JP2001051120A - 光学異方素子および液晶表示素子 - Google Patents

光学異方素子および液晶表示素子

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JP2001051120A
JP2001051120A JP11229657A JP22965799A JP2001051120A JP 2001051120 A JP2001051120 A JP 2001051120A JP 11229657 A JP11229657 A JP 11229657A JP 22965799 A JP22965799 A JP 22965799A JP 2001051120 A JP2001051120 A JP 2001051120A
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liquid crystal
film
group
adhesive layer
liquid crystalline
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JP11229657A
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Eiji Yoda
英二 依田
Keisuke Suzuki
鈴木  啓介
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子液晶を用いた光学異方素子の提供。 【解決手段】 光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子
(a)と、下記の一般式(1)で表わされる分子量10
00以下の特定な多環化合物(b)とを含有する液晶性
組成物が、液晶状態において形成するところの膜厚方向
における平均チルト角が20〜40度であるネマチック
ハイブリッド配向を固定化して得られる液晶フィルム
(A)と、光拡散粘着材層(B)との組合せからなる光
学異方素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コントラスト、視
角特性などの表示特性を著しく改良するとともに機械的
特性を大幅に改善した光学異方素子および該光学異方素
子を配置した液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】TFT素子あるいはMIM素子などを用
いたアクティブ駆動のツイステッドネマチック型液晶表
示素子(以下TN−LCDと略称する)は、薄型、軽量、
低消費電力というLCD本来の特長に加えて、正面から
見た場合CRTに匹敵する画質を有する。そのため、ノ
ートパソコン、携帯用テレビ、携帯用情報端末などの表
示装置として広く普及している。しかしながら、従来の
TN−LCDにおいては、液晶分子の持つ屈折率異方性
のため斜めから見たときに表示色が変化するあるいは表
示コントラストが低下するという視野角の問題が本質的
に避けられず、その改良が強く望まれており、改良のた
めの様々な試みがなされている。近年、視野角問題を解
消する目的で種々の光学補償フィルムが提案されてお
り、広視野角を特徴とするTN−LCDの開発は進展著
しい。例えば、特開平10−104611号公報には、
駆動用液晶セルの両側に光学補償手段を設け、液晶セル
部の光出射面側に光拡散層を設けた液晶表示装置が開示
されている。当該公報では、偏光板の光出射側面に光拡
散層を設けることで、偏光板を透過した出射光を光拡散
層によってあらゆる方向に拡散させることにより高視野
角化を実現している。また特開平10−142591号
公報では、負の一軸性を示す光学異方性フィルムと光拡
散フィルムを備えた液晶表示装置が提案されている。し
かしながら、特開平10−104611号のように光出
射側面に光拡散層を設けることは、光拡散層がLCDの
最表層部に位置することになるので、その光拡散層には
アンチグレア処理などの反射防止処理、表面のハードコ
ート性の付与、耐光性の付与などを行う必要があり、製
造コストが高くなる不利がある。また特開平10−14
2591号のように、光学異方性フィルムと光拡散フィ
ルムを積層して用いる場合には、光学部材の厚みが増す
ことからLCDの特徴の一つである薄型であるという特
徴が損われるばかりではなく、偏光板を含めた光学素子
を液晶セルに貼合する際に、光学素子の厚みが厚くな
り、既存の貼合機で処理できないといった問題がある。
また前記の如き光学素子を偏光板と液晶セルとの間に設
けた場合には、高温下または高温高湿下に放置した際
に、光拡散フィルムと偏光板との間、若しくは光拡散フ
ィルムと光学異方性フィルムとの間で剥がれを生じる恐
れがあり、機械的特性に関して問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するものであり、特定化合物を添加した光学的に正
の一軸性を示す液晶性高分子を用いて配向形成・配向固
定化して得られるところの、信頼性が高く、強度に優
れ、しかも欠陥やムラの少ない良質な液晶フィルムと、
光拡散粘着材層とを組み合わせた新しい光学異方素子を
提案する。また、本発明は、この光学異方素子を使用し
て視野角特性を改善したTN−LCDを提案するもので
もあり、このTN−LCDは、在来のTN−LCD製造
工程を変更することなく製造することが可能である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の光学異方素子
は、光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子(a)と、
下記の一般式(1)で表わされる分子量1000以下の
多環化合物(b)とを含有する液晶性組成物が、液晶状
態において形成するところの膜厚方向における平均チル
ト角が20〜40度であるネマチックハイブリッド配向
を固定化して得られる液晶フィルム(A)と、光拡散粘
着材層(B)との組合せからなる。。 R1−B1−A1−・・・・・−Bn−An−Bn+1−R2 (1) (式中、R1,R2はそれぞれ個別に炭素数1〜20の炭
化水素基を示し、A1〜Anはそれぞれ個別に炭素環構造
または複素環構造を示し、B1〜Bn+1はそれぞれ個別に
主鎖原子数0〜4の連結鎖を示し、nは2以上8以下の
整数を示す。但し、個々の炭素環構造または複素環構造
は、同じ環内の同一炭素原子で、連結鎖B1〜Bn+1と結
合することはない。) 本発明の光学異方素子における光拡散粘着剤層(B)
は、拡散透過率/全光線透過率で定義されるヘイズ値が
20〜70%であることが好ましい。本発明の液晶表示
素子は、2枚の偏光板の間に、駆動用液晶セルを設けた
液晶表示素子において、光学的に正の一軸性を示す液晶
性高分子(a)と、下記の一般式(1)で表わされる分
子量1000以下の多環化合物(b)とを含有する液晶
性組成物が、液晶状態において形成するところの膜厚方
向における平均チルト角が20〜40度であるネマチッ
クハイブリッド配向を固定化して得られる液晶フィルム
(A)と、光拡散粘着材層(B)を、液晶表示素子の視
認側から、視認側偏光板、光拡散粘着剤層(B)、液晶
フィルム(A)、駆動用液晶セル、液晶フィルム
(A)、光源側偏光板の順に配置したことを特徴とする
液晶表示素子。 R1−B1−A1−・・・・・−Bn−An−Bn+1−R2 (1) (式中、R1,R2はそれぞれ個別に炭素数1〜20の炭
化水素基を示し、A1〜Anはそれぞれ個別に炭素環構造
または複素環構造を示し、B1〜Bn+1はそれぞれ個別に
主鎖原子数0〜4の連結鎖を示し、nは2以上8以下の
整数を示す。但し、個々の炭素環構造または複素環構造
は、同じ環内の同一炭素原子で、連結鎖B1〜Bn+1と結
合することはない。) 本発明に液晶表示素子に使用される駆動用液晶セルは、
液晶セルの屈折率異方性△nと液晶層の厚みdとの積
(△nd値)が、300〜500nmの範囲にあり、液
晶層のねじれ角が70〜110゜の範囲にあり、プレチ
ルト角が5゜以下であることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明の光学異方素子は、液晶フィルム
(A)と光拡散粘着材層(B)とから構成されるが、そ
の液晶フィルム(a)は、ネマチックハイブリッド配向
を保持し、かつ、膜厚方向の平均チルド角が20〜40
°の範囲にある。ここで、液晶フィルム(A)が保持し
ているネマチックハイブリッド配向とは、液晶高分子の
ダイレクターとフィルム平面のなす角度が、フィルム上
面と下面とで異なった配向形態をいう。このことから、
液晶フィルム(A)においては、フィルムの厚さ方向
に、上記した角度が連続的に変化している。換言すれ
ば、フィルムの一方の面に対する液晶高分子のダイレク
ターの傾き角度が、膜厚方向の全ての場所において異な
っている。本発明では、フィルムの厚さ方向に変化する
上記傾き角度の平均値を平均チルド角と呼ぶが、本発明
の液晶フィルム(A)の平均チルド角は、通常20〜4
0度、好ましくは25〜35度の範囲にある。平均チル
ト角が上記範囲から外れた場合、不必要な着色を生じた
り、またLCD表示改良特性として十分な改良効果を発
現できない恐れがある。なお、上記の液晶フィルム
(A)は、フィルムの一方の面に対する液晶高分子のダ
イレクターの傾き角度が、膜厚方向の全ての場所におい
て異なっているために、最早このフィルムには光軸は存
在しない。
【0006】本発明の液晶フィルム(A)は、光学的に
正の一軸性を示す液晶性高分子(a)と、後述する多環
化合物(b)を含有する液晶性組成物から得ることがで
きる。液晶性高分子(a)としては、カルボン酸基、ア
ルコール基、フェノール基、アミノ基、チオール基など
を有する化合物を縮合させて成る縮合系液晶性高分子、
アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル
基など二重結合を有する液晶性化合物などを原料として
得られる液晶性ビニルポリマー、アルコキシシラン基を
有する液晶化合物などから合成される液晶性ポリシロキ
サン、エポキシ基を有する液晶性化合物などから合成さ
れる液晶性エポキシ樹脂および上記液晶性高分子の混合
物などが例示できる。これらの各種液晶性高分子の中で
も、得られるフィルムの光学特性などの点から縮合系液
晶性高分子が最も好ましい。縮合系液晶性高分子は、通
常二官能性モノマーを適当な方法で縮合して得ることが
できる。当該二官能性モノマーとしては、芳香族または
シクロヘキサン環を有する二官能性モノマーが望まし
く、具体的には、フェニレンジアミン等のジアミン類、
ハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、レゾルシ
ノール、カテコール、4−メチルカテコール、4−te
rt−ブチルカテコール、2,3−ジヒドロキシナフタ
レン等のジオール類、1,4−フェニレンジチオール、
1,2−フェニレンジチオール等のジチオール類、サリ
チル酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息
香酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸、7−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
等のヒドロキシカルボン酸類、2−アミノ安息香酸、3
−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸等のアミノ酸
類、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビ
フィニルジカルボン酸、4,4’−スチルベンジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカル
ボン酸類などを例示できる。なかでもヒドロキシ基を持
つ成分としてカテコール単位を必須構造単位として含有
する縮合系液晶性高分子が最も好ましい。縮合系液晶性
高分子を調製する際の原料モノマーには、液晶性を破壊
しない程度において、例えば、シュウ酸、フマル酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン
酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、
ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオー
ル、デカンジオール等の脂肪族ジオール類、ジアミノエ
タン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペ
ンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミ
ノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン等の脂肪
族ジアミン類、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン
酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシヘ
キサン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン
酸、ヒドロキシノナン酸、ヒドロキシデカン酸等の脂肪
族ヒドロキシカルボン酸類などが添加可能である。ま
た、必要に応じて液晶性高分子の主鎖末端を修飾するた
めに、一官能性モノマーや三官能性モノマー等を原料モ
ノマー中に添加することもできる。一官能性モノマーと
しては、カルボン酸基、アミン基、アルコール基、フェ
ノール基、チオール基などを一分子中に一個有する例え
ば芳香族カルボン酸類、脂肪族カルボン酸類、芳香族ア
ミン類、脂肪族アミン類、フェノール類、脂肪族フェノ
ール類が挙げられる。また三官能性モノマーとしては、
例えばトリメリット酸、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロ
キシベンゼンカルボン酸、ベンゼントリカルボン酸、ピ
ロメリット酸等が挙げられる。これらのモノマーを縮合
して縮合系液晶性高分子、具体的には液晶性ポリエステ
ルを得る方法は、特に制限されるものではなく、当該分
野で公知の如何なる方法も適宜採用することができる。
例えば、カルボン酸を酸ハロゲン化物としたり、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド等を存在させることによって
カルボン酸を活性化した後、アルコール、アミン等と反
応させる方法、フェノールを酢酸エステル化した後、カ
ルボン酸と反応させ脱酢酸反応により合成する方法、カ
ルボン酸をメチルエステルのようなエステル化物とした
後、必要であれば適当な触媒の存在下、アルコールと反
応させ脱アルコール反応により合成する方法などが任意
に採用できる。本発明の液晶性高分子(a)には、上記
したような縮合系液晶性高分子を単独で用いることもで
き、また、2種類または3種類以上の縮合系液晶性高分
子の混合物を用いることもできる。さらに、本発明の効
果を損なわない範囲において光学活性な液晶性高分子、
液晶性ビニルポリマー、液晶性ポリシロキサン、液晶性
エポキシ樹脂等の各種液晶性高分子や非液晶性高分子な
どを適宜混合して用いることもできる。
【0007】液晶性高分子(a)は、液晶状態において
チルト配向性またはホメオトロピック配向性を有してい
ることが望ましい。ここで、チルト配向性とは、適当な
基板上に載せた液晶性高分子の層を、空気中あるいは真
空中で熱処理した際に、基板側フィルム界面(イ)近傍
における液晶性高分子のダイレクターと、当該界面
(イ)とがなす鋭角側の角度よりも、空気側または真空
側フィルム界面(ロ)近傍での液晶性高分子のダイレク
ターと、当該界面(ロ)とがなす鋭角側の角度が大きく
なる状態を取り得る性質を意味する。一方、ホメオトロ
ピック配向性とは、同様な場合において液晶性高分子の
ダイレクターが基板平面に対して略垂直な配向状態と成
り得る性質をいう。液晶性高分子がチルト配向性または
ホメオトロピック配向性であるか否かの判定は、基板上
に液晶性高分子層を形成し、その配向状態を観察するこ
とにより判定することができる。この判定に用いること
ができる基板としては、例えば、ガラス基板(具体的に
は、ソーダガラス、カリガラス、ホウ珪酸ガラスあるい
はクラウンガラス、フリントガラスといった光学ガラス
など)、液晶性高分子が液晶状態を呈する温度領域にお
いて耐熱性のあるプラスチック基板、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
フェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルケ
トン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトンサルフ
ァイド、ポリエーテルスルフォン等に代表されるプラス
チックフィルムやシートを挙げることができる。これら
基板は、酸、アルコール類、洗剤などで表面を清浄にし
た後に用いる。配向性の判定に用いる基板は、シリコン
処理、ラビング処理、一軸延伸処理などの表面処理を施
していないものであることが望ましいが、チルト配向性
の判定には、ラビング処理あるいは一軸延伸処理した基
板を用いることができる。配向性判定の実際は、上述し
た幾つかの基板上に膜厚0.1〜1000μmの液晶性
高分子層を形成し、該液晶性高分子が液晶状態を示す温
度領域で熱処理してチルト配向性またはホメオトロピッ
ク配向性の有無を判定する。どれか一つの基板上でチル
ト配向性またはホメオトロピック配向性を示す液晶性高
分子は、液晶性高分子(a)として好適である。但し、
液晶性高分子によっては、液晶−等方相転移点付近の温
度で特異的にホメオトロピック配向性を示すものがあ
る。従って、通常は上記の如き熱処理を液晶−等方相転
移点より15℃以下、好ましくは20℃以下の温度で行
うことが望ましい。この判定で液晶性高分子がチルト配
向性を示すものであれば、偏光顕微鏡観察において隣接
したドメインの消光軸が同一でありながら、ディスクリ
ネーションラインの入っている状態(チルト方向が相反
している状態)を見出すことができる。またホメオトロ
ピック配向性を示すものであれば、コノスコープなどに
より当該配向性を確認することができる。液晶性高分子
(a)の分子量は、各種溶媒中、例えば、フェノール/
テトラクロロエタン(60/40(重量比)混合溶媒
中)、30℃で測定した対数粘度が通常0.01〜1.
0、好ましくは0.03〜0.3の範囲にある。対数粘
度が0.01より小さい場合は、液晶フィルム(A)の
機械的強度が弱くなるか、あるいは高温・高湿下におけ
る信頼性等が損なわれる恐れがある。また1.0より大
きい場合は、配向が阻害されるとか、あるいは液晶配向
形成時の粘性が高くなりすぎ、配向に要する時間が長く
なる恐れがある。
【0008】上述した液晶性高分子(a)と共に本発明
の液晶性組成物を構成する多環化合物(b)は、複数個
の炭素環構造および/または複素環構造が、原子数0〜
4の連結鎖を介して連結し、化合物の両末端に炭素数1
〜20の炭化水素基が、主鎖原子数0〜4の連結鎖を介
して結合している分子量1000以下の化合物であっ
て、下記の一般式(1)で表わすことができる。 R1−B1−A1−・・・・・−Bn−An−Bn+1−R2 (1) (式中、R1,R2はそれぞれ個別に炭素数1〜20の炭
化水素基を示し、A1〜Anはそれぞれ個別に炭素環構造
または複素環構造を示し、B1〜Bn+1はそれぞれ個別に
主鎖原子数0〜4の連結鎖を示し、nは2以上8以下の
整数を示す。但し、個々の炭素環構造または複素環構造
は、同じ環内の同一炭素原子で、連結鎖B1〜Bn+1と結
合することはない。) A1〜Anで示される炭素環構造または複素環構造の少な
くとも1つは、6員環構造であることが望ましい。上記
の炭素環構造には芳香族環構造と脂環式環構造が包含さ
れ、芳香族環構造には縮合環構造が含まれる。芳香族環
構造の具体例を化合物名で例示すると、ベンゼン、イン
デン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピ
レン、トリフェニレン、ペリレンなど等を挙げることが
できる。また、脂環式環構造の具体例を化合物名で例示
すると、シクロヘキサン、シクロヘキセン、テトラヒド
ロナフタレン、デカヒドロナフタレン、アセナフテン等
を挙げることができる。同様にして、複素環構造の具体
例を化合物名で例示すると、ピリジン、ピリミジン、ピ
ラジン、ピリダジン、トリアゾール、イソキノリン、キ
ノリン、フルオレン、アセナフチレン、ジベンゾフラ
ン、カルバゾール、キサンテン、フェノキサジン、フェ
ナジン、ジベンゾダイオキシン等を挙げることができ
る。これらの炭素環構造または複素環構造は、1個また
は複数個の置換基を有することができ、その置換基とし
ては、例えば、炭素数1〜10の炭化水素基、アルコキ
シ基、フェノキシ基、トリフルオロメチル基、ヒドロキ
シ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子などが挙げら
れる。複数個の置換基を有する場合、当該置換基は同一
であっても異なるものであっても構わない。
【0009】一般式(1)中のB1〜Bn+1は、それぞれ
個別に主鎖原子数が0〜4個である連結鎖を示すが、主
鎖原子数がゼロである連結鎖は、その連結鎖が単結合で
あることを示している。連結鎖の具体例を例示すると、 −O−,−NR'−,−CO−,−O−CO−,−NR'−CO−, −CR'=CR'−,−C≡C−,−CHR''−CR'=CR'−CHR''−, −CHR''−C≡C−CHR''−,−O−CO−C≡C−,−S=O−, −NR'−CO−CR'=CR'−,−O−CR'=CR'−O−, −O−CO−C=C−, −(CHR''n− (n=1〜4), −O−(CHR''n−O− (n=1〜2), −(CHR''n−O−CH2− (n=1〜2), −O−(CHR''n− (n=1〜3), −O−CO−(CHR''n− (n=1〜2), −NR3−(CHR''n− (n=1〜3), −N=CH−(CHR''n− (n=0〜2), −(CHR''n−O−CO− (n=1〜2) などを挙げることができる。ここで式中のR'、R''
水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表す。こ
れらの連結鎖のなかでも、下記に列挙する一群(以下、
この群を便宜的にA群と呼ぶ)は、連結鎖B1〜Bn+1
して好適である。 −O−,−CO−,−O−CO−,−NR'−CO−,−CR'=CR'−, −NR'−CO−CR'=CR'−,−O−CO−C=C−, −(CHR''n− (n=1〜4), −O−(CHR''n−O− (n=1〜2), −(CHR''n−O−CH2− (n=1〜2), −O−(CHR''n− (n=1〜3), −O−CO−(CHR''n− (n=1〜2), −(CHR''n−O−CO− (n=1〜2)
【0010】一般式(1)中のR1およびR2は、それぞ
れ個別に炭素数1〜20の炭化水素基を示すが、その炭
化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシ
ル基、ノナデシル基、イコシル基などの直鎖飽和炭化水
素基、メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メ
チルプロピル基、1−メチルプチル基、2−メチルブチ
ル基、3−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、2
−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチ
ルペンチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキ
シル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル
基、5−メチルヘキシル基、1−メチルへプチル基、2
−メチルへプチル基、3−メチルへプチル基、4−メチ
ルへプチル基、5−メチルへプチル基、6−メチルへプ
チル基、1−メチルオクチル基、1−メチルノニル基、
2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、
3,5,5−トリメチルヘキシル基、ジメチルエチル基
などの分枝、2級または3級の飽和炭化水素基、アリル
基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などの不
飽和炭化水素基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘキセニル基、シクロヘキシルメチル基、シ
クロヘキシルエチル基、シクロヘキシルプロピル基、フ
ェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチル基、ナ
フチルメチル基、メンチル基、ノルボルニル基、ボルニ
ル基、イソメンチル基などの環状構造を持つ炭化水素基
などを例示することができる。
【0011】本発明の多環化合物(b)を表わす一般式
(1)を、より具体的な構造式で表示すれば、次の通り
である。
【化1】 構造式1において、R1、R2は炭素数1〜20の炭化水
素基を、R3〜R10は水素原子、F、Cl、Br、炭素
数1〜6の炭化水素基あるいはアルコキシ基を、X1
単結合あるいは上記のA群から選ばれる1つの連結鎖
を、X2、X3は単結合あるいは−O−,−O−CO−か
ら選ばれる連結鎖を示す。但し、X1、X2およびX3
示す連結鎖は、その構成原子の配列が左右逆である連結
鎖を包含する。
【化2】 構造式2において、R1、R2は炭素数1〜20の炭化水
素基を、R3〜R14は水素原子、F、Cl、Br、炭素
数1〜6の炭化水素基あるいはアルコキシ基を、X1
2は単結合あるいは上記A群から選ばれる1つの連結
鎖を、X3、X4は単結合あるいは−O−,−O−CO)
−から選ばれる連結鎖を示す。但し、X1、X2、X3
よびX4の連結鎖は、その構成原子の配列が左右逆であ
る連結鎖を包含する。
【化3】 構造式3において、R1、R2は炭素数1〜20の炭化水
素基を、R3〜R18は水素原子、F、Cl、Br、炭素
数1〜6の炭化水素基あるいはアルコキシ基を、X1
2は単結合あるいはA群から選ばれる1つの連結鎖
を、X3、X4は単結合あるいは−O−,−O−(C=
O)−から選ばれる連結鎖を示す。但し、X1、X2、X
3およびX4の連結鎖は、その構成原子の配列が左右逆で
ある連結鎖を包含する。
【化4】 構造式4において、R1、R2は炭素数1〜20の炭化水
素基を、R3〜R14は水素原子、F、Cl、Br、炭素
数1〜6の炭化水素基あるいはアルコキシ基を、X1
2は単結合あるいは上記A群から選ばれる1つの連結
鎖を、X3、X4は単結合あるいは−O−,−O−CO−
から選ばれる連結鎖を示す。但し、X1、X2、X3およ
びX4の連結鎖は、その構成原子の配列が左右逆である
連結鎖を包含する。
【化5】 構造式5において、R1、R2は炭素数1〜20の炭化水
素基を、R3〜R14は水素原子、F、Cl、Br、炭素
数1〜6の炭化水素基あるいはアルコキシ基を、X1
2は単結合あるいはA群から選ばれる1つの連結鎖
を、X3、X4は単結合あるいは−O−,−O−CO−か
ら選ばれる連結鎖を示す。但し、X1、X2、X3および
4の連結鎖は、その構成原子の配列が左右逆である連
結鎖を包含する。
【化6】 構造式6において、R1、R2は炭素数1〜20の炭化水
素基を、R3〜R18は水素原子、F、Cl、Br、炭素
数1〜6の炭化水素基あるいはアルコキシ基を、X1
2は単結合あるいは上記A群から選ばれる1つの連結
鎖を、X3、X4は単結合あるいは−O−,−O−CO−
から選ばれる連結鎖を示す。但し、X1、X2、X3およ
びX4の有機基において、結合手が左右逆となる構造式
も包含する。
【化7】 構造式7において、R1、R2は炭素数1〜20の炭化水
素基を、R3〜R18は水素原子、F、Cl、Br、炭素
数1〜6の炭化水素基あるいはアルコキシ基を、X1
2、X3は単結合あるいは上記A群から選ばれる1つの
連結鎖を、X4、X5は単結合あるいは−O−,−O−C
O−から選ばれる連結鎖を示す。但し、X1、X2
3、X4およびX5の連結鎖は、その構成原子の配列が
左右逆である連結鎖を包含する。
【化8】 構造式8において、R1、R2は炭素数1〜20の炭化水
素基を、R3〜R22は水素原子、F、Cl、Br、炭素
数1〜6の炭化水素基あるいはアルコキシ基を、X1
2、X3、X4は単結合あるいは上記A群から選ばれる
1つの連結鎖を、X5、X6は単結合あるいは−O−,−
O−CO−から選ばれる連結鎖を示す。但し、X1
2、X3、X4、X5およびX6の連結鎖は、その構成原
子の配列が左右逆である連結鎖を包含する。
【化9】 構造式9において、R1、R2は炭素数1〜20の炭化水
素基を、R3〜R6は水素原子、F、Cl、Br、炭素数
1〜6の炭化水素基あるいはアルコキシ基を、X1、X2
は単結合あるいは−O−,−O−CO−から選ばれる連
結鎖を示す。但し、X1およびX2の連結鎖は、その構成
原子の配列が左右逆である連結鎖を包含する。
【化10】 構造式10において、R1、R2は炭素数1〜20の炭化
水素基を、R3〜R6は水素原子、F、Cl、Br、炭素
数1〜6の炭化水素基あるいはアルコキシ基を、X1
2は単結合あるいは−O−,−O−CO−から選ばれ
る連結鎖を示す。但し、X1およびX2の連結鎖は、その
構成原子の配列が左右逆である連結鎖を包含する。
【化11】 構造式11において、R1、R2は炭素数1〜20の炭化
水素基を、R3〜R10は水素原子、F、Cl、Br、炭
素数1〜6の炭化水素基あるいはアルコキシ基を、
1、X2は単結合あるいは上記A群から選ばれる1つの
連結鎖を、X3、X4は単結合あるいは−O−,−O−C
O−から選ばれる連結鎖を示す。但し、X1、X2、X3
およびX4の連結鎖は、その構成原子の配列が左右逆で
ある連結鎖を包含する。
【0012】本発明で使用する多環化合物(b)は、そ
の合成方法が限定されることはなく、当該技術分野で公
知の方法が採用可能である。また、当該化合物は純粋な
化合物である必要はなく、配向性を阻害するとか、着色
を引き起こすとか、本発明の液晶フィルム(A)の作成
時または使用時に悪影響を及ぼさない限り、合成時に副
生する不純物を含有していても良い。さらには、複数種
の多環化合物(b)を混合して本発明の液晶性組成物に
配向することもできる。本発明の液晶性組成物を調製す
るに当っては、一般式(1)で表される多環化合物
(b)を、先に説明した液晶性高分子(a)に対して、
通常0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜10重量
%の範囲で添加する。添加量が0.1重量%より少ない
場合は、均一な配向形態を得ることができない恐れがあ
る。一方、20重量%より多いと、耐熱性など信頼性試
験において悪影響が出現する恐れがある。
【0013】本発明の液晶フィルム(A)は、液晶性高
分子(a)と多環化合物(b)を含有する液晶性組成物
から調製される。この液晶性組成物、本発明の効果を損
なわない範囲において、例えば、ビスアジド化合物やグ
リシジルメタクリレート等の架橋剤を添加することもで
きる。これら架橋剤を添加することにより、ネマチック
ハイブリッド配向を発現させた状態で架橋(固定化)さ
せることができる。液晶性組成物には、さらに二色性色
素、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハードコ
ート剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲
において適宜添加することができる。本発明の液晶フィ
ルム(A)は、上記した液晶性組成物を配向基板上に展
開し、当該基板上において所望の平均チルト角を有する
ネマチックハイブリッド配向を熱処理等によって発現さ
せた後、該配向形態をガラス固定化するか、あるいは熱
・光架橋反応による固定化することで得ることができ
る。液晶フィルム(A)の膜厚は、通常0.1μm〜5
μm、好ましくは0.2μm〜4μm、さらに好ましく
は0.3μm〜3μm、最も好ましくは0.4μm〜1
μmの範囲である。0.1μmより薄いと、十分な視野
角改良効果を得られない恐れがある。また膜厚が5μm
より厚いと、不必要な着色等を生じる恐れがある。液晶
フィルム(A)は、配向基板上に形成されたままの形態
(配向基板/(配向膜)/液晶フィルム)、配向基板と
は異なる透明基板フィルム等に液晶フィルムを転写した
形態(透明基板フィルム/粘接着剤層/液晶フィル
ム)、または液晶フィルム自体に自己支持性がある場合
には、液晶フィルム単層形態(液晶性フィルム)のいず
れの形態であってもよい。前記した透明基板フィルムと
しては、例えばフジタック(富士写真フィルム社製)、
コニカタック(コニカ社製)などのトリアセチルセルロ
ースフィルム、TPXフィルム(三井化学社製)、アー
トンフィルム(日本合成ゴム社製)、ゼオネックスフィ
ルム(日本ゼオン社製)、アクリプレンフィルム(三菱
レーヨン社製)等を用いることができる。また、転写方
法としては、液晶フィルム層に接着剤を塗布し、配向基
板とは異なる他の基板フィルムをラミネートした後に接
着剤を硬化し、該フィルム積層体から配向基板を剥離す
ることで液晶性フィルムのみを転写することができる。
配向基板としてラビングポリイミドフィルムやラビング
ポリエチレンテレフタレートフィルム等の光学的に等方
でない、あるいは可視光波長域において不透明なフィル
ムを用いた場合には本方法を採用することが推奨され
る。
【0014】液晶フィルム(A)と組合せて使用される
光拡散粘着材層(B)とは、入射光を等方的あるいは異
方的に拡散させる性質を有し、かつ粘着性を有する層を
意味し、この性状を備えていればその材料は特に限定さ
れない。光拡散粘着材層としては、例えば、粘着性を有
するマトリックス中にマトリックスとは異なる屈折率を
有する粒子が分散した自己支持性の無いシート状物、フ
ィルム状物などが使用可能である。具体的には、アクリ
ル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、ウレタン系粘着剤、
ビニルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着
剤、ポリアクリルアミド系粘着剤およびこれらの混合系
粘着剤等からなるマトリックスに、例えば、平均粒径
0.5〜5μmのポリスチレン系微粒子、ポリメタクリ
ル酸系微粒子等の有機微粒子、シリカ、アルミナ、チタ
ニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カド
ミウム、酸化アンチモン等の無機系微粒子、気体を内包
した中空微粒体、液体を内包したマイクロカプセル等の
適宜なものを分散した層が、光拡散粘着剤層(B)とし
て使用できる。マトリクスとしては、アクリル系粘着剤
が透明性、耐候性、耐熱性などに優れていることから望
ましい。光拡散粘着剤層(B)の重畳層を得る場合に
は、同種または異種の光拡散粘着剤層を適宜組合せて使
用する。前記のアクリル系粘着剤としては、公知物のい
ずれも用いることができる。例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシル基、2−
エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニ
ル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリ
ル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、
オクタデシル基の如き炭素数1〜18の直鎖又は分岐の
アルキル基を有するアクリル酸やメタクリル酸のエステ
ルからなるアクリル酸系アルキルエステルの1種又は2
種以上を用いたアクリル系重合体を主体とする粘着剤が
挙げられる。また前記光拡散粘着剤には、本発明の効果
を損なわない範囲において、例えば石油系樹脂、ロジン
系樹脂、テルペン系樹脂、合成石油系樹脂、フェノール
系樹脂、キシレン系樹脂、脂環族系石油樹脂、クマロン
インデン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン
系樹脂等の粘着付与剤、フタル酸エステル、リン酸エス
テル、塩化パラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン
の如き軟化剤あるいはその他の各種充填剤、老化防止
剤、架橋剤などの適宜な添加剤を配合することができ
る。
【0015】本発明の光学異方素子は、液晶フィルム
(A)の表面に上記の光拡散粘着剤層(B)を積層させ
た構成にある。光学異方素子の製法としては、適宜な方
法を採用することができる。例えば、トルエンや酢酸エ
チル等の適宜な有機溶媒による溶液や水による分散液な
いしエマルジョンとした固形分が通常10〜40重量%
程度の光拡散粘着剤溶液を調整し、それを流延方式や塗
工方式等の適宜な展開方式で液晶フィルム(A)に直接
付設する方式、あるいはモノマー成分等の混合物等とし
た光拡散粘着剤を、液晶フィルム(A)に塗工して放射
線照射処理する方式、さらには前記に準じてセパレータ
ー上に形成した光拡散粘着剤層(B)を、液晶フィルム
(A)上に貼合する方式などが挙げられる。したがって
光拡散粘着剤層の重畳層も、重ね塗り方式や貼合重ね方
式などの適宜な方法で形成することができる。また重畳
の光拡散粘着剤層(B)を液晶フィルム(A)の両面に
設ける場合、液晶フィルム(A)の表裏において異なる
組成又は種類等の光拡散粘着剤層(B)とすることがで
きる。さらに光拡散粘着剤層(B)は、液晶フィルム
面、配向基板面、配向基板とは異なる支持フィルム面の
いずれか一箇所またはそれぞれの箇所に設けることがで
き、個々の設置箇所では、光拡散粘着剤層(B)を単層
もしくは複数層とすることができる。光拡散粘着材層
(B)の膜厚は、特に制限されるものではないが、通常
1μm〜100μm、好ましくは5μm〜50μm、さらに
好ましくは10μm〜30μmである。また光拡散粘着材
層(B)の全光線透過率は、通常50%以上、好ましく
は60%以上、さらに好ましくは70%以上である。さ
らに拡散透過率/全光線透過率で定義されるヘイズ値が
20〜70%、好ましくは25〜65%、さらに好まし
くは30〜60%であることが望ましい。ヘイズ値が3
0%より小さいと視野角拡大効果に乏しく、60%より
大きいと不要な表示画面のにじみやコントラスト低下を
招く。
【0016】本発明の光学異方素子は、ツイステッドネ
マティック型液晶表示素子などの視野角改良部材として
好適に用いられ、その場合、当該表示素子の偏光板に本
発明の光学異方素子を積層させることができる。偏光板
と光学異方素子と積層させるに当っては、光学異方素子
の光拡散粘着剤層(B)の粘着性を活用することがで
き、また、別法としては適当な粘着剤層あるいは接着剤
層を介して、光学異方素子の液晶フィルム(A)または
光拡散粘着剤層(B)と偏光板とを積層させることもで
きる。製造プロセスの簡略化、低コスト化を考慮する
と、前者の方法、すなわち、光拡散粘着剤層を偏光板と
の積層に利用する方法がより好ましい。後者の方法に用
いられる接着剤としては、光学グレードのものであれば
特に制限されるものではないが、例えばアクリル系、エ
ポキシ系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ウレタン
系およびこれらの混合系などを用いることができる。ま
たこれら接着剤は熱硬化型、光硬化型、電子線硬化型等
いずれであっても問題なく使用することができる。ま
た、偏光板に上述の方法に準じて光拡散粘着剤層(B)
を設けたのち、その光拡散粘着剤層に液晶フィルム
(A)を積層することにより、本発明の光学異方素子と
偏光板との積層体と実質的に同一形態の積層体を製造す
ることもできる。偏光板としては、偏光機能を有する適
宜なものを用いうるが一般には偏光フィルムからなるも
のが用いられる。その偏光フィルムについては特に制限
はなく、例えばポリビニルアルコール系フィルムや部分
ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムやセルロ
ース系フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素お
よび/または二色性色素を吸着させて延伸したフィル
ム、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニ
ルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フィルム等が挙げ
られる。偏光フィルムの膜厚は、通常5μm〜80μm
であるが、これに限定されるものではない。なお偏光板
は、偏光フィルムそのものであってもよいし、偏光フィ
ルムの片側または両側に透明保護層を設けたものであっ
てもよい。透明保護層は、例えば透明性、機械的強度、
熱安定性、水分遮蔽性などに優れているものであれば特
に制限されず、例えばポリエステル系樹脂、ポリエーテ
ルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
アクリル系樹脂、アセテート系樹脂、セルロース系樹
脂、あるいはアクリル系、ウレタン系、アクリルウレタ
ン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型ないし紫
外線硬化型樹脂等の適宜なものを使用することができ
る。
【0017】本発明の光学異方素子は、公知技術に準じ
て液晶表示素子に組み込むことができる。すなわち、一
般に液晶表示素子は、電極を備えた一対の透明基板とネ
マティック液晶とからなるツイステッドネマチック型駆
動用液晶セル、偏光板、照明システム等の必要な構成部
品を適宜組み立てて駆動回路を組み込むことに等により
形成できるが、本発明の光学異方素子は、前記液晶セル
と上側もしくは下側の偏光板のうちどちらか一方の間、
または両方の間に配置される。なかでも、視認側から視
認側偏光板、光拡散粘着剤層(B)、液晶フィルム
(A)、駆動用液晶セル、液晶フィルム(A)、光源側
偏光板の順に配置された液晶表示素子は、LCD表示特
性の点から最も好ましい。また、液晶フィルム(A)の
配置条件をさらに考慮して、光学異方素子および駆動用
液晶セルと、光源側偏光板との間に、液晶フィルム
(A)を配置することにより、さらなる表示特性の向
上、具体的には視野角改良効果を発現させることができ
る。具体的には、光学異方素子における液晶フィルム
(A)と、駆動用液晶セルと光源側偏光板との間に配置
される液晶フィルム(A)は、それぞれのフィルムのチ
ルト方向と、各々のフィルムが近接した駆動用液晶セル
のセル基板とは反対側のセル基板におけるプレチルト方
向との成す角度が、通常165〜195度、好ましくは
170〜190度、さらに好ましくは175〜185度
となるように、上記2つの液晶フィルム(A)を配置す
ることにより、本発明の効果をより顕著に発現すること
ができる。ここで、液晶フィルム(A)のチルト方向と
は、当該フィルム(A)の上下2面の内、該液晶性高分
子のダイレクターとフィルム平面との成す角度がより小
さな面における液晶性高分子のダイレクターの投影方向
を意味する。具体的には、図1において該フィルムの上
下2面をb面、c面とそれぞれ仮定した際、このフィル
ムのb面側およびc面側における液晶性高分子のダイレ
クターと、フィルム平面との成す角度は、b面側の角度
>c面側の角度の関係である。このフィルムのb面から
フィルム膜厚方向にc面を見た場合に、b面側のダイレ
クターとc面側のダイレクターとの成す角度が鋭角とな
る方向で、かつb面側のダイレクターとc面側のダイレ
クターのフィルム平面に対する投影成分とが平行となる
方向を、本発明では液晶フィルム(A)のチルト方向と
呼ぶ。また、駆動用液晶セルのプレチルト方向とは、通
常、駆動用液晶セル中の低分子液晶は、図2の如くセル
基板界面に対して平行ではなく、ある角度をもって傾い
ており(低分子液晶のツイスト角が0度の場合)、この
状態において、低分子液晶のダイレクターと液晶セル基
板平面との成す角度が鋭角である方向で、かつ該ダイレ
クターの投影成分が平行な方向を意味する。したがって
プレチルト方向は、図2に示すように駆動用液晶セルに
おける上下の液晶セル基板にそれぞれ一方向ずつ定義さ
れる。本発明の液晶表示素子においては、視認側偏光板
と駆動用液晶セルとの間に配置される光学異方素子の液
晶フィルム(A)のチルト方向と、光学異方素子が近接
している駆動用液晶セルのセル基板とは反対側のセル基
板におけるプレチルト方向との成す角度が上記範囲とな
るように、また駆動用液晶セルと光源側偏光板との間に
配置される液晶フィルム(A)のチルト方向と当該フィ
ルムが接している駆動用液晶セルのセル基板とは反対側
のセル基板におけるプレチルト方向との成す角度が上記
範囲となるように、それぞれの液晶フィルム(A)を液
晶表示素子に配置することが最も好ましい。なお、本発
明の液晶表示素子においては、駆動用液晶セルを挟んで
光学異方素子と液晶フィルム(A)が配置されるが、こ
のとき光学異方素子を構成する液晶フィルム(A)と、
光源側偏光板と駆動用液晶セルとの間に配置される液晶
フィルム(A)とは、同一の光学パラメーターを有する
ものを用いても良いし、また光学パラメーターが異なる
ものであってもよい。さらに、本発明の光学異方素子を
構成する液晶フィルム(A)は、ネマチックハイブリッ
ド配向を形成しているため、当該フィルムの上下は光学
的に等価ではなく、また光学異方素子においてもその上
下は光学的に等価ではない。従って、液晶フィルム
(A)の図1におけるb面、c面のどちら側を前記セル
側に配置するのか、また一方に光学異方素子、他方に液
晶性フィルム(A)を配置した際には、それぞれの液晶
フィルム(A)における4つのフィルム面のどれを駆動
用液晶セルのセル基板に近接するように配置するのか、
さらに光拡散粘着剤層(B)を重畳層したような場合に
どちら側をセル基板側に配置するのか等は、液晶性フィ
ルムの光学的性質、光学異方素子の構成、配置等によっ
て液晶表示素子の視野角改良効果がそれぞれ異なる。本
発明では光学異方素子の構成、また光学異方素子におけ
る液晶性フィルム(A)の2つのフィルム面の内、どち
らを駆動用液晶セル側に配置するか等は特に限定される
ものではない。備えられる駆動用液晶セルのセルパラメ
ーターや要求される光学性能、表示特性等を考慮して、
本発明の光学異方素子を液晶表示素子に備えることが必
要である。また本発明の液晶表示素子を構成する駆動用
液晶セルの光学パラメーター等は特に制限されるもので
はないが、なかでも駆動用液晶セルの屈折率異方性Δn
と駆動用液晶セルの液晶層の厚みdとの積で示されるΔ
nd値が、通常300nm〜500nm、好ましくは3
00nm〜400nmの範囲であるものが、より光学異
方素子の表示特性効果を発現することができる。500
nmより大きいと本発明の光学異方素子と組み合わせた
場合の視野角改良効果が乏しく、また応答速度が遅くな
るといった恐れがある。また300nmより小さいと本
発明の光学異方素子と組み合わせた場合に、視野角改良
効果は見られるものの正面の輝度、コントラストの低下
を生じる恐れがあり望ましくない。また駆動用液晶セル
には、液晶分子の配向欠陥を低減するためにあらかじめ
駆動用液晶セルの液晶分子にプレチルト角を与えること
が好ましい。プレチルト角は通常5゜以下、好ましくは
4゜以下であることが望ましい。さらに一般にツイステ
ッドネマチック型液晶表示素子における駆動用液晶セル
は、セル内のネマチック液晶の長軸が上下基板間でおよ
そ90゜ねじれている。液晶セルに電圧を印可しない状
態では入射した直線偏光はその旋光性により90゜ねじ
れて出射する。液晶セルに電圧を印可すると液晶分子の
長軸は電界方向に配向し旋光性は消失する。よってこの
旋光の効果を十分に得るために、本発明の駆動用液晶セ
ルのねじれ角としては通常70゜〜110゜、好ましく
は85゜〜95゜であることが望ましい。またねじれ方
向は、左および右方向のどちらでも良い。
【0018】以上説明したようにネマチックハイブリッ
ド配向を固定化した液晶性フィルム(A)と光拡散粘着
剤層(B)からなる本発明の光学異方素子は、特にTN
−LCDの視野角改良部材として好適である。補償対象
となるTN−LCDを駆動方式で分類すると、単純マト
リクス方式、能動素子を電極として用いるTFT(Th
in Film Trasistor)電極、MIM(M
etal Insulator Metal、あるいは
TFD;Thin Film Diode)電極を用い
るアクティブマトリクス方式等のように細分化できる。
本発明の光学異方素子はいずれの駆動方式に対しても効
果を有する。また公知の技術であるハーフトーングレー
スケール方式(画素分割方式)、ドメイン分割方式は、
LCDの視野角拡大を駆動用液晶セル側から行おうとい
う試みで考えられたものである。このような視野角があ
る程度改善されたLCDに対しても本発明の光学異方素
子は、好適に作用し、さらなる視野角拡大効果を発現す
ることが可能となる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を述べるが、本発明はこれらに
制限されるものではない。なお実施例で用いた各分析法
は以下の通りである。 (1)液晶性高分子の組成決定および化合物の構造決定 重水素化クロロホルムまたは重水素化トリフルオロ酢酸
に溶解解し、400MHzの1H−NMR(日本電子製
JNM−GX400)を用いて決定した。 (2)膜厚測定 SLOAN製SURFACE TEXTURE ANA
LYSIS SY−STEM Dektak 3030
STを用いた。また、干渉波測定(日本分光(株)製
紫外・可視・近赤外分光光度計V−570)と屈折率の
データから膜厚を求める方法も併用した。参考例1 テレフタル酸40mmol、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸40mmol、カテコールジアセテート85mm
ol、アセトキシ安息香酸80mmolを用いて窒素雰
囲気下260℃で4時間、290℃で2時間、続いて毎
分100mlの窒素気流下290℃で4時間重合を行
い、液晶ポリエステル(式1参照)を得た。この液晶性
ポリエステルの対数粘度は0.16、液晶相としてネマ
チック相をもち、等方相−液晶相転移温度は300℃以
上、ガラス転移点は120℃であった。該液晶性ポリエ
ステルを用い10wt%のフェノール/テトラクロロエ
タン混合溶媒(6/4重量比)溶液を調製した。この溶
液を、ソーダガラス板上に、バーコート法により塗布
し、乾燥し、190℃で30分熱処理したのち、室温下
で冷却・固定化し、膜厚1μmの液晶性フィルムを得
た。該フィルムの偏光顕微鏡下の観察により隣接するド
メインの消光軸が同一でありながらディスクリネーショ
ンラインが存在する部分を見いだしチルト配向性である
ことを確認した。
【化12】 参考例2 4−オクチロキシ安息香酸10mmol、テレフタル酸
50mmol、ナフタレンジカルボン酸45mmol、
カテコールジアセテート50mmol、3−メチルカテ
コールジアセテート50mmol、4−アセトキシ安息
香酸50mmolを用いて窒素雰囲気下、270℃で4
時間、続いて同温度で毎分30mlの窒素気流下で2時
間脱酢酸重合を行った。次に得られた反応生成物をテト
ラクロロエタンに溶解したのち、メタノールで再沈殿を
行って精製し、液晶性ポリエステル(式2参照)を得
た。この液晶性ポリエステルの対数粘度は0.10、液
晶相としてネマチック相をもち、等方相−液晶相転移温
度は240℃、ガラス転移点は75℃であった。該液晶
性ポリエステルを用い10wt%のフェノール/テトラ
クロロエタン混合溶媒(6/4重量比)溶液を調製し
た。この溶液を、ソーダガラス板上に、スピンコート法
により塗布し、乾燥し、220℃で30分熱処理したの
ち、室温下で冷却・固定化し、膜厚10μmの均一配向
フィルムを得た。該フィルムのコノスコープ観察によ
り、該フィルムがホメオトロピック配向フィルムである
ことを確認した。
【化13】 参考例3 tert−ブチルハイドロキノンジアセテート10mm
ol、6−ペンチロキシ−2−ナフトエ酸20mmol
を窒素雰囲気下250℃で4時間、270℃で2時間、
続いて毎分30mlの窒素気流下270℃で2時間反応
させた。続いて該化合物をメタノール/酢酸エチル=1
/1の混合溶媒から再結晶し、式3で示される化合物を
得た。
【化14】 実施例1 参考例で得られた液晶性ポリエステル(式1参照)75
部、液晶性ポリエステル(式2参照)20部、および化
合物(式3参照)5部を配合して液晶性組成物を調製し
た。次いで当該組成物の8wt%テトラクロロエタン溶
液を調製した。ラビングポリイミド膜を有するガラス基
板上に前記の溶液をスピンコート法により塗布し、乾燥
し、220℃で20分間熱処理した。熱処理後、空冷し
液晶性フィルム1を得た。基板上のフィルム1は透明で
配向欠陥はなく均一であった。また膜厚は0.63μm、
膜厚方向の平均チルト角は34度であった。次に、アク
リル系粘着剤にポリスチレン微粒子を分散させた光拡散
粘着剤層(全光線透過率90.1%、ヘイズ値 50
%)を作製した。この液晶フィルム(A)と光拡散粘着
材層を用いて、図3に示したような配置で液晶表示装置
を作製した。使用したTN型駆動用セルは、液晶材料し
てZLI−4792を用い、セルパラメータは、△nd
=440nm、ねじれ角90度(左ねじれ)、プレチルト
角3度である。該液晶セルに対して0V〜6Vの電圧を
印可し、トプコン社製色彩輝度計BM−5を用いて、各
階調における上下方向の透過率の測定を行い、結果を図
4に示した。この場合、−60度つまり液晶セルを下側
から液晶セルの法線と視線がなす角度が60度で見た場
合に階調反転が生じた。比較例1 参考例で得られた液晶性ポリエステル(式1参照)85
部、液晶性ポリエステル(式2参照)10部、および化
合物(式3参照)5部を配合して液晶性組成物を調製し
た。次いで当該組成物の8wt%テトラクロロエタン溶
液を調製した。ラビングポリイミド膜を有するガラス基
板上に、前記の溶液をスピンコート法により塗布し、乾
燥し、220℃で20分間熱処理した。熱処理後、空冷
しフィルム2を得た。基板上のフィルム2は透明で配向
欠陥はなく均一であった。また膜厚は0.63μm、膜厚
方向の平均チルト角は18度であった。次に、アクリル
系粘着剤にポリスチレン微粒子を分散させた光拡散粘着
剤層(全光線透過率90.1%、ヘイズ値 50%)を
作製した。後は実施例1と同様の駆動用セルを用いて、
各階調における上下方向の透過率の測定を行った。この
場合、−35度つまり液晶セルを下側から液晶セルの法
線と視線がなす角度が60度で見た場合に階調反転が生
じた。比較例2 実施例1と同じTN型液晶セルを用いて、フィルム1と
光拡散粘着層を装着しない以外は全て同じ条件にて各階
調における上下方向の透過率の測定を行い、−20度つ
まり液晶セルを下側から液晶セルの法線と視線がなす角
度が20度で見た場合に階調反転が生じた。比較例3 実施例1と同じTN型液晶セルを用いて、光拡散粘着層
を装着しない以外は全て同じ条件にて各階調における上
下方向の透過率の測定を行った。この場合、−30度つ
まり液晶セルを下側から液晶セルの法線と視線がなす角
度が30度で見た場合に階調反転が生じた。比較例4 実施例1から化合物(式3参照)5部を除いた以外は、
同一の液晶組成物を用いて8wt%テトラクロロエタン
溶液を調製した。該溶液をラビングポリイミド膜を有す
るガラス基板上にスピンコート法により塗布し、乾燥し
た。次いで210℃で10分間熱処理したのち、冷却し
フィルム3を得た。基板上のフィルム3は透明であった
が、配向欠陥が多く、光学異方性素子として不十分であ
った。比較例5 実施例1で光拡散層のヘイズ値を25%にした以外は、
全て同じ条件にして、各階調における上下方向の透過率
を測定した。この場合、−35度つまり液晶セルを下側
から液晶セルの法線と視線がなす角度が35度で見た場
合に階調反転が生じた。比較例6 実施例1で駆動用液晶セルの△ndを550nmにした以外
は、全て同じ条件にして、各階調における上下方向の透
過率を測定した。この場合、−40度つまり液晶セルを
下側から液晶セルの法線と視線がなす角度が40度で見
た場合に階調反転が生じた。以上の実施例、比較例のま
とめを表1に示した。
【0020】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶フィルムのチルト方向に関する説明図。
【図2】液晶セル基板のプレチルト方向に関する説明
図。
【図3】実施例1に記載した液晶表示素子装置における
各光学素子の配置図。
【図4】実施例1に記載した液晶表示装置の各階調にお
ける上下方向の透過率を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA24 BB51 BB62 BC02 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA31X FD06 FD15 GA06 GA17 JA01 KA02 KA05 LA02 LA17 LA19 4H027 BA01 BA12 BB03 BD12 BD13 BD20 BD21 BD24 BE02 DK01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子
    (a)と、下記の一般式(1)で表わされる分子量10
    00以下の多環化合物(b)とを含有する液晶性組成物
    が、液晶状態において形成するところの膜厚方向におけ
    る平均チルト角が20〜40度であるネマチックハイブ
    リッド配向を固定化して得られる液晶フィルム(A)
    と、光拡散粘着材層(B)との組合せからなる光学異方
    素子。 R1−B1−A1−・・・・・−Bn−An−Bn+1−R2 (1) (式中、R1,R2はそれぞれ個別に炭素数1〜20の炭
    化水素基を示し、A1〜Anはそれぞれ個別に炭素環構造
    または複素環構造を示し、B1〜Bn+1はそれぞれ個別に
    主鎖原子数0〜4の連結鎖を示し、nは2以上8以下の
    整数を示す。但し、個々の炭素環構造または複素環構造
    は、同じ環内の同一炭素原子で、連結鎖B1〜Bn+1と結
    合することはない。)
  2. 【請求項2】 光拡散粘着剤層(B)の拡散透過率/全
    光線透過率で定義されるヘイズ値が20〜70%である
    ことを特徴とする請求項1記載の光学異方素子。
  3. 【請求項3】 2枚の偏光板の間に、駆動用液晶セルと
    設けた液晶表示素子において、光学的に正の一軸性を示
    す液晶性高分子(a)と、下記の一般式(1)で表わさ
    れる分子量1000以下の多環化合物(b)とを含有す
    る液晶性組成物が、液晶状態において形成するところの
    膜厚方向における平均チルト角が20〜40度であるネ
    マチックハイブリッド配向を固定化して得られる液晶フ
    ィルム(A)と、光拡散粘着材層(B)を、液晶表示素
    子の視認側から、視認側偏光板、光拡散粘着剤層
    (B)、液晶フィルム(A)、駆動用液晶セル、液晶フ
    ィルム(A)、光源側偏光板の順に配置したことを特徴
    とする液晶表示素子。 R1−B1−A1−・・・・・−Bn−An−Bn+1−R2 (1) (式中、R1,R2はそれぞれ個別に炭素数1〜20の炭
    化水素基を示し、A1〜Anはそれぞれ個別に炭素環構造
    または複素環構造を示し、B1〜Bn+1はそれぞれ個別に
    主鎖原子数0〜4の連結鎖を示し、nは2以上8以下の
    整数を示す。但し、個々の炭素環構造または複素環構造
    は、同じ環内の同一炭素原子で、連結鎖B1〜Bn+1と結
    合することはない。)
  4. 【請求項4】 駆動用液晶セルにおける液晶セルの屈折
    率異方性△nと、液晶層の厚みdとの積(△nd値)
    が、300〜500nmの範囲にあり、液晶層のねじれ
    角が70〜110゜の範囲にあり、プレチルト角が5゜
    以下であることを特徴とする請求項3記載の液晶表示素
    子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003044575A1 (fr) * 2001-11-19 2003-05-30 Nippon Oil Corporation Plaque de polarisation circulaire et dispositif d'affichage a cristaux liquides
JP2009126162A (ja) * 2007-11-28 2009-06-11 Mitsubishi Plastics Inc 光学フィルム

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