JP2009113697A - オーバーヘッドコンソールの仮固定用爪 - Google Patents

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Kazuyoshi Nishikawa
和良 西川
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Abstract

【課題】オーバーヘッドコンソールが天井に仮固定された後オーバーヘッドコンソールと天井が車両ボデーに組付けられるまでに、オーバーヘッドコンソールが天井から脱落してしまうことを抑制できるオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪の提供。
【解決手段】オーバーヘッドコンソール10を車室の天井20に仮固定するための仮固定用爪30であって、仮固定用爪30は、オーバーヘッドコンソール10に設けられており、弾性変形して復元することにより天井20に設けられる開口21の縁部21aに係合可能とされており、仮固定用爪30には、天井20の開口21の縁部21aに係合しているときに縁部21aと接触する面に、縁部21aに対して滑ることを抑制する滑り止め50が設けられている、オーバーヘッドコンソールの仮固定用爪。
【選択図】 図4

Description

本発明は、オーバーヘッドコンソールを車室の天井に仮固定するための仮固定用爪に関する。
図7に示すように、オーバーヘッドコンソール1は、オーバーヘッドコンソール1に設けられる仮固定用爪3を用いて天井2に仮固定される。天井2に仮固定されたオーバーヘッドコンソール1は、図8に示すように、天井2と共に天井サブアッセンブリとして車両組立ラインに搬送されて車両ボデー4へ組付けられる。オーバーヘッドコンソール1と天井2は、オーバーヘッドコンソール1に設けられるクリップ1aがボデー4に設けられるブラケット4aのクリップ挿入孔4bに下方から嵌められ、天井2が図示略の天井取付け部に下方から嵌められることで、ボデー4に組付けられる。オーバーヘッドコンソール1と天井2がボデー4に組付けられたとき、天井2は、ブラケット4から下方に延びる足部4cによって下方に押されている。そのため、天井2は仮固定用爪3から下方に離れ、オーバーヘッドコンソール1の意匠面と天井2の意匠面が略面一となる。
オーバーヘッドコンソール1に設けられるクリップ1aは、製品誤差・組付誤差等を吸収できるように、オーバーヘッドコンソール1に対して車両前後・左右方向に所定量自由に動くことができる構造になっている。そのため、クリップ1aの車両前後・左右方向位置とブラケット4aのクリップ挿入孔4bの車両前後・左右方向位置とが車両前後・左右方向にずれていると、オーバーヘッドコンソール1はクリップ1aの頭がクリップ挿入孔4bの周囲のブラケット下面に当接してしまいボデー4に組付けられず、天井2のみがボデー4に組付けられてしまう。そのため、オーバーヘッドコンソール1はボデー4に対して所定位置まで上方に移動することができず、天井2のみがボデー4に対して所定位置まで上方に移動することになり、仮固定爪3に対して天井2が上方に移動してしまい(天井2が仮固定爪3を乗り越えてしまい)、仮固定が外れてしまう。
オーバーヘッドコンソール1がボデー4に組付けられず天井2のみがボデー4に組付けられた場合であっても、天井2が仮固定用爪3を乗り越えることを防止するために、図9に示すように、仮固定用爪3の位置を図8の位置よりも上方にずらすことが行われている。仮固定用爪3の位置を上方にずらしてあるため、天井2に対して仮固定されているときのオーバーヘッドコンソール1の天井2に対する上下方向位置と正常にボデー4に組付けられたときのオーバーヘッドコンソール1の天井2に対する上下方向位置との距離Aが図8の場合に比べて大きくなっている。
しかし、従来のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪にはつぎの問題点がある。
距離Aが大きくなっているため、天井サブアッセンブリ2,3を車両組立ラインに搬送するときに、上下振動やオーバーヘッドコンソール1に上方への外力が加わった場合などに仮固定用爪3が天井2に対して滑ってしまい、オーバーヘッドコンソール1が天井2に対して傾いてしまい、仮固定が外れてオーバーヘッドコンソール1が天井2から脱落するおそれがある。
特開平8−150879号公報
本発明の目的は、オーバーヘッドコンソールが天井に仮固定された後オーバーヘッドコンソールと天井が車両ボデーに組付けられるまでに、オーバーヘッドコンソールが天井から脱落してしまうことを抑制できるオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪を提供することにある。
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) オーバーヘッドコンソールを車室の天井に仮固定するための仮固定用爪であって、
前記仮固定用爪は、前記オーバーヘッドコンソールに設けられており、弾性変形して復元することにより前記天井に設けられる開口の縁部に係合可能とされており、
前記仮固定用爪には、前記天井の開口の縁部に係合しているときに該縁部と接触する面に、該縁部に対して滑ることを抑制する滑り止めが設けられている、オーバーヘッドコンソールの仮固定用爪。
(2) 前記滑り止めは、前記仮固定用爪のうち前記天井の開口の縁部と接触する面を凹凸面とすることで設けられている(1)記載のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪。
(3) 前記滑り止めは、前記仮固定用爪のうち前記天井の開口の縁部と接触する面にゴムまたはスポンジを取付けることで設けられている(1)記載のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪。
上記(1)のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪によれば、仮固定用爪には、天井の開口の縁部に係合しているときに該縁部と接触する面に、該縁部に対して滑ることを抑制する滑り止めが設けられているため、上下振動やオーバーヘッドコンソールに上方への外力が加わった場合などに仮固定用爪が天井に対して滑ってしまうことを抑制できる。そのため、従来に比べて、オーバーヘッドコンソールが天井に仮固定された後オーバーヘッドコンソールと天井が車両ボデーに組付けられるまでに、オーバーヘッドコンソールが天井から脱落してしまうことを抑制できる。
上記(2)のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪によれば、滑り止めが、仮固定用爪のうち天井の開口の縁部と接触する面を凹凸面とすることで設けられているため、滑り止めのために新たな部品を用いる必要はなく、滑り止めのために新たな部品を用いる場合に比べて部品点数を削減できる。
上記(3)のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪によれば、滑り止めが、仮固定用爪のうち天井の開口の縁部と接触する面にゴムまたはスポンジを取付けることで設けられているため、安価な部材を用いて滑り止めを設けることができる。
図1〜図5は、本発明実施例1のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪とその近傍を示しており、図6は、本発明実施例2のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪とその近傍を示している。本発明実施例1と実施例2にわたって共通する部分には、本発明実施例1と実施例2にわたって同じ符号を付してある。
まず、本発明実施例1と実施例2にわたって共通する部分を説明する。
本発明実施例のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪30は、オーバーヘッドコンソール10を車室の天井20に仮固定するために設けられる。
オーバーヘッドコンソール10は、たとえば樹脂製である。オーバーヘッドコンソール10は、図示略の収納部を備えており小物入れ装置として使用可能とされていてもよく、図示略のミラーを備えており後席確認ミラー(カンバセーションミラー)装置として使用可能とされていてもよい。オーバーヘッドコンソール10は、図1に示すように、天井20に設けられる開口21に下方から挿入されて天井20に仮固定される。
オーバーヘッドコンソール10は、天井20に仮固定されると、図3に示すように、天井20とともに天井サブアッセンブリとして車両組立ラインに搬送されて車両ボデー40へ下方から組付けられる。オーバーヘッドコンソール10と天井20は、図4に示すように、オーバーヘッドコンソール10に設けられるゴム製のクリップ11がボデー40に設けられるブラケット41のクリップ挿入孔42に下方から嵌められ、天井20が図示略の天井取付け部に下方から嵌められることで、ボデー40に組付けられる。
クリップ11は、オーバーヘッドコンソール10の天井壁に設けられるクリップ取付け用孔12に嵌め込まれている。クリップ取付け用孔12の孔径はクリップ11が車両前後・左右方向に移動できるように、クリップ11の孔12に嵌め込まれる部分の径に対して大きめに設定されている。そのため、クリップ11は、オーバーヘッドコンソール10、天井20およびボデー40の製品誤差・組付誤差等を吸収できるように、オーバーヘッドコンソール10に対して車両前後・左右方向に所定量自由に動くことができる構造になっている。
オーバーヘッドコンソール10と天井20がボデー40に組付けられたとき、天井20は、ブラケット41から下方に延びる足部43によって下方に押されている。そのため、天井20は仮固定用爪30から下方に離れ、オーバーヘッドコンソール10の意匠面と天井20の意匠面が略面一となる。
仮固定用爪30は、オーバーヘッドコンソール10に設けられている。仮固定用爪30は、オーバーヘッドコンソール10に一体に形成されていてもよく、オーバーヘッドコンソール10と別体に形成されてオーバーヘッドコンソール10に着脱不能に取付けられていてもよい。
仮固定用爪30は、オーバーヘッドコンソール10の車両前後および/または左右に複数(たとえば計4個)設けられている。仮固定用爪30は、弾性変形可能とされている。仮固定用爪30は、オーバーヘッドコンソール10の側壁13の上端部またはその近傍から離れる方向かつ下方に延びる第1の傾斜部31と、第1の傾斜部31の下端から側壁13に接近する方向かつ下方に延びる第2の傾斜部32と、第2の傾斜部32の下端から下方に延びる延び部33と、を備える。延び部33の下端は自由端である。第1、第2の傾斜部31,32及び延び部33は一部品構成である。仮固定用爪30は、オーバーヘッドコンソール10の側壁13に接近・離反する方向に弾性変形可能である。仮固定用爪30は、天井20の開口21の縁部21aに係合可能とされている。仮固定用爪30は、オーバーヘッドコンソール10を天井20の開口21に下方から挿入すると(嵌め込むと)、縁部21aによって押されて弾性変形し、第1の傾斜部31が縁部21aを乗り越えたときに復元して縁部21aに係合する。仮固定用爪30が縁部21aに係合したとき、オーバーヘッドコンソール10が天井20に仮固定される。
仮固定用爪30には、天井20の開口21の縁部21aに対して上下方向に滑ることを抑制する滑り止め50が設けられている。滑り止め50は、複数の仮固定用爪30の少なくとも一つに設けられる。滑り止め50は、仮固定用爪30の表面全体に設けられていてもよく、仮固定用爪30の表面の一部のみに設けられていてもよい。滑り止め50が仮固定用爪30の表面の一部のみに設けられる場合、滑り止め50は、少なくとも仮固定用爪30のうち仮固定用爪30が縁部21aに係合しているときに縁部21aと接触する面に、設けられる。なお、仮固定用爪30のうち仮固定用爪30が縁部21aに係合しているときに縁部21aと接触する面は、仮固定用爪30の第2の傾斜部32及び延び部33の外表面(側壁13と反対側の面)である。
滑り止め50は、仮固定用爪30の表面を凹凸面とすることで設けられていてもよく、仮固定用爪30にゴムまたはスポンジを取付けることで設けられていてもよい。
ここで、本発明実施例1と実施例2にわたって共通する部分の作用を説明する。
本発明実施例では、仮固定用爪30には、天井20の開口21の縁部21aに係合しているときに縁部21aと接触する面に、縁部21aに対して滑ることを抑制する滑り止め50が設けられているため、オーバーヘッドコンソール10を天井20に仮固定した後オーバーヘッドコンソール10と天井20を車両のボデー40に組付ける前に、上下振動やオーバーヘッドコンソール10に上方への外力が加わった場合などに仮固定用爪30が天井20に対して上下方向に滑ってしまうことを抑制できる。そのため、従来に比べて、オーバーヘッドコンソール10が天井20に仮固定された後オーバーヘッドコンソール10と天井20が車両ボデー40に組付けられるまでに、オーバーヘッドコンソール10が天井20から脱落してしまうことを抑制できる。
滑り止め50が、少なくとも仮固定用爪30の第2の傾斜部32及び延び部33の外表面(側壁13と反対側の面)に設けられているため、天井20の形状が変わり仮固定時に仮固定用爪30と縁部21aとの接触位置が上下方向で変わる場合であっても仮固定時に仮固定用爪30が天井20の開口21の縁部21aに対して上下方向に滑ってしまうことを抑制できる。その結果、同じ滑り止め50を仮固定爪30に施した同一種のオーバーヘッドコンソール10を天井20の形状が異なる複数車種に用いることができる。
つぎに、本発明各実施例に特有な部分を説明する。
〔実施例1〕(図1〜図5)
本発明実施例1では、仮固定用爪30がオーバーヘッドコンソール10に一体に形成されており、滑り止め50が仮固定用爪30の表面を凹凸面とすることで設けられる場合を示している。
滑り止め50は、仮固定用爪30(及びオーバーヘッドコンソール10)の成形型に加工を施して仮固定用爪30に転写することで仮固定用爪30に設けられていてもよく、仮固定用爪30の成形後に仮固定用爪30に加工を施すことで仮固定用爪30に設けられていてもよい。滑り止め50は、たとえば、仮固定用爪30に、(a)上下方向と直交する方向に延びるセレーション、上下方向と直交する方向に延びるシボ、多数の突起を施すこと等で設けられていてもよく、切削等により仮固定用爪30の面を荒らす加工(表面加工)を施すこと等で設けられていてもよい。セレーション、シボ、突起等の上下方向の間隔は、図4に示すように比較的狭くされていてもよく、図5に示すように比較的広くされていてもよい。
本発明実施例1では、滑り止め50が、仮固定用爪30の表面を凹凸面とすることで設けられているため、滑り止め50のために新たな部品を用いる必要はなく、滑り止め50のために新たな部品を用いる場合に比べて部品点数を削減できる。
〔実施例2〕(図6)
本発明実施例2では、仮固定用爪30がオーバーヘッドコンソール10と別体に形成されており、滑り止め50が仮固定用爪30にゴムまたはスポンジを取付けることで設けられる場合を示している。
仮固定用爪30は、たとえば金属製の板バネからなる。ただし、仮固定用爪30は樹脂製の板バネであってもよい。
滑り止め50は、仮固定用爪30にゴムまたはスポンジを接着、貼り付けすること等により設けられる。
本発明実施例2では、滑り止め50が仮固定用爪30にゴムまたはスポンジを取付けることで設けられるため、ゴム、スポンジ等の安価な部材を用いて滑り止め50を設けることができる。
本発明実施例1のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪が用いられた、オーバーヘッドコンソールと天井との分解斜視図である。 本発明実施例1のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪が用いられた、オーバーヘッドコンソールと天井との仮固定状態の斜視図である。 本発明実施例1のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪が用いられた、オーバーヘッドコンソールと天井とを車両ボデーに組付けるときの斜視図である。 本発明実施例1のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪とその近傍を示す断面図である。 本発明実施例1のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪とその近傍を示す断面図である。 本発明実施例2のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪とその近傍を示す断面図である。 従来のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪が用いられた、オーバーヘッドコンソールと天井との分解斜視図である。 従来のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪とその近傍を示す断面図である。 従来のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪を用いた場合であって仮固定用爪の位置を図8の位置よりも上方にずらしたときの、オーバーヘッドコンソールの仮固定用爪とその近傍を示す断面図である。
符号の説明
10 オーバーヘッドコンソール
11 クリップ
12 クリップ取付け用孔
13 オーバーヘッドコンソールの側壁
20 天井
21 開口
21a 縁部
30 仮固定用爪
31 第1の傾斜部
32 第2の傾斜部
33 延び部
40 車両のボデー
41 ブラケット
42 クリップ挿入孔
43 足部
50 滑り止め

Claims (3)

  1. オーバーヘッドコンソールを車室の天井に仮固定するための仮固定用爪であって、
    前記仮固定用爪は、前記オーバーヘッドコンソールに設けられており、弾性変形して復元することにより前記天井に設けられる開口の縁部に係合可能とされており、
    前記仮固定用爪には、前記天井の開口の縁部に係合しているときに該縁部と接触する面に、該縁部に対して滑ることを抑制する滑り止めが設けられている、オーバーヘッドコンソールの仮固定用爪。
  2. 前記滑り止めは、前記仮固定用爪のうち前記天井の開口の縁部と接触する面を凹凸面とすることで設けられている請求項1記載のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪。
  3. 前記滑り止めは、前記仮固定用爪のうち前記天井の開口の縁部と接触する面にゴムまたはスポンジを取付けることで設けられている請求項1記載のオーバーヘッドコンソールの仮固定用爪。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011230565A (ja) * 2010-04-26 2011-11-17 Kojima Press Industry Co Ltd オーバーヘッドコンソール装置とその製造方法
JP2018187992A (ja) * 2017-05-01 2018-11-29 小島プレス工業株式会社 樹脂製のオーバーヘッドコンソール

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