JP2009124851A - ステータの製造方法、ステータ及びブラシレスモータ - Google Patents
ステータの製造方法、ステータ及びブラシレスモータ Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】配置工程において、回動可能に連結されステータコアを構成する複数の分割コア4を、複数のティース4bが平行となるように直線状に配置し、コイル9が巻装されたティース4b間に、溶融した第1及び第2の振動減衰部材11,12を配置する。次いで、環状化工程において、隣り合うティース4bの先端部が互いに近づくように分割コア4を回動させて、隣り合うティース4bにて第1及び第2の振動減衰部材11,12を押圧しながら、ティース4bの先端が内側となるように複数の分割コア4を環状に成形する。次いで、固化工程において、第1及び第2の振動減衰部材11,12を固化する。
【選択図】図6
Description
同構成によれば、ロータの回転時において、磁気振動等ステータにて発生する振動は、振動減衰部材にて減衰される。従って、ステータの振動に起因する騒音を低減することができる。
図1は、本実施形態のブラシレスモータの断面図を示す。図1に示すように、有底円筒状をなすハウジングケース1の内周面には、円環状のステータ2が固定されている。図2に示すように、ステータ2を構成するステータコア3は、軸方向から見た形状がT字状をなすとともに周方向に配置された12個の分割コア4から構成されている。図3(a)に示すように、各分割コア4は、軸方向から見た形状が円弧状をなす連結固定部4aと、該連結固定部4aの周方向の略中央部から径方向内側に向かって延びるティース4bとから構成されるとともに、軸方向から見た形状がT字状をなす第1及び第2のコアシート5,6を板厚方向に交互に積層して形成されている。尚、図1に示す分割コア4は、第1及び第2のコアシート5,6の図示を省略して図示している。
まず、配置工程では、それぞれコイル9が巻装されたティース4b間に第1及び第2の振動減衰部材11,12を配置する。詳述すると、図6に示すように、インシュレータ7を介して連結された12個の分割コア4は、12個のティース4bが平行となるように直線状に配置される。このように配置された12個の分割コア4においては、隣り合うティース4bの先端部間の間隔が、12個の分割コア4を環状に配置してなるステータコア3(図2参照)における隣り合うティース4bの先端部間の間隔よりも広い。そして、ディスペンサ31にて、コイル9が巻装されたティース4b間に第1の振動減衰部材11を所定量ずつ順に配置する。この時、第1の振動減衰部材11は、溶融した状態であるとともに、後に配置される第2の振動減衰部材12よりも粘性が小さい。更に、第1の振動減衰部材11は、隣り合うティース4b間においてティース4bの基端側の部位、即ち隣り合う分割コア4の連結固定部4aの繋ぎ目付近に配置される。次いで、第1の振動減衰部材11が配置された後の隣り合うティース4b間に、ディスペンサ32にて、第2の振動減衰部材12を順に配置する。この時、第2の振動減衰部材12は、溶融した状態であるとともに、隣り合うティース4b間においてティース4bの先端側の部位に配置される。
(1)配置工程において、12個の分割コア4を、12個のティース4bが平行となるように直線状に配置し、コイル9が巻装されたティース4b間に、溶融した第1及び第2の振動減衰部材11,12を配置する。そして、環状化工程において、隣り合うティース4bの先端部が互いに近づくように分割コア4を回動させて、隣り合うティース4bにて第1及び第2の振動減衰部材11,12を押圧しながら、ティース4bの先端が内側となるように12個の分割コア4を環状に成形する。従って、配置工程及び環状化工程では、コイル9が巻装されたティース4b間に第1及び第2の振動減衰部材11,12を介在させるために、専用の成形型や射出成形機等を使用しなくてもよい。また、ステータコア3を成形型内に配置して第1及び第2の振動減衰部材11,12を隣り合うティース4b間に介在させるわけではないため、バリが発生しない。よって、バリ取り工程を行わなくてもよい。これらのことから、設備費を低減させるとともに生産性を向上させることができ、製造コストを低減させることができる。そして、ステータ2を備えたブラシレスモータにおいては、ステータ2を周方向に振動させるような力がティース4bに作用したとしても、第1及び第2の振動減衰部材11,12によってステータ2の周方向の振動が抑制される。従って、駆動時のブラシレスモータの振動が低減され、当該ブラシレスモータを搭載した車両において、車室内の騒音を小さく抑えることができる。また、固化した第1及び第2の振動減衰部材11,12によって、隣り合う分割コア4同士の位置関係が保たれるため、各分割コア4における周方向の振動が抑制される。更に、環状化工程において、それぞれコイル9が巻回された隣り合うティース4bによって溶融した第1及び第2の振動減衰部材11,12を周方向の両側から押圧すると、第1及び第2の振動減衰部材11,12は、コイル9の隙間に拡散すると同時に、反力によってコイル9をティース4bの周方向の側面に押し付ける。そのため、ティース4bに対するコイル9の位置が安定する。
・上記実施形態では、コイル9が巻装されたティース4b間には、2種類の振動減衰部材(即ち第1及び第2の振動減衰部材11,12)がそれぞれ配置されるが、3種類以上の振動減衰部材が配置されてもよい。この場合、配置工程において、複数の振動減衰部材のうち、剛性の高いものから順にティース4bの基端側に配置すると、上記実施形態の(2)と同様の作用効果を得ることができる。
Claims (10)
- 放射状に延びるように配置されるティースをそれぞれ有する複数の分割コアを前記ティースの先端が内側となるように環状に配置してなるステータコアと、
前記ティースにそれぞれ巻装された複数のコイルと、
前記コイルが巻装された前記ティース間に介在された樹脂よりなる振動減衰部材と
を備えたステータの製造方法であって、
直接又は間接的に互いに回動可能に連結された複数の前記分割コアを、複数の前記ティースが平行となるように直線状に若しくは前記ティースの先端が外周側となるように円弧状に配置し、前記コイルが巻装された前記ティース間に、溶融した前記振動減衰部材を配置する配置工程と、
隣り合う前記ティースの先端部が互いに近づくように前記分割コアを回動させて、隣り合う前記ティースにて前記振動減衰部材を押圧しながら、前記ティースの先端が内側となるように複数の前記分割コアを環状に成形する環状化工程と、
前記振動減衰部材を固化する固化工程と
を備えたことを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項1に記載のステータの製造方法において、
隣り合う前記ティース間には、硬度の異なる複数種類の前記振動減衰部材が配置され、
前記配置工程では、前記ティースの基端側には、前記ティースの先端側に配置する前記振動減衰部材よりも粘性が大きく且つ剛性の高い前記振動減衰部材を配置することを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項2に記載のステータの製造方法において、
前記環状化工程では、隣り合う前記ティースの先端部が互いに近づくように前記分割コアを回動させて、隣り合う前記ティースにて前記振動減衰部材を押圧することにより、前記ティースの基端側に配置された前記振動減衰部材と、前記ティースの先端側に配置された前記振動減衰部材とが径方向に互いに密着結合されることを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項2又は請求項3に記載のステータの製造方法において、
隣り合う前記ティース間には、第1の振動減衰部材と、前記第1の振動減衰部材よりも粘性が小さく且つ弾性の大きい第2の振動減衰部材との2種類の前記振動減衰部材が介在され、
前記配置工程では、前記ティースの基端側に前記第1の振動減衰部材を配置した後に、前記ティースの先端側に前記第2の振動減衰部材を配置することを特徴とするステータの製造方法。 - 放射状に延びるように配置されるティースをそれぞれ有する複数の分割コアを前記ティースの先端が内側となるように環状に配置してなるステータコアと、
前記ティースにそれぞれ巻装された複数のコイルと、
前記コイルが巻装された前記ティース間に介在され、前記コイルが巻装された前記ティースにて周方向の両側から押圧された振動減衰部材と
を備えたことを特徴とするステータ。 - 放射状に延びるように配置されるティースをそれぞれ有する複数の分割コアを前記ティースの先端が内側となるように環状に配置されてなるステータコアと、
前記ティースにそれぞれ巻装された複数のコイルと、
前記コイルが巻装された前記ティース間に介在された硬度の異なる複数種類の振動減衰部材と
を備えたことを特徴とするステータ。 - 請求項5又は請求項6に記載のステータにおいて、
周方向に隣り合う前記ティース間には、複数種類の前記振動減衰部材が配置されるとともに、前記ティースの基端側には、前記ティースの先端側に配置された前記振動減衰部材よりも剛性の大きな前記振動減衰部材が配置されたことを特徴とするステータ。 - 請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載のステータにおいて、
周方向に隣り合う前記ティース間で径方向に隣り合う前記振動減衰部材同士は、径方向に互いに密着結合されたことを特徴とするステータ。 - 請求項5乃至請求項8の何れか1項に記載のステータにおいて、
隣り合う前記ティース間には、第1の振動減衰部材と、前記第1の振動減衰部材よりも硬度が小さく且つ弾性の大きい第2の振動減衰部材との2種類の前記振動減衰部材が介在され、前記ティースの基端側に第1の振動減衰部材が配置されるとともに、前記ティースの先端側に前記第2の振動減衰部材が配置されたことを特徴とするステータ。 - 請求項5乃至請求項9の何れか1項に記載のステータと、前記ステータの内側に配置されたロータとを備えたことを特徴とするブラシレスモータ。
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