JP2009125016A - コケ緑化用パネル及びその製造方法 - Google Patents

コケ緑化用パネル及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】場所を問わずに容易にコケ植物による緑化が可能であるとともに強風によるコケ植物の飛散を防止でき、更に、水分が無くなっても黄色に変色することのないコケ緑化用パネル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】コケ緑化用パネル1は、パネル本体2と、パネル本体2の表面に形成した水溶性無機塗料製の接着層4と、接着層4にコケ植物細片5を植毛することでパネル本体2の表面に形成した緑化層6を具備するとともに前記コケ植物細片5を任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料で染色してなり、その製造方法は、前記パネル本体2の表面に水溶性無機塗料を塗布して接着層4を形成し、接着層4にコケ植物細片5を植毛することによりパネル本体2の表面に緑化層6を形成するとともに、コケ植物細片5を、任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料で染色する、ことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明はコケ緑化用パネルに係り、より詳しくは、接着層を介してパネル本体の表面にコケ植物細片による緑化層を形成するとともに、前記コケ植物細片を水溶性の塗料若しくはインキ又は染料により染色してなることを特徴とするコケ緑化用パネルに関する。
従来から、ヒートアイランド対策として、また地球温暖化対策として、屋上等に植物を植える屋上緑化等が広く行なわれているが、通常の植物を植えた場合には、土、肥料等が必要であるとともに世話が大変であり、また建造物の耐荷重の問題もある。そのため、近年になり、このような手間を必要としないコケ植物により、建造物の壁面や屋上をコケ植物で緑化する方法も行なわれている。
即ち、周知の通り、コケ植物は胞子で増え、空気中から水分を摂取するのみで細胞を維持するために、肥料も不要で手間がいらないとともに、葉緑体を有しており光合成も行うために地球温暖化対策にも有効であるため、このコケ植物を用いた屋上緑化等が提案されている。
しかしながら、屋上等にコケ植物を直接植毛する方法では、強風等によりコケが飛散してしまうという問題点がある。また、コケ植物をパネルに定着させ、このコケ植物を定着させたパネルを屋上等に設置する方法も提案されているが、従来から提案されているパネルでは、基板の上にコケを載置した後に、その上をネット等で覆ってコケを固定するため、コストが高くなり施工も大変である一方、ネット等によりコケを固定しているのみであるため、強風等によるコケ植物の飛散を確実に防止できず、また、パネル等を使用しているために、屋上等に設置場所が限定されてしまうとともに、パネル、マット等の劣化の問題もあり、広くコケ植物による緑化を推進することができないという問題点がある。
更にその他、樹脂製の基板にコケ植物を固定したマットを用いて、このマット屋上等に固定する方法も提案されているが、このマットを屋上等に固定する方法では、強風等によるマットの剥がれやコケの飛散等を防止するためには、このマットを底面パネルと上面パネルで挟み込む等の施工が必要であり、前述のパネルを用いた場合と同様に、施工が大変であるという問題点がある。
更に、周知のように、コケ植物は、水分が無くなると細胞内の葉緑体が見えなくなり黄色に変色してしまため、この状態で水分を与えると再び緑色に回復するが、黄色い状態では一見枯れているようにもみえてしまい、見栄えが非常に悪く、このことがコケ植物を用いた緑化の問題点にもなっていた。
特開2005−168370号公報 特開2006−246844号公報 特開2007−56484号公報 特許第3003985号公報 特許第3148574号公報 特許第3539699号公報
そこで、本発明は、面倒な施工を行なうことなく場所を問わずに広くコケ植物による緑化を推進することが可能であるとともに、強風によるコケ植物の飛散を防止でき、更に、水分が無くなっても黄色に変色することのないコケ緑化用パネル及びその製造方法を提供することを課題としている。
本発明のコケ緑化用パネルは、パネル本体と、
接着層を介して前記パネル本体の表面に植毛したコケ植物細片と、を具備し、
前記コケ植物細片は、任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料を塗布することで染色した、ことを特徴としている。
また、本発明のこのコケ緑化用パネルの製造方法では、パネル本体の表面に接着材を塗布して接着層を形成し、
この接着層にコケ植物細片を植毛することにより前記パネル本体の表面に緑化層を形成するとともに、
前記コケ植物細片を、任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料を塗布して染色することを特徴としている。
本発明のコケ緑化用パネルでは、その表面にコケ植物細片を植毛して緑化層を形成しているために、このパネルを屋根、外壁、塀、門等に装着することのみで、屋根、外壁等をコケにより緑化することができ、従って、施工が容易であり、場所を問わずに広くコケ植物による緑化を推進することが可能である。
また、接着層を介してパネル本体にコケ植物細片を植毛しているために、コケ植物を屋上等に直接植毛する場合と異なり、強風等によるコケの飛散も防止できる。
更に、緑化層を形成するコケ植物細片に、任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料を塗布し、これにより前記コケ植物細片を染色しているために、コケ植物に悪影響を与えることなく、水分が無くなっても黄色に変色することのないコケ緑化用パネルを得ることが可能である。
即ち、発明者の実験によると、コケ植物に水溶性の塗料若しくはインキ又は染料を塗布すると、コケ植物は、塗布した塗料等の色に染まるとともに、水分を与えない場合でも、この色を維持して黄色いに変色しないことが判明した。そこで、この現象について検証したところ、水溶性の塗料等をコケ植物に塗布すると、水溶性であるためにコケ植物がこの塗料等を栄養分として吸収し、それによってコケ植物の内部に塗料等に含まれる顔料等が入り込み、この顔料等でコケ植物の細胞が染色され、これによりコケ植物が内部から任意の色に染まるため、その後水分を与えない場合でも、内部に吸収された顔料等は無くならず、染まった色が無くなることもないものとの結論に至った。即ち、コケ植物に水溶性の塗料若しくはインキ又は染料を塗布すると、コケ植物の表面が着色されるのではなく、コケ植物を構成する細胞が染色されるものと思われる。
従って、本発明によれば、コケ植物に悪影響を与えることなく、水分が無くなっても黄色に変色することのないコケ緑化用パネルを得ることが可能である。
また、本発明のコケ緑化用パネルの製造方法によれば、前述した本発明のコケ緑化用パネルを容易に製造することが可能である。
本発明のコケ緑化用パネルは、パネル本体を有しており、このパネル本体の表面には、水溶性の無機塗料等よりなる接着層が形成されている。
そして、この接着層にはコケ植物細片を植毛しており、これにより、前記パネル本体の表面には、コケ植物細片による緑化層が形成されており、更に、前記コケ植物細片には、任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料が塗布され、これにより、コケ植物細片を染色している。
次に、本発明のコケ緑化用パネルの製造方法では、まず、パネル本体の表面に水溶性の無機塗料等よりなる接着材を塗布して接着層を形成する。
そして次に、この接着層にコケ植物細片を植毛することにより、前記パネル本体の表面に緑化層を形成する。
そして、それとともに、前記コケ植物細片に任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料を塗布し、これにより前記コケ植物細片を染色する。
ここで、パネル本体の表面にコケ植物細片を植毛する方法として、静電植毛の方法を用いるとよく、これにより、容易にパネル本体の表面にコケ植物細片を植毛することが可能である。
更に、コケ植物に水溶性の塗料若しくはインキ又は染料を塗布する方法としては、前記接着層にコケ植物細片を接着させた後に、このコケ植物細片に、任意の着色を施した水溶性の塗料若しくはインキ又は染料を噴霧する方法や、前記接着層に接着させる前の前記コケ植物細片に、任意の着色を施した水溶性の塗料若しくはインキ又は染料を塗布する方法が考えられ、接着層に接着させる前のコケ植物細片に任意の着色を施した水溶性の塗料若しくはインキ又は染料を塗布する場合には、任意の着色を施した水溶性の塗料若しくはインキ又は染料中にコケ植物細片を浸すことが考えられる。
本発明のコケ緑化用パネルの実施例について説明すると、図1は本実施例のコケ緑化用パネルの斜視図、図2は図1におけるA−A線断面図であり、図において1が本実施例のコケ緑化用パネルである。
そして、本実施例のコケ緑化用パネル1ではパネル本体を有している。即ち、図において2がパネル本体であり、本実施例においては、50mm×50mm、又は、50mm×100mm角の厚み0.5mm程度のステンレス製のパネルを用いて、パネル本体としている。
次に、図2において4は接着層である。即ち、本実施例のコケ緑化用パネル1では、前記パネル本体2の表面に接着層4を形成しており、具体的には、水溶性の無機塗料を前記パネル本体2の表面に塗布して、100〜300ミクロン程度の厚みの接着層を形成している。
そして、前記接着層4には、コケ植物細片が接着されている。即ち、図において5がコケ植物細片であり、本実施例においては、前記水溶性無機塗料よりなる接着層4の接着力を用いて、前記パネル本体2の表面全域に、コケ植物細片5を接着させ、これにより、前記パネル本体2の表面全域にコケ植物細片5を植毛して緑化層6を形成している。
従って、本実施例のコケ緑化用パネル1では、これを外壁、門、塀用に用いることのみで、外壁等の緑化が可能であり、緑化のために特別な施工等を行う必要がなくなる。また、接着層4の接着力を用いてコケ植物細片5を植毛しているために、強風等によりコケ植物細片が飛散することも防止できる。
即ち、例えば、基板の上にコケを載置してその上をネット等で覆ってコケを固定した場合や、屋上等に直接コケ植物細片を植毛した場合には、コケ植物細片の定着が完全には行われず、そのために、強風等によりコケ植物細片が飛散してしまうことが考えられるが、本実施例のコケ緑化用パネル1では、予め工場等で、接着層4を用いてコケ植物細片5をパネル本体2に定着しているため、コケ植物細片5を強固にパネル本体2に固定することができ、そのため、強風等によってもコケ植物細片が飛散することがない。
なお、前記コケ植物細片として使用するコケの種類は特に限定しないが、スナゴケを用いるのがよく、具体的には、スナゴケ、エゾスナゴケ、ハイスナゴケ、ハイゴケ、ヒメハイゴケ、フジハイゴケ、タマゴケ、トヤマシノブゴケ、エゾシノブゴケ等が好ましく、これらを10mm以下に裁断して用いるとよい。
次に、本実施例の緑化用前記コケ植物細片5の表面には、任意の色の水溶性の無機塗料が塗布されており、これにより、前記コケ植物細片5は水溶性の無機塗料により染色され、水を与えないことでコケ植物内部の水分が無くなった場合でも、変色することを防止している。
この作用について詳細に説明すると、前述したように、コケ植物は種子を作らずに胞子で増殖し、空気中から水分や養分を摂取することでその細胞を維持している。従って、水溶性の無機塗料をコケに塗布すると、コケ植物は、塗布した塗料が水溶性であるために、これを単なる水分と判断して内部に吸収し、それにより、塗料に含まれる顔料もコケ植物の内部に吸収され、これによって、コケ植物を構成する細胞が染色され、コケ植物全体が内部から塗料の色に染まる。
即ち、本実施例のコケ緑化用パネルでは、緑化層6を構成するコケ植物細片5の細胞自体を内部から染色しているため、水を与えないことでコケ植物内部の水分が無くなった場合でも、コケ植物内部の顔料が無くなることは無いために、水分が無くなったことによりコケ植物の色が黄色に変色することが無い。
また、有害物質を含まない無機塗料を用いているために、塗料の塗布によってコケ植物細片の細胞が死ぬこともない。
従って、本実施例のコケ緑化用パネル1では、コケ植物細片5が枯れることが無いとともに、コケ植物細片5を任意の色に染色することができるとともに、コケ植物細片5の水分が無くなった場合でも、染色した色を維持して変色することを防止可能なコケ緑化用パネルを得ることができる。
なお、前記接着層4を形成している水溶性の無機塗料、及びコケ植物細片を染色するために用いる水溶性の無機塗料の成分は特に限定されず、市販されている塗料を用いてもよいが、本実施例では、本発明者らが発明した以下の塗料を用いており、前記接着層4を形成した水溶性の無機塗料も同様の塗料を用いた。
即ち、本実施例では、(a)珪藻土、アルミノケイ酸塩、ケイ酸塩、および酸化アルミニウムの群から選ばれた少なくとも1種を20〜60重量部、
(b)銀および/または銅を2〜10重量%担持した微粒子を1〜10重量部、
(c)第4級アンモニウムケイ酸塩、リチウムケイ酸塩、合成樹脂エマルジョン、水溶性合成樹脂、および合成ゴムエマルジョンの群から選ばれた少なくとも1種を固形分換算で5〜20重量部、ならびに
(d)水(ただし、(a)+(b)+(c)+(d)=100重量部)、を含有するコケ植物培地用組成物(特願2007−35077号参照)を、水溶性の無機塗料として用いた。
このように、本実施例のコケ緑化用パネル1では、接着層4の接着力を用いてパネル本体2の表面にコケ植物細片5を塗布して緑化層6を形成しているため、これを屋根、外壁、塀、門等の外装材として用いることのみで屋根、外壁等の緑化を行うことができ、従って、施工が容易であり、場所を問わずに広く緑化を推進することが可能であるとともに、予めコケ植物細片5をパネル本体2に植毛していために、強風等によってもコケ植物細片が飛散することがない。従って、本実施例のコケ緑化用パネル1では、工場等で予め生産される建築外装材の全般に適用可能であり、スレート瓦等にも適用可能である。
また、本実施例のコケ緑化用パネル1では、ステンレス製の薄板をパネル本体1として用いているため、屋上等に容易に装着できるとともに、剛性があるために強風等でも捲れることがない。
更に、本実施例のコケ緑化用パネル1では、緑化層6を形成するコケ植物細片5に、任意の色の水溶性の無機塗料3を塗布し、これにより前記コケ植物細片5を染色しているために、コケ植物細片5に悪影響を与えることなく、水分が無くなっても黄色に変色することのないコケ緑化用パネルを得ることが可能である。
従って、本実施例のコケ緑化用パネル1では、工場等で予め生産される建築外装材の全般に適用可能であり、また、スレート瓦等にも適用可能である。
なお、前述の説明では、コケ植物細片を染色するものとして水溶性の無機塗料を用いた場合を説明したが、本発明のコケ緑化用パネルでは、必ずしも水溶性の無機塗料を用いてコケ植物細片を染色する必要はなく、その他、水溶性のインキ、染料等を用いてもよく、また、水溶性の無機塗料やインキを用いる場合においては、無機顔料を含むもののほか、有機顔料を含むものを用いてもよく、更に、塗料の色は特に限定されず、葉緑体と同じ緑色にしてもよく、その他の色にしてもよい。
また、前述の説明では、50mm×50mm、又は、50mm×100mm角の厚み0.5mm程度のステンレス製のパネルを用いてパネル本体とした場合を説明したが、特にこれに限定されるものではなく、剛性があり平らな状態を維持でき強風等でも捲れることがないとともに耐蝕性を有していればいずれの素材を用いてもよい。
次に、このように構成される本実施例のコケ緑化用パネルを製造するための本発明のコケ緑化用パネルの製造方法の実施例について図3を用いて説明すると、図3は、前述したコケ緑化用パネル1を製造する工程を示した工程図であり、本実施例のコケ緑化用パネルの製造方法では、まず、前記水溶性の無機塗料よりなる接着材3を用いて、この塗料3を、パネル本体2の表面全域に塗布し、これにより、パネル本体2の表面全域に接着層4を形成する。この状態を示した図が図3(a)(b)であり、図3(a)はパネル本体2に塗料2を塗布している状態を示し、図3(b)はパネル本体2に接着層4を形成した状態を示しており、本実施例において前記接着層4の厚みは100〜300ミクロンとしている。
なお、コケ植物細片5に接着材3としての水溶性の無機塗料を塗布する方法としては、一般的なスプレーガン等を用いてコケ植物に塗料を噴霧する方法、フローコーターにより塗布する方法、ロールコーターにより塗布する方法、刷毛により塗布する方法等が考えられるが、この塗布の方法は特に限定されない。
次に、図3(c)において、前記接着層4が乾燥する前に、接着層4上に、細かくしたコケ植物細片5を植毛して、接着層3にコケ植物細片5を定着させる。このコケ植物細片5を植毛した状態を示す図が図3(d)である。
ここで、コケ植物細片の植毛方法としては、例えば、コケ植物細片5を接着層4に蒔く方法、吹き付ける方法等が考えられ、また、吹き付ける場合には、静電植毛の方法も考えられる。なお、静電植毛の方法としては、パネル本体2をアースに接続し、コケ植物細片を、荷電した状態でパネル本体に向けて吹き付け、又はふるい等によりパネル本体上に落下させる方法等が考えられる。
例えば、図4はコケ植物細片5を静電植毛によりパネル本体2に定着する方法を示した図であり、図においては、パネル本体2側をアース(マイナス側)に接続し、一方、コケ植物細片を収容したふるい7にプラス側の電気を接続し、この状態でふるい7を揺動させてコケ植物細片5をふるい7よりパネル本体2側に落下させ、これにより、パネル本体2にコケ植物細片5を静電植毛している。但し、静電植毛の方法は特にこの方法には限定されず、また、静電植毛の方法は既に公知の方法であるため、詳細な説明は省略する(特許第3003985号公報、特許第3148574号公報、特許第3539699号公報参照)。
次に、本実施例のコケ緑化用パネルの製造方法では、前記接着層4にコケ植物細片5を植毛して定着させた後に、このコケ植物細片5に、前記接着層4を形成した塗料と同成分の、任意の色の水溶性の無機塗料3を塗布する。具体的には、本実施例では、水溶性の無機塗料3をコケ植物細片に吹き付けている。この状態をしている図が図3(e)である。
そうすると、コケ植物細片5は、塗布した塗料3が水溶性であるため、これを単なる水分と判断して内部に吸収する。そしてそれとともに、塗料3に含まれる顔料もコケ植物細片5の内部に吸収され、これにより、コケ植物細片5は内部から染色されて塗料の色に染まる。即ち、コケ植物細片5の表面が塗料により染色されるのではなく、コケ植物細片を構成する細胞自体が塗料の色に染色される。
そしてこのとき、本実施例では無機塗料を用いており有害物質を含んでいないので、コケ植物細片に悪影響を及ぼすことがないためコケ植物細片が枯れることがない。
また、前述したように、水を与えないことでコケ植物細片内部の水分が無くなった場合でも、コケ植物細片内部の顔料が無くなることが無く、従ってコケ植物細片が変色することが無い。
このように、本実施例のコケ緑化用パネルの製造方法では、パネル本体にコケ植物細片を植毛しているために、屋根、外壁、塀、門等の外装材として用いることのみで屋根、外壁等の緑化を行うことが可能なコケ緑化用パネルを得ることができる。
また、本実施例のコケ緑化用パネルの製造方法では、緑化層を形成するコケ植物細片に、任意の色の水溶性の無機塗料を塗布し、これにより前記コケ植物細片を染色する方法を採用しているために、緑化層を構成しているコケ植物細片が枯れることが無いとともに、水分が無くなっても黄色に変色することのないコケ緑化用パネルを得ることが可能である。
そしてこのとき、塗料の色を変えることにより、緑色以外の所望する色にコケ植物細片を染めることができ、コケ緑化用パネルを用いる場所に応じた色のコケ植物細片を得ることも可能である。
なお、前述の説明では、まず接着層4にコケ植物細片5を植毛し、その後に、この植毛したコケ植物細片5に水溶性の無機塗料3を塗布する方法を説明したが、このほか、まずコケ植物細片5に水溶性の無機塗料3を塗布し、その後に、この水溶性の無機塗料3を塗布したコケ植物細片5を接着層4に植毛してもよい。
例えば、図5は、植毛する前のコケ植物細片5に水溶性の無機塗料3を塗布する方法の一例を説明するための図であり、図5においては、全体を細かい格子状あるいはメッシュ状として水分を通過可能とした容器8(図5においては理解を容易にするために一部を切り欠いて示している。)の内部にコケ植物細片5を入れ、この容器8を、水溶性の無機塗料3を満たした塗料容器9内に浸して、これにより、接着層4に植毛する前のコケ植物細片5を染色することとしている。
このように、本実施例のコケ緑化用パネルの製造方法によれば、屋根、外壁、塀、門等の外装材として用いることのみで屋根、外壁等の緑化を行うことが可能であるとともに、緑化層を構成しているコケ植物細片の枯れや変色を防止することも可能なコケ緑化用パネルを得ることができる。
なお、本実施例においてパネル本体1に接着層4を形成するための水溶性の無機塗料3およびコケ植物細片5に塗布する前記水溶性の無機塗料3の成分等に関しては、前述と同様であり、また、使用するコケ植物細片5に関しても前述と同様であるため、いずれも重複した説明は省略する。
本発明のコケ緑化用パネルでは、屋根、外壁、塀、門等に装着するのみで屋根、外壁等をコケ植物により緑化することを可能にしているとともに、コケの飛散や変色を防止することもできるため、工場等で生産される建築外装材の全般に適用可能であるとともに、スレート瓦等にも適用可能である。
本発明のコケ緑化用パネルの実施例の斜視図である。 図1におけるA−A線断面図である。 本発明のコケ緑化用パネルの製造方法の実施例を説明するための工程図である。 本発明のコケ緑化用パネルの製造方法においてコケ植物細片をパネル本体に植毛する方法の一例を説明するための図である。 コケ植物細片を染色する方法の一例を説明するための図である。
符号の説明
1 コケ緑化用パネル
2 パネル本体
3 接着材(水溶性無機塗料)
4 接着層
5 コケ植物細片
6 緑化層
7 ふるい
8 容器
9 塗料容器

Claims (8)

  1. パネル本体(2)と、
    接着層(4)を介して前記パネル本体(2)に植毛したコケ植物細片(5)と、を具備し、
    前記コケ植物細片(5)は、任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料(3)を塗布することで染色した、ことを特徴とするコケ緑化用パネル。
  2. 前記接着層(4)が水溶性の無機塗料(3)により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコケ緑化用パネル。
  3. パネル本体(2)の表面に接着材(3)を塗布して接着層(4)を形成し、
    該接着層(4)にコケ植物細片(5)を植毛することにより前記パネル本体(2)の表面に緑化層(6)を形成するとともに、
    前記コケ植物細片(5)を、任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料(3)を塗布して染色することを特徴とするコケ緑化用パネルの製造方法。
  4. 前記パネル本体(2)の表面に水溶性の無機塗料を塗布することで前記接着層(4)を形成することを特徴とする請求項3に記載のコケ緑化用パネルの製造方法。
  5. 静電植毛により前記パネル本体(2)の表面にコケ植物細片(5)を接着させることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のコケ緑化用パネルの製造方法。
  6. 前記接着層(4)にコケ植物細片(5)を接着させた後に、前記コケ植物細片(5)に、任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料(3)を塗布して前記コケ植物細片(5)を染色することを特徴とする請求項3乃至請求項5に記載のコケ緑化用パネルの製造方法。
  7. 前記接着層(4)に接着させる前の前記コケ植物細片(5)に、任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料(3)を塗布して染色することを特徴とする請求項3乃至請求項5に記載のコケ緑化用パネルの製造方法。
  8. 任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料(3)中に前記コケ植物細片(5)を浸すことにより、コケ植物細片(5)に任意の色の水溶性の塗料若しくはインキ又は染料を塗布して染色することを特徴とする請求項7に記載のコケ緑化用パネルの製造方法。
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