JP2009111981A - 多重モード誘電体共振器およびその調整方法 - Google Patents

多重モード誘電体共振器およびその調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的簡単な構造で伝送損失が少なく所望の特性を容易に調整可能な多重モード誘電体共振器を提供する。
【解決手段】本発明の多重モード誘電体共振器は、導体ケース11に囲まれたキャビティー内に固定され、切削面10aが形成され複数の共振モードを励振する柱状の誘電体共振器本体10と、誘電体共振器本体10の上面に対向配置され、誘電体共振器本体10との距離を調整可能に構成された誘電体調整片15を備えている。入力端子13から出力端子14に至る伝送信号の周波数特性において、支持棒16を介して誘電体調整片15と誘電体共振器本体10の間の距離を調整することにより、2つの共振モードに対応する2つの周波数を連動して変化させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の周波数に対応する複数の共振モードを励振可能な多重モード誘電体共振器に関する。
一般に、携帯電話等の基地局には共振器フィルタが組み込まれている。このような共振器フィルタを小型かつ高性能に構成するため、複数の共振モードを励振させて複数の周波数に対応可能な多重モード共振器が注目されている。このような多重モード共振器としては、その基本形状に円柱を用いる構造あるいは直方体を用いる構造など、種々の構造が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。直方体形状を用いる構造で複数の共振モードを励振させるためには、複数の直方体を組み合わせた構造か、直方体の一部を3次元的に削除した構造を採用する必要がある。また、円柱形状を用いる構造で複数の共振モードを励振させるためには、共振器本体の特性調整のためのネジ部材や円柱穴等を設けた構造を採用する必要がある。
特開昭57−194603号公報 特開昭61−121502号公報
しかし、上述の多重モード共振器のうち直方体形状を用いる構造は、製造時に所望のフィルタ特性を調整するために複雑な形状を持たせる必要があるので、製造コストの上昇につながる。これに対し、上述の多重モード共振器のうち円柱構造を用いる構造は、共振器本体の構造は比較的単純で製造は容易である。しかし、上記の特性調整用の構造を設けることを前提とすると、ネジ部材により伝送信号の損失が増大する恐れや、円柱穴を形成するための複雑な加工などの問題がある。さらに、上記の特性調整用の構造を用いて多重モード共振器の周波数調整を行うとすると、設計条件に応じて複数の周波数が複雑に変化するので、単一モードの共振器に比べて所望のフィルタ特性を実現することは容易ではない。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、比較的簡単な構造で伝送損失が少なく所望の特性を容易に調整可能な多重モード誘電体共振器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の多重モード誘電体共振器は、導体に囲まれたキャビティー内に固定され、複数の共振モードを励振する柱状の誘電体共振器本体と、前記誘電体共振器本体の上面または底面に対向配置され、前記誘電体共振器本体との距離を調整可能に構成された誘電体調整片とを備えて構成される。
本発明の多重モード誘電体共振器によれば、柱状の誘電体共振器本体が複数の共振モードを励振し、それに対応する周波数特性が伝送信号に付与される。そして、誘電体調整片を変位させて誘電体共振器本体との距離を調整することにより、最適な周波数特性を設定することができる。従って、周波数特性を調整するためのネジ部材や円柱穴などの特殊な構造を設ける必要がなく、複雑な加工が不要で複数の周波数を容易に調整可能な多重モード誘電体共振器を実現することができる。
本発明において、前記誘電体共振器本体の一部を切削することにより、前記複数の共振モードを励振し、周波数特性に減衰極を持たせてもよい。これにより、誘電体共振器本体の切削面と入力端子および出力端子の位置関係に応じた複数の共振モードに対応する周波数特性を容易に実現することができる。
本発明において、前記誘電体共振器本体の側面側の前記導体に入力端子および出力端子を取り付け、前記誘電体共振器本体の円形断面内で中心軸から前記入力端子と前記出力端子をそれぞれ結ぶ方向が互いに直交するとともに、当該2つの方向に対し前記誘電体共振器本体の切削された面の法線が略45度の角度をなすように構成してもよい。これにより、入力端子および出力端子に対する切削面の配置の対称性から、2つの周波数を容易に調整可能な多重モード誘電体共振器を実現することができる。
本発明において、前記誘電体共振器本体は、円柱状に形成してもよい。また、本発明において、前記誘電体共振器本体は、多角形の断面形状を有するように形成してもよい。この場合、前記断面形状は、八角形としてもよい。
本発明において、前記誘電体調整片は、前記誘電体共振器本体と同一の中心軸に配置された円柱状として構成してもよい。この場合、前記誘電体調整片は、前記誘電体共振器本体と同一の誘電体材料を用いて形成してもよい。
本発明において、前記誘電体共振器本体は、第1の周波数および当該第1の周波数より高い第2の周波数の前記共振モードをそれぞれ励振し、前記誘電体調整片の調整により、前記第1の周波数および前記第2の周波数がそれぞれ変化する一方、前記第1の周波数および前記第2の周波数の結合係数が一定に保たれるように構成してもよい。これにより、第1の周波数と第2の周波数を連動して変化させることができるので、通過周波数を自在に可変可能なフィルタ特性を容易に実現することができる。
一方、本発明の多重モード誘電体共振器の調整方法は、第1の周波数および当該第1の周波数より高い第2の周波数の前記共振モードをそれぞれ励振する前記誘電体共振器本体に対し、前記誘電体調整片を調整し、前記第1の周波数および前記第2の周波数の結合係数を一定に保ちつつ、前記第1の周波数および前記第2の周波数をそれぞれ変化させて周波数特性を調整するものである。
以上説明したように本発明によれば、柱状の誘電体共振器本体と、その上面または底面に対向配置される誘電体調整片を用いて多重モード誘電体共振器を構成したので、複数の共振モードが励振される周波数特性を簡単な構成で実現するとともに、誘電体共振器本体と誘電体調整片の距離の調整により周波数特性を容易に制御可能となる。この場合、誘電体共振器本体の一部を切削し、伝送信号の入出力用の各端子を適切に配置すれば、複数の共振モードに対応する各周波数を連動して変化させることができる。すなわち、結合係数を一定に保ちながら2つの周波数が同方向に変化するフィルタ特性を実現できる。このように本発明により、周波数調整用の複雑な加工を不要として良好な製造性を確保し、伝送損失が少なく高精度の周波数特性を容易に調整でき、多様なフィルタに応用可能な多重モード誘電体共振器を実現することが可能となる。
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下では、2つの共振モード(2重モード)に対応して周波数特性に2つのピークを有する誘電体共振器に対して本発明を適用する場合に関し、構造が異なる2つの実施形態を説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態の誘電体共振器の構造について図1および図2を用いて説明する。図1は、第1実施形態の誘電体共振器の上面図であり、図2は、図1の誘電体共振器の側面図である。図1および図2に示されるように、第1実施形態の誘電体共振器は、誘電体共振器本体10と、導体ケース11と、支持台12と、入力端子13と、出力端子14と、誘電体調整片15と、支持棒16とを備えて構成される。
誘電体共振器本体10は、円柱の一部が切削された形状を有し、円筒状の導体ケース11に囲まれたキャビティー内の略中心部に配置されている。誘電体共振器本体10の底面は、導体ケース11に取り付けられた支持台12により固定されている。誘電体共振器本体10は、所定の比誘電率を有する誘電体材料を用いて形成されている。誘電体共振器本体10と外部空間の間は、周囲の導体ケース11により電気的に遮断された状態にある。また、支持台12は、例えばアルミナ等で形成され、円筒状の形状を有する。
入力端子13および出力端子14は、それぞれ導体ケース11の側面に取り付けられている。入力端子13は、外部から供給される入力信号が供給される端子であり、出力端子14は、複数の共振モードで励振された出力信号を外部に出力する端子である。図1の下部に便宜上X軸とY軸を示しているが、誘電体共振器本体10の中心軸から見て、入力端子13の位置はX方向に配置されるとともに、出力端子14の位置はY方向に配置されている。すなわち、入力端子13と出力端子14は、誘電体共振器本体10の円形断面を含む平面内で、互いに直交する位置関係にある。なお、入力端子13および出力端子14を、互いに入れ替えて配置した構成としてもよい。
誘電体共振器本体10の切削面10aは、その法線が水平面内において上記X軸とY軸のそれぞれに対し45度の角度をなすよう形成されている。このような角度で切削面10aを形成することは、誘電体共振器本体10が2つの共振モードを励振するための構造の一例である。図1に示す切削面10aの切削量H、すなわち、切削前の誘電体共振器本体10の円形断面の外周位置から切削面10a中央位置までの距離は、共振モードの特性に大きく影響するので、所望の特性が得られる最適な切削量Hを定めることが望ましい。
誘電体調整片15は、誘電体共振器本体10の上面に対向配置され、誘電体共振器本体10と中心軸が一致する円柱状の形状を有する。第1実施形態においては、誘電体調整片15の円形断面の直径が誘電体共振器本体10より十分小さく設定されるとともに、誘電体調整片15は誘電体共振器本体10と同一の誘電体材料を用いて形成される。また、誘電体調整片15の上部には支持棒16が取り付けられ、誘電体調整片15の垂直方向の位置を支持棒16により変化させることができる。これにより、誘電体共振器本体10と誘電体調整片15の間の距離D(図2参照)を自在に調整可能である。
第1実施形態の構成において、入力端子13および出力端子14の各配置と切削面10aの配置は垂直方向に沿って対称的な関係にあるので、誘電体調整片15が垂直方向に変位したとき、2つの共振モードの電界に対して概ね等しい作用を与える。その結果、2つの共振モードに対応する2つの周波数が連動して変化することになるが、この点について詳細は後述する。
次に図3は、第1実施形態の誘電体共振器の等価回路を示す図である。図3に示す等価回路は、入力端子13と出力端子14の間に直列接続されたキャパシタンスC3、C4、C5と、ノードN1とグランドの間に並列接続されたキャパシタンスC1およびインダクタンスL1と、ノードN2とグランドの間に並列接続されたキャパシタンスC2およびインダクタンスL2により構成される。
キャパシタンスC1およびインダクタンスL1は、誘電体共振器の一方の共振モードに対応する第1の共振回路を構成する。また、キャパシタンスC2およびインダクタンスL2は、誘電体共振器の他方の共振モードに対応する第2の共振回路を構成する。キャパシタスC3は、入力端子13と第1の共振回路の間の結合容量であり、キャパシタンスC5は、出力端子14と第2の共振回路の間の結合回路である。さらに、キャパシタンスC4は、切削面10aにより形成される断間結合容量である。
図3に示される各回路素子の定数は、誘電体共振器を構成する部材の材料やサイズに依存して変化する。特に、誘電体共振器本体10に形成される切削面10aの位置およびサイズにより、キャパシタンスC1、C2、C4とインダクタンスL1、L2のそれぞれの値が変化して共振モードの特性を左右するので、最適な切削面10aを形成することが重要となる。
次に、第1実施形態の誘電体共振器の特性について、図4〜図6を参照して説明する。ここで、誘電体共振器本体10と誘電体調整片15のサイズとしては、例えば、誘電体共振器本体10は、直径が約40mmで高さが約10mm、誘電体調整片15は、直径が約10mmで高さが約0.25mmに設定され、誘電体調整片15の調整範囲は、誘電体共振器本体10との間の距離Dが1〜5mmの範囲で変位する場合を想定する。
図4は、誘電体共振器における伝送信号の周波数特性を示している。2GHz近辺の比較的狭い周波数範囲において、入力端子13から出力端子14に伝送される信号の損失をグラフで示している。また、図4においては、上述の距離Dとして3通りの場合(D=1、3、5mm)のそれぞれの周波数特性を比較して示している。図4からわかるように低周波数側の第1の周波数と、高周波側の第2の周波数で、それぞれ損失が0(dB)に近接するピークを有し、それ以外の周波数では損失が大きくなる。
図4の周波数特性における2つのピークは、誘電体共振器の2つの共振モードに対応して生じるものである。第1の周波数をFL、第2の周波数をFHとしたとき、両者の間には20MHz程度の周波数差がある。そして、誘電体調整片15の距離Dが、1mm、3mm、5mmと増加していくにつれ、その周波数特性における第1および第2の周波数FL、FHは、ともに高くなることがわかる。
また、図4の周波数特性には、上記周波数FL、FHの上向きの2つのピーク以外に、下向きのピークが存在する。これらの周波数特性の下向きのピークは、減衰極と呼ばれる。一般に、フィルタ特性には急峻さが要求されるので、減衰極が存在することは好ましい。周波数特性の減衰極は、誘電体共振器本体10に形成される切削面10aの位置に応じて発生させることができる。
図5は、距離Dの変化と周波数特性の関係を示している。図5に示すように、第1の周波数FLおよび第2の周波数FHに加え、これらの平均周波数FA(FA=(FL+FH)/2)の距離Dに対する変化をグラフで示している。上述の周波数特性を反映して、距離Dが大きくなるにつれて各周波数FL、FH、FAが緩やかに増加することがわかる。また、各周波数FL、FH、FAの距離Dに対する変化は同様の傾向で互いに連動しているが、これは上述したように2つの共振モードに対する誘電体調整片15の変位の作用に基づいている。
図6は、距離Dの変化と上述の平均周波数FAおよび結合係数kの関係を示している。ここで、結合係数kは、k=(FH−FL)/FAで求められ、第1の周波数FLと第2の周波数FHが相対的に離れている度合いを表す量である。なお、図6の周波数軸は、平均周波数FAの変化を拡大して示すため、図5よりも狭い範囲のスケールで表される。平均周波数FAは、距離Dが小さいほど増加量が大きく、D=5mmで最大となることがわかる。また、結合係数kは、距離Dの全ての範囲内で安定的に約0.01の値を保つことがわかる。
図6の例では結合係数kが約0.01の値を保っているが、誘電体共振器本体10に対する切削量H(図1)を変えることにより異なる結合係数kを設定可能である。図6を基準に結合係数kを大きくする場合は切削量Hを増加させ、結合係数kを小さくする場合は切削量Hを減少させればよい。設定すべき結合係数kの適正な値は、第1実施形態の誘電体共振器を組み込む回路において必要な周波数特性に応じて定まる。
なお、図4〜図6においては、第1実施形態の誘電体共振器を用いて得られる特性の一例を示したものであり、実際には設計条件に応じて多様な特性を実現することができる。特に、誘電体共振器本体10と誘電体調整片15のそれぞれのサイズについては周波数特性に与える影響が大きいので、所望の設計条件を最適に設定することが望ましい。
以上説明したように、第1実施形態の誘電体共振器が図4〜図6に示す特性を有するので、結合係数kを一定に維持しながら、誘電体調整片15により第1および第2の周波数FL、FHを連動して調整することが可能となる。例えば、第1実施形態の誘電体共振器を用いてフィルタを構成すれば、第1および第2の周波数FL、FHを含む通過周波数帯域を自在に可変させることができる。この場合、距離Dの変化に対して各周波数FL、FH、FA(図6)をきめ細かく変化させることができるので、高精度な周波数調整が可能な帯域可変型フィルタへの応用が容易となる。また、周波数調整の手段として垂直方向に変位可能な誘電体調整片15を用いたので、ネジ部材や円柱穴等の構造を採用する場合の伝送信号の損失や加工の困難性等を避けることができる。
次に、第1実施形態の変形例について説明する。図7は、第1実施形態の変形例に係る誘電体共振器の上面図であり、図8は、図7の誘電体共振器の側面図である。図7および図8に示すように、第1実施形態の変形例は、図1および図2に示す誘電体共振器本体10の構造を変更したものである。図8において、誘電体共振器本体10の切削面10bは、側面方向から見て凹状の断面に形成されている。すなわち、誘電共振器本体10の側面のうち、中心軸方向の中央付近が部分的に切削され、上面側と底面側は切削されていない。なお、図7および図8において、誘電体共振器本体10とその切削面10b以外は、図1および図2と同様の構造となっている。図7および図8の切削面10bの構造は一例であって、凹状の断面の位置や幅については変更可能である。第1実施形態の変形例において、図7および図8の切削面10bを形成する場合であっても、寸法条件等を適切に設定すれば、図4〜図6に示すような特性を実現することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の誘電体共振器の構造について図9および図10を用いて説明する。図9は、第2実施形態の誘電体共振器の上面図であり、図10は、図9の誘電体共振器の側面図である。第2実施形態の誘電体共振器は、第1実施形態とは異なる形状の誘電体共振器本体20を備えている。なお、導体ケース11、支持台12、入力端子13、出力端子14、誘電体調整片15、支持棒16については、第1実施形態と同様の構造となっている。
図9に示すように、第2実施形態の誘電体共振器本体20は、円柱ではなく八角形の断面形状を有し、その中心軸が図1と同様の位置となるように配置されている。また、図9の誘電体共振器本体20において、中心軸から見て図1の切削面10aと同じ方向の一辺に切削面20aが形成されている。誘電体共振器本体20の断面内では、切削面20aの側の一辺が他の辺に比べて距離H’だけ中心軸との距離が近くなっている。また、誘電体調整片15については、図1と同様の構造であり、支持棒16を誘電体共振器本体20の中心軸方向の回転軸に対して回転させることで誘電体共振器本体20との距離D(図10)を調整することができる。
次に、第2実施形態の誘電体共振器の特性について、図11および図12を参照して説明する。図11は、第2実施形態の誘電体共振器において、第1実施形態の図4と同様、伝送信号の周波数特性をグラフに示している。図11においては、上述の距離Dとして、D=1mmと、D=4.5mmの2通りの周波数特性を比較して示している。図11からわかるように低周波数側と高周波側でそれぞれピークを有する点については、図4と同様となる。なお、図11では、各ピークが現れる周波数や減衰領域の特性が図4と異なっているが、これは各構成部材のサイズ等の条件の相違によるものである。
図12は、第2実施形態の誘電体共振器において、第1実施形態の図6と同様、距離Dの変化と平均周波数FAおよび結合係数kの関係を示している。図12からわかるように、距離Dが増加するほど平均周波数FAが増加するとともに、結合係数kは距離Dが変化しても、ほぼ一定値を保つ。このように、図12の特性は、第1実施形態の図6とほぼ同様の傾向で変化する。
次に、第2実施形態の変形例について説明する。図13は、第2実施形態の変形例に係る誘電体共振器の上面図であり、図14は、図13の誘電体共振器の側面図である。図13および図14に示すように、第2実施形態の変形例は、図7および図8に示す第1実施形態の変形例と同様の観点から、誘電体共振器本体20の構造を変更したものである。図14において、誘電体共振器本体20の切削面20bは、図8と同様、側面方向から見て凹状の断面に形成されている。なお、図13および図14において、誘電体共振器本体20とその切削面20b以外は、図9および図10と同様の構造となっている。図13および図14の切削面20bの構造は一例であって、凹状の断面の位置や幅については変更可能である。
次に、第2実施形態の変形例に係る誘電体共振器の特性について、図15および図16を参照して説明する。図15は、第2実施形態の変形例において、図11と同様、伝送信号の周波数特性をグラフに示している。図15においては、上述の距離Dとして、D=1mmと、D=4mmの2通りの周波数特性を比較して示している。図15の特性についても、図11の場合とほぼ同様の傾向が現れることがわかる。
図16は、第2実施形態の変形例に係る誘電体共振器において、図12と同様、距離Dの変化と平均周波数FAおよび結合係数kの関係を示している。図16の特性についても、図12の場合とほぼ同様の傾向が現れることがわかる。
上述の2つの実施形態に基づいて本発明の内容を具体的に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。例えば、上記各実施形態では、誘電体調整片15が誘電体共振器本体10、20の上面に対向配置される場合を説明したが、支持台12の構造を変えることで、誘電体調整片15が誘電体共振器本体10、20の底面に対向配置される構造としてもよい。この場合の作用効果は、他の条件が同じである場合、概ね上記各実施形態と同様である。また、上記各実施形態では、誘電体調整片15が誘電体共振器本体10、20より小さい直径の円柱状に形成される場合を説明したが、誘電体調整片15を他の形状で形成することを排除するものではない。例えば、断面が多角形の組み合わせからなる形状で誘電体調整片15を形成してもよい。さらに、上記各実施形態では、誘電体調整片15が誘電体共振器本体10、20と同一の誘電体材料を用いて形成される場合を説明したが、誘電体共振器本体10、20と比誘電率が異なる誘電体材料を用いて誘電体調整片15を形成してもよい。
一方、上記各実施形態では、誘電体共振器本体10、20が、切削面10a、10b、20a、20bで切削される場合を説明したが、かかる切削方法に限定されるものではない。誘電体共振器本体10、20の切削面10a、10b、20a、20bの配置や切削方法は、本発明の作用効果が得られる範囲内で自在に変更することができる。この場合、上記各実施形態では、誘電体共振器本体10、20が2つの共振モードを励振する構造を示したが、切削方法の工夫により、さらに多くの共振モードを励振し、複数のピークを有する周波数特性を実現してもよい。また、上述の各切削面10a、10b、20a、20bを形成することは、誘電体共振器本体10、20が2つの共振モードを励振するための側面構造の一例であって、異なる側面構造を採用してもよい。
さらに、上記各実施形態においては、誘電体調整片15により周波数特性を調整する構成を説明したが、誘電体調整片15に加えて、他の周波数調整機構を設けてもよい。すなわち、誘電体調整片15では2つの周波数FL、FHが連動して変化するが、両者を個別に変化させる必要がある場合は、上記の周波数調整機構を用いて調整することができる。例えば、入力端子13および出力端子14に対向する位置(反対側の導体ケース11の壁面)に金属ビスからなる周波数調整機構や、あるいはビスの先端に金属片および誘電体片を装荷した周波数調整機構を設けることができる。このような周波数調整機構は自由に設置できるが、本発明の作用効果を得られる範囲内であることが前提である。
第1実施形態の誘電体共振器の上面図である。 図1の誘電体共振器の側面図である。 第1実施形態の誘電体共振器の等価回路を示す図である。 第1実施形態の誘電体共振器における伝送信号の周波数特性を示す図である。 第1実施形態の誘電体共振器において距離Dと周波数特性の関係を示す図である。 第1実施形態の誘電体共振器において距離Dの変化と平均周波数FAおよび結合係数kの関係を示す図である。 第1実施形態の変形例に係る誘電体共振器の上面図である。 図7の誘電体共振器の側面図である。 第2実施形態の誘電体共振器の上面図である。 図9の誘電体共振器の側面図である。 第2実施形態の誘電体共振器における伝送信号の周波数特性を示す図である。 第2実施形態の誘電体共振器において距離Dの変化と平均周波数FAおよび結合係数kの関係を示す図である。 第2実施形態の変形例に係る誘電体共振器の上面図である。 図13の誘電体共振器の側面図である。 第2実施形態の変形例に係る誘電体共振器における伝送信号の周波数特性を示す図である。 第2実施形態の変形例に係る誘電体共振器において距離Dの変化と平均周波数FAおよび結合係数kの関係を示す図である。
符号の説明
10、20…誘電体共振器本体
10a、10b、20a、20b…切削面
11…導体ケース
12…支持台
13…入力端子
14…出力端子
15…誘電体調整片
16…支持棒

Claims (10)

  1. 導体に囲まれたキャビティー内に固定され、複数の共振モードを励振する柱状の誘電体共振器本体と、
    前記誘電体共振器本体の上面または底面に対向配置され、前記誘電体共振器本体との距離を調整可能に構成された誘電体調整片と、
    を備えることを特徴とする多重モード誘電体共振器。
  2. 前記誘電体共振器本体の一部を切削することにより前記複数の共振モードを励振し、周波数特性に減衰極を有することを特徴とする請求項1に記載の多重モード誘電体共振器。
  3. 前記誘電体共振器本体の側面側の前記導体に入力端子および出力端子が取り付けられ、前記誘電体共振器本体の円形断面内で中心軸から前記入力端子と前記出力端子をそれぞれ結ぶ方向が互いに直交するとともに、当該2つの方向に対し前記誘電体共振器本体の切削された面の法線が略45度の角度をなすことを特徴とする請求項2に記載の多重モード誘電体共振器。
  4. 前記誘電体共振器本体は、円柱状に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の多重モード誘電体共振器。
  5. 前記誘電体共振器本体は、多角形の断面形状を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の多重モード誘電体共振器。
  6. 前記断面形状は、八角形であることを特徴とする請求項5に記載の多重モード誘電体共振器。
  7. 前記誘電体調整片は、前記誘電体共振器本体と同一の中心軸に配置された円柱状であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の多重モード誘電体共振器。
  8. 前記誘電体調整片は、前記誘電体共振器本体と同一の誘電体材料を用いて形成されることを特徴とする請求項7に記載の多重モード誘電体共振器。
  9. 前記誘電体共振器本体は、第1の周波数および当該第1の周波数より高い第2の周波数の前記共振モードをそれぞれ励振し、前記誘電体調整片の調整により、前記第1の周波数および前記第2の周波数がそれぞれ変化する一方、前記第1の周波数および前記第2の周波数の結合係数が一定に保たれることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の多重モード誘電体共振器。
  10. 請求項2に記載の多重モード誘電体共振器の調整方法であって、
    第1の周波数および当該第1の周波数より高い第2の周波数の前記共振モードをそれぞれ励振する前記誘電体共振器本体に対し、前記誘電体調整片を調整し、前記第1の周波数および前記第2の周波数の結合係数を一定に保ちつつ、前記第1の周波数および前記第2の周波数をそれぞれ変化させて周波数特性を調整することを特徴とする調整方法。
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