JP2009124556A - リング型通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】リターンラインの問題を招くことなく複数の機器を自由に配置して上記複数の機器をリング状に接続したリング型通信システムを提供する。
【解決手段】所定の順序で直列的に配列された複数の機器における各通信ポートを、前記複数の機器の配列順序に沿って前記機器を1台ずつ飛び越して順に直列接続すると共に、前記配列の両端にそれぞれ位置付けられた機器および該機器に隣りに位置付けられた機器の残された通信ポートを相互に接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は、双方向に通信に供される一対の通信ポートをそれぞれ備えた複数の機器を順に直列接続して構成されるリング型通信システムに関する。
温度調節計等のループレベルの計測制御機器においては、複数の機器の状態を相互にモニタしたり、複数の機器間での協調制御を実現するべくプロセス情報等を相互に交換することが行われる。このような情報の通信手段として複数の機器[例えば#a,#b,#c,#d]を順に直列に接続することで、リング状の通信路を形成した図5(a)に示すようなリング型通信システムを構築することが知られている。この種のリング型通信システムについては特許文献1等に詳しく紹介される通りであり、特にリング型通信システムは、例えば図5(b)に示すように或る機器[例えば#b]に通信障害が発生したとき、図5(c)に示すように逆向きに情報伝送することで複数の機器[#a,#d,#c]間での情報通信を確保し得るように構成されている。
特開2000−316011号公報
ところで上述した複数の機器は、物理的にリング状に配列されることは希であり、一般的には図5(d)に示すように直線的に配列されることが多い。このように直線的に配列された複数の機器[例えば#a,#b,#c,#d]を順に直列接続してリング型通信システムを構築する場合、その両端部に配置された機器[#a,#d]間を結ぶ通信路、いわゆるリターンラインが長くなることが否めない。このような長い通信路(リターンライン)は、複数の機器間での通信品質を損なう要因となるものであって、逆に複数の機器間での通信品質を保証する上で上記リターンラインの長さに制約がある。これ故、複数の機器を配置する上での計装の自由度が制限されると言う問題があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、リターンラインの問題を招くことなく複数の機器を自由に配置して、これらの複数の機器をリング状に順に直列接続することのできるリング型通信システムを提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明に係るリング型通信システムは、双方向通信に供される一対の通信ポートをそれぞれ備えた複数の機器をリング状に順に直列接続して構成されるものであって、
所定の順序で直列的に配列された前記複数の機器における前記各通信ポートを、前記複数の機器の配列順序に沿って前記機器を1台ずつ飛び越して相互に接続すると共に、飛び越し先に機器が存在しない場合には、その端部に位置付けられた機器の残された通信ポートに接続することを特徴としている。
つまり所定の順序で直列的に配列された前記複数の機器における前記各通信ポートを、前記複数の機器の配列順序に沿って前記機器を1台ずつ飛び越して順に直列接続すると共に、前記配列の両端にそれぞれ位置付けられた機器および該機器に隣りに位置付けられた機器の残された通信ポートを相互に接続し、これによって前記複数の機器をリング状に接続することを特徴としている。
ちなみに前記所定の順序で直列的に配列された複数の機器における前記各通信ポート間の飛び越し接続は、例えば前記各機器にそれぞれ並列に設けられたバイパス路を介して行うことが好ましい。尚、前記バイパス路については、例えば前記各機器にそれぞれ一体に組み込まれて、前記一対の通信ポートに併設される一対の補助通信ポート間に設けられたものとして構成すれば良い。
或いは前記各機器にそれぞれ対応して設けられて前記各機器の一対の通信ポートがそれぞれ接続される通信接続装置を介して前記複数の機器間の接続を行うような場合には、前記バイパス路を上記各通信接続装置にそれぞれ組み込むようにすれば良い。
本発明によれば複数の機器が直線的に配列された場合であっても、その配列順序に沿って前記機器を1台ずつ飛び越して順次直列に接続すると共に、前記配列の両端にそれぞれ位置付けられた機器および該機器に隣りに位置付けられた機器の残された通信ポートを相互に接続するので、その通信路の長さを前記機器を1台飛び越して位置付けられる機器間の離反距離に抑えることができる。従って直線的に配列された複数の機器の両端間を結ぶような長い通信路(リターンライン)が形成されることがない。故に、通信路の長さに対する制約に起因して複数の機器の配置・配列が制限されることがなく、通信品質を確保しながらその計装の自由度を十分に確保することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るリング型通信システムについて説明する。
図1は本発明に係るリング型通信システムの概略構成を示す図で、ここでは4つの機器[#1,#2,#3,#4]をリング状に順に直列接続してリング型通信システムを構築する例を示している。尚、前記各機器は、例えば温度調節計からなる機器本体1と、この機器本体1に設けられて双方向通信に供される一対の通信ポート2a,2bとをそれぞれ備えたものからなる。そしてこれらの複数の機器の各機器本体1は、上記通信ポート2a,2bを介して他の機器との間で情報通信し、互いに協働して温度制御等を実行する機能を備える。ちなみにこれらの機器(温度調節計)は、例えば工場における製品ラインに沿って直列的に配列される。
本発明は、上述したように直列的に配列された複数(4つ)の機器[#1,#2,#3,#4]をリング状に接続してリング型通信システムを構築するに際して、その配列順序に従って順に直列接続することに代えて、図1(a)に示すように複数の機器[#1,#2,#3,#4]の各通信ポートを、その配列順序に沿って前記機器を1台ずつ飛び越して相互に接続すると共に、飛び越し先に機器が存在しない場合には、その端部に位置付けられた機器の残された通信ポートに接続することを特徴としている。換言すれば複数の機器[#1,#2,#3,#4]の各通信ポートを、その配列順序に沿って前記機器を1台ずつ飛び越して順に直列接続すると共に、前記配列の両端にそれぞれ位置付けられた機器[#1,#4]および該機器[#1,#4]に隣りに位置付けられた機器[#2,#3]の残された通信ポートを相互に接続することを特徴としている。
具体的には機器[#1]における第2の通信ポート2bを、その隣りに配置された機器[#2]を飛び越した次々先の機器[#3]の第1の通信ポート2aに接続する。更にこの機器[#3]の第2の通信ポート2bを、その隣りに配置された機器[#4]を飛び越した次々先の機器に接続するように後述するバイパス路に接続する。また同様に前記機器[#2]の第2の通信ポート2bを、その隣りに配置された機器[#3]を飛び越した次の機器[#4]の第1の通信ポート2aに接続し、前記機器[#2]の第1の通信ポート2aについては、その隣りに配置された機器[#1]を飛び越した次の機器に接続するように後述するバイパス路に接続する。
そして前記機器[#2]から見て、その隣の機器[#1]の先には機器が存在しないので、前記機器[#2]の第1の通信ポート2aを前述したバイパス路を介して前記機器[#1]の残された通信ポート2aに接続する。つまり前記配列の一方の端部位置付けられた機器[#1]の残された通信ポート2aと、前記機器[#2]の残された通信ポート2aとを相互に接続する。
同様に前記機器[#3]から見て、その隣の機器[#4]の先には機器が存在しないので、前記機器[#3]の第2の通信ポート2bを前述したバイパス路を介して前記機器[#4]の残された通信ポート2bに接続する。つまり前記配列の一方の端部位置付けられた機器[#3]の残された通信ポート2bと、前記機器[#4]の残された通信ポート2bとを相互に接続する。
即ち、前述した如く直線的に配列された複数の機器[#1,#2,#3,#4]の両端に、更に仮想的に機器が存在すると看做して前述した複数の機器間の飛び越し接続をそれぞれ行い、仮想的に機器が存在すると看做した配列端部においては、残された通信ポート間を相互に接続することで、上記直列的に配列された複数の機器[#1,#2,#3,#4]間のリング状の接続を実現する。
このようにして複数の機器[#1,#2,#3,#4]を順に接続して構築されるリング型通信システムによれば、図1(b)にその等価的な接続構造を示すように、前記複数の機器[#1,#2,#3,#4]の物理的な配列順序[#1→#2→#3→#4]とは異なるが、上記複数の機器[#1,#2,#3,#4]を[#1→#3→#4→#2→#1]なる順序でリング状に接続したリング型通信システムを構築することができる。しかも各機器[#1,#2,#3,#4]間を結ぶ各通信路の長さを、上記各機器[#1,#2,#3,#4]をそれぞれ1台分に亘って飛び越して配置される機器間の離反距離に抑えることができる。換言すれば、従来のように直列的に配置された複数の機器[#1,#2,#3,#4]の配列長に相当する通信路(リターンライン)が形成されることがない。
従って複数の機器間での通信情報の品質を確保する上で課せられる通信路長の制約を受けることなく、通信品質を確保したリング型通信システムを容易に構築することが可能となる。また逆にリターンラインの長さを考慮することなくリング型通信システムを構築することができるので、種々の設置環境に応じて複数の機器を直列的に自由に配列することが可能となる等の実用上多大なる効果が奏せられる。尚、これらの複数の機器[#1,#2,#3,#4]間での情報通信については、これらの各機器[#1,#2,#3,#4]に上述した配列順序とは異なる論理アドレスを付与して管理すれば良い。
ちなみに上述した如くしてリング型通信システムを構築するに際しては、例えば図1(a)に示すように各機器[#1,#2,#3,#4]毎に一対の通信ポート2a,2bをそれぞれ外部接続可能に設けると共に、機器本体1をバイパスする通信路(バイパス路)4を形成した一対の補助通信ポート3a,3bを上記通信ポート2a,2bに並べて外部接続可能に設け、隣り合う機器間において前記通信ポート2a,2bと前記補助通信ポート3a,3bとを相互に交差接続するようにすれば良い。
また図2に示すように、各機器[#1,#2,#3,#4]において前述した一対の通信ポート2a,2bおよび前記一対の補助通信ポート3a,3bをそれぞれ設ける位置を入れ替えることで前記機器本体1とバイパス路4とを内部的に交差させて設けておくことも有用である。特に前記一対の通信ポート2a,2bおよび前記一対の補助通信ポート3a,3bを一対のコネクタにそれぞれ一体に組み込んで外部接続可能に設けるような場合、隣り合う機器間において通信ポート2a,2bと補助通信ポート3a,3bとを区別することなく相互に接続することが可能となるので、その実用的利点が多大である。
またこのように構成にすれば、隣り合う機器間における上記コネクタを相互に接続するに際して、一対のコネクタ間に布設される通信ケーブルとして、複数本の信号線を交差接続した特殊な通信ケーブル(いわゆるクロスケーブル)を準備する必要がなく、一対のコネクタ間に単純に複数本の信号線を並列に布設した通信ケーブルを準備するだけで良いので、システム的な構成の単純化を図ることが可能となる。しかも通信ケーブルを用いることなく、隣り合う機器1間における上記コネクタ同士を直接的に相互接続することも可能となるので、その実用的利点が絶大である。
この場合、前述した如く直列的に配列された複数の機器1の中の両端部に位置付けられる2つの機器1については、通信ポート2a(2b)と補助通信ポート3a(3b)とをそれぞれ相互に接続する専用のケーブルまたは専用のコネクタを準備しておけば十分である。また或いは前記各機器の内部に上記通信ポート2a(2b)と補助通信ポート3a(3b)とをそれぞれ選択的に相互に接続する折り返し接続スイッチを設けておくことも有用である。この折り返し接続スイッチについては、マニュアル操作によって切り換えられるものであれば十分である。或いは外部からの前記コネクタに対する接続の有無を検出することで自動的に接続切り換え制御される折り返し接続スイッチを用いることも勿論可能である。
尚、前記各機器における一対の通信ポート2a,2bをそれぞれ直接的に接続してリング型通信システムを構築することに代えて、例えば各機器本体1をそれぞれ通信接続装置6に接続し、これらの通信接続装置6を介して前記機器本体1を順に接続してリング型通信システムを構築することも可能である。この場合には、図3に示すように上記各通信接続装置6に一対の通信ポート2a,2bと一対の補助通信ポート3a,3bとをそれぞれ設けるようにすれば良い。具体的には通信接続装置6に設けた一対の接続ポート5a,5bに機器本体1の通信ポートを接続し、上記接続ポート5a,5bを前記通信接続装置6に設けた一対の通信ポート2a,2bに接続することで外部接続可能とする。そしてこの通信制御装置6に、前記一対の通信ポート2a,2bに併設して前記バイパス路4を形成した一対の補助通信ポート3a,3bを設けるようにすれば良い。
図4は上述したトポロジーの下で複数の機器をリング状に直列接続したリング型通信システムを構築するに適した機器(通信接続装置)の好ましい実施形態を示している。この図4に示す機器は、機器本体1に通信接続装置6を一体に組み込んだものであって、例えば箱形の筐体における相対する側面に外部接続用の一対のコネクタA,Bを設けて構成される。これらのコネクタA,Bは、前述したように機器本体1の一対の通信ポート2a,2bと、前記機器本体1に対して並列に設けられたバイパス路4を形成した一対の補助通信ポート3a,3bとを、その位置を入れ替えて組み込んだものであり、隣り合う機器間で前記コネクタA,Bを相互接続したとき、前記通信ポート2aを補助通信ポート3bに接続し、また同時に通信ポート2bを補助通信ポート3aに接続する役割を担う。またコネクタB側の前記通信ポート2bと補助通信ポート3bとの間には、これらのポート2b,3b間を選択的に折り返し接続する為の折り返し接続スイッチ7が設けられている。
そして上述した如く構成された複数の機器間の接続は、複数の機器が並べて設けられる場合には、隣接配置される2つの機器における一方のコネクタAを他方のコネクタBに直接的に結合して行われる。また複数の機器が離反して設けられる場合には、その両端に前述したコネクタA,Bと同一仕様の一対のコネクタA,Bを接続した通信ケーブル9を上記2つの機器における一方のコネクタBと他方のコネクタAとにそれぞれ結合することにより、該通信ケーブル9を介して相互に接続する。そして一端部に位置付けられた機器については、前述した折り返し接続スイッチ7を用いてコネクタB側の通信ポート2bと補助通信ポート3bとを内部的に相互に接続する。また他端部に位置付けられた機器については、前記コネクタBと同一仕様であって、前記通信ポート2bと補助通信ポート3bとを相互に接続した折り返し接続用のコネクタ8を前記コネクタAに結合することにより、その外部において前記通信ポート2aと補助通信ポート3aとを相互接続する。
従って上記構成の機器(通信接続装置)によれば、上述したように複数の機器(通信接続装置)を順に接続していくだけで、これらの各機器の機器本体1をリング状に接続したリング型通信ネットワークを簡易に構築することができる。しかも従来のように、複数の機器の配列長に相当する長いリターンラインを形成することなくリング型通信ネットワークを構築することができる。従って通信品質低下の要因となる通信路長については、隣り合う機器を1つ飛び越して接続される、いわゆる次々の機器までの通信路長を考慮するだけで良いので、実質的には通信路長に対する制約を殆ど意識することなく複数の機器を配列して、通信品質が確保されたリング型通信ネットワークを容易に構築することが可能となる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。即ち、リング型通信ネットワークを構築する機器の数はシステム仕様に応じたものであれば良い。また前述した一対のコネクタA,Bについては、機器筐体の両側面における互いに対峙する部位に設けることが好ましいが、上記機器筐体の裏面等に並べて設けても良いことは言うまでもない。但しこの場合には、隣り合う機器間で必ず通信ケーブル9を用いて前述したコネクタA,B間を相互に接続することが必要となる。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係るリング型通信システムを構築する複数の機器間の接続形態と、等価的な接続構造を示す図。 本発明の第2の実施形態に係るリング型通信システムを構築する複数の機器間の接続形態を示す図。 本発明の第3の実施形態に係るリング型通信システムを構築する複数の機器間の接続形態を示す図。 本発明に係るリング型通信システムを構築するに適した機器(通信接続装置)の概略構成と、複数の機器の接続例を示す図。 リング型通信システムの概略構成とその問題点を説明する為の図。
符号の説明
1 機器本体
2a,2b 一対の通信ポート
3a,3b 一対の補助通信ポート
4 バイパス路
6 通信接続装置
7 折り返し接続スイッチ7
8 折り返し接続用のコネクタ
A,B 一対のコネクタ

Claims (4)

  1. 双方向通信に供される一対の通信ポートをそれぞれ備えた複数の機器をリング状に順に直列接続して構成されるリング型通信システムであって、
    所定の順序で直列的に配列された前記複数の機器における前記各通信ポートを、前記複数の機器の配列順序に沿って前記機器を1台ずつ飛び越して相互に接続すると共に、飛び越し先に機器が存在しない場合には、その端部に位置付けられた機器の残された通信ポートに接続することを特徴とするリング型通信システム。
  2. 前記所定の順序で直列的に配列された複数の機器における前記各通信ポート間の飛び越し接続は、前記各機器にそれぞれ並列に設けられたバイパス路を介して行われるものである請求項1に記載のリング型通信システム。
  3. 前記バイパス路は、前記一対の通信ポートに併設される一対の補助通信ポート間に設けられたものであって、前記各機器にそれぞれ一体に組み込まれている請求項2に記載のリング型通信システム。
  4. 前記バイパス路は、前記各機器にそれぞれ対応して設けられて前記各機器の一対の通信ポートがそれぞれ接続される通信接続装置にそれぞれ組み込まれたものであって、所定の順序で直列的に配列された前記複数の機器間の接続は上記通信接続装置を介して行われるものである請求項1に記載のリング型通信システム。
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