ノズル室と上記噴孔とが連通して該噴孔より上記ノズル室からの燃料が噴射されるインジェクタにおいて、
    上記針弁の先端部に弁本体を形成し、上記針弁の基端部に上記圧力制御室内の燃料圧を受けるサーボピストンを形成し、それらサーボピストンと弁本体との間に、上記サーボピストンから連続して延びるノズルピストンと、そのノズルピストンから上記弁本体まで延び上記ノズルピストンよりも小径の連結部とを各々形成し、
    上記ノズル室を、上記ノズルピストンから上記噴孔まで上記連結部および上記弁本体を囲繞して延びるように形成して、該ノズル室を上記噴孔から燃料が噴射された際の燃料の圧力脈動を抑制する蓄圧室としたことを特徴とするインジェクタ。
  2. 上記サーボピストンと上記ノズルピストンとが、一体に形成された請求項1記載のインジェクタ。
  3. 上記圧力制御室内の燃料を排出して該圧力制御室を減圧するための排出路と、その排出路を開閉するための制御弁とを備えた請求項1または2記載のインジェクタ。
  4. 上記燃料の噴射が、1サイクル当たり少なくとも2段階に分けて実行される請求項1から3いずれかに記載のインジェクタ。
  5. 上記蓄圧室の容積が、上記噴孔からの1回噴射当たりの最大噴射量に対し、10倍以上に設定された請求項1から4いずれかに記載のインジェクタ。
  6. 上記蓄圧室は、少なくとも上記連結部を囲繞する部分の内径が上記ノズルピストンの外径よりも大きく形成された請求項1から5いずれかに記載のインジェクタ。
  7. 上記連結部に、上記蓄圧室の内壁に摺接し上記針弁を案内するガイド部が形成され、上記蓄圧室内に、上記ガイド部を介して上記針弁を閉方向に付勢する弾性部材が設けられた請求項1から6いずれかに記載のインジェクタ。
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