JP2009116281A - レーザ顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で、簡易に、かつ、小型のセンサを用いて対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径にレーザ光を調節する。
【解決手段】レーザ光源2と、該レーザ光源2から発せられたレーザ光L1のビーム径を調節するビームエキスパンダ10と、該ビームエキスパンダ10によりビーム径が調節されたレーザ光L1の光量を検出するパワーメータ13と、ビームエキスパンダ10によりビーム径が調節されたレーザ光L1を標本Aに集光する対物レンズ6と、ビームエキスパンダ10とパワーメータ13との間の対物レンズ6の瞳位置と光学的に共役な位置に配置され、ビームエキスパンダ10により調節されたビーム径よりも小さい開口径を有する絞り12と、該絞り12を介さずにパワーメータ13により検出されるレーザ光L1の光量および絞り12を介してパワーメータ13により検出されたレーザ光L1の光量に基づいて、ビームエキスパンダ10を制御する制御部14とを備えるレーザ顕微鏡1を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザ光源2と、該レーザ光源2から発せられたレーザ光L1のビーム径を調節するビームエキスパンダ10と、該ビームエキスパンダ10によりビーム径が調節されたレーザ光L1の光量を検出するパワーメータ13と、ビームエキスパンダ10によりビーム径が調節されたレーザ光L1を標本Aに集光する対物レンズ6と、ビームエキスパンダ10とパワーメータ13との間の対物レンズ6の瞳位置と光学的に共役な位置に配置され、ビームエキスパンダ10により調節されたビーム径よりも小さい開口径を有する絞り12と、該絞り12を介さずにパワーメータ13により検出されるレーザ光L1の光量および絞り12を介してパワーメータ13により検出されたレーザ光L1の光量に基づいて、ビームエキスパンダ10を制御する制御部14とを備えるレーザ顕微鏡1を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レーザ顕微鏡に関するものである。
従来、対物レンズの瞳位置におけるビーム径を変化させることにより生じる光軸の角度ズレと平行ズレとを2次元センサで検出し、これらのズレを補正するレーザ顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このレーザ顕微鏡においては、ビーム径測定センサを備えていて、対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径の光ビームを得ることができる。
このレーザ顕微鏡においては、ビーム径測定センサを備えていて、対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径の光ビームを得ることができる。
しかしながら、市販のビーム径測定センサ(CCD方式等)を光路中に配置してビーム径を測定する場合には以下の不都合がある。
すなわち、レーザ光、特に、赤外あるいは近赤外のレーザ光を使用するレーザ顕微鏡の場合には、レーザ光の強度が強いために、十分な耐性を有するCCDを採用しなければならず、高価であるという不都合がある。
また、CCDの多数の画素により受光されたレーザ光の強度情報からなる画像を処理してレーザ光のビーム径を測定する必要があり、処理に時間がかかるという不都合もある。
さらに、CCD方式のビーム径測定センサはその大きさが大きいので、レーザ顕微鏡が大型化してしまうという不都合がある。
すなわち、レーザ光、特に、赤外あるいは近赤外のレーザ光を使用するレーザ顕微鏡の場合には、レーザ光の強度が強いために、十分な耐性を有するCCDを採用しなければならず、高価であるという不都合がある。
また、CCDの多数の画素により受光されたレーザ光の強度情報からなる画像を処理してレーザ光のビーム径を測定する必要があり、処理に時間がかかるという不都合もある。
さらに、CCD方式のビーム径測定センサはその大きさが大きいので、レーザ顕微鏡が大型化してしまうという不都合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、安価で、簡易に、かつ、小型のセンサを用いて対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径にレーザ光を調節することができるレーザ顕微鏡を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、レーザ光源と、該レーザ光源から発せられたレーザ光のビーム径を調節するビームエキスパンダと、該ビームエキスパンダによりビーム径が調節されたレーザ光の光量を検出するパワーメータと、前記ビームエキスパンダによりビーム径が調節されたレーザ光を標本に集光する対物レンズと、前記ビームエキスパンダと前記パワーメータとの間の前記対物レンズの瞳位置と光学的に共役な位置に配置され、前記ビームエキスパンダにより調節されたビーム径よりも小さい開口径を有する絞りと、該絞りを介さずにパワーメータにより検出されるレーザ光の光量および前記絞りを介してパワーメータにより検出されたレーザ光の光量に基づいて、前記ビームエキスパンダを制御する制御部とを備えるレーザ顕微鏡を提供する。
本発明は、レーザ光源と、該レーザ光源から発せられたレーザ光のビーム径を調節するビームエキスパンダと、該ビームエキスパンダによりビーム径が調節されたレーザ光の光量を検出するパワーメータと、前記ビームエキスパンダによりビーム径が調節されたレーザ光を標本に集光する対物レンズと、前記ビームエキスパンダと前記パワーメータとの間の前記対物レンズの瞳位置と光学的に共役な位置に配置され、前記ビームエキスパンダにより調節されたビーム径よりも小さい開口径を有する絞りと、該絞りを介さずにパワーメータにより検出されるレーザ光の光量および前記絞りを介してパワーメータにより検出されたレーザ光の光量に基づいて、前記ビームエキスパンダを制御する制御部とを備えるレーザ顕微鏡を提供する。
本発明によれば、レーザ光源から発せられたレーザ光がビームエキスパンダによってそのビーム径を調節され、対物レンズによって標本に集光されることにより照射される。ビームエキスパンダによりビーム径が調節されたレーザ光は、対物レンズの瞳位置と光学的に共役な位置に配置された絞りを通過させられることにより絞られてパワーメータによりその光量が検出される。
絞りの開口径が予め設定されている場合、その絞りを介してパワーメータにより検出されたレーザ光の光量と、絞りを介さずにパワーメータにより検出されるレーザ光の光量とを比較することにより、所定の関係式により、対物レンズの瞳位置におけるレーザ光のビーム径を算出することができる。これにより、上記パワーメータにより検出されたレーザ光の光量に基づいて、制御部がビームエキスパンダを制御することにより、安価で、簡易に、かつ、小型のセンサを用いて対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径に調節されたレーザ光を標本に照射することができる。
上記発明においては、前記絞りを介さずにパワーメータにより検出されるレーザ光の光量を記憶する記憶部を備え、前記制御部が、前記記憶部に記憶された光量と、絞りを介してパワーメータにより検出されたレーザ光の光量との比に基づいて前記ビームエキスパンダを制御することとしてもよい。
このようにすることで、記憶部に記憶された絞り径の絞りを介さずにパワーメータにより検出されるレーザ光の光量すなわち全光量を利用することにより、ビーム径の調節時には、絞りを介したレーザ光の光量をパワーメータにより検出するだけで足り、さらに簡易に対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径に調節されたレーザ光を標本に照射することができる。
このようにすることで、記憶部に記憶された絞り径の絞りを介さずにパワーメータにより検出されるレーザ光の光量すなわち全光量を利用することにより、ビーム径の調節時には、絞りを介したレーザ光の光量をパワーメータにより検出するだけで足り、さらに簡易に対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径に調節されたレーザ光を標本に照射することができる。
また、上記発明においては、前記絞りが、少なくとも開放状態と、前記レーザ光のビーム径より小さい開口径に絞った状態とで切替可能であり、前記制御部が、前記絞りを開放状態および絞った状態にそれぞれ切り替えて前記パワーメータにより検出されたレーザ光の光量に基づいて、前記ビームエキスパンダを制御することとしてもよい。
このようにすることで、ビーム径の調節時には、絞りを開放状態と絞った状態とに切り替えて、それぞれレーザ光の光量をパワーメータにより検出することにより、さらに精度よくビーム径を調節することができる。
このようにすることで、ビーム径の調節時には、絞りを開放状態と絞った状態とに切り替えて、それぞれレーザ光の光量をパワーメータにより検出することにより、さらに精度よくビーム径を調節することができる。
また、上記発明においては、前記絞りを絞ったときの開口径が、前記対物レンズの瞳径を瞳投影倍率で除算した大きさであり、前記制御部が、絞りを開放状態にして検出したレーザ光の光量に対して、絞りを絞った状態にして検出したレーザ光の光量の比率が略86.5%となるように、前記ビームエキスパンダを制御することとしてもよい。
このようにすることで、計算式を用いることなく、迅速に対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径に調節されたレーザ光を標本に照射することができる。
このようにすることで、計算式を用いることなく、迅速に対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径に調節されたレーザ光を標本に照射することができる。
また、上記発明においては、前記絞りに対して光軸方向に間隔をあけた位置に、少なくとも開放状態と、前記レーザ光のビーム径より小さい開口径に絞った状態とで切替可能な他の絞りが配置され、一方の絞りを絞った状態とし、他方の絞りを開放した状態として、それぞれパワーメータにより検出したレーザ光の光量に基づいて、レーザ光の光軸のズレおよび/または傾きを調節するアライメント調節機構を備えていてもよい。
このようにすることで、2つの絞りと1つのパワーメータとを用いて、レーザ光の光軸の角度ズレおよび平行ズレをアライメント調節機構によって精度よく調節することができる。
このようにすることで、2つの絞りと1つのパワーメータとを用いて、レーザ光の光軸の角度ズレおよび平行ズレをアライメント調節機構によって精度よく調節することができる。
また、上記発明においては、前記絞りに対して光軸方向に間隔をあけた2箇所に、少なくとも開放状態と、前記レーザ光のビーム径より小さい開口径に絞った状態とで切替可能な他の2つの絞りが配置され、各絞りを絞った状態とし、他の絞りを開放した状態として、それぞれパワーメータにより検出したレーザ光の光量および各絞りの開口径に基づいて、レーザ光のダイバージェンスを検出し、ビームウェスト位置が、前記対物レンズの瞳位置に一致するように波面を調節する波面調節機構を備えていてもよい。
このようにすることで、光軸方向に間隔をあけて配置された3つの絞りと1つのパワーメータとを用いてレーザ光のダイバージェンスを検出することができる。すなわち、2つの絞りとパワーメータとを用いた場合には、2つの絞りの間にビームウェスト位置が形成されるとダイバージェンスを検出できないが、光軸方向に間隔をあけた3つの絞りを用いることにより、いかなる場合においてもダイバージェンスを検出でき、波面調節機構によってビームウェスト位置を対物レンズの瞳位置に精度よく一致させることができる。
また、上記発明においては、前記絞りが、光軸上の他の位置に移動可能に設けられ、光軸上の間隔をあけた2箇所に前記絞りを配置して、それぞれパワーメータにより検出したレーザ光の光量に基づいて、レーザ光の光軸のズレおよび/または傾きを調節するアライメント調節機構を備えていてもよい。
このようにすることで、1つの絞りと1つのパワーメータとを用いて、レーザ光の光軸の角度ズレおよび平行ズレをアライメント調節機構によって精度よく調節することができる。
このようにすることで、1つの絞りと1つのパワーメータとを用いて、レーザ光の光軸の角度ズレおよび平行ズレをアライメント調節機構によって精度よく調節することができる。
また、上記発明においては、前記絞りが、光軸上の他の位置に移動可能に設けられ、光軸上の間隔をあけた3箇所に前記絞りを配置して、それぞれパワーメータにより検出したレーザ光の光量および前記絞りの開口径に基づいて、レーザ光のダイバージェンスを検出し、ビームウェスト位置が、前記対物レンズの瞳位置に一致するように波面を調節する波面調節機構を備えていてもよい。
このようにすることで、1つの絞りと1つのパワーメータとを用いてレーザ光のダイバージェンスを検出することができる。
このようにすることで、1つの絞りと1つのパワーメータとを用いてレーザ光のダイバージェンスを検出することができる。
また、上記発明においては、前記絞りが、開口径を連続的に変更可能であり、前記パワーメータにより検出したレーザ光の光量が一定となる絞りの開口径に基づいてレーザ光のダイバージェンスを検出することとしてもよい。
このようにすることで、光軸方向に間隔をあけた3箇所におけるレーザ光のビーム径を直接的に検出でき、波面調節機構によってビームウェスト位置を対物レンズの瞳位置に精度よく一致させることができる。
このようにすることで、光軸方向に間隔をあけた3箇所におけるレーザ光のビーム径を直接的に検出でき、波面調節機構によってビームウェスト位置を対物レンズの瞳位置に精度よく一致させることができる。
また、上記発明においては、前記レーザ光源が、出射するレーザ光の波長を切替可能に設けられ、前記制御部は、前記レーザ光源から出射されるレーザ光の波長が切り替えられたときに、前記ビームエキスパンダを制御することとしてもよい。
このようにすることで、レーザ光源において出射するレーザ光の波長が切り替えられると、出射されるレーザ光のビーム径が変化するので、制御部がビームエキスパンダを制御することにより、対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径に調節されたレーザ光を標本に照射することができる。
このようにすることで、レーザ光源において出射するレーザ光の波長が切り替えられると、出射されるレーザ光のビーム径が変化するので、制御部がビームエキスパンダを制御することにより、対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径に調節されたレーザ光を標本に照射することができる。
また、上記発明においては、前記対物レンズが、切替可能に複数備えられ、前記制御部は、前記対物レンズが切り替えられたときに、前記ビームエキスパンダを制御することとしてもよい。
このようにすることで、対物レンズが切り替えられてその瞳径が変化しても、制御部がビームエキスパンダを制御することにより、対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径に調節されたレーザ光を標本に照射することができる。
このようにすることで、対物レンズが切り替えられてその瞳径が変化しても、制御部がビームエキスパンダを制御することにより、対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径に調節されたレーザ光を標本に照射することができる。
本発明によれば、安価で、簡易に、かつ、小型のセンサを用いて対物レンズの瞳径に対応した理想的なビーム径にレーザ光を調節することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係るレーザ顕微鏡1について、図1および図2を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡1は、図1に示すように、レーザ光L1を発振するレーザ光源2と、レーザ光源2から出射されたレーザ光L1を2次元的に走査するスキャナ3と、該スキャナ3により走査されたレーザ光L1を集光して略平行光にする瞳投影レンズ4および結像レンズ5と、略平行光にされたレーザ光L1を集光して標本Aに照射する一方、標本Aにおいて発生した蛍光L2を集光する対物レンズ6と、該対物レンズ6および結像レンズ5により集光された蛍光L2をレーザ光L1から分離するダイクロイックミラー7と、前記結像レンズ5の結像位置に配置され蛍光L2を検出する光検出器8とを備えている。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡1は、図1に示すように、レーザ光L1を発振するレーザ光源2と、レーザ光源2から出射されたレーザ光L1を2次元的に走査するスキャナ3と、該スキャナ3により走査されたレーザ光L1を集光して略平行光にする瞳投影レンズ4および結像レンズ5と、略平行光にされたレーザ光L1を集光して標本Aに照射する一方、標本Aにおいて発生した蛍光L2を集光する対物レンズ6と、該対物レンズ6および結像レンズ5により集光された蛍光L2をレーザ光L1から分離するダイクロイックミラー7と、前記結像レンズ5の結像位置に配置され蛍光L2を検出する光検出器8とを備えている。
また、本実施形態に係るレーザ顕微鏡1は、レーザ光源2とスキャナ3との間の光軸上に配置された、アライメント調節機構9およびビームエキスパンダ10を備えている。また、ビームエキスパンダ10とスキャナ3との間には、レーザ光L1の一部を分岐する分光ミラー11が配置され、分岐された光路上には、絞り12とパワーメータ13とが配置されている。
さらに、本実施形態に係るレーザ顕微鏡1は、絞り12の開口径とパワーメータ13の出力とに基づいてビームエキスパンダ10を制御する制御部14を備えている。
さらに、本実施形態に係るレーザ顕微鏡1は、絞り12の開口径とパワーメータ13の出力とに基づいてビームエキスパンダ10を制御する制御部14を備えている。
レーザ光源2は、多光子蛍光観察用の超短パルスレーザ光L1を出射するレーザ光源2であって、出射するレーザ光L1の波長を切り替えることができるようになっている。
スキャナ3は、例えば、近接ガルバノミラーである。スキャナ3は、対物レンズ6の瞳位置と光学的に共役な位置に配置されている。
スキャナ3は、例えば、近接ガルバノミラーである。スキャナ3は、対物レンズ6の瞳位置と光学的に共役な位置に配置されている。
アライメント調節機構9は、例えば、相互に直交する方向に並進移動および揺動可能な2枚のミラー9a,9bを対向させて構成されている。ミラー9a,9bを並進移動させることで、光軸の平行ズレを補正し、ミラー9a,9bを揺動させることで、光軸の角度ズレを補正することができるようになっている。
ビームエキスパンダ10は、複数のレンズの内の1以上のレンズを光軸方向に移動させることで、レーザ光L1のビーム径を調節することができるようになっている。
絞り12は、図2に示されるように、対物レンズ6の瞳位置と光学的に共役な第1の位置P1と、該第1の位置P1に対して光軸方向に所定の間隔をあけた第2の位置P2とに移動可能に配置されている。絞り12を第1の位置P1に配置することにより、絞り12を通過するレーザ光L1のビーム径を、対物レンズ6の瞳位置に入射されるレーザ光L1のビーム径を瞳投影レンズ4および結像レンズ5による瞳投影倍率で除算した値とすることができるになっている。
絞り12は、図2に示されるように、対物レンズ6の瞳位置と光学的に共役な第1の位置P1と、該第1の位置P1に対して光軸方向に所定の間隔をあけた第2の位置P2とに移動可能に配置されている。絞り12を第1の位置P1に配置することにより、絞り12を通過するレーザ光L1のビーム径を、対物レンズ6の瞳位置に入射されるレーザ光L1のビーム径を瞳投影レンズ4および結像レンズ5による瞳投影倍率で除算した値とすることができるになっている。
また、絞り12は、その開口径を開放状態と絞った状態とに開閉することができるようになっている。開放した状態では、絞り12の開口径はレーザ光L1のビーム径より十分に大きく設定され、レーザ光L1が蹴られることなく、その全光量を通過させることができるようになっている。
絞り12の絞った状態での開口径は、使用される対物レンズ6の瞳径を瞳投影倍率で除算した値となるように設定されている。使用される対物レンズ6が複数ある場合には、それら複数の対物レンズ6の瞳径に対応した開口径に設定できるようになっている。
パワーメータ13は、絞り12を通過したレーザ光L1の光量を検出するようになっている。
制御部14は、使用される対物レンズ6の種類に応じて絞り12の開口径を切り替えるとともに、パワーメータ13により検出された光量に基づいてビームエキスパンダ10を制御するようになっている。
制御部14は、使用される対物レンズ6の種類に応じて絞り12の開口径を切り替えるとともに、パワーメータ13により検出された光量に基づいてビームエキスパンダ10を制御するようになっている。
具体的には、制御部14は、レーザ光源2から出射されるレーザ光L1の波長が切り替えられたときには、絞り12の開口径を開放状態にして、分光ミラー11によって分岐されたレーザ光L1の全光量をパワーメータ13により検出させるようになっている。制御部14は、検出されたレーザ光L1の全光量をパワーメータ13から受け取って記憶しておくようになっている。
次いで、対物レンズ6が設定されたときには、該対物レンズ6の瞳径を瞳投影倍率で除算した開口径となるように絞り12を設定するようになっている。そして、この状態で、パワーメータ13により検出されたレーザ光L1の光量が、記憶しているレーザ光L1の全光量に対して86.5%となるようにビームエキスパンダ10を制御するようになっている。
このように構成された本実施形態に係るレーザ顕微鏡1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡1を用いて標本Aの多光子蛍光観察を行うには、レーザ光源2から出射するレーザ光L1の波長を設定し、使用する対物レンズ6を選択する。レーザ光L1の波長を変更することにより、レーザ光L1のビーム径が変動し、対物レンズ6を変更することにより対物レンズ6の瞳径が変化する。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡1を用いて標本Aの多光子蛍光観察を行うには、レーザ光源2から出射するレーザ光L1の波長を設定し、使用する対物レンズ6を選択する。レーザ光L1の波長を変更することにより、レーザ光L1のビーム径が変動し、対物レンズ6を変更することにより対物レンズ6の瞳径が変化する。
したがって、制御部14は、まず、絞り12を駆動して、開放状態に設定し、そのときのパワーメータ13により検出される光量を記憶する。次いで、絞り12をビーム径より十分に小さい所定の開口径に固定する。そして、絞り12を第1の位置P1および第2の位置P2にそれぞれ配置して、パワーメータ13により検出される光量を監視しながら、2つの位置P1,P2において、いずれもパワーメータ13により検出される光量が最大となるように、アライメント調節機構9を調節する。これにより、レーザ光L1の光軸の平行ズレおよび角度ズレが補正される。
この状態で、絞り12を、対物レンズ6の瞳位置と光学的に共役な第1の位置P1に配置し、その開口径を、選択された対物レンズ6の瞳径を瞳投影倍率で除算した値に固定する。そして、ビームエキスパンダ10を作動させて、パワーメータ13により検出される光量が、記憶されている全光量に対して86.5%となるように、レーザ光L1のビーム径を調節する。
ビームエキスパンダ10の作動により光軸ズレが発生する場合には、再度アライメント調節機構9および絞り12を作動させることによる光軸ズレの補正と、ビームエキスパンダ10によるビーム径の調節とを繰り返す。これにより、レーザ光L1のビーム径が対物レンズ6の瞳径に等しくなるように設定される。
すなわち、本実施形態によれば、CCDのような2次元検出器を用いることなく、絞り12とパワーメータ13という安価、簡易かつ小型の構成によって、対物レンズ6の瞳径に対応した理想的なビーム径にレーザ光L1を調節することができる。また、本実施形態によれば、絞り12を光軸方向の2箇所に移動することにより、レーザ光L1の光軸ズレ、すなわち、平行ズレおよび角度ズレを検出することができ、これを効率的に補正することができる。
そして、このように構成された本実施形態によれば、上記のようにして光軸ズレが補正されかつ対物レンズ6の瞳径に対応した理想的なビーム径に調節されたレーザ光L1をスキャナ3により標本A上において2次元的に走査させ、標本Aにおいて発生した蛍光を対物レンズ6および結像レンズ5を介して集光し、ダイクロイックミラー7を透過させて光検出器8により検出することで、標本Aの所定範囲にわたる2次元的な蛍光画像を取得することができる。
この場合に、アライメント調節機構9により光軸ズレが精度よく補正され、対物レンズ6の瞳位置において、瞳径に一致するガウシアンビーム半径を有するレーザ光L1が形成されるので、レーザ光源2から出射されるレーザ光L1を無駄なく効率的に標本Aに照射させ、明るく鮮明な多光子蛍光画像を取得すことができる。
なお、本実施形態においては、単一の絞り12を光軸方向に離れた第1の位置P1および第2の位置P2に移動させて光軸ズレを検出することとしたが、これに代えて、第1の位置P1および第2の位置P2に2つの絞り12を配置することにしてもよい。
また、本実施形態においては、絞り12として、開放状態と絞った状態とに切り替え可能な可変絞りを採用したが、これに代えて、開放状態の空孔と所定の開口径の絞り12とをターレットあるいはスライダにより切り替える方式を採用してもよい。
また、本実施形態においては、絞り12として、開放状態と絞った状態とに切り替え可能な可変絞りを採用したが、これに代えて、開放状態の空孔と所定の開口径の絞り12とをターレットあるいはスライダにより切り替える方式を採用してもよい。
また、本実施形態においては、絞り12を開放状態として全光量を検出することとしたが、これに代えて、レーザ光L1の全光量が変化しない場合には、全光量を記憶部に記憶しておき、その都度検出しないこととしてもよい。この場合には、絞り12としては、所定の開口径に固定された絞り12を用いることにすればよい。
さらに、絞った状態での絞り12の開口径として、対物レンズ6の瞳径を瞳投影倍率で除算した値を採用し、パワーメータ13により検出される光量が全光量の86.5%となるようにビームエキスパンダ10を調節することとしたが、これに代えて、対物レンズ6を任意の既知の開口径に固定した場合には、パワーメータ13により検出される光量の全光量に対する比率を算出し、以下の式(1)に基づいて、ビーム径を算出し、所望のビーム径が得られるように、ビームエキスパンダ10を調節することとしてもよい。
P(r)=P(∞)・[1−exp(−2r2/ω0 2)] (1)
ここで、
r:絞り12の開口径
P(r):開口径r内に包含されるレーザ光L1の光量
P(∞):レーザ光L1の全光量
ω0:レーザ光L1のガウシアンビーム半径
である。
ここで、
r:絞り12の開口径
P(r):開口径r内に包含されるレーザ光L1の光量
P(∞):レーザ光L1の全光量
ω0:レーザ光L1のガウシアンビーム半径
である。
また、他の方法により、レーザ光L1の光軸ズレ補正を行うことができる場合、あるいは、レーザ光L1の光軸ズレが無視できる場合には、図1のアライメント調節機構9は不要であり、その場合には、絞り12は対物レンズ6の瞳位置と光学的に共役な位置のみに固定されていてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係るレーザ顕微鏡20について、図3〜図5を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において上述した第1の実施形態に係るレーザ顕微鏡1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の説明において上述した第1の実施形態に係るレーザ顕微鏡1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡20は、絞り12′として、第1の位置P1および第2の位置P2に対して光軸方向に間隔をあけた第3の位置P3に移動可能なものを採用している点、および、ビームエキスパンダ10′として、ビーム径と波面とを独立して調節可能なビームエキスパンダ10′を採用している点において、第1の実施形態と相違している。
このように構成された本実施形態に係るレーザ顕微鏡20の作用について以下に説明する。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡20によれば、第1の実施形態と同様にして、レーザ光L1の光軸ズレおよびビーム径を調節した後に、第1〜第3の位置P1〜P3においてレーザ光L1のビーム径を測定し、レーザ光L1のダイバージェンスを測定する。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡20によれば、第1の実施形態と同様にして、レーザ光L1の光軸ズレおよびビーム径を調節した後に、第1〜第3の位置P1〜P3においてレーザ光L1のビーム径を測定し、レーザ光L1のダイバージェンスを測定する。
具体的には、第1〜第3の位置P1〜P3のそれぞれの位置において、パワーメータ13により検出されるレーザ光L1の光量を監視しながら、絞り12′の開口径を開放状態から徐々に絞っていくことにより、パワーメータ13により検出される光量が、全光量に対して86.5%となる位置で開口径を記録する。3箇所における開口径を検出することにより、図4に示されるように、レーザ光L1が徐々に広がっていく場合あるいは狭まっていく場合のみならず、図5に示されるように、第1の位置P1と第3の位置P3との間にビームウェストWが存在する場合においても、そのダイバージェンスを測定することができる。
そして、測定結果に基づいて、ビームエキスパンダ10を駆動して、ビームウェストWが対物レンズ6の瞳位置に配置されるように波面を調節する。これにより、対物レンズ6の瞳径に対応した理想的なビーム径およびダイバージェンスに調節されたレーザ光L1を対物レンズ6により集光させて、対物レンズ6の焦点位置の位置ズレを防止し、標本Aにおいて効率的に多光子励起効果を発生させることができる。
なお、本実施形態においても、絞り12′を第1〜第3の位置P1〜P3にそれぞれ移動させて、各位置におけるビーム径の測定を行うことに代えて、第1〜第3の位置P1〜P3に3個の絞り12′を固定して、ビーム径を測定することにしてもよい。この場合には、各位置においてビーム径を測定するときには、他の2つの位置における絞り12′は開放状態として測定する。
また、絞り12′の開口径を開放状態から徐々に絞っていくことにより、パワーメータ13により検出される光量が、全光量に対して86.5%となる位置で開口径を記録することに代えて、所定の既知の開口径を有する絞り12′を用いて、当該絞り12′を介してパワーメータ13により検出されるレーザ光L1の光量の全光量に対する比率に基づいて、上記式(1)を用いてビーム径を算出することにしてもよい。
A 標本
L1 レーザ光
P1 第1の位置
P2 第2の位置
P3 第3の位置
W ビームウェスト
1,20 レーザ顕微鏡
2 レーザ光源
6 対物レンズ
9 アライメント調節機構
10 ビームエキスパンダ(波面調節機構)
12,12′ 絞り
13 パワーメータ
14 制御部
L1 レーザ光
P1 第1の位置
P2 第2の位置
P3 第3の位置
W ビームウェスト
1,20 レーザ顕微鏡
2 レーザ光源
6 対物レンズ
9 アライメント調節機構
10 ビームエキスパンダ(波面調節機構)
12,12′ 絞り
13 パワーメータ
14 制御部
Claims (11)
- レーザ光源と、
該レーザ光源から発せられたレーザ光のビーム径を調節するビームエキスパンダと、
該ビームエキスパンダによりビーム径が調節されたレーザ光の光量を検出するパワーメータと、
前記ビームエキスパンダによりビーム径が調節されたレーザ光を標本に集光する対物レンズと、
前記ビームエキスパンダと前記パワーメータとの間の前記対物レンズの瞳位置と光学的に共役な位置に配置され、前記ビームエキスパンダにより調節されたビーム径よりも小さい開口径を有する絞りと、
該絞りを介さずにパワーメータにより検出されるレーザ光の光量および前記絞りを介してパワーメータにより検出されたレーザ光の光量に基づいて、前記ビームエキスパンダを制御する制御部とを備えるレーザ顕微鏡。 - 前記絞りを介さずにパワーメータにより検出されるレーザ光の光量を記憶する記憶部を備え、
前記制御部が、前記記憶部に記憶された光量と、絞りを介してパワーメータにより検出されたレーザ光の光量との比に基づいて前記ビームエキスパンダを制御する請求項1に記載のレーザ顕微鏡。 - 前記絞りが、少なくとも開放状態と、前記レーザ光のビーム径より小さい開口径に絞った状態とで切替可能であり、
前記制御部が、前記絞りを開放状態および絞った状態にそれぞれ切り替えて前記パワーメータにより検出されたレーザ光の光量に基づいて、前記ビームエキスパンダを制御する請求項1に記載のレーザ顕微鏡。 - 前記絞りを絞ったときの開口径が、前記対物レンズの瞳径を瞳投影倍率で除算した大きさであり、
前記制御部が、絞りを開放状態にして検出したレーザ光の光量に対して、絞りを絞った状態にして検出したレーザ光の光量の比率が略86.5%となるように、前記ビームエキスパンダを制御する請求項3に記載のレーザ顕微鏡。 - 前記絞りに対して光軸方向に間隔をあけた位置に、少なくとも開放状態と、前記レーザ光のビーム径より小さい開口径に絞った状態とで切替可能な他の絞りが配置され、
一方の絞りを絞った状態とし、他方の絞りを開放した状態として、それぞれパワーメータにより検出したレーザ光の光量に基づいて、レーザ光の光軸のズレおよび/または傾きを調節するアライメント調節機構を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載のレーザ顕微鏡。 - 前記絞りに対して光軸方向に間隔をあけた2箇所に、少なくとも開放状態と、前記レーザ光のビーム径より小さい開口径に絞った状態とで切替可能な他の2つの絞りが配置され、
各絞りを絞った状態とし、他の絞りを開放した状態として、それぞれパワーメータにより検出したレーザ光の光量および各絞りの開口径に基づいて、レーザ光のダイバージェンスを検出し、ビームウェスト位置が、前記対物レンズの瞳位置に一致するように波面を調節する波面調節機構を備える請求項1から請求項5のいずれかに記載のレーザ顕微鏡。 - 前記絞りが、光軸上の他の位置に移動可能に設けられ、
光軸上の間隔をあけた2箇所に前記絞りを配置して、それぞれパワーメータにより検出したレーザ光の光量に基づいて、レーザ光の光軸のズレおよび/または傾きを調節するアライメント調節機構を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載のレーザ顕微鏡。 - 前記絞りが、光軸上の他の位置に移動可能に設けられ、
光軸上の間隔をあけた3箇所に前記絞りを配置して、それぞれパワーメータにより検出したレーザ光の光量および前記絞りの開口径に基づいて、レーザ光のダイバージェンスを検出し、ビームウェスト位置が、前記対物レンズの瞳位置に一致するように波面を調節する波面調節機構を備える請求項1から請求項4または請求項7のいずれかに記載のレーザ顕微鏡。 - 前記絞りが、開口径を連続的に変更可能であり、
前記パワーメータにより検出したレーザ光の光量が一定となる絞りの開口径に基づいてレーザ光のダイバージェンスを検出する請求項8に記載のレーザ顕微鏡。 - 前記レーザ光源が、出射するレーザ光の波長を切替可能に設けられ、
前記制御部は、前記レーザ光源から出射されるレーザ光の波長が切り替えられたときに、前記ビームエキスパンダを制御する請求項1に記載のレーザ顕微鏡。 - 前記対物レンズが、切替可能に複数備えられ、
前記制御部は、前記対物レンズが切り替えられたときに、前記ビームエキスパンダを制御する請求項1に記載のレーザ顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007292438A JP2009116281A (ja) | 2007-11-09 | 2007-11-09 | レーザ顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007292438A JP2009116281A (ja) | 2007-11-09 | 2007-11-09 | レーザ顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009116281A true JP2009116281A (ja) | 2009-05-28 |
Family
ID=40783448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007292438A Withdrawn JP2009116281A (ja) | 2007-11-09 | 2007-11-09 | レーザ顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009116281A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011180411A (ja) * | 2010-03-02 | 2011-09-15 | Yokogawa Electric Corp | 共焦点顕微鏡システム |
JP2013025301A (ja) * | 2011-07-26 | 2013-02-04 | Yokogawa Electric Corp | 顕微鏡装置 |
-
2007
- 2007-11-09 JP JP2007292438A patent/JP2009116281A/ja not_active Withdrawn
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