JP2009126106A - 液体供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化及び低コスト化を図ることができる汎用性に優れた液体供給装置を提供する。
【解決手段】インクが貯留されたインクカートリッジ17と、インクカートリッジ17からインクを引き込むサブタンク52と、サブタンク52からインクが供給されるインクジェットヘッド21と、インクジェットヘッド21を移動させるキャリッジ23とを有し、サブタンク52は、可撓性を有する可撓膜53によって覆われた容量可変のインク室54を有し、キャリッジ23が所定位置に移動した際に、磁力によってインク室54が拡張されてインクカートリッジ17からインクが引き込まれる。
【選択図】図6

Description

本発明は、メインタンクの液体をサブタンクを介してヘッドに供給する液体供給装置に関するものである。
上記液体供給装置の一例として、パソコン等に接続されるプリンタに組み込まれて、印刷ヘッドに液体としてのインクを供給する装置が挙げられる。このような液体供給装置の中には、電磁石による反発・吸引力を利用して空気ポンプを作動させ、インクカートリッジに空気を送り込むことによって、インクカートリッジからなるメインタンクのインクをサブタンクに送り出して補給するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−193980号公報
上記の液体供給装置では、別個の駆動源を有する専用の空気ポンプが必要であるため、大型化しコスト高になってしまう。また、この液体供給装置では、空気ポンプの能力に対して使用できるインクカートリッジの大きさや種類が限定され、汎用性に乏しかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、小型化及び低コスト化を図ることができる汎用性に優れた液体供給装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の液体供給装置は、液体が貯留されたメインタンクと、前記メインタンクから液体を引き込むサブタンクと、前記サブタンクから液体が供給されるヘッドと、前記ヘッドを移動させるキャリッジとを有する液体供給装置であって、前記サブタンクは、可撓性を有する膜によって覆われた容量可変の液室を有し、前記キャリッジが所定位置に移動した際に、磁力によって前記液室が拡張されて前記メインタンクから液体が引き込まれることを特徴とする。
この構成の液体供給装置によれば、キャリッジの所定位置への移動によって、サブタンクに磁力を付与して液室を磁力によって拡張し、メインタンクから液体を補給するため、別個の駆動源を有する専用の空気ポンプが不要になる。よって、装置の小型化及び低コスト化を図ることができ、さらには、空気圧によって送り出す構造のような専用構造が不要となり、汎用性を高めることができる。また、サブタンクが磁力により容量可変となる可撓性を有する膜によって覆われた液室を備えた、コンプライアンスを有効利用したタイプであるため、さらなる小型化を図ることができる。
また、前記サブタンクに磁石または金属部材からなる被吸引部材が設けられ、前記キャリッジが所定位置に移動した際に、前記被吸引部材に金属部材または磁石からなる吸引部材が近接され、互いの吸引力によって前記液室が拡張されることが好ましい。
この構成の液体供給装置によれば、キャリッジが所定位置に移動することにより、被吸引部材と吸引部材とを近接させてサブタンクに磁力からなる吸引力を確実に付与して液室を円滑に拡張させることができる。
また、前記サブタンクは、前記キャリッジに搭載され、前記吸引部材は、前記キャリッジとともに移動する前記サブタンクの移動経路の近傍に配置されていることが好ましい。
この構成の液体供給装置によれば、キャリッジとともに移動するサブタンクの移動経路の近傍に吸引部材が配置されているので、キャリッジの移動に伴って、サブタンクに磁力からなる吸引力を確実に付与して液室を円滑に拡張させることができる。これにより、キャリッジを移動しながらヘッドのノズルから液体を吐出している状態においても、液室を拡張してメインタンクから液体をサブタンクに補給することが可能となり、ヘッドのノズルによる液体の吐出を伴う処理のスループットを落とすことなく、液体をサブタンクに補給することができる。
また、前記サブタンクは、前記ヘッドの上方に一体的に設けられていることが好ましい。
この構成の液体供給装置によれば、サブタンクがヘッドの上方に設けられているため、水頭差を利用してサブタンクからヘッドに向けて液体を吐出できる。しかも、ヘッドの上方のスペースを有効利用してサブタンクを配置することができる。
以下、本発明に係る一実施形態の液体供給装置を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図8は本発明に係る一実施形態の液体供給装置によってインク供給機構が構成されたインクジェットプリンタの関連図であり、図1はインクジェットプリンタの外観斜視図、図2はインクジェットプリンタのプリンタカバーを開いた状態の斜視図、図3はインクジェットプリンタからプリンタケースを取り外した状態の斜視図、図4はインクジェットプリンタのインクカートリッジからキャリッジ上のインクジェットヘッドまでの部品の接続構造を示す要部斜視図、図5はインクカートリッジからキャリッジ上のインクジェットヘッドまでの構成を別の向きから見た斜視図、図6はインクジェットプリンタの要部の概略構成図、図7はインクジェットプリンタの要部における作用を説明する概略構成図、図8は自己封止ユニットの構造を説明する断面図である。
まず、インクジェットプリンタの構造について説明する。
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、複数種のカラーインクを使用してロール紙にカラー印刷するものであり、プリンタ本体を覆うプリンタケース2の前面には、ロール紙カバー5及びインクカートリッジカバー7が開閉自在に装備されている。更に、プリンタケース2の前面には、電源スイッチ3と共にフィードスイッチやインジケータ等も配置されている。
ロール紙カバー5を開くと、図2に示すように、印刷用紙であるロール紙11を収容した用紙収容部13が開放状態になって、用紙の交換が可能になる。
また、インクカートリッジカバー7を開くと、カートリッジ装着部15が開放状態になり、カートリッジ装着部15へのインクカートリッジ(メインタンク)17の着脱が可能になる。
この場合、インクカートリッジカバー7を開く動作に連動して、カートリッジ装着部15の前方にインクカートリッジ17が所定距離だけ引き出される構成になっている。
プリンタケース2内の用紙収容部13の上方には、図3及び図4に示すように、インクジェットヘッド(ヘッド)21を搭載したキャリッジ23が装備されている。キャリッジ23は、ロール紙11の幅方向に沿って延在するガイド部材25によって用紙幅方向に移動自在に支持されると共に、ロール紙11の幅方向に延在する無端ベルト26aと無端ベルト26aを駆動するキャリッジモータ26bとによって、プラテン28の上方をロール紙11の幅方向に往復移動可能になっている。
図示のように、カートリッジ装着部15の上方が、往復移動するキャリッジ23の待機位置(ホームポジション)となっている。そして、この待機位置の下方には、キャリッジ23の下面に露出するインクジェットヘッド21のインクノズルを覆うキャップ27と、キャップ27を介してインクジェットヘッド21の各インクノズル内のインクを吸引廃棄するインク吸引機構29とが装備されている。
インクカートリッジ17は、図3に示すカートリッジケース18内に複数個の図4に示すカラーインクパック19を収容したものである。インクカートリッジ17内の各インクパック19は、インクカートリッジ17をカートリッジ装着部15に装着した際に、カートリッジ装着部15側に装備されたインク供給針がインクパック19のインク供給口に差込接続される。カートリッジ装着部15のインク供給針には、図5にも示すように、プリンタケース2内に固定されたインク流路31が接続され、このインク流路31には、各色毎に分けられた可撓性のインク供給チューブ33の一端が接続されている。
インク供給チューブ33の他端は、図4に示すように、キャリッジ23上に装備された各色毎のインクポンプ部34に接続されている。各インクポンプ部34は、インクジェットヘッド21に接続された自己封止ユニット36にそれぞれ接続されている。
即ち、図6に一色分のみを例示するように、キャリッジ23には、インクジェットヘッド21の他に、インクポンプ部34及び自己封止ユニット36が一体的に搭載された構成になっている。
これにより、インクカートリッジ17内の各インクパック19のインクは、カートリッジ装着部15のインク供給針から、インク流路31、インク供給チューブ33、各色毎のインクポンプ部34及び各色毎の自己封止ユニット36を経て、インクジェットヘッド21の各インクノズルに供給されるようになっている。
次に、上記インクジェットプリンタ1のインク供給機構50について図6に示す一色分の構造を例にとり詳述する。
流路31のインクカートリッジ17側における端部には、逆止弁39が設けられ、インクカートリッジ17とインクポンプ部34との間において、逆止弁39によってインクカートリッジ17側からインクポンプ部34側へのみインクが流れるようになっている。
さらに、インクポンプ部34と自己封止ユニット36との間の流路51にも逆止弁40が設けられ、インクポンプ部34側から自己封止ユニット36側へのみインクが流れるようになっている。
オンキャリッジのインクポンプ部34は、図6に示すように、インクジェットヘッド21の上方にあって、インク供給チューブ33に連通するサブタンク52を備えている。このサブタンク52は、その上部が可撓性を有する可撓膜53によって覆われたインク室54を有しており、可撓膜53の変形により容量可変となっている。このインク室54は、インク供給チューブ33に連通し且つ自己封止ユニット36側の流路51に連通しており、インクカートリッジ17からインクが供給されるとともに自己封止ユニット36側にインクを供給可能となっている。可撓膜53は、ゴム、エラストマ、樹脂製フィルム等の変形容易な可撓性材料からなっており、この可撓膜53の上部には、磁石(被吸引部材)55が固定されている。
キャリッジ23とともに移動するサブタンク52の移動経路の上方位置には、移動方向に沿って金属フレーム(金属部材、吸引部材)56が配置されている。この金属フレーム56には、その高さ位置が低くされた吸引高さ部56aを所定位置に有している。
この吸引高さ部56aでは、インクポンプ部34の可撓膜53の上部に設けられた磁石55と金属フレーム56との間にて吸引力が生じる高さとされている。したがって、キャリッジ23が移動してインクポンプ部34が吸引高さ部56aに到達すると、磁石55と金属フレーム56との間に吸引力が生じ、図7に示すように、磁石55が上方の金属フレーム56側へ引き寄せられる。これにより、インクポンプ部34の可撓膜53が磁石55によって引き上げられ、サブタンク52のインク室54が拡張されて容量が増大される。
つまり、可撓膜53が磁石55によって引き上げられることでインク室54の容量が増大すると、逆止弁39を開きながらインクカートリッジ17からインク流路31及びインク供給チューブ33を介してインクをインク室54に吸引することになる。また、この状態から、キャリッジ23が移動してインクポンプ部34が金属フレーム56の吸引高さ部56aから外れて磁石55と金属フレーム56との吸引力が弱まり、可撓膜53が復元力によって萎みインク室54の容量が減少すると、逆止弁40を開きながらインク室54から流路51を介して自己封止ユニット36に、さらには自己封止ユニット36を介してインク室54より下方のインクジェットヘッド21にインクを吐出する。
図8に示すように、自己封止ユニット36は、ユニット本体81に、供給路82、中間路83及び排出路84が形成されている。そして、供給路82に形成された供給口82aに、流路51の下流側端部が接続され、排出路84に形成された排出口84aに、インクジェットヘッド21が接続されている。
供給路82と中間路83とを区画する壁部85には、流入口85aが形成されており、この流入口85aにて供給路82内のインクが中間路83内へ流入される。また、中間路83と排出路84とを区画する壁部86には、連通口86aが形成されており、この連通口86aにて中間路83内のインクが排出路84内へ流入される。
中間路83内には、壁部86に支点部87が形成されており、この支点部87には、揺動棒91が揺動可能に支持されている。この揺動棒91には、その一端部に、壁部85側へ向かって屈曲する作動棒部92が一体に形成されており、この作動棒部92の先端には、壁部85に当接して流入口85aを閉鎖する閉鎖板93が形成されている。また、この閉鎖板93と壁部86との間には、圧縮バネ94が設けられ、この圧縮バネ94の付勢力によって閉鎖板93が壁部85側へ向かって付勢されている。また、揺動棒91の他端部には、壁部86側へ屈曲され、この壁部86の連通口86aに挿通された押圧棒部95が形成されている。
また、ユニット本体81の排出路84側の側壁81aには、開口部96が形成されている。この開口部96には、その開口縁部に、液密性及び可撓性を有するフィルム97が液密的に連結されている。このフィルム97の排出路84側における中央部分には、押圧板98が固定されている。そして、この押圧板98に、揺動棒91の押圧棒部95の先端部が当接されている。また、押圧板98と壁部86との間には圧縮バネ99が取り付けられており、この圧縮バネ99の付勢力によって押圧板98が外側へ押し出されている。
そして、この自己封止ユニット36では、閉鎖板93が、圧縮バネ94及び閉鎖板93に作用する圧力によって壁部85に押し付けられ、流入口85aが閉鎖される。
そして、自己封止ユニット36では、フィルム97によって覆われた部分の容積の減少にともない押圧板98によって揺動棒91の押圧棒部95が押圧されると、揺動棒91が支点部87による連結箇所を中心として揺動することにより、閉鎖板93が壁部85から離間する。これにより、供給路82から流入口85aを通って中間路83及び排出路84へインクが流れ込み、インクジェットヘッド21へ供給される。
そして、この自己封止ユニット36をインクジェットヘッド21の上流側に設けることにより、例えば、キャリッジ23の加減速などによって供給側におけるインクの圧力変動が発生したとしても、この圧力変動のインクジェットヘッド21への伝達が自己封止ユニット36にて遮断される。
これにより、圧力変動が伝達されることによるインクジェットヘッド21での意図しないインクの吐出、インクだれあるいは吐出不良による印字抜けなどの不具合が防止される。
以上に述べた本実施形態のインク供給機構50によれば、キャリッジ23の所定位置への移動によって、サブタンク52に磁力を付与してインク室54を磁力によって拡張し、インクカートリッジ17からインクを補給するため、別個の駆動源を有する専用の空気ポンプが不要になる。よって、装置の小型化及び低コスト化を図ることができ、さらには、空気圧によって送り出す構造のような専用構造が不要となり、汎用性を高めることができる。また、サブタンク52が磁力によって容量可変となる可撓性を有する可撓膜53によって覆われたインク室54を備えた、コンプライアンスを有効利用したタイプであるため、さらなる小型化を図ることができる。しかも、インクカートリッジ17からインクをほぼゼロまで使い切ることができる。
また、サブタンク52がインクジェットヘッド21の上方に設けられているため、水頭差を利用してサブタンク52からインクジェットヘッド21に向けてインクを吐出できる。しかも、キャリッジ23におけるインクジェットヘッド21の上方のスペースを有効利用してサブタンク52を配置することができ、さらなるコンパクト化を図ることができる。
また、以上のように、インク供給機構50が、キャリッジ23の移動に伴って、サブタンク52に磁力からなる吸引力を付与してインク室54を円滑に拡張させ、インクカートリッジ17からインクをインク室54に補給するものであるため、印刷処理中であってもインクをインク室54に補給することができる。
つまり、インクジェットヘッド21によるインクの吐出を伴う印刷処理のスループットを落とすことなく、インクカートリッジ17からインクをサブタンク52に補給することができる。
なお、磁力を有する樹脂から可撓膜53を形成しても良く、このようにすれば、磁石55が不要となり、軽量化を図ることができる。
さらに、可撓膜53に金属板を設け、フレーム56の吸引高さ部56aに磁石を設け、キャリッジ23の移動により、可撓膜53をフレーム56の磁石によって吸引するようにしてもよい。
また、サブタンク52をキャリッジ23以外の場所に設けることも可能である。つまり、キャリッジ23以外の場所に設置したサブタンク52に、キャリッジ23が移動して近づいた際に、キャリッジ23とサブタンク52の可撓膜53との間に吸引力を生じさせてサブタンク52内にインクを補給してもよい。その場合も、サブタンク52をインクジェットヘッド21よりも上方に設置し、サブタンク52のインク室54とインクジェットヘッド21とに水頭差を設けるのが良い。
インクジェットプリンタの外観斜視図である。 インクジェットプリンタのプリンタカバーを開いた状態の斜視図である。 インクジェットプリンタからプリンタケースを取り外した状態の斜視図である。 インクジェットプリンタのインクカートリッジからキャリッジ上のインクジェットヘッドまでの部品の接続構造を示す要部斜視図である。 インクカートリッジからキャリッジ上のインクジェットヘッドまでの構成を別の向きから見た斜視図である。 インクジェットプリンタの要部の概略構成図である。 インクジェットプリンタの要部における作用を説明する概略構成図である。 自己封止ユニットの構造を説明する断面図である。
符号の説明
17…インクカートリッジ(メインタンク)、21…インクジェットヘッド(ヘッド)、23…キャリッジ、50…インク供給機構(液体供給装置)、52…サブタンク、53…可撓膜(膜)、54…インク室(液室)、55…磁石(被吸引部材)、56…金属フレーム(金属部材、吸引部材)。

Claims (4)

  1. 液体が貯留されたメインタンクと、前記メインタンクから液体を引き込むサブタンクと、前記サブタンクから液体が供給されるヘッドと、前記ヘッドを移動させるキャリッジとを有する液体供給装置であって、
    前記サブタンクは、可撓性を有する膜によって覆われた容量可変の液室を有し、前記キャリッジが所定位置に移動した際に、磁力によって前記液室が拡張されて前記メインタンクから液体が引き込まれることを特徴とする液体供給装置。
  2. 前記サブタンクに磁石または金属部材からなる被吸引部材が設けられ、前記キャリッジが所定位置に移動した際に、前記被吸引部材に金属部材または磁石からなる吸引部材が近接され、互いの吸引力によって前記液室が拡張されることを特徴とする請求項1に記載の液体供給装置。
  3. 前記サブタンクは、前記キャリッジに搭載され、前記吸引部材は、前記キャリッジとともに移動する前記サブタンクの移動経路の近傍に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の液体供給装置。
  4. 前記サブタンクは、前記ヘッドの上方に一体的に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液体供給装置。
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