JP2009125796A - 粉末成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料粉末を圧縮して圧粉体を得る粉末成形方法において、内径および外径が均一のパイプ状の圧粉体であっても、中立層の発生を効果的に防止することができ、結果として全域に亘って均一な密度の圧粉体を得る。
【解決手段】ダイ11を回転させるダイはすば溝14とダイはすば20を形成する。ダイはすば溝14は、ダイはすば20に螺合状態で、常時係合している。また、コアロッド25を回転させるコアロッドはすば溝22とコアロッドはすば26を形成する。コアロッドはすば溝22は、コアロッドはすば26に螺合状態で、常時係合している。キャビティ33内に充填された原料粉末1を、上パンチ34と下パンチ17とにより圧縮成形するとき、ダイ11がダイ孔12の軸心12aを回転軸として回転するとともに、コアロッド25がコアロッド25の軸心25cを回転軸としてダイ11の回転と逆方向と回転する。
【選択図】図2

Description

本発明は、粉末を圧縮して圧粉体を得る粉末成形法において、全域に亘って均一な密度の圧粉体を成形する方法に関する。
粉末冶金法(押型成形法)は、成形工程で圧粉体を成形した後、この圧粉体を焼結し、サイジングや含油などを施して製品を得る方法である。粉末冶金法の成形工程には、片押成形法、両押成形法、フローティングダイ法、ウィズドロアル法などの方法がある。これら方法は、ダイに形成され、圧粉体の外形を形成するダイ孔と、下端面を形成する下パンチによってキャビティを形成し、そのキャビティ内に金属粉末などの原料粉末を充填し、上端面を形成する上パンチと下パンチによって目標寸法になるまで上下方向から加圧して圧粉体を形成する単軸成形法である。これら方法では、上下のパンチのみでキャビティ内に充填された原料粉末を加圧している。また、これら方法では、圧粉体に中空を形成するコアロッドが用いられる場合もある。
上記各方法で円筒状やパイプ状などの比較的長い圧粉体を成形すると、上下のパンチに近いところでは密度が高くなるが、上下のパンチから遠ざかるにつれて密度が低くなるという傾向がある。すなわち、上下のパンチからもっと遠い圧粉体の中間領域が低密度になる。これは、次を理由としている。上下のパンチによる加圧力は、原料粉末とダイ、または、原料粉末とコアロッドの間に生じる摩擦抵抗によって損失される。また、上下のパンチから遠ざかるにつれ、原料粉末を鉛直方向に圧縮する加圧力がダイ孔やコアロッドの側面を加圧する側圧となり、圧粉体に対する鉛直方向の加圧力が損失される。このため、中間領域に近づくにつれて加圧力が減少し、中間領域に低密度の領域が形成される。この低密度の領域は、ニュートラルゾーン(Neutral Zone:以下、ニュートラルゾーンを中立層と称する)と言われ、製品の機械的強度や耐摩耗性の低下を招いてしまう。このような中立層の発生を防ぐ方法として、例えば特許文献1〜3に記載の方法がある。
特許第2809288号公報 特開2002−321098号公報 特開2002−321099号公報
上記各特許文献では、コアロッドやダイ孔を特殊な形状に形成し、コアロッドを反復させるなどの動作を加えて、中立層の発生を防止している。上記特許文献1では、コアロッドに段差が形成されている。このようなコアロッドを用いると、圧粉体は、内径の一端が広がる形状になる。このため、内径が直線に形成されたパイプ状の圧粉体を得ることが難しく、圧粉体の形状が制限される。また、上記特許文献2、3では、ダイが、外径の一端が萎んだ形状になっている。このため、外径が均一のパイプ状の圧粉体を得ることが難しく、圧粉体の形状が制限される。
上記のように一般的な各成形方法では、キャビティ内に充填された原料粉末が上下のパンチだけによって加圧されている。しかしながら、上記各特許文献では、コアロッドを反復させるなどの動作を加えているため、一般的な各成形方法に比べ、成形ストロークが長くなり、生産効率が低下する。このように、上記各特許文献の成形方法では中立層の発生を防ぐことはできるが、圧粉体の形状に制限が生じたり、生産効率が低下するといった問題が生じる。
よって、本発明は原料粉末を圧縮して圧粉体を得る粉末成形方法において、内径および外径が均一のパイプ状の圧粉体であっても、中立層の発生を効果的に防止することができ、結果として全域に亘って均一な密度の圧粉体を得ることができる粉末成形方法を提供することを目的としている。
本発明の粉末成形方法は、ダイに形成され、圧粉体の外周面を成形する横断面円形状のダイ孔と、圧粉体の内周面を成形する円柱状のコアロッドと、圧粉体の下端面を成形する下パンチとで形成されるダイキャビティ内に粉末を充填し、粉末を、圧粉体の上端面を成形する上パンチと下パンチとにより圧縮成形するにあたり、ダイ孔の軸心を回転軸としてダイをダイ回転手段により回転させるとともに、コアロッドの軸心を回転軸としてコアロッドをコアロッド回転手段によりダイの回転方向と逆方向に回転させながら粉末の圧縮成形を行うことを特徴としている。
本発明では、上下のパンチによる粉末の加圧時に、ダイ孔の軸心を回転軸としてダイ回転手段によってダイを回転させるとともに、コアロッドの軸心を回転軸としてコアロッド回転手段によってコアロッドをダイの回転方向と逆方向に回転させる。これにより、粉末の外周面がダイ孔と摺接し、また、粉末の内周面がコアロッドと摺接する。このような状態で、一般的な成形方法と同様に、粉末を上下のパンチによって圧縮、成形することにより、圧粉体が得られる。本発明によれば、ダイとコアロッドを回転させることにより、粉末とダイ孔間および粉末とコアロッド間に生じる摩擦抵抗が減少する。また、粉末とダイ孔および粉末とコアロッドが摺接することで側圧が減少する。この結果、上下のパンチによる加圧力が中間領域まで伝わり易くなり、中立層の発生を効果的に防ぐことができる。また、摩擦抵抗や側圧による鉛直方向の加圧力の損失が抑えられることから、従来と同密度の圧粉体を得るにあたっては、従来より少ない加圧力で済む。このように、本発明では、ダイ孔やコアロッドを特殊な形状に形成することなく中立層の発生を防止できるため、内径および外径が均一のパイプ状の圧粉体であっても、中立層のない密度が均一の圧粉体が得られる。また、本発明では、上下のパンチによる粉末の加圧動作中にダイおよびコアロッドを回転させるため、上下のパンチだけによって粉末を加圧する一般的な成形方法と同様な成形ストロークで成形が可能である。また、キャビティ内に充填された粉末に偏りが生じても、ダイおよびコアロッドを回転させることで粉末が均される。そのため、圧粉体は、径方向の密度差が無くなり、真円度が向上する。
本発明では、ダイキャビティ内への粉末の充填を、ダイ孔の軸心を回転軸としてダイをダイ回転手段により回転させるとともに、コアロッドの軸心を回転軸としてコアロッドをコアロッド回転手段によりダイの回転方向と逆方向に回転させながら行うことが好ましい。このように粉末の充填時にダイおよびコアロッドを回転させることで、キャビティ内の空気が円滑に追い出され、粉末がキャビティ内に一様に充填される。この結果、粉末の充填時に空気の混入が減少し、キャビティ内に充填された粉末が緻密で均一な状態になり、上下のパンチによる加圧力が粉末の中間領域まで伝わり易くなる。
本発明によれば、ダイおよびコアロッドを各回転手段によって回転させることにより上下のパンチの加圧力を円滑に中間領域まで伝えることができるため、中立層の発生を防止することができる。また、ダイ孔やコアロッドを特殊な形状に形成する必要がなく、一般的な成形動作で圧粉体が得られる。この結果、内径および外径が均一のパイプ状の圧粉体であっても、中立層の発生を効果的に防止することができ、結果として全域に亘って均一な密度の圧粉体を得ることができるといった効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
[1]金型装置
図1および図2を参照して、本発明の製造方法を実施し得るに好適な一実施形態の金型装置を説明する。
図1は、金型装置10のキャビティ33内に、所定の組成に配合された金属粉末と成形潤滑剤とが混合した原料粉末1が充填された様子を示した断面図である。また、図2は、原料粉末1が上パンチ34と下パンチ17とにより圧縮された様子を示した断面図である。金型装置10は、円筒状のダイ孔12が形成されたダイ11と、ダイ11を回転自在に支持するダイプレート15と、ダイ孔12の中心に配置される円筒状のコアロッド25と、原料粉末1を圧縮する上下一対の円筒状の上パンチ34および下パンチ17とを具備している。
ダイ11の下端面には、円筒状の凹部13が形成されており、ダイ孔12は、ダイ11の上端面11aから凹部13の上面13aにわたって貫通している。この凹部13の内周面には、全周に亘ってダイはすば溝14が形成されている。ダイプレート15には、ダイ11が装着されるダイ挿入孔15aが形成されている。このダイ挿入孔15aの内周面には、複数の凹部15bが、周方向に等間隔をおいて、かつ、軸方向に2組の状態で形成されている。これら凹部15b内には、ボール16が転動可能に収納されている。ダイ11は、ダイ挿入孔15aに、ダイ11の外周面11bがボール16に接触する状態に、ダイ挿入孔15aと同心状に挿入されている。ボール16を介してダイプレート15に装着されたダイ11は、ダイ孔12の軸心12aを回転軸として回転自在となっている。
下パンチ17は、外周面の全周に亘ってダイはすば20が形成されている円筒状の下パンチ台19の上面19aの中心に、パンチ止め具18によってダイ孔12と同心状に取り付けられている。下パンチ17の外径は、ダイ孔12内に摺動可能に挿入される寸法である。下パンチ17の下端面には、円筒状の凹部21が形成されており、貫通孔17bが、下パンチ17の上端面17aから凹部21の上面21aにわたって貫通している。この凹部21の内周面には、全周に亘って、コアロッドはすば22が形成されている。コアロッドはすば22のねじ山は、ダイはすば20と逆方向にねじれて形成されている。下パンチ台19は、台止め具23によってグランドプレート24の上面24aの中心に固定されている。グランドプレート24は、金型装置10の図示せぬ基台に固定されている。グランドプレート24の中心には、コアロッド25が貫通する貫通孔24bが形成されている。また、下パンチ台19の中心には、鉛直方向に貫通する貫通孔19bが形成されている。
下部ラム30の上端に固定されたコアプレート31の上面31aの中心には、ボール受け具27が配設されている。このボール受け具27には、ボール28が周方向に等間隔をおいて転動可動に装着されている。コアロッド25は、下部25bをボール受け具27のボール28と接触する状態で、コアロッド支持具29によりボール受け具27上に支持されている。ボール受け具27を介してコアプレート31に支持されたコアロッド25は、コアロッド25の軸心25cを回転軸として回転自在となっている。コアロッド25の中間部には、全周にわたってコアロッドはすば溝26が形成されている。このコアロッドはすば溝26は、コアロッドはすば22のねじ山に対応するように形成されており、ダイはすば溝14とは逆方向にねじれて形成されている。コアロッド25は、下パンチ台19の貫通孔19bと、グランドプレート24の貫通孔24bとを貫通し、さらに、下パンチ17の貫通孔17bに摺動自在に挿入されている。コアロッド25の上端面25aは、ダイ11の上端面11aと同一の高さに位置付けられている。コアプレート31の上面31aの両端には、複数(図では2本)のコラム32が立設している。このコラム32は、グランドプレート24を貫通しており、このコラム32の上端に、ダイプレート15が固定されている。すなわち、ダイプレート15とコアロッド25は、下部ラム30の昇降につれて同時に上下する。原料粉末1が充填されるキャビティ33は、ダイ孔12と、下パンチ17の上端面17aと、コアロッド25とによって円筒状に形成される。
ダイ11に形成されたダイはすば溝14は、下パンチ台19の外周面に形成されたダイはすば20に螺合する状態で、常時係合している。また、コアロッド25の中間部に形成されたコアロッドはすば溝26は、下パンチ17の内周面に形成されたコアロッドはすば22に螺合状態で、常時係合している。ダイはすば20とダイはすば溝14またはコアロッドはすば22とコアロッドはすば溝26の噛合いは、一般的なはすば歯車の噛合いと同じである。下部ラム30が上下動するのに伴って、ダイ11は、ダイ孔12の軸心12aを回転軸として回転しながら、下パンチ台19に沿って上下動する。また、コアロッド25は、コアロッド25の軸心25cを回転軸として回転しながら、下パンチ17に沿って上下動する。各はすば20、22のねじ山は、互いに逆方向にねじれて形成されており、また、このねじ山に対応して各はすば溝14、26が形成されている。この結果、下部ラム30昇降時のダイ11とコアロッド25は、図3に示すように、互いに逆方向に回転する。
図2に示すように、圧粉体の上端面を形成する上パンチ34は、上パンチ止め具35によって上部ラムプレート36に固定されている。上パンチ34の外径はダイ孔12内に摺動可能に挿入される寸法であり、上パンチ34は、ダイ孔12と同心状に設置されている。また、上パンチ34の中心には、鉛直方向に貫通する上パンチ貫通孔34aが形成されている。上部ラムプレート36に固定された上パンチ34は、上部ラム(図示省略)により上下動し、下降時に、キャビティ33内に充填された原料粉末1が加圧される。
[2]圧粉体の成形方法
次に、図1〜図5を参照して金型装置10を用いた圧粉体の成形方法を説明する。
まず最初に、図1に示すように下部ラム25を上昇させ、ダイ孔12と下パンチ17の上端面17aと、コアロッド25とによりキャビティ33を形成する。このキャビティ33内に原料粉末1がフィーダなどにより充填される。次いで、図2に示すように、上パンチ34が待機位置から下降し、原料粉末1が圧縮される。このとき、下部ラム30が、例えば、上パンチ34の下降速度の2分の1程度の速度で下降する。下部ラム30の下降に伴い、コラム32の上端に固定されたダイプレート15が下降する。このように、下パンチ17を固定し、下パンチ17に対して上パンチ34とダイ11を下降させることで、原料粉末1が上パンチ34と下パンチ17とによって上下両方向から圧縮される。ここで、上パンチ34と下パンチ17により原料粉末1が圧縮されるのと同時に、ダイ11のダイはすば溝14が下パンチ台19のダイはすば20に進入し、ダイ11が軸心12aを回転軸として回転する。また、コアロッド25のコアロッドはすば溝26が下パンチ17のコアロッドはすば22に進入し、コアロッド25が軸心25cを回転軸としてダイ11の回転と逆方向に回転する。このように、金型装置10においては、ダイ11およびコアロッド25を回転させながら原料粉末1が所望の寸法になるまで、上パンチ34と、下パンチ17とによって原料粉末1が加圧、圧縮される。
原料粉末1が所望の寸法まで圧縮されると、図4に示すように、上パンチ34は上部ラムによって上昇し、待機位置まで戻される。上パンチ34が待機位置に戻されたら、下部ラム30を、ダイ11の上端面11aが下パンチ17の上端面17aと同一平面をなす位置まで下降させる。下部ラム30の下降が完了すると、図6に示すような、コアロッド25によって中空が形成された円筒状の圧粉体2がダイ孔12内から取り出される。
図5の中心線の左側は、ダイ41およびコアロッド25を回転させずに、上パンチ34と下パンチ17とによって原料粉末1を加圧する一般的な方法(非回転式)を実施する金型装置40のキャビティ33内に、原料粉末1が充填された様子を示している。また、図5の中心線の右側は、原料粉末1が上パンチ34と下パンチ17とによって圧縮されている様子を示している。なお、本実施形態の金型装置10と同一構成要素には、同一の符号を付している。図5に示すように、非回転式では、ダイ41およびコアロッド25を回転させずに、上パンチ34と下パンチ17とによって原料粉末1を加圧して、圧粉体を成形している。非回転式では、原料粉末1とダイ41、または、原料粉末1とコアロッド25の間に生じる摩擦抵抗や、ダイ41およびコアロッド25の外周面を加圧する側圧によって、上パンチ34および下パンチ17による軸方向の加圧力が損失する。このため、非回転式で得られた圧粉体には、中間領域に低密度な領域である中立層が発生してしまい、製品の機械的強度や耐摩耗性の低下を招くおそれがある。
本実施形態では、上パンチ34と下パンチ17とによる原料粉末1の加圧時に、下パンチ台19の外周面に形成されたダイはすば20と、ダイ11の凹部13内周面に形成されたダイはすば溝14が螺合することによって、軸心12aを回転軸としてダイ11が回転する。また、下パンチ17の凹部21の内周面に形成されたコアロッドはすば22と、コアロッド25の中間部に形成されたコアロッドはすば溝26が螺合することによって、軸心25cを回転軸としてコアロッド25が回転する。これにより、原料粉末1の外周面がダイ孔12と摺接し、また、原料粉末1の内周面がコアロッド25と摺接する。このような状態で、非回転式と同様に、原料粉末1を上パンチ34と下パンチ17とによって圧縮することにより圧粉体2が成形される。本実施形態によれば、ダイ11とコアロッド25を回転させることにより、原料粉末1とダイ孔12の内周面および原料粉末1とコアロッド25の外周面との間に生じる摩擦抵抗が減少する。また、原料粉末1とダイ孔12の内周面および原料粉末1とコアロッド25の外周面が摺接することで、原料粉末1の加圧によって生じる側圧が減少する。この結果、上パンチ34と、下パンチ17とによる加圧力が原料粉末1の中間領域まで伝わり易くなり、中立層の発生を効果的に防ぐことができる。
また、摩擦抵抗や側圧による鉛直方向の加圧力の損失が抑えられることから、従来と同密度の圧粉体を得るにあたっては、従来より少ない加圧力で済む。このように、本実施形態では、ダイ孔12やコアロッド25を従来のような特殊な形状に形成することなく中立層の発生を防止できるため、図6に示すような内径および外径が均一のパイプ状の圧粉体2であっても、中立層のない密度が均一の圧粉体が得られる。また、本実施形態では、原料粉末1の加圧動作中にダイ11およびコアロッド25が回転するため、非回転式と同様な成形ストロークで成形が可能である。また、キャビティ33内に充填された原料粉末1に偏りが生じても、ダイ11およびコアロッド25を回転させることで原料粉末1が均される。そのため、圧粉体2は、径方向の密度差が無くなり、真円度が向上する。
図7は、図5に示すような非回転式の方法および本実施形態の方法で得られたそれぞれの圧粉体(全長40mm)の軸方向の密度分布を示した図である。Aは、非回転式の方法で得られた圧粉体、Bは本実施形態の方法で得られた圧粉体を示している。図7に示すように、非回転式の方法で得られた圧粉体は、端部と中間領域との密度差が0.5g/cmであった。しかしながら、本実施形態で得られた圧粉体は、端部と中間領域との密度差が0.1g/cmであった。このように、本実施形態では、全域に亘って密度が均一な圧粉体が成形される。
[3]他の実施形態
上記実施形態では、下部ラム30の上下動と同期させてダイ11とコアロッド25を回転させていたが、回転手段を別途設けてダイ11およびコアロッド25を独立して回転させても本発明の方法を実施できる。以下、この実施形態について図8〜図10を参照して説明する。なお、上記実施形態の金型装置10と同一構成要素には、同一の符号を付している。
図8および図9に示すように、金型装置50は、円筒状のダイ孔12が形成された円筒状のダイ11と、ダイ11を回転自在に支持するダイプレート15と、ダイ孔12の中心に配置されるコアロッド25と、原料粉末1を圧縮する上下一対の円筒状の上パンチ34および下パンチ17とを具備している。ダイプレート15には、上記実施形態と同様に、ダイ挿入孔15aが形成されており、このダイ挿入孔15aの内周面には複数の凹部15bが、周方向に等間隔をおいて、かつ、軸方向に2組の状態で形成されている。これら凹部15b内には、ボール16が転動可能に収納されている。ダイ11は、ダイ挿入孔15aに、ダイ11の外周面11bがボール16に接触する状態に、ダイ挿入孔15aと同心状に挿入されている。ダイプレート15に装着されたダイ11は、ダイ孔12の軸心12aを回転軸として回転自在となっている。また、ダイ11の下部には、ダイ11を回転させるダイ回転装置51が配設されている。このダイ回転装置51は、ダイ11の下端面11cに、ダイ11と同心状に形成された環状のラック52と、ラック52に螺合するピニオン53と、ピニオン53を回転させるモータ(図示省略)とにより構成されている。このダイ回転装置51によれば、ピニオン53が一方向に回転することにより、ピニオン53が螺合しているラック52が回転送りさせられる。したがって、ラック52と一体のダイ11が、軸心12aを回転軸として回転するようになっている。
下パンチ17は、グランドプレート24の中心に、パンチ止め具18によってダイ孔12と同心状に取り付けられている。下パンチ17の外径は、ダイ孔12内に摺動可能に挿入される寸法である。下パンチ17の中心には、鉛直方向に貫通する貫通孔17bが形成されている。グランドプレート24は、上記実施形態と同様に、金型装置50の図示せぬ基台に固定されている。グランドプレート24の中心には、コアロッド25が貫通する貫通孔24bが形成されている。
コアロッド24は、上記実施形態と同様に、ボール受け具27を介して、下部ラム30の上端に固定されたコアプレート31の上面31aにコアロッド支持具29によって支持されている。ボール受け具27を介してコアプレート31に支持されたコアロッド25は、コアロッド25の軸心25cを回転軸として回転自在となっている。コアロッド25の下方には、コアロッド25を、ダイ11の回転と逆方向に回転させるコアロッド回転装置54が配設されている。このコアロッド回転装置54は、コアロッド25の下方の外周全面にわたって形成された従動ギヤ55と、従動ギヤ55に螺合する駆動ギヤ56と、駆動ギヤ56を回転させるモータ(図示省略)とにより構成されている。従動ギヤ55と駆動ギヤ56には、例えば、すぐばかさ歯車が用いられる。このコアロッド回転装置54によれば、駆動ギヤ56が一方向に回転することにより、駆動ギヤ56が螺合している従動ギヤ55が回転送りさせられる。したがって、従動ギヤ55と一体のコアロッド25が、軸心25cを回転軸としてダイ11の回転と逆方向に回転するようになっている。コアロッド25の上端面25aは、ダイ11の上端面11aと同一の高さに位置付けられている。コアロッド25は、グランドプレート24の貫通孔24bを貫通し、さらに、下パンチ17の貫通孔17bに摺動自在に挿入されている。
コアプレート31の上面31aの両端には、複数(図では2本)のコラム32が立設している。このコラム32は、グランドプレート24を貫通しており、このコラム32の上端に、ダイプレート15が固定されている。すなわち、ダイプレート15とコアロッド25は、下部ラム30の昇降につれて同時に上下動する。原料粉末1が充填されるキャビティ33は、ダイ孔12と、下パンチ17の上端面17aと、コアロッド25とによって円筒状に形成される。
図9に示すように、上記実施形態と同形状である上パンチ34は、上パンチ止め具35によってダイ孔12と同心状に上部ラムプレート36に固定されている。上部ラムプレート36に固定された上パンチ34は、上部ラム(図示省略)により上下動し、下降時にキャビティ33内に充填された原料粉末1が加圧される。
この金型装置50による圧粉体の成形方法は、まず最初に、ダイ回転装置51によってダイ11を回転させるとともに、コアロッド回転装置54によってコアロッド25を回転させる。次いで、ダイ11およびコアロッド25が回転しているキャビティ33内に、金属粉末などの原料粉末1がフィーダなどにより充填される。次いで、ダイ11およびコアロッド25を回転させたまま、上記実施形態と同様に、上パンチ34と下部ラム30が下降し、原料粉末1が所望の寸法になるまで加圧、圧縮される。
原料粉末1が所望の寸法まで圧縮されると、図10に示すように、上パンチ34は上部ラムによって上昇し、待機位置に戻される。上パンチ34が待機位置に戻されたら、ダイ回転装置51によるダイ11の回転を停止させる。また、コアロッド回転装置54によるコアロッド25の回転を停止させる。ダイ11およびコアロッド25の回転を停止させたら、下部ラム30を、ダイ11の上端面11aが下パンチ17の上端面17aと同一平面をなす位置まで下降させる。これにより、図6に示すような、コアロッド25によって中空が形成された円筒状の圧粉体2がダイ孔12内から取り出される。
この実施形態では、上記実施形態と同様に、原料粉末1の加圧時にダイ11およびコアロッド25を回転させることができる。このため、内径および外径が均一のパイプ状の圧粉体2であっても、中立層の発生を効果的に防止することができ、結果として全域に亘って均一な密度の圧粉体を得ることができる。
また、上記実施形態では下部ラム30を下降させることで、ダイ11とコアロッド25が回転したが、この実施形態ではダイ回転装置51とコアロッド回転装置54を備えているため、ダイ11とコアロッド25の回転動作は、下部ラム30などの動作と係わりを持たず独立して行える。このため、原料粉末1をキャビティ33内へ充填させるとき、ダイ回転装置51とコアロッド回転装置54によりダイ11およびコアロッド25を回転させことができる。このように原料粉末1の充填時にダイ11およびコアロッド25を回転させることで、キャビティ33内の空気が円滑に追い出され、原料粉末1がキャビティ33内に一様に充填される。この結果、原料粉末1の充填時に空気の混入が減少し、キャビティ33内に充填された原料粉末1が緻密で均一な状態になり、上パンチ34、下パンチ17による加圧力が原料粉末1の中間領域まで伝わり易くなる。
上記各実施形態では、ダイ11およびコアロッド25を、下部ラム30の上下動に同期させることのみで回転させたり、各回転装置51、54のみで回転させている。しかしながら、これらを組み合わせてダイ11およびコアロッド25を回転させても、上記各実施形態と同様な効果が得られる。図11に示す金型装置60では、ダイ11をダイはすば20とダイはすば溝14により回転させ、また、コアロッド25をコアロッド回転装置54により回転させる構成としている。図12に示す金型装置61では、ダイ11をダイ回転装置51により回転させ、また、コアロッド25をコアロッドはすば22とコアロッドはすば溝26により回転させる構成としている。これら回転手段の組み合わせは、製品の仕様や製造コストなどを考慮して適宜選択される。
本発明の一実施形態の金型装置のキャビティ内に原料粉末が充填された様子を示した断面図である。 一実施形態の金型装置によって、原料粉末を圧縮している様子を示した断面図である。 図2のA−A断面図である。 一実施形態の金型装置で得られた圧粉体を取り出す様子を示した断面図である。 非回転式を実施する金型装置によって圧粉体を成形する様子を示した断面図である。 一実施形態の金型装置で得られた圧粉体を示した斜視図である。 一実施形態の金型装置および非回転式を実施する金型装置で得られた圧粉体の密度を示した図である。 本発明の他の実施形態の金型装置のキャビティ内に原料粉末が充填された様子を示した断面図である。 他の実施形態の金型装置によって、原料粉末を圧縮している様子を示した断面図である。 他の実施形態の金型装置で得られた圧粉体を取り出す様子を示した断面図である。 下部ラムの上下動と同期させることによりダイを回転させ、また、回転装置によってコアロッドを回転させる金型装置を示した断面図である。 回転装置によりダイを回転させ、また、下部ラムの上下動と同期させることによりコアロッドを回転させる金型装置を示した断面図である。
符号の説明
1…原料粉末
2…圧粉体
2a…圧粉体の上端面
2b…圧粉体の下端面
2c…圧粉体の内周面
2d…圧粉体の外周面
11…ダイ
12…ダイ孔
12a…ダイ孔の軸心
14…ダイはすば溝(ダイ回転手段)
17…下パンチ
20…ダイはすば(ダイ回転手段)
22…コアロッドはすば(コアロッド回転手段)
25…コアロッド
25c…コアロッドの軸心
26…コアロッドはすば溝(コアロッド回転手段)
33…キャビティ
34…上パンチ
51…ダイ回転装置
54…コアロッド回転装置

Claims (2)

  1. ダイに形成され、圧粉体の外周面を成形する横断面円形状のダイ孔と、圧粉体の内周面を成形する円柱状のコアロッドと、圧粉体の下端面を成形する下パンチとで形成されるダイキャビティ内に粉末を充填し、該粉末を、圧粉体の上端面を成形する上パンチと前記下パンチとにより圧縮成形するにあたり、
    前記ダイ孔の軸心を回転軸として前記ダイをダイ回転手段により回転させるとともに、前記コアロッドの軸心を回転軸として前記コアロッドをコアロッド回転手段によりダイの回転方向と逆方向に回転させながら粉末の圧縮成形を行うことを特徴とする粉末成形方法。
  2. 前記ダイキャビティ内への前記粉末の充填を、前記ダイ孔の軸心を回転軸として前記ダイを前記ダイ回転手段により回転させるとともに、前記コアロッドの軸心を回転軸として前記コアロッドを前記コアロッド回転手段によりダイの回転方向と逆方向に回転させながら行うことを特徴とする請求項1に記載の粉末成形方法。
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