JP2009115988A - 電子写真機器用現像ロールおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来に比較して、均一な表面凹凸を有する電子写真機器用現像ロールを提供すること。
【解決手段】下層20と、下層20の表面を被覆する表層18とを有し、表層18中には、下層20に接触して粗さ形成用粒子22が分布しており、表層18の表面には、粗さ形成用粒子22に起因する表面凹凸24が形成された現像ロール10とする。粗さ形成用粒子22の90%以上は、下層20に接触していることが好ましい。
【選択図】図3
【解決手段】下層20と、下層20の表面を被覆する表層18とを有し、表層18中には、下層20に接触して粗さ形成用粒子22が分布しており、表層18の表面には、粗さ形成用粒子22に起因する表面凹凸24が形成された現像ロール10とする。粗さ形成用粒子22の90%以上は、下層20に接触していることが好ましい。
【選択図】図3
Description
本発明は、電子写真機器用現像ロールおよびその製造方法に関するものである。
近年、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器が広く使用されている。これら電子写真機器の内部には、通常、感光ドラムが組み込まれている。そして、この感光ドラムの周囲には、現像ロール、帯電ロール、トナー供給ロール、転写ロールなどが配設されている。
上記電子写真機器における現像方式としては、例えば、接触現像方式が知られている。接触現像方式では、トナー層形成用ブレードを現像ロール表面に押しつけることにより、現像ロール表面にトナー層が形成される。そして、このロール表面を、感光ドラム表面に接触あるいは近接させることにより、感光ドラム表面の潜像にトナーを付着させる。
このように用いられる現像ロールには、良好なトナー搬送性が要求される。そのため、現像ロールは、通常、ロール表面に表面凹凸が形成されていることが多い。
例えば、特許文献1には、芯金の外周に形成した導電性シリコーンゴム層の外周に、ウレタン粒子を添加したウレタン系塗料を塗布、乾燥、熱硬化させて表層とすることにより、表層の表面に表面凹凸を形成した現像ロールが開示されている。
しかしながら、従来知られる現像ロールは、以下の点で改良の余地があった。
すなわち、近年、電子写真機器分野では、電子写真機器の高画質化に対する需要が急速に高まってきている。そのため、それに伴い、電子写真機器に組み込まれる現像ロールには、均一なトナー搬送性が要求されるようになっている。トナー搬送性が均一でないと、画像濃度ばらつきが大きくなり、画質の低下を招くからである。
この点に関し、従来の現像ロールは、粗さ形成用粒子を添加した塗料を塗布することにより表面凹凸を形成している。そのため、図5に示すように、粗さ形成用粒子22は、実質的に、表層18中に浮かんだ状態で固定されている。つまり、表層18中の粗さ形成用粒子22は、下層20にほとんど接触していない。
このように、下層と粗さ形成粒子との間に距離差が生じている(粗さ形成用粒子の下方に、表層の構成材料が回り込んでいる)と、これが原因でロール表面の凹凸高さが不均一になる。凹凸高さが不均一になると、相対的に高さの高い部分はトナー供給ロールから余分にトナーをかき取り、また、相対的に高さの低い部分はトナーを十分に保持することができなくなる。その結果、トナー搬送性が不均一になりやすいといった問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、従来に比較して、均一な表面凹凸を有する電子写真機器用現像ロールを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る電子写真機器用現像ロールは、下層と、上記下層の表面を被覆する表層とを有し、上記表層中には、上記下層に接触して粗さ形成用粒子が分布しており、上記表層の表面には、上記粗さ形成用粒子に起因する表面凹凸が形成されていることを要旨とする。
ここで、上記粗さ形成用粒子の90%以上は、上記下層に接触していることが好ましい。
また、上記粗さ形成用粒子は、実質的に同一面内に存在することが好ましい。
また、ロール表面粗さRzのロール1本内標準偏差は、0.5以下であることが好ましい。
また、上記表層の膜厚は、上記粗さ形成用粒子の平均粒径以下であることが好ましい。
また、上記表層のうち、上記粗さ形成用粒子を除いた部分は、コーティングにより形成されていることが好ましい。
また、上記下層は、軸体の外周に形成されたベース層、または、上記ベース層の外周に形成された中間層であることが好ましい。
一方、本発明に係る電子写真機器用現像ロールの製造方法は、下層表面に粗さ形成用粒子を付着させる工程と、上記下層に接触していない余剰の粗さ形成用粒子を除去する工程と、上記粗さ形成用粒子が付着した下層の表面を、表層材料により被覆する工程とを有することを要旨とする。
ここで、上記製造方法では、上記粗さ形成用粒子の付着を静電塗装により行うことが好ましい。
また、上記余剰の粗さ形成粒子の除去を気体の吹き付けにより行うことが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用現像ロールは、下層と、下層の表面を被覆する表層とを有しており、この表層中には、下層に接触して粗さ形成用粒子が分布している。そして、表層の表面には、この粗さ形成用粒子に起因する表面凹凸が形成されている。
上記現像ロールによれば、下層に接触して粗さ形成用粒子が分布しているので、従来の現像ロールに存在していた、下層と粗さ形成粒子と間の距離差をほとんどなくすことができる。
そのため、上記粗さ形成用粒子に起因して表層の表面に形成される表面凹凸は、従来に比べ、均一に高さが揃った状態になる。
したがって、上記現像ロールによれば、均一なトナー搬送性を発揮でき、これにより画像濃度ばらつきが低減され、高画質な画像の形成に寄与することができる。
ここで、粗さ形成用粒子の90%以上が下層に接触している場合には、一層均一な表面凹凸が得られるので、上記作用効果に優れる。
また、粗さ形成用粒子が実質的に同一面内に存在している場合にも、一層均一な表面凹凸が得られるので、上記作用効果に優れる。
この際、ロール表面粗さRzのロール1本内標準偏差が0.5以下である場合には、従来の現像ロールに比較して、画像濃度ムラを低減しやすくなる。
また、表層の膜厚(粗さ形成用粒子が存在していない部分における膜厚)が、上記粗さ形成用粒子の平均粒径以下である場合には、十分な表面粗さを付与することができ、トナー搬送性を確保しやすくなる。
また、表層のうち、上記粗さ形成用粒子を除いた部分が、コーティングにより形成されている場合には、比較的簡易に表層を形成することができる。
また、上記下層が、軸体の外周に形成されたベース層、または、上記ベース層の外周に形成された中間層である場合には、比較的簡素なロール構成となり、ロール製造性に優れる。
一方、本発明に係る現像ロールの製造方法は、下層表面に粗さ形成用粒子を付着させた後、下層に接触していない余剰の粗さ形成用粒子を除去し、その後、粗さ形成用粒子が付着した下層の表面を表層材料により被覆する。
そのため、下層に接触して粗さ形成用粒子が分布しており、この粗さ形成用粒子に起因する表面凹凸が形成された現像ロールを、比較的容易に製造することができる。
ここで、粗さ形成用粒子の付着を静電塗装により行う場合には、静電気力により、下層表面に粗さ形成用粒子を吸着させることができる。そのため、例えば、下層材料が粘着性を有するものに限定されることなく、非粘着性のものを用いることができる。それ故、下層材料の材料選択の自由度が向上し、各種ロール特性の調整が行いやすくなる。
また、余剰の粗さ形成粒子の除去を気体の吹き付けにより行う場合には、下層表面に付着した粗さ形成粒子の上部に重なっている余剰の粗さ形成粒子を、比較的簡易に吹き飛ばすことができる。そのため、粗さ形成用粒子が膜厚方向に積み重なっておらず、実質的に同一面内に存在する現像ロールを製造しやすくなる。
以下、本実施形態に係る電子写真機器用現像ロール(以下、「本現像ロール」ということがある。)、本現像ロールの製造方法(以下、「本製造方法」ということがある。)について説明する。
1.本現像ロール
本現像ロールは、軸体の外周に、ロール層構成として、少なくとも下層と表層とを有している。ここで、本願にいう下層とは、表層よりもロール中心側(内側)に配置されている層であって、表層と直接接している層をいう。
本現像ロールは、軸体の外周に、ロール層構成として、少なくとも下層と表層とを有している。ここで、本願にいう下層とは、表層よりもロール中心側(内側)に配置されている層であって、表層と直接接している層をいう。
本現像ロールは、具体的には、軸体の外周に、下層、表層がこの順に積層された積層構造を有していても良いし、あるいは、軸体の外周に、他の層が1層または2層以上積層されており、これら他の層のうち最も外側に配置されている他の層の外周に、下層、表層がこの順に積層された積層構造を有していても良い。以下、図面を用いてより具体的に説明する。
図1は、本現像ロールの一例を模式的に示した周方向断面図である。図2は、本現像ロールの他の例を模式的に示した周方向断面図である。なお、図1および図2では、ロール表面の凹凸状態は省略されている。
図1に示す現像ロール10は、軸体12の外周にベース層14が形成され、このベース層14の表面に接して表層18が形成されている。したがって、この場合、ベース層14が、本願にいう下層に該当する。
一方、図2に示す現像ロール10は、軸体12の外周にベース層14が形成され、このベース層14の外周に中間層16が形成され、この中間層16の表面に接して表層18が形成されている。したがって、この場合、中間層16が、本願にいう下層に該当する。
上記ベース層、中間層は、それぞれ、単層から構成されていても良いし、複数層から構成されていても良い。好ましくは、積層構造の簡略化、ロール生産性の向上などの観点から、ベース層、中間層は、単層から構成されていることが好ましい。
本現像ロールとしては、各種のコーティング法を用いて本願の下層を形成しやすいなどの観点から、図2の構造のものを好適に採用することができる。
図3は、図1または図2に例示した現像ロールの表面近傍の一例を拡大して模式的に示した断面図である。
ここで、図3に示すように、現像ロール10において、表層18は、下層20(図1の構造であればベース層14、図2の構造であれば中間層16)の表面を被覆している。この表層18中には、下層20に接触して粗さ形成用粒子22が分布している。そして、表層18の表面には、粗さ形成用粒子22に起因する表面凹凸24が形成されている。
粗さ形成用粒子は、その90%以上が下層に接触していることが好ましい。ほぼ全ての粗さ形成用粒子が下層に接触して分布しておれば、下層と粗さ形成粒子と間の距離差がより均一になり、一層均一な表面凹凸が得られるからである。
上記粗さ形成用粒子は、下層に粘着されていなくても、下層に粘着されていても構わない。好ましくは、前者である。粗さ形成用粒子が下層に粘着されていなければ、下層の構成材料として、非粘着性のものを用いることができる。そのため、下層材料の材料選択の自由度が向上し、硬度や電気抵抗など、各種ロール特性の調整が行いやすくなるからである。
なお、粗さ形成用粒子が下層に接触しているか否かについては、ロール断面をレーザー顕微鏡などで確認するなどの方法により把握することができる。粗さ形成用粒子が下層に接触している割合は、ロール軸方向の左端部、中央部、右端部について、それぞれロール周方向に3箇所(3等分)、つまり、合計9視野を断面観察し、観察した視野中に存在する粒子の数全体に占める、下層に接触している粒子の割合のことである。
また、粗さ形成用粒子は、実質的に同一面内に存在している、換言すれば、ロール径方向に粒子が積み重なっていないことが好ましい。粗さ形成粒子同士の頂部高さがより均一になり、一層均一な表面凹凸が得られるからである。
なお、図3では、粗さ形成用粒子の頂部が表層中に存在している場合を示したが、粗さ形成用粒子の頂部は、その一部が表層の表面に露出していても構わない。
本現像ロールにおいて、ロール表面の表面粗さRz(JIS B 0601−1984に準拠して測定される十点平均粗さRz)は、トナーの均一搬送性、均一な画像濃度を得やすいなどの観点から、Rzの上限が、好ましくは、30μm以下、より好ましくは、25μm以下、さらに好ましくは、20μm以下であると良い。
一方、Rzの下限は、十分なトナー搬送性を確保するなどの観点から、好ましくは、2μm以上、より好ましくは、5μm以上、さらに好ましくは、10μm以上であると良い。
本現像ロールにおいて、ロール表面の表面粗さRzの標準偏差σは、従来の現像ロールに比較して、画像濃度ムラを低減しやすくなるなどの観点から、ロール1本内において、0.5以下であることが好ましい。
上記Rzの標準偏差σは、より好ましくは、0.45以下、さらに好ましくは、0.4以下であると良い。
なお、上記Rzとは、ロール軸方向の左端部、中央部、右端部について、それぞれロール周方向に3箇所(3等分)、つまり、合計9箇所について測定されるRzの平均値である。また、Rzの標準偏差は、上記測定されたRzから算出される値である。
本現像ロールにおいて、表層の膜厚(粗さ形成用粒子が存在していない部分における膜厚)は、トナー搬送性の確保などの観点から、最適な範囲を選択すれば良い。
具体的には、表層の膜厚は、用いる粗さ形成用粒子の平均粒径以下であることが好ましい。表層の膜厚が、用いる粗さ形成用粒子の平均粒径を越えると、表面凹凸の起伏が緩慢になり、十分な表面粗さを確保できなくなる傾向が見られるからである。
以下、本現像ロールの具体的な構成材料等について詳細に説明する。なお、上述したように、本願における下層は、例えば、ベース層であったり、中間層であったりする。そのため、下層形成材料は、ロール層構成によって変化することになる。
本現像ロールにおいて、軸体は、導電性を有するものであれば、何れのものでも使用し得る。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。また、必要に応じて、軸体の表面には、接着剤、プライマーなどを塗布してもよい。上記接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行っても良い。
本現像ロールにおいて、ベース層を形成する主材料としては、ゴム弾性材料を好適に用いることができる。ゴム弾性材料としては、具体的には、例えば、ポリウレタン系エラストマー、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
上記ゴム弾性材料としては、低硬度で、へたりが少ないなどの観点から、シリコーンゴムなどが好ましい。
上記ベース層を形成する主材料には、必要に応じて、導電剤(カーボンブラックなどの電子導電剤、第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤)、発泡剤、軟化剤(オイル)、充填剤、加硫促進剤、活剤、助剤などの各種添加物が1種または2種以上添加されていても良い。
ベース層の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは、0.1〜10mm、より好ましくは、0.5〜5mmの範囲内から選択することができる。
ベース層の体積抵抗率は、好ましくは、101〜1010Ω・cm、より好ましくは、102〜109Ω・cm、さらにより好ましくは、103〜108Ω・cmの範囲内から選択することができる。
本現像ロールにおいて、中間層を形成する主材料としては、具体的には、例えば、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化ニトリルゴム:H−NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム:NBR)、ポリウレタン系エラストマー、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム(ACM)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ヒドリンゴム(ECO、CO)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ポリエステル樹脂、シリコーンアクリルエラストマー、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
上記中間層を形成する主材料としては、塗工液の安定性などの観点から、水素化ニトリルゴム、ポリウレタン系エラストマーなどが好ましい。
上記中間層を形成する主材料には、必要に応じて、導電剤(カーボンブラックなどの電子導電剤、第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤)、架橋剤(TDI、MDI)、架橋助剤、充填剤などの各種添加物が1種または2種以上添加されていても良い。
中間層の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは、1〜100μm、より好ましくは、3〜50μmの範囲内から選択することができる。
中間層の体積抵抗率は、好ましくは、101〜1010Ω・cm、より好ましくは、102〜109Ω・cm、さらにより好ましくは、103〜108Ω・cmの範囲内から選択することができる。
本現像ロールにおいて、表層を形成する主材料のうち、粗さ形成用粒子としては、具体的には、例えば、ウレタン系粒子、(メタ)アクリル系粒子、尿素樹脂粒子、アミド系粒子などの各種樹脂粒子、ゴム粒子、シリカ粒子、シリコーン粒子などを例示することができる。これらは、1種または2種以上混合されていても良い。
この際、粗さ形成用粒子の平均粒径は、ロール表面の凹凸の程度、表層の膜厚などを考慮して選択することができる。
粗さ形成用粒子の平均粒径は、その上限として、画像濃度ムラの抑制などの観点から、好ましくは、30μm以下、より好ましくは、20μm以下、さらに好ましくは、15μm以下であると良い。一方、その下限としては、トナー搬送量不足を防止しやすいなどの観点から、好ましくは、4μm以上、より好ましくは、8μm以上、さらに好ましくは、10μm以上であると良い。
一方、表層を形成する主材料のうち、粗さ形成用粒子以外の部分、すなわち、バインダ成分としては、具体的には、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ブチラール樹脂(PVB)、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素ゴム、フッ素樹脂、フッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物、シリコーン樹脂、シリコーングラフトアクリルポリマー、アクリルグラフトシリコーンポリマー、ニトリルゴム、ウレタンゴムなどを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
上記バインダ成分には、必要に応じて、導電剤(カーボンブラックなどの電子導電剤、第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤)、架橋剤(TDI、MDI)、架橋助剤、充填剤などの各種添加物が1種または2種以上添加されていても良い。
2.本製造方法
本製造方法は、上記本現像ロールを好適に製造可能な方法である。
本製造方法は、上記本現像ロールを好適に製造可能な方法である。
図4は、本製造方法の流れを模式的に示した図である。本製造方法は、下層表面に粗さ形成用粒子を付着させる工程(図4(a))と、下層に接触していない余剰の粗さ形成用粒子を除去する工程(図4(b))と、粗さ形成用粒子が付着した下層の表面を、表層材料により被覆する工程(図4(c))とを少なくとも有している。
本製造方法において、下層表面に粗さ形成用粒子を付着させるにあたっては、予め下層までが形成されたロール体を準備しておく。
上記ロール体は、例えば、下層としてベース層を選択する場合には、軸体の外周にベース層が形成されたロール体がこれに該当する。また、下層として中間層を選択する場合には、軸体の外周にベース層が形成され、このベース層の外周に中間層が形成されたロール体がこれに該当する。
軸体の外周にベース層を形成するには、ロール成形用金型の中空部に軸体を同軸的に設置し、ベース層形成用組成物を注入して、加熱・硬化させた後、脱型する(注型法)、軸体の表面にベース層形成用組成物を押出成形する(押出法)などすれば良い。ベース層を複数層形成する場合には、上記方法に準じた操作を繰り返し行えば良い。
また、さらに、ベース層の外周に中間層を形成するには、中間層を主に構成するポリマーになりうるモノマー/オリゴマー、あるいは、中間層を主に構成するポリマー自体と、必要に応じて添加する各種添加剤などとを、メチルエチルケトンなどの適当な溶剤とともに混合し、コーティングに適した粘度を有する中間層形成用組成物を調製する。
そして、ロールコーティング法、ディッピング法、スプレーコート法などの各種コーティング法を用いて、ベース層の外周に中間層形成用組成物を塗工し、乾燥、必要に応じて熱処理、光硬化処理などを施すなどすれば、中間層を形成することができる。なお、中間層を複数層形成する場合には、上記方法に準じた操作を繰り返し行えば良い。
そして、準備したロール体の下層表面に粗さ形成用粒子を付着させる。
この際、粗さ形成用粒子の付着は、特に限定されるものではないが、好ましくは、図4(a)に示すように、静電塗装により行うと良い。具体的には、ロール体26を所定の回転速度で回転させながら、静電塗装用のガン28(28aはエアー供給ホース、28bは導線、28cは粉体供給ホース)にて、+あるいは−にチャージした粗さ形成用粒子22を下層20表面に噴出させ、静電気力により、下層20表面に粗さ形成用粒子22を吸着させる。
なお、粗さ形成用粒子が+か−の何れにチャージされるかは、粗さ形成用粒子を構成する材料の帯電列等によって決定される。
次いで、図4(b)に示すように、下層20に接触していない余剰の粗さ形成用粒子(不図示)を除去し、下層20の接触している粗さ形成用粒子22の層を形成する。つまり、上記工程を経ると、例えば、静電気力により下層20に吸着した粗さ形成用粒子22にさらに吸着する余剰の粗さ形成用粒子などが存在している。このような余剰の粗さ形成用粒子は、そのままにしておくと、ロール表面の凹凸高さを不均一にする原因となるため、できる限り除去するのが好ましい。
上記除去方法としては、エアーなどの気体を、ロール体26の表面に吹き付ける方法などを好適な方法として例示することができる。余剰の粗さ形成用粒子を比較的簡易に吹き飛ばすことができるからである。特に、静電塗装法を利用した場合には、粗さ形成用粒子22は、同じ電荷を帯びているため、気体の吹きつけにより非接触で簡単に余剰の粗さ形成用粒子を吹き飛ばすことができる。
上記除去工程を経ると、下層20の表面に、粗さ形成用粒子22一つ分の厚みを有する粗さ形成用粒子22の層を形成することができる。
次いで、上記粗さ形成用粒子22が付着した下層20の表面を、表層材料により被覆する。
表層材料のコーティング法は、特に限定されるものではないが、好ましくは、下層20表面に付着した粗さ形成粒子22を脱落させないなどの観点から、非接触のコーティング法を好適に用いると良い。具体的には、例えば、図4(c)に示すように、非接触状態でノズル30から表層材料32を吐出させるノズルコーティング法などを例示することができる。
なお、静電塗装によって粗さ形成用粒子の付与を行った場合には、上記表層材料のコーティングを、できる限り速やかに行うことが好ましい。粗さ形成用粒子は、静電気力による吸着により下層に付着しているため、長時間経過すると脱落し始めるからである。
また、表層材料のコーティング後は、必要に応じて、乾燥させたり、熱硬化・光硬化させたりすれば、表層を形成することができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。なお、以下では、軸体の外周に、ベース層、表層がこの順に積層された2層構造の電子写真機器用現像ロール、あるいは、ベース層、中間層、表層がこの順に積層された3層構造の電子写真機器用現像ロールを作製した。したがって、前者の場合は、ベース層が下層に該当し、後者の場合は、中間層が下層に該当することになる。
1.実施例および比較例に係る現像ロールの作製
(軸体)
外径8mm、長さ260mmの鉄製の中実円柱状の軸体を準備した。なお、軸体は、各実施例、比較例において共通である。
(軸体)
外径8mm、長さ260mmの鉄製の中実円柱状の軸体を準備した。なお、軸体は、各実施例、比較例において共通である。
(粗さ形成用粒子)
粗さ形成用粒子として、アクリル系粒子(総研化学(株)製、「MX−1500」、平均粒径:15μm)、ウレタン系粒子(大日精化(株)製、「UCN5150D」、平均粒径:15μm)を準備した。なお、アクリル系粒子は、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2に用いるものであり、ウレタン系粒子は、実施例3、実施例4に用いるものである。
粗さ形成用粒子として、アクリル系粒子(総研化学(株)製、「MX−1500」、平均粒径:15μm)、ウレタン系粒子(大日精化(株)製、「UCN5150D」、平均粒径:15μm)を準備した。なお、アクリル系粒子は、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2に用いるものであり、ウレタン系粒子は、実施例3、実施例4に用いるものである。
(ベース層形成用組成物の調製)
導電性シリコーンゴム(信越化学工業(株)製、「KE1357 A/B」)を、ニーダーで混練することにより、ベース層形成用組成物を調製した。なお、この組成物は、各実施例、比較例において共通である。
導電性シリコーンゴム(信越化学工業(株)製、「KE1357 A/B」)を、ニーダーで混練することにより、ベース層形成用組成物を調製した。なお、この組成物は、各実施例、比較例において共通である。
(中間層形成用組成物<1>の調製)
H−NBR(日本ゼオン(株)製、「ゼットポール0020」)100質量部に対して、ステアリン酸0.5質量部、亜鉛華(ZnO)5質量部、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)30質量部、加硫促進剤(BZ)1質量部、加硫促進剤(CZ)2質量部、硫黄1質量部をニーダーを用いて混練した後、MEK400質量部を加えて混合、攪拌することにより、中間層形成用組成物<1>を調製した。なお、この組成物は、実施例2、実施例4、比較例2に用いるものである。
H−NBR(日本ゼオン(株)製、「ゼットポール0020」)100質量部に対して、ステアリン酸0.5質量部、亜鉛華(ZnO)5質量部、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)30質量部、加硫促進剤(BZ)1質量部、加硫促進剤(CZ)2質量部、硫黄1質量部をニーダーを用いて混練した後、MEK400質量部を加えて混合、攪拌することにより、中間層形成用組成物<1>を調製した。なお、この組成物は、実施例2、実施例4、比較例2に用いるものである。
(中間層形成用組成物<2>の調製)
H−NBR(日本ゼオン(株)製、「ゼットポール0020」)100質量部に対して、ステアリン酸0.5質量部、亜鉛華(ZnO)5質量部、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)30質量部、加硫促進剤(BZ)1質量部、加硫促進剤(CZ)2質量部、硫黄1質量部をニーダーを用いて混練した後、MEK400質量部、粗さ形成用粒子として上記アクリル系粒子20質量部を加えて混合、攪拌することにより、中間層形成用組成物<2>を調製した。なお、この組成物は、比較例1に用いるものである。
H−NBR(日本ゼオン(株)製、「ゼットポール0020」)100質量部に対して、ステアリン酸0.5質量部、亜鉛華(ZnO)5質量部、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)30質量部、加硫促進剤(BZ)1質量部、加硫促進剤(CZ)2質量部、硫黄1質量部をニーダーを用いて混練した後、MEK400質量部、粗さ形成用粒子として上記アクリル系粒子20質量部を加えて混合、攪拌することにより、中間層形成用組成物<2>を調製した。なお、この組成物は、比較例1に用いるものである。
(表層形成用組成物<1>の調製)
ウレタン樹脂(日本ポリウレタン(株)製、「ニッポラン5199」)100質量部に対して、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)10質量部をボールミルを用いて混練した後、MEK400質量部を加えて混合、攪拌することにより、粗さ形成用粒子を含まない表層形成用組成物<1>を調製した。なお、この組成物は、実施例1〜4、比較例1に用いるものである。
ウレタン樹脂(日本ポリウレタン(株)製、「ニッポラン5199」)100質量部に対して、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)10質量部をボールミルを用いて混練した後、MEK400質量部を加えて混合、攪拌することにより、粗さ形成用粒子を含まない表層形成用組成物<1>を調製した。なお、この組成物は、実施例1〜4、比較例1に用いるものである。
(表層形成用組成物<2>の調製)
ウレタン樹脂(日本ポリウレタン(株)製、「ニッポラン5199」)100質量部に対して、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)10質量部をボールミルを用いて混練した後、MEK400質量部、粗さ形成用粒子として上記アクリル系粒子10質量部を加えて混合、攪拌することにより、粗さ形成用粒子を含む表層形成用組成物<2>を調製した。なお、この組成物は、比較例2に用いるものである。
ウレタン樹脂(日本ポリウレタン(株)製、「ニッポラン5199」)100質量部に対して、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)10質量部をボールミルを用いて混練した後、MEK400質量部、粗さ形成用粒子として上記アクリル系粒子10質量部を加えて混合、攪拌することにより、粗さ形成用粒子を含む表層形成用組成物<2>を調製した。なお、この組成物は、比較例2に用いるものである。
以上準備したロール構成材料を用い、以下の手順により、実施例1〜4、比較例1、2に係る現像ロールを作製した。
(実施例1)
内部に軸体を同軸にセットした円筒状金型(型面の内径:18mm、軸方向の長さ:260mm)内に、上記調製したベース層形成用組成物を注入し、190℃で30分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、軸体の外周に、シリコーンゴム系のベース層(厚み5mm)を備えたロール体を作製した。
内部に軸体を同軸にセットした円筒状金型(型面の内径:18mm、軸方向の長さ:260mm)内に、上記調製したベース層形成用組成物を注入し、190℃で30分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、軸体の外周に、シリコーンゴム系のベース層(厚み5mm)を備えたロール体を作製した。
次いで、得られたロール体を回転(80rpm)させながら、静電塗装用のガンを用いて、60kV/10μA(電圧60kVかけたときの電流値10μA)で+にチャージさせた上記アクリル系粒子をベース層の表面に噴射した。これにより、ベース層の表面全体にアクリル系粒子が静電気力により吸着した。
次いで、ベース層表面全体に付着したアクリル系粒子の上部に重なっている余剰のアクリル系粒子を、エアーガンを用いてエアーを吹き付けることにより吹き飛ばした。これにより、ベース層表面に、一層のアクリル系粒子層を形成した。
次いで、上記アクリル系粒子が付着したベース層の表面に、ノズルコーティング法(非接触)を用いて、表層形成用組成物<1>を速やかに塗工し、乾燥させ、表層(アクリル系粒子のない部分の膜厚:10μm)を形成した。
これにより、表層中に、ベース層に接触してアクリル系粒子が分布しており、表層の表面に、アクリル系粒子による表面凹凸を有する、実施例1に係る現像ロールを作製した。
なお、表層形成用組成物を速やかに塗工したのは、アクリル系粒子は、静電気力による吸着によりベース層に付着しているため、長時間経過すると脱落し始めるからである。
(実施例2)
実施例1に係る現像ロールの作製において、ベース層の外周に、ロールコーティング法を用いて、中間層形成用組成物<1>を塗工し、乾燥させ、中間層(膜厚:10μm)を備えたロール体を作製した。
実施例1に係る現像ロールの作製において、ベース層の外周に、ロールコーティング法を用いて、中間層形成用組成物<1>を塗工し、乾燥させ、中間層(膜厚:10μm)を備えたロール体を作製した。
以降は、実施例1と同様にして、このロール体の中間層表面にアクリル系粒子を付着させた後、表層形成用組成物<1>を速やかに塗工し、乾燥させ、表層(アクリル系粒子のない部分の膜厚:10μm)を形成した。
これにより、表層中に、中間層に接触してアクリル系粒子が分布しており、表層の表面に、アクリル系粒子による表面凹凸を有する、実施例2に係る現像ロールを作製した。
(実施例3)
実施例1に係る現像ロールの作製において、粗さ形成用粒子として、アクリル系粒子に代えて上記ウレタン系粒子を用いた点以外は同様にして、実施例3に係る現像ロールを作製した。
実施例1に係る現像ロールの作製において、粗さ形成用粒子として、アクリル系粒子に代えて上記ウレタン系粒子を用いた点以外は同様にして、実施例3に係る現像ロールを作製した。
なお、実施例3に係る現像ロールは、表層中に、ベース層に接触してウレタン系粒子が分布しており、表層の表面に、ウレタン系粒子による表面凹凸を有している。
(実施例4)
実施例2に係る現像ロールの作製において、粗さ形成用粒子として、アクリル系粒子に代えて上記ウレタン系粒子を用いた点以外は同様にして、実施例4に係る現像ロールを作製した。
実施例2に係る現像ロールの作製において、粗さ形成用粒子として、アクリル系粒子に代えて上記ウレタン系粒子を用いた点以外は同様にして、実施例4に係る現像ロールを作製した。
なお、実施例4に係る現像ロールは、表層中に、中間層に接触してウレタン系粒子が分布しており、表層の表面に、ウレタン系粒子による表面凹凸を有している。
(比較例1)
実施例1に係る現像ロールの作製において、ベース層の外周に、ロールコーティング法を用いて、中間層形成用組成物<2>を塗工し、乾燥させ、中間層(膜厚:10μm)を備えたロール体を作製した。
実施例1に係る現像ロールの作製において、ベース層の外周に、ロールコーティング法を用いて、中間層形成用組成物<2>を塗工し、乾燥させ、中間層(膜厚:10μm)を備えたロール体を作製した。
次いで、このロール体の中間層の表面に粗さ形成用粒子を付与することなく、表層形成用組成物<1>を塗工し、乾燥させ、表層(膜厚:10μm)を形成した。
これにより、表層中に粗さ形成用粒子が存在せず、中間層中に分散させた粗さ形成用粒子により、表層の表面に表面凹凸を形成した、比較例1に係る現像ロールを作製した。
(比較例2)
実施例1に係る現像ロールの作製において、ベース層の外周に、ロールコーティング法を用いて、中間層形成用組成物<1>を塗工し、乾燥させ、中間層(膜厚:10μm)を備えたロール体を作製した。
実施例1に係る現像ロールの作製において、ベース層の外周に、ロールコーティング法を用いて、中間層形成用組成物<1>を塗工し、乾燥させ、中間層(膜厚:10μm)を備えたロール体を作製した。
次いで、このロール体の中間層表面に、このロール体の中間層の表面に粗さ形成用粒子を付与することなく、表層形成用組成物<2>を塗工し、乾燥させ、表層(膜厚:10μm)を形成した。
これにより、表層中にアクリル粒子が浮かんで存在し、表層の表面に、このアクリル粒子による表面凹凸を有する、比較例2に係る現像ロールを作製した。
なお、以上作製した各現像ロールの断面構造をレーザー顕微鏡((株)キーエンス製、「VK−9510」)で確認したところ、実施例1〜4に係る現像ロールは、何れも、粗さ形成用粒子の90%以上が下層に接触していた。これに対し、比較例1に係る現像ロールは中間層中に、比較例2に係る現像ロールは表層中に、それぞれ粗さ形成用粒子が浮かんだ状態で分散されていた。
2.ロール評価
得られた各現像ロールにつき、ロール表面粗さ、画像濃度の評価を以下のようにして行った。
得られた各現像ロールにつき、ロール表面粗さ、画像濃度の評価を以下のようにして行った。
(ロール表面粗さ)
各現像ロールについて、JIS B 0601−1982に準拠し、表面粗さ測定装置(東京精密(株)製、「SURFCOM 1400D」)を用いて、十点平均粗さRzを測定するとともに、Rzのロール1本内標準偏差を求めた。
各現像ロールについて、JIS B 0601−1982に準拠し、表面粗さ測定装置(東京精密(株)製、「SURFCOM 1400D」)を用いて、十点平均粗さRzを測定するとともに、Rzのロール1本内標準偏差を求めた。
なお、十点平均粗さRzの測定箇所は、ロール軸方向の左端部、中央部、右端部について、それぞれロール周方向に3箇所(3等分)、つまり、合計9箇所である。
(画像濃度)
各現像ロールを、市販のカラーレーザープリンタ(コニカミノルタ(株)製、「Magicolor 5570」)のカートリッジ内に組み込み、ハーフトーン画像(25%灰色)をA4用紙(縦方向)に出力した。
各現像ロールを、市販のカラーレーザープリンタ(コニカミノルタ(株)製、「Magicolor 5570」)のカートリッジ内に組み込み、ハーフトーン画像(25%灰色)をA4用紙(縦方向)に出力した。
得られた画像の左側、中側、右側の画像濃度を、反射濃度計(グレタグマクベス社製、「マクベスRD914」)で測定し、ハーフトーン画像と白紙画像の濃度の差ΔIDを算出するとともに、ΔIDのばらつき(ΔIDの最大値−最小値)を求めた。
表1に、各ロール構成、ロール評価結果をまとめて示す。
表1を相対比較すると以下のことが分かる。すなわち、比較例1に係る現像ロールは、表層中に粗さ形成用粒子が存在せず、中間層中に分散させた粗さ形成用粒子に沿って表層の表面に表面凹凸が形成されている。
このような構成では、ロール表面粗さRzのばらつき、すなわち、標準偏差σが大きく、均一な表面凹凸が得られなかった。そのため、均一なトナー搬送性を発揮できず、画像濃度ばらつきが大きく、良好な画質が得られなかった。
また、比較例2に係る現像ロールは、表層中に粗さ形成用粒子が浮かんで存在し、この粗さ形成用粒子により、表層の表面に表面凹凸が形成されている。
そのため、ロール表面粗さRzの標準偏差が大きく、均一な表面凹凸が得られなかった。これは、下層と粗さ形成用粒子との間に距離の差が生じ、これに起因してロール表面の凹凸高さが不均一となっているためである。
一方、これら比較例に係る現像ロールに対し、実施例1〜4に係る現像ロールは、何れも、ロール表面粗さRzの標準偏差が小さく、均一な表面凹凸を有していることが分かる。また、均一な表面凹凸を有することにより、均一なトナー搬送性が発揮され、これにより画像濃度ばらつきを低減することができた。
したがって、実施例に係る現像ロールを組み込めば、電子写真機器の高画質化に寄与できることが確認できた。
以上、本発明の実施形態、実施例について説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能なものである。
10 現像ロール
12 軸体
14 ベース層
16 中間層
18 表層
20 下層
22 粗さ形成用粒子
24 表面凹凸
26 ロール体
28 静電塗装用のガン
30 ノズル
32 表層材料
12 軸体
14 ベース層
16 中間層
18 表層
20 下層
22 粗さ形成用粒子
24 表面凹凸
26 ロール体
28 静電塗装用のガン
30 ノズル
32 表層材料
Claims (10)
- 下層と、前記下層の表面を被覆する表層とを有し、
前記表層中には、前記下層に接触して粗さ形成用粒子が分布しており、
前記表層の表面には、前記粗さ形成用粒子に起因する表面凹凸が形成されていることを特徴とする電子写真機器用現像ロール。 - 前記粗さ形成用粒子の90%以上が前記下層に接触していることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用現像ロール。
- 前記粗さ形成用粒子は、実質的に同一面内に存在することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用現像ロール。
- ロール表面粗さRzのロール1本内標準偏差が、0.5以下であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の電子写真機器用現像ロール。
- 前記表層の膜厚は、前記粗さ形成用粒子の平均粒径以下であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の電子写真機器用現像ロール。
- 前記表層のうち、前記粗さ形成用粒子を除いた部分は、コーティングにより形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の電子写真機器用現像ロール。
- 前記下層は、
軸体の外周に形成されたベース層、または、前記ベース層の外周に形成された中間層であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の電子写真機器用現像ロール。 - 下層表面に粗さ形成用粒子を付着させる工程と、
前記下層に接触していない余剰の粗さ形成用粒子を除去する工程と、
前記粗さ形成用粒子が付着した下層の表面を、表層材料により被覆する工程とを有することを特徴とする電子写真機器用現像ロールの製造方法。 - 前記粗さ形成用粒子の付着を、静電塗装により行うことを特徴とする請求項8に記載の電子写真機器用現像ロールの製造方法。
- 前記余剰の粗さ形成粒子の除去を、気体の吹き付けにより行うことを特徴とする請求項8または9に記載の電子写真機器用現像ロールの製造方法。
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JP2007288030A JP2009115988A (ja) | 2007-11-06 | 2007-11-06 | 電子写真機器用現像ロールおよびその製造方法 |
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JP2012181226A (ja) * | 2011-02-28 | 2012-09-20 | Tokai Rubber Ind Ltd | 電子写真機器用現像ロール |
-
2007
- 2007-11-06 JP JP2007288030A patent/JP2009115988A/ja active Pending
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