JP2009116947A - 光情報記録媒体 - Google Patents
光情報記録媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009116947A JP2009116947A JP2007288552A JP2007288552A JP2009116947A JP 2009116947 A JP2009116947 A JP 2009116947A JP 2007288552 A JP2007288552 A JP 2007288552A JP 2007288552 A JP2007288552 A JP 2007288552A JP 2009116947 A JP2009116947 A JP 2009116947A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- information recording
- dvd
- optical information
- recording medium
- area
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
- Optical Recording Or Reproduction (AREA)
Abstract
【課題】CSS方式の著作権保護技術を採用したDVD−Video形式で記録された情報を、既存の情報記録及び/又は再生装置で再生可能な、追記型又は書き換え型の光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】案内溝が形成された基板上に記録層を有し、前記記録層にレーザ光が照射されることにより情報が再生及び/又は記録される光情報記録媒体であって、既記録部分を再生する際の、プッシュプル信号振幅が所定の値未満である第1の領域と、前記プッシュプル信号振幅が前記所定の値以上である第2の領域と、を有することを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】案内溝が形成された基板上に記録層を有し、前記記録層にレーザ光が照射されることにより情報が再生及び/又は記録される光情報記録媒体であって、既記録部分を再生する際の、プッシュプル信号振幅が所定の値未満である第1の領域と、前記プッシュプル信号振幅が前記所定の値以上である第2の領域と、を有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、レーザ光で再生及び/又は記録可能な光情報記録媒体に関する。
情報を記録する、色素や無機材料を用いた記録層に、レーザ光を照射してピットやマークを形成し、その有無による光学特性差を利用して記録及び/又は再生する追記型(Write once型)光情報記録媒体の最近の動向として、波長405nmの青紫色レーザを用いて記録及び/又は再生する片面1層で容量15GB、片面2層で容量30GBのHD DVD−Rや片面1層で容量25GB、片面2層で容量50GBのBD(Blu−ray Disc)−RというDVDよりも大容量の光情報記録媒体が市場に登場した。
一方、非晶質相と結晶相の可逆的相変化による光学特性の違いを利用した書き換え型(Rewritable型)光情報記録媒体においても、片面1層で容量25GB、片面2層で容量50GBのBD(Blu−ray Disc)−REが市場に登場した。地上波放送のディジタル方式への全面切り替えが進む中、高画質のコンテンツを記録するためにDVDよりも大容量の光情報記録媒体が今後要求される。しかし、波長405nmの青紫色レーザを用いて記録及び/又は再生するブルー世代のメディア、システム(レコーダ、PC用ドライブ)の本格的な普及には、まだ時間がかかると予想され、DVD、特にDVD±Rなどの追記型の光情報記録媒体をはじめ、DVD±RWなどの書き換え型の光情報記録媒体は今後も使用され、すぐにBD(Blu−ray Disc)などの大容量光情報記録媒体に置き換わることはないと考えられる。
ところで、記録型DVDは、VideoコンテンツであればCPRM、VCPS方式という著作権保護技術により、一回のみのコピーが認められるが、その媒体を用いて異なる媒体にはコピーできないようになっている。また、映画コンテンツの記録に対応したDVD−Video形式では、カジュアルコピーを防止するために、CSS方式と呼ばれる著作権保護技術が採用されている。CSS方式では、コンテンツをタイトル鍵で暗号化し、そのタイトル鍵はディスク鍵で暗号化され、ディスク鍵は、機器が内部に秘密に持つマスタ鍵により暗号化され記録される。また、各マスタ鍵で暗号化された暗号化ディスク鍵セットは、ユーザがアクセスをすることのできない光情報記録媒体内周部にあるリードイン領域に厳重に管理される。
従って、ユーザが、例えばDVD±Rなどの追記型の光情報記録媒体やDVD±RWなどの書き換え型の光情報記録媒体にCSS方式で暗号化されたコンテンツをコピーしようとしても、リードイン領域に記録されている暗号化されたディスク鍵セットはコピーされず、コンテンツの暗号を解読することができないため、映像としてみることはできない。
また、何らかの方法により、リードイン領域に記録されている暗号化されたディスク鍵セットがコピーされたとしても、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、DVDドライブなどの既存の情報記録及び/又は再生装置では、通常、光情報記録媒体の挿入時に実行される、光情報記録媒体の種類を判別する判別手段を有しており、そもそもDVD±Rなどの追記型の光情報記録媒体や、DVD±RWなどの書き換え型の光情報記録媒体は、前記判別手段により「DVD−ROM」と認識されないため、コンテンツの暗号を解読するステップに至らず、コンテンツを映像として見ることはできない。
昨今、インターネットの普及と通信速度の高速化が進み、ディジタル音声やディジタル映像などのコンテンツ配信サービスも提案されており、ディジタル音声やディジタル映像などのコンテンツをダウンロードし、記録型媒体に記録することも可能である(例えば、特許文献1、2参照)。
また、映像コンテンツをダウンロードし、ダウンロードした映像コンテンツを、CSS方式を採用したDVD−Videoフォーマットで、例えばDVD±Rなどの追記型の光情報記録媒体やDVD±RWなどの書き換え型の光情報記録媒体に記録する事業が検討されている。この場合、映像コンテンツのダウンロードは無料ではなく、課金することで映像コンテンツを購入し、専用の記録装置で光情報記録媒体に記録するが、事業を普及させる観点からは、映像コンテンツが記録された光情報記録媒体は専用の装置で再生するのではなく、既に広く普及しているDVDプレーヤ、DVDレコーダ、DVDドライブなどの既存の情報記録及び/又は再生装置で再生できることが望ましい。
特開2002−073047号公報
特開2002−123700号公報
しかしながら、前述のように、CSS方式を採用したDVD−Video形式で、例えばDVD±Rなどの追記型の光情報記録媒体やDVD±RWなどの書き換え型の光情報記録媒体に記録された情報は、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、DVDドライブなどの既存の情報記録及び/又は再生装置では、「DVD−ROM」と認識されないため、暗号解読ができず、再生することができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、CSS方式の著作権保護技術を採用したDVD−Video形式で記録された情報を、既存の情報記録及び/又は再生装置で再生可能な、追記型又は書き換え型の光情報記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明は、案内溝が形成された基板上に記録層を有し、前記記録層にレーザ光が照射されることにより情報が再生及び/又は記録される光情報記録媒体であって、既に記録されている部分を再生する際の、プッシュプル信号振幅が所定の値未満である第1の領域と、前記プッシュプル信号振幅が前記所定の値以上である第2の領域と、を有することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に係る光情報記録媒体において、前記所定の値は、0.25であることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明に係る光情報記録媒体において、前記第1の領域の前記プッシュプル信号振幅は、0.10以上であることを特徴とする。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか一に記載の発明に係る光情報記録媒体において、前記第1の領域にある前記案内溝の深さは、前記第2の領域にある前記案内溝の深さよりも浅いことを特徴とする。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか一に記載の発明に係る光情報記録媒体において、前記第1の領域にある前記案内溝は蛇行してなく、前記第2の領域にある前記案内溝は蛇行していることを特徴とする。
第6の発明は、案内溝が形成された基板上に記録層を有し、前記記録層にレーザ光が照射されることにより情報が再生及び/又は記録される光情報記録媒体であって、前記案内溝が蛇行していない第1の領域と、前記案内溝が蛇行している第2の領域と、を有することを特徴とする。
第7の発明は、第1乃至第6の何れか一に記載の発明に係る光情報記録媒体において、前記第1の領域は、半径24mmから半径35mmまでの範囲を含む領域であることを特徴とする。
第8の発明は、第1乃至第7の何れか一に記載の発明に係る光情報記録媒体において、前記光情報記録媒体は、ユーザデータが記録されるユーザデータ領域を有し、前記ユーザデータ領域の開始半径位置である24mmから半径位置35mmまでの領域に前記ユーザデータが記録された場合は、更に半径位置35mmから、半径位置45mm以上最大58mmまでの領域にダミーデータが記録されることを特徴とする。
第9の発明は、第1乃至第8の何れか一に記載の発明に係る光情報記録媒体において、記録後の反射率が18%以上70%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、CSS方式の著作権保護技術を採用したDVD−Video形式で記録された情報を、既存の情報記録及び/又は再生装置で再生可能な、追記型又は書き換え型の光情報記録媒体を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
記録型DVD媒体には、追記型(Write once型)としては、DVD−R、DVD+Rがあり、更に、DVD−R、DVD+Rには1層(SL)の媒体と片面2層(DL)の媒体があり、共に市場に導入されている。一方、書き換え型(Rewritable型)としては、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMがあり、いずれも1層(SL)の媒体のみが市場に導入されており、片面2層(DL)の媒体は、開発はされているが市場には導入されていない。
DVD−R/−RW及びDVD+R/+RWは、DVD−ROMと物理フォーマットがほぼ同じであるため、DVD−ROMとの互換性が良い。従って、本発明に係るDVDプレーヤ、DVDレコーダ、DVDドライブなどの既存の情報記録及び/又は再生装置で再生可能な、追記型又は書き換え型の光情報記録媒体は、DVD−R/+R及びDVD−RW/+RWの規格に近いものが、互換性の点で望ましい。又、DVD+R/+RW規格では、データの基本ブロックであるECCブロックは繋ぎ目がない構造になっており、記録ピットあるいは記録マークが連続的に記録されるため、よりDVD−ROMとの互換性は良い。
DVD−ROM規格では、半径24mmの位置から半径58mmの位置までがユーザデータ領域である。記録に必要な最小限の領域は半径35mmの位置までであり、半径24mmの位置から半径35mmの位置までは必ずデータが記録されていなければならない。また、ユーザデータ領域の外側にリードアウト領域が幅0.5mm以上設けられる。また、ユーザデータ領域の内側である半径22.6mmの位置から半径24mmの位置までにリードイン領域と呼ばれる領域があり、再生装置に必要なディスクの互換性や、再生条件などの情報(ディスク製造メーカやコピー関連用の情報もある)が入っている。
これらの情報はコントロールデータとして、ユーザデータ領域が開始される半径24mmの位置の内側に17.5トラックから約105トラックにわたって書かれる。その中に、物理フォーマット情報として、規格書のどのタイプのどのバージョンのディスクか、ディスクのサイズ、ポータブルプレーヤを意図した最大転送レート情報、層数、トラックパス方向、全面ROMかパーシャルROMか、記録線密度、トラック密度、スタートセクタナンバーとエンドセクタナンバーなどの情報が書けるようになっている。コントロールデータの更に内側約16トラックから2ブロックにわたって、イコライザのキャリブレーション用のリファレンスコードが記録されており、その更に内側の半径22.6mmの位置までは、全て'0'のデータが記録される。
記録型DVD規格であるDVD−R/−RW及びDVD+R/+RWには、Physical Information areaと呼ばれる領域がある。この領域は、DVD−ROMのコントロールデータと同様の情報が記録されており、規格も同一である。また、それより内側に、記録型媒体特有の記録レーザパワーの校正領域(PCA:Power Calibration Area)や記録装置にとって必要な記録管理情報(記録ストラテジー、最適記録パワー、消去パワーなど)が記録される領域がある。その更に内側の半径22mmの位置までは、全て'0'のデータが記録される。
このように、DVD−R/−RW及びDVD+R/+RWは、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、DVDドライブなどの既存の情報記録及び/又は再生装置で再生する際に問題がないように、DVD−ROMとの互換性が考慮された構造になっている。
DVDプレーヤ、DVDレコーダ、DVDドライブなどの既存の情報記録及び/又は再生装置は、前述のように光情報記録媒体が挿入された際に、挿入され光情報記録媒体の種類(再生専用(ROM)タイプか、記録型(±R、±RW)タイプか等)を判別する光情報記録媒体判別手段を有する。
リードイン領域にあるコントロールデータに、媒体のタイプがROM、Recordable、Rewritableのいずれかであることが情報として入っているが、この情報のみで光情報記録媒体のタイプを判別する可能性は低い。なぜなら、この情報を正確に読み出すためには、フォーカスサーボ、トラッキングサーボなどを正しく動作させなくてならないが、そのためには、サーボエラー信号生成などの都合上、サーボを動作させる前にあらかじめ光情報記録媒体の種類を知る必要があるからである。サーボを動作させる前にあらかじめ光情報記録媒体の種類を知るための、光情報記録媒体判別手段は、具体的には以下のように実現されている。
DVD−R/−RW及びDVD+R/+RWの記録型光情報記録媒体には、物理的な特徴である案内溝が存在し、その案内溝は一定周波数のwobbleと呼ばれる蛇行した形状をとる。周知のように、DVD−R/−RW及びDVD+R/+RWの記録型光情報記録媒体に、上記案内溝があることにより、情報記録及び/又は再生装置が、フォーカスサーボのみを実行した場合に、十分な大きさの振幅を有するプッシュプル信号が得られる。図1は、プッシュプル信号について説明するための図である。図1において、1はレーザ光、2はPD(フォトダイオード)、3は差信号、4は和信号を示している。
情報記録及び/又は再生装置の構成要素である光学ヘッドには、図1(a)に示すように、レーザ光1を電気信号に変換する、例えばa、b、c、dの4つの領域に分割された構造のPD(フォトダイオード)2が搭載されている。a、b、c、dの4つの領域に集光されたレーザ光1は、それぞれ、電気信号Va、Vb、Vc、Vdに変換され、RF信号処理IC等により、図1(b)に示すような差信号3及び和信号4が生成される。ここで、差信号3がプッシュプル信号であり、Vppをプッシュプル信号振幅という。なお、図1(b)において、縦軸は電圧、横軸は時間である。
本明細書、特許請求の範囲、図面でいうプッシュプル信号振幅は、全て、図1(b)に示すVppを意味する。すなわち、差信号3の振幅(a.c.成分)が、和信号4のd.c.成分で規格化されたものである。プッシュプル信号振幅の定義及び規格値は、DVD−R/−RW及びDVD+R/+RWなどの光情報記録媒体の各規格書で規定されている。
一方、再生専用の光情報記録媒体であるDVD−ROMは、係る案内溝を有していない(当然、一定周波数のwobbleも存在しない)ため、フォーカスサーボのみを実行した場合にも、十分な大きさのプッシュプル信号振幅は得られない。この性質を利用し、情報記録及び/又は再生装置に光情報記録媒体が挿入された際に、フォーカスサーボのみを実行し、検出されるプッシュプル信号振幅の大小を所定の基準値と比較することで、前述の光情報記録媒体判別手段を実現できる。
又、DVD−R/−RW及びDVD+R/+RWの光情報記録媒体では、フォーカスサーボとトラッキングサーボを実行すると、高周波数の正弦波状のwobble信号が検出される。一方、DVD−ROMは、案内溝を有さずwobbleも存在しないため、フォーカスサーボとトラッキングサーボを実行してもwobble信号が検出されない。この性質を利用し、情報記録及び/又は再生装置に光情報記録媒体が挿入された際に、フォーカスサーボとトラッキングサーボを実行し、高周波数の正弦波状のwobble信号が検出されるか否かで、挿入された光情報記録媒体の種類を判別することもできる。市販の情報記録及び/又は再生装置においては、プッシュプル信号振幅の検出による情報記録媒体判別手段と、wobble信号の検出による情報記録媒体判別手段とを併用しており、何れかの情報記録媒体判別手段において'所定の条件'が満たされれば、「DVD−ROM」と判断される場合が多い。
本発明に係る光情報記録媒体は、CSS方式で暗号化された映像コンテンツがダウンロードされ、記録された後(リードインに記録される暗号化されたディスク鍵セットも含めて適法に記録された後)、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、DVDドライブなどの既存の情報記録及び/又は再生装置に挿入された際に、係る装置が有する光情報記録媒体の種類を判別する判別手段において、「DVD−ROM」と認識されることを特徴としている。
すなわち、記録型の光情報記録媒体であっても、プッシュプル信号振幅やwobble信号の有無が、'所定の条件'を満たせば、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、DVDドライブなどの既存の情報記録及び/又は再生装置が有する前述の光情報記録媒体判別手段で、「DVD−ROM」と認識され、DVD−ROMを再生するための動作が実行される。従って、DVD−Videoフォーマットで規定されているCSS方式の著作権保護技術を用いて映像コンテンツが記録された記録可能な光情報記録媒体であっても、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、DVDドライブなどの既存の情報記録及び/又は再生装置で通常のDVD−ROMを再生した場合と同様に、コンテンツの暗号を解読することができ、映像を見ることができる。
本発明に係る光情報記録媒体においては、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、DVDドライブなどの既存の情報記録及び/又は再生装置に挿入された際に、判別手段に「DVD−ROM」と認識させるために、以下に述べるような方法で、光情報記録媒体に用いられる基板の条件を、既存のDVD−R/−RW及びDVD+R/+RWと異なる'所定の条件'にすることで、プッシュプル信号振幅やwobble信号の有無に関する特性を、DVD−ROMに近いものにする。
記録可能な光情報記録媒体であっても、既存の情報記録及び/又は再生装置で「DVD−ROM」と認識されるための、プッシュプル信号振幅やwobble信号の有無に関する'所定の条件'を実現する方法について述べる。
DVD+Rの場合、一層型(SL)の案内溝の深さは120nm〜170nm、案内溝幅は0.23μmから0.27μm、wobble振幅は24nm〜36nm、wobbleの周波数は810KHzである。一方、DVD+RWの場合、一層型(SL)の案内溝の深さは15nm〜35nm、案内溝幅は0.23μmから0.27μm、wobble振幅は24nm〜36nm、wobbleの周波数は810KHzである。更に、DVD+Rの二層型(DL)の場合は、入射光側の記録層(以下、L0層と言う)に用いる基板の案内溝深さは150nm〜180nm、案内溝幅は0.23μmから0.27μm、奥側の記録層(以下、L1層と言う)の基板の案内溝深さは33nmから40nm、案内溝幅は0.23μmから0.27μmである。これらの条件は、従来のDVD+R/+RWの条件である。
これら条件で作製した光情報記録媒体の案内溝特性であるプッシュプル信号振幅の規格書による規格値は、記録前はDVD+Rの一層型(SL)では0.28以上0.60以下、DVD+Rの二層型(DL)ではL0層で0.28以上0.60以下、L1層で0.30以上0.60以下である。DVD+RWの場合、記録前で0.28以上0.56以下である。一方、記録後のプッシュプル信号振幅は、DVD+Rでは0.30以上0.80以下、DVD+RWでは0.25以上0.56以下である。
このプッシュプル信号振幅を上記、規格値の下限(0.25)より小さくすれば、光情報記録媒体の判別手段において、「DVD−ROM」と認識させることができる。具体的に、プッシュプル信号振幅を、規格値の下限(0.25)より小さくする方法を以下に説明する。記録した後のプッシュプル信号振幅が現行規格(0.25)より小さいことが重要で、記録前は規格内であることが最も好ましい。フォーカスサーボ、トラッキングサーボが情報記録及び/又は再生装置で問題なく実行できることが望ましいからである。しかし、記録装置は確実にトラッキングできる専用装置を用いることもできるので、記録前のプッシュプル信号振幅が規格値より小さくても構わない。
書き換え型の光情報記録媒体の場合、プッシュプル信号振幅を小さくするためには、案内溝深さをより浅くするか、案内溝幅をより広くすることが必要である。例えば、案内溝深さが27nmで記録前のプッシュプル信号振幅が0.31とした場合、案内溝深さを20nmまで浅くすると記録前のプッシュプル信号振幅は0.19になる。記録した後のプッシュプル信号振幅はほとんど同じか、それより10%程度下がる。一方、案内溝幅を広くする場合もプッシュプル信号振幅は小さくなる傾向にあるが案内溝深さを変えるよりは変化が小さい。よりプッシュプル信号振幅を小さくするためには、案内溝深さを浅くし、更に案内溝幅を広げることが好ましい。
追記型の光情報記録媒体の場合も同様に案内溝深さを浅くすることにより、プッシュプル信号振幅を小さくすることが可能である。しかし、案内溝深さを浅くすることにより記録前、すなわちピット形成前のプッシュプル信号振幅は確実に下がるが、ピット形成後はプッシュプル信号振幅が大きくなる場合がある。従って、記録後のプッシュプル信号振幅を十分低くするためには、記録前のプッシュプル信号振幅は更に小さくしておく必要がある。ただし、プッシュプル信号は、トラッキングサーボ等に使用する信号なので、プッシュプル信号振幅が小さすぎるとトラッキングサーボ等が正常に動作しないおそれがある。そのような状況を回避するためには、プッシュプル信号振幅が0.10以上であることが必要である。
wobble信号が検出されるか否で、光情報記録媒体判別手段を実現している情報記録及び/又は再生装置に対応するためには、記録型の光情報記録媒体に存在するwobble信号を検出しないように、wobbleを案内溝に形成しない、いわゆるストレート溝(蛇行していない案内溝)にする方法が考えられる。前述の所定の領域において、基板に形成される案内溝をストレート溝とすることで、光情報記録媒体判別手段に「DVD−ROM」と判別させることができる。この場合、プッシュプル信号振幅が規格値内の値となるように案内溝は深くしておいてもよい。
次に、図2を参照しながら'所定の条件'とすべき領域について説明する。図2は、本発明に係る光情報記録媒体及び既存のDVD−ROMの構造を示す図であり、本発明に係る光情報記録媒体及び既存のDVD−ROMのディスク中の一部分を抜き出して、ユーザデータ領域等が、どの半径位置に対応しているのかを示す図である。図2において、10は本発明に係る光情報記録媒体、11は本発明に係る光情報記録媒体のコントロールトラック領域、12は本発明に係る光情報記録媒体のユーザデータ領域、13は本発明に係る光情報記録媒体の必ず'所定の条件'とすべき領域、14は、本発明に係る光情報記録媒体の'所定の条件'とするのが好ましい領域、20は既存のDVD−ROM、21は既存のDVD−ROMのコントロールトラック領域、22は既存のDVD−ROMのユーザデータ領域、23は既存のDVD−ROMの必ずデータが記録されている領域である。
本発明に係る光情報記録媒体10においては、DVD−R/−RW及びDVD+R/+RWと同様に、半径22mmの位置がリードイン領域の開始する半径位置になる。一方、既存のDVD−ROM20では、半径22.6mmの位置がリードイン領域の開始する半径位置になる。本発明に係る光情報記録媒体10においては、DVD−R/−RW及びDVD+R/+RWと同様に、内周の半径22mmの位置から、記録マークあるいはピットを所定の位置に記録するために、案内溝が形成されている。更に、情報の記録及び/又は再生に必要なアドレス番号(物理セクター番号)を案内溝に設定するために、案内溝を一定周波数の蛇行溝(wobbleを案内溝に形成する)とした上で、更に位相反転させた部分を設け、この反転部の数の組み合わせで番号を設定する。これをADIP(address in pregroove)と呼ぶ。ADIP領域以外は、一定周波数の蛇行溝になっている。
既存のDVD−ROM20の場合は、ピットが既に形成されているので案内溝という構造はもたない。トラッキングはこのピット列を用いて行う。記録型の光情報記録媒体と再生専用型の光情報記録媒体との明らかな違いである。本発明に係る光情報記録媒体10においては、DVD−R/−RW及びDVD+R/+RWと同様に、リードイン開始領域のADIPには記録に必要な記録パワー、レーザ光の発光パターン(記録ストラテジー)の条件、ドライブ(情報記録及び/又は再生装置)が最適記録条件を求めるために必要な条件、媒体のタイプ、記録線速度などの条件が、信頼性を高めるために、繰り返し入れられている。
前記条件が繰り返し入れられているのは、半径22mmの位置から半径23.186mmの位置までの領域である。この領域には、前述のような非常に重要な情報が入っていることから、この領域の案内溝及びADIP、単調蛇行溝(wobble)は、安定して再生できるような条件になっていることが必要である。従って、この領域は、従来と同じ条件にするべきであり、'所定の条件'にすることは好ましくない。
基板の全領域について、既存のDVD−R/−RW及びDVD+R/+RWと異なる'所定の条件'にする必要はない。なぜなら、既存の情報記録及び/又は再生装置において、判別手段が光情報記録媒体の種類の判別を実行する領域は、所定の領域に限定されているからである。本発明に係る光情報記録媒体10においては、判別手段に「DVD−ROM」と判別させればよいので、前記所定の領域についてのみ'所定の条件'にすればよい。
既存の情報記録及び/又は再生装置において、判別手段が光情報記録媒体の種類の判別を実行する所定の領域は、既存のDVD−ROM20におけるユーザデータ領域の中で必ずデータが記録されている領域である半径24mmの位置から半径35mmの位置までの領域である。データが記録されていない領域で判別すると誤判別のおそれがあるからである。従って、半径24mmの位置から半径35mmの位置までの領域(図2における13)において、基板条件を'所定の条件'にすればよい。
なお、基板の全領域について、'所定の条件'としても、本発明の目的は達成できるが、サーボの安定性などの観点からすると、既存の情報記録及び/又は再生装置において、判別手段が光情報記録媒体の種類の判別を実行する領域(図2における13)でのみ、基板条件を、既存のDVD−R/−RW及びDVD+R/+RWとは異なりDVD−ROMに近い'所定の条件'にし、他の領域は、既存のDVD−R/−RW及びDVD+R/+RWと同一の基板条件としておく方が望ましい。ただし、既存の情報記録及び/又は再生装置において、サーボ制御のばらつきなどにより、本来判別手段が光情報記録媒体の種類の判別を実行すべき領域を超えて、判別が実行される可能性もあるため、最低限、半径24mmの位置から半径35mmの位置までの領域(図2における13)を含み、それよりも更に広い領域において、基板条件を'所定の条件'にしておく方がより望ましい。
又、光情報記録媒体における、ユーザデータ領域の開始半径位置である24mmから半径位置35mmまでの領域にユーザデータが記録された場合には、更に半径位置35mmから、半径位置45mm以上最大58mmまでの領域(基板条件を'所定の条件'とした領域)にダミーデータを記録しておくことが望ましい。基板条件を'所定の条件'とした領域全体を、記録後の状態とするためである。なお、データの内容は問題とならないため、記録するのはどのようなデータであっても構わない。
前述のように、半径22mmの位置から半径23.186mmの位置までの領域には、非常に重要な情報が入っていることから、この領域は、従来と同じ条件にするべきであり、'所定の条件'にすることは好ましくない。この点を考慮すれば、所定の領域は、最低限半径24mmの位置から半径35mmの位置までの領域(図2における13)を含む必要があるが、余裕を考慮して、例えば、前記領域をカバーする、半径23.186mmの位置から半径45mmの位置までの領域(図2における14)とすることができる。
〈実施例1〉
厚さが0.6mmのポリカーボネート製のプラスチック基板を用い、半径22.0mmの位置から半径23.186mmの位置までの領域、及び、半径45mmの位置から半径58.5mmの位置までの領域の案内溝深さを27nmとし、かつ一定周波数810KHzのwobble案内溝を形成した基板を作製した。このwobble溝には、更に正弦波状に変化している領域の位相を反転させ、この反転領域の組み合わせで、アドレス情報、媒体情報(製造メーカー、製造メーカーのコード番号)、記録及び/又は再生条件に関する情報などを繰り返し入れた。
厚さが0.6mmのポリカーボネート製のプラスチック基板を用い、半径22.0mmの位置から半径23.186mmの位置までの領域、及び、半径45mmの位置から半径58.5mmの位置までの領域の案内溝深さを27nmとし、かつ一定周波数810KHzのwobble案内溝を形成した基板を作製した。このwobble溝には、更に正弦波状に変化している領域の位相を反転させ、この反転領域の組み合わせで、アドレス情報、媒体情報(製造メーカー、製造メーカーのコード番号)、記録及び/又は再生条件に関する情報などを繰り返し入れた。
ここで23.186mmは、特定半径位置を指し、特定の物理セクター番号のある半径位置を指している。半径23.186mmの位置から半径45mmの位置までの領域を特定半径領域と呼ぶ(図2における、本発明に係る光情報記録媒体10の'所定の条件'とするのが好ましい領域14に相当する)。特定半径領域の案内溝深さは、特定半径領域を除く領域の案内溝深さ27nmよりも浅い17nmとした。特定半径領域のプッシュプル信号振幅を、特定半径領域を除く領域のプッシュプル信号振幅よりも小さくするためである。なお、トラックピッチは、0.74μmである。
この基板を用いて相変化記録層を有する書き換え型の光情報記録媒体を作製した。スパッタリング装置により、下部保護層としてZnSSiO2、膜厚58nm、界面層としてSiO2、膜厚2nm、相変化記録層としてGaSbSnGe、膜厚15nm、上部保護層としてZnSSiO2、膜厚7nm、上部第2保護層としてTiCO、膜厚6nm、反射層としてAg、200nmを順に積層した。これら各層は所定の組成に調整したスパッタリング装置用ターゲットを用いて成膜し、組成比は順にZnS:SiO2=80:20(mol%)、SiO2、Ga:Sb:Sn:Ge=5:70:17:8(wt%)、ZnS:SiO2=80:20(mol%)、TiO2:TiC=30:70(wt%)、Agである。
次に、厚さ6μmの紫外線硬化型樹脂を介して、別のポリカーボネート基板と貼り合わせた。作製した光情報記録媒体の記録層を結晶化させるために初期化装置と呼ばれる装置を用いて結晶化を行った。ここで、波長650nm,開口率(NA)0.65のピックアップヘッドを搭載した情報記録及び/又は再生装置を用いて、半径22.5mmの位置の反射率を測定したところ23.7%であった。次に、浅い案内溝になっている特定半径領域に含まれる半径30mmの位置の反射率を測定したところ25%であった。いずれもDVD−ROMの片面2層記録媒体の反射率規格18%を満足していた。また、半径22.5mmの位置(特定半径領域外)のプッシュプル信号振幅は0.32、浅い案内溝になっている特定半径領域に含まれる半径30mmの位置のプッシュプル信号振幅は0.22であった。
この光情報記録媒体に、専用記録装置を用いて、CSSコンテンツを記録する。専用記録装置は、半径22mm以降のwobble部に記録されている記録及び/又は再生条件、媒体情報を読み取り、更に特定半径領域より外側のwobble部に記録されているCSSメディアKey Blockを読み取り、コントロールデータ部の案内溝に記録する。記録される領域は、特定半径領域よりも内周側であり、その部分の案内溝は深く、十分なプッシュプル信号振幅が得られるので、安定して再生することが可能である。また、ここでトラッキングが安定にかかれば、途中から案内溝が浅くなり、プッシュプル信号振幅が小さくなっても、スパイラル状の案内溝に沿ってトラックを送ることは可能である。
記録は、(8−16)変調を使用し、内周(24mm〜35mm)を3.24倍速(11.3m/s)、中周(35mm〜47mm)を6倍速(20.9m/s)、外周(47mm〜58mm)を8倍速で記録した。各線速での最適記録パワー/最適消去パワーは30mW/6.5mW(3.24倍速)、34mW/7.4mW(6倍速)、35mW/7.6mW(8倍速)である。半径22.5mm(特定半径領域外)、及び、コンテンツが記録された領域である半径30mm(特定半径領域)のプッシュプル信号振幅は、それぞれ0.31、及び0.20であった。すなわち、特定半径領域以外の領域のプッシュプル信号振幅は0.25以上、記録後の特定半径領域のプッシュプル信号振幅は0.25未満であり、所望の光情報記録媒体が実現できた。
市販されているDVD−ROM player(A−F)及びパソコン用DVD drive(G−K)で再生状況を確認した。なお、この光情報記録媒体のコントロールデータ部に記録される、媒体の種類を示すビットセッティングはDVD−ROMとしてある。表1は、市販されているDVD−ROM player(A−F)及びパソコン用DVD drive(G−K)で再生状況を確認した結果を示す表である。表1において、○の部分は問題なく再生できたことを示しており、△の部分は再生前にトレーに媒体をセットした段階で認識されなかった場合を示している。表1に示すように、DVD−ROM playerの約80%、パソコン用DVD driveの60%については、問題なく再生することができ、多くの場合に、既存の情報記録及び/又は再生装置で再生できることが確認された。
〈実施例2〉
厚さが0.6mmのポリカーボネート製のプラスチック基板を用い、半径位置が、22.0mm〜23.186mm(特定半径位置)までの案内溝深さを155nmとし、特定半径位置から半径位置45mmまでの特定半径領域の案内溝深さを105nmとし、特定半径領域より更に外側の58.5mmまでの案内溝深さを155nmとした基板を作製した。また、一定周波数810KHzのwobble案内溝を形成した。案内溝幅は、0.25μmとした。トラックピッチは、0.74μmである。
厚さが0.6mmのポリカーボネート製のプラスチック基板を用い、半径位置が、22.0mm〜23.186mm(特定半径位置)までの案内溝深さを155nmとし、特定半径位置から半径位置45mmまでの特定半径領域の案内溝深さを105nmとし、特定半径領域より更に外側の58.5mmまでの案内溝深さを155nmとした基板を作製した。また、一定周波数810KHzのwobble案内溝を形成した。案内溝幅は、0.25μmとした。トラックピッチは、0.74μmである。
この基板上に、化1に示す構造式で表されるスクアリリウム色素と山田化学社製色素FY43(混合比7:3)の1.0重量%のオクタフルオロペンタノール溶液を、案内溝深さ151nm、案内溝幅0.298μm、トラックピッチ0.74μmの螺旋状案内溝を有するポリカーボネート基板にスピンコートし、100℃のオーブンで15分乾燥させることにより、記録層を形成した。この上に、スパッタリングにより厚さ120nmのAg層を形成して反射層とし、更に紫外線硬化樹脂を6μmの厚さにスピンコートして保護層とした。保護層の上にカチオン系遅延硬化樹脂を300メッシュのスクリーン印刷法で塗布し、同様にして作製したディスクと対向させて貼り合わせ、追記型の光情報記録媒体を作製した。
実施例1で用いたものと同じDVD−ROM player(A−F)及びパソコン用DVD drive(G−K)で再生状況を確認した。なお、この光情報記録媒体のコントロールデータ部に記録される、媒体の種類を示すビットセッティングはDVD−ROMとしてある。表2は、市販されているDVD−ROM player(A−F)及びパソコン用DVD drive(G−K)で再生状況を確認した結果を示す表である。表2において、○の部分は問題なく再生できたことを示しており、△の部分は再生前にトレーに媒体をセットした段階で認識されなかった場合を示している。表2に示すように、DVD−ROM playerの100%、パソコン用DVD driveの60%については、問題なく再生することができ、多くの場合に、既存の情報記録及び/又は再生装置で再生できることが確認された。
〈実施例3〉
厚さが0.6mmのポリカーボネート製のプラスチック基板を用い、案内溝深さを35nm、案内溝幅を0.25μmとし、半径22mm〜特定半径位置23.186mmまでをwobble溝、特定半径位置より外側の45mmまで(特定半径領域)をwobbleなしのストレート溝(案内溝は蛇行してない)とし、更にその外側58.5mmまでをwobble溝とした基板を作製した。トラックピッチは、0.74μmである。
厚さが0.6mmのポリカーボネート製のプラスチック基板を用い、案内溝深さを35nm、案内溝幅を0.25μmとし、半径22mm〜特定半径位置23.186mmまでをwobble溝、特定半径位置より外側の45mmまで(特定半径領域)をwobbleなしのストレート溝(案内溝は蛇行してない)とし、更にその外側58.5mmまでをwobble溝とした基板を作製した。トラックピッチは、0.74μmである。
この上に、Ag―In(0.5wt%)合金、膜厚120nm、In2O3:ZnO:SnO2:Ta2O5=7.5:22.5:60:10(mol%)、膜厚15nm、スクアリリウム色素99重量%、シアニン色素1重量%を混合して、スピンコートし、100℃のオーブンで15分乾燥させることにより、記録層を形成した。更にその上にZnSを12nmの膜厚で作製した。これをL1層と呼ぶ。
次に、厚さが0.6mmのポリカーボネート製のプラスチック基板を用い、案内溝深さを35nm、案内溝幅を0.25μmとし、半径22mm〜特定半径位置23.186mmまでwobble溝、特定半径位置より外側の45mmまでをwobbleなしのストレート溝とした基板を作製した。更にその外側58.5mmまでをwobble溝とし、その上にスクアリリウム77重量%、ホルマザン23重量%(山田化学 RF01)を混合して、スピンコートし、100℃のオーブンで15分乾燥させた。
次にAg−In(0.5重量%)を9nmの膜厚で作製した。これをL0層と呼ぶ。このL0、L1層を日本化薬社製の紫外線硬化型樹脂DVD802をスピンコートして硬化させ、50μmの厚さで貼り合わせた。これで片面2層の追記型の光情報記録媒体が完成した。半径位置30mmでのL0、L1各層の反射率は、21%、18%であった。プッシュプル信号振幅は、それぞれ0.31、0.34であった。この光情報記録媒体を記録線速4倍速(14m/s)で記録した。
実施例1で用いたものと同じDVD−ROM player(A−F)及びパソコン用DVD drive(G−K)で再生状況を確認した。なお、この光情報記録媒体のコントロールデータ部に記録される、媒体の種類を示すビットセッティングはDVD−ROMとしてある。表3は、市販されているDVD−ROM player(A−F)及びパソコン用DVDdrive(G−K)で再生状況を確認した結果を示す表である。表3において、○の部分は問題なく再生できたことを示しており、△の部分は再生前にトレーに媒体をセットした段階で認識されなかった場合を示している。表3に示すように、DVD−ROM playerの100%、パソコン用DVD driveの60%については、問題なく再生することができ、多くの場合に、既存の情報記録及び/又は再生装置で再生できることが確認された。
以上、本発明の好ましい実施の形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施の形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、実施例1〜3において、特定半径領域の記録後のプッシュプル信号振幅を0.25未満とし、更に、特定半径領域において、wobbleなしのストレート溝(案内溝は蛇行してない)を形成するようにしても構わない。
又、実施例2においては、特定半径領域の記録後のプッシュプル信号振幅を0.25未満とすることを、1層の追記型の光情報記録媒体に適用する例について説明したが、片面2層の追記型の光情報記録媒体に適用しても構わない。
又、実施例3においては、特定半径領域においてwobbleのないストレート溝(案内溝は蛇行してない)を、片面2層の追記型の光情報記録媒体に適用する例について説明したが、1層の追記型の光情報記録媒体、書き換え可能型の光情報記録媒体に適用しても構わない。
1 レーザ光
2 PD(フォトダイオード)
3 差信号
4 和信号
10 本発明に係る光情報記録媒体
11 本発明に係る光情報記録媒体のコントロールトラック領域
12 本発明に係る光情報記録媒体のユーザデータ領域
13 本発明に係る光情報記録媒体の必ず'所定の条件'とすべき領域
14 本発明に係る光情報記録媒体の'所定の条件'とするのが好ましい領域
20 既存のDVD−ROM
21 既存のDVD−ROMのコントロールトラック領域
22 既存のDVD−ROMのユーザデータ領域
23 既存のDVD−ROMの必ずデータが記録されている領域
2 PD(フォトダイオード)
3 差信号
4 和信号
10 本発明に係る光情報記録媒体
11 本発明に係る光情報記録媒体のコントロールトラック領域
12 本発明に係る光情報記録媒体のユーザデータ領域
13 本発明に係る光情報記録媒体の必ず'所定の条件'とすべき領域
14 本発明に係る光情報記録媒体の'所定の条件'とするのが好ましい領域
20 既存のDVD−ROM
21 既存のDVD−ROMのコントロールトラック領域
22 既存のDVD−ROMのユーザデータ領域
23 既存のDVD−ROMの必ずデータが記録されている領域
Claims (9)
- 案内溝が形成された基板上に記録層を有し、前記記録層にレーザ光が照射されることにより情報が再生及び/又は記録される光情報記録媒体であって、
既に記録されている部分を再生する際の、プッシュプル信号振幅が所定の値未満である第1の領域と、前記プッシュプル信号振幅が前記所定の値以上である第2の領域と、を有することを特徴とする光情報記録媒体。 - 前記所定の値は、0.25であることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記第1の領域の前記プッシュプル信号振幅は、0.10以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の光情報記録媒体。
- 前記第1の領域にある前記案内溝の深さは、前記第2の領域にある前記案内溝の深さよりも浅いことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の光情報記録媒体。
- 前記第1の領域にある前記案内溝は蛇行してなく、前記第2の領域にある前記案内溝は蛇行していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載の光情報記録媒体。
- 案内溝が形成された基板上に記録層を有し、前記記録層にレーザ光が照射されることにより情報が再生及び/又は記録される光情報記録媒体であって、
前記案内溝が蛇行していない第1の領域と、前記案内溝が蛇行している第2の領域と、を有することを特徴とする光情報記録媒体。 - 前記第1の領域は、半径24mmから半径35mmまでの範囲を含む領域であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記載の光情報記録媒体。
- 前記光情報記録媒体は、ユーザデータが記録されるユーザデータ領域を有し、前記ユーザデータ領域の開始半径位置である24mmから半径位置35mmまでの領域に前記ユーザデータが記録された場合は、更に半径位置35mmから、半径位置45mm以上最大58mmまでの領域にダミーデータが記録されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項記載の光情報記録媒体。
- 記録後の反射率が18%以上70%以下であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項記載の光情報記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007288552A JP2009116947A (ja) | 2007-11-06 | 2007-11-06 | 光情報記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007288552A JP2009116947A (ja) | 2007-11-06 | 2007-11-06 | 光情報記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009116947A true JP2009116947A (ja) | 2009-05-28 |
Family
ID=40783934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007288552A Pending JP2009116947A (ja) | 2007-11-06 | 2007-11-06 | 光情報記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009116947A (ja) |
-
2007
- 2007-11-06 JP JP2007288552A patent/JP2009116947A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI273564B (en) | Recording-medium evaluation method, recording/reproduction apparatus and recording medium | |
US20050141351A1 (en) | Recording type optical disk apparatus and optical disk medium | |
JP2002352469A (ja) | 多層情報記録媒体及び情報記録再生装置 | |
US20070036053A1 (en) | Information recording medium, information recording device, and information recording method | |
US7768900B2 (en) | Information storage medium, information recording method, and information reproducing method | |
JP4169113B2 (ja) | 情報記録媒体、情報記録媒体の記録方法、および情報記録媒体の再生方法 | |
JP4596752B2 (ja) | 記録装置及び記録方法 | |
JP2009116947A (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP3916546B2 (ja) | 再生専用の記録媒体 | |
JPWO2006003978A1 (ja) | 情報記録媒体、情報記録装置、並びにコンピュータプログラム | |
JP2005527928A (ja) | 光データ記憶媒体およびそのような媒体の使用 | |
JP4445552B2 (ja) | 情報記録媒体、情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、並びに、コンピュータプログラム | |
JP2009037705A (ja) | 情報記録媒体及び情報記録再生装置並びに情報記録再生方法 | |
KR100924778B1 (ko) | 광정보 저장 매체 및 정보 재생/기록 장치 | |
JP4043505B2 (ja) | 情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム | |
KR100917890B1 (ko) | 광정보 저장 매체 및 정보 재생/기록 장치 | |
JPWO2005024805A1 (ja) | 情報記録媒体 | |
KR20080002734A (ko) | 광정보 저장 매체 및 정보 재생/기록 방법 | |
JPWO2007094452A1 (ja) | 情報記録媒体、情報記録装置及び方法、記録制御用のコンピュータプログラム | |
JP2012043482A (ja) | 記録装置、記録方法、記録媒体 | |
JP2008016123A (ja) | 情報記録媒体及び情報記録再生システム | |
JP2009129520A (ja) | 光情報記録媒体及び光情報記録媒体への情報記録方法並びに光情報記録装置 | |
WO2008120859A1 (en) | Writable optical information recording medium, apparatus for reproducing the same, and method of determining the same | |
JP2009015911A (ja) | 情報記憶媒体、および情報記録装置 | |
JP2008176831A (ja) | 情報記録媒体及び情報記録方法並びに情報再生方法 |