JP2009126162A - 光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】環境面への負荷を低減して、生産性を向上した光学フィルムを提供する。
【解決手段】表面が凹凸形状を有する光学機能層(A)と基材層(B)とを積層してなる光学フィルムであって、該光学機能層(A)は、少なくとも熱可塑性樹脂(a)と、石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、またはクマロン−インデン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂(b)とを含む樹脂組成物に、更に微粒子(c)を分散光学フィルムである。また、光学機能層(A)と基材層(B)とを共押出法またはラミネート法によって積層し、少なくとも1軸以上延伸することを光学フィルムの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイのバックライトユニットに組み込まれる拡散集光性を有する光学フィルム及びこれを用いたバックライトユニットに関するものである。
近年の目覚しい技術革新により液晶ディスプレイはパソコンやテレビ、携帯電話などをはじめとした非常に多くの表示装置に採用されている。これらの液晶ディスプレイは液晶表示ユニット単独では発光機能を有していないため、その裏側にバックライトユニットを配することで表示が可能となっている。
バックライトユニットには種々の方式があるが、大きく2種類に大別される。一つは一般に直下型方式といわれ、光源が表示部の真下に配置することができるため、後述するエッジライト方式と比較して、極めて高い輝度が得られる。そのため大型液晶テレビなど大型で、かつ高い輝度が必要な液晶ディスプレイには、直下型方式が多く用いられている。
しかしながら、直下型方式では画面上で光源の直下に当たる位置と、そうでない位置とで大きな輝度差を生じやすく、輝度ムラとして認識しやすいという問題を有している。このためバックライトユニットに有機、無機の微粒子などの光散乱物質を混入した厚さ数mmのアクリルやポリカーボネート、ポリスチレンなどからなる光拡散板、及び二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に光拡散加工を施した光拡散性フィルムを配することで輝度ムラの軽減がなされている。
もう一方はエッジライト型といわれる方式で、表示部の端部に1灯および2灯の蛍光ランプ(多くは冷陰極放電管)等の発光体が配置され、アクリル樹脂板などからなる導光板内に光を導入する方式である。この方式は、先述の直下型バックライトユニットと比較して、消費電力が小さい、小型・薄型化が可能であるという特徴を有しており、ノート型パソコン等の小型ディスプレイ等、特に省電力化、薄型化、軽量化が要求される場合には、エッジライト型のバックライトユニットが広く用いられている。
エッジライト型バックライトユニットの導光板に求められる必要な機能は、端部より入射した光を前方に送る機能と、送られた光を表示部側に出射する機能である。前者の機能は使用する材料および界面反射特性に応じて決まり、後者の機能は導光板表面の形状に応じて決まる。
しかしながら、これらの形状により導光板から表示部側に出射された光は、その形状に応じた不均一な光の分布を有している。従って、この導光板上に光拡散性フィルムを設置することで、光拡散層を通過する光を拡散、散乱させ、光出射面の輝度を均一にするよう試みられている。
これらのバックライトユニットには、さらにその正面輝度を向上させるため、光拡散性フィルムを透過して出射する光をできるだけ正面方向に集めるように、集光シートが用いられる場合がある。この集光シートは、表面にプリズム状やウェーブ状、ピラミッド状等の微小な凹凸が多数並んだ透明シートであり、光拡散性フィルムを透過した出射光を屈折させて正面に集め、照射面の輝度を向上させるようになっている。このような集光シートは、上記光拡散性フィルムの表面側に、1枚もしくは2枚重ねて使用される。
さらに、集光シートの配設によって生じた輝度ムラや集光シートの欠陥を拡散、散乱させて目立たなくするため、上記集光シートの表面側にも、光拡散性フィルムを配設する場合がある。
そして、前記バックライトユニットを構成する各部材(光拡散板、導光板、光拡散性フィルム、集光シート等)には、光の損失を抑えて光の利用効率を向上させるために、光線透過率の高い材料が求められている。
一方、これらの部材は一般に基材フィルムに機能層が積層された構成からなり、これらの部材を、粘着剤を介して貼り合わせて複合化している。これらの部材の支持体の数を削減することにより、異なる屈折率を有する部材間の界面において光が反射する回数を低減させることができる。そのため、部材の数を削減することは、光の利用効率を高める上でも有効である。一方、単一の基材フィルム自体に他の機能(例えば、光拡散性)を付与する試みも検討されている。
バックライトユニットに用いられる光拡散性フィルムとしては、例えば、透明熱可塑性樹脂をシート状に成形後、表面に物理的に凹凸を付ける加工を施して得られたフィルム(特許文献1参照)や、二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に微粒子を含有した透明樹脂からなる光拡散層をコーティングして得られたフィルム(特許文献2参照)が開示されている。これらのフィルムは光線透過率が高く、かつ優れた光拡散性を有しており、また二軸延伸ポリエステルフィルムの特徴である優れた耐熱性、機械的強度、さらには優れた厚み均一性を併せ持つことから、広く採用されている。
特開平4−275501号公報 特開平6−59108号公報
しかしながら、特許文献1で開示されている方法では、フィルム表面が傷付きやすいという問題点がある。また、特許文献2で開示されている方法では、コーティング後の乾燥工程に時間を要するため、生産性に問題がある。また、コーティングの工程内で有機溶剤を用いるため、その取り扱いや処分の過程で環境面への負荷が大きいという問題点がある。
本発明の目的は環境面への負荷を低減して、生産性を向上した光学フィルムを提供することである。
本発明は、表面が凹凸形状を有する光学機能層(A)と基材層(B)とを積層してなる光学フィルムであって、該光学機能層(A)は、少なくとも熱可塑性樹脂(a)と、石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、またはクマロン−インデン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂(b)とを含む樹脂組成物に、更に微粒子(c)を分散させてなることを特徴としており、共押出法またはラミネート法によって積層し、少なくとも1軸以上延伸した光学フィルムである。
本発明は、特定の層構成を採用するとともに、光線透過率と光拡散性とを、何れも高レベルで両立している光学フィルムである。さらに、ディスプレイ搭載時の輝度を向上することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。なお、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「光学フィルム」を含むものとする。
<光学フィルム>
光学機能層(A)に用いる熱可塑性樹脂(a)としては、特に限定しないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などの光学的透明性を有する樹脂が使用できる。好ましい樹脂として、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。より好ましい樹脂として、後述の石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、またはクマロン−インデン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂(b)との相溶性の面で好ましいポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
該光学機能層(A)には、石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、またはクマロン−インデン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂(b)が含まれていることが重要である。
石油樹脂としては、例えばC5留分を主原料とする脂肪族系石油樹脂、C9留分を主原料とする芳香族系石油樹脂、それらの共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂がある。テルペン樹脂としてはβ−ピネンからのテルペン樹脂やテルペン−フエノール樹脂が、またロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウツドロジンなどのロジン樹脂、グリセリンやペンタエリスリトールで変性したエステル化ロジン樹脂などが例示できる。該樹脂(b)は該熱可塑性樹脂(a)に混合した場合に比較的良好な相溶性を示すが、色調や熱安定性といった面から石油樹脂が好ましく、水添石油樹脂を用いることがより好ましい。
水添石油樹脂は、石油樹脂を慣用の方法によって水素化することにより得られるものである。例えば、水素化脂肪族系石油樹脂、水素化芳香族系石油樹脂、水素化共重合系石油樹脂及び水素化脂環族系石油樹脂、並びに水素化テルペン系樹脂が挙げられる。水添石油樹脂の中でも、水素化脂環族系石油樹脂が好ましく、シクロペンタジエン系化合物と芳香族ビニル系化合物とを共重合して、水素添加したものが特に好ましい。
樹脂(b)について、軟化温度としては135℃以下であることが好ましく、より好ましくは115℃以下、更に好ましくは90℃以下である。軟化温度が135℃以下であれば、該樹脂(b)を軟化させる温度設定が容易であるため、延伸時に光学機能層(A)中に含まれている微粒子(c)が表面に露出して、凹凸形状を有する表面となるために好ましい。また、下限は特に限定しないが、60℃以上が好ましい。
熱可塑性樹脂(a)と樹脂(b)とを含む樹脂組成物について、該樹脂(b)の含有量は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、50〜70質量%が更に好ましい。規定した範囲内にすることで、延伸時に均一な光学フィルムを得ることが可能である。
該光学機能層(A)には、更に微粒子(c)が含まれている。該微粒子(c)としては、導光板の光拡散パターンを拡散して消去させつつ、かつ光学フィルムの裏面から入射した光をできるだけそのまま正面方向に対して透過させる性能を付与する必要がある。
微粒子(c)としては、特に限定されるものではなく、樹脂、ガラス、金属、熱可塑性樹脂などからなる球形あるいは多角形などの粒子が好ましい。例えば、ガラスビーズ、ジルコニア粒子、ポリスチレン製ビーズ、アクリル製ビーズ、シリコーン系樹脂粒子、ナイロン製ビーズ、ポリエチレン製ビーズ、ベンゾグアナミン製ビーズ、ポリウレタン製ビーズが具体的に挙げられる。これらの中でも、耐候性を有しつつ透明性の高い点からアクリル製ビーズが好ましい。
微粒子(c)としては、平均粒子径が1.0〜50.0μmであることが好ましく、3.0〜30.0μmであることがより好ましい。平均粒子径を規定された範囲内にすることで、ヘーズや全光線透過率が十分大きくなり、拡散集光性を始めとした光学機能性が優れた光学フィルムとなる。
また、該光学機能層(A)の厚みとしては、使用する微粒子(c)の平均粒子径や熱可塑性樹脂(a)に対する該微粒子(c)の含有量によって一概には言えないが、30〜250μm、好ましくは30〜200μmである。
ここで、熱可塑性樹脂(a)100質量部に対する微粒子(c)の含有量としては、使用する微粒子(c)の平均粒子径や該光学機能層(A)の厚みによって一概には言えないが、80〜200質量部、好ましくは100〜160質量部であることが望ましい。80質量部以上とすることで、比較的大きな平均粒子径の微粒子(c)を使用しても高光拡散且つ高輝度の性能を得ることができ、200質量部以下とすることにより比較的小さな平均粒子径の微粒子(c)を使用しても高光拡散且つ高輝度の性能を得るためである。
本発明の基材層(B)に用いる熱可塑性樹脂としては特に限定しないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂等の透明プラスチックフィルム等が具体的に挙げられる。中でもポリオレフィン系樹脂が好ましく、樹脂(b)との相溶性があるポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
本発明の光学フィルムを構成する光学機能層(A)及び基材層(B)は、本発明の効果を損なわない範囲内で上記以外の樹脂を含有していてもよい。
また、本発明の効果を損なわない範囲内で、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、分散剤、及びその他の添加剤を含有していてもよい。
<光学フィルムの積層構造>
本発明の光学フィルムは、光学機能層(A)と、基材層(B)を有する積層フィルムであり、少なくとも(A)/(B)の2層以上の積層フィルムであればよく、光学特性や層間接着性の改良など必要に応じて接着層などの他の層を適宜導入しても構わない。
他にも、(A)/(B)/(A)からなる3層構成のほか、(A)/接着層/(B)/接着層/(A)からなる5層構成などを例示することができる。光学機能層(A)と同様の組成からなる層が、両表面層以外に介在してもかまわないし、また、基材層(B)と同様の組成からなる層が、両表面層の間に2層以上介在してもかまわない。この場合、各層の樹脂組成や厚み比に関しては同一であっても異なってもよい。
本発明の光学フィルムの使用方法としては、液晶用バックライトユニットの導光板上に、光拡散性シートを1枚ないし2枚以上積層することにより使用することができ、2枚、3枚と積層した時により高輝度となるものである。また、本発明の光学フィルムは、更にその上にプリズムシートを1枚ないし2枚以上積層する組み合わせにおいても高輝度化するものであるが、本発明の最大の特徴は、このような高価で表面が傷付きやすくて取り扱いのし難いプリズムシートを使用しなくても、十分に高光拡散かつ高輝度の性能を実現できるところである。
<光学フィルムの製造方法>
本発明の光学フィルムは、光学機能層(A)と基材層(B)を溶融成形してシート状とし、積層体にすればよい。積層体を形成する製造方法として、共押出法またはラミネート法によって製造することが好ましい。
共押出法とは、複数の押出機を用いて、それぞれから積層する樹脂を加熱溶融し、それぞれの樹脂を合流させた後にTダイのスリット状の吐出口から共押出し、チルドロールで冷却固化させてキャストシート(未延伸状態)を形成する方法である。溶融樹脂を合流させて、Tダイよりシートを押出する方法としては、溶融樹脂を合流させてからマニュホールドを広げるフィードブロック法と、溶融樹脂をそれぞれマニュホールドで広げてから合流させるマルチマニュホールド法があるが、そのどちらを用いても良い。
ラミネート法としては、積層された際に十分な貼り合わせ強度を確保できるものであれば特に制限はなく、例えば、光学機能層(A)と基材層(B)とを、層間樹脂を介して両者を貼り合わせたサンドラミネート法により積層する方法や、接着剤や粘着剤を用いて、ホットメルトラミネート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法等、従来公知の貼り合わせ手段を適用して、両者を接着貼り合わせて積層体としてもよい。
光学機能層(A)の表面に凹凸形状を形成させる方法として、少なくとも一軸以上延伸する方法がある。延伸は一軸方向若しくは二軸方向に延伸してもよい。延伸時に室温より高温で加熱するために、光学機能層(A)中の樹脂(b)は軟化する。軟化した樹脂(b)の一部は基材層(B)に浸透して、光学機能層(A)中に含まれる樹脂(b)が占める割合は減少するため、微粒子(c)がフィルム表面に現れる。更に延伸を行うことによって、微粒子(c)はムラがなく均一に展開するため、凹凸形状を有する表面になる。
このため、光学機能層(A)中に樹脂(b)が含まれていることが重要である。そして、延伸によって基材層(B)に樹脂(b)が浸透するため、延伸後の光学フィルムにおいては、基材層(B)中にも樹脂(b)が含まれていることになる。
例えば、二軸延伸の場合、延伸順序は特に制限されることはなく、同時二軸延伸でも逐次二軸延伸でも構わない。延伸設備を用いて、溶融製膜した後、ロール延伸によってフィルムの流れ方向に対して平行方向(MD)に延伸した後、テンター延伸によってフィルムの流れ方向に対して直交方向(TD)に延伸してもよいし、チューブラー延伸等によって二軸延伸を行ってもよい。
また、延伸温度について、120〜150℃で行うことが好ましい。延伸温度が規定した範囲内であれば、延伸時に樹脂(b)が十分に軟化して、拡散集光性を始めとした光学的物性により適した凹凸形状を有する表面となるため、好ましい。
面積倍率で2倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましい。面積倍率が2倍以上であれば、延伸によって表面が十分な凹凸形状となり、拡散集光性等の光学機能性の効果が十分に現れる。上限は特に限定しないが、50倍以下が好ましい。
また延伸した光学フィルムは、耐熱性及び寸法安定性を付与するべく、熱処理をしてもよい。
熱処理の処理温度は、70℃〜200℃であることが好ましく、80℃〜180℃であるとより好ましい。この加熱処理温度は、キャストシートの厚み、キャストシートの走行速度、加熱処理後のフィルムに要求される物性、剛性、透明性などを考慮して適宜決定される。
なお、このように延伸後に熱処理を行う場合には、延伸装置として延伸後に熱処理ができるテンター延伸装置を使用するのが好ましい。
<物性>
本発明の光学フィルムの全光線透過率は80.0%以上が好ましく、83.0%以上がより好ましく、85.0%以上が更に好ましい。全光線透過率が80.0%以上とすることで、正面方向への光の透過性を十分に満たすことができる。一方、全光線透過率の上限については特に限定しないが、100%以下が好ましい。
また、該光学フィルムのヘーズは80.0%以上が好ましく、85.0%以上がより好ましく、88.0%以上が更に好ましい。ヘーズが80.0%以上とすることで、光拡散性を十分に満たすことができる。一方、ヘーズの上限については特に限定しないが、100%以下が好ましい。
該光学フィルムは、全光線透過率が80.0%以上、ヘーズが80.0%以上であることによって、バックライトユニットに搭載して輝度を測定すると、該光学フィルムを搭載しない場合に比べて、輝度向上度が105%以上と高輝度となるために好ましい。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、実施例や比較例に示す測定値は以下に示す測定方法に基づいて行った。ここで、フィルムの流れ方向に対して平行方向をMD、その直交方向をTDとする。
<測定方法>
[融点]
融点は示差走査熱量測定(DSC)(パーキンエルマー製:DSC−7)により、試料10mgをJIS K 7121に準じて、加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラムから求めた。
[全光線透過率、ヘーズ]
全光線透過率をJIS K 7361、ヘーズをJIS K 7136に準拠して測定した。なお測定は基材層(B)側から光を入射することで行った。
[輝度評価]
バックライトユニット(シャープ製「アクオス」(商品名)20インチ、型番:LC−EX1−S)に、拡散板、本発明の光学フィルム、集光シート、拡散フィルムを順次積層して固定し、50cm離れたその画面の中央輝度を輝度計(ミノルタ社製、型式:LS−100)によって測定した。フィルム組込前の輝度を予め測定して、この輝度の値(10312cd/m)に対する割合を輝度向上率として算出した(下記式(1)参照)。この値が大きいほど、高輝度である。
輝度向上率=(フィルム組込時の輝度/フィルム組込前の輝度)×100 (1)
(実施例1)
ランダム型ポリプロピレン[ランダムPP、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテックWFX4T」、融点:125℃]と、ホモ型ポリプロピレン[ホモPP、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテックFY4」、融点:159℃]とを、ランダムPP:ホモPP=80:20の質量比で配合し、十分混合した後、定質量フィーダーにて供給しながら、二軸押出機にて樹脂温度190℃で押出混練し、冷却固化させて、厚さ1250μmのキャストシートを形成した。
ランダム型ポリプロピレン[ランダムPP、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテックWFX4T」、融点:125℃]と、脂環族炭化水素系樹脂[水添石油樹脂、荒川化学工業(株)製、商品名「アルコンP−90」、軟化温度:90℃]とアクリル製ビーズ(積水化成品(株)製、商品名「テクポリマーMBX−8」、屈折率:1.49、真比重:1.20、平均粒子径8μm)とを、ランダムPP:水添石油樹脂:アクリル製ビーズ=27:40:33の質量比で配合し、十分混合した後、定質量フィーダーにて供給しながら、二軸押出機にて樹脂温170℃でコンパウンドしペレット化した。得られたペレットは、170℃で基材層(B)に押出ラミネート法によって熱融着させた。
得られた積層シートを、小型テンター装置(京都機械株式会社製)を使用してMDに135℃で6倍延伸、ついでTDに135℃で6倍延伸をして、厚み35μmの光学フィルムを得た。
実施例1で得られたフィルムの測定結果を表1に示す。また、走査型電子顕微鏡によるフィルムの断面拡大写真(倍率:1000倍)と表面拡大写真(倍率:500倍)を図1、図2にそれぞれ示す。
(実施例2)
光学機能層(A)のランダムPP、水添石油樹脂、およびアクリル製ビーズの配合比を40:27:33に変更した以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
実施例2で得られた測定結果を表1に示す。
(比較例1)
光学機能層(A)のランダムPP、水添石油樹脂、およびアクリル製ビーズの配合比を67:0:33に変更した以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
比較例1で得られた測定結果を表1に示す。水添石油樹脂を添加していないために、得られた光学フィルムの光学機能層(A)の表面に凹凸形状が十分に形成できず、全光線透過率やヘーズが低い値だったため、高い輝度向上率を示さなかった。
(比較例2)
光学機能層(A)の水添石油樹脂をポリプロピレンワックス[ビックケミー社、商品名「CERAFLOUR 970」]に変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
比較例2で得られた測定結果を表1に示す。得られた光学フィルムの光学機能層(A)は一様に延伸、展開されず、ムラが確認された。
走査型電子顕微鏡による実施例1の光学フィルムの断面拡大写真。 走査型電子顕微鏡による実施例1の光学フィルムの表面拡大写真。

Claims (7)

  1. 表面が凹凸形状を有する光学機能層(A)と基材層(B)とを積層してなる光学フィルムであって、
    該光学機能層(A)は、少なくとも熱可塑性樹脂(a)と、石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、またはクマロン−インデン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂(b)とを含む樹脂組成物に、更に微粒子(c)を分散させてなることを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記熱可塑性樹脂(a)が、ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記基材層(B)が、ポリオレフィン系樹脂を主成分として形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 前記基材層(B)に、石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、またはクマロン−インデン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂(b)が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記熱可塑性樹脂(a)100質量部に対する前記微粒子(c)の含有量が、80〜200質量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 拡散集光性を有してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 光学機能層(A)と基材層(B)とを共押出法またはラミネート法によって積層し、少なくとも1軸以上延伸して、光学機能層(A)の表面に凹凸形状を形成させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
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