JP2009115916A - 磁気光学デバイス - Google Patents

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】製作工程を通して保磁力の変動を抑え、各々のセルについて反転磁界の最大値/最小値を2未満にして確実な磁化反転制御を可能にする。また、磁化反転に必要な磁界を低減し、配線からの発熱を抑える。
【解決手段】基板上に磁性ガーネット膜が設けられ、2次元アレイ状に配列された多数のセルに区画されており、各セルを独立に磁化反転させるX側配線及びY側配線が形成されている空間光変調器用の磁気光学デバイスである。ここで、磁性ガーネット膜は、Tbx 3-x-y Biy Fe5-z z 12(但し、RはY,Gd、MはAl,Ga,In)、0.7≦x≦1.6、0.7≦y≦1.5、0≦z≦1.3で表される磁性ガーネット単結晶からなり、980℃〜1040℃で1〜5時間の条件でアニールされ、個々のセルの保磁力の最大値が16kA/m以下で、且つ最大値/最小値<2になっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気光学式の空間光変調器に用いる磁気光学デバイスに関し、更に詳しく述べると、磁性ガーネット膜の膜面内方向磁歪定数を小さくすることにより、全製造工程を通して反転磁界(保磁力)の変動を抑え、各々のセルについて確実な磁化反転制御を可能にした磁気光学デバイスに関するものである。
磁気光学式の空間光変調器は、光の振幅、位相、偏光状態を、磁性ガーネット膜のファラデー効果を利用して空間的に変調する装置であり、それに用いる磁気光学デバイスは、磁性ガーネット膜の磁化方向を独立に制御可能な多数のセル(画素)をX方向及びY方向の2次元的に配列した構成になっている。このような2次元アレイ状のセル配列をもつ空間光変調器は、情報を高速で並列処理することが可能であり、例えばホログラムデータの記録・再生への利用などについて研究開発が進められている。
空間光変調器に用いる磁気光学デバイスの構造例を、図1に模式的に示す。磁気光学デバイス10は、非磁性ガーネット基板12上に、ファラデー効果を呈する磁性ガーネット膜14及び反射膜16が形成されており、縦横に形成した溝18によって前記磁性ガーネット膜14が互いに分離してセル20となり、それら多数のセル20が2次元アレイ状に配列された構造である。その近傍に、各セル20に外部磁界を印加するためのX側配線22とY側配線24が形成される。この磁気光学デバイス10は、非磁性ガーネット基板12側から光を入射し、反射膜16で反射させ、非磁性ガーネット基板12側から光を出射させる反射型となる。
磁気光学式空間光変調器では、例えば図2に示すように、この磁気光学デバイス10の光入射側に偏光子30を、光出射側に検光子32を配置する。入射光は、偏光子30を通過することで直線偏光となり、磁気光学デバイス10の各セルを透過する。個々のセルにはX側配線とY側配線から膜面に垂直方向の正逆2方向のどちらかの向きの外部磁界が印加されてセル内の磁性ガーネット膜が飽和しており、反射膜で反射して磁性ガーネット膜を戻る光は、ファラデー効果により偏光面が磁化方向に応じて、右回り又は左回りに回転する。その回転方向は、セル内磁性ガーネット膜の磁化方向の正逆により異なる。図2では、一方の磁化方向を白、他方の磁化方向を黒で表示している。検光子32を、例えば黒部分からの光量が最小になる角度に設定しておくと、白部分からの光と黒部分からの光では検光子32の透過光量に差が生じ、両者を識別することができる。
図1に示されているように、各セルの磁性ガーネット膜14に反転磁界を印加するための駆動用配線は、X側配線22とY側配線24の2層構造であり、それらは直交するように形成されている。必要な反転磁界をターゲットセル(磁化反転させたい目的のセル)に印加する最も単純な駆動方式では、ターゲットセルに連なるX側配線とY側配線に同時に駆動電流を供給し、それらの交差点にあるターゲットセルに必要な磁界を印加する。そのため、ターゲットセルのX方向及びY方向に連なるセルには、X側配線かY側配線のどちらか一方による磁界が印加される。通常、ターゲットセルに「1」の磁界を印加するには、X側配線及びY側配線からの発生磁界を「0.5」とする。従って、このような駆動方式では、個々のセルは、「0.5」の磁界では磁化が反転せず、「0.5より大きく1以下」の磁界で磁化が反転するように設定する必要がある。そのためには、各々のセルの反転磁界(保磁力)のばらつきの最大値/最小値は2未満の範囲内に収まらなければならない。
また、駆動電力を抑えるためには、反転磁界を小さくして配線から発生させる反転に必要な磁界を小さくする必要がある。具体的には、反転に必要な磁界は16kA/m以下が好ましい。それ以上だと、駆動電力が大きくなるのと同時に、配線からの発熱も大きくなるからである。ところで、液相エピタキシャル法(LPE法)により育成した磁性ガーネット膜の反転磁界は、そのままでは成長誘導磁気異方性のため80kA/m以上の大きな値である。しかし、アニールを行うことにより、反転磁界(保磁力)を低減させることができ、適切なアニール条件では、各セルの反転磁界を、最大値が16kA/m以下で、且つと最大値/最小値を2未満に収めることが可能である。
しかしながら、上記のような磁気光学デバイスを作製するには、磁性ガーネット膜をアニールした後に、反射膜の形成、絶縁層の形成、X側配線及びY側配線の形成、保護膜の形成など、磁性ガーネット膜が加熱される工程を幾たびか繰り返す。そのため、アニールによって必要な磁気特性を付与しても、その後の工程で磁気特性が大きく変動し、最大値が16kA/mより大きくなったり、最大値/最小値が2以上になってしまう問題が生じる。このように反転磁界がばらつくと、上記のような単純な駆動方式では、ターゲットセルで必要な磁化反転が生じなかったり、逆にターゲットセル以外のセルで磁化方向が反転するなどの誤動作が生じてしまう。
そこで、例えばX側及びY側の配線を、各セルについて3/4周するような複雑なパターンにする構成が提案されている。あるいは、セルの磁化方向の変更時に、ターゲットセルに沿ったX側配線及びY側配線に主電流を流すと共に、前記ターゲットセルの外側に隣接する配線にも同時に補助電流を流し、それらにより発生する合成磁界により前記ターゲットセルの磁化方向を個別に制御する駆動方式も提案されている(特許文献1参照)。しかし、このような駆動方式は、回路的にも制御の面でも複雑化する問題があり、回路や制御を単純化する上ではセルを構成している磁性ガーネット膜の磁気特性を最適化することが望ましい。
特開2007−192926号公報
本発明が解決しようとする課題は、アニール以降の全製作工程を通して保磁力の変動を抑え、各々のセルについて反転磁界の最大値/最小値を2未満にして、単純な直線的な配線パターン、回路、制御でも確実な磁化反転制御を可能にすることである。本発明が解決しようとする他の課題は、磁化反転に必要な磁界を低減し、配線からの発熱を抑えることである。
本発明は、基板上に磁性ガーネット膜が設けられ、該磁性ガーネット膜が2次元アレイ状に配列された多数のセルに区画されており、各セルを独立に磁化反転させるX側配線及びY側配線が形成されている構造の空間光変調器用の磁気光学デバイスにおいて、前記磁性ガーネット膜は、その組成が、
Tbx 3-x-y Biy Fe5-z z 12
R:Y,Gdから選ばれる少なくとも1種の元素
M:Al,Ga,Inから選ばれる少なくとも1種の元素
0.7≦x≦1.6
0.7≦y≦1.5
0≦z≦1.3
で表される磁性ガーネット単結晶からなり、980℃以上1040℃以下で1時間以上5時間以下の条件でアニールされ、個々のセルの保磁力の最大値が16kA/m以下で、且つ最大値/最小値<2になっていることを特徴とするの磁気光学デバイスである。ここで磁性ガーネット膜は、非磁性ガーネット基板上に液相エピタキシャル法によって育成されたLPE膜である。
本発明に係る磁気光学デバイスは、Tb量を特定の範囲に収めることにより膜面内方向磁歪定数を小さくし、アニール以降の全製造工程を通して保磁力の変動を小さく維持できる。これにより、アニールにより2次元アレイ状の個々のセルの反転磁界の最大値を16kA/m以下で、且つ最大値/最小値<2としておくことにより、その後の製造工程後でも、その良好な磁気特性が維持され、単純な直線的な配線パターン、回路、制御でも確実な磁化反転制御が可能になる。また本発明によれば、磁化反転に必要な磁界を低減でき、配線からの発熱を抑えることができる。
本発明では、SGGG等の非磁性ガーネット基板の(111)面上に、液相エピタキシャル法により磁性ガーネット膜が育成され、その磁性ガーネット膜が2次元アレイ状に配列された多数のセルに区画されている。ここで磁性ガーネット膜は、その組成が、
Tbx 3-x-y Biy Fe5-z z 12
R:Y,Gdから選ばれる少なくとも1種の元素
M:Al,Ga,Inから選ばれる少なくとも1種の元素
0.7≦x≦1.6
0.7≦y≦1.5
0≦z≦1.3
で表される磁性ガーネット単結晶からなり、980℃〜1040℃で1〜5時間の条件でアニールされ、最終的に、個々のセルの保磁力の最大値が16kA/m以下で、且つ最大値/最小値<2になっている。
セルを2次元アレイ状に形成するには、例えば、フォトリソグラフィー技術を使用して磁性ガーネット膜に非磁性ガーネット基板まで達する溝を格子状に設けることで行う。溝の部分にアルミナを埋め込んで平坦化し、磁性ガーネット膜上に反射膜として銀をスパッタ法で成膜する。更に、絶縁層を介してX方向及びY方向に直線的な配線を設け、最後に保護膜で配線を覆う。このような製造工程を経ることで、磁性ガーネット膜からなる各セルの背面には反射膜が位置すると共に、各セルを独立に磁化反転させるX側及びY側の配線が形成されている空間光変調器の磁気光学デバイスが得られる。
従って、磁性ガーネット膜は、アニール以降でも、その後の製造工程で幾度となく熱的なストレスを受けることになる。
従来技術では、アニール後の反転磁界が、最大値/最小値が2未満になっていても、その後の各製造工程で磁気特性が大きく変動し、最終的には最大値/最小値が2以上になる現象が生じている。これは、製造工程毎にセルの膜面内方向に引張り応力や圧縮応力が加えられ、それによりセルが歪み、逆磁歪効果により保磁力が変動するためと考えられる。保磁力の変動を抑えるためには、磁歪定数λの小さい材料が好ましい。
磁性ガーネット単結晶におけるTb量と磁歪定数λの関係を図3に示す。ここで言う磁歪定数λとは、磁性ガーネット単結晶を応力σの力で反らせたときの反転磁界の変動量ΔHを測定し、次式から算出したものである。
λ=ΔH×Is/3σ(但し、Isは飽和磁化)
ところで、通常、磁歪定数は特定の方位で表される。しかし、磁気光学デバイスでは、膜面内に均等な応力を印加して反らせており、特定の方向性を持たない。そのため、ここで求まった磁歪定数は、面内方向の磁歪定数と理解される。なお、「面内」とは、非磁性ガーネット基板の(111)面上に育成された磁性ガーネット単結晶の育成面である(111)面の面内方向を指す。図3に示されているように、Tb量に依存して磁歪定数がゼロをまたいで変化している。
そこで本発明では、Tb量と磁歪定数との間に相関がある(Tb量を変えることにより磁歪定数を制御できる)ことに着目し、それを利用してセルに磁歪定数の小さい磁性ガーネット単結晶を用いることで、保磁力の変動を抑えるように構成している。本来、磁歪定数の符号は重要な意味を持ち、その符号と、そこに加わる応力の方向により、逆磁歪効果による磁気特性の変動の符号や絶対量が決まる。しかし、実際のデバイスは複雑な構造で応力の印加方向は単一的なものではないため、磁歪定数の符号や応力方向を加味した制御は困難である。
しかしながら、本発明者等は、絶対値としての磁歪定数を小さくすれば、いかなる応力に対しても逆磁歪効果を小さくすることができることを見出し、それに基づき本発明を完成したものである。図4に、以下に述べる実施例1〜3及び比較例で得られた磁歪定数の絶対値と製造工程を通しての反転磁界最大値の関係を示す。磁歪定数の絶対値が大きくなると、反転磁界の最大値も大きくなる。図4から、反転磁界の最大値を16kA/m以下にするには磁歪定数の絶対値を3.7×10-7以下にしなければならず、そのために本発明ではTb量xを0.7以上、1.6以下に規定している。
本発明において、Rで表示される元素をYとGdに限定しているのは、それら以外の元素の場合には、磁歪定数を小さくする最適な組合せを見出せなかったからである。また、Bi量yを0.7≦y≦1.5としているのは、yが0.7未満ではファラデー回転係数が小さくなり好ましくないし、逆にyが1.5を超えると良質な膜が得られない問題があるからである。鉄サイトは、Al、Ga、Inなどの非磁性イオンが置換されるのが好ましい。それらの置換量zが1.3を超えると補償温度が室温付近になり好ましくない。更に、アニール条件としては、980℃以上1040℃以下で1以上5時間以下の条件が適切であり、これより高温もしくは長時間では保磁力がゼロになるセルが現れるし、これより低温もしくは短時間では保磁力の最大値が16kA/mを超えてしまうため好ましくない。このような特別な組成領域並びに処理条件を満たせば、絶対値としての磁歪定数を小さくすることができ、それによって、いかなる応力に対しても逆磁歪効果を小さくすることができるため、複雑な構造で応力の印加方向が単一的なものでなくても、保磁力の変動を抑えることができる。
非磁性ガーネット基板として、格子定数1.2496nm、組成(CaGd)3 (MgZrGa)5 12、面方位(111)の1インチSGGG基板を用い、液相エピタキシャル法で磁性ガーネット膜(磁性ガーネット単結晶)を育成した。
<実施例1>
Tb4 7 、Y2 3 、Bi2 3 、Fe2 3 、Ga2 3 、In2 3 、Na2 CO3 からなる原料を白金坩堝に入れて950℃で24時間放置した後、同じ950℃で3時間攪拌した。その後、680℃に降温し、白金ホルダに保持された面方位(111)の1インチSGGG基板の片面を液面に接液して、SGGG基板を40rpmで回転させながら8分間にわたって磁性ガーネット膜を育成した。得られた磁性ガーネット膜は、膜厚2μm、EPMAによる組成分析値はTb1.050.82Bi1.09Fe4.05Ga0.76In0.10Pt0.0912であり、面内方向の磁歪定数は0.1×10-7であった。
フォトリソグラフィー技術を使用して、磁性ガーネット膜に幅2μmでSGGG基板まで達する溝を格子状に設けて、14μm角のセルを2次元アレイ状に形成した。この状態で磁性ガーネット膜を大気中で1010℃、3時間アニールした。そして、各セルの反転磁界を測定したところ、最大値が5.6kA/m、最小値が3.5kA/mであった。次に、平坦化するために溝の部分にアルミナを埋め込み、磁性ガーネット膜上に反射膜として銀をスパッタ法で形成し、絶縁層を介してXY2方向に配線を設け、最後に保護膜で配線を覆った。この間、各工程毎に各セルの反転磁界を測定した。その結果を図5に示す。反転磁界は、その後の各工程でも殆ど変動せず、最終的にも、最大値が16kA/m以下で、且つ最大値/最小値<2が維持された良好な磁気特性が得られた。
<実施例2>
Tb4 7 、Gd2 3 、Y2 3 、Bi2 3 、Fe2 3 、Ga2 3 、Al2 3 、Na2 CO3 からなる原料を白金坩堝に入れて950℃で24時間放置した後、同じ950℃で3時間攪拌した。その後、670℃に降温し、白金ホルダに保持された面方位(111)の1インチSGGG基板の片面を液面に接液して、該SGGG基板を40rpmで回転させながら8分間にわたって磁性ガーネット膜を育成した。得られた結晶は、膜厚1.8μm、EPMAによる組成分析値はTb0.70Gd0.200.80Bi1.3 Fe3.95Ga0.75Al0.10Pt0.2012であり、面内方向の磁歪定数は−3.7×10-7であった。
実施例1と同様、フォトリソグラフィー技術を使用して磁性ガーネット膜に幅2μmでSGGG基板まで達する溝を格子状に設けて、14μm角のセルを2次元アレイ状に形成した。この状態で磁性ガーネット膜を大気中で980℃、5時間アニールした。そして、各セルの反転磁界を測定したところ、最大値が5.6kA/m、最小値が3.5kA/mであった。次に、平坦化するために溝の部分にアルミナを埋め込み、磁性ガーネット膜上に反射膜として銀をスパッタ法で形成し、絶縁層を介してXY2方向に配線を設け、最後に保護膜で配線を覆った。この間、各工程毎に各セルの反転磁界を測定したところ、最大値が16kA/m以下で、且つ最大値/最小値<2が維持された良好な磁気特性が得られた。
<実施例3>
Tb4 7 、Y2 3 、Bi2 3 、Fe2 3 、Ga2 3 、Na2 CO3 からなる原料を、白金坩堝に入れて950℃で24時間放置した後、同じ950℃で3時間攪拌した。その後、690℃に降温し、白金ホルダに保持された面方位(111)の1インチSGGG基板の片面を液面に接液して、該SGGG基板を40rpmで回転させながら8分間にわたって磁性ガーネット膜を育成した。得られた結晶は、膜厚2.1μm、EPMAによる組成分析値はTb1.250.64Bi1.11Fe4.10Ga0.82Pt0.0812であり、面内方向の磁歪定数は1.5×10-7であった。
実施例1と同様、フォトリソグラフィー技術を使用して磁性ガーネット膜に幅2μmでSGGG基板まで達する溝を格子状に設けて、14μm角のセルを2次元アレイ状に形成した。この状態で、磁性ガーネット膜を大気中で1040℃、1時間アニールした。そして、各セルの反転磁界を測定したところ、最大値が5.6kA/m、最小値が3.5kA/mであった。次に、平坦化するために溝の部分にアルミナを埋め込み、磁性ガーネット膜上に反射膜として銀をスパッタ法で形成し、絶縁層を介してXY2方向に配線を設け、最後に保護膜で配線を覆った。この間、各工程毎に各セルの反転磁界を測定したところ、最大値が16kA/m以下で、且つ最大値/最小値<2が維持された良好な磁気特性が得られた。
<比較例>
Tb4 7 、Y2 3 、Bi2 3 、Fe2 3 、Ga2 3 、Na2 CO3 からなる原料を、白金坩堝に入れて950℃で24時間放置した後、同じ950℃で3時間攪拌した。その後、695℃に降温し、白金ホルダに保持された面方位(111)の1インチSGGG基板の片面を液面に接液して、SGGG基板を40rpmで回転させながら8分間にわたって磁性ガーネット膜を育成した。得られた結晶は、膜厚2.2μm、EPMAによる組成分析値はTb1.800.10Bi1.10Fe4.16Ga0.77Pt0.0712であり、面内方向の磁歪定数は4.7×10-7であった。
実施例1と同様、フォトリソグラフィー技術を使用して磁性ガーネット膜に幅2μmでSGGG基板まで達する溝を格子状に設けて、14μm角のセルを2次元アレイ状に形成した。この状態で、磁性ガーネット膜を大気中で1040℃、2時間アニールした。そして、各セルの反転磁界を測定したところ、最大値が5.6kA/m、最小値が3.5kA/mであった。次に、平坦化するために溝の部分にアルミナを埋め込み、磁性ガーネット膜上に反射膜として銀をスパッタ法で形成し、絶縁層を介してXY2方向に配線を設け、最後に保護膜で配線を覆った。この間、各工程毎に各セルの反転磁界を測定したところ、図6に示すように、アニール後の反転磁界が最大値(5.6kA/m)/最小値(3.5kA/m)<2になっていても、各製造工程で大きく変動し、最終的には最大値が16kA/mより大きくなり、且つ最大値/最小値≧2になった。
実施例1〜3と比較例について、各製造工程を通しての反転磁界の最大値/最小値の変化の関係を求めた結果を図7に示す。実施例1〜3では、アニール以降の全ての製造工程を通して反転磁界の最大値/最小値が2未満に収まっていることが分かる。それに対して比較例では、反転磁界の最大値/最小値は工程によって大きく変動し、最大値/最小値が2以上になる場合があることも分かる。
空間光変調器に用いる磁気光学デバイスの構造例を示す模式図。 磁気光学式空間光変調器の概略構成図。 Tb量と面内方向の磁歪定数の関係を示すグラフ。 磁歪定数の絶対値と反転磁界の最大値の関係を示すグラフ。 実施例1における製造工程内反転磁界変動を示す説明図。 比較例における製造工程内反転磁界変動を示す説明図。 製造工程内反転磁界の最大値/最小値の変動を示す説明図。
符号の説明
10 磁気光学デバイス
12 非磁性ガーネット基板
14 磁性ガーネット膜
16 反射膜
18 溝
20 セル
22 X側配線
24 Y側配線

Claims (2)

  1. 基板上に磁性ガーネット膜が設けられ、該磁性ガーネット膜が2次元アレイ状に配列された多数のセルに区画されており、各セルを独立に磁化反転させるX側配線及びY側配線が形成されている構造の空間光変調器用の磁気光学デバイスにおいて、
    前記磁性ガーネット膜は、その組成が、
    Tbx 3-x-y Biy Fe5-z z 12
    R:Y,Gdから選ばれる少なくとも1種の元素
    M:Al,Ga,Inから選ばれる少なくとも1種の元素
    0.7≦x≦1.6
    0.7≦y≦1.5
    0≦z≦1.3
    で表される磁性ガーネット単結晶からなり、980℃以上1040℃以下で1時間以上5時間以下の条件でアニールされ、個々のセルの保磁力の最大値が16kA/m以下で、且つ最大値/最小値<2になっていることを特徴とする磁気光学デバイス。
  2. 磁性ガーネット膜は、非磁性ガーネット基板上に液相エピタキシャル法で育成されたLPE膜である請求項1記載の磁気光学デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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