JP2013200398A - 異方性光拡散フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】LED光源をバックライト光源として用いる場合に、ヘイズ値が高く光拡散性に優れると共に、高い光透過性を有し、更に輝度にムラがなく光を拡散させることができる異方性光拡散フィルムを提供する。
【解決手段】少なくともA層及びB層を含む多層構成であり、
A層が、環状オレフィン系樹脂70〜90質量%を含む樹脂組成物100質量部に対して、微粒子を1〜15質量部含み、
B層が、環状オレフィン系樹脂70〜90質量%とポリエチレン系樹脂10〜30質量%とを含む樹脂組成物である、
異方性光拡散フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、LEDの光を拡散させることができる異方性光拡散フィルムに関する。
PCモニタ、テレビジョン装置、PDA、携帯電話等のディスプレイとして、液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)が幅広く用いられている。
LCDは、一般的には液晶層の裏面に、光拡散フィルム及びバックライト光源等を順次積層して構成される。これは、液晶層は非自発光型であるため、冷陰極管等のバックライト光源が不可欠だからである。バックライト光源には大きく分けて、直下型方式とエッジライト方式との二つの方式がある。直下型方式では、冷陰極管等の光源を液晶の下に並べてその上に光拡散板を置いて面光源としてから、液晶層に光を送るものである。また、エッジライト方式は、ディスプレイの端に冷陰極管等の光源を備え、冷陰極管が出す線状の光を、導光板を使って面状の光に換えてから液晶に光を送るものである。これまで、バックライト光源の位置によって液晶層の表示面に発光ムラが生じない様にし、光源からの出射光をディスプレイ全面にわたり均一に発光させるために、導光板と液晶層との間に光拡散フィルムを設けることが知られている(例えば、特許文献1〜5)。
一方、前記FPDにおける冷陰極管に代わる光源として、小型、小電力、長寿命が可能である点から、発光ダイオード(LED)が注目されている。また、近年LED光源の高出力化・高輝度化が進み、製造コスト等の観点から、バックライト光源に用いるLEDの設置の点数は削減される傾向にある。しかしながら、LED光源を用いたエッジライト方式を採用してFPDを作製すると、LED光源の点数が少ない場合、導光板から通過する光源の輝度に少なからずムラが出てしまうという問題が生じている。特に、LED光源の近傍では、導光板及び光拡散フィルムによる拡散効果が十分に得られず、LED光源間での光(輝度)のムラが生じる問題があった。そのため、光拡散フィルムには未だ改善の余地を残しているのが現状である。
そこで、高出力化・高輝度化されたLED光源をバックライト光源として用いた装置における光拡散フィルムには、点光源であるLED光源の光透過性を高くすると共に、輝度にムラが生じないことが要求されている。
特開平10−111402号公報 特開平7−27904号公報 特開平8−327806号公報 特開2004−354892号公報 特開2005−25219号公報
本発明は、LED光源をバックライト光源として用いる場合に、ヘイズ値が高く光拡散性に優れると共に、高い光透過性を有し、更に輝度にムラがなく光を拡散させることができる異方性光拡散フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、少なくとも環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物並びに微粒子から形成される層、及び環状オレフィン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を含む樹脂組成物から形成される層を有するフィルムが、LED光源をバックライト光源として用いた場合に、上記課題を解決できること見出し、更に研究を重ね、本発明を完成するに至った。
本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
項1. 少なくともA層及びB層を含む多層構成であり、
A層が、環状オレフィン系樹脂70〜90質量%を含む樹脂組成物100質量部に対して、微粒子を1〜15質量部含み、
B層が、環状オレフィン系樹脂70〜90質量%とポリエチレン系樹脂10〜30質量%とを含む樹脂組成物である、
異方性光拡散フィルム。
項2. 前記異方性拡散フィルムのヘイズ値が85〜95%であり、全光線透過率が85%以上である前記項1に記載の異方性光拡散フィルム。
項3. 前記A層の樹脂組成物が、更にポリエチレン系樹脂を含む前記項1又は2に記載の異方性光拡散フィルム。
項4. 微粒子が有機系材料である前記項1〜3いずれかに記載の異方性光拡散フィルム。
項5. 有機系材料が、スチレン系樹脂及び/又はアクリル系樹脂である前記項4に記載の異方性光拡散フィルム。
項6. 微粒子の平均粒子径が0.1〜15μmである前記項1〜5のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム。
本発明の異方性光拡散フィルムは、LED光源をバックライト光源として用いる場合に、ヘイズ値が高く光拡散性に優れると共に、高い光透過性を有する。また、LEDバックライト光源からの光を、良好に異方拡散できるので、輝度ムラを改善することができる。
輝度の測定方法を示す模式図である。 異方性拡散フィルムの輝度ムラを評価するのに用いた液晶モジュールの概略図である。
以下、本発明の異方性光拡散フィルムについて、詳細に説明する。
<異方性光拡散フィルム>
本発明の異方性光拡散フィルムは、少なくともA層及びB層を含む多層構成であり、
A層が、環状オレフィン系樹脂70〜90質量%を含む樹脂組成物100質量部に対して、微粒子を1〜15質量部含み、
B層が、環状オレフィン系樹脂70〜90質量%とポリエチレン系樹脂10〜30質量%とを含む樹脂組成物である、ことを特徴とする。
A層
A層は、環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物並びに微粒子から形成される。A層は光拡散層として機能する。
環状オレフィン系樹脂
A層の環状オレフィン系樹脂とは、具体的には、(a)エチレン又はプロピレンと環状オレフィン(例えば、ノルボルネン及びその誘導体、又はテトラシクロドデセン及びその誘導体等)とのランダム共重合体、(b)該環状オレフィンの開環重合体又はα−オレフィンとの共重合体、(c)前記(b)の重合体の水素添加物、(d)不飽和カルボン酸及びその誘導体等による前記(a)〜(c)のグラフト変性物等である。
前記(a)エチレン又はプロピレンと環状オレフィンとのランダム共重合体としては、下記一般式(1)で表されるノルボルネンとエチレンを共重合したシクロオレフィンコポリマーが挙げられる。
Figure 2013200398
具体的には、TOPAS(TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH)、アペル(三井化学株式会社)、ARTON(JSR株式会社)、ZEONEX(日本ゼオン株式会社)等を例示できる。
A層の環状オレフィン系樹脂の密度は、好ましくは1.00〜1.06g/cmである。GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により測定される数平均分子量は好ましくは1000〜100万のものである。
また、該環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(10℃/min、試験方法ISO 11357-1,-2,-3)は、好ましくは50〜150℃、より好ましくは65〜140℃である。50℃未満では、フィルム表面の耐熱性が低下し、熱がかかると表面が粘着するようになる。一方、150℃を超えると成形が難しくなる。
環状オレフィン系樹脂の屈折率(試験方法ISO 489)としては、1.45〜1.65程度の範囲のものが、光の透過性に優れるという点で、好ましい。
A層の樹脂組成物中の環状オレフィン系樹脂の含有量は、フィルムの高剛性、耐熱性、寸法安定性を良好に維持すると共に、透明度を高くするという点、LED光源からの光の損失を少なくし、フィルムの全光線透過率を向上させ、且つB層のポリエチレン系樹脂の配合による異方向への光拡散機能と微粒子の配合による光拡散機能とを発現できる様にする点から、70〜90重量%であり、80〜90重量%が好ましい。
微粒子
本発明におけるA層の微粒子は光拡散剤として用いるものである。微粒子としては、前記環状オレフィン系樹脂を含む樹脂成分中で、微粒子を核にして発生するボイドを抑制でき、また、全光線透過率が高いという点から、有機系材料により形成されることが好ましく、より具体的には、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。
微粒子としては、球状の形態を保持し、ヘイズ制御に効果的であることから、架橋されているものが好ましい。
微粒子の平均粒子径は、0.1〜15μm程度が好ましく、1〜10μm程度がより好ましく、2〜8μm程度が更に好ましく、1〜5μm程度が特に好ましい。尚、微粒子の平均粒子径は、10cm×10cmサイズのサンプル3枚切り出し、顕微鏡((株)キーエンス製のVHX-1000)を用いて各10点測定を行ない、平均値を算出することにより測定することができる。
スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、及びスチレンと共重合可能なモノマー単位との共重合体等が挙げられる。前記共重合可能なモノマー単位としては、不飽和カルボン酸等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸、及びそのエステル等が挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸又はアクリル酸を表す。
微粒子として用いられる有機系材料の好ましい具体例としては、前記スチレン系樹脂では、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、前記アクリル系樹脂では、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。
微粒子の屈折率は、前記環状オレフィン系樹脂の屈折率の設定によって、適宜変更されるものであり、前記環状オレフィン系樹脂との屈折率差が0.03程度以上となるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、全光線透過率(透明性)の点で、1.45〜1.65程度の範囲のものが好ましい。
前記環状オレフィン系樹脂の屈折率と微粒子の屈折率の屈折率差は、フィルムによる光の拡散が十分に行われる点から、0.03程度以上が好ましく、0.04程度以上がより好ましい。また、環状オレフィン系樹脂の屈折率と微粒子の屈折率の屈折率差の上限は、特に限定されるものではないが、全光線透過率の点で、0.12程度以下が好ましく、0.1程度以下がより好ましい。
A層の微粒子の配合量は、配合によって異方性光拡散フィルムのヘイズ値及び全光線透過率が特定の範囲になることが好ましく、前記環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物100質量部に対して、1〜15質量部であり、2〜10質量部程度が好ましい。A層に微粒子が配合されることで、特に、異方性光拡散フィルムのヘイズ値が85〜95%であり、全光線透過率が85%以上となることが好ましい。尚、微粒子の配合量は、異方性光拡散フィルムの厚みによって、単位体積当たりの微粒子の存在比が変わることから、厚みが比較的薄い場合には、上記配合量であってもヘイズが85%より小さくなる場合があり、厚みが比較的厚い場合には、ヘイズが95%を越える場合がある。
その他の成分
A層の樹脂組成物には、前記環状オレフィン系樹脂に加えて、ポリエチレン系樹脂を含むことが好ましい。ポリエチレン系樹脂としては、分枝鎖状、直鎖状のもの、及び高密度、低密度のものが挙げられるが、光学異方性発現の点から分岐状低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
A層のポリエチレン系樹脂の密度としては、0.88〜0.96g/cm程度が好ましく、0.90〜0.96g/cm程度がより好ましく、0.92〜0.96g/cm程度が更に好ましい。ポリエチレン系樹脂の密度を上記範囲に設定することによって、前記環状オレフィン系樹脂との密度の差を小さくすることができ、異方性光拡散フィルムの全光線透過率の低下を抑制すること(透明性の低下を抑制すること)ができる。
A層に含まれるポリエチレン系樹脂のJIS K7210に準拠した温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFR(メルトフローレート)としては、1〜10g/10分程度が好ましく、2〜10g/10分程度がより好ましい。
ポリエチレン系樹脂の配合量は、LED光源をバックライト光源として用いた場合に、点光源であるLED光源からの光の透過性が高く、またヘイズ値が高く光拡散性に優れるという理由から、前記環状オレフィン系樹脂70〜90重量%、ポリエチレン系樹脂10〜30重量%が好ましい。
また、A層では、前記樹脂成分を含む樹脂組成物において、前記樹脂成分以外の成分、例えば、帯電防止剤、耐熱安定剤、耐候剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤等の任意成分を、本発明の効果を損なわない程度で含有していてもよい。
本発明の異方性光拡散フィルムは、前記A層を含むことで、A層が光拡散機能層として働き、フィルムの高剛性、耐熱性、寸法安定性を良好に維持すると共に、透明度を高くすることができ、LED光源からの光の損失を少なくし、フィルムの全光線透過率を向上させ、微粒子の配合による光拡散機能とを発現することができる。
B層
B層は、環状オレフィン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を含む樹脂組成物から形成される。B層は異方性を発現する層として機能する。
環状オレフィン系樹脂
B層の樹脂組成物に含まれる環状オレフィン系樹脂としては、前記A層で用いる環状オレフィン系樹脂と同じ環状オレフィン系樹脂を用いることができる。
B層の樹脂組成物中の環状オレフィン系樹脂の含有量は、フィルムの高剛性、耐熱性、寸法安定性を良好に維持すると共に、透明度を高くするという点、LED光源からの光の損失を少なくし、フィルムの全光線透過率を向上させ、且つポリエチレン系樹脂の配合による異方向への光拡散機能とを発現できる様にする点から、70〜90重量%であり、70〜80重量%が好ましい。
ポリエチレン系樹脂
B層のポリエチレン系樹脂としては、分枝鎖状、直鎖状のもの、及び高密度、低密度のものが挙げられるが、光学異方性発現の点から分岐状低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
ポリエチレン系樹脂の密度としては、0.88〜0.96g/cm程度が好ましく、0.88〜0.92g/cm程度がより好ましく、0.88〜0.91g/cm程度が更に好ましい。ポリエチレン系樹脂の密度を上記範囲に設定することによって、前記環状オレフィン系樹脂との密度の差を大きくすることができ、良好な光学異方性を発現させることができる。
B層に含まれるポリエチレン系樹脂のJIS K7210に準拠した温度230℃、荷重21.18Nで測定したMFR(メルトフローレート)としては、1〜10g/10分程度が好ましく、2〜10g/10分程度がより好ましい。
B層のポリエチレン系樹脂の配合量は、異方向への光拡散機能が発現でき、LED光源をバックライト光源として用いた場合に、点光源であるLED光源からの光の透過性が高く、またヘイズ値が高く光拡散性に優れるという理由から、前記環状オレフィン系樹脂70〜90重量%、ポリエチレン系樹脂10〜30重量%である。ポリエチレン系樹脂の配合量は、20〜30重量%が好ましい。
異方性光拡散フィルムは、構成するB層の樹脂組成物にポリエチレン系樹脂を含むので、バックライト光源からの発光を画面表示に有効利用でき、高輝度による画像表示性能を実現でき、更に高い光拡散性(異方性)を有することからLCD及びFPD全体にわたり均一な発光を行うことができる。
その他の成分
B層では、前記樹脂成分を含む樹脂組成物において、前記樹脂成分以外の成分、例えば、帯電防止剤、耐熱安定剤、耐候剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤等の任意成分を、本発明の効果を損なわない程度で含有していてもよい。
本発明の異方性光拡散フィルムは、前記B層を含むことで、B層が異方性機能層として働き、フィルムの高剛性、耐熱性、寸法安定性を良好に維持すると共に、ポリエチレン系樹脂の配合による異方向への光拡散機能とを発現できる。
層構成
本発明の異方性光拡散フィルムは、少なくとも前記A層及びB層から構成される。
層構成としては、A層/B層の順に積層された2層構造、A層/B層/A層の順に積層された3層構造、B層/A層/B層の順に積層された3層構造等が挙げられる。
本発明の異方性光拡散フィルムは、A層/B層の順に積層された2層構造であるので、A層、B層での樹脂組成物中の樹脂成分の配合比率を幅広く設定することが可能であり、A層の光拡散性とB層の異方性をお互いに干渉し合うことなく機能の発現が出やすいという効果を得ることができる。
本発明の異方性光拡散フィルムは、A層/B層/A層の順に積層された3層構造であると、フィルムに対して耐カール性を付与することができる。
本発明の異方性光拡散フィルムのA層の厚さは、フィルム自体の強度を向上させることができる点、LEDバックライト光源からの光を充分に拡散させることができ、LED光源の輝度のムラを抑制できる点等から、10〜100μm程度以上が好ましく、10〜60μm程度以上がより好ましい。10μm未満では、光拡散機能を充分に発現できなくなる傾向があり、100μmを超えると、全光線透過率が低下する傾向にある。
本発明の異方性光拡散フィルムのB層の厚さは、フィルム自体の強度を向上させることができる点、LEDバックライト光源からの光を充分に拡散させることができ、LED光源の輝度のムラを抑制できる点等から、10〜100μm程度以上が好ましく、10〜60μm程度以上がより好ましい。10μm未満では、異方向への光拡散機能の効果が小さくなる傾向があり、100μmを超えると、全光線透過率が低下する傾向にある。
本発明の異方性光拡散フィルムの総厚さは、フィルム自体の強度を向上させることができる点、LEDバックライト光源からの光を充分に拡散させることができ、LED光源の輝度のムラを抑制できる点等から、20〜200μm程度以上が好ましく、30〜150μm程度以上がより好ましく、30〜100μm程度以上が更に好ましい。20μm未満では、ハンドリング性に問題が生じる傾向があり、200μmを超えると、全光線透過率が低下する傾向にある。
フィルムの諸物性
全光線透過率
本発明の異方性光拡散フィルムの全光線透過率は、LED光源からの光を最大限に有効活用するという理由から、85%以上が好ましく、88%以上がより好ましい。
全光線透過率は、JIS K7361の評価方法に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計NDH-2000を用いて測定することができる。全光線透過率とは、散乱光(拡散光)透過率と平行光透過率との総和である。
ヘイズ値
本発明のLEDバックライト用異方性光拡散フィルムを構成する層のヘイズ値は、輝度ムラを少なくするという理由から、85〜95%が好ましく、86〜93%がより好ましく、86〜91%が更に好ましい。
ヘイズ値は、JIS K7361の評価方法に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計NDH-2000を用いて測定することができる。ヘイズ値は以下の式で表すことができる。
ヘイズ値(%)=散乱光透過率/全光線透過率×100
異方性
異方性は、次の様に測定・評価することができる。図1は、輝度の測定方法を示す模式図である。図1に示すように、LED光源(東芝ライテック社製のクリプトン形LED電球 LDA5N-E17の半球拡散カバーを取り外して使用)から50mm離れたところに測定サンプルを配置し、更にLED光源からの距離500mmのところ(角度(θ):0度)に、輝度測定器(トプコン(株)製のLUMINANCE METER BM-9 0.2°タイプ)を配置して輝度を測定する(0度の輝度)。次に、測定サンプルのMD方向又はTD方向に、LED光源からの距離500mmを保ちながら、角度(θ):10度での、夫々の輝度を測定する。
MD方向に沿って10度移動させた時の輝度を夫々Xa、Xbとし、TD方向に沿って10度移動させた時の輝度をそれぞれYa、Ybとし、角度0度のときの輝度をZとする。次いで、下記式にて輝度差の割合を計算する。
輝度差の割合(%)=|(Xa+Xb)/2−(Ya+Yb)/2|/Z×100
輝度差の割合は、好ましくは1%以上(異方性あり)であり、より好ましくは2%以上である(十分な異方性あり)。また、輝度差の割合が、1%未満である場合は異方性なしと評価する。
得られたフィルムは、バックライトとしてLEDにより発せられる点光源の光を拡散させることができるため、LEDバックライト用の光拡散フィルムとして好適に用いられる。つまり、フィルムのダイス樹脂流れ方向(MD方向)及びダイス樹脂流れに対して垂直方向(TD方向)の光線透過率が異なるため、光を拡散する異方性を有するフィルムとなり、特にLEDバックライト光源からの光を、光源が並ぶ方向に対して平行に拡散することができ、LED光源の近傍においても、輝度のムラを低減させることが可能となる。
<異方性光拡散フィルムの製造方法>
本発明の異方性光拡散フィルムは、例えばA層及びB層の各層の樹脂組成物をA層/B層、A層/B層/A層、又はB層/A層/B層等の所望の順序になるように、180〜250℃に調整された押出機に投入し、250℃のダイスより押出し、80℃の冷却水が循環する引き取りロールにて冷却・固化させることにより、多層の異方性光拡散フィルムを製造することができる。
<実施例>
以下に実施例及び比較例を示して、本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例で使用した原料樹脂を下記に示す。
環状オレフィン系樹脂:TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH製の環状オレフィン系樹脂(TOPAS6013)(ノルボルネンとエチレンをメタロセン触媒にて共重合したシクロオレフィンコポリマー)、密度:1.02g/cm、屈折率:1.53、ガラス転移温度(Tg):138℃
ポリエチレン系樹脂(A層):株式会社プライムポリマー製のポリエチレン樹脂(エボリューSP2520)、メルトフローレイト:2.0g/10分、密度:0.925g/cm
ポリエチレン系樹脂(B層):株式会社プライムポリマー製のポリエチレン樹脂(エボリューSP0540)、メルトフローレイト:3.8g/10分、密度:0.903g/cm
微粒子:綜研化学(株)製の架橋スチレン系樹脂(KSR-3A)、屈折率:1.59、平均粒子径:3μm
実施例及び比較例
表1〜4に示す、A層及びB層を構成する成分及び組成で配合して得られる樹脂組成物を、180〜250℃に調整された押出機に投入し、A層/B層、B層/A層/B層、A層/B層/A層の順序になるように、250℃のTダイスにより押し出し、80℃の冷却水が循環するチルロール上に共押出しせしめて、フラット状の多層フィルムを得た。
物性評価
実施例及び比較例に記載の単層について、ヘイズ値及び全光透過率、異方性、並び輝度ムラの評価を以下の方法により測定した。
ヘイズ値及び全光線透過率
JIS K7361の評価方法に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計NDH-2000を用いて測定した。表には、全光線透過率、平行光透過率及び拡散光透過率を表し、ヘイズ値(%)=散乱光透過率/全光線透過率×100としてヘイズ値を求めた。
また、濁度計にはMD方向をタテ方向としてサンプルをセットし測定した。
異方性の評価
以下の様に異方性を測定・評価した。
図1に示すように、LED光源(東芝ライテック社製のクリプトン形LED電球 LDA5N-E17の半球拡散カバーを取り外して使用)から50mm離れたところに測定サンプルを配置し、さらにLED光源からの距離500mmのところ(角度(θ):0度)に、輝度測定器(トプコン(株)製のLUMINANCE METER BM-9 0.2°タイプ)を配置して輝度を測定した(0度の輝度)。次に、測定サンプルのMD方向又はTD方向に、LED光源からの距離500mmを保ちながら、角度(θ):10度での、夫々の輝度を測定した。
MD方向に沿って10度移動させた時の輝度をそれぞれXa、Xbとし、TD方向に沿って10度移動させた時の輝度をそれぞれYa、Ybとし、角度0度のときの輝度をZとした。下記式にて輝度差の割合を計算した。
輝度差の割合(%)=|(Xa+Xb)/2−(Ya+Yb)/2|/Z×100
輝度差の割合を基にした異方性の評価基準は以下の通りである。
◎:輝度差の割合が2%以上であり、十分な異方性を有している。
○:輝度差の割合が1%以上2%未満であり、異方性を有している。
×:輝度差の割合が1%未満であり、異方性がない(等方性である)。
輝度ムラの評価
図2に示すTFT液晶モジュール(シャープ(株)製 192GC00タイプ)の光拡散フィルムを実施例及び比較例によって得られたフィルムに交換して、9.75V印加でLED光源を発光させ、輝度ムラを評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:輝度にムラが認められない状態。
○:若干の輝度にムラはあるが、実用上問題がない状態。
×:輝度にムラがあり、実用上問題である状態。
実施例及び比較例に記載の単層について、ヘイズ値及び全光透過率、異方性、並び輝度ムラの評価結果を、表1〜4に示した。
Figure 2013200398
Figure 2013200398
Figure 2013200398
Figure 2013200398
考察
表1〜4より、異方性光拡散フィルムが、環状オレフィン系樹脂70〜90質量%を含む樹脂組成物、並びに当該樹脂組成物100質量部に対して微粒子を1〜15質量部から形成されるA層と、環状オレフィン系樹脂70〜90質量%とポリエチレン系樹脂10〜30質量%とを含む樹脂組成物から形成されるB層とが、少なくとも一層は含まれる多層構成であることで、ヘイズ値が高く光拡散性に優れると共に、高い光透過性を有し、輝度ムラがないことがわかる(実施例1〜12)。
本発明の異方性光拡散フィルムは、前記特性を有し、良好に異方拡散できるので、LED光源をバックライト光源として用いる場合の異方性光拡散フィルムとして最適である。

Claims (6)

  1. 少なくともA層及びB層を含む多層構成であり、
    A層が、環状オレフィン系樹脂70〜90質量%を含む樹脂組成物100質量部に対して、微粒子を1〜15質量部含み、
    B層が、環状オレフィン系樹脂70〜90質量%とポリエチレン系樹脂10〜30質量%とを含む樹脂組成物である、
    異方性光拡散フィルム。
  2. 前記異方性拡散フィルムのヘイズ値が85〜95%であり、全光線透過率が85%以上である請求項1に記載の異方性光拡散フィルム。
  3. 前記A層の樹脂組成物が、更にポリエチレン系樹脂を含む請求項1又は2に記載の異方性光拡散フィルム。
  4. 微粒子が有機系材料である請求項1〜3いずれかに記載の異方性光拡散フィルム。
  5. 有機系材料が、スチレン系樹脂及び/又はアクリル系樹脂である請求項4に記載の異方性光拡散フィルム。
  6. 微粒子の平均粒子径が0.1〜15μmである請求項1〜5のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム。
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