JP2009117543A - 窒化物半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リッジ部に加わる圧力や応力の発生をなくし、リッジ部への悪影響を防止することができる窒化物半導体発光素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】GaN基板1上にn型GaNコンタクト層2、MQW活性層3、p型AlGaNクラッド層4が順に形成されており、GaN基板1の裏面にはn電極8が形成される。また、p型AlGaNクラッド層4の凸形状のリッジストライプとp型GaNコンタクト層5とでリッジ部Aが構成されている。リッジ部Aの両側には、GaN系半導体からなる支柱9、10が形成されており、リッジ部Aと類似のリッジストライプ構造で構成される。支柱9の高さ及び支柱10の方が、リッジ部Aの高さよりも高く形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リッジストライプ構造を有する窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体発光素子の製造方法に関する。
従来、リッジストライプ構造を有する窒化物半導体発光素子の例には、リッジ導波型窒化物半導体レーザが作製されている。この半導体レーザ素子を基板に実装して電気的に接続するために、フリップチップ接合方式が用いられる。フリップチップ接合とは、p型窒化物半導体に形成されたリッジ部側の面を下にして、リッジ部上の電極とサブマウント上の電極とをハンダ等で接合するものである(例えば、特許文献1参照)。
リッジ導波型窒化物半導体レーザ素子は、例えば、図10の実線部で示されるように構成される。導電性基板21上にn型窒化物半導体層22、活性層23、p型GaN系半導体層24が順に積層され、p型GaN系半導体層24に凸形状のリッジストライプ部Bが形成される。リッジストライプ部Bの頂上にはp電極25が、導電性基盤21の裏面にはn電極27が形成される。p電極25を支持基板26上の電極や配線パターン等とフリップチップ接合している。
このような構造の半導体レーザ素子では、電流を狭窄注入するために、リッジストライプ部Bのストライプ幅を細く形成しており、損傷を受けやすい。例えば、ウエハをスクライブや分割する工程において、リッジストライプ部Bが形成された面をステージ等に接触させたり、圧力を加えたりすることによって、リッジストライプ部Bを損傷させてしまうことがあった。
また、フリップチップ接合を行う場合に、n電極27側から一定の圧力を加えて支持基板27に接合させるため、リッジストライプ部Bに応力が集中して損傷が発生していた。
上述のように、リッジストライプ部Bを損傷させた場合には、発光特性や発光強度の低下等、レーザ素子の信頼性を損なうことになる。さらに、窒化物半導体レーザが支持基板26に傾いて接合されやすくなり、素子特性を低下させる原因となる。また、支持基板26への接合時における窒化物半導体レーザの傾き方向と傾き角度等は、窒化物半導体レーザ素子毎に異なってしまうので、この傾きの不整合により、放熱性に違いが生じ、発光特性のバラツキを生じさせる原因ともなる。
一方、窒化物半導体レーザ素子には、高出力が求められており、その場合、リッジストライプ部Bの幅をさらに狭くする必要があるが、リッジストライプ部Bの幅を狭くするほど、上記問題の発生が顕著になってくる。
特開2007−5473号公報
そこで、図10のリッジストライプ部Bの両側のエッチングされた溝を金属で埋め込んだ構造が用いられるが、金属と窒化物半導体との間の熱膨張係数差は大きいため、熱膨張係数差によって生じた応力が、リッジストライプ部Bに悪影響を及ぼし、発光特性の低下や損傷を発生させる。
一方、リッジストライプ部Bの両側の溝をすべて金属で埋め込まずに、図10の点線で示されるように、リッジストライプ部Bと類似のリッジストライプ構造を有するリッジ部30、31を金属や絶縁膜で形成することも考えられる。この方式では、リッジストライプ部Bの両側の溝をすべて金属で埋め込んだ場合と比較して熱膨張係数差による横方向の応力は少しは緩和されると考えられる。しかし、リッジストライプ部Bに対する熱膨張係数差による応力は、縦方向にも、横方向にも発生することに変わりはないので、リッジストライプ部Bの損傷や発光特性の低下を招く。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、リッジ部に加わる圧力や応力の発生をなくし、リッジ部への悪影響を防止することができる窒化物半導体発光素子及びその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、n型窒化物半導体層、活性層、リッジ部を有するp型GaN系半導体層とを順に備えた窒化物半導体発光素子であって、前記リッジ部よりも高く形成されたGaN系半導体からなる支柱が、少なくとも前記リッジ部の両側に形成されていることを特徴とする窒化物半導体発光素子である。
また、請求項2記載の発明は、前記支柱は前記p型GaN系半導体層上に形成され、前記支柱及びリッジ部表面にはp電極が形成されていることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体発光素子である。
また、請求項3記載の発明は、前記支柱はすべて同じ高さに形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子である。
また、請求項4記載の発明は、前記支柱はp電極側からn型GaN系半導体とp型GaN系半導体とが順に接合したnp接合界面を少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子である。
また、請求項5記載の発明は、n型窒化物半導体層、活性層、リッジ部を有するp型GaN系半導体層とを順に備えた窒化物半導体発光素子の製造方法であって、前記リッジ部が前記p型GaN系半導体層のエッチングにより形成される第1工程と、前記第1工程後に、前記リッジ部よりも高く形成されたGaN系半導体からなる支柱が、選択成長により前記p型GaN系半導体層上に結晶成長される第2工程とを備えたことを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法である。
本発明によれば、少なくともリッジ部の両側に配置された支柱はGaN系半導体で形成されており、この支柱とリッジ部が形成されたp型GaN系半導体層とはGaNを共通の構成材料として含むことになるので、熱膨張係数差がなくなり、それに起因する応力の発生は防止され、リッジ部への悪影響がなくなる。一方、GaN系半導体で形成された支柱を、リッジ部の高さよりも高くしているので、素子の製造工程中や支持基板への接合時には、支柱が防護壁となって、リッジ部に圧力や応力が加わらないため、リッジ部への悪影響を防止することができる。
また、支柱は、p型GaN系半導体層のリッジ部形成後に、選択成長により結晶成長させているので、リッジ部と支柱との間の領域におけるp型GaN系半導体層の膜厚にバラツキがなくなるので、発光素子特性は劣化しない。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の窒化物半導体発光素子の一例である窒化物半導体レーザ素子の断面構造を示す。
窒化物半導体レーザ素子を構成する窒化物半導体は、既知のMOCVD法等によって形成する。ここで、窒化物半導体は、AlGaInN4元混晶を表し、いわゆるIII−V族窒化物半導体と呼ばれるもので、AlxGayInzN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表すことができる。また、GaN系半導体とは、GaNのみからなる半導体、又は構成材料にGaNを含む半導体であり、上記AlGaInN4元混晶において、0<y≦1で表わされる。
GaN基板1上にn型GaNコンタクト層2、MQW活性層3、p型AlGaNクラッド層4が順に形成されており、p型AlGaNクラッド層4の一部は、図10のリッジストライプ部Bのように、凸形状のリッジストライプ構造に形成されている。GaN基板1は、導電性のn型GaNが用いられ、GaN基板1の裏面にはn電極8が形成されている。また、p型AlGaNクラッド層4のリッジストライプ構造の直上にはp型GaNコンタクト層5がストライプ状に形成されており、p型AlGaNクラッド層4の凸形状のリッジストライプとp型GaNコンタクト層5とでリッジ部Aが構成されている。
MQW活性層3は、量子井戸構造(Quantum Well)を有する活性層であり、井戸層(ウェル層)を、井戸層よりもバンドギャップの大きな障壁層(バリア層)でサンドイッチ状に挟んだ構造となっている。この量子井戸構造を多重化したものが、MQW(Multi Quantum Well)、すなわち多重量子井戸構造となる。なお、活性層3はMQWではなく、1つの量子井戸構造となるSQW(Single Quantum Well)としても良い。
また、リッジ部Aの両側には、GaN系半導体からなる支柱9、10が形成されており、支柱9はn型GaN層9aとp型GaN層9bで、支柱10はn型GaN層10aとp型GaN層10bで構成されている。これら支柱9、10は、リッジ部Aと類似のリッジストライプ構造で構成されており、図6に示すように、支柱9の高さH1及び支柱10の高さH2の方が、リッジ部Aの高さHAよりも高く形成されている(HA<H1、HA<H2)。また、H1とH2とは同じ高さに形成されている(H1=H2)。
リッジ部Aの側面は絶縁膜6で覆われており、支柱9、10が形成された領域を除いたp型AlGaNクラッド層4表面も絶縁膜6で覆われている。p電極7が支柱9、10の側面や頂上、及びリッジ部Aの側面や頂上に渡って、絶縁膜6の上又はGaN系半導体表面を覆うように形成されている。
支柱9、10の頂上領域に形成されているp電極7の部分は支持基板11に接合されているが、リッジ部Aの頂上領域は支持基板11と接合又は接触しておらず、図のように隙間が開くように形成される。支持基板11は、導電性でかつ放熱性の良いCu(銅)等の金属で構成される。
図1の構成では、n型GaNコンタクト層2がn型窒化物半導体層に、p型AlGaNクラッド層4とp型GaNコンタクト層5とがp型GaN系半導体層に相当する。また、図1の構成で、n型GaNコンタクト層2とMQW活性層3との間にn型AlGaNクラッド層を挟み込むようにしても良いが、その場合は、n型GaNコンタクト層2とn型AlGaNクラッド層とがn型窒化物半導体層に相当する。
図1では、支柱9、10を構成するGaN系半導体を上側からp型GaN層9b、10bとn型GaN層9a、10aとし、n型GaN層9bとp型AlGaNクラッド層4とのnp接合界面、及びn型GaN層10bとp型AlGaNクラッド層4とのnp接合界面を形成して、支柱9、10に少なくとも1つのnp接合界面を含むように形成している。支柱9、10を構成するGaN系半導体としては、図1に示されるGaNの他に、AlGaNやInGaN等を用いることもできる。
支柱9、10に少なくとも1つのnp接合界面を含むようにするには、上記の例以外に、例えば、支柱9、10をn型GaN層やn型AlGaN層等のn型GaN系半導体のみで形成したり、p電極側からp型GaN系半導体とn型GaN系半導体とを交互にペアで複数周期積層した積層体を用いても良い。
このように、p側電極から見て、np接合界面を少なくとも1つ形成しておくのは、支柱9、10にはp電極7が形成されているので、電圧が印加された場合、支柱9、10に電流が流れれば、発光強度や発光特性に大きな影響を与えるためであり、np接合という逆バイアス構造としておくことで、支柱9、10を介して素子内に電流を流さないようにし、絶縁効果を持たせている。
一方、支柱9、10の形状に関しては、上記実施例では、リッジ部Aと類似のリッジストライプ構造としたが、1つの長いストライプ構造にせずに、いくつかに分離して、例えば、4個、6個等の多数の支柱で支持基板11を支えるようにしても良い。また、支柱はリッジ部Aの少なくとも両側に必要であるので、支柱9、10のさらに外側に支柱を設けて多数の支柱を設けるようにしても良い。
また、図6に示されるように、支柱9、10の各高さH1とH2とは同じ高さに形成されていることが望ましいが、H1とH2との高さは等しくなくても良い。その場合、H1とH2との差は、支持基板11を接合する際に支持基板11がリッジ部Aの頂上面に接触しないような範囲に形成されていることが必要である。
以上のように、支柱9、10をGaN系半導体で形成し、リッジ部Aを有するp型半導体層もGaN系半導体で形成しているので、GaNが共通の構成材料として含まれることにより、支柱とリッジ部を有するp型半導体層との間の熱膨張係数差がなくなり、それに起因する応力の発生は防止され、リッジ部への悪影響がなくなる。
また、GaN系半導体で形成された支柱を、少なくともリッジ部の両側に配置して、リッジ部を取り囲むようにしているので、ウエハをスクライブや分割する工程において、支柱が防護壁となり、リッジ部が直接ステージ等に接触することがなくなる。一方、支柱の高さをリッジ部の高さよりも高くしているので、支持基板への接合時には、支柱が防護壁となって、リッジ部に圧力や応力が加わることを防止することができる。
次に、図1の窒化物半導体発光素子の製造方法を図2〜図9を参照しつつ以下に説明する。まず、成長用基板としてGaN基板1をMOCVD(有機金属化学気相成長)装置に入れ、水素ガスを流しながら、1050℃程度まで温度を上げ、GaN基板1をサーマルクリーニングする。温度をそのまま維持して、N原料として用いる反応ガス、例えばNHと、Gaの原料ガス、例えば、トリメチルガリウム(TMGa)を供給し、n型ドーパントガスとしてシラン(SiH)を供給してn型GaNコンタクト層32を成長させる。
次に、TMGa、シランの供給を停止し、アンモニアと水素の混合雰囲気中で基板温度を700℃〜800℃の間に下げて、トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルガリウム(TEGa)を供給して、MQW活性層3のInGaN井戸層を積層し、TMInの供給のみを停止してアンドープGaNからなる障壁層を積層する。そして、GaN障壁層とInGaN井戸層との繰り返しにより多重量子井戸構造とする。
MQW活性層3成長後、成長温度を1020℃〜1040℃に上昇させて、Ga原子の原料ガスであるトリメチルガリウム(TMGa)、窒素原子の原料ガスであるアンモニア(NH)、Al原子の原料ガスであるトリメチルアルミニウム(TMA)、p型不純物Mgのドーパント材料であるCPMg(ビスシクロペンタジエチルマグネシウム)を供給し、p型AlGaNクラッド層4を成長させる。次に、成長温度はそのままにし、TMAの供給は停止して、p型GaNコンタクト層5を成長させると、図2のように、GaN基板1〜p型GaNコンタクト層5までが積層された積層体が形成される。
ここで、図2の積層体における膜厚の一例を示すと、n型GaNコンタクト層2が4μm程度、MQW活性層3が0.1μm程度、p型AlGaNクラッド層4が2μm程度、p型GaNコンタクト層5が0.1μm程度と構成することができる。
次に、図3に示すように、メサエッチングによりリッジ部Aを形成する。リッジ部Aの形成は、p型GaNコンタクト層5上にリッジ部Aの頂上に相当する領域にマスクを形成したのち、ドライエッチングによってp型AlGaNクラッド層4の所定深さまでエッチングすることにより行われる。ドライエッチングには、反応性イオンエッチング(RIE)、プラズマによるICP等が用いられる。リッジ部Aは、例えば、高さ1.5μm、リッジストライプの底部の幅は1.5μmで形成される。リッジストライプの底部の幅は、キンクレベルを向上させるためには、細くしておくことが望ましい。
その後、選択成長用マスク12をリッジ部Aが形成されている側の窒化物半導体表面全体に形成する。図4に示すように、選択成長用マスク12となるレジストをSOG(Spin On Glass)で塗布、被覆したのち、支柱9、10を作製する部分を取り除いて開口部12aを形成し、窒化物半導体表面を露出させる。
次に、図5に示すように、選択成長用マスク12の開口部に窒化物半導体を成長させて、支柱9、10を作製する。ところで、サファイア基板等の成長用基板とGaNとでは、格子定数が異なるため、成長用基板上に成長させたGaN系半導体層においては、基板から上下方向に伸びる転位(格子欠陥)が存在している。このような転位を低減する方法として、選択横方向成長(ELO:Epitaxial Lateral Overgrowth)が良く知られている。本発明では、上記選択成長を用いた。
この選択成長は、誘電体やSOG等による選択成長用マスク12でp型AlGaNクラッド層4を覆うことにより、最初に選択成長用マスク12の開口部12a中央から再成長が起こり(選択成長)、その後選択成長用マスク12側にも成長層が拡がることで横方向に結晶成長が形成される。
選択成長は、成長温度900℃以下で行われ、n型GaN層を結晶成長させた後、p型GaN層を結晶成長させると、支柱9、10に示されるように、n型GaN層9a、10a、p型GaN層9b、10bが形成される。なお、選択成長を行う場合は、横方向の成長レートよりも縦方向の成長レートの方を大きくするように条件を設定しておく。
また、InGaN/GaNによるMQW活性層3成長後に、p型GaN系層を成膜する際には、結晶品質を高めるために、通常、活性層の成長温度よりも200〜300℃高い温度となる1000℃付近の成長温度でエピタキシャル成長させている。このように、p型層の成長温度が高いと、既に成膜されている活性層3のInGaN井戸層が熱のダメージを受けやすくなり、発光特性が著しく悪化する場合がある。したがって、活性層3形成後は、1000℃付近の高温での結晶成長時間の合計をなるべく短縮しておく必要がある。一方、支柱9、10は、発光に寄与する部分ではなく、結晶品質にこだわる必要がないので、900℃以下の成長温度として活性層3への熱ダメージをなるべく回避させる。
ところで、通常、キャリアガスにHを用いると、Mgと一緒に取り込まれる水素原子によってMgが活性化されにくくなり、p型半導体層のp型化が阻害される原因となる。そのため、p型AlGaNクラッド層4及びp型GaNコンタクト層5を形成後、水素原子を取り除いてp型半導体層をp型化するためのアニール(以下において「p型化アニール」という。)を実施する必要がある。
しかし、本実施例では、支柱9、10をエピタキシャル成長させる場合に、キャリアガスHと窒素の原料ガスであるNHの供給量を少なくしている。したがって、支柱9、10の成長時の成長温度による加熱を利用することにより、既に作製されたリッジ部Aを構成するp型GaNやp型AlGaN中のHを取り除き、p型不純物Mgを活性化させることができるので、p型化アニールを不要にすることができる。
さらには、成長温度900℃以下で支柱9、10を結晶成長させているので、MQW活性層3へダメージを与えない。一方、選択成長時には、少なくともGaNを作製するのに必要な原料ガスが供給されるので、既に形成されているリッジ部Aを構成する膜、すなわちp型AlGaNクラッド層4及びp型GaNコンタクト層5からのGaN成分の分解を抑えることができる。
また、支柱9、10を選択成長ではなく、ドライエッチングで形成する場合には、リッジ部A作製と同じ工程内で行われるが、深さ方向の制御が困難になり、リッジ部Aの両側のp型AlGaNクラッド層4のC1、C2の膜厚が均一にならず、レーザ素子の閾値等の特性が劣化するという問題が発生する。
しかし、本実施例では、支柱9、10を選択成長により結晶成長させているので、リッジ部A両側の領域におけるp型AlGaNの厚さC1、C2の精度が良く、寸法バラツキによるレーザ素子特性は劣化を防止することができる。
次に、図6のように、選択成長用マスク12を除去する。前述したように、p型AlGaNクラッド層4の平坦面からの支柱9の高さH1及び支柱10の高さH2の方が、p型AlGaNクラッド層4の平坦面からのリッジ部Aの高さHAよりも高く形成する(HA<H1、HA<H2)。また、上述したように、H1とH2とは同じ高さに形成されていることが望ましいが、H1とH2との高さは同じでなくても良い。
図7に示すように、絶縁膜6として、例えばZrO等をp型AlGaNクラッド層4の平坦面及びリッジ部Aの側面に形成する。次に、図8のように、p電極7を絶縁膜6上、支柱9、10の窒化物半導体表面及びリッジ部Aの窒化物半導体表面にかけて、蒸着又はスパッタにより全面に形成する。p電極7は、例えば、下からPd(パラジウム)を100Åの厚さ、Au(金)を1250Åの厚さで形成し、さらにその上にボンディング用金属層としてAuを5μm程度形成する。
次に、図8に示されるウエハ全体をCu等からなる支持基板11にフリップチップ接合すると、図9のような構成となる。ここで、フリップチップ接合には、ハンダ接合や超音波接合等が用いられる。最後にn電極8を、例えば、GaN基板1側から順にPd(パラジウム)を100Åの厚さ、Au(金)を1250Åの厚さで形成して、図1の窒化物半導体発光素子が完成する。
なお、各半導体層の製造については、キャリアガスの水素又は窒素とともに、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMIn)などの各半導体層の成分に対応する反応ガス、n型にする場合のドーパントガスとしてのシラン(SiH)、p型にする場合のドーパントガスとしてのCPMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)等の必要なガスを供給して、700℃〜1200℃程度の範囲で順次成長させることにより、所望の組成で、所望の導電型の半導体層を、必要な厚さに形成することができる。
本発明の窒化物半導体発光素子の断面構造の一例を示す図である。 図1の窒化物半導体発光素子の一製造工程を示す図である。 図1の窒化物半導体発光素子の一製造工程を示す図である。 図1の窒化物半導体発光素子の一製造工程を示す図である。 図1の窒化物半導体発光素子の一製造工程を示す図である。 図1の窒化物半導体発光素子の一製造工程を示す図である。 図1の窒化物半導体発光素子の一製造工程を示す図である。 図1の窒化物半導体発光素子の一製造工程を示す図である。 図1の窒化物半導体発光素子の最終製造工程を示す図である。 一般的な、リッジ導波型窒化物半導体レーザ素子の概略構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 GaN基板
2 n型GaNコンタクト層
3 MQW活性層
4 p型AlGaNクラッド層
5 p型GaNコンタクト層
6 絶縁膜
7 p電極
8 n電極
9 支柱
10 支柱
11 支持基板

Claims (5)

  1. n型窒化物半導体層、活性層、リッジ部を有するp型GaN系半導体層とを順に備えた窒化物半導体発光素子であって、
    前記リッジ部よりも高く形成されたGaN系半導体からなる支柱が、少なくとも前記リッジ部の両側に形成されていることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記支柱は前記p型GaN系半導体層上に形成され、前記支柱及びリッジ部表面にはp電極が形成されていることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記支柱はすべて同じ高さに形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記支柱はp電極側からn型GaN系半導体とp型GaN系半導体とが順に接合したnp接合界面を少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. n型窒化物半導体層、活性層、リッジ部を有するp型GaN系半導体層とを順に備えた窒化物半導体発光素子の製造方法であって、
    前記リッジ部が前記p型GaN系半導体層のエッチングにより形成される第1工程と、
    前記第1工程後に、前記リッジ部よりも高く形成されたGaN系半導体からなる支柱が、選択成長により前記p型GaN系半導体層上に結晶成長される第2工程とを備えたことを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2013005759A1 (ja) * 2011-07-05 2015-02-23 日亜化学工業株式会社 半導体レーザ素子

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