JP2009126608A - コンベヤベルト用ガイドローラ - Google Patents

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崇 稲田
Hirozumi Enshu
宏純 遠周
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Abstract

【課題】摩擦力の変化を低減し、コンベヤベルトの捩れを抑止できるガイドローラを提供する。
【解決手段】ローラ表面には、ローラ本体とは別体で、凹凸のついたゴムまたはウレタン等の可撓性素材のシートがリブ状に貼り付けられており、さらに凹凸のついたリブ状のシートがスパイラル状に貼り付けられている。これにより、コンベヤベルト表面との摩擦係数が高められる。この構造のガイドローラを複数本(6本)の円形保持ローラの少なくとも1本に使用する。
【選択図】図5

Description

本発明は、コンベヤベルトを案内支持するガイドローラに関するものである。
従来、循環走行する無端の帯状コンベヤベルトの一部分をパイプ状に丸め、その内部に粉体や粒状体等の被運搬物を包み込んで搬送するようにしたパイプコンベヤが広く知られている。このパイプコンベヤでは、帯状コンベヤベルトの一部分を、ほぼ環状に配置したガイドローラ(円形保持ローラ)内を通過させることにより、パイプ状に形成するのが一般的である。
なお、特許文献1には、パイプ状になったコンベヤベルトの捩れを修正するパイプコンベヤ用保形ローラ装置が開示されている。
特開平9−142636号公報
コンベヤベルトを案内支持するガイドローラは、一般に金属製であることから表面が平滑であるため、パイプコンベヤが露天設置機体の場合には、雨天時にスリップが発生し易く、また、粉体や粒状体等の被運搬物が付着して、部分的に摩擦力が変化して、コンベヤベルトに捩れを誘発する虞がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、摩擦力の変化を低減し、コンベヤベルトの捩れを抑止できるガイドローラを提供することにある。
本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1)コンベヤベルトを案内支持するガイドローラであって、ローラ表面に凹凸が形成されているものとする。
(2)上記(1)項において、前記コンベヤベルトは、その一部が筒状となり搬送物を包み込んで搬送するパイプコンベアベルトであるものとする。
(3)上記(1)項または(2)項において、前記凹凸は、ローラ本体とは別体で形成され、ローラ表面に取り付けられる。
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、前記凹凸は、ローラ表面にリブ状に形成されている。
(5)上記(4)項において、前記凹凸は、ローラ表面にリング状またはスパイラル状に形成されている。
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、前記凹凸は、可撓性素材で形成されている。
(7)コンベヤベルト装置であって、上記(1)〜(6)項のいずれかのガイドローラを少なくとも1つ備えるものとする。
請求項1に記載の発明によると、摩擦力の変化を低減し、コンベヤベルトのズレを抑止できる。
請求項2に記載の発明によると、摩擦力の変化を低減し、パイプコンベヤベルトの捩れを抑止できる。
請求項3に記載の発明によると、ローラ表面に形成される凹凸がローラ本体とは別体であるので、凹凸をローラ表面に貼り付けることで簡易に製造することができる。また、凹凸の摩耗時における凹凸の再貼り付けがが容易となる。
請求項4に記載の発明によると、凹凸をリブ状とすることで、水切り効果が高くなるので、雨天時にスリップが生じにくくなり、また摩擦力の変化を低減できる。
請求項5に記載の発明によると、凹凸をリング状またはスパイラル状とすることで、水切り効果が高くなるので、雨天時にスリップが生じにくくなり、また摩擦力の変化を低減できる。さらに、凹凸をスパイラル状とするときは、コンベヤベルトにズレや捩れが生じたときに、ズレや捩れを矯正することができる。
請求項6に記載の発明によると、凹凸を可撓性素材とすることで、摩擦力の変化を低減する効果が高くなり、コンベヤベルトのズレや捩れを抑止できる効果が高くなる。
請求項7に記載の発明によると、摩擦力の変化を低減し、コンベヤベルトのズレや捩れを抑止できるガイドローラを備えているので、被搬送物を円滑に搬送することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1に、本発明に係るガイドローラを備えたパイプコンベヤ12を示す。可撓性を有する無端の搬送ベルト1は、長手方向の軸線まわりに丸まってパイプ状になろうとする弾性傾向を有しており、図1に示すように、互いに離間した前部プーリ2と後部プーリ3との間に平ベルト状に展開された状態で掛け回され、前部プーリ2と後部プーリ3のいずれかをモータ等の駆動手段により回転させることによって図1の矢印の方向に循環させられるようになっている。
前部プーリ2と後部プーリ3との間には、方形枠状をなす複数の保形枠4が、搬送ベルト1の進行方向と平行な支持枠5をもって互いに連結されることにより、前後方向にほぼ一定間隔を持って配設されている。図2に示すように、各保形枠4は、上室4aと下室4bに分かれ、その上室4aの中央に形成された窓穴4cを、搬送ベルト1の往路側である往路ベルト1aが、窓穴4cの周縁にほぼ環状に配設された複数の円形保持ローラ6によって案内支持されて通過するようになっており、また、下室4bの中央に形成された窓穴4cを、搬送ベルト1の復路側である復路ベルト1bが、窓穴4cの周縁にほぼ環状に配設された複数本(6本)の円形保持ローラ6によって案内支持されて通過するようになっている。
偏平に展開されて、後部プーリ3の下面よりその上面に回った往路ベルト1aは、図3に示すように、往路ベルト1aの下面と側面をそれぞれ支持する丸めローラ7、8に案内支持されることにより、かつそれ自身の有する弾性傾向によって、次第に樋状に丸められる。往路ベルト1aが十分に丸まらない中に、後部プーリ3の上方に設けたホッパ9より、粉状もしくは粒状の被搬送物10が、往路ベルト1a上に投下される。
ついで、往路ベルト1aは、保形枠4の上室4aに進入し、円形保持ローラ6に案内支持されて、パイプ状に丸められるとともに、往路ベルト1aの両側端部同士が上方において重合され、その中に被搬送物10が包み込まれる。被搬送物10を包み込んだ往路ベルト1aは、円形保持ローラ6により周囲を支持されて、パイプ状を保ったまま走行する。
前部プーリ2の近くにおいて、最前位の保形枠4から脱出した往路ベルト1aは、図1に示した被搬送物10の包み込み部分を概ね前後対称的に構成されたベルト展開装置(図示せず)を通過する間に展開されて、被搬送物10を、前部プーリ2の前下方に設けた荷受箱11に投入する。前部プーリ2を通過した復路ベルト1bは、上述同様にパイプ状に丸められて、各保形枠4の下室4bを通過し、後部プーリ3に戻って循環する。
図4は、保形枠4に設けられた窓穴4cの周縁に配設された円形保持ローラ6に用いられるガイドローラの詳細を示す図である。図4(a)は、ガイドローラの正面図であり、図4(b)は、ガイドローラの側面図である。ローラ表面には、ローラ本体とは別体で、凹凸のついたゴムまたはウレタン等の可撓性素材のシートがリブ状に貼り付けられており、さらに凹凸のついたリブ状のシートがリング状に貼り付けられている。これにより、コンベヤベルト(搬送ベルト)表面との摩擦係数が高められる。また、リング構造は水切り効果が高く、雨天時にも水を切り、コンベヤベルト表面との摩擦係数が殆ど変わらない。この構造のガイドローラを、複数本(6本)の円形保持ローラの少なくとも1本に使用する。
図5は、ガイドローラの他の例を示す図である。図5(a)は、ガイドローラの正面図であり、図5(b)は、ガイドローラの側面図である。ローラ表面には、ローラ本体とは別体で、凹凸のついたゴムまたはウレタン等の可撓性素材のシートがリブ状に貼り付けられており、さらに凹凸のついたリブ状のシートがスパイラル状に貼り付けられている。これにより、コンベヤベルト表面との摩擦係数が高められる。また、スパイラル構造は水切り効果が高く、雨天時にも水を切り、コンベヤベルト表面との摩擦係数が殆ど変わらない。この構造のガイドローラを複数本(6本)の円形保持ローラの少なくとも1本に使用する。
また、ローラ表面にスパイラル状にシートが貼り付けられたガイドローラは、図6に示すように、ガイドローラ13が回転することによってローラの周方向と軸方向に分力が生じる。したがって、このガイドローラを用いることによって、スパイラルの方向にベルトを捩る力が働くので、パイプコンベヤに捩れが生じたときに、パイプコンベヤの捩れを矯正することができる。さらに、図7に示すような、軸方向の分力が反対方向であるガイドローラ14と対で用い、軸方向の分力が互いに向き合うように配設することによって、走行するコンベヤベルトの直進性を高めることができる。
上述のように、本発明に係るガイドローラは、摩擦力の変化を低減し、コンベヤベルトのズレや捩れを抑止できる。また、ローラ表面に形成される凹凸をリング状またはスパイラル状とすると、水切り効果が高くなるので、雨天時にスリップが生じにくくなる。さらに、凹凸をスパイラル状とするときは、コンベヤベルトにズレや捩れが生じたときに、ズレや捩れを矯正することができる。また、凹凸がローラ本体とは別体であるので、既存のローラ表面を洗浄し、凹凸を貼り付けることで簡易に製造することができる。また、凹凸の摩耗時における凹凸の再貼り付けがが容易となる。
さらに、本発明に係るガイドローラを備えたコンベヤベルト装置は、コンベヤベルトのズレや捩れを抑止できるので、被搬送物を円滑に搬送することができる。
なお、上述した実施の形態では、パイプコンベヤの円形保持ローラに、図4および図5に示すローラ表面に凹凸が形成されたガイドローラを用いたが、図4および図5に示すガイドローラを、図3に示す丸めローラ7、8に用いるようにしても良い。
また、上述した実施の形態では、ローラ表面に、凹凸のついたシートを貼り付けているが、この凹凸はいずれの形状でも良い。
また、上述した実施の形態では、図4および図5に示すローラ表面に凹凸が形成されたガイドローラをパイプコンベアベルトに用いる場合について説明したが、図4および図5に示すガイドローラを、平ベルトを含む他のコンベヤベルトに用いることができることは言うまでもない。
本発明に係るガイドローラを備えたパイプコンベヤの正面図である。 図1のII−II矢視図である。 図1のIII−III矢視拡大図である。 円形保持ローラに用いられるガイドローラの詳細を示す正面図および側面図である。 ガイドローラの他の例を示す正面図および側面図である。 スパイラル状にリブ状突起が形成されたガイドローラの分力を説明する図である。 スパイラル状にリブ状突起が形成されたガイドローラの分力を説明する図である。
符号の説明
1 搬送ベルト
1a 往路ベルト
1b 復路ベルト
2 前部プーリ
3 後部プーリ
4 保形枠
4a 上室
4b 下室
4c 窓穴
5 支持枠
6 円形保持ローラ
7,8 丸めローラ
9 ホッパ
10 被搬送物
11 荷受箱
12 パイプコンベヤ
13,14 ガイドローラ

Claims (7)

  1. コンベヤベルトを案内支持するガイドローラであって、ローラ表面に凹凸が形成されていることを特徴とするガイドローラ。
  2. 前記コンベヤベルトは、その一部が筒状となり搬送物を包み込んで搬送するパイプコンベアベルトであることを特徴とする請求項1に記載のガイドローラ。
  3. 前記凹凸は、ローラ本体とは別体で形成され、ローラ表面に取り付けられることを特徴とする請求項1または2に記載のガイドローラ。
  4. 前記凹凸は、ローラ表面にリブ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガイドローラ。
  5. 前記凹凸は、ローラ表面にリング状またはスパイラル状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のガイドローラ。
  6. 前記凹凸は、可撓性素材で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガイドローラ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のガイドローラを少なくとも1つ備えることを特徴とするコンベヤベルト装置。
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