JP2009118375A - 航空写真撮影装置、航空写真撮影システムおよび航空写真の画像補正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヘリコプターHに搭載される地上の画像を撮影する撮影装置であって、地上の画像を撮影する撮影手段と、撮影手段を保持し、撮影手段の姿勢を調整する姿勢調整手段12と、ヘリコプターHの機体に設けられ、機体の姿勢を検出する姿勢センサ13と、姿勢センサ13が検出した機体の姿勢情報に基づいて、姿勢調整手段12の作動を制御する制御手段16と、ヘリコプターHの機体に設けられたGPS受信機と、撮影手段が画像を撮影した撮影タイミングに関する情報と、姿勢調整手段12の作動に関する情報と、姿勢センサ13が検出した機体の姿勢情報と、GPS受信機が受信した信号を演算して得られる情報、が記録される記録手段17とを備えている。
【選択図】図1
Description
また、飛行機が高速で飛行することから、地面等に対する飛行機の姿勢を安定した状態に保ちやすい。このため、飛行機を水平に保って飛行させれば、地面に垂直な写真や地面に対して所定の角度だけ傾いた写真を安定した状態で撮影することができるという利点もある。
かかる倒れ込み現象や解像度の問題を解決するために、複数のカメラを有しかつ各カメラが同じタイミングで撮影するように制御された専用の装置が使用されているが、かかる装置は非常に大型の装置になる。そして、複数のカメラを設ければ、一台あたりの撮影範囲が狭くなるので若干解像度をあげることができるものの、飛行機の飛行高度が高くカメラから撮影対象までの距離が長いから解像度の向上にも限界がある。
ヘリコプターによる撮影は、飛行機に比べて低高度から撮影するので一回で撮影できる範囲は狭くなるものの、低高度から撮影すれば、撮影対象までの距離が短くなるので解像度を向上できるという利点がある。
また、ヘリコプターはホバリングすることで空中に静止できるから、所望の場所の上空で静止すれば、撮影場所を正確に特定して撮影できるという利点もある。
特許文献1,2にはジンバル機構に取り付けられたカメラの姿勢をフライホイールの保持力で垂直に保つ技術が開示されており、特許文献3、4にはジャイロセンサが検出した情報に基づいてカメラの姿勢を自動制御するように構成された技術が開示されている。
第2発明の航空写真撮影装置は、第1発明において、前記GPS受信機が、前記ヘリコプターの機体に2つ設けられており、該2つのGPS受信機が、前記ヘリコプターの機体の軸方向に沿って、互いに離間した位置に設けられていることを特徴とする。
第3発明の航空写真撮影装置は、第1または第2発明において、前記撮影手段がカメラであり、該カメラのファインダを、作業者が視認し得るように構成されていることを特徴とする。
第4発明の航空写真撮影システムは、請求項1、2または3記載の装置と、該装置の記録手段に記録された情報に基づいて撮影された地上の画像を補正する画像補正手段とからなり、該画像補正手段が、前記記録手段に記録されている情報に基づいて、前記撮影された画像を水平方向に対して所定の角度だけ傾いた画像となるように補正する機能を有するものであることを特徴とする。
第5発明の航空写真撮影システムは、第4発明において、前記画像補正手段は、前記撮影タイミングと、他の情報が測定・取得されたタイミングとがズレている場合において、前記記録手段に記録されている情報に基づいて、該撮影タイミングにおける前記撮影タイミング以外の情報について推定し、該推定された情報に基づいて、前記撮影された画像を水平方向に対して所定の角度だけ傾いた画像となるように補正する機能を有していることを特徴とする。
第6発明の航空写真の画像補正方法は、請求項1、2または3記載の装置によって撮影された地上の画像を補正する画像補正方法であって、前記記録手段に記録されている情報に基づいて、前記撮影された画像を水平方向に対して所定の角度だけ傾いた画像となるように補正することを特徴とする。
第7発明の航空写真の画像補正方法は、第6発明において、前記撮影タイミングと、他の情報が測定・取得されたタイミングとがズレている場合において、前記記録手段に記録されている情報に基づいて、該撮影タイミングにおける前記撮影タイミング以外の情報について推定し、該推定された情報に基づいて、前記撮影された画像を水平方向に対して所定の角度だけ傾いた画像となるように補正することを特徴とする。
第2発明によれば、2つのGPS受信機が演算した情報に基づいて、機体の向きを把握することができるから、画像を撮影した方向を正確に特定することができる。
第3発明によれば、カメラのファインダを通して、作業者が撮影する画像を確認できるので、所望の撮影画像を得ることができる。
第4発明によれば、カメラの姿勢が所定の角度からズレた状態で画像を撮影しても、記録手段に記録されている情報に基づいて撮影した画像を画像補正手段が補正するので、撮影した画像をより正確な航空写真に変換することができ、より正確な地上情報を得ることができる。
第5発明によれば、撮影タイミングと、他の情報が測定・取得されるタイミングとがズレていても、撮影タイミングの前後に取得された撮影タイミング以外の情報に基づいて撮影タイミングにおける撮影タイミング以外の情報を推定すれば、この推定された情報に基づいて、撮影した画像をより正確な航空写真に変換することができる。
第6発明によれば、カメラの姿勢が所定の角度からズレた状態で画像を撮影しても、記録手段に記録されている情報に基づいて撮影した画像を補正するので、撮影した画像をより正確な航空写真に変換することができ、より正確な地上情報を得ることができる。
第7発明によれば、撮影タイミングと、他の情報が測定・取得されるタイミングとがズレていても、撮影タイミングの前後に取得された撮影タイミング以外の情報に基づいて撮影タイミングにおける撮影タイミング以外の情報を推定すれば、この推定された情報に基づいて、撮影した画像をより正確な航空写真に変換することができる。
図1は本実施形態の航空写真撮影装置10を搭載したヘリコプターHの概略説明図である。図1に示すように、本実施形態の航空写真撮影装置10はヘリコプターHに搭載されるものであり、上空から地上の画像を撮影するために使用されるものである。
なお、姿勢調整手段12はジンバル機構を有するものに限られず、カメラ11の撮影方向を自在に調整できる機構を有するものであれば特に制限されないが、モータ等の機器を備えカメラ11の姿勢を遠隔かつ自動で調整できるものが好ましい。
なお、本実施形態の航空写真撮影装置10では、キネマティック測位によりヘリコプターHの機体の位置を推定している。キネマティック測位とは、基準局(図中のGPS0)を固定し、利用者局(GPS1、GPS2)が移動しながら順次搬送波位相積算値データを取得する方法である。このGPS0には、例えば、国土地理院が設置している電子基準点や、各自で設置した位置のよくわかっている基準点を採用することができる。
さらになお、GPS1、GPS2は、ヘリコプターHの機体の軸方向に沿って互いに離間した位置に設けられていればよく、両者およびアンテナを設ける位置は上記のごとき位置に限定されない。そして、GPSアンテナやGPS1、GPS2を設置している位置とカメラ11の搭載位置とがズレている場合には、GPS1、GPS2が受信した信号を演算して得られる情報から推定される撮影位置が、実際の撮影位置からズレてしまう可能性がある。しかし、GPSアンテナ等の位置とカメラ11の位置を予め正確に測っておけば、解析ソフトウェアにて計算することにより、GPSアンテナ等とカメラ11の位置関係を補正することができるから、正確な撮影位置を求めることができる。
さらになお、GPS受信機は1つだけ設けてもよい。この場合でも、ホバリング等を行っている場合のように機体が完全に静止していない状態、例えば、ヘリコプターHが前進している状態であれば、GPSのデータに基づいて機体の進行方向を把握することができるので、GPSのデータに基づいて機体の向きを判断することができる。
この制御ユニット15には、制御手段16と記録手段17とが設けられている。
具体的には、カメラ11からは、画像を撮影した撮影タイミングに関する情報、つまり、シャッタタイミングが送られて記録されている。
姿勢調整手段12からは、その作動に関する情報、つまり、基準位置に対するジンバル機構の軸の回転量や軸を回転させるモータの回転量等が送られて記録されている。
姿勢センサ13からは、検出した機体の姿勢情報が送られて記録されている。
GPS1、GPS2からは、GPS衛星から発信される電波に含まれる情報(GPS衛星の正確な位置、正確な時刻等)を演算して得られる情報が送られ、記録されている。なお、GPS1、GPS2の正確な位置は、地上へ帰還した後、解析ソフトウェアを使用し後処理で測位計算を行うことによって算出することができる。
さらになお、記録手段は、必ずしも一つの機器で構成されている必要はなく、複数の記録媒体を備え、各記録媒体に各機器からの情報がそれぞれ記録されるようになっていてもよい。この場合、各機器が情報を取得した時間の相対的な時間差が把握できるようにしておくことが好ましく、例えば、全ての記録媒体に時間に関する同じ情報(例えば、GPS1が発信する正確な時刻等)を記録しておけば上記時間差を把握することができる。
撮影地点上空にヘリコプターHを移動させ、移動しながらまたはホバリングしながらカメラ11によって画像を撮影することができる。そして、移動中またはホバリング中にヘリコプターHの機体の姿勢が変化しても、姿勢センサ13によって姿勢の変化を検出することができる。すると、制御手段16は、姿勢センサ13から送られる姿勢情報により機体の姿勢の変化を検出し、カメラ11が、例えば地面や水平に対して所定の角度となるように姿勢調整手段12を作動させる。
したがって、ヘリコプターHの機体の姿勢が変化しても、姿勢調整手段12によってカメラ11の姿勢が調整されるので、画像を撮影するときにおけるカメラ11の姿勢が所定の角度から大きくズレることを防ぐことができる。
つぎに、制御手段16が機体の姿勢の変化を検出しても、瞬時にカメラ11を所定の角度に合わせることはできず、タイムラグが発生する。なぜなら、制御手段16が姿勢調整手段12を作動させる量を演算する時間が必要であるし、また、制御手段16から制御信号を受けた姿勢調整手段12のモータ等の作動時間が必要だからである。
かかるタイムラグの期間にカメラ11のシャッタが押された場合には、カメラ11が撮影した画像は所定の角度からズレた画像となるが、このズレを記録手段17に記録されている各種情報に基づいて補正することができる。
つまり、カメラ11のシャッタタイミングとともに、上述したような各種情報が記録手段17に記録されているので、画像を撮影したときにおけるカメラ11の姿勢が所定の角度からズレているのか、また、ズレているとすればどの程度であるかを各種情報から把握することができる。すると、ズレが生じている場合には、各種情報から得られるズレ量に基づいて、撮影した画像を補正することができる。
よって、カメラ11の光軸が所定の角度からズレた姿勢で画像を撮影しても、地上へ帰還した後、上記記録手段17に記録されている各種情報を利用すれば、コンピュータ等の画像処理手段によって、撮影された画像を基にして正確な航空写真を作成することができるし、撮影された画像に基づいて測量を行う場合には、より正確な地上情報を得ることができる。
ここで、画像処理手段は、上記記録手段17に記録されている各種情報を利用して、水平に対して所定の角度からずれた状態で撮影された画像を、水平に対して所定の角度だけ傾いた画像に補正している。
例えば、地面に対して垂直な画像を撮影する場合において、カメラ11の光軸が地面に対して垂直ではない状態で画像を撮影すれば、カメラ11の光軸と地面に対して垂直な方向とのズレ量を、画像処理手段が算出する。具体的には、画像を撮影したタイミング(シャッタタイミング)における各種情報(姿勢調整手段12の作動に関する情報、姿勢センサ13が検出した機体の姿勢情報、および、GPS1、GPS2が受信した信号を演算して得られる情報)に基づいて、カメラ11の光軸と地面に対して垂直な方向とのなす角度を把握する。そして、画像処理手段は、把握されたズレ量(角度)に基づいて、撮影された画像を水平に対して所定の角度だけ傾いた画像となるように処理するので、地面に対して垂直な画像を得ることができる。なお、撮影された画像を水平に対して所定の角度だけ傾いた画像となるようにする処理は、画像処理手段が備えている市販の画像処理ソフトなどにより行う。
なお、シャッタタイミングにおける機体の姿勢情報を推定する方法は、シャッタタイミングにおける機体の姿勢情報を近似により求める方法等を採用できるが、どのような方法を用いてもよく、特に限定されない。
よって、制御手段16が姿勢調整手段12を作動してカメラ11の姿勢を調整する場合には、カメラ11の姿勢を所定の角度に正確に合わせるよりも、常にカメラ11が所定の角度から3°以内となるように姿勢制御することが好ましい。
例えば、撮影機器のファインダの近傍にファインダを撮影するCCDカメラ21等を設置し、撮影機器のシャッタにレリーズスイッチ22を接続しておけば、CCDカメラ21等が撮影した画像をモニタで確認しながら撮影することができるので、好適である。
11 カメラ
12 姿勢調整手段
13 姿勢センサ
16 制御手段
17 記録手段
GPS1 GPS受信機
GPS2 GPS受信機
H ヘリコプター
Claims (7)
- ヘリコプターに搭載される地上の画像を撮影する撮影装置であって、
地上の画像を撮影する撮影手段と、
該撮影手段を保持し、該撮影手段の姿勢を調整する姿勢調整手段と、
前記ヘリコプターの機体に設けられ、該機体の姿勢を検出する姿勢センサと、
該姿勢センサが検出した前記機体の姿勢情報に基づいて、前記姿勢調整手段の作動を制御する制御手段と、
前記ヘリコプターの機体に設けられたGPS受信機と、
前記撮影手段が画像を撮影した撮影タイミングに関する情報、前記姿勢調整手段の作動に関する情報、前記姿勢センサが検出した前記機体の姿勢情報、および、前記GPS受信機が受信した信号を演算して得られる情報、が記録される記録手段とを備えている
ことを特徴とする航空写真撮影装置。 - 前記GPS受信機が、前記ヘリコプターの機体に2つ設けられており、
該2つのGPS受信機が、
前記ヘリコプターの機体の軸方向に沿って、互いに離間した位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の航空写真撮影装置。 - 前記撮影手段がカメラであり、
該カメラのファインダを、作業者が視認し得るように構成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の航空写真撮影装置。 - 請求項1、2または3記載の装置と、該装置の記録手段に記録された情報に基づいて撮影された地上の画像を補正する画像補正手段とからなり、
該画像補正手段が、
前記記録手段に記録されている情報に基づいて、前記撮影タイミングにおける画像が水平方向に対して所定の角度だけ傾いた画像となるように補正する機能を有するものである
ことを特徴とする航空写真撮影システム。 - 前記画像補正手段は、
前記撮影タイミングと、他の情報が測定・取得されたタイミングとがズレている場合において、
前記記録手段に記録されている情報に基づいて、該撮影タイミングにおける前記撮影タイミング以外の情報について推定し、
該推定された情報に基づいて、前記撮影タイミングにおける画像が水平方向に対して所定の角度だけ傾いた画像となるように補正する機能を有している
ことを特徴とする請求項4記載の航空写真撮影システム。 - 請求項1、2または3記載の装置によって撮影された地上の画像を補正する画像補正方法であって、
前記記録手段に記録されている情報に基づいて、前記撮影タイミングにおける画像が水平方向に対して所定の角度だけ傾いた画像となるように補正する
ことを特徴とする航空写真の画像補正方法。 - 前記撮影タイミングと、他の情報が測定・取得されたタイミングとがズレている場合において、
前記記録手段に記録されている情報に基づいて、該撮影タイミングにおける前記撮影タイミング以外の情報について推定し、
該推定された情報に基づいて、前記撮影タイミングにおける画像が水平方向に対して所定の角度だけ傾いた画像となるように補正する
ことを特徴とする請求項6記載の航空写真の画像補正方法。
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