JP2009121374A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009121374A
JP2009121374A JP2007297379A JP2007297379A JP2009121374A JP 2009121374 A JP2009121374 A JP 2009121374A JP 2007297379 A JP2007297379 A JP 2007297379A JP 2007297379 A JP2007297379 A JP 2007297379A JP 2009121374 A JP2009121374 A JP 2009121374A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
overheat protection
speed
oil temperature
clutch
driving force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007297379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4935638B2 (ja
Inventor
Yohei Mizuta
洋平 水田
Kazuhiro Taniai
和博 谷合
Shusaku Katakura
秀策 片倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2007297379A priority Critical patent/JP4935638B2/ja
Publication of JP2009121374A publication Critical patent/JP2009121374A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4935638B2 publication Critical patent/JP4935638B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

【課題】 急激な駆動力変動を抑制して車両の走行性を維持し、運転者に与える違和感を抑えつつ、変速機の温度上昇を抑制することができる車両の駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】 油温に応じてエンジン1の出力トルクの上限値を複数段階に制限する過熱保護制御を実行する過熱保護制御部50aを設けた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両の原動機と駆動輪との間の駆動伝達経路上に、摩擦要素を介して原動機の出力を入力する変速機を備えた車両の駆動力制御装置の技術分野に属する。
従来の駆動力制御装置としては、例えば、変速機の摩擦係合装置の発熱量が所定値以上となった場合、1回のトルクダウンを実行することで、温度上昇の防止を図る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−90308号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、急激なトルクダウンにより車両の駆動力が不足し、走行性が悪化すると共に、運転者に違和感を与えるという問題があった。一方、違和感軽減のためにトルクダウン量を少なくした場合、温度上昇を防止することができない。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、急激な駆動力変動を抑制して車両の走行性を維持し、運転者に与える違和感を抑えつつ、変速機の温度上昇を抑制することができる車両の駆動力制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の車両の駆動力制御装置では、油温に応じて原動機の出力トルクの上限値を複数段階に制限する過熱保護制御を実行する過熱保護制御手段を設けた。
本発明では、油温に応じて出力トルクの上限値を制限し、変速機の負荷を軽減するため、急激な出力トルクの低下による駆動力不足の発生を回避することができる。この結果、急激な駆動力変動を抑制して車両の走行性を維持し、運転者に与える違和感を抑えつつ、変速機の温度上昇を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
図1は、実施例1のツインクラッチ式マニュアルトランスミッションを示す骨子図である。
車両の駆動源であるエンジン(原動機)1の出力軸(クランクシャフト2)を、クラッチハウジング3内における奇数変速段(第1速、第3速、第5速、後退)用の自動湿式回転クラッチ(締結要素)C1、および、偶数変速段(第2速、第4速、第6速)用の自動湿式回転クラッチ(締結要素)C2を介して、ツインクラッチ式マニュアルトランスミッション(変速機)内における奇数変速段(第1速、第3速、第5速、後退)用の第1入力軸4、および、ツインクラッチ式マニュアルトランスミッション内における偶数変速段(第2速、第4速、第6速)用の第2入力軸5に結合し、ツインクラッチ式マニュアルトランスミッションの出力軸6を、図示せざるプロペラシャフトやディファレンシャルギヤ装置を介して左右駆動輪に結合する。
図1に基づきツインクラッチ式マニュアルトランスミッションを詳述するに、7は、クラッチハウジング3に連なる変速機ケースを示し、クラッチハウジング3内には上記奇数変速段用自動湿式回転クラッチC1および偶数変速段用自動湿式回転クラッチC2の他に、これらクラッチC1,C2およびエンジンクランクシャフト2間を緩衝下に駆動結合するトーショナルダンパ8、および、このトーショナルダンパ8を介して常時エンジン駆動されるオイルポンプ9を内蔵させる。
なお奇数変速段クラッチC1および偶数変速段クラッチC2はそれぞれ、常態で解放しているノーマルオープン型クラッチとする。
ツインクラッチ式マニュアルトランスミッションは、オイルポンプ9からの作動油を媒体として、後述するクラッチC1,C2の締結・解放制御を含む変速段選択制御(自動変速)を実行する。
変速機ケース7内には以下の歯車変速機構を収納する。
前記のごとく奇数変速段クラッチC1および偶数変速段クラッチC2を介してトーショナルダンパ8からのエンジン回転を選択的に入力される第1入力軸4および第2入力軸5のうち第2入力軸5は中空とし、これを第1入力軸4上に嵌合するが、内側の第1入力軸4および外側の第2入力軸5を相互に同心状態で回転自在とする。
上記のごとく相互に回転自在に嵌合した第1入力軸4および第2入力軸5のエンジン側前端をクラッチC1,C2に結合する。
第1入力軸4を第2入力軸5の後端から突出させ、この突出した第1入力軸4の後端部4aに同軸に突き合わせて前記の変速機出力軸6を相対回転可能に設け、この出力軸6を変速機ケース7の後端から突出させる。
第1入力軸4、第2入力軸5、および出力軸6に平行に配してカウンターシャフト10を設け、これを変速機ケース7に回転自在に支持する。
カウンターシャフト10の後端にはカウンターギヤ11を一体回転可能に設け、これと同じ軸直角面内に配して出力軸6に出力歯車12を設け、これらカウンターギヤ11および出力歯車12を相互に噛合させてカウンターシャフト10を出力軸6に駆動結合する。
ここでカウンターギヤ11は、そのピッチ円直径を出力歯車12のピッチ円直径よりも小さくし、これらカウンターギヤ11および出力歯車12により減速歯車組を構成する。
第1入力軸4の後端部4aとカウンターシャフト10との間に奇数変速段(第1速、第3速)グループの歯車組G1,G3、および後退変速段の歯車組GRを設け、これらをエンジン1に近いフロント側から、第1速歯車組G1、後退歯車組GR、および第3速歯車組G3の順に配置する。
第1速歯車組G1および後退歯車組GRは第2入力軸5の後端と変速機ケース中間壁7aとの間に位置させるが、後退歯車組GRを変速機ケース中間壁7aの直近に位置させる。
第3速歯車組G3は、変速機ケース中間壁7aを挟んで第1速歯車組G1および後退歯車組GRの反対側に配置するが、変速機ケース中間壁7aの直近に、つまり、第1入力軸4(後端部4a)の最後部に位置させる。
第1速歯車組G1は、第1入力軸4の後端部4aに一体成形した第1速入力歯車13と、カウンターシャフト10上に回転自在に設けた第1速出力歯車14とを相互に噛合させて構成する。
後退歯車組GRは、第1入力軸4の後端部4aに一体成形した後退入力歯車15と、カウンターシャフト10上に回転自在に設けた後退出力歯車16と、これら歯車15,16に噛合してこれら歯車15,16間を逆転下に駆動結合するリバースアイドラギヤ17とで構成し、リバースアイドラギヤ17を、変速機ケース中間壁7aに植設したリバースアイドラ軸18により回転自在に支持する。
第3速歯車組G3は、第1入力軸4の後端部4aに回転自在に設けた第3速入力歯車19と、カウンターシャフト10に駆動結合して設けた第3速出力歯車20とを相互に噛合させて構成する。
カウンターシャフト10には更に、第1速出力歯車14および後退出力歯車16間に配して1速−後退用同期噛合機構(シンクロメッシュ機構)21を設け、そのカップリングスリーブ21aを図示の中立位置から右行させてクラッチギヤ21bに噛合させるとき、第1速出力歯車14がカウンターシャフト10に駆動結合されて後述するごとく第1速を選択可能なものとし、カップリングスリーブ21aを図示の中立位置から左行させてクラッチギヤ21cに噛合させるとき、後退出力歯車16がカウンターシャフト10に駆動結合されて後述するごとく後退を選択可能なものとする。
第1入力軸4の後端部4aには更に、第3速入力歯車19および出力歯車12間に配して3速−5速用同期噛合機構(シンクロメッシュ機構)22を設け、そのカップリングスリーブ22aを図示の中立位置から右行させてクラッチギヤ22bに噛合させるとき、第3速入力歯車19が第1入力軸4に駆動結合されて後述するごとく第3速を選択可能なものとし、カップリングスリーブ22aを図示の中立位置から左行させてクラッチギヤ22cに噛合させるとき、第1入力軸4(その後端部4a)が出力歯車12(出力軸6)に直結されて後述するごとく第5速を選択可能なものとする。
中空の第2入力軸5とカウンターシャフト10との間には、偶数変速段(第2速、第4速、第6速)グループの歯車組、つまり、エンジンに近いフロント側から順次、第6速歯車組G6、第2速歯車組G2、および第4速歯車組G4を配して設ける。
第6速歯車組G6は変速機ケース7の前壁7bに沿うよう第2入力軸5の前端に配置し、第4速歯車組G4は第2入力軸5の後端に配置し、第2速歯車組G2は第2入力軸5の両端間中央部に配置する。
第6速歯車組G6は、第2入力軸5の外周に一体成形した第6速入力歯車23と、カウンターシャフト10上に回転自在に設けた第6速出力歯車24とを相互に噛合させて構成する。
第2速歯車組G2は、第2入力軸5の外周に一体成形した第2速入力歯車25と、カウンターシャフト10上に回転自在に設けた第2速出力歯車26とを相互に噛合させて構成する。
第4速歯車組G4は、第2入力軸5の外周に一体成形した第4速入力歯車27と、カウンターシャフト10上に回転自在に設けた第4速出力歯車28とを相互に噛合させて構成する。
カウンターシャフト10には更に、第6速出力歯車24および第2速出力歯車26間に配して6速専用の同期噛合機構(シンクロメッシュ機構)29を設け、そのカップリングスリーブ29aを図示の中立位置から右行させてクラッチギヤ29bに噛合させるとき、第6速出力歯車24がカウンターシャフト10に駆動結合されて後述するごとく第6速を選択可能なものとする。
またカウンターシャフト10には、第2速出力歯車26および第4速出力歯車28間に配して2速−4速用同期噛合機構(シンクロメッシュ機構)30を設け、そのカップリングスリーブ30aを図示の中立位置から右行させてクラッチギヤ30bに噛合させるとき、第2速出力歯車26がカウンターシャフト10に駆動結合されて後述するごとく第2速を選択可能なものとし、カップリングスリーブ30aを図示の中立位置から左行させてクラッチギヤ30cに噛合させるとき、第4速出力歯車28がカウンターシャフト10に駆動結合されて後述するごとく第4速を選択可能なものとする。
上記の実施例になるツインクラッチ式マニュアルトランスミッションの作用を次に説明する。
動力伝達を希望しない中立(N)レンジや駐車(P)レンジのような非走行レンジにおいては、ノーマルオープン型クラッチ(自動湿式回転クラッチ)C1,C2の双方を非制御状態にして解放しておき、また、同期噛合機構21,22,29,30のカップリングスリーブ21a,22a,29a,30aを全て図示の中立位置にして、ツインクラッチ式マニュアルトランスミッションを動力伝達が行われない中立状態にする。
前進動力伝達を希望するDレンジや、後退動力伝達を希望するRレンジのような走行レンジにおいては、オイルポンプ9からの作動油を媒体として以下のごとくに同期噛合機構21,22,29,30のカップリングスリーブ21a,22a,29a,30aおよびクラッチC1,C2を制御することにより各前進変速段や、後退変速段を選択することができる。
Dレンジのような前進走行レンジで第1速を希望する場合、同期噛合機構21のカップリングスリーブ21aを右行させて歯車14をカウンターシャフト10に駆動結合し、これによる奇数変速段の図2(a)に示す第1速へのプリシフト後、同じく図2(a)に示すように非走行レンジで解放状態だった自動湿式回転クラッチC1を締結する。
これによりクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸4、第1速歯車組G1、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より軸線方向に出力され、第1速での動力伝達を行うことができる。
なお、上記第1速の選択が発進用のものである時は、それ用にクラッチC1の締結進行制御を行って発進ショックのない滑らかな前発進を行わせること、勿論である。
第1速から第2速へのアップシフトに際しては、非走行レンジで解放状態だったクラッチC2を引き続き解放させておき、同期噛合機構30のカップリングスリーブ30aを右行させて歯車26をカウンターシャフト10に駆動結合し、これによる偶数変速段グループの図2(a)に示す第2速へのプリシフト後、同じく図2(a)に示すようにクラッチC1を解放すると共にクラッチC2を締結すること(クラッチの掛け替え)により第1速から第2速へのアップシフトを行わせる。
これによりクラッチC2からのエンジン回転が第2入力軸5、第2速歯車組G2、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より軸線方向に出力され、第2速での動力伝達を行うことができる。
第2速から第3速へのアップシフトに際しては、同期噛合機構21のカップリングスリーブ21aを中立位置に戻して歯車14をカウンターシャフト10から切り離すと共に、同期噛合機構22のカップリングスリーブ22aを右行させて歯車19を第1入力軸4に駆動結合し、これによる図2(a)に示す奇数変速段グループの1→3プリシフト後、同じく図2(a)に示すごとくクラッチC2を解放すると共にクラッチC1を締結すること(クラッチの掛け替え)により第2速から第3速へのアップシフトを行わせる。
これによりクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸4、第3速歯車組G3、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より軸線方向に出力され、第3速での動力伝達を行うことができる。
第3速から第4速へのアップシフトに際しては、同期噛合機構30のカップリングスリーブ30aを中立位置に戻して歯車26をカウンターシャフト10から切り離すと共に、同期噛合機構30のカップリングスリーブ30aを左行させて歯車28をカウンターシャフト10に駆動結合し、これによる図2(a)に示す偶数変速段グループの2→4プリシフト後、同じく図2(a)に示すごとくクラッチC1を解放すると共にクラッチC2を締結すること(クラッチの掛け替え)により第3速から第4速へのアップシフトを行わせる。
これによりクラッチC2からのエンジン回転が第2入力軸5、第4速歯車組G4、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より軸線方向に出力され、第4速での動力伝達を行うことができる。
第4速から第5速へのアップシフトに際しては、同期噛合機構22のカップリングスリーブ22aを中立位置に戻して歯車19を第1入力軸4から切り離すと共に、同期噛合機構22のカップリングスリーブ22aを左行させて第1入力軸4を出力軸6に直結し、これによる図2(a)に示す奇数変速段グループの3→5プリシフト後、同じく図2(a)に示すごとくクラッチC2を解放すると共にクラッチC1を締結すること(クラッチの掛け替え)により第4速から第5速へのアップシフトを行わせる。
これによりクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸4、およびカップリングスリーブ29aを経て出力軸6より軸線方向に出力され、第5速(変速比1:1)での動力伝達を行うことができる。
第5速から第6速へのアップシフトに際しては、同期噛合機構30のカップリングスリーブ30aを中立位置に戻して歯車28をカウンターシャフト10から切り離すと共に、同期噛合機構29のカップリングスリーブ29aを右行させて歯車24をカウンターシャフト10に駆動結合し、これによる図2(a)に示す偶数変速段グループの4→6プリシフト後、同じく図2(a)に示すごとくクラッチC1を解放すると共にクラッチC2を締結すること(クラッチの掛け替え)により第5速から第6速へのアップシフトを行わせる。
これによりクラッチC2からのエンジン回転が第2入力軸5、第6速歯車組G6、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より軸線方向に出力され、第6速での動力伝達を行うことができる。
なお、第6速から順次第1速へとダウンシフトさせるに際しても、上記アップシフトと逆の制御を行うことにより、図2(b)に示す前述したと逆方向のプリシフトおよびクラッチC1,C2の締結・解放制御を介して所定のダウンシフトを行わせることができる。
後退走行を希望して非走行レンジからRレンジに切り替えた場合においては、同期噛合機構21のカップリングスリーブ21aを中立位置から左行させて歯車16をカウンターシャフト10に駆動結合し、これによる図2(a),(b)に示す奇数変速段グループの後退変速段へのプリシフト後、非走行レンジで解放状態であった湿式回転クラッチC1を締結する。
これによりクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸4、後退歯車組GR、カウンターシャフト10、および出力歯車組11,12を経て出力軸6より軸線方向に出力され、この際、後退歯車組GRにより回転方向を逆にされることから、後退変速段での動力伝達を行うことができる。
なお、後退変速段での発進時は、それ用にクラッチC1の締結進行制御を行って、発進ショックのない滑らかな後発進を行わせること、勿論である。
図3は、実施例1のツインクラッチ式マニュアルトランスミッション(以下、単に変速機と称す。)の制御系を示すブロック図である。
エンジンコントローラ40は、車速センサ41からの車速(車体速)、アクセル開度センサ(アクセル操作検出手段)42からのアクセル開度、エンジン回転数センサ43からのエンジン回転数に基づいて、エンジン1の回転数(エンジン回転数)およびトルク(出力トルク)を制御する。
MTコントローラ50は、エンジンコントローラ40からの車速、アクセル開度およびエンジン回転数と、レンジ位置センサ44からのレンジ位置と、第1入力軸回転数センサ45からの第1入力軸4の回転数と、第2入力軸回転数センサ46からの第2入力軸5の回転数とに基づいて、変速マップ等から所定の変速段を選択し、各同期噛合機構21,22,29,30を制御すると共に、各クラッチC1,C2のトルク容量(締結容量)を制御する。
ここで、MTコントローラ50は、出力トルク(アクセル操作量)が大きいほどクラッチ容量を大きくする。例えば、アクセル開度に比例してクラッチC1,C2のクラッチ容量を設定する。理由は、クラッチ容量を出力トルクに対応させることで、出力トルクと路面から駆動輪に作用する反力トルクとをバランスさせ、エンジン回転の吹き上がりやエンジンストールを防止するためである。
次に、本発明に係るクラッチC1,C2の過熱保護制御を説明する。
MTコントローラ50は、変速機のオイルパン(図外)に設けられた油温センサ(油温検出手段)48からの作動油の温度(油温)に応じて、エンジン1のトルク制限を行い、同時にクラッチ容量を制限することで、出力トルクと路面から駆動輪に作用する反力トルクとをバランスさせつつ、変速機の負荷を軽減し、油温の上昇を抑制する過熱保護制御を実行する。
図4は、MTコントローラ50の過熱保護制御ブロック図であり、MTコントローラ50は、過熱保護部(過熱保護制御手段)50aを備えている。
過熱保護部50aは、アクセル操作の有無と油温とに基づき、エンジンコントローラ40に対し、出力トルク制限要求を出力すると同時に、エンジンの出力トルクの制限値に応じてクラッチ容量を制限する過熱保護制御を実行する。また、図外のインストルメントパネルに配置した警告ランプ47を点灯(または点滅)させることで、運転者に油温が高い旨の警告を行う。ここで、警告ランプ47の点灯に代えて、音声等による警告を用いてもよいし、警告ランプ47と音声とを併用してもよい。
過熱保護制御では、油温に対して解除温度(正常値)、警告温度、トルクダウン開始温度、クラッチ解放温度(所定値)からなる各判定温度を設定し、油温とアクセル開度に応じて、警告ランプ47の点灯、出力トルクの制限およびクラッチ容量の制限(クラッチ解放を含む)を行う。
ここで、「解除温度」は、変速機が正常な状態で想定される温度範囲内であって、作動油の劣化や変速機の性能低下に影響を与えない程度まで低下した温度とする。
「警告温度」は、変速機が正常な状態で想定される油温の上限値に対し、油温算出時における推定誤差分を考慮した値を加算した温度とする。
「トルクダウン温度」は、作動油がこの温度以上である状態が継続した場合、変速機に異常が発生している可能性が高いと判断できる温度とする。
「クラッチ解放温度」は、作動油がこの温度以上である状態が継続した場合、変速機が破損する可能性のある温度とする。
したがって、各判定値の関係は、解除温度<警告温度<トルクダウン温度<クラッチ解放温度となる。
この過熱保護制御中に油温が解除温度を下回り、かつ、アクセル操作無しと判断した場合、過熱保護部50aは、過熱保護制御を終了する。ここで、アクセル操作の有無は、アクセル開度に基づいて判断する。例えば、アクセル開度が所定開度よりも小さくなった場合、アクセル操作無しと判断する。「所定開度」は、運転者がアクセルを踏んでいないと確実に判断できる微小な開度とする。
また、過熱保護部50aは、所定時間内に過熱保護制御の開始および終了を所定回数繰り返した場合、変速機に以上が発生したと判断し、油温およびアクセル操作の有無にかかわらず、出力トルクおよびクラッチ容量の制限を継続する。
以下、過熱保護部50aで実行される各過熱保護処理について詳細に説明する。
(1) 警告処理
油温が警告温度以上である状態が所定の警告判定時間継続した場合、警告ランプ47を点灯させ、運転者に油温が高い状態である旨を警告する警告処理を実施する。
この警告処理は、油温が解除温度を下回り、かつアクセル操作の無い状態が解除判定時間継続した場合に終了する。ここで、「解除判定時間」は、アクセル操作が無いことを確実に判定するために設定している。
(2) 第1過熱保護処理
油温がトルクダウン開始温度以上である状態が所定の第1判定時間継続した場合、出力トルクの上限値を第1制限値に制限すると共に、クラッチ容量を第1制限値に応じた値に制限する。出力トルクの上限値を、通常走行時における無制限の状態から第1制限値まで減少させる場合、その上限値は、運転者に違和感を与えない程度の変化率で減少させるが、油温の抑制を最優先するために、油温が高いほど変化率を大きくしてもよい。なお、「運転者に違和感を与えない程度の変化率」とは、運転者に車両の駆動力変動を気付かせない、または車両の駆動力変動により運転者が危険と感じないような出力トルクおよびクラッチ容量の変化率をいう。
ここで、「第1制限値」は、高速道路を走行する際に想定される必要トルクを確保できる値とする。
この第1過熱保護処理は、油温が解除温度を下回り、かつ、アクセル操作の無い状態が解除判定時間継続した場合、または後述する第2過熱保護処理、第3過熱保護処理の開始条件が成立した場合に終了する。
(3) 第2過熱保護処理
第1過熱保護処理の実行中であって、油温がトルクダウン開始温度以上である状態が第2判定時間継続した場合、出力トルクの上限値を第1制限値よりも低い第2制限値に制限すると共に、クラッチ容量を第2制限値に応じた値に制限する。出力トルクの上限値を、第1制限値から第2制限値まで減少させる場合、その上限値は、実施例1と同様、運転者に違和感を与えない程度の変化率で減少させるが、油温の抑制を最優先するために、油温が高いほど変化率を大きくしてもよい。
ここで、「第2制限値」は、一般道路を走行する際に想定される必要トルクを確保できる値とする。
この第2過熱保護処理は、油温が解除温度を下回り、かつ、アクセル操作の無い状態が解除判定時間継続した場合、または後述する第3過熱保護処理の開始条件が成立した場合に終了する。
(4) 第3過熱保護処理
油温がクラッチ解放温度以上である状態が第3判定時間継続した場合、または第2過熱保護処理の実行中であって、油温がトルクダウン開始温度以上である状態が第4判定時間継続した場合、出力トルクの上限値を第2制限値よりも低い第3制限値に制限すると共に、クラッチを解放する。現在のアクセル開度と車速に応じた出力トルクが第3制限値よりも大きい場合、現在値から第3制限値まで、第1および第2過熱保護処理時における変化率よりも小さい変化率(例えば、半分程度)で出力トルクを減少させる。このとき、変速機の保護を最優先するために、油温が高いほど変化率を大きくしてもよい。
ここで、「第3制限値」は、アイドル回転が維持できる程度に小さな出力トルクであり、例えば、ゼロとしてもよい。
この第3過熱保護処理は、推定温度が解除温度を下回り、かつ、アクセル操作の無い状態が解除判定時間継続した場合に終了する。
次に、実施例1の過熱保護制御の作用を説明する。
[運転者への油温上昇警告作用]
図5は、実施例1の警告処理実行時の警告作用を示すタイムチャートである。
時点t1では、油温が警告温度となり、時点t2では、油温が警告温度以上である状態が警告判定時間継続したため、警告ランプ47を点灯させ、運転者に油温が高い状態である旨を警告する。これにより、回避動作(アクセル操作量の減少)を促すことができ、油温がトルクダウン開始温度まで上昇するのを抑制することができる。また、油温上昇を招く運転状態、すなわち回避すべき運転状態を、運転者に学習させることができる。
時刻t3では、油温が解除温度を下回ると共に、運転者がアクセルペダルから足を離し、時点t4では、アクセル開度が所定開度以下となってから解除判定時間が経過したため、警告ランプ47を消灯し、警告処理を終了する。
[第1のトルクダウン作用]
図6は、実施例1の第1過熱保護処理実行時のトルクダウン作用を示すタイムチャートである。
時点t1から時点t2の区間は、図5の時点t1から時点t2の区間と同様であるため、説明を省略する。
時点t3では、油温がトルクダウン開始温度となり、時点t4では、油温がトルクダウン開始温度以上である状態が第1判定時間継続したため、第1過熱保護処理を開始する。
時点t4から時点t5の区間では、所定の変化率で出力トルクの上限値を減少させる。これにより、アクセル開度に応じて設定される出力トルクが上限値よりも高い領域(時点t4'以降)では、出力トルクを上限値に制限し、同時にクラッチ容量の上限値も減少させる。時点t5では、出力トルクの上限値を第1制限値、クラッチ容量を第1制限値に応じた値とする。
例えば、作動油の油温が高くなったとき、クラッチ容量のみを制限し、出力トルクを維持した場合、エンジン回転が吹き上がることでクラッチ入出力軸の差回転が大きくなるため、クラッチの表面温度が上昇し、作動油の温度がさらに上昇するおそれがある。
一方、出力トルクのみを制限し、クラッチ容量を維持した場合、エンジン負荷が過大となり、エンジンストールを招くおそれがある。
これに対し、実施例1の過熱保護処理では、出力トルクの上限値とクラッチ容量の上限値を同時に減少させているため、変速機の負荷が大幅に軽減されることで、エンジン回転の吹き上がりやエンジンストールを生じさせることなく、油温の上昇をより効果的に抑制でき、変速機を保護することができる。
ここで、第1制限値は、高速道路走行時に想定される必要トルク、すなわち高速道路走行中において運転者が所望する車両の駆動力を確保可能な出力トルクであるため、出力トルクおよびクラッチ容量は制限されているものの、走行性能には影響を与えず、運転者の所望する走行性能を維持できる。また、出力トルクおよびクラッチ容量を減少させる際、運転者に違和感を与えない程度の変化率で減少させるため、運転者に駆動力減少に伴う違和感を与えることなく、油温の上昇を抑制することができる。
さらに、出力トルクを減少させる際の減少勾配を、油温が高いほど大きくする。すなわち、油温が比較的高温の場合は変速機保護を優先して素早く出力トルクおよびクラッチ容量を制限し、油温が比較的低温の場合は違和感の発生を抑制するためにゆっくりと出力トルクおよびクラッチ容量を制限している。このため、油温に応じて変速機保護と運転者に与える違和感の低減とを両立することができる。
時点t6では、油温が解除温度となり、時点t7'では、アクセル開度に応じて設定される出力トルクが上限値よりも小さくなり、時点t7では、運転者がアクセルペダルから足を離したため、これに応じて出力トルクとクラッチ容量は共に減少していく。時点t8では、アクセル開度が所定開度以下となり、時点t9では、アクセル開度が所定開度以下となってから解除判定時間が経過したため、警告処理および第1過熱保護処理を終了する。
ここで、実施例1では、運転者のアクセル操作の解除を確認してから警報を終了する構成としているため、運転者に対しアクセル操作の解除を促すことができる。
また、アクセル操作の解除を確認してから駆動力制限を解除している。これは、アクセル操作中に駆動力制限を解除した場合、車両が急加速するおそれがあるためである。駆動力制限(トルクダウン)中はアクセル操作に応じた出力トルクが制限されるため、運転者はさらにアクセルペダルを踏み込むおそれがある。よって、運転者がアクセルペダルを踏んでいないことを確認した後で駆動力制限を解除することで、当該解除に伴う車両の急加速を防止することができる。
[第2のトルクダウン作用]
図7は、実施例1の第2過熱保護処理実行時にトルクダウン作用を示すタイムチャートである。
時点t1から時点t5の区間は、図6の時点t1から時点t5の区間と同様であるため説明を省略する。
時点t6では、第1過熱保護処理実行中に油温がトルクダウン開始温度以上である状態が第2判定時間継続したため、第1過熱保護処理から第2過熱保護処理に移行する。
時点t6から時点t7の区間では、所定の変化率で出力トルクの上限値を減少させることで、クラッチ容量の上限値も同時に減少させ、時点t7では、出力トルクの上限値を第2制限値、クラッチ容量を第2制限値に応じた値とする。ここで、第2制限値は、一般道路走行時に想定される必要トルク、すなわち一般道路走行中において運転者の所望する駆動力を確保可能な出力トルクであるため、出力トルクを制限した場合であっても、市街地走行に必要な最低限の性能を確保することができる。また、出力トルクおよびクラッチ容量を減少させる際、運転者に違和感を与えない程度の変化率で減少させるため、運転者に駆動力減少に伴う違和感を与えることなく、油温の上昇を抑制することができる。
さらに、出力トルクおよびクラッチ容量を減少させる際の減少勾配を、油温が高いほど大きくする。すなわち、油温が比較的高温の場合は変速機保護を優先して素早く出力トルクおよびクラッチ容量を制限し、油温が比較的低温の場合は違和感の発生を抑制するためにゆっくりと出力トルクおよびクラッチ容量を制限している。このため、油温に応じて変速機保護と運転者に与える違和感の低減とを両立することができる。
時点t8では、油温が解除温度となり、時点t8'では、アクセル開度に応じて設定される出力トルクが上限値よりも小さくなり、時点t9では、アクセル開度が所定開度以下となる。そして、時点t10では、アクセル開度が所定開度以下となってから解除判定時間が経過したため、警告処理および第2過熱保護処理を終了する。
[クラッチ解放作用]
図8〜図10は、実施例1の第3過熱保護処理実行時のクラッチ解放作用を示すタイムチャートであり、図8は第1過熱保護処理から直接第3過熱保護処理へ移行するケースを示し、図9,図10は第1過熱保護処理→第2過熱保護処理→第3過熱保護処理へと順次移行するケースを示している。なお、図9と図10の両ケースでは、第3過熱保護処理の開始条件が異なっている。
まず、図8のタイムチャートを説明する。
時点t1から時点t5の区間は、図7の時点t1から時点t5の区間と同様であるため説明を省略する。
時点t6では、油温がクラッチ解放温度となり、時点t7では、油温がクラッチ解放温度以上である状態が第3判定時間継続したため、第1過熱保護処理から第3過熱保護処理に移行する。
時点t7から時点t8の区間では、第1過熱保護処理および第2過熱保護処理の際に出力トルクおよびクラッチ容量の変化率よりも小さな変化率で出力トルクおよびクラッチ容量の上限値を徐々に減少させる。これにより、運転者に与える違和感を小さく抑えることができる。
時点t8では、出力トルクがゼロ、クラッチが解放状態となる。これにより、油温を確実に下げて変速機の破損を防止することができる。
ここで、車両が登坂路を極低速で走行している場合には、クラッチの解放に伴い車両のずり下がりが生じるおそれがある。これに対し、実施例1では、油温が高いほど出力トルクおよびクラッチ容量の減少率を大きくすることで、油温が高い場合にはより早期にクラッチを解放してクラッチの破損を防ぐ一方、油温が低い場合にはゆっくりとクラッチを解放し、出来るだけ車両のずり下がりが発生しないよう配慮している。
時点t9では、油温が解除温度となり、時点t10では、アクセル開度が所定開度以下となる。時点t11では、アクセル開度が所定開度以下となってから解除判定時間が経過したため、警告処理および第3過熱保護処理を終了する。
続いて、図9のタイムチャートを説明する。
時点t1から時点t6の区間は、図7の時点t1から時点t6の区間と同様であるため説明を省略する。
時点t7では、油温がクラッチ解放温度以上となり、時点t8では、油温がクラッチ解放温度以上である状態が第3判定時間継続したため、第2過熱保護処理から第3過熱保護処理に移行する。
時点t9では、出力トルクがゼロ、クラッチが解放状態となる。これにより、油温を確実に下げて破損を防止することができる。
時点t10では、アクセル開度が所定開度以下となり、時点t11では、油温が解除温度となる。そして、時点t12では、油温が解除温度以下となってから解除判定時間が経過したため、警告処理および第3過熱保護処理を終了する。
次に、図10のタイムチャートを説明する。
時点t1から時点t7の区間は、図7の時点t1から時点t7の区間と同様であるため説明を省略する。
時点t8では、第2過熱保護処理実行中に油温がトルクダウン開始温度以上である状態が第4判定時間継続したため、第2過熱保護処理から第3過熱保護処理に移行する。
時点t9では、出力トルクがゼロ、クラッチが解放状態となる。これにより、油温を確実に下げて変速機の破損を防止することができる。
時点t10では、アクセル開度が所定開度以下となり、時点t11では、油温が解除温度となる。そして、時点t12では、油温が解除温度以下となってから解除判定時間が経過したため、警告処理および第3過熱保護処理を終了する。
以上、図5〜図10に基づいて、実施例1の過熱保護制御の作用について説明したが、過熱保護制御部50aは、所定時間内に過熱保護制御の開始および終了を所定回数(例えば5回)繰り返した場合、油温が解除温度を下回った場合であっても、過熱保護制御を終了せず、出力トルクおよびクラッチ容量の制限を継続する。
つまり、油温の上昇が頻繁に発生する場合、変速機の何らかの異常が発生していると想定できるため、その場合は変速機の保護を優先し、過熱保護制御を継続することにより、変速機の破損を防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両の駆動力制御装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 油温に応じてエンジン1の出力トルクの上限値を複数段階に制限する過熱保護制御を実行する過熱保護制御部50aを設けたため、急激な駆動力変動を抑制して車両の走行性を維持し、運転者に与える違和感を抑えつつ、変速機の温度上昇を抑制することができる。
(2) 過熱保護制御部50aは、油温が高いほど出力トルクの上限値を小さくするため、油温の上昇を応じて変速機の負荷を軽減することで、油温の上昇を効果的に抑制することができる。
(3) 過熱保護制御部50aは、出力トルクの制限量に比例してクラッチ容量の上限値を制限するため、エンジン回転の吹き上がりやエンジンストールを生じさせることなく、作動油の温度上昇を効果的に抑制することができる。
(4) 過熱保護制御部50aは、油温がクラッチ解放温度を超える場合、クラッチを解放するため、変速機の破損を防止することができる。
(5) 過熱保護制御部50aは、出力トルクの上限値を所定の変化率で減少させるため、運転者の予期しない駆動力の減少を抑制でき、駆動力制限に伴い運転者に与える違和感を小さく抑えることができる。
(6) 過熱保護制御部50aは、油温が高いほど変化率を大きくするため、油温に応じて変速機保護と運転者に与える違和感の低減とを両立することができる。
(7) 過熱保護制御部50aは、油温が解除温度(正常値)まで下がり、かつ、運転者がアクセル操作していない場合、過熱保護制御を終了するため、運転者のアクセル操作中に駆動力制限が解除されることで、車両が急加速するのを確実に防止することができる。
(8) 過熱保護制御部50aは、所定時間内に過熱保護制御の開始および終了を所定回数繰り返した場合、油温およびアクセル操作の有無にかかわらず、過熱保護制御処理を継続するため、変速機の破損を防止することができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づく実施例1により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に示したものに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、変速機としてツインクラッチ式マニュアルトランスミッションを備えた車両について説明したが、車両の原動機と駆動輪との間の駆動伝達経路上に、摩擦要素を介して前記原動機の出力を入力する変速機を備えた車両であれば、本発明を適用でき、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
実施例1では、油温に応じて出力トルクおよびクラッチ容量を2段階に制限する例を示したが、一段階または3段階以上に制限してもよい。
実施例1では、所定油温以上の状態が所定の判定時間継続したか否かにより所定の処理を行う例を示したが、所定の判定時間継続したか否かに変えて走行距離や変速機への入力負荷に応じて所定の処理を行うようにしてもよい。
また、実施例1においては、エンジンのトルクダウンと共にクラッチ容量を低下させる例を示したが、クラッチ容量の低下は行わず、エンジンのトルクダウンのみを行う構成としてもよい。
実施例1のツインクラッチ式マニュアルトランスミッションを示す骨子図である。 図1に示すツインクラッチ式マニュアルトランスミッションにおけるクラッチの締結と選択変速段との関係、および変速段の切り替えに伴って発生するプリシフトの種類を示す論理図で、(a)はアップシフト時の論理図、(b)はダウンシフト時の論理図である。 実施例1のツインクラッチ式マニュアルトランスミッションの制御系を示すブロック図である。 MTコントローラ50の過熱保護制御ブロック図である。 実施例1の警告処理実行時の警告作用を示すタイムチャートである。 実施例1の第1過熱保護処理実行時のトルクダウン作用を示すタイムチャートである。 実施例1の第2過熱保護処理実行時のトルクダウン作用を示すタイムチャートである。 実施例1の第3過熱保護処理実行時のクラッチ解放作用を示すタイムチャートである。 実施例1の第3過熱保護処理実行時のクラッチ解放作用を示すタイムチャートである。 実施例1の第3過熱保護処理実行時のクラッチ解放作用を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン(原動機)
2 クランクシャフト
C1 奇数変速段クラッチ(締結要素)
C2 偶数変速段クラッチ(締結要素)
3 クラッチハウジング
4 第1入力軸
5 第2入力軸
6 出力軸
7 変速機ケース
8 トーショナルダンパ
9 オイルポンプ
10 カウンターシャフト
11 カウンターギヤ
12 出力歯車
G1 第1速歯車組
G2 第2速歯車組
G3 第3速歯車組
G4 第4速歯車組
G6 第6速歯車組
GR 後退歯車組
21 1速―後退用同期噛合機構
22 3速−5速用同期噛合機構
29 6速用同期噛合機構
30 2速−4速同期噛合機構
40 エンジンコントローラ
41 車速センサ
42 アクセル開度センサ
43 エンジン回転数センサ
44 レンジ位置センサ
45 第1入力軸回転数センサ
46 第2入力軸回転数センサ
47 警告ランプ
48 油温センサ(油温検出手段)
50 MTコントローラ
50a 過熱保護部(過熱保護制御手段)

Claims (8)

  1. 車両の原動機と駆動輪との間の駆動伝達経路上に、摩擦要素を介して前記原動機の出力を入力する変速機を備えた車両の駆動力制御装置において、
    前記変速機の作動油の温度を検出する油温検出手段と、
    前記油温に応じて前記出力トルクの上限値を複数段階に制限する過熱保護制御を実行する過熱保護制御手段と、
    を設けたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の駆動力制御装置において、
    前記過熱保護制御手段は、前記油温が高いほど前記出力トルクの上限値を小さくすることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両の駆動力制御装置において、
    前記過熱保護制御手段は、前記出力トルクの制限量に比例して前記摩擦要素の締結容量の上限値を制限することを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両の駆動力制御装置において、
    前記過熱保護制御手段は、前記油温が所定値を超える場合、前記摩擦要素を解放することを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両の駆動力制御装置において、
    前記過熱保護制御手段は、前記出力トルクの上限値を所定の変化率で減少させることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  6. 請求項5に記載の車両の駆動力制御装置において、
    前記過熱保護制御手段は、前記油温が高いほど前記変化率を大きくすることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両の駆動力制御装置において、
    運転者のアクセル操作を検出するアクセル操作検出手段を設け、
    前記過熱保護制御手段は、前記油温が正常値まで下がり、かつ、運転者がアクセル操作をしていない場合、前記過熱保護制御を終了することを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  8. 請求項7に記載の車両の駆動力制御装置において、
    前記過熱保護制御手段は、所定時間内に前記過熱保護制御の開始および終了を所定回数繰り返した場合、前記油温およびアクセル操作の有無にかかわらず、前記過熱保護制御処理を継続することを特徴とする車両の駆動力制御装置。
JP2007297379A 2007-11-16 2007-11-16 車両の駆動力制御装置 Active JP4935638B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007297379A JP4935638B2 (ja) 2007-11-16 2007-11-16 車両の駆動力制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007297379A JP4935638B2 (ja) 2007-11-16 2007-11-16 車両の駆動力制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009121374A true JP2009121374A (ja) 2009-06-04
JP4935638B2 JP4935638B2 (ja) 2012-05-23

Family

ID=40813788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007297379A Active JP4935638B2 (ja) 2007-11-16 2007-11-16 車両の駆動力制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4935638B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011174392A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Honda Motor Co Ltd 発進クラッチ制御装置
KR101714248B1 (ko) * 2015-10-28 2017-03-09 현대자동차주식회사 Dct차량의 변속 제어방법
KR102019606B1 (ko) * 2018-08-20 2019-09-09 현대자동차주식회사 차량의 트랙션 제어 방법
CN112334644A (zh) * 2018-06-14 2021-02-05 加特可株式会社 自动变速器的控制装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004190492A (ja) * 2002-12-06 2004-07-08 Jatco Ltd 自動変速機の変速制御装置
JP2006520441A (ja) * 2003-03-19 2006-09-07 ダイムラークライスラー・アクチェンゲゼルシャフト 自動車のドライブトレインの動作方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004190492A (ja) * 2002-12-06 2004-07-08 Jatco Ltd 自動変速機の変速制御装置
JP2006520441A (ja) * 2003-03-19 2006-09-07 ダイムラークライスラー・アクチェンゲゼルシャフト 自動車のドライブトレインの動作方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011174392A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Honda Motor Co Ltd 発進クラッチ制御装置
KR101714248B1 (ko) * 2015-10-28 2017-03-09 현대자동차주식회사 Dct차량의 변속 제어방법
US9989149B2 (en) 2015-10-28 2018-06-05 Hyundai Motor Company Shift control method for vehicle with dual clutch transmission
CN112334644A (zh) * 2018-06-14 2021-02-05 加特可株式会社 自动变速器的控制装置
CN112334644B (zh) * 2018-06-14 2022-07-29 加特可株式会社 自动变速器的控制装置
KR102019606B1 (ko) * 2018-08-20 2019-09-09 현대자동차주식회사 차량의 트랙션 제어 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP4935638B2 (ja) 2012-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5292782B2 (ja) 車両の変速制御装置
JP5007661B2 (ja) 車両の駆動力制御装置
JP5506484B2 (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP4961882B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP5659553B2 (ja) ハイブリッド駆動装置
JP2008002553A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2006307966A (ja) 多段式自動変速機の変速制御装置
JP4935638B2 (ja) 車両の駆動力制御装置
JP4924385B2 (ja) 車両の変速制御装置
JP2007177925A (ja) 自動車の制御装置,制御方法、及び自動変速機
JP5962778B2 (ja) 自動変速機の発進クラッチ制御装置
JP5201027B2 (ja) 自動マニュアルトランスミッションの変速制御装置
JP2006132562A (ja) ツインクラッチ式マニュアルトランスミッションのクラッチ偏摩耗時変速制御装置
JP5902423B2 (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP2006132574A (ja) ツインクラッチ式マニュアルトランスミッションのフェール時変速制御装置
JP2008291892A (ja) ツインクラッチ式変速機
JP4946827B2 (ja) 車両の発進摩擦要素制御装置
JP5085289B2 (ja) 変速機の制御装置
JP6377240B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2006153161A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP6040693B2 (ja) 変速装置の制御装置
JP5239760B2 (ja) 車両の変速制御装置
JP5947070B2 (ja) 変速機の制御装置
JP2018105369A (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP7051779B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101027

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20110831

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20111125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120206

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4935638

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150