しかしながら、現行のDVD−RWのコントロールデータゾーン(以下、適宜「CDZ:Control Data Zone」と称す)においては、ディスク情報及びアドレス情報等を読み取ることが可能なリーダブルエンボスピット(Readable emboss Pit、以下、適宜「エンボスピット」と称す)が形成される。このため、ディスク製造メーカーが、(i)このCDZにリーダブルエンボスピットを形成すると共に、(ii)ファイナライズ処理の際の時間短縮のために、例えばリードインエリア、リードアウトエリア、又はミドルエリア等の緩衝用エリアにおいて、プリ記録(プリライト)を行うと、ディスク製造の際の製造工程が増加するために、製造コストが上昇してしまうという技術的な問題点を有している。
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば複数の記録層を有する情報記録媒体に対して、例えばファイナライズ処理の際の記録時間を短縮させることが可能であると共に、より適切且つ迅速に情報の記録又は再生を行うことが可能である情報記録媒体、情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、並びに、コンピュータをこのような情報記録装置、及び情報再生装置として機能させるコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
(情報記録媒体)
以下、本発明の情報記録媒体について説明する。
上記課題を解決するために、本発明の情報記録媒体は、管理情報又は緩衝用データを含む記録データを記録可能な、一又は複数の所定の記録エリア(CDZ、リードイン、ミドル、リードアウト)を有する記録層を備え、前記所定の記録エリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報(EIコード)を含む前記管理情報(エンボス情報)を記録可能な管理エリア(CDZ、RMA)を備える。
本発明の情報記録媒体によれば、記録層は、(i)例えばコントロールデータゾーン等の、管理情報を記録可能な所定の記録エリア(例えば、管理エリア)、或いは、(ii)例えばリードインエリア、ミドルエリア、及びリードアウトエリア等の、ファイナライズ処理の際の緩衝用データを記録可能な所定の記録エリア(例えば、緩衝用エリア)を有する。そして、この所定の記録エリアにおいて、リーダブルエンボスピットを形成することが可能である。加えて、この記録層に備えられた管理エリアにおいては、所定の記録エリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報(EIコード:Embossed Information Code)を含む管理情報を、例えばディスク製造メーカーによって、例えばエンボスピットの形成や、レーザ光のプリ記録によって予め記録可能である。
この結果、後述される情報記録再生装置は、第1識別情報に基づいて、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置等を把握(特定)できるので、このエリアにおいては、ランドプリピットの代わりに、リーダブルエンボスピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。概ね同様にして、リーダブルエンボスピットが形成されていないエリアにおいては、リーダブルエンボスピットの代わりに、通常の通り、ランドプリピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。
更にこの結果、例えば情報記録再生装置は、リーダブルエンボスピットが形成されているエリアを検索するためのRFサーチや、LPPサーチを行う必要が殆ど又は完全にないので、それらのサーチに要する時間を、記録再生処理から省略することが可能となる。仮に、例えばDVD−R DL等の情報記録媒体においては、エンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報を含む管理情報は存在しない。よって、従来技術においては、記録クロックの生成処理を切り替える位置を把握(特定)するためには、情報記録再生装置自身が、当該情報記録媒体において、例えばRF信号を取得できるエリアを検索するRFサーチ、及び、例えばLPP信号を取得できるエリアを検索するLPPサーチを行う必要が生じてしまい、それらのサーチにための時間が余分に発生してしまう。これに対して、本発明では、本発明の所定の記録エリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報を含む管理情報が、例えば情報記録再生装置によって取得可能であるので、RFサーチや、LPPサーチを行う必要が殆ど又は完全にないので、それらのサーチに要する時間を、記録再生処理から省略することが可能となる。
更にこの結果、例えば情報記録再生装置は、本発明の第1識別情報に基づいて、ファイナライズ処理の際に、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアを識別しつつ、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。以上の結果、当該情報記録媒体のファイナライズ処理に掛かる時間の大幅な短縮や、より効率的な短縮を実現させることが可能となり、ユーザは、ファイナライズ処理において、より大きな快適性を体感することが可能となる。
本発明の情報記録媒体の一の態様では、前記管理情報(エンボス情報)は、前記所定の記録エリア(リードイン等)においてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報(PRIコード)を含む。
この態様によれば、例えば情報記録再生装置は、第2識別情報に加えて、第1識別情報に基づいて、ファイナライズ処理の際に、リーダブルエンボスピットが形成されたエリア、及び、レーザ光によるプリ記録が行われたエリアを識別しつつ、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。具体的には、第1識別情報に基づいて、ディスク製造メーカーによってエンボスピットが形成され緩衝用データの記録する必要のない領域を把握(特定)することが可能である。加えて、第2識別情報に基づいて、情報記録再生装置によって例えばレーザ光によるプリ記録処理によって緩衝用データが既に記録され、ファイナライズ処理の際に緩衝用データの記録する必要のない領域を把握(特定)することが可能である。以上の結果、当該情報記録媒体のファイナライズ処理に掛かる時間の大幅な短縮や、より効率的な短縮を実現させることが可能となり、ユーザは、ファイナライズ処理において、より大きな快適性を体感することが可能となる。
本発明の情報記録媒体の他の態様では、前記管理情報(エンボス情報)は、前記所定の記録エリア(リードイン等)において(i)エンボスピットが形成されている、又は(ii)レーザ光によるプリ記録が行われているうち、少なくともいずれか一方であるか否かを識別する第3識別情報(PRIコード)を含む。
この態様によれば、例えば情報記録再生装置は、第3識別情報に基づいて、ファイナライズ処理の際に、リーダブルエンボスピットが形成されたエリア、及び、レーザ光によるプリ記録が行われたエリアを識別しつつ、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。具体的には、第3識別情報に基づいて、ディスク製造メーカーによってエンボスピットが形成され緩衝用データの記録する必要のない領域を把握(特定)することが可能である。加えて、第3識別情報に基づいて、情報記録再生装置によって例えばレーザ光によるプリ記録処理によって緩衝用データが既に記録され、ファイナライズ処理の際に緩衝用データの記録する必要のない領域を把握(特定)することが可能である。以上の結果、当該情報記録媒体のファイナライズ処理に掛かる時間の大幅な短縮や、より効率的な短縮を実現させることが可能となり、ユーザは、ファイナライズ処理において、より大きな快適性を体感することが可能となる。
本発明の情報記録媒体の他の態様では、前記管理情報(エンボス情報)は、前記所定の記録エリア(リードイン等)において、(i)エンボスピットが形成されている位置、又は(ii)レーザ光によるプリ記録が行われている位置を特定可能な位置情報を含む。
この態様によれば、例えば情報記録再生装置は、第1識別情報に加えて位置情報に基づいて、例えばファイナライズ処理の際に、緩衝用データを記録する領域を高精度且つ的確に把握(特定)することが可能となる。
本発明の情報記録媒体の他の態様では、前記第1識別情報(EIコード)は、(i)前記所定の記録エリアの少なくとも一部において、エンボスピットが形成されているか否かを識別可能である、又は(ii)前記所定の記録エリアの一部において、エンボスピットが形成されているか、若しくは前記所定の記録エリアの全部において、エンボスピットが形成されているか否かを識別可能である。
この態様によれば、例えば情報記録再生装置は、第1識別情報に加えて位置情報に基づいて、例えばファイナライズ処理の際に、緩衝用データを記録する領域を、所定の記録エリアの一部又は全部である、より明確且つ細分化された記録領域に基づいて、高精度且つ的確に把握(特定)することが可能となる。
本発明の情報記録媒体の他の態様では、少なくとも前記第1識別情報(EIコード)は、所定のビットパターンで、複数の前記所定の記録エリアにおいて、エンボスピットが形成されているか否かを識別可能である。
この態様によれば、例えば後述される情報記録再生装置は、所定のビットパターンに基づいて、より迅速且つ高精度に、複数の所定の記録エリアにおいて、エンボスピットが形成されているか否かを識別することが可能である。
本発明の情報記録媒体の他の態様では、前記管理情報(エンボス情報)は、前記管理エリアにおいて、(i)エンボスピットの形成によって、又は(ii)レーザ光のプリ記録によって、予め記録されている。
この態様によれば、例えばディスク製造メーカーによる管理情報の記録を簡便にすることが可能である。
本発明の情報記録媒体の他の態様では、前記所定の記録エリアは、コントロールデータゾーン、リードインエリア、ミドルエリア、及び、リードアウトエリアのうち少なくとも一のエリアである。
この態様によれば、例えば、情報記録再生装置による、ファイナライズ処理をより簡便にすることが可能である。
本発明の情報記録媒体の他の態様では、前記管理情報(エンボス情報)は、前記所定の記録エリアに隣接する、前記記録情報を読み取ることができないアンリーダブルエンボスピットが形成されている読取不能エリアの記録容量(16ECCブロック)に関する情報を含む。
この態様によれば、例えば情報記録再生装置は、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置と、このエリアに隣接するアンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置とを把握(特定)できる。従って、仮にアンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアにおいて、例えば再生エラーが発生しアドレス情報を取得できなかった場合でも、情報記録再生装置は、このエリアにおいて発生する再生エラーを予見して無視する等のフェイルセーフ処理を含む記録再生動作を実現することが可能となる。
(情報記録装置)
以下、本発明の情報記録装置について説明する。
上記課題を解決するために、本発明の情報記録装置は、上述した本発明の情報記録媒体(但し、その各種態様を含む)に前記記録データを記録する情報記録装置であって、前記管理エリアから前記管理情報を取得する取得手段と、前記記録データを記録する記録手段と、取得された前記管理情報に基づいて、前記記録データを記録するように前記記録手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の情報記録装置によれば、先ず、取得手段によって、例えば第1識別情報や第2識別情報を含む管理情報が取得される。次に、制御手段の制御下で、記録手段は、例えばファイナライズ処理の際の緩衝用データを含む記録データを記録する。
この結果、情報記録装置は、第1識別情報に基づいて、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置等を把握(特定)できるので、このエリアにおいては、ランドプリピットの代わりに、リーダブルエンボスピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。概ね同様にして、リーダブルエンボスピットが形成されていないエリアにおいては、リーダブルエンボスピットの代わりに、通常の通り、ランドプリピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。
更にこの結果、情報記録装置は、リーダブルエンボスピットが形成されているエリアを検索するためのRFサーチや、LPPサーチを行う必要が殆ど又は完全にないので、それらのサーチに要する時間を、記録処理から省略することが可能となる。
更にこの結果、情報記録装置は、例えば第1識別情報や第2識別情報に基づいて、ファイナライズ処理の際に、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアを識別しつつ、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。以上の結果、当該情報記録媒体のファイナライズ処理に掛かる時間の大幅な短縮や、より効率的な短縮を実現させることが可能となり、ユーザは、ファイナライズ処理において、より大きな快適性を体感することが可能となる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体が有する各種態様に対応して、本発明の情報記録装置も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報記録装置の一の態様では、前記記録データの記録に基づいて、前記管理情報を更新する更新手段を更に備える。
この態様によれば、情報記録装置は、記録データが記録された記録領域の最新の状態を反映しつつ、更新された管理情報に基づいて、例えばファイナライズ処理の際に、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。
本発明の情報記録装置の他の態様では、前記制御手段は、ファイナライズ処理の際の緩衝用データを記録するように、前記記録手段を制御する。
この態様によれば、情報記録装置は、管理情報に基づいて、ファイナライズ処理の際に、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。
本発明の情報記録装置の他の態様では、前記制御手段は、プリ記録処理の際の緩衝用データを記録するように、前記記録手段を制御する。
この態様によれば、情報記録装置は、管理情報に基づいて、プリ記録処理の際に、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。
(情報再生装置)
以下、本発明の情報再生装置について説明する。
上記課題を解決するために、本発明の情報再生装置は、上述した本発明の情報記録媒体(但し、その各種態様を含む)から前記記録データを再生する情報再生装置であって、前記管理エリアから前記管理情報を取得する取得手段と、前記記録データを再生する再生手段と、取得された前記管理情報に基づいて、前記記録データを再生するように前記再生手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の情報再生装置によれば、先ず、取得手段によって、例えば第1識別情報や第2識別情報を含む管理情報が取得される。次に、制御手段の制御下で、再生手段は、例えば管理情報を含む記録データを再生する。
この結果、情報再生装置は、第1識別情報に基づいて、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置等を把握(特定)できるので、このエリアにおいては、ランドプリピットの代わりに、リーダブルエンボスピットから再生クロックを生成するように、再生クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。概ね同様にして、リーダブルエンボスピットが形成されていないエリアにおいては、リーダブルエンボスピットの代わりに、通常の通り、ランドプリピットから再生クロックを生成するように、再生クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。
更にこの結果、情報再生装置は、リーダブルエンボスピットが形成されているエリアを検索するためのRFサーチや、LPPサーチを行う必要が殆ど又は完全にないので、それらのサーチに要する時間を、再生処理から省略することが可能となる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体が有する各種態様に対応して、本発明の情報再生装置も各種態様を採ることが可能である。
(情報記録方法)
以下、本発明の情報記録方法について説明する。
上記課題を解決するために、本発明の情報記録方法は、上述した本発明の情報記録媒体(但し、その各種態様を含む)に前記記録データを記録する記録手段を備える情報記録装置における情報記録方法であって、前記管理エリアから前記管理情報を取得する取得工程と、取得された前記管理情報に基づいて、前記記録データを記録するように前記記録手段を制御する制御工程とを備える。
本発明の情報記録方法によれば、上述した本発明の情報記録装置が有する各種利益を享受することが可能となる。
尚、上述した本発明の情報記録装置が有する各種態様に対応して、本発明の情報記録方法も各種態様を採ることが可能である。
(情報再生方法)
以下、本発明の情報再生方法について説明する。
上記課題を解決するために、本発明の情報再生方法は、上述した本発明の情報記録媒体(但し、その各種態様を含む)から前記記録データを再生する再生手段を備える情報再生装置における情報再生方法であって、前記管理エリアから前記管理情報を取得する取得工程と、取得された前記管理情報に基づいて、前記記録データを再生するように前記再生手段を制御する制御工程とを備える。
本発明の情報再生方法によれば、上述した本発明の情報再生装置が有する各種利益を享受することが可能となる。
尚、上述した本発明の情報再生装置が有する各種態様に対応して、本発明の情報再生方法も各種態様を採ることが可能である。
(コンピュータプログラム)
以下、本発明のコンピュータプログラムについて説明する。
上記課題を解決するために、本発明の記録制御用のコンピュータプログラムは、上述した本発明の情報記録装置(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記取得手段、前記記録手段、及び、前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
上記課題を解決するために、本発明の再生制御用のコンピュータプログラムは、上述した本発明の情報再生装置(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する再生制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記取得手段、前記再生手段、及び、前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明に係るコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の情報記録装置、及び情報再生装置を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の情報記録装置、及び情報再生装置における各種態様に対応して、本発明の各コンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
上記課題を解決するために、コンピュータ読取可能な媒体内の第1コンピュータプログラム製品は、上述した本発明の情報記録装置(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータにより実行可能なプログラム命令を明白に具現化し、該コンピュータを、前記取得手段、前記記録手段、及び、前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
上記課題を解決するために、コンピュータ読取可能な媒体内の第2コンピュータプログラム製品は、上述した本発明の情報再生装置(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータにより実行可能なプログラム命令を明白に具現化し、該コンピュータを、前記取得手段、前記再生手段、及び、前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明の第1又は第2コンピュータプログラム製品によれば、当該コンピュータプログラム製品を格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラム製品をコンピュータに読み込めば、或いは、例えば伝送波である当該コンピュータプログラム製品を、通信手段を介してコンピュータにダウンロードすれば、上述した本発明の情報記録装置又は情報再生装置を比較的容易に実施可能となる。更に具体的には、当該コンピュータプログラム製品は、上述した本発明の情報記録装置又は情報再生装置として機能させるコンピュータ読取可能なコード(或いはコンピュータ読取可能な命令)から構成されてよい。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以上説明したように、本発明の情報記録媒体によれば、一又は複数の所定の記録エリアを有する記録層を備え、この所定の記録エリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報やプリ記録されているか否かを識別する第2識別情報を含む管理情報を記録可能な管理エリア(CDZ、RMA)を備える。この結果、例えば情報記録再生装置は、本発明の第1識別情報や第2識別情報に基づいて、ファイナライズ処理の際に、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアを識別しつつ、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。以上の結果、当該情報記録媒体のファイナライズ処理に掛かる時間の大幅な短縮や、より効率的な短縮を実現させることが可能となり、ユーザは、ファイナライズ処理において、より大きな快適性を体感することが可能となる。
また、本発明の情報記録装置及び方法によれば、取得手段及び工程、記録手段及び工程、並びに、制御手段及び工程を備える。この結果、情報記録装置は、第1識別情報に基づいて、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置等を把握(特定)できるので、このエリアにおいては、ランドプリピットの代わりに、リーダブルエンボスピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。概ね同様にして、リーダブルエンボスピットが形成されていないエリアにおいては、リーダブルエンボスピットの代わりに、通常の通り、ランドプリピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。
また、本発明の情報再生装置及び方法によれば、取得手段及び工程、再生手段及び工程、並びに、制御手段及び工程を備える。この結果、情報再生装置は、第1識別情報に基づいて、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置等を把握(特定)できるので、このエリアにおいては、ランドプリピットの代わりに、リーダブルエンボスピットから再生クロックを生成するように、再生クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。概ね同様にして、リーダブルエンボスピットが形成されていないエリアにおいては、リーダブルエンボスピットの代わりに、通常の通り、ランドプリピットから再生クロックを生成するように、再生クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。
更に、また、本発明のコンピュータプログラムによれば、コンピュータを上述した本発明の情報記録装置、及び情報再生装置として機能させるので、上述した、例えばDVD−RW DL(Dual Layer)の光ディスク等の書き換え型の光ディスクに対して、情報記録装置、及び情報再生装置は、第1識別情報に基づいて、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置等を把握(特定)できるので、このエリアにおいては、ランドプリピットの代わりに、リーダブルエンボスピットから記録又は再生クロックを生成するように、記録又は再生クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。概ね同様にして、リーダブルエンボスピットが形成されていないエリアにおいては、リーダブルエンボスピットの代わりに、通常の通り、ランドプリピットから記録又は再生クロックを生成するように、記録又は再生クロックの生成処理を切り替えることが可能となる。
1…センターホール、10…トラック、11…ECCブロック、50…管理情報、50a…エンボス情報、50b(50e)…PR情報、51a…EIコード、51b(51e)…PRIコード、100…光ディスク、101…リードインエリア、102…データエリア、103…リードアウトエリア、104…ミドルエリア、104s…シフトミドルエリア、300…情報記録再生装置、301…光ピックアップ、302…信号記録再生手段、303…アドレス検出部、305…CPU(ドライブ制御手段)、306…スピンドルモータ、307(402)…メモリ、308(406)…データ入出力制御手段、309(407)…バス、400…ホストコンピュータ、401…CPU(ホスト用)、403…操作制御手段、404…操作ボタン、405…表示パネル、CDZ…コントロールデータゾーン、RMA…レコーディングマネージメントエリア、LB…レーザ光
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づいて説明する。
(1)情報記録媒体の実施例
次に、図1から図7を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例について詳細に説明する。
(1−1)基本構成
先ず図1を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例に係る光ディスクの基本構造について説明する。ここに、図1は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る複数の記録領域を有する光ディスクの基本構造を示した概略平面図(図1(a))、及び、該光ディスクの概略断面図に対応付けられた、その半径方向における記録領域構造の図式的概念図(図1(b))である。尚、本実施例に係る光ディスクにおいては、L0層のトラックパスと、L1層のトラックパスとが反対の記録方向であるオポジット方式が記録方式の一具体例として採用されている。
図1(a)及び図1(b)に示されるように、光ディスク100は、例えば、DVDと同じく直径12cm程度のディスク本体上の記録面に、センターホール1を中心として本実施例に係るリードインエリア101又はリードアウトエリア103、データエリア102、並びに、ミドルエリア104が設けられている。そして、光ディスク100の例えば、透明基板106に、L0層及びL1層等の記録層が積層されている。そして、この記録層の各記録領域には、例えば、センターホール1を中心にスパイラル状或いは同心円状に、例えば、グルーブトラック及びランドトラック等のトラック10が交互に設けられている。また、このトラック10上には、データがECC(Error Correction Code)ブロック11という単位で分割されて記録される。ECCブロック11は、記録情報がエラー訂正可能なデータ管理単位である。
尚、本発明は、このような三つのエリアを有する光ディスクには特に限定されない。例えば、リードインエリア101又はリードアウトエリア103、並びにミドルエリア104が存在せずとも、以下に説明するデータ構造等の構築は可能である。また、後述するように、リードインエリア101又はリードアウト103、並びにミドルエリア104は更に細分化された構成であってもよい。
本実施例に係る光ディスク100は、図1(b)に示されるように、例えば、透明基板106に、後述される本発明に係る第1及び第2記録層の一例を構成するL0層及びL1層が積層された構造をしている。このような二層型の光ディスク100の記録再生時には、図1(b)中、下側から上側に向かって照射されるレーザ光LBの集光位置をいずれの記録層に合わせるかに応じて、L0層における記録再生が行なわれるか又はL1層における記録再生が行われる。また、本実施例に係る光ディスク100は、2層片面、即ち、デュアルレイヤに限定されるものではなく、2層両面、即ちデュアルレイヤーダブルサイドであってもよい。更に、上述の如く2層の記録層を有する光ディスクに限られることなく、3層以上の多層型の光ディスクであってもよい。尚、2層型光ディスクにおけるオポジット方式による記録又は再生手順、並びに、各層におけるデータ構造については、後述される。
(1−2)詳細構成
次に、図2及び図3を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスクの詳細構成について説明する。より具体的には、図2及び図3を参照して、2層型光ディスクのデータ構造、該光ディスクの記録領域におけるECCブロックを構成する物理的セクタ番号等のアドレス、並びに、該光ディスクのオポジット方式による記録又は再生手順について説明する。ここに、図2は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスクのデータ構造及び該光ディスクの記録領域におけるECCブロックを構成する物理的セクタ番号等のアドレス、並びに、該光ディスクのオポジット方式による記録又は再生方法を示した概念的グラフである。図3は、本発明の情報記録媒体の内周側及び外周側においてリーダブルエンボスピットが形成可能なエリアを図式的に示した模式図である。尚、図2中の縦軸は、例えば16進数で表現されたセクタ番号等のアドレスを示し、横軸は、光ディスクの半径方向の相対的な位置を示す。
図2に示されるように、本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスク100は、図示しない透明基板に積層された2層の記録層、即ち、L0層とL1層とを備えて構成されている。具体的には、L0層には、内周側から外周側にかけて、レコーディングマネージメントエリア(Recording Management Area)RMA0、リードインエリア101−0、データエリア102−0、及びミドルエリア104−0が設けられている。尚、例えばリードインエリア、ミドルエリア、及びリードアウトエリア等のファイナライズ処理の際の緩衝用データを記録可能な緩衝用エリアによって、本発明に係る「所定の記録エリア」の一の例が構成されている。
RMA0(及び、後述されるRMA1)においては、本発明に係る「管理情報」の一例を構成するRMD(Recording Management Data)が記録可能である。詳細には、RMA0(RMA1)においては、RMDが、約818回程度追記することが可能である。このRMA0(RMA1)によって、本願発明に係る「管理エリア」の一例、又は、「所定の記録エリア」の他の例が構成されている。
リードインエリア101−0には、コントロールデータゾーンCDZが設けられている。このコントロールデータゾーンCDZには、例えば記録層の数や記録トラックの方向やトラックピッチ等の各種情報が、例えばエンボスピットにより予め形成される、あるいはレーザ光等によってプリ記録される。データエリア102−0には、記録情報が記録可能である。ミドルエリア104−0は、L0層及びL1層に対する記録又は再生位置が未記録領域や基板外へ外れることを防止する基本機能を有するが、層間ジャンプの際に記録又は再生位置が未記録領域や基板外に外れることを防止する、言わば「ジャンプ緩衝用エリア」としての機能も有する。
他方、L1層には、外周側から内周側にかけて、ミドルエリア104−1、データエリア102−1、リードアウトエリア103−1、及び、RMA1が設けられている。より詳細には、RMA0(RMA1)と、図示しないレーザ光のパワーキャリブレーションを行う較正用エリアとを合わせて「R-Information Area」と称しても良い。また、上述したリードインエリア101−0、データエリア102−0(102−1)、ミドルエリア104−0(104−1)、及びリードアウトエリア103−1を合わせて「Information Area」と称しても良い。
以上のように2層型光ディスク100は構成されているので、該光ディスク100の記録又は再生の際には、後述される本発明の情報記録装置の一具体例に係る情報記録再生装置の光ピックアップ等によって、レーザ光LBは、図示しない基板の側から、即ち、図2中の下側から上側に向けて照射され、その焦点距離等が制御されると共に、光ディスク100の半径方向における移動距離及び方向が制御される。これにより、夫々の記録層にデータが記録され、又は、記録されたデータが再生される。
本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスクの記録又は再生手順として、オポジット方式が採用されている。ここに、オポジット方式とは、より詳細には、2層型光ディスクの記録又は再生手順として、後述される情報記録再生装置の光ピックアップが、L0層において、内周側から外周側へ向かって、即ち、図2中の矢印の右方向へ移動するのとは逆に、L1層においては、光ピックアップが外周側から内周側へ向かって、即ち、図2中の矢印の左方向へ移動することによって、2層型光ディスクにおける記録又は再生が行われる方式である。このオポジット方式では、L0層における記録又は再生が終了されると、L1層における記録又は再生が開始される時に、光ディスクの最外周にある光ピックアップが再度、最内周へ向かって移動する必要はなく、L0層からL1層への焦点距離だけを切り替えればよいため、L0層からL1層への切り替え時間がパラレル方式と比較して短いという利点があるため大容量のコンテンツ情報の記録には採用されている。
具体的には、図2のグラフ部分において示されるように、先ず、L0層において、光ピックアップがリードインエリア101−0、データエリア102−0及びミドルエリア104−0を内周側から外周側へ移動するにつれて光ディスク100の記録領域におけるセクタ番号等のアドレスは増加していく。より具体的には、光ピックアップが、内周端「A1」点、リードインエリア101−0の終了位置「A2」点、データエリア102−0の開始位置「B1」点、データエリア102−0の終了位置「B2」点に順次アクセスして、緩衝の役目を果たすミドルエリア104−0(開始位置は「C1」点であり、終了位置は「C2」点である)と移動されることによって、L0層における記録又は再生が行われる。他方、L1層において、具体的には、光ピックアップがミドルエリア104−1、データエリア102−1及びリードアウトエリア103−1を外周側から内周側へ移動するにつれて光ディスク100の記録領域におけるセクタ番号は増加していく。より具体的には、光ピックアップが、緩衝の役目を果たすミドルエリア104−1(開始位置は「D1」点であり、終了位置は「D2」点である)、データエリア102−1の開始位置「E1」点、データエリア102−1の終了位置「E2」点に順次アクセスして、リードアウトエリア103−1(開始位置は「F1」点であり、終了位置は「F2」点である)へと移動されることによって、L1層における記録又は再生が行われる。
以上説明したL0層とL1層とにおけるセクタ番号等のアドレスは全て、例えば16進数における15の補数の関係等の所定の相関関係にあるようにしてもよい。より具体的には、例えば、L0層における折り返し点(例えばセクタ番号「1AFFFFh」)とL1層における折り返し点(例えばセクタ番号「E50000h」)は15の補数の関係にあるようにしてもよい。尚、本実施例において、「30000h」等の末尾の「h」とは16進数で表現されていることを示す。形式的には、「1AFFFFh」の補数は、16進数のセクタ番号「1AFFFFh」を2進数「000110101111111111111111」に変換してからビット反転(インバート:invert)「111001010000000000000000」させ、16進数「E50000h」に再変換させることによって求められる。
以上説明した物理的セクタ番号に対して、論理ブロックアドレス(LBA:Logical Block Address)が、1対1に割り付けられているようにしてもよい。より具体的には、例えば、セクタ番号「030000h」には「000000」LBAが対応し、セクタ番号「1AFFFFh」には、「17FFFF」LBAが対応するようにしてもよい。また、セクタ番号「E50000h」には、「180000」LBAが対応し、セクタ番号「FCFFEFh」には、「2FFFEF」LBAが対応する。よって、例えば、ホストコンピュータは、物理的セクタ番号に意識することなく、例えば、ファイルシステムによって管理された論理ブロックアドレスに従って記録及び再生動作を行うことが可能となる。
特に、本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスクにおいては、内周側及び外周側において、次のエリア(領域)において、リーダブルエンボスピット(エンボスピット)を形成可能である。具体的には、2層型光ディスクの内周側においては、図3(a)中における、(i)L0層におけるInitial zone、Buffer zone 0、Reference Code zone、Buffer zone 1、及びCDZ、並びに(ii)L1層におけるリードアウトエリアにおいて、リーダブルエンボスピットを形成可能である。より詳細には、L1層のリードアウトエリアの最も内周部に位置されるOptional IDTAにおいては、パワーキャリブレーションを行うようにしてもよい。他方、2層型光ディスクの外周側においては、図3(b)中における(iii)L0層におけるミドルエリア、及び、(iv)L1層におけるミドルエリアにおいて、リーダブルエンボスピットを形成可能である。尚、図3(a)中のRW-Physical format information zone、Extra Border Zone、データエリア、並びに、図3(b)中のパワーキャリブレーションを行うODTA(Outer Disc Testing Area)、及びデータエリアにおいては、リーダブルエンボスピットは形成されない。
(1−3)管理情報の一具体例
次に、図4を参照して、本発明の管理情報の一具体例、及び、当該管理情報に係るエンボス情報(Embossed Information)の具体例について説明する。特に、このエンボス情報は、ディスク製造メーカーが情報記録媒体に、エンボスピットの形成によって、或いは、レーザ光によるプリ記録によって、予め記録することが好ましい。ここに、図4は、本発明の管理情報の一具体例を示したテーブル(図4(a))、本発明の管理情報に係るエンボス情報のデータ構造の具体例を示したテーブル(図4(b))、及び、本発明の第1識別情報に係るEIコード(Embossed Information Code)の具体例を示したテーブル(図4(c))である。
図4(a)に示されるように、本発明の管理情報50は、(i)本発明の所定の記録エリアの一具体例であるコントロールデータゾーンにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報、(ii)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるリードインエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報、(iii)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるミドルエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報、及び(iv)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるリードアウトエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報を含むようにしてもよい。尚、管理情報50は、コントロールデータゾーンCDZ(以下、適宜「CDZ」と称す)や、例えば物理フォーマット情報ゾーン(RW-Physical format information zone)において、エンボス情報50aを記録するための一のフィールドを設け、例えばディスク製造メーカーがエンボス情報50aをエンボスピットの形成によって、或いは、レーザ光によるプリ記録によって、予め記録するようにしてもよい。この場合、初期状態の光ディスクに対して、情報記録再生装置は、最初に、例えばCDZの一のフィールドに記録されたエンボス情報50aをレコーディングマネージメントエリアRMA(以下、適宜「RMA」と称す)に記録し、その後、例えばファイナライズのための緩衝状態にさせることを専ら目的とするダミーデータ(パディングデータ)等の緩衝用データがレーザ光によってプリ記録されたプリ記録エリアが更新されたり、追加されたりした場合は、RMAのエンボス情報50aを更新して、最新の情報として利用するようにしてもよい。特に、ディスク製造メーカーがダミーデータを記録した場合の管理情報を初期エンボス情報(Initial Embossed Information)と称してもよい。加えて、本発明の管理情報50は、(i)当該光ディスク100に対して、記録動作を行なった情報記録再生装置の識別番号情報、所謂、ドライブID情報(ドライブ識別情報)、(ii)ドライブIDによって指定された情報記録再生装置による較正処理の結果、検出された最適記録パワーの数値情報、(iii)未記録状態、例えばインクリメンタル記録方式等の記録方式、及び追記不可能であるファイナライズ処理が済んだ状態等を示すディスク状態情報を記録するためのフィールドを保持するように構成してもよい。
具体的には、図4(b)に示されるように、管理情報50の一具体例であるエンボス情報(Embossed Information)50aは、例えばバイト単位で割り付けられた0から2047の番号で指定可能であるデータ位置の、例えば40番目に、本発明の第1識別情報の一具体例であるEIコード(Embossed Information Code)51aを含むようにしてもよい。このEIコード51aは、データ量が1バイト(Byte)であるようにしてもよい。より詳細には、図4(c)に示されるように、EIコード51aは、(i)例えばCDZにおいてエンボスピットが形成されているか否かを示す所定のビットパターンと、(ii)例えばリードインエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを示す所定のビットパターンと、(iii)例えばミドルエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを示す所定のビットパターンと、(iv)例えばリードアウトエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを示す所定のビットパターンとが組み合わされることによって示されてもよい。
具体的には、EIコード51aのうち右から1番目のビットが、「0」である場合、CDZにおいてエンボスピットが形成されていると意味するようにしてもよい。他方、EIコード51aのうち右から1番目のビットが、「1」である場合、CDZにおいてエンボスピットが形成されていないと意味するようにしてもよい。概ね同様にして、EIコード51aのうち右から2番目のビットが、「0」である場合、リードインエリアにおいてエンボスピットが形成されていないと意味するようにしてもよい。他方、EIコード51aのうち右から2番目のビットが、「1」である場合、リードインエリアにおいてエンボスピットが形成されていると意味するようにしてもよい。更に、概ね同様にして、EIコード51aのうち右から3番目のビットが、「0」である場合、ミドルエリアにおいてエンボスピットが形成されていないと意味するようにしてもよい。他方、EIコード51aのうち右から3番目のビットが、「1」である場合、ミドルエリアにおいてエンボスピットが形成されていると意味するようにしてもよい。更に、概ね同様にして、EIコード51aのうち右から4番目のビットが、「0」である場合、リードアウトエリアにおいてエンボスピットが形成されていないと意味するようにしてもよい。他方、EIコード51aのうち右から4番目のビットが、「1」である場合、リードアウトエリアにおいてエンボスピットが形成されていると意味するようにしてもよい。尚、右から5番目のビットから8番目のビットまでは予備のビットとしてもよい。また、各種のビットパターンによって、本発明の第1識別情報を実現することができるのは言うまでもない。加えて、記録クロックの生成処理を切り替えにおける効果、及び、アンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアにおける効果については、後述される「(3)本実施例の作用効果の検討」において説明する。
(1−3−1)管理情報の他の具体例−その1−
次に、図5を参照して、本発明の管理情報の他の具体例、及び、当該管理情報に係るPR情報(Pre-recorded Information)の具体例について説明する。特に、このPR情報は、情報記録再生装置が情報記録媒体において追記又は書き換え可能で記録することが好ましい。ここに、図5は、本発明の管理情報の他の具体例を示したテーブル(図5(a))、本発明の管理情報に係るPR情報のデータ構造の具体例を示したテーブル(図5(b))、及び、本発明の第2識別情報に係るPRIコード(Pre-recorded Information Code)の具体例を示したテーブル(図5(c))である。
図5(a)に示されるように、本発明の管理情報50は、(i−1)本発明の所定の記録エリアの一具体例であるコントロールデータゾーンにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報、(ii−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるリードインエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報、(iii−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるミドルエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報、及び(iv−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるリードアウトエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報を含むようにしてもよい。加えて、本発明の管理情報50は、(i−2)コントロールデータゾーンの記録されている位置を特定可能な位置情報、(ii−2)リードインエリアの記録されている位置を特定可能な位置情報、(iii−2)ミドルエリアの記録されている位置を特定可能な位置情報、及び(iv−2)リードアウトエリアの記録されている位置を特定可能な位置情報を含むようにしてもよい。尚、本発明の管理情報50の一具体例であるPR情報50bは、コントロールデータゾーンCDZや、例えば物理フォーマット情報ゾーン(RW-Physical format information zone)において、PR情報50bを記録するための一のフィールドを設け、例えばディスク製造メーカーがPR情報50bをエンボスピットの形成によって、或いは、レーザ光によるプリ記録によって、予め記録するようにしてもよい。この場合、前述したように、初期状態の光ディスクに対して、情報記録再生装置は、最初に、例えばCDZの一のフィールドに記録されたPR情報50bをRMAに記録し、その後、例えばファイナライズのための緩衝状態にさせることを専ら目的とするダミーデータ(パディングデータ)等の緩衝用データがレーザ光によってプリ記録されたプリ記録エリアが更新されたり、追加されたりした場合は、RMAのPR情報50bを更新して、最新の情報として利用するようにしてもよい。或いは、PR情報50bは、例えばRMAに直接的に記録可能であるようにしてもよい。更に、或いは、PR情報50bは、例えばレコーディングマネージメントデータRMD(以下、適宜「RMD」と称す)に含まれ、このRMDを介して間接的に記録可能であるようにしてもよい。
具体的には、図5(b)に示されるように、管理情報50の他の具体例であるPR情報(Pre-recorded Information)50bは、例えばバイト単位で割り付けられた0から2047の番号で指定可能であるデータ位置の、例えば90番目に、本発明の第2識別情報の具体例であるPRIコード(Pre-recorded Information Code)51bを含むようにしてもよい。このPRIコード51bは、データ量が1バイト(Byte)であるようにしてもよい。概ね同様にして、PR情報50bは、例えば92番目から95番目に、本発明の位置情報の具体例であるレーザ光によってプリ記録されたリードインエリアの終了端を示すアドレス情報を含むようにしてもよい。また、PR情報50bは、例えば96番目から99番目に、本発明の位置情報の具体例であるレーザ光によってプリ記録されたL0層のミドルエリアの終了端を示すアドレス情報を含むようにしてもよい。また、PR情報50bは、例えば100番目から103番目に、本発明の位置情報の具体例であるレーザ光によってプリ記録されたL1層のミドルエリアの開始端を示すアドレス情報を含むようにしてもよい。また、PR情報50bは、例えば104番目から107番目に、本発明の位置情報の具体例であるレーザ光によってプリ記録されたリードアウトエリアの開始端を示すアドレス情報を含むようにしてもよい。これら4つのアドレス情報は、データ量が4バイト(Byte)であるようにしてもよい。
より詳細には、図5(c)に示されるように、PRIコード51bは、(i)例えばCDZにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを示す所定のビットパターンと、(ii)例えばリードインエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを示す所定のビットパターンと、(iii)例えばミドルエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを示す所定のビットパターンと、(iv)例えばリードアウトエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを示す所定のビットパターンとが組み合わされることによって示されてもよい。
具体的には、PRIコード51bのうち右から1番目のビットが、「0」である場合、CDZにおいてレーザ光によるプリ記録が行われていると意味するようにしてもよい。他方、PRIコード51bのうち右から1番目のビットが、「1」である場合、CDZにおいてレーザ光によるプリ記録が行われていないと意味するようにしてもよい。概ね同様にして、PRIコード51bのうち右から2番目のビットが、「0」である場合、リードインエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われていないと意味するようにしてもよい。他方、PRIコード51bのうち右から2番目のビットが、「1」である場合、リードインエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われていると意味するようにしてもよい。更に、概ね同様にして、PRIコード51bのうち右から3番目のビットが、「0」である場合、ミドルエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われていないと意味するようにしてもよい。他方、PRIコード51bのうち右から3番目のビットが、「1」である場合、ミドルエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われていると意味するようにしてもよい。更に、概ね同様にして、PRIコード51bのうち右から4番目のビットが、「0」である場合、リードアウトエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われていないと意味するようにしてもよい。他方、PRIコード51bのうち右から4番目のビットが、「1」である場合、リードアウトエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われていると意味するようにしてもよい。尚、右から5番目のビットから8番目のビットまでは予備のビットとしてもよい。また、各種のビットパターンによって、本発明の第2識別情報を実現することができるのは言うまでもない。
この結果、後述される情報記録再生装置は、前述した管理情報の一具体例であるエンボス情報50aと、PR情報50bとの両方の情報を把握することで、ファイナライズ処理の際に、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。尚、記録クロックの生成処理を切り替えにおける効果、及び、アンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアにおける効果については、後述される「(3)本実施例の作用効果の検討」において説明する。
(1−3−2)管理情報の他の具体例−その2−
次に、図6を参照して、本発明の管理情報の他の具体例、及び、当該管理情報に係るPR情報(Pre-recorded Information)の具体例について説明する。特に、このPR情報は、情報記録再生装置が情報記録媒体において追記又は書き換え可能で記録することが好ましい。ここに、図6は、本発明の管理情報の他の具体例を示したテーブル(図6(a))、及び、本発明の管理情報に係るPR情報のデータ構造の具体例を示したテーブル(図6(b))である。尚、前述の「(1−3−1)管理情報の他の具体例−その1−」におけるPR情報50bと同様の構成及び性質については、説明を省略する。
図6(a)に示されるように、本発明の管理情報50は、(i−1)本発明の所定の記録エリアの一具体例であるコントロールデータゾーンにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報、(ii−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるリードインエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報、(iii−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるミドルエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報、及び(iv−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるリードアウトエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報を含むようにしてもよい。加えて、本発明の管理情報50は、(i−2)コントロールデータゾーンにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報、(ii−2)リードインエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報、(iii−2)ミドルエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報、及び(iv−2)リードアウトエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報を含むようにしてもよい。更に、加えて、本発明の管理情報50は、(i−3)コントロールデータゾーンの記録されている位置を特定可能な位置情報、(ii−3)リードインエリアの記録されている位置を特定可能な位置情報、(iii−3)ミドルエリアの記録されている位置を特定可能な位置情報、及び(iv−3)リードアウトエリアの記録されている位置を特定可能な位置情報を含むようにしてもよい。
具体的には、図6(b)に示されるように、管理情報50の他の具体例であるPR情報(Pre-recorded Information)50cは、例えばバイト単位で割り付けられた0から2047の番号で指定可能であるデータ位置の、例えば91番目に、前述の図4において説明した、本発明の第1識別情報の一具体例であるEIコード(Embossed Information Code)51aを含むようにしてもよい。このEIコード51aの詳細については、前述の図4(c)における説明と同様であるので、省略する。
この結果、後述される情報記録再生装置は、EIコード51aを含むPR情報50cだけを取得し、把握することで、ファイナライズ処理の際に、リーダブルエンボスピットが形成されたエリア、及び、レーザ光によるプリ記録が行われたエリアを識別しつつ、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。尚、記録クロックの生成処理を切り替えにおける効果、及び、アンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアにおける効果については、後述される「(3)本実施例の作用効果の検討」において説明する。
(1−3−3)管理情報の他の具体例−その3−
次に、図7を参照して、本発明の管理情報の他の具体例、及び、当該管理情報に係るエンボス情報(Embossed Information)の具体例について説明する。特に、このエンボス情報は、ディスク製造メーカーが情報記録媒体に、エンボスピットの形成によって、或いは、レーザ光によるプリ記録によって、予め記録することが好ましい。ここに、図7は、本発明の管理情報の他の具体例を示したテーブル(図7(a))、及び、本発明の管理情報に係るエンボス情報のデータ構造の具体例を示したテーブル(図7(b))である。尚、前述の「(1−3)管理情報の一具体例」におけるエンボス情報50aと同様の構成及び性質については、説明を省略する。
図7(a)に示されるように、本発明の管理情報50は、(i−1)本発明の所定の記録エリアの一具体例であるコントロールデータゾーンにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報、(ii−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるリードインエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報、(iii−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるミドルエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報、及び(iv−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるリードアウトエリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報を含むようにしてもよい。加えて、(i−2)コントロールデータゾーンにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報、(ii−2)リードインエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報、(iii−2)ミドルエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報、及び(iv−2)リードアウトエリアにおいてレーザ光によるプリ記録が行われているか否かを識別する第2識別情報を含むようにしてもよい。
具体的には、図7(b)に示されるように、管理情報50の一具体例であるエンボス情報(Embossed Information)50dは、例えばバイト単位で割り付けられた0から2047の番号で指定可能であるデータ位置の、例えば40番目に、本発明の第1識別情報の一具体例であるEIコード(Embossed Information Code)51aを含むようにしてもよい。加えて、例えば43番目に、本発明の第2識別情報の具体例であるPRIコード(Pre-recorded Information Code)51bを含むようにしてもよい。このEIコード51a及びPRIコード51bの詳細については、前述の図4(c)及び図5(c)における説明と同様であるので、省略する。
この結果、ディスク製造メーカーはリーダブルエンボスピットに加えて、レーザ光によるプリ記録によっても、例えばリードインエリア等の緩衝用エリアを予め形成することが可能となる。従って、後述される情報記録再生装置は、エンボス情報50dだけを取得し、把握することで、ファイナライズ処理の際に、リーダブルエンボスピットが形成されたエリア、及び、レーザ光によるプリ記録が行われたエリアを識別しつつ、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。尚、記録クロックの生成処理を切り替えにおける効果、及び、アンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアにおける効果については、後述される「(3)本実施例の作用効果の検討」において説明する。
(1−3−4)管理情報の他の具体例−その4−
次に、図15を参照して、本発明の管理情報の他の具体例、及び、当該管理情報に係るPR情報(Pre-recorded Information)の具体例について説明する。特に、このPR情報は、情報記録再生装置が情報記録媒体において追記又は書き換え可能で記録することが好ましい。ここに、図15は、本発明の管理情報の他の具体例を示したテーブル(図15(a))、本発明の管理情報に係るPR情報のデータ構造の具体例を示したテーブル(図15(b))、及び、本発明の第3識別情報に係るPRIコード(Pre-recorded Information Code)の具体例を示したテーブル(図15(c))である。
図15(a)に示されるように、本発明の管理情報50は、(i−1)本発明の所定の記録エリアの一具体例であるコントロールデータゾーンにおいて(ia)エンボスピットが形成されている、又は(ib)レーザ光によるプリ記録が行われているうち、少なくともいずれか一方であるか否かを識別する第3識別情報を含むようにしてもよい。加えて、(ii−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるリードインエリアにおいて(iia)エンボスピットが形成されている、又は(iib)レーザ光によるプリ記録が行われているうち、少なくともいずれか一方であるか否かを識別する第3識別情報を含むようにしてもよい。加えて、(iii−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるミドルエリアにおいて(iiia)エンボスピットが形成されている、又は(iiib)レーザ光によるプリ記録が行われているうち、少なくともいずれか一方であるか否かを識別する第3識別情報を含むようにしてもよい。加えて(iv−1)本発明の所定の記録エリアの他の具体例であるリードアウトエリアにおいて(iva)エンボスピットが形成されている、又は(ivb)レーザ光によるプリ記録が行われているうち、少なくともいずれか一方であるか否かを識別する第3識別情報を含むようにしてもよい。更に、加えて、本発明の管理情報50は、(i−2)コントロールデータゾーンの記録されている位置を特定可能な位置情報、(ii−2)リードインエリアの記録されている位置を特定可能な位置情報、(iii−2)ミドルエリアの記録されている位置を特定可能な位置情報、並びに(iv−2)リードアウトエリアの記録されている位置を特定可能な位置情報を含むようにしてもよい。尚、本発明の管理情報50の一具体例であるPR情報50eは、コントロールデータゾーンCDZや、例えば物理フォーマット情報ゾーン(RW-Physical format information zone)において、PR情報50eを記録するための一のフィールドを設け、例えばディスク製造メーカーがPR情報50eをエンボスピットの形成によって、或いは、レーザ光によるプリ記録によって、予め記録するようにしてもよい。この場合、前述したように、初期状態の光ディスクに対して、情報記録再生装置は、最初に、例えばCDZの一のフィールドに記録されたPR情報50eをRMAに記録し、その後、例えばファイナライズのための緩衝状態にさせることを専ら目的とするダミーデータ(パディングデータ)等の緩衝用データがレーザ光によってプリ記録されたプリ記録エリアが更新されたり、追加されたりした場合は、RMAのPR情報50eを更新して、最新の情報として利用するようにしてもよい。或いは、PR情報50eは、例えばRMAに直接的に記録可能であるようにしてもよい。更に、或いは、PR情報50eは、例えばレコーディングマネージメントデータRMD(以下、適宜「RMD」と称す)に含まれ、このRMDを介して間接的に記録可能であるようにしてもよい。
具体的には、図15(b)に示されるように、管理情報50の他の具体例であるPR情報(Pre-recorded Information)50eは、例えばバイト単位で割り付けられた0から2047の番号で指定可能であるデータ位置の、例えば90番目に、本発明の第3識別情報の具体例であるPRIコード(Pre-recorded Information Code)51eを含むようにしてもよい。このPRIコード51eは、データ量が1バイト(Byte)であるようにしてもよい。概ね同様にして、PR情報50eは、例えば92番目から95番目に、本発明の位置情報の具体例である(i)エンボスピットが形成されている、又は(ii)レーザ光によってプリ記録されたリードインエリアの終了端を示すアドレス情報を含むようにしてもよい。また、PR情報50eは、例えば96番目から99番目に、本発明の位置情報の具体例である(i)エンボスピットが形成されている、又は(ii)レーザ光によってプリ記録されたL0層のミドルエリアの終了端を示すアドレス情報を含むようにしてもよい。また、PR情報50eは、例えば100番目から103番目に、本発明の位置情報の具体例である(i)エンボスピットが形成されている、又は(ii)レーザ光によってプリ記録されたL1層のミドルエリアの開始端を示すアドレス情報を含むようにしてもよい。また、PR情報50eは、例えば104番目から107番目に、本発明の位置情報の具体例である(i)エンボスピットが形成されている、又は(ii)レーザ光によってプリ記録されたリードアウトエリアの開始端を示すアドレス情報を含むようにしてもよい。これら4つのアドレス情報は、データ量が4バイト(Byte)であるようにしてもよい。
より詳細には、図15(c)に示されるように、PRIコード51eは、(i)例えばCDZにおいて(ia)エンボスピットが形成されている、又は(ib)レーザ光によるプリ記録が行われているか否かを示す所定のビットパターンと、(ii)例えばリードインエリアにおいて(iia)エンボスピットが形成されている、又は(iib)レーザ光によるプリ記録が行われているか否かを示す所定のビットパターンと、(iii)例えばミドルエリアにおいて(iiia)エンボスピットが形成されている、又は(iiib)レーザ光によるプリ記録が行われているか否かを示す所定のビットパターンと、(iv)例えばリードアウトエリアにおいて(iva)エンボスピットが形成されている、又は(ivb)レーザ光によるプリ記録が行われているか否かを示す所定のビットパターンとが組み合わされることによって示されてもよい。
具体的には、PRIコード51eのうち右から1番目のビットが、「0」である場合、CDZにおいて(ia)エンボスピットが形成されている、又は(ib)レーザ光によるプリ記録が行われていると意味するようにしてもよい。他方、PRIコード51eのうち右から1番目のビットが、「1」である場合、CDZにおいて(ia)エンボスピットが形成されていない、且つ(ib)レーザ光によるプリ記録が行われていないと意味するようにしてもよい。詳細には、PRIコード51eのうち右から1番目のビットは、(ia)エンボスピットが形成されているか否かを示すフラグ等の情報と、(ib)レーザ光によるプリ記録が行われているか否かを示すフラグ等の情報と、の論理和であるようにしてもよい。より詳細には、PRIコード51eのうち右から1番目のビットが「1」になる場合は、次の3つの場合であるようにしてもよい。即ち、1つ目の場合は、CDZの全体がエンボスピットだけにより形成されている場合である。2つ目の場合は、CDZの全体がレーザ光によるプリ記録だけにより行われている場合である。3つ目の場合は、CDZにおいてエンボスピットが形成されていると共に、レーザ光によるプリ記録が行われている場合である。尚、3つ目の場合は、本実施例では、省略可能であるようにしてもよい。
概ね同様にして、PRIコード51eのうち右から2番目のビットが、「0」である場合、リードインエリアにおいて(iia)エンボスピットが形成されていない、且つ(iib)レーザ光によるプリ記録が行われていないと意味するようにしてもよい。特に、この場合、後述される情報記録再生装置は、リードインエリアの少なくとも一部において、エンボスピットが形成されていないと共に、プリ記録が行われていないので、ファイナライズ処理の際には、例えばダミーデータ等の緩衝用データの記録を行う必要があると判別することが可能である。他方、PRIコード51eのうち右から2番目のビットが、「1」である場合、リードインエリアにおいて(iia)エンボスピットが形成されている、又は(iib)レーザ光によるプリ記録が行われていると意味するようにしてもよい。更に、概ね同様にして、PRIコード51eのうち右から3番目のビットが、「0」である場合、ミドルエリアにおいて(iiia)エンボスピットが形成されていない、且つ(iiib)レーザ光によるプリ記録が行われていないと意味するようにしてもよい。他方、PRIコード51eのうち右から3番目のビットが、「1」である場合、ミドルエリアにおいて(iiia)エンボスピットが形成されている、又は(iiib)レーザ光によるプリ記録が行われていると意味するようにしてもよい。更に、概ね同様にして、PRIコード51eのうち右から4番目のビットが、「0」である場合、リードアウトエリアにおいて(iva)エンボスピットが形成されていない、且つ(ivb)レーザ光によるプリ記録が行われていないと意味するようにしてもよい。他方、PRIコード51eのうち右から4番目のビットが、「1」である場合、リードアウトエリアにおいて(iva)エンボスピットが形成されている、又は(ivb)レーザ光によるプリ記録が行われていると意味するようにしてもよい。尚、右から5番目のビットから8番目のビットまでは予備のビットとしてもよい。また、各種のビットパターンによって、本発明の第3識別情報を実現することができるのは言うまでもない。
特に、PRIコード51eにおいて、少なくとも一部のビットパターンを固定にして使用しても良い。例えば、CDZは常に、エンボスピットを形成するようにし、PRIコード51eのうち右から一番目のビットを常に「0」に固定して使用してもよい。
この結果、後述される情報記録再生装置は、上述した管理情報の他の具体例であるPR情報50eの情報を把握することで、ファイナライズ処理の際に、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。尚、記録クロックの生成処理を切り替えにおける効果、及び、アンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアにおける効果については、後述される「(3)本実施例の作用効果の検討」において説明する。
(2)情報記録装置の実施例
次に、図8から図11を参照して、本発明の情報記録装置の実施例の構成及び動作について詳細に説明する。特に、本実施例は、本発明に係る情報記録装置を光ディスク用の情報記録再生装置に適用した例である。
(2−1)基本構成
先ず、図8を参照して、本発明の情報記録装置に係る実施例における情報記録再生装置300及び、ホストコンピュータ400の基本構成について説明する。ここに、図8は、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置、及び、ホストコンピュータの基本構成を示したブロック図である。尚、情報記録再生装置300は、光ディスク100に記録データを記録する機能と、光ディスク100に記録された記録データを再生する機能とを備える。
図8を参照して情報記録再生装置300の内部構成を説明する。情報記録再生装置300は、ドライブ用のCPU(Central Processing Unit)305の制御下で、光ディスク100に情報を記録すると共に、光ディスク100に記録された情報を読み取る装置である。
情報記録再生装置300は、光ディスク100、光ピックアップ301、信号記録再生手段302、アドレス検出部303、CPU(ドライブ制御手段)305、スピンドルモータ306、メモリ307、データ入出力制御手段308、及びバス309を備えて構成されている。
また、ホストコンピュータ400は、CPU(ホスト制御手段)401、メモリ402、操作制御手段403、操作ボタン404、表示パネル405、データ入出力制御手段406、及びバス407を備えて構成される。
特に、情報記録再生装置300は、例えばモデム等の通信手段を備えたホストコンピュータ400を同一筐体内に収めることにより、外部ネットワークと通信可能となるように構成してもよい。或いは、例えばi−link等の通信手段を備えたホストコンピュータ400のCPU(ホスト制御手段)401が、データ入出力制御手段308、及びバス309を介して、直接情報記録再生装置300を制御することによって、外部ネットワークと通信可能となるように構成してもよい。
光ピックアップ301は光ディスク100への記録再生を行うもので、半導体レーザ装置とレンズから構成される。より詳細には、光ピックアップ301は、光ディスク100に対してレーザービーム等の光ビームを、再生時には読み取り光として第1のパワーで照射し、記録時には書き込み光として第2のパワーで且つ変調させながら照射する。
信号記録再生手段302は、光ピックアップ301とスピンドルモータ306とを制御することで光ディスク100に対して記録又は再生を行う。より具体的には、信号記録再生手段302は、例えば、レーザダイオードドライバ(LDドライバ)及びヘッドアンプ等によって構成されている。レーザダイオードドライバは、光ピックアップ301内に設けられた図示しない半導体レーザを駆動する。ヘッドアンプは、光ピックアップ301の出力信号、即ち、光ビームの反射光を増幅し、該増幅した信号を出力する。より詳細には、信号記録再生手段302は、OPC(Optimum Power Control)処理時には、CPU305の制御下で、図示しないタイミング生成器等と共に、OPCパターンの記録及び再生処理により最適なレーザパワーの決定が行えるように、光ピックアップ301内に設けられた図示しない半導体レーザを駆動する。特に、信号記録再生手段302は、光ピックアップ301と共に、本発明に係る「記録手段」及び「再生手段」の一例を構成する。また、信号記録再生手段302は、例えばコントロールデータゾーンCDZ、あるいはレコーディングマネージメントエリアRMA0(RMA1)に記録された管理情報50を取得可能であるようにしてもよい。よって、信号記録再生手段302は、本発明に係る「取得手段」の一例を構成するようにしてもよい。
アドレス検出部303は、信号記録再生手段302によって出力される、例えばプリフォーマットアドレス信号等を含む再生信号から光ディスク100におけるアドレス(アドレス情報)を検出する。
CPU(ドライブ制御手段)305は、バス309を介して、各種制御手段に指示を行うことで、情報記録再生装置300全体の制御を行う。尚、CPU305が動作するためのソフトウェア又はファームウェアは、メモリ307に格納されている。特に、CPU305は、本発明に係る「制御手段」の一例を構成する。
スピンドルモータ306は光ディスク100を回転及び停止させるもので、光ディスクへのアクセス時に動作する。より詳細には、スピンドルモータ306は、図示しないサーボユニット等によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転及び停止させるように構成されている。
メモリ307は、記録再生データのバッファ領域や、信号記録再生手段302で使用出来るデータに変換する時の中間バッファとして使用される領域など情報記録再生装置300におけるデータ処理全般及びOPC処理において使用される。また、メモリ307はこれらレコーダ機器としての動作を行うためのプログラム、即ちファームウェアが格納されるROM領域と、記録再生データの一時格納用バッファや、ファームウェアプログラム等の動作に必要な変数が格納されるRAM領域などから構成される。
データ入出力制御手段308は、情報記録再生装置300に対する外部からのデータ入出力を制御し、メモリ307上のデータバッファへの格納及び取り出しを行う。情報記録再生装置300と、SCSIやATAPI等のインターフェースを介して接続されている外部のホストコンピュータ400(以下、適宜ホストと称す)から発行されるドライブ制御命令は、当該データ入出力制御手段308を介してCPU305に伝達される。また、記録再生データも同様にして、当該データ入出力制御手段308を介して、ホストコンピュータ400に対して送受信される。
ホストコンピュータ400における、CPU(ホスト制御手段)401、メモリ402、データ入出力制御手段406、及びバス407は、これらに対応される、情報記録再生装置300内の構成要素と、概ね同様である。
操作制御手段403は、ホストコンピュータ400に対する動作指示受付と表示を行うもので、例えば記録又は再生といった操作ボタン404による指示をCPU401に伝える。CPU401は、操作制御手段403からの指示情報を元に、データ入出力手段406を介して、情報記録再生装置300に対して制御命令(コマンド)を送信し、情報記録再生装置300全体を制御するように構成してもよい。同様に、CPU401は、情報記録再生装置300に対して、動作状態をホストに送信するように要求するコマンドを送信することができる。これにより、記録中や再生中といった情報記録再生装置300の動作状態が把握できるためCPU401は、操作制御手段403を介して蛍光管やLCDなどの表示パネル405に情報記録再生装置300の動作状態を出力することができる。
以上説明した、情報記録再生装置300とホストコンピュータ400を組み合わせて使用する一具体例は、映像を記録再生するレコーダ機器等の家庭用機器である。このレコーダ機器は放送受信チューナや外部接続端子からの映像信号をディスクに記録し、テレビなど外部表示機器にディスクから再生した映像信号を出力する機器である。メモリ402に格納されたプログラムをCPU401で実行させることでレコーダ機器としての動作を行っている。また、別の具体例では、情報記録再生装置300はディスクドライブ(以下、適宜ドライブと称す)であり、ホストコンピュータ400はパーソナルコンピュータやワークステーションである。パーソナルコンピュータ等のホストコンピュータとドライブはSCSIやATAPIといったデータ入出力制御手段308(406)を介して接続されており、ホストコンピュータにインストールされているライティングソフトウェア等のアプリケーションが、ディスクドライブを制御する。
(2−2)動作原理
次に、図9から図11に加えて前述した図8を適宜参照して、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置における動作原理について説明する。ここに、図9は、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置によるEIコード(Embossed Information Code)51aの取得処理を示したフローチャートである。図10は、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置によるプリ記録処理を示したフローチャートである。図11は、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置によるPRIコード51bの更新処理を示したフローチャートである。
(2−2−1)EIコード(Embossed Information Code)の取得処理
図9に示されるように、EIコード51aの取得処理においては、先ず、CPU(ドライブ制御手段)305の制御下で、光ディスクが挿入されたか否かが判定される(ステップS101)。ここで、光ディスクが挿入された場合(ステップS101:Yes)、CPU305の制御下で、CDZに予め記録されているEIコード51aが読み取られる(ステップS102)。
次に、CPU305の制御下で、読み取られたEIコード51aに基づいて、(i)リーダブルエンボスピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替える位置と、通常の通り、ランドプリピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替える位置とに関する情報が取得される。加えて、例えば再生エラーが発生しやすい、アンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置に関する情報が取得される(ステップS103)。
次に、CPU305の制御下で、RMAに記録されている、最新のRMD(Recording Management Data)が再生され、PRIコード51bが読み取られる(ステップS104)。
次に、CPU305の制御下で、再生された最新のRMDにおいて、EIコード51aが記録されているか否かが判定される(ステップS105)。ここで、再生されたRMDにおいて、EIコード51aが記録されていない場合(ステップS105:No)、CPU305の制御下で、CDZから読み取られたEIコード51aを含むRMDを、最新のRMDとして、RMAに記録する(ステップS106)。具体的には、前述の図6中のPR情報50c中のデータ位置の91番目にEIコード51aをコピーするようにしてもよい。
次に、CPU305の制御下で、最新のRMDに含まれるEIコード51a、及び、PRIコード51bから、ファイナライズ処理の際に緩衝用データを記録する必要のあるエリア(例えばリードインエリア、リードアウトエリア、及びミドルエリア等)の位置が把握(特定)される(ステップS107)。
他方、ステップS105の判定の結果、再生されたRMDにおいて、EIコード51aが記録されている場合(ステップS105:Yes)、前述したステップS106は省略される。また、他方、ステップS101の判定の結果、光ディスクが挿入されない場合(ステップS101:No)、再度、光ディスクが挿入されたか否かが判定される(ステップS101)。
(2−2−2)プリ記録処理
図10に示されるように、レーザ光によるプリ記録を行う処理(以下、適宜「プリ記録処理」と称す)においては、先ず、CPU305の制御下で、ホストコンピュータから、プリ記録処理を開始させる、例えばプリライトコマンドが発呼されたか否かが判定される(ステップS201)。ここで、プリ記録処理を開始させるプリライトコマンドが発呼された場合(ステップS201:Yes)、CPU305の制御下で、最新のRMDに含まれるPRIコード51bから、ファイナライズ処理の際に緩衝用データを記録する必要のあるエリア(領域)のプリ記録を開始するアドレスに関する情報が取得される(ステップS202)。他方、ステップS201の判定の結果、プリ記録処理を開始させるプリライトコマンドが発呼されない場合(ステップS201:No)、再び、コマンドの発呼を待つ。
次に、CPU305の制御下で、CDZに予め記録されているEIコード51aが読み取られ、読み取られたEIコード51aに基づいて、(i)リーダブルエンボスピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替える位置と、通常の通り、ランドプリピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替える位置とに関する情報が取得される。加えて、(ii)例えば再生エラーが発生しやすい、アンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置に関する情報が取得される(ステップS203)。仮に、当該情報記録媒体が、他の情報記録再生装置に挿入された場合、最新のRMDを読み取るだけではリーダブルエンボスピットで形成されたものであるか、情報記録再生装置によって、あとから緩衝用データが記録されたものであるかを判断することはできない。これに対して、本発明では、ディスク製造メーカーが予め記録したCDZから読み取られたEIコード51aに基づいて、(i)リーダブルエンボスピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替える位置と、通常の通り、ランドプリピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替える位置とに関する情報が取得される。加えて、(ii)例えば再生エラーが発生しやすい、アンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置に関する情報が取得される。
次に、CPU305の制御下で、例えば緩衝用データのプリ記録が実行される(ステップS204)。
次に、CPU305の制御下で、PRIコード51bの更新を行うか否かが判定される(ステップS205)。ここで、PRIコード51bの更新を行う場合(ステップS205:Yes)、CPU305の制御下で、PRIコード51bの更新処理が行われる(ステップS206)。また、他方、PRIコード51bの更新を行わない場合(ステップS205:No)、そのまま終了する。
(2−2−3)PR情報の更新処理
図11に示されるように、PR情報50b(50c)の更新処理においては、先ず、CPU305の制御下で、例えばホストコンピュータから、PR情報50b(50c)を更新させるコマンドが発呼されたか否かが判定される(ステップS301)。特に、CPU305が、所定のタイミングや所定のイベントに対応して、自らこの判定を行うようにしてもよい。
次に、CPU305の制御下で、プリ記録が行われたエリア(記録領域)の開始アドレス、及び終了アドレスが取得される(ステップS302)。
次に、最新のRMDに含まれるPR情報50b(50c)に有されるPRコードが更新されると共に、新しくプリ記録が行われたエリア(記録領域)の位置を示す開始アドレス、及び終了アドレスが追加され、最新のRMDとして、RMAに記録される(ステップS303)。
この結果、情報記録再生装置は、更新された最新のRMDに含まれるEIコード51a、及び、PRIコード51bから、ファイナライズ処理の際に緩衝用データを記録する必要のあるエリア(例えばリードインエリア、リードアウトエリア、及びミドルエリア等)の位置が把握(特定)される。
尚、上述したPRIコードやPR情報50b(50c)の更新処理は、情報記録再生装置における、例えばメモリ等の記憶手段の上で行われて、例えば光ディスクの排出時に、RMAに記録されるようにしてもよい。或いは、情報記録再生装置によって、更新が行われる都度、光ディスクのRMA上において、直接的に、PRIコードやPR情報50b(50c)の更新のための記録が行われるようにしてもよい。
(3)本実施例の作用効果の検討
次に、図12及び図13を参照して本実施例の作用効果について検討を加える。ここに、図12は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る光ディスクの内周側及び外周側においてリーダブルエンボスピットが形成されたエリアを図式的に示した模式図である。図13は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る光ディスクの内周側及び外周側においてリーダブルエンボスピットが形成されたエリアと、アンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアとを図式的に示した模式図である。
一般的に、例えば、DVD−RW DL(Dual Layer)では、図12及び図13のグレー部分に示されるエリア(領域)において、リーダブルエンボスピットを形成することが可能である。このリーダブルエンボスピットが形成されたエリアにおいては、リーダブルエンボスピットとランドプリピット(LPP:Land Pre-Pit)との干渉による影響を低減するために、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアにおいては、ランドプリピットは重畳されない。従って、例えばリードインエリア、リードアウトエリア、又はミドルエリア等の緩衝用エリアにおけるリーダブルエンボスピットが形成されたエリアの一部に隣接するエリア(Groove area)において記録を開始する場合、次のような技術的な問題点が生じてしまう。即ち、隣接するリーダブルエンボスエリアにおいてはランドプリピットが形成されていないため、その直後の記録可能エリアにおいて記録を開始する時点ではランドプリピットから記録クロックを生成することは技術的に困難となってしまう。
そのため、次のような2つの手法が一般的に提案されている。即ち(i)例えばリードインエリア等の緩衝用エリアに形成されたリーダブルエンボスピットから記録クロックを生成する手法が提案されている。或いは(ii)現行のDVD−RWのように、例えばリードインエリア等の緩衝用エリアに形成されたリーダブルエンボスピットに隣接するエリアにおいては、ランドプリピットを重畳することが可能なアンリーダブルエンボスピット(Unreadable Emboss Pit)が形成されたエリアを設ける手法についても提案されている。ここに、本実施例に係る「アンリーダブルエンボスピット」とは、情報記録再生装置によってトラッキング制御を行わしめることを目的とし、アドレス等の情報を保持しない、リーダブルエンボスピットと比較して凹凸の小さいピットのことである。
これに対して、本実施例に係る光ディスクにおいては、本発明の所定の記録エリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報を含む管理情報が記録可能であるので、次のような例えば4つの効果を享受することが可能である。
1つ目の効果としては、前述した(i)の手法を採用した場合、先ず、リーダブルエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報(前述したEIコード51a)が、情報記録再生装置によって取得される。次に、当該情報記録再生装置は、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置等を把握(特定)できるので、リーダブルエンボスエリアの直後に位置するエリアに記録する場合に適切な記録クロック生成処理を行うことができる。即ち、リーダブルエンボスエリアの直後に記録する場合は、その少し前のリーダブルエンボスエリアにおいて、ランドプリピットの代わりに、リーダブルエンボスピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替える(図12中の白抜きの矢印を参照)。具体的には、図12(a)中のL0層におけるBuffer zone 0の終了端、及びCDZの終了端、並びに、L1層におけるリードアウトエリアの途中、図12(b)中のL0層におけるミドルエリアの途中、並びに、L1層におけるミドルエリアの終了端まで、リーダブルエンボスピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を行う。
その後、記録が実施されるリーダブルエンボスピットが形成されていないエリアに入ったら記録を開始し、それと同時にリーダブルエンボスピットの代わりに、通常の通り、ランドプリピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替える(図12中の黒塗りの矢印を参照)。具体的には、図12(a)中のL0層におけるRW-Physical format information zoneの開始端、及びExtra Border Zoneの開始端、並びに、L1層におけるリードアウトエリアの途中、図12(b)中のL0層におけるミドルエリアの途中、並びに、L1層におけるミドルエリアの終了端から、通常の通り、ランドプリピットから記録クロックを生成するように、記録クロックの生成処理を切り替える。このような記録クロックの生成処理を行うことにより、リーダブルエンボスエリアの直後に位置するエリアに適切な記録を行うことが可能となる。
2つ目の効果としては、例えば、前述した(ii)の手法を採用した場合、先ず、リーダブルエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報(EIコード)が、例えば情報記録再生装置によって取得される。次に、情報記録再生装置は、リーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置と、このエリアに隣接するアンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアの位置とを把握(特定)できる(図13中の黒塗り部分を参照)。従って、仮にアンリーダブルエンボスピットが形成されたエリアにおいて、例えば再生エラーが発生しアドレス情報を取得できなかった場合でも、情報記録再生装置は、このエリアにおいて発生する再生エラーを予見して無視する等のフェイルセーフ処理を含む記録再生動作を実現することが可能となる。
3つ目の効果としては、例えば情報記録再生装置は、リーダブルエンボスピットが形成されているエリアを検索するためのRFサーチや、LPPサーチを行う必要が殆ど又は完全にないので、それらのサーチに要する時間を、記録再生処理から省略することが可能となる。仮に、例えばDVD−R DL等の情報記録媒体においては、エンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報を含む管理情報は存在しない。よって、従来技術においては、記録クロックの生成処理を切り替える位置や、記録情報を読み取ることができないと共に、アンリーダブルエンボスピットが形成されている読取不能エリアの位置を把握(特定)するためには、情報記録再生装置自身が、当該情報記録媒体において、例えばRF信号を取得できるエリアを検索するRFサーチ、及び、例えばLPP信号を取得できるエリアを検索するLPPサーチを行う必要が生じてしまい、それらのサーチにための時間が余分に発生してしまう。
これに対して、本発明では、本発明の所定の記録エリアにおいてエンボスピットが形成されているか否かを識別する第1識別情報を含む管理情報が、例えば情報記録再生装置によって取得可能であるので、RFサーチや、LPPサーチを行う必要が殆ど又は完全にないので、それらのサーチに要する時間を、記録再生処理から省略することが可能となる。
4つ目の効果としては、例えば情報記録再生装置は、前述した管理情報に含まれる第2識別情報(PRIコード51b)に加えて、本発明の第1識別情報(EIコード51a)を把握することで、ファイナライズ処理の際に、リーダブルエンボスピットが形成されたエリア、及び、レーザ光によるプリ記録が行われたエリアを識別しつつ、緩衝用データを記録する領域を迅速且つ的確に把握(特定)することが可能となる。具体的には、第1識別情報に基づいて、ディスク製造メーカーによってエンボスピットが形成され緩衝用データの記録する必要のない領域を把握(特定)することが可能である。加えて、第2識別情報に基づいて、情報記録再生装置によって例えばプリ記録処理によって緩衝用データが既に記録され、ファイナライズ処理の際に緩衝用データの記録する必要のない領域を把握(特定)することが可能である。以上の結果、当該情報記録媒体のファイナライズ処理に掛かる時間の大幅な短縮や、より効率的な短縮を実現させることが可能となり、ユーザは、ファイナライズ処理において、より大きな快適性を体感することが可能となる。
(4)情報記録媒体の第2実施例
次に、図14を参照して、本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る単層型光ディスクの詳細構成について説明する。より具体的には、図14を参照して、単層型光ディスクのデータ構造、該光ディスクの記録領域におけるECCブロックを構成する物理的セクタ番号等のアドレス、並びに、該光ディスクの記録又は再生手順について説明する。ここに、図14は、本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る単層型光ディスクのデータ構造及び該光ディスクの記録領域におけるECCブロックを構成する物理的セクタ番号等のアドレス、並びに、該光ディスクにおける記録又は再生方法を示した概念的グラフである。尚、図14中の縦軸は、例えば16進数で表現されたセクタ番号等のアドレスを示し、横軸は、光ディスクの半径方向の相対的な位置を示す。
図14に示されるように、本発明の情報記録媒体の実施例に係る単層型光ディスク100aは、図示しない透明基板に積層された記録層を備えて構成されている。記録層には、内周側から外周側にかけて、インナーディスクテスティングエリアIDTA、レコーディングマネージメントエリアRMA、リードインエリア101、データエリア102、リードアウトエリア103、アウターディスクテスティングエリアODTAが設けられている。尚、IDTA、及びODTA内の矢印は、パワーキャリブレーションのために記録領域が消費されていく方向を示している。
上述した実施例では、情報記録媒体の一具体例として、例えばブルーレイ、赤色LD光、又は赤外光等のレーザ光によって記録又は再生が可能な、2層型、単層型の光ディスクについて説明した。加えて、本発明は、例えば、3層以上の記録層を備える多層型(マルチプルレイヤ型)の光ディスクにも適用可能である。更に、他の高密度記録或いは高転送レート対応の各種の情報記録媒体にも適用可能である。
また、上述した実施例では、情報記録装置、及び情報再生装置の一具体例として、例えば2層型や単層型の光ディスクに対応した情報記録再生装置について説明した。加えて、本発明は、例えば、3層以上の記録層を備える多層型(マルチプルレイヤ型)の光ディスクに対応した情報記録再生装置にも適用可能である。更に、他の高密度記録或いは高転送レート対応の各種の情報記録媒体に対応した情報記録再生装置にも適用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う、情報記録媒体、情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、コンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。