JP5504025B2 - コンベヤ用ベルト及び土砂搬送用ベルトコンベヤ - Google Patents
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密度係数=縦密度係数×横密度係数 ・・・(1)
ここで、縦密度係数及び横密度係数は、それぞれ次式(2)、(3)にて算出される。
縦密度係数=縦糸打込本数(本/50mm)×(縦糸直径(mm)+横糸直径(mm))/50mm ・・・(2)
横密度係数=横糸打込本数(本/50mm)×(縦糸直径(mm)+横糸直径(mm))/50mm ・・・(3)
縦糸と横糸とを編み込むことにより形成され、これら両糸の密度係数が0.42以上0.531以下である心体帆布と、
硬度が57以上63未満で、前記心体帆布の上面及び下面をそれぞれ覆うように設けられた一対のカバーゴムと、
を備えることを特徴とする。
また、引張り強度を従来品と比べて大きくすることができるため、従来よりもコンベヤ用ベルトの耐久性が向上するので、接着作業や交換作業等の手間及び時間を低減することができる。したがって、トンネルの掘削を効率良く行うことができる。
また、カバーゴムの硬度が57以上63未満でコンベヤ用ベルトはあまり撓まないため、駆動プーリー間の距離を長くして、駆動プーリーの数を低減することができる。
図1に示すように、土砂搬送用ベルトコンベヤ2は、上流側端部に配置されたヘッドプーリー3と、下流側端部に配置された駆動用プーリー4と、両プーリー3、4間を回転するように巻き付けられたコンベヤ用ベルト1と、駆動用プーリー4を駆動するための駆動手段6と、を備えている。
図2に示すように、コンベヤ用ベルト1は、縦糸7と横糸8とを編み込むことにより形成された心体帆布9と、心体帆布9の上面及び下面をそれぞれ覆うように設けられたカバーゴム10、11と、を備えている。
このカバーゴム10、11は、硬度が57以上63未満の範囲になるように形成されたものを用いる。
図3及び図4に示すように、小断面のトンネルT内に設置されている土砂搬送用ベルトコンベヤ2の幅は、約450mmであり、一般的な土砂搬送用ベルトコンベヤの幅(約600mm)よりも小さい。
コンベヤ用ベルト1の送り側ベルト1aは、土砂を両側から挟み込んで落とさないように、キャリアローラー5に沿って略コの字形に変形することが望ましい。コンベヤ用ベルト1の変形性能を評価するために、本実施形態においては、トラフ指数を用いた。
T= H/BW ・・・(4)
=(SINα×BW/3)/BW
=(SIN30×450/3)/450
= 75/450
= 0.167
ここで、T:トラフ指数、H:コンベヤ用ベルト1の撓み量、α:メインキャリアローラー5aに対するサイドキャリアローラー5bの傾斜角度(°)、BW:コンベヤ用ベルト1の幅(mm)である。
送り側ベルト1aが略コの字の形状(図4参照)になるようにトラフ指数を大きくする(すなわち、土壌搬送用ベルト1の撓み量Hが大きくなるようにする)ためには、従来品No.0と比べて、心体帆布9の密度係数を小さくすれば良いと考えて、心体帆布9の密度係数を従来品No.0よりも小さくした。具体的には、試験体No.1及びNo.2の心体帆布9の密度係数をそれぞれ、0.531、0.454とした。
なお、本発明者らは、心体帆布9の密度係数を0.42未満にすると、ベルトとして機能しないという知見を得ているので、密度係数は0.42(以下、この値を管理値という)以上とする。
トラフ指数を大きくするためには、従来品No.0と比べて、カバーゴム10の厚さを薄くすれば良いと考えて、カバーゴム10の厚さを従来品No.0よりも薄くした。具体的には、試験体No.3及びNo.4のカバーゴム10の厚さを4.0mmとした。
なお、カバーゴム10の厚さの影響を明確にするために、試験体No.3及び試験体No.4の心体帆布9の密度係数をそれぞれ試験体No.1、試験体No.2と同じ値にした。
トラフ指数を大きくするためには、従来品No.0と比べて、カバーゴム10、11の硬度を小さくすれば良いと考えて、カバーゴム10、11の硬度を従来品No.0よりも小さくした。具体的には、試験体No.5及びNo.6のカバーゴム10、11の硬度をそれぞれ54、57とした。
なお、カバーゴム10、11の硬度の影響を明確にするために、試験体No.5及びNo.6の心体帆布9の密度係数を試験体No.2と同じ値にした。
図5の下半部に示すように、試験体No.1及びNo.2のトラフ指数は、従来品No.0のトラフ指数よりもやや大きくなったが、目標値よりも小さかった。具体的には、試験体No.1及びNo.2のトラフ指数は、それぞれ0.140、0.148であった。
したがって、心体帆布9の密度係数を小さくすることにより、トラフ指数は大きくなることがわかる。
試験体No.3及びNo.4のトラフ指数は、従来品No.0のトラフ指数よりもやや大きくなったが、目標値よりも小さかった。具体的には、試験体No.3及びNo.4のトラフ指数は、それぞれ0.137、0.150であった。
また、カバーゴム10の厚さのみが異なる試験体No.3と試験体No.1と、試験体No.4と試験体No.2と、をそれぞれ比較すると、カバーゴム10を薄くしても、トラフ指数は、多少大きくなるもののほとんど変化していない。
したがって、カバーゴム10を薄くしてもトラフ指数を大きくする効果は小さいことがわかる。
試験体No.5及びNo.6のトラフ指数は、従来品No.0のトラフ指数よりも大きく、かつ、目標値を超えていた。具体的には、試験体No.5及びNo.6のトラフ指数はそれぞれ0.215、0.194であった。
したがって、カバーゴム10、11の硬度を小さくすることにより、トラフ指数は大きくなることがわかる。
しかしながら、試験体No.5の引裂強度が規定値よりも小さくなった。この結果より、カバーゴム10、11の硬度を54(試験体No.5の硬度)よりも大きくすることが好ましい。
一方、試験体No.6は、トラフ指数が目標値よりも大きく、かつ、その他の項目についても上記JIS等で定められた条件よりも大きくなった。したがって、試験体No.6は、本実施形態にかかるコンベヤ用ベルト1としての使用に適している。
===心体帆布9の密度係数について===
心体帆布9の密度係数を従来品No.0よりも小さくした試験体No.1〜No.6は、すべてトラフ指数が従来品No.0よりも小さくなった。
本実験では、試験体No.1〜No.6のうち、最も大きい密度係数を0.531(試験体No.1及びNo.3)としたので、これを考慮して、密度係数の上限を0.531以下とした。また、心体帆布9の下限を管理値である0.42以上とした。
===カバーゴム10、11の硬度について===
上述したように、試験体No.5の結果より、カバーゴム10、11の硬度を54にすると引裂強度が規定値を満たさなくなるため、カバーゴム10、11の硬度の下限を54よりも大きくすることとした。さらに、安全性を考慮して57(試験体No.6の硬度)以上とした。
また、カバーゴム10、11の硬度の上限を63(試験体No.1〜No.4の硬度)未満とした。上述したように、カバーゴム10、11の硬度を変化させるとトラフ指数が大きく変化するため、カバーゴム10、11の硬度の上限を63(試験体No.1〜No.4の硬度)未満とし、かつ、心体帆布9の密度係数を上記範囲内にすることにより、トラフ指数の目標値を超えることができると考えられる。
===カバーゴム10の厚さについて===
カバーゴム10の厚さが異なる試験体No.1と試験体No.3と、試験体No.2と試験体No.4と、をそれぞれ比較すると、カバーゴム10の厚さを薄くしても、トラフ指数はほとんど変化していないことがわかる。
また、カバーゴム10の厚さ及び硬度が異なる試験体No.4と試験体No.5と、試験体No.4と試験体No.6と、をそれぞれ比較すると、カバーゴム10が厚くても硬度が小さいNo.5及びNo.6のトラフ指数が大きくなっている。
これらの結果より、カバーゴム10を薄くしてもトラフ指数を大きくする効果は小さいと考えられる。
また、カバーゴム10、11の引張り強度を従来品と比べて大きくすることができるため、従来よりもコンベヤ用ベルト1の耐久性能が向上するので、接着作業や交換作業等の手間及び時間を低減することができる。したがって、トンネルTの掘削を効率良く行うことができる。
1a 送り側ベルト
2 土砂搬送用ベルトコンベヤ
3 ヘッドプーリー
4 駆動用プーリー
5 キャリアローラー
5a メインキャリアローラー
5b サイドキャリアローラー
6 駆動手段
7 縦糸
8 横糸
9 心体帆布
10 カバーゴム
11 カバーゴム
T トンネル
Claims (2)
- トンネルの掘削により生じた土砂を搬送するための土砂搬送用ベルトコンベヤに用いられるコンベヤ用ベルトであって、
縦糸と横糸とを編み込むことにより形成され、これら両糸の密度係数が0.42以上0.531以下である心体帆布と、
硬度が57以上63未満で、前記心体帆布の上面及び下面をそれぞれ覆うように設けられた一対のカバーゴムと、
を備えることを特徴とするコンベヤ用ベルト。 - 請求項1に記載のコンベヤ用ベルトを備えることを特徴とする土砂搬送用ベルトコンベヤ。
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