JP2009120537A - 無置換グラフェン化合物の合成方法 - Google Patents

無置換グラフェン化合物の合成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセン等の無置換グラフェン化合物を温和な条件で高収率かつグラムスケールで合成が可能となる無置換グラフェン化合物の合成方法を提供する。
【解決手段】1,2,4,5−テトラフェニルベンゼンをルイス酸及び高原子価ヨウ素化合物のうち少なくとも1つを用いて、脱水素縮合反応させることにより種々のタイプ(少なくとも7種)の無置換グラフェン化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、無置換グラフェン化合物の合成方法に関する。
グラファイト類似化合物であるグラフェン化合物は、平面状にベンゼン環が縮合した化合物であり、高い導電性と熱伝導性を示すことから次世代の炭素繊維材料として期待されている。グラフェン化合物を合成する手法としては、環状炭素ハロゲン化物に電子線照射、加熱処理を行う方法(特許文献1参照)、黒鉛ターゲットにECRプラズマスパッタ処理を行う方法(特許文献2参照)、有機高分子化合物を加熱処理する方法(特許文献3〜5参照)、有機高分子化合物を金属触媒とともに加熱処理する方法(特許文献6,7参照)、有機低分子化合物を気相加熱処理する方法(特許文献8〜10、非特許文献1参照)等が既に報告されている。
一方、グラフェン化合物の一種であるテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンは、アントラセンに4つのベンゼン環が対称に縮合した「鼓型」の分子である。テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンにも高い導電性、熱導電性が期待でき、例えば特許文献11ではテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンの有機トランジスタ特性について記載されている。テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンの合成法については幾つかの報告がされており、例えば非特許文献2〜7等で合成法が報告されている。また、置換テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンの合成法としては、非特許文献8により報告されている。
特開2002−356317号公報 特開2004−59348号公報 特開昭61−275114号公報 特開昭61−275115号公報 特開2000−169125号公報 特開2004−269337号公報 特公平1−18003号公報 特開昭61−55221号公報 特開昭63−60132号公報 特開平8−144130号公報 特表2005−519486号公報 Mozhayskiy VA, Varykhalov AY, Starodoubov AG, Shikin AM, Fedoseenko SI, Adamchuk VK, FULLERENES NANOTUBES AND CARBON NANOSTRUCTURES, 2004, 12, 385 Cameron L. Hilton, Christopher R. Jamison, Benjamin T. King, J. Am. Chem. Soc., 2006, 128, 14824 Carmen Romero, Diego Pena, Dolores Perez, Enrique Guitian, Chem. Eur. J., 2006, 12, 5677 Hausigk, Dieter, Justus Liebigs Annalen der Chemie, 1970, 733, 190 Lambert, P.; Martin, R. H., Bulletin des Societes Chimiques Belges, 1952, 61, 124 Banciu, M.; Banciu, Anca; Elian, M.; Craghici, C.; Palibroda, N.; Cioranescu, Ecaterina, Revue Roumaine de Chimie, 1988, 33, 893 J. P. Anhalt and E. H. White, Tetrahedron, 1972, 28, 2921 M. C. Artal, K. J. Toyne, J. W. Goodby, J. Barbera, . J. Photinos, J. Mater. Chem., 2001, 11, 2801
上記のグラフェン化合物の合成法は、特殊で高価な装置(スパッタリングやビーム源等)や200℃以上の高温が必要であり、1000℃近い加熱が必要なものがほとんどである。また、テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンの合成法については、特許文献11では詳細に述べられていない。従来のテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンの合成法は3段階以上の工程数を要するか、低収率(約20%程度)で合成量が少ない(例えば、数十mg程度)。
本発明は、テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセン等の無置換グラフェン化合物を温和な条件で高収率かつグラムスケール以上でも合成が可能となる無置換グラフェン化合物の合成方法である。
本発明は、下記化合物(1)〜(7)のうち少なくとも1つを、
Figure 2009120537
ルイス酸及び高原子価ヨウ素化合物のうち少なくとも1つを用いて、脱水素縮合反応させることにより無置換グラフェン化合物を合成する無置換グラフェン化合物の合成方法である。
また、前記無置換グラフェン化合物の合成方法において、前記無置換グラフェン化合物が、テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンであり、前記化合物(2)〜(7)のうち少なくとも1つを脱水素縮合反応させることが好ましい。
また、前記無置換グラフェン化合物の合成方法において、前記無置換グラフェン化合物が、分子式C602n(ここで、nは0〜17の整数を示す。)で示される化合物であることが好ましい。
また、前記無置換グラフェン化合物の合成方法において、前記無置換グラフェン化合物が、分子式C30m18m-2k(ここで、mは3〜100の整数、kは1〜9mの整数を示す。)で示される化合物であることが好ましい。
また、前記無置換グラフェン化合物の合成方法において、前記ルイス酸が、塩化鉄(III)、塩化アルミニウム、塩化銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅、塩化モリブデン、塩化チタン、四酢酸鉛、トリフルオロ酢酸タリウム及び三フッ化ホウ素のうち少なくとも1つであることが好ましい。
また、前記無置換グラフェン化合物の合成方法において、前記高原子価ヨウ素化合物が、ヨードソベンゼンビストリフルオロアセテート及びヨードソベンゼンジアセテートのうち少なくとも1つであることが好ましい。
本発明では、上記化合物(1)〜(7)のうち少なくとも1つを、ルイス酸及び高原子価ヨウ素化合物のうち少なくとも1つを用いて脱水素縮合反応させることにより、温和な条件で高収率かつグラムスケール以上でも無置換グラフェン化合物を合成することができる。
本発明の実施形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る無置換グラフェン化合物の合成方法において、下記化合物(1)〜(7)のうち少なくとも1つを、ルイス酸及び高原子価ヨウ素化合物にうち少なくとも1つを用いて、脱水素縮合反応させることにより無置換グラフェン化合物を合成することができる。
Figure 2009120537
ここで、上記化合物(1)はテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセン、上記化合物(2)は1,2,4,5−テトラフェニルベンゼン、上記化合物(3)は2,3−ジフェニルトリフェニレン、上記化合物(4)は1,1’:2’,1’’:3’’,1’’’:2’’’,1’’’’−キンケフェニル、上記化合物(5)は1,1’:2’,1’’:4’’,1’’’:2’’’,1’’’’−キンケフェニル、上記化合物(6)は2−(2−ビフェニルイル)トリフェニレン、上記化合物(7)は2’−フェニル−1,1’:5’,1’’:2’’,1’’’クォーターフェニルである。
なお、本明細書において、無置換グラフェン化合物とは、置換基として水素原子以外のものを有さない平面状炭素骨格分子のことを指す。
本実施形態に係る無置換グラフェン化合物の合成方法において、前記化合物(2)〜(7)のうち少なくとも1つを脱水素縮合反応させることにより、無置換グラフェン化合物として、上記化合物(1)で示されるテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンを合成することができる。
また、本実施形態に係る無置換グラフェン化合物の合成方法において、前記化合物(1)〜(7)のうち少なくとも1つを脱水素縮合反応させることにより、分子式C602n(ここで、nは0〜17の整数を示す。)で示される無置換グラフェン化合物を合成することができる。
ここで、分子式C602nで示される無置換グラフェン化合物の例としては以下の化合物群1及び化合物群2のものが挙げられる。化合物群1は、2分子のテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンが1個所で脱水素縮合した化合物である。また、化合物群2は、2分子のテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンが複数個所で脱水素縮合した化合物である。
Figure 2009120537
化合物群1
Figure 2009120537
化合物群1
Figure 2009120537
化合物群1
Figure 2009120537
化合物群1
Figure 2009120537
化合物群2
Figure 2009120537
化合物群2
Figure 2009120537
化合物群2
Figure 2009120537
化合物群2
Figure 2009120537
化合物群2
Figure 2009120537
化合物群2
また、本実施形態に係る無置換グラフェン化合物の合成方法において、前記化合物(1)〜(7)のうち少なくとも1つを脱水素縮合反応させることにより、分子式C30m18m-2k(ここで、mは3〜100の整数、kは1〜9mの整数を示す。)で示される無置換グラフェン化合物を合成することができる。
ここで、分子式C30m18m-2kで示される無置換グラフェン化合物の例としては以下の化合物群3のものが挙げられる。化合物群3は、3分子以上のテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンが複数個所で脱水素縮合した化合物である。
Figure 2009120537
化合物群3
本実施形態に係る無置換グラフェン化合物の合成方法において、ルイス酸としては電子対を受け取る物質であれば良く特に制限はないが、塩化鉄(III)、塩化アルミニウム、塩化銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅、塩化モリブデン、塩化チタン、四酢酸鉛、トリフルオロ酢酸タリウム及び三フッ化ホウ素のうち少なくとも1つであることが好ましい。
また、本実施形態に係る無置換グラフェン化合物の合成方法において、高原子価ヨウ素化合物としては3価の高原子価ヨウ素を含む化合物であれば良く特に制限はないが、ヨードソベンゼンビストリフルオロアセテート及びヨードソベンゼンジアセテートのうち少なくとも1つであることが好ましい。これらを用いて反応条件を適切に選択することにより単量体であるテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンを選択的に合成できる。
本実施形態に係る無置換グラフェン化合物の合成方法による、テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンの合成法(下記反応式I)の例について示す。上記化合物(2)〜(7)のうち少なくとも1つを反応条件Aで脱水素縮合させるものである。
Figure 2009120537
ここで、反応条件Aは、例えば塩化メチレン、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,3,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,3,4−テトラクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、1,2,3,6−テトラクロロベンゼン、ペンタクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、二硫化炭素等の有機溶媒中、例えば塩化鉄(III)、塩化アルミニウム、塩化銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅、塩化モリブデン、塩化チタン、四酢酸鉛、トリフルオロ酢酸タリウム及び三フッ化ホウ素のうち少なくとも1つであるルイス酸、及び、例えばヨードソベンゼンビストリフルオロアセテート及びヨードソベンゼンジアセテートのうち少なくとも1つである高原子価ヨウ素化合物のうち少なくとも1つを、直接またはニトロメタン等の有機溶媒の溶液として加え、例えば室温(例えば20℃〜30℃)または加熱条件(例えば、30℃〜150℃)下、窒素等の不活性ガス雰囲気下で反応させるものである。単量体のテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンを選択的に合成したい場合は、低温下(例えば−80℃〜20℃)で反応させればよい。
反応温度、反応時間は出発原料として用いる化合物、合成目的の化合物等に応じて適宜決めることができる。一般に、反応温度を高く、あるいは反応時間を長くすると多量体ができやすい傾向にある。
ルイス酸及び高原子価ヨウ素化合物の使用量は、出発原料として用いる化合物、合成目的の化合物等に応じて適宜決めることができる。例えば、合成目的化合物がテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンの多量体である場合は、1つの結合点について上記化合物(1)〜(7)の化学当量(モル当量)に対して少なくとも当量のルイス酸及び高原子価ヨウ素化合物を用いればよい。
高原子価ヨウ素化合物を用いる場合には、三フッ化ホウ素等のルイス酸を併用してもよい。これにより、反応収率が高くなるという利点がある。
更に分子量の大きな無置換グラフェン化合物は、上記化合物(1)のテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンを原料に反応条件Aで合成することができる(反応式II)。またはテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンの合成を経ずに、上記化合物(2)〜(7)のうちのいずれかあるいは複数の混合物を反応条件Aで直接分子量の大きな無置換グラフェン化合物を合成してもよい(反応式III)。
Figure 2009120537
Figure 2009120537
得られるテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセン等の無置換グラフェン化合物は、純度を高めるために昇華精製等の精製が可能である。テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンを合成する場合、反応条件Aで合成する際に用いるべき好ましい材料は、期待される生成物がテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンに限定されることから、1,2,4,5−テトラフェニルベンゼン(上記化合物(2))または2,3−ジフェニルトリフェニレン(上記化合物(3))である。
導電性、熱伝導性等を示す材料としては特に単離精製を行わずに、混合物のまま材料として用いてもよい。
無置換グラフェン化合物の導電性、熱伝導性は、π共役平面の広がりに応じて高くなるので、テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセン多量体は、構造が平面に固定されるよう複数個所で脱水素縮合した化合物が好ましい。つまり、例えばテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセン2量体では上記化合物群1よりも化合物群2が好ましい。3量体以上でも同様で、より大きなπ共役平面を有する化合物が好ましい。
本実施形態に係る無置換グラフェン化合物の合成方法によれば、上記化合物(1)〜(7)のうち少なくとも1つを、ルイス酸及び高原子価ヨウ素化合物のうち少なくとも1つを用いて脱水素縮合反応させることにより、温和な条件で高収率かつグラムスケール以上でも、テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセン等の無置換グラフェン化合物を合成することができる。また、テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンを一単位とし、更に分子量の大きい無置換グラフェン化合物の合成が可能となる。この場合、置換基を要する従来のテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンでは、その置換基による立体障害によって、無置換グラフェン化合物の原料とはなり得ず、無置換のテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセン等を原料として用いることが必要である。
本実施形態に係る無置換グラフェン化合物を使用して、真空蒸着法等の周知の成膜方法により基板上に有機半導体薄膜等の有機薄膜が形成される。
本実施形態に係る無置換グラフェン化合物は、熱的安定性が高く、光や酸素等により酸化されにくい安定した構造を有する。したがって、この無置換グラフェン化合物を使用した薄膜も安定性の高いものが得られる。
本実施形態に係る無置換グラフェン化合物は、有機半導体、有機EL素子,表示素子,コンピュータ,テレビ,携帯電話,デジタルカメラ,PDA,カーナビゲーション等のディスプレイやバックライト、照明,インテリア,標識,交通信号機,看板等、CD,DVD等の記録光源、読み取り光源、複写機,スキャナ等の光源、CD−R,DVD−R等の記録用光ディスクの記録層用色素、レーザー色素、増感色素、医療診断用蛍光薬剤等の幅広い分野に好適に使用することができる。
また、本実施形態に係る無置換グラフェン化合物を含む有機半導体層を有する半導体装置としては、例えば、ダイオード、トランジスタ、電界効果トランジスタ、静電誘導トランジスタ(SIT)、抵抗、コンデンサ;これらの半導体素子を用いたメモリやICタグ;あるいはフォトダイオード、発光ダイオード、発光トランジスタ、ガスセンサ、バイオセンサ、血液センサ、免疫センサ、人工網膜、味覚センサ等が挙げられる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<ルイス酸を用いたテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンの合成>
塩化メチレン300mLに1,2,4,5−テトラフェニルベンゼン(化合物(2)、1.15g、3.00mmol)を溶解させ、乾燥窒素でバブリングし、ルイス酸である塩化鉄(III)(4.86g、30.0mmol)のニトロメタン(6.0mL)懸濁液を添加した。室温(20℃〜30℃)で乾燥窒素バブリングを継続しながら2時間撹拌し、メタノール(100mL)で反応終結した。生じた沈殿を濾別してメタノールで良く洗浄し、更に濃アンモニア水、4N塩酸で洗浄し、茶色の固体(0.98g、単離収率86%)を得た。高真空昇華精製(360℃、回収率75%)を経て、目的化合物を白い固体として得た。得られた化合物の同定は質量分析(MALDI TOF MASS)で行った。
MALDI TOF MASS(マトリクス:ジフェニルブタジエン):m/z=378.10(計算値:378.14)
Figure 2009120537
図1に実施例1で得られた化合物の質量分析の測定結果を示す。m/z=378.1はテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセン、m/z=746.3,748.4は二量体、すなわち上記化合物群1または化合物群2、m/z=1123.8は三量体、すなわち上記化合物群3に対応する。
(実施例2)
<高原子価ヨウ素化合物を用いたテトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンの合成>
塩化メチレン25mLに1,2,4,5−テトラフェニルベンゼン(化合物(2)、0.192g、0.50mmol)と、高原子価ヨウ素化合物であるヨードソベンゼンビストリフルオロアセテート(0.645g、1.50mmol)を懸濁させ、乾燥窒素雰囲気下、−60℃で三フッ化ホウ素(0.38mL、3.02mmol)を滴下し、20分間撹拌した。さらに室温(20℃〜30℃)で100分間撹拌した後、水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、析出した固体を吸引ろ過した。ろ別した固体を塩化メチレン、水、アセトンで良く洗浄し、室温(20℃〜30℃)で真空乾燥して、茶色の固体(0.157g、単離収率83%)を得た。得られた化合物の同定は質量分析(MALDI TOF MASS)で行った。
MALDI TOF MASS(マトリクス:ジフェニルブタジエン):m/z=378.10(計算値:378.14)
図2に実施例2で得られた質量分析の測定結果を示す。テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセン単量体に対応するm/z=378.1のピークが観測されたが、図1のような多量体のピークは観測されなかった。
本発明の実施例1で合成した化合物の質量分析(MALDI TOF MASS)測定結果を示す図である。 本発明の実施例2で合成した化合物の質量分析(MALDI TOF MASS)測定結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 下記化合物(1)〜(7)のうち少なくとも1つを、
    Figure 2009120537
    ルイス酸及び高原子価ヨウ素化合物のうち少なくとも1つを用いて、脱水素縮合反応させることにより無置換グラフェン化合物を合成することを特徴とする無置換グラフェン化合物の合成方法。
  2. 請求項1に記載の無置換グラフェン化合物の合成方法であって、
    前記無置換グラフェン化合物が、テトラベンズ[a,c,h,j]アントラセンであり、前記化合物(2)〜(7)のうち少なくとも1つを脱水素縮合反応させることを特徴とする無置換グラフェン化合物の合成方法。
  3. 請求項1に記載の無置換グラフェン化合物の合成方法であって、
    前記無置換グラフェン化合物が、分子式C602n(ここで、nは0〜17の整数を示す。)で示される化合物であることを特徴とする無置換グラフェン化合物の合成方法。
  4. 請求項1に記載の無置換グラフェン化合物の合成方法であって、
    前記無置換グラフェン化合物が、分子式C30m18m-2k(ここで、mは3〜100の整数、kは1〜9mの整数を示す。)で示される化合物であることを特徴とする無置換グラフェン化合物の合成方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の無置換グラフェン化合物の合成方法であって、
    前記ルイス酸が、塩化鉄(III)、塩化アルミニウム、塩化銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅、塩化モリブデン、塩化チタン、四酢酸鉛、トリフルオロ酢酸タリウム及び三フッ化ホウ素のうち少なくとも1つであることを特徴とする無置換グラフェン化合物の合成方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の無置換グラフェン化合物の合成方法であって、
    前記高原子価ヨウ素化合物が、ヨードソベンゼンビストリフルオロアセテート及びヨードソベンゼンジアセテートのうち少なくとも1つであることを特徴とする無置換グラフェン化合物の合成方法。
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