JP2009125627A - 超音波振動子の共振周波数追従装置 - Google Patents

超音波振動子の共振周波数追従装置 Download PDF

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Abstract

【課題】デジタル化した超音波振動子の共振周波数追従装置を提供する。
【解決手段】駆動時の超音波振動子に印加される電圧と電流とを検出し、検出電圧及び検出電流を矩形波に変換する波形整形手段と、前記検出電圧の矩形波と前記検出電流の矩形波との位相差を表す基準クロック数Δφを算出する位相差算出手段30と、前記基準クロック数Δφを基に前記位相増加分を生成する入力値算出手段40と、前記位相増加分が逐次入力するDDS50で生成された波形の信号を増幅して超音波振動子の印加電圧を生成する増幅手段とを備え、位相差算出手段30、入力値算出手段40及びDDS50がデジタルデジタル回路で構成されていることを特徴としている。位相差算出手段30、入力値算出手段40及びDDS50を1チップ化することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、超音波振動子の印加電圧が共振周波数から外れないように、印加電圧の周波数を共振周波数に追従させる共振周波数追従装置に関し、特に、装置のデジタル化を図るものである。
従来から、ランジュバン型に代表される超音波振動子は、超音波洗浄機、超音波カッター、超音波溶着機、超音波研磨機など、各種分野で広く利用されている。ランジュバン型超音波振動子は、図16に示すように、環状の圧電体81、82と、これをボルト締めする金属ブロック83、84とを有しており、圧電体81、82の間、及び、圧電体81、82と金属ブロック83、84との間に電極(不図示)が配置され、この電極間に交流電圧が印加され、圧電体81、82に縦振動が励振される。この超音波振動子は、印加する交流電圧の周波数を超音波振動子の共振周波数に設定すると、共振現象により、強力な超音波が発生する。
超音波振動子の共振周波数は、金属ブロック84の先端と物体との接触状態が変化(振動子の境界条件の変化)した場合に変わり、また、印加電圧、使用温度、経年変化等によっても変わる。そのため、超音波振動子に印加する電圧の周波数を共振周波数の変化に追従させる共振周波数追従装置が必要になる。
従来の共振周波数追従装置は、下記特許文献1に示すように、チョークコイル等を備えるアナログ回路で構成され、そのインダクタンス等を調整して共振周波数への追従を図っている。
特開平7−265794号公報
しかし、アナログ回路で構成された従来の超音波振動子の共振周波数追従装置は、構成が複雑で、小型化が困難であり、また、デジタル制御機器との連携にコストが掛かり、超音波振動子を含むシステムのインテリジェント化の妨げになっている。
本発明は、こうした事情を考慮して創案したものであり、デジタル化を可能にした超音波振動子の共振周波数追従装置を提供することを目的としている。
本発明は、駆動時の超音波振動子に印加される電圧と前記超音波振動子に流れる電流とを検出し、検出電圧と検出電流との位相差を算出してダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)に逐次入力する位相増加分を決定し、前記DDSの出力波形に基づいて前記超音波振動子に共振周波数の電圧を印加する共振周波数追従装置であって、前記検出電圧及び検出電流を矩形波に変換する波形整形手段と、前記検出電圧の矩形波と前記検出電流の矩形波との位相差を表す基準クロック数Δφを算出する位相差算出手段と、前記基準クロック数Δφを基に前記位相増加分を生成する入力値算出手段と、前記位相増加分が逐次入力する前記DDSで生成された波形の信号を増幅して前記超音波振動子の印加電圧を生成する増幅手段と、を備え、前記位相差算出手段、入力値算出手段及びDDSがデジタル回路で構成されていることを特徴としている。
この共振周波数追従装置の位相差算出手段は、超音波振動子の印加電圧と超音波振動子に流れる電流との位相差を基準クロック数で表す。印加電圧の周波数が共振周波数に一致しているときは、この基準クロック数は0になる。入力値算出手段は、位相差を表す基準クロック数に基づいてDDSの位相増加分を算出する。DDSは、加算器とラッチと、サイン波形等の波形データを記憶する波形メモリとを有しており、位相増加分が入力するごとに、増加した位相位置の波形データが波形メモリから順次出力され、共振周波数に追随する波形の信号が再現される。この信号が増幅されて超音波振動子に印加される。
また、本発明の共振周波数追従装置では、前記位相差算出手段が、前記検出電圧の矩形波の立ち上がり時点から次の前記検出電流の矩形波の立ち下がり時点までの前記基準クロック数φ1と、前記検出電圧の矩形波の立ち上がり時点から次の前記検出電圧の矩形波の立ち上がり時点までの前記基準クロック数φ2とをカウントし、
Δφ = φ1−(1/2)φ2
により、前記位相差を表す基準クロック数Δφを算出することを特徴とする。
この位相差算出手段は、2進数で表した基準クロック数φ2を1ビットだけ右側にシフトして(1/2)φ2を求め、φ1から(1/2)φ2を減算器で減算する。
また、本発明の共振周波数追従装置では、前記位相差算出手段が、前記基準クロック数Δφとして、前記検出電圧及び検出電流の複数個の矩形波における平均の位相差を算出するようにしても良い。
このように、位相差の平均を取ることにより、位相差の算出精度が向上する。
また、本発明の共振周波数追従装置では、前記入力値算出手段が、例えば、前記基準クロック数Δφに(1/2)nから成る比例ゲインKpを乗算して前記位相増加分を生成する。
基準クロック数Δφに対する比例定数Kpの乗算は、2進数で表した基準クロック数Δφをnビットだけ右側にシフトする処理になる。比例ゲインKpを小さく設定した場合、DDSの出力周波数は、共振周波数に向けて安定的に収斂するが、共振周波数に移行するまでの時間が長い。一方、比例ゲインKpを大きく設定した場合、DDSの出力周波数は、短い時間で共振周波数に移行するが、移行後も共振周波数に安定的に収斂するまでに時間が掛かる。
また、本発明の共振周波数追従装置では、前記入力値算出手段が、前記基準クロック数Δφに(1/2)nから成る比例ゲインKpを乗算した値と、前記基準クロック数Δφの時間差分に(1/2)mから成る比例ゲインKqを乗算した値とを加算して前記位相増加分を生成することも可能である。
ここでは、電圧・電流間の位相差と、その位相差の微分値とを加算して、DDSの位相増加分を更新する。この微分値の加算により、位相差が小さい場合でも、DDSの出力周波数が共振周波数に収斂するまでの時間を短縮することが可能になる。
また、本発明の共振周波数追従装置では、前記比例ゲインの乗算のために、シフト演算を使用することができる。
このように、シフト演算によって乗算を行うことにより、回路が簡素化され、また、演算速度の高速化が可能になる。
また、本発明の共振周波数追従装置では、前記位相差算出手段、入力値算出手段及びDDSを1チップに実装することができる。
そのため、装置の小型化が可能になる。
また、本発明の共振周波数追従装置では、前記位相差算出手段及び入力値算出手段をマイクロコンピュータに搭載し、前記入力値算出手段により算出された前記位相増加分が有線または無線通信回線を通じて前記DDSに逐次送信されるようにしても良い。
そのため、超音波振動子を含むシステムのインテリジェント化が可能になる。
本発明の超音波振動子の共振周波数追従装置は、主要部分をデジタル化することが可能である。そのため、装置を小型化することができ、また、超音波振動子を含むシステムのインテリジェント化を図ることができる。
本発明の超音波振動子の共振周波数追従装置における実施形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この共振周波数追従装置の全体構成を示すブロック図、図2は、図1の位相差算出手段、入力値算出手段及びDDSの構成を示す図、図3は、図2のカウンタの論理回路を示す図、図4は、図2の入力値算出手段の構成示す図、図5は、図4のPコントローラの論理回路を示す図、また、図6は、図2のDDSの論理回路を示す図である。
まず、超音波振動子の共振特性について説明する。
図14は、物体との接触が無い状態のランジュバン型超音波振動子に10V、20V及び40Vの電圧を印加して測定したランジュバン型超音波振動子の周波数特性を示している。図14の上半分は、振動振幅の周波数による変化を示し、図14の下半分は、超音波振動子に流れる電流の周波数による位相変化を示している。ここで、振動振幅が極大となる周波数が共振周波数である。
また、図15は、印加電圧を一定に設定したランジュバン型超音波振動子の先端に物体を接触させて、その接触圧を2N、4N及び6Nに変化させたときの超音波振動子の周波数特性を示している。図15の上半分は、振動振幅の周波数による変化を示し、図15の下半分は、超音波振動子に流れる電流の周波数による位相変化を示している。
図14及び図15から明らかなように、ランジュバン型超音波振動子に流れる電流の位相は、共振周波数において略ゼロであり、共振周波数より低い周波数では位相が進み、逆に、共振周波数より高い周波数では位相が遅れる。
そのため、ランジュバン型超音波振動子の印加電圧の位相と振動子に流れる電流の位相とを比較し、電流の位相が印加電圧の位相より進んでいれば、印加電圧の周波数は共振周波数より低く、電流の位相と印加電圧の位相とが一致していれば、印加電圧の周波数は共振周波数であり、また、電流の位相が印加電圧の位相より遅れていれば、印加電圧の周波数は共振周波数より高いと識別できる。
この共振周波数追従装置は、この印加電圧と電流との位相差Δφに基づいて超音波振動子の共振周波数を推定し、共振周波数への追従を行う。
いま、印加電圧の波形を発生する発振器の発振周波数をfとすると、印加電圧と電流との位相差Δφを繰り返し計測して、その度に逐次式(数1)を用いて発振周波数fを更新することにより、発振周波数fを共振周波数に追従させることができる。
n+1 = fn−Kp・Δφ (数1)
ここで、Kpは、応答の速さを決定する比例ゲインである。
この共振周波数追従装置では、後述するように、発振器としてDDSを用いている。
図1に示すように、この共振周波数追従装置は、超音波振動子1の電圧及び電流を検出する検出手段10と、検出された電圧及び電流を矩形波に変換する波形整形手段20と、電流と電圧との位相差を求める位相差算出手段30と、その位相差からDDS50の入力値を生成する入力値算出手段40と、逐次入力される入力値に基づいてサイン波形の信号を出力するDDS50と、その信号を増幅して超音波振動子1への印加電圧を生成する増幅手段60とを備えている。ここでは、検出手段10の電流検出装置としてホール素子11を例示している。
波形整形手段20は、印加電圧を基準値と比較してHまたはLの2値で出力するコンパレータ21と、コンパレータ21の出力を反転するインバータ回路22と、電流検出手段のホール素子11の出力電圧を基準値と比較してHまたはLの2値で出力するコンパレータ23と、コンパレータ23の出力を反転するインバータ回路24とを備えている。
この波形整形手段20は、検出された印加電圧を図7のPEに示すデューティー比50%の矩形波に変換して出力し、また、検出された電流を図7のPIに示すデューティー比50%の矩形波に変換して出力する。
図2に示すように、位相差算出手段30、入力値算出手段40及びDDS50は、デジタル回路で構成され、2進数での演算により必要な処理を実行する。
位相差算出手段30は、基準クロックφの数をカウントするカウンタ31、32と、電流パルスPIを反転するインバータ回路36と、カウンタ31、32のカウント値を所定のタイミングで出力するラッチ33、35と、2進数で表されたラッチ33の出力値をシフトするシフタ34と、ラッチ35の出力値からシフタ34の出力値を減算する減算器37とを備えている。
カウンタ31、32は、図3に示すように、加算器311とラッチ312とを備えている。ラッチ312は、基準クロックφが入力するごとに、その基準クロックφの立上り時点における加算器311の出力値を保持し、次の基準クロックφが入力するまで、保持した値を出力し続ける。ラッチ312の出力は、カウンタ出力Iとして出力されるとともに、加算器311に入力する。加算器311は、ラッチ312から入力した値に1を加算して出力する。そのため、加算器311の出力及びカウンタ出力Iは、基準クロックφに同期して1ずつ増加する。ラッチ312で保持された値は、電圧パルスPEの立上り時点でクリアされる。
従って、カウンタ31及び32は、共に、図7の電圧パルスPEの立上りから次の電圧パルスの立上りまでの期間(Tc)内の基準クロックφの数を繰り返しカウントする。
ラッチ33は、電圧パルスPEが入力するごとに、電圧パルスPEの立上り時点におけるカウンタ31のカウンタ出力φ2をシフタ34に出力し、シフタ34は、2進数で表されたカウンタ出力φ2を1ビットだけ右側にシフトして(1/2)φ2の値を生成する。
一方、ラッチ35は、インバータ回路36で反転された電流パルスPIが入力すると、電流パルスの立下げ時点におけるカウンタ32のカウンタ出力φ1を出力する。従って、ラッチ35からは、図7に示す期間TI内の基準クロックφ1の数が出力される。
減算器37は、次式(数2)に示すように、ラッチ35の出力φ1からシフタ34の出力(1/2)φ2を減算し、電流と印加電圧との位相差を表す基準クロック数Δφを出力する。
Δφ = φ1−(1/2)φ2 (数2)
なお、基準クロックφの周波数Fcは、超音波振動子1に対する印加電圧の周波数の360倍以上であることが好ましい。
入力値算出手段40は、図4に示すように、位相差算出手段30の出力値(入力U)に比例ゲインを乗算するPコントローラ411を備えており、Pコントローラ411は、電圧パルスPE(サンプリングT)に同期して乗算を行い、乗算結果である出力Hを位相増加分としてDDS50に出力する。
Pコントローラ411は、図5に示すように、ラッチ412とシフタ413とで構成され、ラッチ412は、電圧パルスPE(サンプリングS)が入力するごとに、電圧パルスPEの立上り時点における位相差算出手段30の出力値(入力V)をシフタ413に出力し、シフタ413は、ラッチ412の出力値をnビットだけ右側にシフトして、(1/2)nΔφに相当するPコントローラ411の出力PWを生成する。
このPコントローラ411の出力(1/2)nΔφ(=X)は、位相増加分としてDDS50に供給される。この位相増加分Xの更新は、電圧パルスPEの立上りにのみ同期して行われる。
DDS50は、図6に示すように、加算器501と、ラッチ502と、サイン波形等の波形データを記憶する波形メモリ503と、デジタルデータをアナログ信号に変換するDAC504と、高周波ノイズを除去するLPF505とを備えている。
波形メモリ503には、1周期のサイン波形の振幅情報が、Nビットの2進数で表した2N個のアドレスに対応付けて記憶されており、ラッチ502から基準クロックφごとにデータが出力されると、そのデータの上位Nビットをアドレスとして、アドレスに対応する振幅情報が読み出され、DAC504に出力される。
また、ラッチ502の出力は、加算器501にも入力し、加算器501は、入力値算出手段40から入力した位相増加分Xと、ラッチ502から入力した前回の加算器501の出力とを加算する。ラッチ502は、基準クロックφが入力するごとに、加算器501の加算値を波形メモリ503と加算器501とに出力する。
そのため、波形メモリ503からは、基準クロックφごとに、X個置きのアドレスに対応する振幅情報が読み出される。
この波形メモリ53から出力されるサイン波形信号の周波数fは、
f = (X/2N)Fc (数3)
で表される。Fcは基準クロックφの周波数である。
また、印加電圧と電流との位相差Δφは、前記(数2)で表される。
そうすると、(数1)における周波数fは、(数3)から、Xにより決定されるため、(数1)の逐次式は、次の逐次式(数4)に置き換えることができる。
n+1 = Xn+Kp{φ1−(1/2)φ2}
= Xn+Kp・Δφ (数4)
ここで、Kpは、追従の速さを決定する比例ゲインであり、ここでは(1/2)nに設定する。
この(数4)は、この装置のDDS50で行われている処理であり、DDS50のデジタル処理を通じて共振周波数への追従が可能であることを示している。
図8は、増幅手段60の構成の一例を示している。この増幅手段60は、DDS50から出力された信号を増幅する増幅器61と、増幅器61の交流出力に直流を付加するオフセットユニット62と、オフセットユニット62の出力を増幅して、超音波振動子1に供給する増幅器63とを備えている。
このオフセットユニット62の出力端子Wからは、各入力端子X1、X2、Y1、Y2、及びZに入力する電圧が次式(数5)のように混合されて出力される。
W={(X1−X2)/10}・(Y1−Y2)+Z (数5)
そのため、入力端子Y1、Zに増幅器61の出力を入力し、入力端子Y2をアースに接続し、入力端子X1、X2のそれぞれに印加する直流電圧VR1、VR2を調整することにより、超音波振動子1に供給する印加電圧の振幅やオフセットレベルを適宜設定することができる。
図9は、この共振周波数追従装置の追従性能を測定した結果について示している。ここでは、Kpを1/2、1/4、1/8及び1/16に設定したときの追従性能を測定している。
pの値が大きいと、応答は速いもののオーバーシュートが大きく、収斂するまでに時間が掛かる。一方、Kpの値が小さいと、応答は遅いがオーバーシュートは小さい。何れにしろ、この装置では、100ms以内で共振周波数に追従することが可能である。
このように、この共振周波数追従装置は、位相差算出手段30、入力値算出手段40及びDDS50がデジタル回路で構成されている。そのため、この位相差算出手段30、入力値算出手段40及びDDS50を1チップに実装して、装置の小型化を図ることができる。
また、位相差算出手段30及び入力値算出手段40をマイクロコンピュータに搭載し、入力値算出手段40が算出したDDS50への位相増加分Xを、有線または無線通信回線を通じて逐次DDS50に送信するように構成することも可能である。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る共振周波数追従装置は、電圧パルス及び電流パルスの複数個を用いて位相差Δφを算出し、また、位相差Δφとその微分値とを用いて共振周波数への追従を行っている。
位相差Δφの検出精度は、位相差算出の基礎となる電圧パルス及び電流パルスの個数を増やすことで向上する。
また、前記(数4)の逐次式により共振周波数への追従を行うときは、位相差Δφが小さい場合に、追従に長い時間を要するが、逐次式に位相差Δφの微分値を加え、XnからXn+1への変化量を大きくすることで、この点が改善できる。
この逐次式は、次式(数6)で表すことができる。
n+1 = Xn+Kp・Δφ+Kq・(dΔφ/dt) (数6)
ここで、(dΔφ/dt)は、位相差Δφの微分を表している。また、比例ゲインKpは(1/2)nに、比例ゲインKqは(1/2)mに設定する。
図10は、この装置の位相差算出手段130及び入力値算出手段140を示し、図11は、位相差算出手段130の論理回路を示し、また、図12は、入力値算出手段140の論理回路を示している。なお、この装置のその他の構成は、第1の実施形態と変わりがない。
位相差算出手段130は、図2に示す位相差算出手段30の減算器37の後に続き、8周期分の電圧及び電流パルスから位相差Δφを算出する。
この位相差算出手段130は、図11に示すように、加算器131と、この加算器131の出力を加算器131に戻すラッチ132と、電圧パルスの8周期分の周期を生成する1/8分周器134と、8周期分の位相差Δφをラッチ132から取り出すラッチ133とを有している。
加算器131は、減算器37から出力された位相差Δφ(数2)を入力Qとして、このQとラッチ132から戻される加算器131の前回の出力とを加算する。
ラッチ132は、電圧パルスがサンプリングSとして入力する毎に、そのパルスの立上り時点における加算器131の出力値を保持し、次のサンプリングSが入力するまで、その値をラッチ133及び加算器131に出力し続ける。また、1/8分周器134からサンプリングSの8周期分に相当する周期の信号が入力すると、その信号の立上り時点で保持しているデータがクリアされる。
ラッチ133は、1/8分周器134からサンプリングSの8周期分に相当する周期の信号が入力すると、その信号の立上り時点におけるラッチ132の出力値を保持し、1/8分周器134から次の信号が入力するまで、周期積算8Rとして出力し続ける。また、1/8分周器134が生成したサンプリングSの8周期分に相当する周期の信号は、サンプリングS’として出力される。
そのため、この位相差算出手段130からは、8個の電圧パルスの位相差Δφを合計した位相差と、電圧パルスの1/8の周波数を持つタイミング信号(サンプリングS’)とが出力される。
入力値算出手段140を構成するPDコントローラは、図12に示すように、サンプリングSの立上り時点における入力Vを出力するラッチ141と、ラッチ141の出力をnビットだけ右側にシフトするシフタ142と、サンプリングSの立上り時点におけるラッチ141の出力値を出力するラッチ143と、ラッチ141の出力からラッチ143の出力を減算する減算器144と、減算器144の出力をmビットだけ右側にシフトするシフタ145と、シフタ142の出力とシフタ145の出力とを加算する加算器146とを備えている。
ここで、入力Vとして位相差Δφが入力し、サンプリングSとして電圧パルスが入力するものとすると、ラッチ141は、電圧パルスが入力する度に、電圧パルスの立上り時点における位相差Δφを保持し、次の電圧パルスが入力するまで、その位相差Δφを出力し続ける。シフタ142は、このΔφをnビットだけ右側にシフトして(1/2)nΔφを生成する。
また、ラッチ143は、次の電圧パルスが入力すると、電圧パルスの立上り時点におけるラッチ141の出力値Δφを出力する。そのため、減算器144からは、ラッチ143が出力したΔφと、ラッチ143がその前に出力したΔφとの差分、即ち、Δφの微分値が出力される。シフタ145は、このΔφの微分値をmビットだけ右側にシフトして(1/2)m(dΔφ/dt)を生成する。
加算器146は、シフタ142から出力された(1/2)nΔφと、シフタ145から出力された(1/2)m(dΔφ/dt)とを加算する。
そのため、加算器146の出力PDWは、(数6)の{Kp・Δφ−Kq・(dΔφ/dt)}となる。
従って、この入力値算出手段140を備える共振周波数追従装置は、(数6)の逐次式に基づいて共振周波数への追従を行うことができる。
図13は、図10の構成を有する共振周波数追従装置の追従性能を測定した結果について示している。ここでは、図17に示す構造を有し、図18に示す周波数特性を示すランジュバン型超音波振動子を対象としている。このランジュバン型超音波振動子の共振に伴う振動振幅及び電流位相の変化は、極めて狭い周波数範囲でのみ生じている。しかし、この共振周波数追従装置を用いることにより、20ms以内で共振周波数に追従することが可能である。
この共振周波数追従装置の位相差算出手段130及び入力値算出手段140は、デジタル回路で構成されているため、これらをDDS50と共に1チップに実装することが可能である。
また、第1の実施形態と同様に、位相差算出手段130及び入力値算出手段140をマイクロコンピュータに搭載し、入力値算出手段140が算出したDDS50への位相増加分を、有線または無線通信回線を通じて逐次DDS50に送信するようにしても良い。
なお、ここでは、位相差算出手段130と入力値算出手段140とを組み合わせているが、位相差算出手段130を第1の実施形態の入力値算出手段40(Pコントローラ411)と組み合わせることも可能である。
また、ここで示した入力値算出手段、位相差算出手段及びDDSの論理回路は、一例であって、本発明は、それに限る訳ではない。
本発明の超音波振動子の共振周波数追従装置は、超音波洗浄機、超音波カッター、超音波溶着機、超音波研磨機など、各種分野で使用されている超音波振動子への適用が可能であり、共振周波数追従装置の小型化を図り、超音波振動子を含むシステムのインテリジェント化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る共振周波数追従装置の構成を示すブロック図 図1の位相差算出手段と入力値算出手段とDDSとを示す図 図2のカウンタの論理回路 図2の入力値算出手段を示す図 図4の入力値算出手段の論理回路 図2のDDSの論理回路 図2の位相差算出手段が算出する電圧と電流との位相差を示す図 図1の増幅手段のブロック図 図2の装置の追従性能を示す図 本発明の第2の実施形態に係る共振周波数追従装置の位相差算出手段と入力値算出手段とを示す図 図10の位相差算出手段の論理回路 図10の入力値算出手段の論理回路 図10の装置の追従性能を示す図 超音波振動子の周波数特性を示す図(接触物無し) 超音波振動子の周波数特性を示す図(接触物有り) ランジュバン型超音波振動子の構造を示す図 ランジュバン型超音波振動子の他の構造を示す図 図17の超音波振動子の周波数特性を示す図
符号の説明
1 超音波振動子
10 電圧電流検出手段
11 ホール素子
20 波形整形手段
21 コンパレータ
22 インバータ回路
23 コンパレータ
24 インバータ回路
30 位相差算出手段
31 カウンタ
32 カウンタ
33 ラッチ
34 シフタ
35 ラッチ
36 インバータ回路
37 減算器
40 入力値算出手段
50 DDS
60 増幅手段
81 圧電体
82 圧電体
83 金属ブロック
84 金属ブロック
130 位相差算出手段
131 加算器
132 ラッチ
133 ラッチ
134 1/8分周器
140 PDコントローラ
141 ラッチ
142 シフタ
143 ラッチ
144 減算器
145 シフタ
146 加算器
311 加算器
312 ラッチ
411 Pコントローラ
412 ラッチ4
413 シフタ
501 加算器
502 ラッチ
503 波形メモリ
504 DAC
505 LPF

Claims (8)

  1. 駆動時の超音波振動子に印加される電圧と前記超音波振動子に流れる電流とを検出し、検出電圧と検出電流との位相差を算出してダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)に逐次入力する位相増加分を決定し、前記DDSの出力波形に基づいて前記超音波振動子に共振周波数の電圧を印加する共振周波数追従装置であって、
    前記検出電圧及び検出電流を矩形波に変換する波形整形手段と、
    前記検出電圧の矩形波と前記検出電流の矩形波との位相差を表す基準クロック数Δφを算出する位相差算出手段と、
    前記基準クロック数Δφを基に前記位相増加分を生成する入力値算出手段と、
    前記位相増加分が逐次入力する前記DDSで生成された波形の信号を増幅して前記超音波振動子の印加電圧を生成する増幅手段と、
    を備え、前記位相差算出手段、入力値算出手段及びDDSがデジタル回路で構成されていることを特徴とする超音波振動子の共振周波数追従装置。
  2. 請求項1に記載の共振周波数追従装置であって、前記位相差算出手段が、前記検出電圧の矩形波の立ち上がり時点から次の前記検出電流の矩形波の立ち下がり時点までの基準クロック数φ1と、前記検出電圧の矩形波の立ち上がり時点から次の前記検出電圧の矩形波の立ち上がり時点までの基準クロック数φ2とをカウントし、
    Δφ = φ1−(1/2)φ2
    により、前記位相差を表す基準クロック数Δφを算出することを特徴とする超音波振動子の共振周波数追従装置。
  3. 請求項2に記載の共振周波数追従装置であって、前記位相差算出手段が、前記基準クロック数Δφとして、前記検出電圧及び検出電流の複数個の矩形波における平均の位相差を算出することを特徴とする超音波振動子の共振周波数追従装置。
  4. 請求項1に記載の共振周波数追従装置であって、前記入力値算出手段が、前記基準クロック数Δφに(1/2)nから成る比例ゲインKpを乗算して前記位相増加分を生成することを特徴とする超音波振動子の共振周波数追従装置。
  5. 請求項1に記載の共振周波数追従装置であって、前記入力値算出手段が、前記基準クロック数Δφに(1/2)nから成る比例ゲインKpを乗算した値と、前記基準クロック数Δφの時間差分に(1/2)mから成る比例ゲインKqを乗算した値とを加算して前記位相増加分を生成することを特徴とする超音波振動子の共振周波数追従装置。
  6. 請求項4または5に記載の共振周波数追従装置であって、前記比例ゲインの乗算のために、シフト演算を使用することを特徴とする超音波振動子の共振周波数追従装置。
  7. 請求項1から6に記載の共振周波数追従装置であって、前記位相差算出手段、入力値算出手段及びDDSが1チップに実装されていることを特徴とする超音波振動子の共振周波数追従装置。
  8. 請求項1から6に記載の共振周波数追従装置であって、前記位相差算出手段及び入力値算出手段がマイクロコンピュータに搭載され、前記入力値算出手段により算出された前記位相増加分が有線または無線通信回線を通じて前記DDSに逐次送信されることを特徴とする超音波振動子の共振周波数追従装置。
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