JP2006246712A - 緑化用資材、および緑化用資材の製造方法 - Google Patents

緑化用資材、および緑化用資材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価に大量生産するに適した緑化用資材、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る緑化用資材1は、シート状あるいはプレート状の基材2の上面に、光硬化性樹脂からなる樹脂層3を介して、多数の苔植物配偶体4を固定されており、各苔植物配偶体4の一部分が、前記樹脂層3内に埋設状に保持されることにより、これら苔植物配偶体4が基材の上面に固定されていることを特徴とする。基材2は、透明樹脂、あるいは透明ガラスを素材とすることができる。樹脂層3を構成する光硬化性樹脂は、緑系色に着色することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建造物の屋上、壁面、法面等の緑化に使用される緑化用資材およびその製造方法に関する。
夏場において、とりわけ大都市においては、都心の温度が郊外に比べ4〜6℃も高くなる、いわゆるヒートアイランド現象が問題となっている。このため例えば東京都においては、建造物の占める面積に対し、一定の割合で緑化を義務付ける条例が施行されている行政区もある。
建造物において緑化可能な部位は屋上や壁面に限られ、これらの箇所に各種の植物が植設された緑化用資材が設置される。既存の緑化用資材の多くは、樹木、芝生、あるいはセダム等の多肉植物を緑化要素とする。しかし、これらの植物の生育には土壌が不可欠であるため、緑化用資材自身の重量が大きくなることが避けられず、設置可能な建造物は堅固な構造を備えたものに限定される。既設の建造物に対して上記の緑化用資材を用いる場合には、補強工事が必要となる場合もある。頻繁な水やりや、スプリンクラーなどの高価な灌水装置が不可欠である点でも不利がある。
以上のような従来の緑化用資材が抱える問題を解決するものとして、スギゴケなどの苔植物を緑化要素とするものがある。この種の苔植物は、その生育に土壌や肥料を必要とせず、緑化用資材の軽量化が容易である点、乾燥に極めて強く灌水設備が不要である点、剪定や芝刈りなどが一切不要で管理コストが安価に済むなどの点で、先に挙げた樹木や芝生等よりも格段に優れている。光合成の効率も樹木や芝生と大差なく、炭酸ガスの固定化にも高いレベルで貢献できる。
苔植物を緑化要素とする緑化用資材の先行出願としては、例えば特許文献1ないし3などを挙げることができる。特許文献1では、紙上に苔植物の群落体を縫製により固定している。特許文献2に係る緑化資材では、パイル糸を縦横に編んだ基材シートの下面に、苔植物の群落体が組み込まれた保持シートを固定している。そこでの保持シートは、不織布製の二枚のシートの間に苔植物の群落体を介装してなるものであり、これら基材シートと保持シートとは、ニードルを何度も突き刺して、両シートを構成する繊維を互いに絡み合わせることにより一体化されている。特許文献3では、2枚のシートの間に苔植物を介装することにより、緑化用資材を作製している。これらシートのいずれか一方は、水溶性物質と非水溶性繊維が混合されたシートである。
特開平7−227142号公報 特開2002−153120号公報(図1) 特開2004−222662号公報(図1)
特許文献1に係る緑化用資材では、縫製だけで苔植物を抜け外れなく確りと固定することは極めて困難で、苔植物が不用意に脱落するおそれがあるため、建造物の壁面や法面などにこれを設置することが躊躇される。基材となる紙に対して苔植物を縫製する工程に時間に掛かり、大量生産に適せず、安価に緑化用資材を提供できない点にも不利がある。特許文献2に係る緑化用資材では、保持シートを作製したのち、該保持シートと基材シートに対してニードルを何度も突き刺すことにより、両者を一体化しているため、製造に手間が掛かり、大量生産に向かず、緑化用資材を安価に提供できない。特許文献3に係る緑化用資材では、水溶性物質と非水溶性繊維とが混合された特殊シートを基材とするため、該シートを作製するための大掛かりな設備が必要で製造コストが多大となる。
苔植物を緑化要素とする緑化用資材が注目を集めているにもかかわらず、その普及が進まないのは、従来の緑化用資材が極めて高価であることが大きな要因の一つであると考える。具体例を挙げると、従来の緑化用資材の価格は2.5万円〜3万円/m2 程度と、大変高価なものとなっていた。
本発明の上記のような問題を解決するためになされたものであり、従来の緑化用資材に比べて安価に大量生産するに適した緑化用資材、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、図1に示すごとく、シート状あるいはプレート状の基材2の上面に、光硬化性樹脂からなる樹脂層3を介して、多数の苔植物配偶体4を固定してなる緑化用資材1であって、各苔植物配偶体4の一部分が、前記樹脂層3内に埋設状に保持されることにより、これら苔植物配偶体4が基材2の上面に固定されていることを特徴とする。
苔植物配偶体4の具体例としては、蘚類に属する苔植物配偶体を挙げることができ、特にスナゴケが最適である。尤も、本発明に係る苔植物配偶体4はスナゴケに限られず、それ以外であってもよい。
かかる苔植物配偶体4は、図1に示すように個々の苔植物配偶体4に分解した状態で樹脂層3の上面に分散状に配設・固定することができ、図6に示すように群落体の状態で樹脂層3の上面に分散状に配設・固定してもよい。
シート状の基材2の具体例としては、可撓性を有する各種樹脂からなるプラスチックシートを挙げることができる。プレート状の基材2の具体例としては、プラスチックブロックやガラス体、セラミックなどを挙げることができる。図1等には、プレート状の基材2を用いた例を示す。
ここで言う光硬化性樹脂とは、紫外線あるいは可視光線にて硬化する樹脂を意味し、アクリルレートモノマーやアクリルレートオリゴマーに光重合開始剤を加えたものを指す。かかる光硬化性樹脂の具体例としては、大日本インキ化学工業(株)SD397のように保護膜に用いられるものや、帝国インキ(株)UV PОT 50209のようなスクリーン印刷用のインク等を挙げることができる。苔植物配偶体4を保持するためには、樹脂層3の厚み寸法は、0.5mm以上であることが好ましい。尤も本発明は、当該数値に限定されるものではなく、要は、樹脂層3が苔植物配偶体4を保持できる程度の厚み寸法を有するものであればよい。また、樹脂層3を厚く塗布するためには、光硬化性樹脂は粘度の高いものが好適であり、特に150mPa・s以上の粘度を有する光硬化性樹脂が望ましい。尤も、苔植物配偶体4を保持できるのであれば、本発明に係る光硬化性樹脂の粘度は当該数値に限定されない。
前記基材2は、透明樹脂、あるいは透明ガラスを素材とするものであることが好ましい。この場合の樹脂の具体例としては、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などを挙げることができる。なお、ここ言う「透明」とは、無色透明だけでなく、有色透明や半透明なども含む概念である。
前記樹脂層3を構成する光硬化性樹脂は、緑系色に着色することが好ましい。具体的には、緑色や黄緑色などに着色することが好ましい。
図3および図4に示すように、前記基材2が、平板状のプレート部5と、該プレート部5の上面に塗布される光硬化性樹脂の流出を防ぐことを目的として、該プレート部5の上面周縁を囲むように形成された枠部6とを備えるものとすることができる。これらプレート部5と枠体6とは、一体に成形してもよいし、各々を別々に成形したのちに、両者5・6を接着剤等により接合してもよい。
本発明に係る緑化用資材1は、図4(a)に示すごとく、シート状あるいはプレート状の基材の上面に光硬化性樹脂を塗布して、樹脂層を形成する工程と、図4(b)に示すごとく、前記樹脂層3上に多数の苔植物配偶体4を分散状に配設したうえで、該苔植物配偶体4の一部が該樹脂層3内に埋まるように上方より押える工程と、図4(c)に示すごとく、前記樹脂層3に励起光を照射して、前記光硬化性樹脂を硬化させることにより、前記苔植物配偶体4を該樹脂層3に保持させる樹脂硬化工程とを含むことを特徴とする。ここで言う励起光とは、多くは紫外線光である。
前記基材2が、透明樹脂、あるいは透明ガラスを素材とするものとすることができる。この場合には、前記樹脂硬化工程においては、図4(c)に示すごとく、前記基材2の下面側から励起光を照射することにより、光硬化性樹脂を硬化させるようにすることができる。この場合の樹脂の具体例としては、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などを挙げることができる。なお、ここ言う「透明」とは、無色透明だけでなく、有色透明や半透明なども含む概念である。
本発明に係る緑化用資材1は、シート状あるいはプレート状の基材2を主体とするものであるため、通常のタイル等と同様に、接着剤や両面テープなどを用いて、建造物の屋上や壁面等に設置固定することができる。したがって、建造物に対する緑化用資材1の設置作業を容易に進めることができる点で優れている。
特に可撓性を有するシート状の基材2を採用した場合には、屋上面や壁面等に接着剤層を塗布形成してから、該接着剤層上に適当な大きさにカットされた緑化用資材1を展開・載置するだけで、簡単に緑化用資材1を設置できる。適当な大きさにカットされた緑化用資材1を、樹脂製のユニットトレイ等に貼り付けたうえで、該ユニットトレイを建造物の屋上面等に設置してもよい。基材2の裏面にフェルトやスポンジなどの保水材を貼り付けたうえで、緑化用資材1を屋上等に設置してもよい。
苔植物配偶体4は、その生育に土壌を必要とせず、したがって、樹木、芝生、セダム等に比べて緑化用資材の軽量化を図ることができる。このため、緑化用資材1の適用箇所は、堅固な構造を備えた建造物に限られない。既設の建造物に対して補強工事等を行うことなく、緑化用資材1を設置できる点でも優れている。頻繁な水やりや、スプリンクラーなどの灌水装置が一切不要である点でも優れている。
各苔植物配偶体4の一部分を樹脂層3内に埋設状に保持させることにより、該苔植物配偶体4を基材2に対して確りと固定させているため、縫製により苔植物配偶体4を固定する従来形態に比べて、苔植物配偶体4の基材2からの脱落のおそれは少ない。図2に示すように、苔植物配偶体4の群落体が基材2の全面を覆うように育ったときにも、その一部は樹脂層3に保持されているため、該苔植物配偶体4が基材2から脱落することはない。したがって、建造物の屋上だけでなく壁面等に大しても、支障なく緑化用資材1を適用できる。この種の光硬化樹脂が、雨水により成分が流出したり、紫外線により劣化したりするおそれがなく、長期にわたって良好な苔植物配偶体4に対する保持力を発揮する点、周囲に有害物質が流出するおそれがない点、苔植物配偶体4の生育を妨げるおそれがない点でも優れている。
樹脂層3を光硬化性樹脂からなるものとしてあると、励起光を照射するだけで、樹脂層3を硬化させて、苔植物配偶体1を保持できる(図4(c)参照)。したがって、縫製作業やニードルを何度も突き刺すなどの固定作業が必要であった従来形態の緑化用資材に比べて、生産効率良く製造できる。何よりも、この製造方法は大量生産に適しており、安価に緑化用資材1を提供できる点で優れている。基材2として可撓性を有するプラスチックシート等を用いた場合には、ロール形態で生産できるため、生産効率の格段の工場を図って、製造コストの低減化に貢献できる。
基材2を透明なプラスチック樹脂等からなるものとしてあると、図4(c)に示すように、該基材2の下面に配した光源7から励起光を照射して光硬化性樹脂を硬化させることができる。これによれば、上方より励起光を照射する形態では不可避となる、該励起光が苔植物配偶体4で遮られることによって光硬化性樹脂の硬化が不十分となる問題が生じず、確実に光硬化性樹脂を硬化させることができ、したがって苔植物配偶体4の基材2からの脱落を確実に阻止できる。上方から励起光を照射する場合よりも、励起光の照射時間が短時間で済み、また励起光の照射強度も可及的に小さなもので済むため、強力な励起光(紫外線光)を照射することにより、苔植物配偶体4が死滅するなどの不具合が生じ難い点でも優れている。
樹脂層3を構成する光硬化性樹脂を緑あるいは黄緑などの緑系色に着色してあると、図1に示すように、初期状態において樹脂層3が表面に現出することに伴う見た目の印象の悪さを最小限に抑えることができる。これにて、基材2の上面の全体が苔植物配偶体4の群落体で覆われるまで(図2および図3参照)、数年間もの長期にわたって苔植物配偶体4を生育させる必要がなくなり、図1に示すような初期状態で市場に出すことができる。したがって、ビニールハウスなどの生育設備は一切不要となり、製造コストの上昇を抑えて安価に緑化用資材1を提供できる。
図3および図4(a)〜(c)に示すように、基材2に、プレート部5の上面周縁を囲むように形成された枠部6を形成してあると、該プレート部5の上面に塗布される光硬化性樹脂の流出を防ぐことができるので、光硬化性樹脂の塗布工程や、苔植物配偶体4の配設工程などを支障なく、スムーズに進めることができる。このことも生産効率の向上に資する。
(第1実施形態)
図1ないし図4に本発明に係る緑化用資材の第1実施形態を示す。図1は作製直後における緑化用資材1の状態を示しており、図2および図3は数年後の状態を示している。図1において、緑化用資材1は、基材2と、該基材2の上面に塗布形成された樹脂層3と、該樹脂層3に埋設状に保持された多数本の苔植物配偶体4とからなる。この緑化用資材1は、図1のような状態で建造物の屋上等に設置され、数年後に苔植物配偶体4が生育することにより、図2および図3に示すように、基材2の上面が苔植物配偶体4で覆われた状態となる。
図3および図4(a)ないし図4(c)において、基材2は、透明なポリカーボネート製の樹脂成形品であり、縦横寸法が30×30cm、厚み寸法が1cmの平板状のプレート部5と、該プレート部の上面周縁を囲むように形成された厚み寸法が0.5cmの四角枠状の枠部6と備える。枠部6は、プレート部5の上面に塗布された光硬化性樹脂が該上面から流れ落ちるのを防ぐことを目的として形成してある。枠部6で囲まれたプレート部5の上面、すなわち基材2の上面はフラット面とされている。
樹脂層3は、光硬化性樹脂を吹き付け塗装やスクリーン印刷等の方法により、基材2の上面に形成されている。ここでは、厚み寸法が0.5mm程度となるように、スクリーン印刷法により光硬化性樹脂(大日本インキ化学工業(株)SD397)をベタ状に塗布して、基材2の上面の全面に樹脂層3を形成した。光硬化性樹脂の粘度は150mPa・s以上、ここでは200mPa・sとした。光硬化性樹脂は、予め緑色あるいは黄緑色などの緑系色に着色されたものを用いた。
苔植物配偶体4は、スナゴケの苔植物配偶体であり、人工的に栽培された群落体を、個々の苔植物配偶体4に分解した状態で、樹脂層3の上面に分散状に配設されている。ここでは、各苔植物配偶体4の一部分が、樹脂層3内に埋設状に保持されるような姿勢状態として、該苔植物配偶体4を樹脂層3を介して基材2の上面に固定した。なお、かかるスナゴケをより詳しく言うと、蘚類、マゴケ亜網、キボウシゴケ目、キボウシゴケ科、シモフリゴケ属に属するスナゴケである。
図4に、緑化用資材1の製造方法を示す。まず図4(a)に示すごとく、基材2の上面に光硬化性樹脂を塗布して樹脂層3を形成する。次に図4(b)に示すごとく、樹脂層3の上面に多数の苔植物配偶体4を分散状に配設したのち、該苔植物配偶体4に対して、その一部が樹脂層3内に埋まるように弱い力で押える。次に図4(c)に示すごとく、基材2の下面に光源7を配置し、該基材2を介して樹脂層3を構成する光硬化性樹脂に対して励起光を照射して、光硬化性樹脂を硬化させる。ここでは、紫外線(300mj/cm2 )を照射して、光硬化性樹脂を硬化させた。これにて、図1に示すごとく、各苔植物配偶体4の一部分を、樹脂層3内に埋設状に保持させて、該苔植物配偶体4を基材2に対して強固に固定させることができた。
以上のような緑化用資材1は、平板状の基材2を主体とするものであるため、接着剤や両面テープなどを用いて、建造物の屋上や壁面等に設置固定することができる。砂防ダムの法面等に、この緑化用資材1を設置固定してもよい。いずれにしても、この緑化用資材1は、通常のタイル等と同様の方法で、建造物の屋上や壁面に設置固定でき、設置作業を容易に進めることができる点で優れている。
苔植物配偶体4は、その生育に土壌を必要とせず、したがって、樹木、芝生、セダム等に比べて緑化用資材の軽量化を図ることができる。このため、緑化用資材1の適用箇所は、堅固な構造を備えた建造物に限られない。既設の建造物に対しても補強工事等を行うことなく緑化用資材1を設置できる点でも優れている。頻繁な水やりや、スプリンクラーなどの灌水装置が一切不要である点でも優れている。
各苔植物配偶体4の一部分を、樹脂層3内に埋設状に保持させることにより、該苔植物配偶体4を基材2に対して確りと固定させているため、縫製により苔植物配偶体4を固定する従来形態に比べて、苔植物配偶体4の基材2からの脱落のおそれは少ない。図2および図3に示すように、苔植物配偶体4の群落体が基材の全面を覆うように育ったときにも、その一部は樹脂層3に保持されているため、該苔植物配偶体4が基材2から脱落することはない。したがって、建造物の屋上だけでなく壁面等に対しても、支障なく緑化用資材1を適用できる。この種の光硬化樹脂が、雨水により成分が流出したり、紫外線により劣化したりするおそれがなく、長期にわたって良好な苔植物配偶体4に対する保持力を発揮する点、周囲に有害物質が流出するおそれがない点、苔植物配偶体4の生育を妨げるおそれがない点でも優れている。
樹脂層3を光硬化性樹脂からなるものとしてあると、励起光を照射するだけで、該樹脂層3を硬化させて、苔植物配偶体1を保持できる(図4(c)参照)。したがって、縫製作業やニードルを何度も突き刺すなどの固定作業が必要であった従来形態の緑化用資材に比べて、作業効率良く緑化用資材1を製造できる。何よりも、この製造方法は大量生産に適しており、安価に緑化用資材1を提供できる点で優れている。
基材2は、透明なプラスチック樹脂からなるものであるので、図4(c)に示すように、該基材2の下面に配した光源7より励起光を照射して、光硬化性樹脂を硬化させることができる。これによれば、上方より励起光を照射する形態では不可避となる、該励起光が苔植物配偶体4で遮られることによって光硬化性樹脂の硬化が不十分となる問題が生じず、確実に光硬化性樹脂を硬化させることができ、したがって苔植物配偶体4の基材2からの脱落を確実に阻止できる。上方から励起光を照射する場合よりも、励起光の照射時間が短時間で済み、また励起光の照射強度も可及的に小さなもので済むため、強力な励起光(紫外線光)を照射することにより、苔植物配偶体4が死滅するなどの不具合が生じ難い点でも優れている。
この緑化用資材1は、図1に示すような状態で市場に出されるが、かかる初期状態においては苔植物配偶体4が分散状に配置されており、樹脂層3が表面に現出している。このため、この状態で建造物の壁面等に緑化用資材1を設置すると、樹脂層3が異常に目立って、通行人等に違和感を与えることが避けられず、見た目の印象が非常に悪い。かかる不具合を解消するため、本実施形態では、樹脂層3を構成する光硬化性樹脂を緑色あるいは黄緑色などの緑系色に着色して、図1のような初期状態において樹脂層3が表面に現出することに伴う見た目の印象の悪さを最小限に抑えることができるようにした。尤も、図2および図3に示すように、数年後には、基材2の上面の全体が苔植物配偶体4の群落体で覆われて、樹脂層3は表面には現出しなくなるため、上記のような問題は最終的には解消される。換言すれば、このように光硬化性樹脂を緑色あるいは黄緑色に着色してあると、樹脂層3が表面に現出することに伴う初期状態における見た目の印象の悪さを最小限に抑えることができるので、図1に示すように苔植物配偶体4が分散状に配設された状態で市場へ出荷することが可能となる。これにて、図2および図3に示すように、基材2の上面の全体が苔植物配偶体4の群落体で覆われるまで数年間もの長期にわたって苔植物配偶体4を生育させる必要がなくなり、ビニールハウスなどの生育設備は不要となるため、緑化用資材1の製造コストの低減化に大いに貢献できる。
(第2実施形態)
図5は、本発明に係る緑化用資材の第2実施形態を示しており、そこでは、基材2の上面に部分的に光硬化性樹脂を塗布して樹脂層3を形成している点が、先の第1実施形態と相違する。図示例には、基材2の上面に、縞状に樹脂層3を塗布形成した例を示す。それ以外は第1実施形態と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。これによれば、光硬化性樹脂の使用量を減らすことができるので、緑化用資材1の低コスト化に貢献できる。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態を示しており、そこでは、苔植物配偶体4の群落体を、樹脂層3を介して基材2の上面に固定してある点が、先の第1実施形態と相違する。すなわち、上記の第1実施形態では、人工的に栽培された群落体から分解された個々の苔植物配偶体4を樹脂層3の上面に分散状に配設していたが、この第3実施形態では、苔植物配偶体4の群落体を樹脂層3の上面に分散状に配設している。これによれば、先の図2や図3に示すように、苔植物配偶体4が基材2の上面の全面を覆うまでの生育期間の短縮化を図ることができる。
上記実施形態においては、基材2として透明樹脂(ポリカーボネート)からなるものを用いたが、該基材2は透明ガラスからなるものであってもよい。基材2は、シート状であってもよい。
本発明に係る緑化用資材の縦断正面図であり、製造直後の初期状態の様子を示している。 本発明に係る緑化用資材の縦断正面であり、苔植物配偶体の生育が進んだ、数年後の状態を示している。 本発明に係る緑化用資材の一部破断斜視図であり、苔植物配偶体の生育が進んだ、数年後の状態を示している。 (a)ないし(c)は、本発明に係る緑化用資材の製造方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る緑化用資材を示す縦断正面図であり、製造直後の初期状態の様子を示している。 本発明の第3実施形態に係る緑化用資材を示す縦断正面図であり、製造直後の初期状態の様子を示している。
符号の説明
1 緑化用資材
2 基材
3 樹脂層
4 苔植物配偶体
5 プレート部
6 枠部
7 光源

Claims (6)

  1. シート状あるいはプレート状の基材の上面に、光硬化性樹脂からなる樹脂層を介して、多数の苔植物配偶体を固定してなる緑化用資材であって、
    各苔植物配偶体の一部分が、前記樹脂層内に埋設状に保持されることにより、これら苔植物配偶体が基材の上面に固定されていることを特徴とする緑化用資材。
  2. 前記基材が、透明樹脂、あるいは透明ガラスを素材とするものである請求項1記載の緑化用資材。
  3. 前記樹脂層を構成する光硬化性樹脂が、緑系色に着色されている請求項1又は2記載の緑化用資材。
  4. 前記基材が、平板状のプレート部と、該プレート部の上面に塗布される光硬化性樹脂の流出を防ぐことを目的として、該プレート部の上面周縁を囲むように形成された枠部と備えるものである請求項1ないし3のいずれかに記載の緑化用資材。
  5. シート状あるいはプレート状の基材の上面に光硬化性樹脂を塗布して、樹脂層を形成する工程と、
    前記樹脂層上に多数の苔植物配偶体を分散状に配設したうえで、各苔植物配偶体の一部が該樹脂層内に埋まるように、該苔植物配偶体を上方より押える工程と、
    前記樹脂層に励起光を照射して、前記光硬化性樹脂を硬化させることにより、該苔植物配偶体を該樹脂層に保持させる樹脂硬化工程とを含むことを特徴とする緑化用資材の製造方法。
  6. 前記基材が、透明樹脂、あるいは透明ガラスを素材とするものであり、
    前記樹脂硬化工程においては、前記基材の下面側から励起光を照射することにより、光硬化性樹脂を硬化させている請求項5記載の緑化用資材の製造方法。
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