JP2009114010A - 球状シリカ粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
/gの範囲にあり、中空構造を有する中空シリカ微粒子が集合し、結着してなる中空シリカ微粒子集合体からなる平均粒子径1μm〜50μmの球状シリカ粒子。
【効果】本発明に係る球状シリカ粒子は、平均粒子径1〜50μmの中空シリカ粒子でありながら、嵩比重を0.7〜1.0g/mlの範囲にすることができるので、空隙に富み、その形状も球状であり、単分散性が高い。本発明に係る製造方法により、この様な球状シリカ粒子を製造することができる。本発明に係る球状シリカ粒子は、軽量骨材、インク受容層の成分などに好適に使用することができる。
【選択図】なし
Description
しかし、特許文献5に記載された中空状シリカを含有する分散液においては、凝集体粒子が分散媒に分散されたものであり、乾燥などの手段にて、凝集体粒子のみを分離した場合、凝集体粒子は凝集し、不定形になる傾向が強く、そのため粒子径も不均一なものとなることが知られていた。
リカ微粒子からなる粒子であって、粒子径分布についても単分散状態にある球状シリカ粒子が求められていた。
[1]平均粒子径が5〜300nmの範囲にあり、比表面積が50〜1500m2/gの範
囲にあり、中空構造を有する中空シリカ微粒子が集合し、結着してなる中空シリカ微粒子集合体からなる平均粒子径1μm〜50μmの球状シリカ粒子。
[2]嵩比重(CBD)が0.7〜1.0g/mlの範囲にあることを特徴とする[1]記載の球状シリカ粒子。
[3]平均粒子径が5〜300nmの範囲にあり、比表面積が50〜1500m2/gの範
囲にあり、中空構造を有する中空シリカ微粒子が集合し、結着してなる中空シリカ微粒子集合体からなる平均粒子径1μm〜50μmの球状シリカ粒子であって、嵩比重(CBD)が0.7〜1.0g/mlの範囲にあり、粒子破壊強度が0.5〜100Kgf/mm2の範囲にあることを特徴とする球状シリカ粒子。
[4]前記中空シリカ微粒子の粒子径分布が単分散状態にあるものであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の球状シリカ粒子。
[5]中空シリカ微粒子分散液を含む噴霧液を気流中に噴霧して中空シリカ微粒子集合体を調製することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の球状シリカ粒子の製造方法。
[6]下記の各工程を含む[5]記載の球状シリカ粒子の製造方法。
(A):中空シリカ微粒子分散液を含む噴霧液を気流中に噴霧して、中空シリカ微粒子集合体を調製する工程
(B): 前記(A)工程で得られた中空シリカ微粒子集合体を温度150〜600℃の範囲で加熱処理する工程
(C1): 前記(B)工程に続いて、該中空シリカ微粒子集合体を水および/または有機溶媒に分散させ、中空シリカ微粒子集合体分散液を調製する工程
(D): 前記(C)工程に続いて、前記中空シリカ微粒子集合体分散液から、球状シリカ粒子を分離し、乾燥した後、大気圧下または減圧下、400〜1200℃で加熱処理する工程
(C2): (C1)工程で調製した中空シリカ微粒子集合体の分散液に、次のi)、ii)またはiii)を添加することにより該中空シリカ微粒子集合体を表面処理する工程i)酸またはアルカリ
ii) 酸またはアルカリと、下記一般式で表される有機ケイ素化合物および/またはそ
の部分加水分解物
一般式: RnSi(OR′)4-n
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアリール基、ビニル基またはアクリル基から選ばれる炭化水素基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
iii) 珪酸液およびアルカリ
(C3): 中空シリカ微粒子集合体分散液を50〜350℃で水熱処理する工程
[8]前記(A)工程における前記噴霧液が、さらに珪酸液を含むものであることを特徴とする[6]または[7]記載の球状シリカ粒子の製造方法。
[9]前記(A)工程における前記中空シリカ微粒子分散液の粒子径分布が単分散状態であることを特徴とする[6]〜[8]のいずれかに記載の球状シリカ粒子の製造方法。
本発明は、平均粒子径が5〜300nmの範囲にあり、比表面積が50〜1500m2
/gの範囲にあり、中空構造を有する中空シリカ微粒子が集合してなる中空シリカ微粒子集合体からなる平均粒子径1μm〜50μmの球状シリカ粒子に関する。
[構造、粒子径および比表面積]
本発明における中空シリカ微粒子としては、公知の中空シリカ微粒子を使用することができる。
、比表面積が1500m2/gを超える中空シリカ微粒子を調製することは容易ではない
。他方、比表面積が50m2/g未満の場合、前記平均粒子径範囲の中空シリカ微粒子は
、中空構造を有する場合がない。
前記中空シリカ微粒子については、その粒子径分布が単分散状態にあるものが好ましい。具体的には、粒子径変動係数(CV値)が50%以下にあるものが好ましい。本発明に係る球状シリカ粒子は、このような粒子径分布の均一性の高い中空シリカ微粒子が集合し、決着してなる中空シリカ微粒子集合体、または中空シリカ微粒子集合体とその表面に形成された外層とからなるものであり、特に粒子径分布が単分散状態にあるため〔半導体用途〕に適用した場合に〔絶縁性または耐熱性〕の効果が優れるものとなる。粒子径変動係数(CV値)が50%を超える場合は、粒子径の均一性が低いためこのような効果は生じ難くなる。なお、中空シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)については、10%以上50%以下であれば、〔絶縁性または耐熱性〕の効果が充分に得られるため、10%未満であることは必ずしも求められない。
用いて、粒子成長を行なう方法が挙げられる。また、中空シリカ微粒子が分散媒に分散してなる中空シリカゾルについて、精密濾過や遠心分離処理を行うことによって、粗大粒子を除去する方法を挙げることができる。
前記中空シリカ微粒子の形状については、球状が好ましい。ここで球状については、目視により、棒状、勾玉状、細長い形状、数珠状、卵状などの異形粒子であると認められない程度であれば構わないが、より好適には、真球度が0.90〜1.00の範囲にあるものが推奨される。ここで真球度とは、透過型電子顕微鏡により写真撮影して得られる写真投影図における任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)との比(DS/DL)の平均値を意味する。真球度が0.90未満の場合は、微粒子が球状であるとは云えず、前記の異形粒子に該当するものを含む場合が生じる。 本発明に係る球状シリカ粒子は、前記の粒子径の均一性に加えて、真球度が0.90〜1.00の範囲にあることにより、構造的に安定するため球状シリカ粒子の強度の点で好ましいものとなる。なお、真球度が0.90に満たない中空シリカ微粒子については、いわゆる水熱処理を行って、真球度を0.90〜1.00の範囲に調整してから、本発明における中空シリカ微粒子として適用することができる。水熱処理の条件としては、温度100〜200℃にて、1〜24時間の処理を行う方法を挙げることができる。また、水熱処理には、オートクレーブを使用することも推奨される。
前記中空シリカ微粒子の組成については、シリカを含有するものであれば格別に制限されるものではなく、中空シリカ微粒子の製造原料に起因してシリカ以外の元素または化合物が残存していても構わない。このような残存する元素および化合物の例としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ、酸化セリウム、ナトリウム、カリウムなどを挙
げることができる。
本発明における中空シリカ微粒子については、従来公知の製造方法により調製されたもので構わない。公知の製造方法の例としては、特表2000−500113号公報に記載されたような珪酸アルカリ金属水溶液から活性シリカをシリカ以外の材料からなるコア上に沈殿させ、該材料をシリカシェルを破壊させることなく除去することによって、稠密なシリカシェルからなる中空粒子を製造する方法、特開2001−233611号公報に記載されているようなシリカとシリカ以外の無機酸化物からなる複合酸化物の核粒子にシリカ被覆層を形成し、ついでシリカ以外の無機酸化物を除去し、必要に応じてシリカを被覆してなるナノメーターサイズの中空シリカ系微粒子の製造方法などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
本発明に係る球状シリカ粒子は、平均粒子径が5〜300nmの範囲にあり、比表面積が50〜1500m2/gの範囲にあり、中空構造を有するシリカ微粒子が集合し、結着
してなる中空シリカ微粒子集合体からなる平均粒子径1μm〜50μmの球状シリカ粒子である。この球状シリカ粒子は、中空シリカ微粒子の集合体であり、その内部に空隙を有するから、球状多孔質シリカ粒子である。この球状シリカ粒子については、その嵩比重(CBD)が0.7〜1.0g/mlの範囲にあることが好ましい。また、前記中空シリカ微粒子の粒子径分布については、単分散状態にあるものが好ましく、更に具体的には、粒子径変動係数(CV値)が10〜50%の範囲にあることが好ましい。
本発明における球状シリカ粒子の平均粒子径については、0.5〜50μmの範囲が好ましい。後で述べる本発明の製造方法によれば、この範囲であれば、球状で均一な球状シリカ粒子を得ることが可能である。平均粒子径が0.5μm未満の球状シリカ粒子については、本発明の製造方法によれば、調製することが容易ではない。平均粒子径が50μmを超える場合は、本発明の製造方法によれば、異形粒子が発生し易くなるため望ましくない。なお、球状シリカ粒子の平均粒子径については、好適には5〜30μmの範囲が推奨される。
前記球状シリカ粒子の嵩比重(CBD)については0.7〜1.0g/mlの範囲が好ましい。ここで嵩比重は、球状シリカ粒子に占める空隙の割合が大きい程、小さい値をとるものであり、0.7〜1.0g/mlの範囲であれば、例えば、軽量骨材としての適用が可能となる。
本発明に係る球状シリカ粒子は、所望により表面処理されていることが望ましい。表面処理により、1)中空シリカ微粒子の外表面に存在する孔部分の封鎖、2)表面の平坦化、3)表面被覆層の生成などが生じるため、球状シリカ粒子を各種媒体に添加した際に、その固有の特性(屈折率、断熱性など)が損なわれ難いなどの利点がある。
から選ばれる1種以上)が酸またはアルカリと反応することにより、球状集合体の表面の孔が封鎖され、表面処理の進行度合によっては、被覆層が形成される。この場合、該被覆層の成分については、球状集合体の成分と概ね同じものとなる。
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアリール基、ビニル基またはアクリル基から選ばれる炭化水素基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
また、中空シリカ微粒子に珪酸液およびアルカリを添加して、水熱処理することにより表面処理した場合は、シリカからなる被覆層が形成される。
本発明の球状シリカ粒子の組成については、中空シリカ微粒子の組成により定まるものであり、前記の通り、シリカを含有するものでありその他に、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ、酸化セリウム、ナトリウム、カリウムなどを含有しても構わない。
本発明の球状シリカ粒子の製造方法は、次の各工程を含むことを特徴とする。
(A)中空シリカ微粒子集合体の調製
中空シリカ微粒子分散液を含む噴霧液を気流中に噴霧して中空シリカ微粒子集合体を調製する。該中空シリカ微粒子分散液の溶媒については、水または有機溶媒が使用される。有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1価アルコール、エチレングリコール等の多価アルコール等を用いることができる。
(A)工程で得られた中空シリカ微粒子集合体を本発明の球状シリカ粒子とすることもできるが、中空シリカ微粒子同士またはゲル成分との結合力を高めるために、150〜600℃の温度範囲で加熱処理することが好ましい。加熱処理温度が150℃未満では結合力の向上効果が認められず、600℃を越えると中空シリカ微粒子集合体が収縮するおそれがあり、最終的に得られる球状シリカ粒子の空隙が小さくなり、好ましくない。
(B)工程で得られた中空シリカ微粒子集合体を、室温〜40℃まで放冷または冷却し、水および/または有機溶媒に分散させてその分散液を調製する。有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1価アルコール、エチレングリコール等の多価アルコール等を用いることができる。分散液の濃度は、中空シリカ微粒子集合体を酸化物に換算した濃度で0.1〜40重量%、特に0.5〜20重量%の範囲にあることが好ましい。濃度が0.1重量%未満の場合は、工程(D)において中空シリカ微粒子集合体の内部にも酸化物系成分が析出し、外表面に選択的に析出させることが困難となり、細孔容積の大きな球状シリカ粒子が得られ難くなる。他方、濃度が40重量%を越えると(D)工程において集合体同士が凝集し易くなるので好ましくない。
所望により(C1)工程で得られた集合体分散液に次のi)、ii)またはiii)を添加して中空シリカ微粒子集合体の外表面の表面処理を行う。
i) 酸またはアルカリ
ii) 酸またはアルカリと次の一般式で表される有機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解物
一般式: RnSi(OR′)4-n
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアリール基、ビニル基またはアクリル基から選ばれる炭化水素基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
iii) 珪酸液およびアルカリ
前記i)の場合の酸またはアルカリについては、通常は酸またはアルカリの水溶液が使用される。酸またはアルカリの種類については格別制限されるものではないが、塩酸水溶液、ホウ酸水溶液、アンモニウム水溶液などを挙げることができる。処理方法としては、粒子集合体を水とアルコ-ル混合溶媒に分散させ、ii)の有機ケイ素化合物を酸
またはアンモニアを逐次添加して加水分解させることで行なわれる。
ジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン等が挙げられる。
所望により(C1)工程または(C2)工程で得られた中空シリカ微粒子集合体分散液を、50〜350℃の温度範囲で水熱処理することにより、中空シリカ微粒子集合体を被覆している酸化物系層を緻密化することができる。即ち、酸化物系層の細孔を減少あるいは消失させることにより、球状シリカ粒子の内部空隙には、溶媒および/または気体が残留することになる。
さらに(C3)工程で得られた中空シリカ微粒子集合体分散液から中空シリカ微粒子集合体を濾過等により分離し、乾燥した後、大気圧下または減圧下、400〜1200℃で加熱処理して、酸化物系層により内部空隙が密封された第3の球状シリカ粒子を得ることができる。加熱処理温度が400℃未満では、酸化物系層の細孔を完全に閉塞して緻密化することができない。一方、加熱処理温度が1200℃を越えると球状シリカ粒子が互いに融着し易く、球状を保持し難い。この第3の球状シリカ粒子は、空隙に溶媒が存在しないために粒子の屈折率は極めて低い。従って、この粒子を用いて得られる被膜は低屈折率であり、被膜付基材は反射防止性能に優れる。また、この粒子を積層した膜は優れた断熱効果を有する。
続いて実施例および比較例を述べるが、その前に実施例および比較例における特性についての測定方法について説明する。
合成例1−1、合成例1−2および合成例1−3で調製した中空シリカ微粒子の平均粒子径については、試料酸化物ゾルを0.58%アンモニア水にて希釈して、酸化物濃度1質量%に調整し、下記粒径測定装置を用いて平均粒子径を測定した。
レーザーパーティクルアナライザー(大塚電子社製、レーザー粒径解析システム:LP
−510モデルPAR−III、測定原理: 動的光散乱法、測定角度90°、受光素子 光電子倍増管2インチ、測定範囲3nm〜5μm、光源 He-Neレーザー 5mW 632.8nm、温度
調整範囲5〜90℃、温度調整方式ペルチェ素子(冷却)、セラミックヒーター(加熱)、セル
10mm角 プラスチックセル、測定対象:コロイド粒子)
なお、合成例2−1、合成例2−2および合成例2−3で調製した中空シリカ微粒子の平均粒子径については、後記[5]に記載した平均粒子径の測定方法により測定した。
球状シリカ粒子の平均粒子径については、まず、球状シリカ粒子の分散液(水または40質量%グリセリン溶媒、固形分濃度0.1〜5質量%)を超音波発生機(iuch社製、US-2型)にて5分間分散する。更に、水またはグリセリンを加えて適度に濃度を調節した分散液より、ガラスセル(長さ10mm、幅10mm、高さ45cmのサイズ)に当該分散液の一部を取り、遠心沈降式粒度分布測定装置(堀場製作所製:CAPA−700)を用いて平均粒子径を測定した。
また、中空シリカ微粒子の球状集合体の平均粒子径についても同様に測定した。
球状シリカ粒子の比重については、まず、試料10gをルツボに採取し、110℃で2時間乾燥させる。次いで、デシケーターにて冷却後、25mlピクノメーターに3〜4g入れ、蒸留水を加えて懸濁し、60mmHgにて1時間真空脱気を行った後に、25℃恒温槽にて温度調整する。ピクノメーターの標線まで蒸留水を加えて容量を調整し、ピクノメーターの容量(25ml)と蒸留水の容量(ml)の差から試料の容量(ml)を算出する。加えた試料の重量(g)と算出された容量(ml)から密度を求めた。
透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、試料酸化物ゾルを倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、それぞれの最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)との比(DS/DL)を測定し、それらの平均値を真球度とした。
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の250個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製、IP−1000)を用いて、平均粒子径を測定し、粒子径分布に関する変動係数(CV値)を算定した。具体的には、粒子250個について、それぞれの粒子径を測定し、その値から平均粒子径および粒子径の標準偏差を求め、下記式から算定した。
変動係数(CV値)=(粒子径標準偏差(σ)/平均粒子径(Dn))×100
測定用サンプル約50gをポリエチレン製のサンプル瓶に採取し、これを25℃の恒温槽に30分以上浸漬した後、pH4、7および9の標準液で更正が完了した株式会社堀場製作所製のpHメータF22のガラス電極を挿入して実施した。
粒子の破壊強度については、球状シリカ粒子(粒子径10±1μm)1個の粒子を試料とし、微小圧縮試験機(島津製作所製、MCTM−200)を用いて、試料に一定の負荷速度で荷重を負荷し、粒子が破壊した時点の加重値を圧縮強度(kgf/mm2)とする
。 さらに、この操作を4回繰り返し、5個の試料について圧縮強度を測定し、その平均値を粒子圧縮強度とした。
JIS K3362記載の「見掛け密度測定器」を水平に置き、漏斗から秤量済みのカッ
プに約120mLの球状シリカ粒子を自然落下させる。カップから盛り上がった試料をすり落とし、カップの重さを計る。嵩比重は〔カップ中の試料の重量(g)〕/〔カップの容量(mL)〕である。
[合成例1]
平均粒径5nm、SiO2 濃度20重量%のシリカゾル100gと純水1900gの混合物を80℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2 として1.17重量%の珪酸ナトリウム水溶液9000gとAl2O3 として0.83重量%
のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を80℃に保持した。反応液のpHは添加直後、12.5に上昇し、その後、殆ど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のSiO2 ・Al2 O3 核粒子分散液を調製した。(工程(a) )
,750gおよび28%アンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO2 28重量%)104gを添加し、第1シリカ被覆層を形成した多孔質粒子の表面をエチルシリケートの加水分解重縮合物で被覆して第2シリカ被覆層を形成した。 次いで、限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%のシリカ系微粒子の分散液を調製した。得られたシリカ系微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、平均粒子径が46nmで、外層の厚さが10nmの中空シリカ微粒子であることが分かった。
[合成例2]
平均粒径5nm、SiO2 濃度20重量%のシリカゾル10gと純水190gとを混合して反応母液を調製し、95℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2 として1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液24,900gと、Al2 O3 として0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液36,800gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を95℃に保持した。反応液のpHは、珪酸ナトリウムおよびアルミン酸ナトリウムの添加直後、12.5に上昇し、その後、殆ど変化しなかった。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のSiO2 ・Al2 O3 核粒子分散液を調製した。次いで、この核粒子分散液500gを採取し、純水1,700gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂で脱アルカリして得られた珪酸液(SiO2 濃度3.5重量%)3,000gを添加して核粒子表面に第1シリカ被覆層を形成した。得られた核粒子分散液を、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%に調整したのち、核粒子分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(35.5%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行ったのち、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離し、第1シリカ被覆層を形成した多孔質粒子分散液を調製した。上記第1シリカ被覆層を形成した多孔質粒子分散液1500gと、純水500g、エタノール1,750gおよび28%アンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO2 28重量%)104gを添加し、第1シリカ被覆層を形成した多孔質粒子の表面にエチルシリケートの加水分解重縮合物で第2シリカ被覆層を形成した。次いで、エバポレーターで固形分濃度5重量%まで濃縮した後、濃度15重量%のアンモニア水を加えてpH10とし、オートクレーブで180℃、2時間加熱処理し、限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%のシリカ系微粒子の分散液を調製した。得られたシリカ系微粒子は、平均粒子径が96nmで、外層の厚さが10nmの中空シリカ微粒子であることが分かった。
3のシリカ微粒子が水に分散してなる中空シリカゾルであった。なお、この中空シリカゾルの粒子変動係数(CV値)は、30%であり中空シリカ微粒子が単分散しているものであることが分かった。
られた固形分4.8重量%の高純度珪酸液2600gを前記中空シリカゾル1980gに加え([シリカゾル中のシリカ質量]/[珪酸液中のシリカ質量]=2に相当)、攪拌してスラリー(固形分濃度8.2質量%)とした。
得られた中空シリカ微粒子集合体260gを純水1300gに懸濁させ、撹拌することにより中空シリカ微粒子集合体の分散液を調製した。該分散液のpHが10.5になるまで15%アンモニア水溶液を加えて、この分散液をオートクレーブに充填し、オートクレーブに入れて150℃の温度で16時間水熱処理した後、室温まで冷却して抜き出した。
ることにより球状シリカ粒子を得た。この球状シリカ粒子の分析結果を表4に記す。また、使用した中空シリカ微粒子の物性値、および球状シリカ粒子の製造条件を表1〜3に記す。
容量:1L)に連続的に注入し、7000Gにて400g/分の速度で通液し、液を連続して回収することにより、粗大粒子の遠心分離処理を行った。粗大粒子はローター内に沈殿した。
のシリカ微粒子が水に分散してなる中空シリカゾルであった。なお、この中空シリカゾルの粒子変動係数(CV値)は、30%であり中空シリカ微粒子が単分散しているものであることが分かった。
られた固形分4.8重量%の高純度珪酸液2600gを前記中空シリカゾル1980gに加え([シリカゾル中のシリカ質量]/[珪酸液中のシリカ質量]=2に相当)、攪拌してスラリー(固形分濃度8.2質量%)とした。
[比較例1]
[比較例2]
[比較例3]
具体的には、シリカゾル(触媒化成工業(株)製:Cataloid SI-50、平均粒子径25nm、濃度50重量%)800gに、水450gとを混合しシリカゾルを調製
し、温度105℃の乾燥気流中に、二流体ノズルの一方に5kg/hrの流量で、他方のノズルに気体圧力を2kg/hrの流量で供給して噴霧乾燥した。この粉末を500℃で5時間焼成してシリカ微粒子集合体を得た。このシリカ微粒子集合体の平均粒子径と細孔容積を測定し、結果を表1に示した。
具体的には、シリカゾル(触媒化成工業(株)製:Cataloid SI-50、平均粒子径25nm、濃度50重量%)400gに、水60gとアエロジル(日本アエロジル(株)製:平均粒子径0. 05μm)133gを添加し、これに水を加えて濃度が20重量%のシリカゾルを調製し、温度105℃の乾燥気流中に、二流体ノズルの一方に5kg/hrの流量で、他方のノズルに気体圧力を2kg/hrの流量で供給して噴霧乾燥した。この粉末を500℃で5時間焼成してシリカ微粒子集合体を得た。このシリカ微粒子集合体の平均粒子径と細孔容積を測定し、結果を表1に示した。
Claims (9)
- 平均粒子径が5〜300nmの範囲にあり、比表面積が50〜1500m2/gの範囲
にあり、中空構造を有する中空シリカ微粒子が集合し、結着してなる中空シリカ微粒子集合体からなる平均粒子径1μm〜50μmの球状シリカ粒子。 - 嵩比重(CBD)が0.7〜1.0g/mlの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の球状シリカ粒子。
- 平均粒子径が5〜300nmの範囲にあり、比表面積が50〜1500m2/gの範囲
にあり、中空構造を有する中空シリカ微粒子が集合し、結着してなる中空シリカ微粒子集合体からなる平均粒子径1μm〜50μmの球状シリカ粒子であって、嵩比重(CBD)が0.7〜1.0g/mlの範囲にあり、粒子破壊強度が0.5〜100Kgf/mm2
の範囲にあることを特徴とする球状シリカ粒子。 - 前記中空シリカ微粒子の粒子径分布が単分散状態にあるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の球状シリカ粒子。
- 中空シリカ微粒子分散液を含む噴霧液を気流中に噴霧して中空シリカ微粒子集合体を調製することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の球状シリカ粒子の製造方法。
- 下記の各工程を含む請求項5記載の球状シリカ粒子の製造方法。
(A):中空シリカ微粒子分散液を含む噴霧液を気流中に噴霧して、中空シリカ微粒子集合体を調製する工程
(B): 前記(A)工程で得られた中空シリカ微粒子集合体を温度150〜600℃の範囲で加熱処理する工程
(C1): 前記(B)工程に続いて、該中空シリカ微粒子集合体を水および/または有機溶媒に分散させ、中空シリカ微粒子集合体分散液を調製する工程
(D): 前記(C)工程に続いて、前記中空シリカ微粒子集合体分散液から、球状シリカ粒子を分離し、乾燥した後、大気圧下または減圧下、400〜1200℃で加熱処理する工程 - 前記(C1)工程に続いて、次の(C2)工程もしくは(C3)工程を経てから、または(C2)工程を行った後(C3)工程を経てから、前記(D)工程を行うことを特徴とする請求項6記載の球状中空シリカ粒子の製造方法。
(C2): (C1)工程で調製した中空シリカ微粒子集合体の分散液に、次のi)、ii)またはiii)を添加することにより該中空シリカ微粒子集合体を表面処理する工程i)酸またはアルカリ
ii) 酸またはアルカリと、下記一般式で表される有機ケイ素化合物および/またはそ
の部分加水分解物
一般式: RnSi(OR′)4-n
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアリール基、ビニル基またはアクリル基から選ばれる炭化水素基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
iii) 珪酸液およびアルカリ
(C3): 中空シリカ微粒子集合体分散液を50〜350℃で水熱処理する工程 - 前記(A)工程における前記噴霧液が、さらに珪酸液を含むものであることを特徴とする請求項6または7記載の球状シリカ粒子の製造方法。
- 前記(A)工程における前記中空シリカ微粒子分散液の粒子径分布が単分散状態であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の球状シリカ粒子の製造方法。
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