JP5132193B2 - 多孔質シリカ粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、そのような特性を有する多孔質酸化物粒子を充填材として含む熱硬化性樹脂組成物およびその用途に関するものである。
しかし、実質的に多孔質であって低比重の多孔質酸化物からなる、粒子破壊強度に優れる粒子が求められていた。
前記粒子径分布は、(1)単分散である球状酸化物微粒子の粒子径変動係数(CV値)が2〜10%の範囲にあることが好ましい。
球状酸化物微粒子(a):平均粒子径(Da)が2〜100nmの範囲にあり、粒子径変動係数(CV値)が2〜10%の範囲にある。
球状酸化物微粒子(b):平均粒子径(Db)が2〜20nmの範囲にあり、粒子径変動係数(CV値)が2〜10%の範囲にある(但し、Da/Db≧5の範囲に限る。)。
I) 細孔容積が0.003〜0.45cc/gの範囲
II) 細孔径が0.1〜10nmの範囲
前記球状集合体は、更に珪酸液に由来するシリカを含有することが好ましい。
(A): 次の(A1)または(A2)から選ばれる工程
(A1): 平均粒子径2〜100nmの球状酸化物微粒子の分散液を遠心分離処理し、粗大粒子を分離することにより粒子径分布が単分散な球状酸化物微粒子分散液とする工程
(A2): 平均粒子径2〜100nmの球状酸化物微粒子(a)の分散液を遠心分離処理し、粗大粒子を分離することにより粒子径分布が単分散な球状酸化物微粒子(a)の分散液を調製し、更に、平均粒子径2〜20nmの球状酸化物微粒子(b)(但し、Da/Db≧5の範囲に限る)の分散液を遠心分離処理し、粗大粒子を分離することにより粒子径分布が単分散な球状酸化物微粒子(b)の分散液を調製し、両分散液を混合することにより粒子径分布がバイモーダルな球状酸化物微粒子分散液を調製する工程
(C): 前工程で得られた球状酸化物微粒子集合体を温度150〜600℃の範囲で加熱処理する工程
(D): 前工程に続いて、該球状酸化物微粒子集合体を水および/または有機溶媒に分散させ、球状酸化物微粒子集合体の分散液を調製する工程
i) 酸またはアルカリ
ii) 酸またはアルカリと、下記一般式で表される有機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解物
一般式: RnSi(OR′)4−n
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、およびビニル基から選ばれる炭化水素基またはアクリル基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
iii) 珪酸液およびアルカリ
(G): 前工程に続いて、多孔質酸化物粒子の分散液から、多孔質酸化物粒子を分離し、乾燥した後、大気圧下または減圧下、400〜1200℃で加熱処理する工程
本発明の半導体用封止材は、 前記熱硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする。
本発明の多孔質酸化物粒子は、充填材として樹脂または被膜形成用組成物に配合されて、それらの屈折率、誘電率、断熱性、比重、強度などについて、従来に見られないバランスのとれた特性を付与することが可能となった。
本発明に係る多孔質酸化物粒子の製造方法は、工程が簡易であり製造コストが安価である。
本発明の多孔質酸化物粒子は、平均粒子径2〜100nm、真球度0.9〜1の範囲にある球状酸化物微粒子が集合してなる球状集合体からなるものである。該多孔質酸化物粒子の平均粒子径(PD)は0.5〜50μmの範囲にあり、その空隙率は5〜50%の範囲にある。この多孔質酸化物粒子を構成する前記球状酸化物微粒子については、その粒子径分布が単分散またはバイモーダルであることを特徴とするものである。
本発明における球状酸化物微粒子は、それぞれが集合し、結着して球状集合体を構成するものである。前記球状酸化物微粒子としては、大別して、粒子径分布が(1)単分散または(2)バイモーダルである球状酸化物微粒子が使用される。
多孔質酸化物粒子を構成する球状酸化物微粒子の粒子径分布が単分散である場合は、均一な大きさの球状微粒子から前記球状集合体が構成されるものとなる。このため多孔質酸化物粒子内部は粒子径分布がブロードな場合に比べて、密な構造となり易いため、高空隙率でありながら優れた粒子破壊強度を示すことができる。
また、後記の「球状酸化物微粒子(a)」および「球状酸化物微粒子(b)」の場合も同様である。動的光散乱法による平均粒子径の測定方法については、実施例の[1A]「動的光散乱法による平均粒子径の測定方法」に記した。また、画像解析法による平均粒子径測定方法については、実施例の[5]「粒度分布の測定」にて記載した平均粒子径の測定方法により測定した。
球状酸化物微粒子の粒子径分布がバイモーダルである場合は、大粒子と小粒子により、比較的に安定な充填構造をとるため、一定の空隙率を確保しながら優れた粒子破壊強度を示すことができるものと推察される。球状酸化物微粒子の粒子径分布がバイモーダルである場合については、望ましくは球状酸化物微粒子が、次の球状酸化物微粒子(a)と球状酸化物微粒子(b)を質量比100:0.1〜100:100の範囲で含む混合物であることが推奨される。
球状酸化物微粒子(a):平均粒子径が2〜100nmの範囲にあり、粒子径変動係数(CV値)が2〜10%の範囲にある
球状酸化物微粒子(b):平均粒子径が2〜20nmの範囲にあり、粒子径変動係数(CV値)が2〜10%の範囲にある球状酸化物微粒子(但し、Da/Db≧5の範囲に限る)
球状酸化物微粒子(a)と球状酸化物微粒子(b)の比率については、質量比100:0.1〜100:100の範囲が推奨される。この範囲であれば、小粒子である球状酸化物微粒子(b)が大粒子である球状酸化物微粒子(a)間の空隙に、過不足なく充填されることにより、一定の空隙率を確保しながら優れた粒子破壊強度を示すことが可能となる。この質量比範囲については、望ましくは100:10〜100:50の範囲が推奨される。
前記多孔質酸化物粒子の平均粒子径については、0.5〜50μmの範囲が好ましい。後で述べる本発明の製造方法によれば、この範囲であれば、球状で均一な多孔質酸化物粒子を得ることが可能である。平均粒子径が0.5μm未満の多孔質酸化物粒子については、本発明の製造方法によれば、調製することが容易ではない。平均粒子径が50μmを超える場合は、本発明の製造方法によれば、異形粒子が発生し易くなるため望ましくない。なお、多孔質酸化物粒子の平均粒子径については、好適には5〜30μmの範囲が推奨される。
本願における多孔質酸化物粒子の平均粒子径については、遠心沈降法により測定されるものであり、具体的な測定方法については、実施例の[1B]「遠心沈降法による平均粒子径の測定方法」に記した。
本発明における球状酸化物微粒子が集合してなる球状集合体は、所望により表面処理されていることが望ましい。表面処理により、1)球状酸化物微粒子の外表面に存在する孔部分の封鎖、2)表面の平坦化、3)表面被覆層の生成などが生じるため、多孔質酸化物粒子を各種媒体に添加した際に、その固有の特性(屈折率、断熱性など)が損なわれ難いなどの利点がある。
一般式: RnSi(OR′)4−n
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、およびビニル基から選ばれる炭化水素基またはアクリル基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
また、球状酸化物微粒子に珪酸液およびアルカリを添加して、水熱処理することにより表面処理した場合は、シリカからなる被覆層が形成される。
本発明の多孔質酸化物粒子の組成については、無機酸化物が99.99質量%以上であって、ナトリウムが20ppm以下、鉄が20ppm以下、塩素が5ppm以下、アンモニアが1ppm以下であることが望ましい。ナトリウム、鉄、塩素およびアンモニア含有量が低下することにより、球状酸化物微粒子の粒子破壊強度向上に寄与するものと推察される。なお、ここで無機酸化物とは、前記球状酸化物微粒子としてのシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアまたはタングステンから選ばれる1種または2種以上の酸化物を意味する。
本発明における球状酸化物微粒子が集合してなる球状集合体については、次のI)及び、II)の要件を満たすものが好ましい。
I) 細孔容積が0.003〜0.45cc/gの範囲
II) 細孔径が0.1〜10nmの範囲
本発明の多孔質酸化物粒子の典型的な例としては、多孔質シリカ粒子を挙げることができる。多孔質シリカ粒子の好適な態様については、平均粒子径(PD)0.5〜50μmの範囲、空隙率5〜50%の範囲、比重1.1〜2.1g/mlの範囲であって、その組成については、シリカ99.99質量%以上、ナトリウム5ppm以下、鉄20ppm以下、塩素1ppm以下、アンモニア1ppm以下であることが望ましい。この様な多孔質シリカ粒子は、以下に記す球状シリカ微粒子が集合し、結着してなる球状集合体からなるものが好適である。前記球状シリカ微粒子としては、平均粒子径2〜100nm、真球度0.9〜1であって、次の[1]または[2]に相当するものが好適である。
[2]次の球状シリカ微粒子(a)と球状シリカ微粒子(b)を質量比100:0.1〜100:100の範囲で含む混合物。
球状シリカ微粒子(a): 平均粒子径2〜100nm、粒子径変動係数(CV値)2〜10%
球状シリカ微粒子(b): 平均粒子径2〜20nm、粒子径変動係数(CV値)2〜10%(但し、Da/Db≧5の範囲に限る)
I) 細孔容積が0.003〜0.45cc/gの範囲
II) 細孔径が0.1〜10nmの範囲
本発明の多孔質酸化物粒子の典型的な例として挙げた前記多孔質シリカ粒子については、その構成および特性から、次の様に定義することも可能である。
本発明の多孔質酸化物粒子のうち、平均粒子径(PD)0.5〜50μm、空隙率5〜50%の多孔質シリカ粒子であって、その組成がシリカ99.99質量%以上、ナトリウム20ppm以下、鉄20ppm以下、塩素5ppm以下、アンモニア1ppm以下であり、更に粒子破壊強度が30〜200Kgf/mm2の範囲にあることを特徴とする多孔質シリカ粒子は実用性が高く好適に使用することが可能である。
本発明の球状多孔質粒子の製造方法は、以下に述べる(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)および(G)の各工程を含むことを特徴とする。
先に述べた通り、本発明の多孔質酸化物粒子は、多孔質酸化物粒子を構成する球状酸化物微粒子の粒子径分布が単分散である場合とバイモーダルである場合が存在する。前者の場合については、次の(A1)の工程により、後者の場合については次の(A2)の工程により球状酸化物微粒子の分散液を遠心分離処理する。
球状酸化物微粒子分散液を含む噴霧液を気流中に噴霧して球状酸化物微粒子集合体を調製する。該球状酸化物微粒子分散液の溶媒については、水または有機溶媒が使用される。有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1価アルコール、エチレングリコール等の多価アルコール等を用いることができる。
このときの乾燥温度は、球状酸化物微粒子分散液の濃度、処理速度等によっても異なるが、スプレードライヤーを使用する場合、例えば、スプレードライヤーの入口温度としては100〜300℃、噴霧速度0.5〜3L/分、出口温度40〜100℃などの条件が好ましい。
(B)工程で得られた球状酸化物微粒子集合体を、球状酸化物微粒子同士またはゲル成分との結合力を高めるために、150〜600℃の温度範囲で加熱処理する。加熱処理温度が150℃未満では結合力の向上効果が認められず、600℃を越えると球状酸化物微粒子集合体が収縮するおそれがあり、最終的に得られる球状多孔質粒子の空隙が小さくなり、好ましくない。
(C)工程で得られた球状酸化物微粒子集合体を、室温〜40℃まで放冷または冷却し、水および/または有機溶媒に分散させてその分散液を調製する。有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1価アルコール、エチレングリコール等の多価アルコール等を用いることができる。分散液の濃度は、球状酸化物微粒子集合体を酸化物に換算した濃度で0.1〜40重量%、特に0.5〜20重量%の範囲にあることが好ましい。濃度が0.1重量%未満の場合は、工程(D)において球状酸化物微粒子集合体の内部にも酸化物系成分が析出し、外表面に選択的に析出させることが困難となり、細孔容積の大きな球状多孔質粒子が得られ難くなる。他方、濃度が40重量%を越えると(D)工程において集合体同士が凝集し易くなるので好ましくない。
(D)工程で得られた集合体分散液に次のi)、ii)またはiii)を添加して球状酸化物微粒子集合体の外表面の表面処理を行う。
i) 酸またはアルカリ
ii) 酸またはアルカリと次の一般式で表される有機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解物
一般式: RnSi(OR′)4−n
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、およびビニル基から選ばれる炭化水素基またはアクリル基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
iii) 珪酸液およびアルカリ
前記ii)の場合の酸またはアルカリについては、i)の場合と同様に定義される。前記一般式で表される有機ケイ素化合物としては、具体的に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン等が挙げられる。
酸化物系層で被覆した球状酸化物微粒子集合体の分散液は、限外濾過等の公知の洗浄方法により洗浄することができる。この場合、予め分散液中のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよびアンモニウムイオン等の一部をイオン交換樹脂などで除去した後に限外濾過してもよい。
(E)工程で得られた第1の球状多孔質粒子の分散液を、50〜350℃の温度範囲で水熱処理することにより、球状酸化物微粒子集合体を被覆している酸化物系層を緻密化することができる。即ち、酸化物系層の細孔を減少あるいは消失させることにより、球状多孔質粒子の内部空隙には、溶媒および/または気体が残留することになる。
水熱処理は、該分散液に必要に応じてアルカリ水溶液を添加して好ましくはpH8〜13の範囲に調整し、加熱処理することにより行われる。このときの加熱処理温度は、特に100〜300℃の範囲が好ましい。
加熱処理に際しては、分散液の濃度を予め希釈して、あるいは濃縮して処理することもできる。また、この後、前記工程(D)と同様にして、水熱処理した分散液の洗浄を行ってもよく、最後に、上記水熱処理した分散液から粒子を濾過分離し、乾燥して第2の球状多孔質粒子を得る。この球状多孔質粒子は、酸化物系被覆層が緻密化されているので、低屈折率化や断熱効果が促進される。
さらに(F)工程で得られた第2の球状多孔質粒子を乾燥した後、大気圧下または減圧下、400〜1200℃で加熱処理して、酸化物系層により内部空隙が密封された第3の球状多孔質粒子を得ることができる。加熱処理温度が400℃未満では、酸化物系層の細孔を完全に閉塞して緻密化することができない。一方、加熱処理温度が1200℃を越えると球状多孔質粒子が互いに融着し易く、球状を保持し難い。この第3の球状多孔質粒子は、空隙に溶媒が存在しないために粒子の屈折率は極めて低い。従って、この粒子を用いて得られる被膜は低屈折率であり、被膜付基材は反射防止性能に優れる。また、この粒子を積層した膜は優れた断熱効果を有する。
下記の(B)、(C)、(D)、(E)、(F)および(G)の各工程を含む多孔質酸化物粒子の製造方法。
(B)次のIまたはIIから選ばれる球状酸化物微粒子分散液を含む噴霧液を気流中に噴霧して球状酸化物微粒子集合体を調製する工程
I: 平均粒子径が2〜100nmで、粒子径分布が単分散な球状酸化物微粒子分散液
II: 粒子径範囲2nm以上、20nm未満の範囲と平均粒子径20nm以上、100nm以下の範囲にそれぞれ粒子径分布のピークを有する粒子径分布がバイモーダルな球状酸化物微粒子分散液
(C): 前工程で得られた球状酸化物微粒子集合体を温度150〜600℃の範囲で加熱処理する工程
(D): 前工程に続いて、該球状酸化物微粒子集合体を水および/または有機溶媒に分散させ、球状酸化物微粒子集合体の分散液を調製する工程
i) 酸またはアルカリ
ii) 酸またはアルカリと、下記一般式で表される有機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解物
一般式: RnSi(OR′)4−n
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、およびビニル基から選ばれる炭化水素基またはアクリル基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
iii) 珪酸液およびアルカリ
(F): 前工程に続いて、球状酸化物微粒子集合体の分散液を50〜350℃で水熱処理する工程
(G): 前工程に続いて、多孔質酸化物粒子の分散液から、多孔質酸化物粒子を分離し、乾燥した後、大気圧下または減圧下、400〜1200℃で加熱処理する工程
本発明の多孔質酸化物粒子を充填材として熱硬化性樹脂に配合することにより熱硬化性樹脂組成物とすることができる。通常は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、前記多孔質酸化物粒子10〜95質量部を含むものが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、所望により、各種添加剤を添加することができる。このような例としては、着色剤、応力緩和剤、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、難燃剤、硬化促進剤等を挙げることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂、多孔質酸化物粒子、硬化剤および各種添加剤を混合した後、例えば、ロールなどにより混練し、更に減圧脱泡処理することにより調製される。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、充填材として配合された多孔質酸化物粒子の特性に起因して、低比重、高誘電率、高強度な材料である。このため半導体用樹脂封止材として好適である。
合成例1−1、合成例1−2および合成例1−3で調製した球状酸化物微粒子の平均粒子径については、試料酸化物ゾルを0.58%アンモニア水にて希釈して、酸化物濃度1質量%に調整し、下記粒径測定装置を用いて平均粒子径を測定した。
レーザーパーティクルアナライザー(大塚電子社製、レーザー粒径解析システム:LP−510モデルPAR−III、測定原理: 動的光散乱法、測定角度90°、受光素子 光電子倍増管2インチ、測定範囲3nm〜5μm、光源 He-Neレーザー 5mW 632.8nm、温度調整範囲5〜90℃、温度調整方式ペルチェ素子(冷却)、セラミックヒーター(加熱)、セル 10mm角 プラスチックセル、測定対象:コロイド粒子)
なお、合成例2−1、合成例2−2および合成例2−3で調製した球状酸化物微粒子の平均粒子径については、後記[5]に記載した平均粒子径の測定方法により測定した。
多孔質酸化物粒子の平均粒子径については、まず、多孔質酸化物粒子の分散液(水または40質量%グリセリン溶媒、固形分濃度0.1〜5質量%)を超音波発生機(iuch社製、US-2型)に5分間分散する。更に、水またはグリセリンを加えて適度に濃度を調節した分散液より、ガラスセル(長さ10mm、幅10mm、高さ45cmのサイズ)に当該分散液を取り、遠心沈降式粒度分布測定装置(堀場製作所製:CAPA−700)を用いて平均粒子径を測定した。
また、球状酸化物微粒子の球状集合体の平均粒子径についても同様に測定した。
多孔質シリカ粒子の比重については、まず、試料10gをルツボに採取し、110℃で2時間乾燥させる。次いで、デシケーターにて冷却後、25mlピクノメーターに3〜4g入れ、蒸留水を加えて懸濁し、60mmHgにて1時間真空脱気を行った後に、25℃恒温槽にて温度調整する。ピクノメーターの標線まで蒸留水を加えて容量を調整し、ピクノメーターの容量(25ml)と蒸留水の容量(ml)の差から試料の容量(ml)を算出する。加えた試料の重量(g)と算出された容量(ml)から比重を求めた。
多孔質シリカ粒子の空隙率については、前記[2]で求めた比重を用いて、以下の式から算出した。
100−[前記[2]で求めた多孔質シリカ粒子の比重]/[シリカの比重]×100=空隙率(%)
透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、試料酸化物ゾルを倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の50個の粒子について、それぞれその最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)との比(DS/DL)を測定し、それらの平均値を真球度とした。
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の250個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製、IP−1000)を用いて、平均粒子径を測定し、粒子径分布に関する変動係数(CV値)を算定した。具体的には、粒子250個について、それぞれの粒子径を測定し、その値から平均粒子径および粒子径の標準偏差を求め、下記式から算定した。
変動係数(CV値)=(粒子径標準偏差(σ)/平均粒子径(Dn))×100
多孔質酸化物粒子の細孔容積については、先ず、試料10gをルツボに取り、300℃で1時間乾燥後、デシケーターに入れて室温まで冷却した。次いで、よく洗浄したセルに1g試料を取り、窒素吸着装置(自社製)を用いて窒素を吸着させ、以下の式から細孔容積を算出した。
細孔容積(ml/g)=(0.001567×(V−Vc)/w)
但し、0.001567: 窒素ガスと液体窒素の密度の比、
V: 圧力735mmHgでの標準状態の吸着量(ml)、
Vc: 圧力735mmHgでのセルブランク(ml)、
W: 試料重量(g) である。
多孔質酸化物粒子の細孔容積については、試料10gをルツボに取り、300℃で1時間乾燥後、デシケーターに入れて室温まで冷却した。ガラスセルに0.15g採取し、AUTOSORB DEGASSER(ユアサ アイオニクス株式会社製)を使用して真空脱気しながら試料にN2を吸着後、AUTSORB−6で細孔径を測定して得られるDIFFERENTIAL CURVE グラフより確認されるDESORPTION推移から、細孔容積が最も大きい細孔径を、多孔質酸化物粒子の細孔径とした。
球状多孔質粒子を粉砕し、粒子の破断面の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、粒子20個について被覆層部の厚さを測定し、この平均値として求めた。
測定用サンプル約50gをポリエチレン製のサンプル瓶に採取し、これを25℃の恒温槽に30分以上浸漬した後、pH4、7および9の標準液で更正が完了した株式会社堀場製作所製のpHメータF22のガラス電極を挿入して実施した。
粒子の破壊強度については、多孔質酸化物粒子(粒子径10±1μm)1個の粒子を試料とし、微小圧縮試験機(島津製作所製、MCTM−200)を用いて、試料に一定の負荷速度で荷重を負荷し、粒子が破壊した時点の加重値を圧縮強度(kgf/mm2)とする。 さらに、この操作を4回繰り返し、5個の試料について圧縮強度を測定し、その平均値を粒子圧縮強度とした。
試料シリカゾル10gに50%硫酸水溶液2mlを加え、白金皿上にて蒸発乾固し、得られた固形物
を1000℃にて1時間焼成後、冷却して秤量する。次に、秤量した固形物を微量の50%硫酸水溶
液に溶かし、更にフッ化水素酸20mlを加えてから、白金皿上にて蒸発乾固し、1000℃にて15
分焼成後、冷却して秤量する。これらの重量差より多孔質シリカ粒子中のシリカ含有量を求めた。
Na、Feの含有量測定方法は以下の通りである。
1)試料シリカゾル約10gを白金皿に採取し、0.1mgまで秤量する。
2)硝酸5mlと弗化水素酸20mlを加えて、サンドバス上で加熱し,蒸発乾固する。
3)液量が少なくなったら、更に弗化水素酸20mlを加えてサンドバス上で加熱し、蒸発乾固する。
4)室温まで冷却後、硝酸2mlと水を約50ml加えて、サンドバス上で加熱溶解する。
5)室温まで冷却後、フラスコ(100ml)に入れ、水で100mlに希釈して試料溶液とする。
6)試料溶液中に存在するナトリウムと鉄の含有量を、各測定装置でそれぞれ測定した。
7)前記[12]と同様に多孔質粒子中のシリカ含有量を測定した。
8)上記6)と7)の結果からSiO2分に対する各金属の割合を算出した。
1)試料シリカゾルの約20gを200mlビーカーに採取し、0.1mgまで秤量する。
2)アセトン100ml、酢酸5mlおよび0.002mol/lの塩化ナトリウム溶液4mlを加え、試料溶液
とする。
3)電位差自動滴定装置(京都電子工業(株)製、AT−610、検出範囲:≡2000〜2000mV、pH0〜14、温度0〜100℃)を使用して、試料溶液に対する硝酸銀アルコール溶液(硝酸銀濃度0.002mol/l)の滴定量を求める。
また試料シリカゾルを添加しない他は上記2)と同様にして空試験溶液を調製し、これについても同様に滴定量を求めた。そして、次式から試料中の塩素含有量を求めた。
A: 試料溶液の0.002mol/l 硝酸銀アルコール溶液滴定量(ml)
B: 空試験溶液の0.002mol/l 硝酸銀アルコール溶液滴定量(ml)
f: 0.002mol/l硝酸銀の力価
71: 0.002mol/l硝酸銀アルコール溶液1mlにおけるCl相当量(μg)
W: 試料採取量(g)
試料(多孔質酸化物粒子)を10g採取し、濃度20質量%の水酸化ナトリウム水溶液10mlを加えて、混ぜ合わせ、測定用試料とした。そして、アンモニア蒸留装置を用いて、同測定用試料中に含まれるアンモニアを蒸留した。なお、蒸留されたアンモニアについては、直接、濃度0.05質量%の硫酸水溶液で液化するようにアンモニア蒸留装置を設置し、得られた溶液を蒸留物とした。
同蒸留物に含まれるアンモニア含有量をイオンメーター(ORION社製、MODEL720A)とその検量線を用いて算出し、前記の試料重量と測定されたアンモニア含有量からその濃度を算出した。
このシリカゾルは、平均粒子径23nm(前記[1A]に記載した動的光散乱法による)のシリカ微粒子が水に分散してなるシリカゾルであった。
このシリカゾルは、平均粒子径48nm(前記[1A]に記載した動的光散乱法による)のシリカ微粒子が水に分散してなるシリカゾルであった。
このシリカゾルは、平均粒子径60nm(前記[1A]に記載した動的光散乱法による)のシリカ微粒子が水に分散してなるシリカゾルであった。
この高純度珪酸液135.4gに28%アンモニア水をpH11.5になるまで添加した。ついで63℃に昇温し、その温度で30分保った後、前述の高純度珪酸液27.1kgを9時間かけて添加した。添加終了後さらに1時間、温度63℃を保った。反応終了後に得られたゾルを限外モジュール(旭化成社製SIP-1013)で10%まで濃縮した。次にロータリーエバポレーターで濃縮し、シリカ濃度16重量%のシリカゾルを調製した。
このシリカゾルは、平均粒子径5nm(前記[5]に記した走査型電子顕微鏡による平均粒子径の測定方法による)のシリカ微粒子が水に分散してなるシリカゾルであった。
このシリカゾルは、平均粒子径8nm(前記[5]に記した走査型電子顕微鏡による平均粒子径の測定方法による)のシリカ微粒子が水に分散してなるシリカゾルであった。
このシリカゾルは、平均粒子径10nm(前記[5]に記した走査型電子顕微鏡による平均粒子径の測定方法による)のシリカ微粒子が水に分散してなるシリカゾルであった。
このシリカゾルは、平均粒子径23nm、真球度0.93のシリカ微粒子が水に分散してなるシリカゾルであった。なお、このシリカゾルの粒子変動係数(CV値)は、3%であり球状シリカ微粒子が単分散しているものであることが分かった。
次いで、珪酸液2625g(シリカ濃度4.8質量%)を陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH)0.2Lに空間速度3.1で通液させることで得られた固形分4.8重量%の高純度珪酸液2600gを前記シリカゾル1980gに加え([シリカゾル中のシリカ質量]/[珪酸液中のシリカ質量]=2に相当)、攪拌してスラリー(固形分濃度8.2質量%)とした。
得られた球状シリカ微粒子集合体を温度450℃にて、6時間加熱し、平均粒子径10μmの球状シリカ微粒子集合体260gを得た。この球状シリカ微粒子集合体について、細孔容積および細孔径を測定した結果を表1に示す。
得られた該洗浄ケーキを110℃の温度で18時間乾燥したところ、球状の粉体を240g得た。更にこの粉体を温度800℃で6時間焼成することにより多孔質シリカ粒子を得た。この多孔質シリカ粒子について、平均粒子径、空隙率、比重、外層の厚さおよび破壊強度を測定した結果およびこのシリカ微粒子の組成分析を行った結果を表1に示す。
得られた球状シリカ微粒子集合体について、実施例1と同様な処理を行って多孔質シリカ粒子を得た。この多孔質シリカ粒子について、平均粒子径、空隙率、比重、外層の厚さおよび破壊強度を測定した結果およびこのシリカ微粒子の組成分析を行った結果を表1に示す。
得られた球状シリカ微粒子集合体について、実施例1と同様な処理を行って多孔質シリカ粒子を得た。この多孔質シリカ粒子について、平均粒子径、空隙率、比重、外層の厚さおよび破壊強度を測定した結果およびこのシリカ微粒子の組成分析を行った結果を表1に示す。
このシリカゾルは、平均粒子径5nm、真球度0.90のシリカ微粒子が水に分散してなるシリカゾルであった。なお、このシリカゾルのCV値は、7%であり球状シリカ微粒子が単分散しているものであることが分かった。
得られた球状シリカ微粒子集合体を温度450℃にて、6時間加熱し、平均粒子径10μmの球状シリカ微粒子集合体180gを得た。この球状シリカ微粒子集合体について、細孔容積および細孔径を測定した結果を表1に示す。
該分散液のpHが10.5になるまで15%アンモニア水溶液を加え、オートクレーブに入れて150℃の温度で16時間熟成した後、室温まで冷却して抜き出した。得られたスラリーをヌッチェにて脱水し、得られたケーキに60℃の純水を1500g加えて洗浄し、脱水処理を行った。
得られた該洗浄ケーキを110℃の温度で18時間乾燥したところ、球状の粉体を160g得た。更にこの粉体を温度800℃で6時間焼成することにより多孔質シリカ粒子を得た。この多孔質シリカ粒子について、平均粒子径、空隙率、比重、外層の厚さおよび破壊強度を測定した結果およびこのシリカ微粒子の組成分析を行った結果を表1に示す。
この球状シリカ微粒子2000gに陽イオン交換樹脂50g(三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH)を加えて撹拌し、pHが3.5以下になったところで該陽イオン交換樹脂を分離した。
この球状シリカゾル2000gに陽イオン交換樹脂50g(三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH)を加えて撹拌し、pHが3.5以下になったところで該陽イオン交換樹脂を分離した。
そして、球状シリカ微粒子(a)と球状シリカ微粒子(b)の質量比が100:16.7となるように両シリカゾルを混合し、シリカゾル2310gを得た。
得られたスラリーをスプレードライヤー(NIRO社製、NIRO ATMIZER)に供し、入口温度240℃、出口温度55℃、噴霧速度2リットル/分の条件で噴霧乾燥を実施し、球状酸化物微粒子集合体を得た。
得られた球状シリカ微粒子集合体について、実施例1と同様な処理を行って多孔質シリカ粒子を得た。この多孔質シリカ粒子について、平均粒子径、空隙率、比重、外層の厚さおよび破壊強度を測定した結果およびこのシリカ微粒子の組成分析を行った結果を表1に示す。
この球状シリカ微粒子2000gに陽イオン交換樹脂50g(三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH)を加えて撹拌し、pHが3.5以下になったところで該陽イオン交換樹脂を分離した。
この球状シリカゾル2000gに陽イオン交換樹脂50g(三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH)を加えて撹拌し、pHが3.5以下になったところで該陽イオン交換樹脂を分離した。
そして、球状シリカ微粒子(a)と球状シリカ微粒子(b)の質量比が100:16.7となるように両シリカゾルを混合し、シリカゾル2310gを得た。
得られたスラリーをスプレードライヤー(NIRO社製、NIRO ATMIZER)に供し、入口温度240℃、出口温度55℃、噴霧速度2リットル/分の条件で噴霧乾燥を実施し、球状酸化物微粒子集合体を得た。
得られた球状シリカ微粒子集合体について、実施例1と同様な処理を行って多孔質シリカ粒子を得た。この多孔質シリカ粒子について、平均粒子径、空隙率、比重、外層の厚さおよび破壊強度を測定した結果およびこのシリカ微粒子の組成分析を行った結果を表1に示す。
具体的には、シリカゾル(触媒化成工業(株)製:Cataloid SI-50、平均粒子径25nm、濃度50重量%)800gに、水450gとを混合しシリカゾルを調製し、温度105℃の乾燥気流中に、二流体ノズルの一方に5kg/hrの流量で、他方のノズルに気体圧力を2kg/hrの流量で供給して噴霧乾燥した。この粉末を500℃で5時間焼成してシリカ微粒子集合体を得た。このシリカ微粒子集合体の平均粒子径と細孔容積を測定し、結果を表1に示した。
具体的には、シリカゾル(触媒化成工業(株)製:Cataloid SI-50、平均粒子径25nm、濃度50重量%)400gに、水60gとアエロジル(日本アエロジル(株)製:平均粒子径0. 05μm)133gを添加し、これに水を加えて濃度が20重量%のシリカゾルを調製し、温度105℃の乾燥気流中に、二流体ノズルの一方に5kg/hrの流量で、他方のノズルに気体圧力を2kg/hrの流量で供給して噴霧乾燥した。この粉末を500℃で5時間焼成してシリカ微粒子集合体を得た。このシリカ微粒子集合体の平均粒子径と細孔容積を測定し、結果を表1に示した。
この表面がメチル基で変性された各多孔質シリカ粒子117gを、それぞれエポキシ樹脂(旭化成株式会社製、AER260」)59gに添加し、30分間混合し、目視により混和性を観察した。
○:エポキシ樹脂中に粉体が均一に分散したことが観察された。
△:エポキシ樹脂中での粉体の分散については、均一な部分と不均一な部分が観察された。
×:エポキシ樹脂中での粉体の分散は、不均一であることが観察された。
Claims (11)
- 平均粒子径(D)2〜100nm、真球度0.9〜1の範囲にある球状酸化物微粒子が集合した球状集合体からなる平均粒子径(PD)0.5〜50μm、空隙率5〜50%の範囲にある多孔質シリカ粒子であって、前記球状酸化物微粒子の粒子径分布が、(1)単分散、または、(2)バイモーダルであることを特徴とする多孔質シリカ粒子。
- 前記球状集合体が表面処理されたものであることを特徴とする請求項1記載の多孔質シリカ粒子。
- 前記粒子径分布が(1)単分散である球状酸化物微粒子の粒子径変動係数(CV値)が2〜10%の範囲にあることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多孔質シリカ粒子。
- 前記粒子径分布が(2)バイモーダルである球状酸化物微粒子が、次の球状酸化物微粒子(a)と球状酸化物微粒子(b)を質量比100:0.1〜100:100の範囲で含むものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多孔質シリカ粒子。
球状酸化物微粒子(a):平均粒子径(Da)が2〜100nmの範囲にあり、粒子径変動係数(CV値)が2〜10%の範囲にある。
球状酸化物微粒子(b):平均粒子径(Db)が2〜20nmの範囲にあり、粒子径変動係数(CV値)が2〜10%の範囲にある(但し、Da/Db≧5の範囲に限る。)。 - 前記多孔質シリカ粒子の組成が、ナトリウム20ppm以下、鉄20ppm以下、塩素5ppm以下、アンモニア1ppm以下、前記ナトリウムと鉄以外の無機酸化物99.99質量%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の多孔質シリカ粒子。
- 前記球状集合体が下記I)及びII)の要件を満たすものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の多孔質シリカ粒子。
I) 細孔容積が0.003〜0.45cc/gの範囲
II) 細孔径が0.1〜10nmの範囲 - 前記球状集合体が、更に珪酸液に由来するシリカを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の多孔質シリカ粒子。
- 下記の(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)および(G)の各工程を含む請求項1〜7のいずれか記載の多孔質シリカ粒子の製造方法。
(A): 次の(A1)または(A2)から選ばれる工程
(A1): 平均粒子径2〜100nmの球状酸化物微粒子の分散液を遠心分離処理し、粗大粒子を分離することにより粒子径分布が単分散な球状酸化物微粒子分散液とする工程
(A2): 平均粒子径2〜100nmの球状酸化物微粒子(a)の分散液を遠心分離処理し、粗大粒子を分離することにより粒子径分布が単分散な球状酸化物微粒子(a)の分散液を調製し、更に、平均粒子径2〜20nmの球状酸化物微粒子(b)(但し、Da/Db≧5の範囲に限る)の分散液を遠心分離処理し、粗大粒子を分離することにより粒子径分布が単分散な球状酸化物微粒子(b)の分散液を調製し、両分散液を混合することにより粒子径分布がバイモーダルな球状酸化物微粒子分散液を調製する工程
(B): 前工程の処理を行った球状酸化物微粒子分散液を含む噴霧液を気流中に噴霧して球状酸化物微粒子集合体を調製する工程
(C): 前工程で得られた球状酸化物微粒子集合体を温度150〜600℃の範囲で加熱処理する工程
(D): 前工程に続いて、該球状酸化物微粒子集合体を水および/または有機溶媒に分散させ、球状酸化物微粒子集合体の分散液を調製する工程
(E): 前工程で調製した球状酸化物微粒子集合体の分散液に、次のi)、ii)またはiii)を添加することにより該球状酸化物微粒子集合体を表面処理する工程
i) 酸またはアルカリ
ii) 酸またはアルカリと、下記一般式で表される有機ケイ素化合物および/またはその部分加水分解物
一般式: RnSi(OR′)4−n
〔但し、RおよびR′は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、およびビニル基から選ばれる炭化水素基またはアクリル基であり、nは0、1、2または3の整数である。〕
iii) 珪酸液およびアルカリ
(F): 前工程に続いて、球状酸化物微粒子集合体の分散液を50〜350℃で水熱処理する工程
(G): 前工程に続いて、多孔質シリカ粒子の分散液から、多孔質シリカ粒子を分離し、乾燥した後、大気圧下または減圧下、400〜1200℃で加熱処理する工程 - 前記(B)工程で使用する噴霧液が、球状酸化物微粒子の他に珪酸液を含むものであることを特徴とする請求項8記載の多孔質シリカ粒子の製造方法。
- 熱硬化性樹脂100質量部と、請求項1〜7のいずれかに記載の多孔質シリカ粒子10〜95質量部を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項10記載の熱硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする半導体用封止材。
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