JP2009125896A - スリッター装置の回転上刃取り付け構造 - Google Patents

スリッター装置の回転上刃取り付け構造 Download PDF

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Abstract


【課題】部品点数を少なくして部品構成の単純化を図り、同時に組み立て容易化が実現できる経済的なスリッター装置を提供する。
【解決手段】縦型多列自動包装機のスリッター装置を構成するスリッター上刃セット14は、スリッターホルダ24にゴム等の弾性部材25とスリッター上刃22を嵌め込み、スリッターホルダ24の装着軸に形成された雄ネジ部27とホルダクランプ26の内径に形成された雌ネジ部28を螺動締結させてスリッター上刃22とゴム等の弾性部材25をスリッターホルダ24に止着している。そしてホルダクランプ26には、増し締め作業を行うための穴部29が穿口されており、この穴部29に差し込まれた棒状工具30の最遠端を持って、スリッターホルダ24とホルダクランプ26の螺動増し締め作業を行う。
【選択図】 図5

Description

本発明は、包装フィルム(包材)を用いて被包装材料(内容物)を自動的に充填包装する自動包装機の技術分野に属するものであって、具体的には、包装フィルムを断面略円筒状にフォーミングしてスティック包装袋を形成する縦型多列自動包装機におけるスリッター装置に関するものである。
従来から、一度に複数本のスティックタイプの包装袋を連続的にシール成形できるように構成した縦型多列自動包装機が存在している。これは幅の広い原反包装フィルムを各包装袋で必要なサイズ毎にスリッター装置で切り分け、この複数本に切り分けられた包装フィルムの各々を多列式に構成した各フォーマーパイプの周囲に巻装して円筒状にフォーミングした後、縦ヒートシーラによって包装フィルムの合わせ目に対して縦シールを施して筒状形態にし、次いで、筒状になった包装フィルムの規定の位置に対して横ヒートシーラによって横シールを施している。
そして、縦型多列自動包装機は、出来上がった袋状の包装フィルム内に充填パイプを用いて被包装材料(内容物)を充填し、その後、被包装材料注入口を横シールして封止し、この封止された横シール部分の中央付近に対してカッター装置を用いて切り離し、最終的に個別包装形態のスティック状包装袋が多列式に、且つ連続的にシール成形される仕組みになっている。このような縦型多列自動包装機の一例が特許文献1に開示されている。
上記のような従来の縦型多列自動包装機のスリッター装置において、スリッター刃による切断動作に影響を与える基本的要素として、上下刃の接圧、上下刃のラップ量、上下刃のオフセット、および上刃のトーイン、があることはよく知られている。
これら基本的要素のなかの一つであるスリッター上下刃の接圧は、包装フィルムの切断具合とスリッター上刃の磨耗具合の兼ね合いで決められ、通常スリッター上刃がスリッター下刃の方に向かって接圧された際に発生する反発力を吸収して接圧状態を滑らかに維持するスプリング等の押圧部材が組み入れられている。
図7は、従来のスリッター上刃セット140の構造を説明するための側面概念図であり、図8は、従来のスリッター上刃セット140の構造を説明するために一部構成部材を分解して表示している正面概念図である。図7、図8に示すように、従来のスリッター上刃セット140は、高硬度の超硬合金で出来たスリッター上刃22と、このスリッター上刃22を駆動軸に固定するスリッターホルダ124と、スリッターホルダ124に取り付けられたスリッター上刃22の右端を固定するストップリング126と、スリッター上刃22をスリッター下刃に向かって接圧する際の押接力の変動を吸収する役目を担う四つのスプリング125と、スリッターホルダ124内に組み入れられた四つのスプリング125の左端を固定しているクランプ板127と、クランプ板127をスリッターホルダ124に固定している四つの皿ネジ130とで構成されている。
なお、このような従来のスリッター上刃セットの組み立て状態は、図8に示すように、ストップリング126をスリッターホルダ124の溝部128に嵌め込んで固定し、四つの皿ネジ130をネジ穴部129に螺動締結してクランプ板127とスリッターホルダ124を固定している。
特開平9−272511号公報
このような従来のスリッター上刃セット140の構造では、部品点数も多く、個々の部品加工部分の多さと相まって、スリッター上刃セット140の部品コストの上昇を招いていた。
当然、スリッター上刃セット140の組み立て工数並びに組み立て時間も多くかかることになり、定期的に行われるスリッター上刃の交換作業も手間がかかる上に長い作業時間が必要になっていた。
特に、このような従来のスリッター上刃セット140の組み立て作業は、作業が複雑であると共に、スリッター上刃の刃先が露出しているため、作業中のけが等の事故が発生し易く、単純な組み立て作業が求められていた。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、部品点数を少なくして部品構成の単純化を図り、同時に組み立て容易化が実現できる経済的なスリッター装置を提供することにある。
(1)上記の課題を解決するためになされた本発明の縦型多列自動包装機のスリッター装置は、幅の広いフィルムを複数条の包装フィルムにスリットするスリッター装置と、この複数条の包装フィルムを筒状にフォーミングしながら縦シール及び横シールして包装袋にする縦シール装置及び横シール装置と、この包装袋内に被包装材料(内容物)を充填する充填装置と、この被包装材料(内容物)が充填された包装袋の充填口を封止すると共にこの包装袋を下方に連続的に搬送する横シール装置と、この搬送された連続包装袋の横シール中央部分に対してカットを施して個別包装袋にするカッター装置とを備えた縦型多列自動包装機であって、前記スリッター装置は、幅の広いフィルムを挟み込んで切断するスリッター上刃機構と、スリッター下刃機構で構成され、前記スリッター上刃機構は、モータが連結された駆動軸と、複数のスリッター上刃と、当該スリッター上刃をスリッター下刃に向かって接圧した際に発生する反発力を吸収する複数のゴム等弾性部材と、スリッター上刃を駆動軸に固定する複数のスリッターホルダを有し、前記スリッターホルダは、当該スリッターホルダの装着軸に形成されたネジ部に螺動締結されたホルダクランプによって、この装着軸に嵌め込まれた弾性部材とスリッター上刃を止着している。
(2)また本発明のスリッター装置におけるホルダクランプの外周部には穴部が穿口されており、スリッターホルダに弾性部材とスリッター上刃を止着する際に、この穴部に差し込まれた棒状工具の最遠端を回して、スリッターホルダとホルダクランプの螺動増し締め作業を行っている。
上記(1)、(2)で述べた縦型多列自動包装機のスリッター装置によれば、部品点数が少なくなると同時に分解並びに組み立てが容易にできる構造形態を採用することにより、スリッター装置全体のコスト削減が可能になり、且つスリッター上刃の組み立て工数(時間)の短縮化とスリッター刃の交換作業の容易化も可能になる。
以上説明したように、本発明によれば、分解並びに組み立て作業が安全に、且つ容易に実施でき、更にコストを抑えた経済的な縦型多列自動包装機のスリッター装置を提供することができる。
以下に本発明に係る縦型多列自動包装機におけるスリッター装置の実施の形態を図面と共に説明する。図1は本発明を実施した縦型多列自動包装機の正面図であり、図2は本発明を実施した縦型多列自動包装機の側面図である。これらの図面において各々符号1で全体的に示した自動包装機は、一度に複数本のスティック包装袋を連続的にシール成形できるように構成されている。なお、図1における縦型多列自動包装機の列数は6列の例で説明しているが、この列数は原反ロールフィルム幅に応じた任意の値を採用することができる。
図1と図2に示すように、1Fは本体フレーム、2は被包装材料(内容物)を収容したホッパー、3はホッパー2から供給される被包装材料を計量した後充填パイプ4に供給する計量供給盤、4はスリットされて幅が狭くなった複数条(図1に示した6列の例では6条)の包装フィルムF’を略円筒状にフォーミングすると共に被包装材料の投入通路となる充填パイプ、5は縦シール装置、6はその下に設けた横シール装置、7は出来上がった連続包装袋を支える袋ガイド、8は連続包装袋の横シール中央付近に対してミシン目カットを施す手段と直線カットを施す手段を選択的に行使できる連切りカッター装置、9は切り離された個別包装袋を受け取るすべり台、10は操作パネルボックスである。
図2において、FHは幅の広い包装フィルム(包材)を巻いた原反ロール、Fはこの原反ロールFHから引き出された幅の広いフィルム、12はこの幅の広いフィルムFを上記充填パイプ4の列数に合わせて幅の狭い複数条の包装フィルムF’にスリットするスリッター装置である。そして上記横シール装置6の上下運動に従って順次下方に引き出された各包装フィルムF’は各充填パイプ4の周囲を包むように略円筒状にフォーミングされる仕組みになっている。
上記縦型多列自動包装機は、縦シール装置5の縦ヒートシーラによって各包装フィルムF’の開放両端同士を挟み込んで縦シールして、各包装フィルムF’を略円筒形状にシール成形する。更に、この略円筒形状の包装フィルムF’に対して横シール装置6で横シールした後、上記充填パイプ4を通して各包装フィルムF’の内部に被包装材料(内容物)を投入し、同時に横シール装置9により挟持したまま1包装袋分下方に移動させて包装フィルムF’の引き出しを行うと共にこの横シール装置9を上方に復帰作動させて再度横シールを行うことによって、スティック包装袋を多列式にシール成形するものである。
そして、上記の動作を連続して繰り返し行い、且つ各横シールの中央部分をカッター装置8でミシン目カット若しくは直線カット(切断)することにより、一度に多数本のスティックタイプ個別包装袋を連続的に生産できるように構成されている。なお、図1と同様に、2はホッパー、3は計量供給盤であり、11は計量供給盤3を駆動するモータである。
図3は、本発明の縦型多列自動包装機に用いられたスリッター装置12の概略正面図である。図3に示すように、スリッター装置12は、幅の広いフィルムを挟み込んで切断するスリッター上刃機構と、スリッター下刃機構で構成され、スリッター上刃機構は、スリッターホルダ24を介してスリッター上刃22がそれぞれ複数個ずつ上刃駆動軸20に取り付けられており、この上刃駆動軸20にはモータが連結されて回転駆動されている。そして、このスリッター上刃22とスリッターホルダ24を含む部分をスリッター上刃セット14とする。
また、スリッター下刃機構は、上記スリッター上刃22と接圧しているスリッター下刃23がそれぞれ複数個ずつ下刃駆動軸21に取り付けられており、この下刃駆動軸21にはモータが連結されて回転駆動されている。
そして、この複数のスリッター上刃22とスリッター下刃23が接圧されている部分に幅の広いフィルムを挟み込み、上刃駆動軸20と下刃駆動軸21を相対的に逆方向に回転させてフィルム移送方向に添って裁断している。なお、フィルムを切断する刃先が施されているのはスリッター上刃22であり、このため、切れ具合を維持するために、定期的にスリッター上刃22を交換する必要がある。
一方、このスリッター上刃とスリッター下刃は、図1及び図2に示した6列の例では7組取り付けられており、縦型多列自動包装機の列数に応じた組数が構成されている。
図4は、本発明のスリッター上刃セット14の構造を説明するための側面概念図であり、図5は、本発明のスリッター上刃セット14の構造を説明するために一部構成部材を分解して表示している正面概念図である。図4、図5に示すように、本発明のスリッター上刃セット14は、高硬度の超硬合金で出来たスリッター上刃22と、このスリッター上刃22を駆動軸に固定するスリッターホルダ24と、スリッター上刃22をスリッター下刃に向かって接圧した際に発生する反発力を吸収する役目を担うゴム等の弾性部材25と、スリッター上刃22とゴム等の弾性部材25をスリッターホルダ24に固定するためのホルダクランプ26とで構成されている。
なお、このような本発明のスリッター上刃セット14の組み立て状態は、図5に示すように、スリッターホルダ24にゴム等の弾性部材25とスリッター上刃22を嵌め込み、スリッターホルダ24の装着軸に形成された雄ネジ部27とホルダクランプ26の内径に形成された雌ネジ部28を螺動締結させてスリッター上刃22とゴム等の弾性部材25をスリッターホルダ24に止着している。
また、ホルダクランプ26には、増し締め作業を行うための穴部29が穿口されている。
図6は、本発明のスリッター上刃セット14において、スリッターホルダ24とホルダクランプ26の螺動増し締め作業を説明した概念図である。図6に示すように、スリッターホルダ24とホルダクランプ26の螺動締結によって、ゴム等の弾性部材25とスリッター上刃22がスリッターホルダ24に止着されている状態を表しており、この螺動増し締め作業を行うために、ホルダクランプ26の穴部29に棒状工具30が差し込まれている。そして、この棒状工具30の最遠端を持って矢印方向に回転させることによって、スリッターホルダ24とホルダクランプ26の螺動増し締め作業が容易に実現できる。
即ち、この螺動増し締め作業は梃子の原理を応用しており、この棒状工具30は穴部29に差し込み可能な六角レンチ等で代用できる。
以上、本発明のスリッター上刃の取り付け構造は、縦型多列自動包装機の例で説明したが、これに限定するものではなく、幅の広い原反包装フィルムを各包装袋で必要なサイズ毎に切り分ける各種自動包装機のスリッター装置全般に適用することができる。
例えば、幅の広い原反包装フィルムをスリッター装置によって半分に切り分け、この二つの包装フィルムを重ね合わせて前後左右四方向をヒートシールするロールタイプの自動包装機のスリッター装置等においても適用可能である。
なお、本発明の実施の形態は、本発明を具現化するための一例を示したものであり、特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
本発明を実施した縦型多列自動包装機の正面図である。 本発明を実施した縦型多列自動包装機の側面図である。 本発明の縦型多列自動包装機に用いられたスリッター装置12の概略正面図である。 本発明のスリッター上刃セット14の構造を説明するための側面概念図である。 本発明のスリッター上刃セット14の構造を説明するために一部構成部材を分解して表示している正面概念図である。 本発明のスリッター上刃セット14において、スリッターホルダ24とホルダクランプ26の螺動増し締め作業を説明した概念図である。 従来のスリッター上刃セット140の構造を説明するための側面概念図である。 従来のスリッター上刃セット140の構造を説明するために一部構成部材を分解して表示している正面概念図である。
符号の説明
1 自動包装機
1F 本体フレーム
2 ホッパー
3 計量供給盤
4 充填パイプ
5 縦シール装置
6 横シール装置
7 袋ガイド
8 カッター装置
9 すべり台
10 操作パネルボックス
11 モータ
F 包装フィルム
FH 包装フィルムを巻いたロール
12 スリッター装置
14 スリッター上刃セット
20 上刃駆動軸
21 下刃駆動軸
22 スリッター上刃
23 スリッター下刃
24 スリッターホルダ
25 弾性部材
26 ホルダクランプ
27 雄ネジ部
28 雌ネジ部
29 穴部
30 棒状工具
124 従来のスリッターホルダ
125 スプリング
126 ストップリング
127 クランプ板
128 溝部
129 ネジ穴部
130 皿ネジ
140 従来のスリッター上刃セット

Claims (2)

  1. 幅の広いフィルムを複数条の包装フィルムにスリットするスリッター装置と、
    この複数条の包装フィルムを筒状にフォーミングしながら縦シール及び横シールして包装袋にする縦シール装置及び横シール装置と、
    この包装袋内に被包装材料(内容物)を充填する充填装置と、
    この被包装材料(内容物)が充填された包装袋の充填口を封止すると共にこの包装袋を下方に連続的に搬送する横シール装置と、
    この搬送された連続包装袋の横シール中央部分に対してカットを施して個別包装袋にするカッター装置とを備えた縦型多列自動包装機であって、
    前記スリッター装置は、幅の広いフィルムを挟み込んで切断するスリッター上刃機構と、スリッター下刃機構で構成され、
    前記スリッター上刃機構は、モータが連結された駆動軸と、複数のスリッター上刃と、当該スリッター上刃をスリッター下刃に向かって接圧した際に発生する反発力を吸収する複数のゴム等弾性部材と、スリッター上刃を駆動軸に固定する複数のスリッターホルダを有し、
    前記スリッターホルダは、当該スリッターホルダの装着軸に形成されたネジ部に螺動締結されたホルダクランプによって、この装着軸に嵌め込まれた弾性部材とスリッター上刃を止着して成ることを特徴とする縦型多列自動包装機のスリッター装置。
  2. 前記ホルダクランプの外周部には穴部が穿口されており、スリッターホルダに弾性部材とスリッター上刃を止着する際に、この穴部に差し込まれた棒状工具の最遠端を回して、スリッターホルダとホルダクランプの螺動増し締め作業を行うことを特徴とする請求項1記載の縦型多列自動包装機のスリッター装置。
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