JP2006319387A - Memsレゾネータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 円盤形状の振動体の両側側面に振動体支持梁を形成する構造において、簡単な構造で、且つ、高周波帯の振動を実現するMEMSレゾネータを提供する。
【解決手段】 MEMSレゾネータ10は、円盤形状の振動体20と、振動体20の両側に当該振動体20の外周部に対して空隙35を有してそれぞれ対向配置される一対の加振電極30と、振動体20の側面両側から一対の加振電極の間に延在される一対の振動体支持梁21と、一対の加振電極30に同相の交流電力を印加するための給電回路40と、振動体20と一対の加振電極30との間の静電容量に対応した出力を得る出力回路50と、を備え、振動体20の外周部と一対の加振電極30との接続部24が、連続した滑らかな曲線で接続されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、MEMSレゾネータに関し、詳しくは、MEMSレゾネータの円盤形状の振動体の支持構造に関する。
近年、世界的な高度情報化社会の到来により、パーソナルユースの携帯電話の普及やインターネットを媒体とした新しいビジネスの誕生など通信、マルチメディア市場は飛躍的な発展を遂げている。そこで、MEMS(Micro Electro Mechanical System)が注目されている分野として通信分野、特に携帯電話が上げられる。Blue toothや無線LANを利用するマルチバンド化が進むことによりアンテナの切り替えスイッチ、バンド切り替えスイッチなどの受動部品が増加する。小型化、低消費電力化を進めるためには、これらの部品を1チップ化し、配線距離を短くしたりすることが有効であり、また、MEMS素子はメカニカルに動作することから信号ノイズの影響が少なくなり性能向上が見込まれる。
従来、MEMS技術を用いた高周波素子には、交流電力に基く静電力により振動体の機械的振動を励起し、この振動体の機械的振動に起因する静電容量の変化を検出するMEMSレゾネータがある。しかし、前述したような用途では、高周波化が要求される。MEMSレゾネータの高周波化においては、従来から採用されている屈曲振動(梁形状等)から伸縮振動を利用する構造が採用されるようになってきている。
伸縮振動を利用する構造の一つとして、円盤形状の振動体の中央部に支持部が形成され、振動体が半径方向に伸縮することで高周波帯の振動を実現する円盤−中央支持構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、伸縮振動を利用する構造の他の例として、円盤形状の振動体の両側側面に振動体支持梁を形成し、やはり振動体が半径方向に伸縮することで高周波帯の振動を実現する円盤−側面支持構造が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
さらには旧来の構造として、単純形状の梁を屈曲振動、または伸縮振動させて高周波帯の振動を得る梁構造(以降、単純梁構造と表す)が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
米国特許第6628177号明細書 Mohamed A.Abedelmoneum,Jing Wang,Mustafa U.Demirci,Clark T.C.Nguyen、"STEMLESS WINE−GLASS−MODE DISK MICROMECHANICAL RESONATORS"、16th Int.IEEE Micro Mechanical Systems Conf.Kyoto,Jpan,Jan.19−23,2003、pp698−701 www.fyslab.hut.fi/kurssit/Tfy−3.480/ Spring2004/Feb04 Mattila/lecture04Feb2004.pdf
このような特許文献1の円盤−中央支持構造では、円盤形状の振動体の中央部に支持部を形成し、振動体を伸縮させて振動させるもので、提案されている従前の構造のなかでは、最も高い高周波帯域を得ることができるが、中央の支持部のアライメント精度の僅かなずれでも、所定の周波数が得られなくなるということが知られており、製造しにくいという課題を有している。
また、非特許文献1の円盤−側面支持構造によれば、MEMSレゾネータの特性を等価回路成分に置き換えた場合の抵抗成分が低いことからインピーダンスマッチングが容易である、振動体支持部を最適化することでQ値を高くすることができる、DCバイアス電圧を低く抑えることができる、というような長所を有することから一般的に中央支持構造よりも有用とされている。
また、非特許文献2による旧来の単純梁構造では、構造が簡単なことから設計が容易であるという長所を有しているが、前述の特許文献1または非特許文献1による構造に比べ、周波数が低い、電極交差面積が小さいことから、出力が小さいなどの課題を有している。
上記の特許文献及び非特許文献からいずれの構造も梁の径、または長さが小さい(短い)ほど周波数が高くなることが記されている。しかし、これらは振動部(円盤または梁)が支持部に対して非常に大きい場合に支持部の影響がないと仮定したときにのみに適用するものであり、周波数が高くなると振動部の径もしくは長さが非常に短くなり、その結果、支持部と振動部との接続部の影響が無視できなくなることが予想される。
本発明の目的は、前述の課題を解決することを要旨とし、円盤形状の振動体の両側側面に振動体支持梁を形成する構造において、振動体の径と振動体支持梁の幅とそれらの接続部の形状を最適設計することにより、高周波帯の振動を実現するMEMSレゾネータを提供することである。
本発明のMEMSレゾネータは、円盤形状の振動体と、前記振動体の両側に当該振動体の外周部に対して空隙を有してそれぞれ対向配置される一対の電極と、前記振動体の外周部側面両側から前記一対の電極の間に延在される一対の振動体支持梁と、前記一対の電極に同相の交流電力を印加するための給電手段と、前記振動体と前記一対の電極との間の静電容量に対応した出力を得る検出手段と、を備え、前記振動体の外周部と前記一対の振動体支持梁との接続部が、連続した滑らかな曲線で接続されていることを特徴とする。
この発明によれば、円盤状の振動体の外周部と前記一対の振動体支持梁との接続部が、連続した滑らかな曲線で接続されているので、前記外周部と振動体支持梁とが直接接続される構造にくらべ、接続部近傍において、振動体の振動モードの変移点が発生しにくくなるため、従来の円盤−側面支持構造や、単純梁構造に比べ、高周波帯域の振動を得ることができる。さらには、詳しくは、実施形態の項で後述するが、接続部の曲線形状に対応して安定周波数領域が発現し、所望の高周波帯域の振動を得ることができる。
また、本発明の構造では、前記振動体の外周部と前記一対の振動体支持梁との接続部を連続する滑らかな曲線が、半径5μmから15μmの範囲の円弧で形成されていることが好ましい。
本発明のような円盤−側面支持構造では、前述したように、接続部の曲線形状に対応して安定周波数領域が発現するが、この曲線を半径5μmから15μmの範囲の円弧で形成することによって、従来の円盤−側面支持構造や、単純梁構造に比べ、高周波帯域の振動を得ることができる。
また、この範囲において、周波数のピークが発現し、このピークの前後、つまり周波数のピーク値を得る円弧の半径の前後において、周波数の変化が小さいため、最適な円弧の大きさを設定することで、所望の高周波数帯域の振動を得ることができる。このことによって、製造上における接続部の形状のばらつきの影響を抑えることができるという効果がある。
また、前述の構造では、前記振動体の直径が20μmから40μmの範囲、前記振動体支持梁の幅が、0.2μmから5μmの範囲、に設定されていることが好ましい。
詳しくは、後述する実施形態で説明するが、円盤形状の振動体の直径が20μmから40μmの範囲において、得られる周波数帯域が最大になる領域を有し、また、そのとき、振動体支持梁の幅が小さくなるほど高い周波数が得られることから、振動体支持梁の構造的強度を加味して0.2μmから5μmの範囲で、この形式のMEMSレゾネータとしては最も高い高周波領域の振動を得ることができる。
さらに、これら振動体の直径と振動体支持梁の幅と前述した接続部の形状とを組み合わせることにより、所望の高周波帯域の振動を得ることができるほか、このことによって、製造上における接続部の形状のばらつきの影響を抑えることができる。
また、前記一対の電極の前記振動体支持梁側の端部が、前記振動体の外周部と前記接続部との接点よりも前記振動体支持梁の側面から離間して配設されていることが望ましい。
本発明のMEMSレゾネータは、振動体と前記一対の電極との空隙の静電容量の変化を検出する構造であり、静電容量は、振動体と対向する電極の距離の二乗に反比例し、対向面積に比例するため、振動体に連続して形成される接続部の曲線の範囲から離間した位置に一対の電極を配設することで、振動体支持梁を設けることによる静電容量変化への影響を排除し、正確な検出値を得ることができる。
さらに、前記振動体が、シリコン基板上に構成されたシリコン層またはシリコン化合物から構成されていることが好ましい。
ここで、シリコン基板としては、例えば、半導体基板であり、また、シリコン化合物としては、例えば、半導体プロセスで用いられるシリコン層、ポリシリコン(Poly−Si)、窒化シリコン(SiN)等が採用される。
このようにすれば、シリコン基板上にシリコン層やシリコン化合物等で構成される振動体を設けることにより、通常のシリコン半導体の製造プロセスにより容易に振動体を形成することができる。
また、シリコン基板を半導体基板にすることで、振動体を駆動するための交流電力を印加する給電手段や出力を得るための検出手段を内蔵し、1チップ化することが可能となり、小型化及び配線距離を短くすることで消費電力の低減ができるというような効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図6には、本発明の実施形態に係るMEMSレゾネータの構造及び計算結果のグラフを示す。図7には従来技術に係る円盤−中央支持構造の周波数の計算結果のグラフ、図8には、従来技術に係る単純梁構造の周波数の計算結果のグラフを示している。
まず、本発明のMEMSレゾネータの特性を明確にするために、前述した従来技術による周波数特性について図面を参照して説明する。
図7は、従来技術のうちの円盤−中央支持構造による振動体の直径と周波数の関係を示すグラフである。この構造は、円盤形状の振動体の中央部を支持部で連結した構造である。図7において、横軸には、振動体(円盤と表すことがある)の直径(単位:μm)が示され、縦軸には、周波数(単位:MHz)が示されている。
計算の条件としては、材料定数を、ヤング率:169GPa、ポアソン比:0.3、密度:2500kg/m3とし、中央支持部の直径を1μm、振動体の厚みを2μmとし、振動体(円盤)の直径と周波数の関係を算出した。
このグラフが示すように、円盤−中央支持構造では、円盤の直径が小さくなるに従い周波数は高くなる。また、このグラフ上では周波数のピーク領域が存在せず、所望の周波数が得られる円盤の直径は1ポイントのみである。また、このグラフによれば、円盤の直径の大小で周波数が大きく変動していることを示し、円盤の直径のばらつきが周波数に大きく影響することを示している。
図8は、従来技術のうちの単純梁構造による梁の長さと周波数との関係を示すグラフである。このグラフは、梁幅10μm、厚み2μm、支持梁幅20μmの状態で梁の長さを変化させたときの各周波数を示している。図8において、横軸には、梁の長さ(単位:μm)、縦軸には、周波数(単位:MHz)が示されている。ここでも、材料定数は、前述した円盤−中央支持構造と同様な条件に設定している。
このグラフが示すように、上記の条件では、梁の長さが短くなるに従い周波数が高くなるが、20μm以下になっても周波数は高くはならないことが推察され、周波数の最大値は84MHzに達しない。
(実施形態)
続いて、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1には、本実施形態に係るMEMSレゾネータ10の構造の1例が示され、図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)のA−G−A断面図である(Gは、振動体20の重心)。図1(a)、(b)において、本実施形態に係るMEMSレゾネータ10は、基本構成として、シリコン基板11の表面上に形成される円盤形状の振動体20(円盤部20と表すことがある)と、振動体20の周囲を取り囲み、振動体20の外周部とは空隙35を有して、振動体20を挟んで形成される一対の電極としての加振電極30と、から構成されている。
シリコン基板11の表面には酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層12が形成され、その上面に振動体20と加振電極30とが形成されている。振動体20はシリコン層、あるいはポリシリコン等のシリコン化合物からなり、振動体20の外周部の側面両側からは一対の加振電極30の間に一対の振動体支持梁21が延在されている。振動体支持梁21は、重心Gを通る直線上に重心Gに対して点対称である。
振動体20の外周部と振動体支持梁21とは、なだらかな接続部24で連続されており、本実施形態においては、この接続部24は半径rの一つの円弧で形成されている。この半径rの大きさが周波数特性に影響するが、詳しくは、図5,6を参照して後述する。
この振動体支持梁21の端部にはシリコン基板11と接続する支持部22が形成され、振動体20の下部には、シリコン基板11との間に空隙が設けられ、半径方向に伸縮振動を行える形状である。また、この振動体20と振動体支持梁21の下面には電極層23が形成されており、出力線51を介して検出手段としての出力回路50に接続されている。
また、加振電極30は、振動体20とは平面方向に一定の距離L1を有する空隙35を設けて一対形成され、それぞれの形状は、振動体20を挟んで対称形である。また、延在された振動体支持梁21と加振電極30の振動体支持梁側端部との間の隙間36(距離L2)は、加振電極30の振動体支持梁21の側面側の端部が、振動体20の外周部と接続部24との接点25よりも振動体支持梁21の側面から離間して配設されている。
本実施形態のMEMSレゾネータ10は、振動体20が半径方向に伸縮振動する際、振動体20と加振電極30との間に発生する静電容量の変化を検出して出力する構造であり、静電容量は、対向する振動体20と加振電極30との距離の二乗に反比例し、対向面積に比例するために、距離L2を前述した条件に設定することにより、空隙35に発生する静電容量は、空隙36に発生する静電容量に比べ、はるかに小さくなり、出力に影響を与えない値に抑えることができる。
加振電極30の下面にも電極層31が形成されている。MEMSレゾネータ10には、一対の加振電極30に同相の交流電力を印加するための給電手段としての給電回路40が設けられている。この給電回路40には、交流電源41と、この交流電源41と加振電極30に形成される電極層31とを接続する供給線42とが設けられている。
このような構成であるため、本実施形態のMEMSレゾネータ10は、振動体20を含め、通常の半導体プロセスで製造することができる。
なお、本実施形態では、この給電回路40は、シリコン基板11の内部にモノシリックに構成されるが、シリコン基板11と別に構成してもよく、または外部から交流電力を供給するための配線構造のみを形成してもよい。
さらに、本実施形態には、振動体支持梁21が出力電極であり、振動体20の伸縮振動に応じた出力信号(検出信号)を出力するための検出手段としての出力回路50が設けられている。
この出力回路50は、電源電位53と出力線51の出力電位との間に接続されたインダクタンス52と、上記出力電位と接地電位との間に接続された負荷抵抗54とから構成され、その先に出力端子55が設けられている。
本実施形態では、円盤形状の振動体20が、一対の加振電極30の間で、平面的に半径方向に伸縮する態様の振動を生じ、この伸縮振動に応じて空隙35の距離L1が変化することにより、振動体20と加振電極30との間の静電容量が増減する。この静電容量の増減は、出力回路50に生ずる出力電流ioとして表れるので、この出力電流ioと負荷抵抗54に生じた出力電位Voが出力端子55に出力される。この出力電位Voは、振動体20の固有振動周波数に対応する振動波形を備えたものとなる。
振動体20の伸縮振動は、円盤形状の振動体20の平面形状の輪郭(外周部)の形状変化を伴う径方向の振動であり、振動体20と一対の加振電極30との間の静電力に起因するものである。この振動モードにおいて、振動体20は、その平面形状、厚み、及び、構成素材の密度や弾性特性(例えば、ヤング率やポアソン比など)によって定まる固有振動周波数を有する。
続いて、本実施形態によるMEMSレゾネータ10の振動体20及び振動体支持梁21の形状に起因する振動体20の固有振動周波数の関係について図面を参照して説明する。
なお、振動体20の構成素材をポリシリコンとし、図1で示した基本の形状において、固有値解析を実施した。この計算に用いた振動体20の材料定数は、ヤング率:169GPa、ポアソン比:0.3、密度:2500kg/m3とした。
図2は、振動体20の円盤形状部の厚みと周波数との関係を示すグラフである。ここで、振動体20の直径を30μm、振動体支持梁21の幅を10μm、接続部24の半径rを0としている。図2において、横軸には振動体20の円盤部の厚み(単位:μm)、縦軸には周波数の計算値(単位:MHz)が示されている。
このグラフが示すように、振動体20の厚みが0.5μm〜3.0μmの範囲において、周波数は、ほぼ88MHzで一定となっており、この厚み範囲では、厚みは周波数に影響しないことを示している。振動体20の厚みは、図示されていない0.5μm以下、3.0μm以上の範囲においても、周波数には大きく影響しないことが推察される。
次に、振動体20の直径と周波数の関係について図面を参照して説明する。
図3は、本実施形態による形状を基本として、振動体20の直径と周波数との関係を示すグラフである。ここで、材料定数は、前述した条件と同じであり、振動体20の厚みを2μm、振動体支持梁21の幅を10μm、接続部24の半径rを0として計算した結果を示している。図3において、横軸には振動体20の直径(単位:μm)、縦軸には周波数(単位:MHz)が示されている。
このグラフで示すように、上記の形状及びこの材料定数においては、周波数のピークが、円盤部の直径が32μmの位置にあり、これより直径を小さくしても、大きくしても周波数が低下する。周波数の最大値は、88MHzである。図3で示される計算結果は、前述の計算条件の時の結果であり、これら計算条件によっては、最大周波数の値及びピーク値を表す円盤部の直径の大きさも変化するが、周波数と振動体の直径とは図示されたグラフと同じような傾向を示すことが推察される。
続いて、振動体支持梁21の幅と周波数の関係について図面を参照して説明する。
図4は、本実施形態による形状を基本として、振動体支持梁21の幅と周波数との関係を示すグラフである。ここで、材料定数は、前述した条件と同じであり、振動体20の厚みを2μm、振動体20の直径を30μm、接続部24の半径rを0として計算した結果を示している(図1(a)に二点鎖線で表す)。図4において、横軸には振動体支持梁の幅(単位:μm)、縦軸には周波数(単位:MHz)が示されている。
このグラフが示すように、周波数は、振動体支持梁21の幅が小さいほど高くなる。また、振動体支持梁21の幅が図示される範囲において、周波数が110MHz以上となることを示し、5μm以上では、周波数の変化が小さくなっていくことを示している。従って、本発明の目的である円盤−側面支持構造において高周波帯域の周波数を得るための振動体支持梁21の幅は、0.2μm〜5μmの範囲に設定されることが好適である。
続いて、周波数と接続部24の半径との関係について図面を参照して説明する。
図5は、本実施形態による形状を基本として、周波数と接続部24の半径rとの関係を示すグラフである。ここで、材料定数は、前述した条件と同じとし、振動体20の厚みを2μm、振動体20の直径を30μm、振動体支持梁21の幅を10μmとして計算した結果を示している。図5において、横軸には接続部の半径(単位:μm)、縦軸には周波数(単位:MHz)が示されている。
このグラフが示すように、周波数は、接続部24の半径の大きさにより変化し、図示される半径の範囲においてピーク値を有している。図5では、周波数のピーク値89.2MHzを示す接続部24の半径は17μmである。また、17μmよりも小さくても、大きくても周波数は低下することを示している。
ここで、従来技術と本実施形態による、周波数と振動体の形状依存に関して整理してみる(図1〜図5、図7,8、を比較参照する)。
(1)中央支持構造(図7、参照)によれば、円盤部の直径を小さくすることで100MHz以上の高周波帯域の振動を得ることができるが、前述したように、周波数のピーク領域がない。また、中央の支持部位置のずれが振動モード(周波数変動)に影響することが知られている。また、円盤の直径の差で周波数が大きく変動し、円盤の直径のばらつきが周波数に大きく影響する。
(2)単純梁構造(図8、参照)によれば、構造が簡単で製造しやすいという長所があるが、高周波化は困難であるという課題がある。
(3)本実施形態の円盤−側面支持構造(図1〜図5、参照)によれば、周波数は、振動体の直径と振動体支持梁の幅と接続部24の大きさに依存し、高周波帯域の実現が可能となる領域が存在し、また、接続部の半径の大きさも周波数に影響する。
これらのことから、振動体20の直径と振動体支持梁21の幅と接続部24の半径r(直径に置き換えられる)を最適設計することで、所望の高周波領域を実現する緒元を見出すことができることが推察できる。そこで、振動体20の直径と振動体支持梁21の幅と接続部の半径rの最適値の組み合わせについて考察する。
図6は、本実施形態による周波数と、振動体支持梁21の幅と接続部の半径rと、の関係を示すグラフである。図6において、横軸には、接続部24の半径(単位:μm)、縦軸には、周波数(単位:MHz)が示され、振動体20の直径を周波数のピークに近い30μm、接続部24の半径を0〜25μmの範囲で設定し、振動体支持梁21の幅を1μm、5μm、10μmとしたときの、それぞれの周波数と接続部24の半径との関係を表している。なお、振動体20の厚みは2μmに設定されている。
このグラフが示すように、振動体支持梁21の幅が10μmのときには、周波数の接続部24の半径に対する依存度は小さく、周波数のピークは接続部24の半径17μmの位置にあり、前述した単順梁構造よりは高周波帯域にあるものの、最大周波数は90MHz以下である。
また、振動体支持梁21の幅が5ミクロンのときにも、周波数の接続部24の半径に対する依存度は大きくはなく、周波数のピークは接続部24の半径10μmの位置にあり、最大周波数は95MHz程度である。
振動体支持梁21の幅が1μmのときは、接続部24の半径の設定した全ての範囲において、前述した振動体支持梁の幅5μm、10μmに比べ、出現する周波数帯域は高くなるっている。また、接続部24の半径が7μmの位置で周波数のピークがあり、110MHzの高周波帯域を実現している。
また、接続部24の半径が5μm〜10μmの範囲では、周波数の変動が小さく、110MHz帯の領域範囲が広いことが分かる。この5μmという寸法は、半導体プロセスにおいては、容易に管理できるものであり、このことから、このように振動体20の直径、振動体支持梁21の幅、接続部24の半径を適宜組み合わせて設定することで、容易に所望の周波数帯の実現できることが推察できる。
さらに、前述の材料定数の条件において、振動体支持梁の幅を図4で示す最大周波数帯域を得る0.2μmとし、図3で示すように振動体20の直径を32μm、接続部24の半径を5μm〜10μmの範囲に設定すれば、なお、高周波帯域の振動が得られることが推察できる。
従って、前述した実施形態によれば、円盤形状の振動体20の外周部と一対の加振電極30との接続部24が、連続した滑らかな曲線で接続されているので、外周部と振動体支持梁21とが直接接続される構造にくらべ、接続部近傍において、振動体20の振動モードの変移点が発生しにくくなるため、従来の円盤−側面支持構造や、単純梁構造に比べ、高周波帯域の振動を得ることができる。さらには、接続部24の曲線形状に対応して変動が少ない周波数領域が発現し、所望の周波数の振動を実現することができる。
本発明のような円盤−側面支持構造では、前述したように、接続部24の曲線形状に対応して安定周波数領域が発現するが、この接続部24を半径5μmから15μmの範囲の円弧で形成することによって、従来の円盤−側面支持構造や、単純梁構造に比べ、高周波帯域の振動を得ることができる。
また、接続部24の半径5μmから15μmの範囲において、周波数のピークが発現し、このピークの前後、つまり周波数のピーク値を得る円弧の半径の前後において、周波数の変化が小さいため、最適な円弧の大きさを設定することで、所望の周波数を得ることができる。このことによって、製造上における接続部24の形状のばらつきの影響を抑えることができるという効果がある。
また、振動体20の直径が20μmから40μmの範囲において、得られる周波数帯域が最大になる領域を有し、また、そのとき、振動体支持梁21の幅が小さくなるほど高い周波数が得られることから、振動体支持梁21の構造的強度を加味して0.2μmから5μmの範囲で、この形式のMEMSレゾネータとしては最も高い高周波領域の振動を得ることができる。
さらに、これら振動体20の直径と振動体支持梁21の幅と前述した接続部24の形状とを組み合わせることにより、所望の周波数を得ることができるほか、このことによって、製造上における接続部24の形状のばらつきの影響を抑えることができる。
また、加振電極30と振動体支持梁21との隙間36を、振動体20と加振電極30との空隙35よりも大きく離間させることにより、振動体支持梁21を設けることによる静電容量変化への影響を排除し、正確な検出値を得ることができる。
さらに、シリコン基板11上にポリシリコンで構成される振動体20を形成することにより、通常のシリコン半導体の製造プロセスにより容易に振動体を形成することができる。また、シリコン基板11を半導体基板にすることで、振動体20を駆動するための交流電力を印加する給電回路40や出力を得るための出力回路50を内蔵し、1チップ化することが可能となり、小型化及び配線距離を短くすることで消費電力の低減ができるというような効果がある。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施形態では、接続部24の形状を一つの円弧で形成しているが、この形状は、一つの円弧に限らず複数の円弧を連続した形状に形成してもよく、振動体20、振動体支持梁21、材料定数に合わせて滑らかな曲線に形成するなど、適宜選択して形成することができる。
また、前述の実施形態では、給電回路40や出力回路50を別々の回路構成としているが、振動体20の態様に応じて、給電回路40と出力回路50とを共通の回路手段で実現するなど、種々の構成を採用することができる。
また、振動体支持梁21は、振動体20に対して、同一直線上に延在されているが、振動体支持梁21の構成は、必ずしも直線上に限定されず、加振電極30との相対的な関係を対称形にする(振動モードが対称形になることを意味する)ことで自在に設定することができる。
さらに、本実施形態では、振動体20の材質をポリシリコンとして例示し、材料定数をヤング率:169GPa、ポアソン比:0.3、密度:2500kg/m3で計算しているが、これらと異なる材質を選択することができ、材料定数を変えることで、さらに高周波化をはかることが可能である。この際、周波数のピークが、振動体20の直径が32μmの位置になるとは限らない。これらの条件を適宜組み合わせることにより、所望のピーク位置を設定することができる。
従って、前述の実施形態によれば、円盤形状の振動体の両側側面に振動体支持梁を形成する構造において、簡単な構造で、且つ、高周波帯の振動を実現するMEMSレゾネータを提供することができる。
本発明によるMEMSレゾネータは、振動子の他に、共振器やフィルターとして採用することができる。また、高周波で駆動するアクチュエータとしても用いることができる。
本発明の実施形態に係るMEMSレゾネータの構造の1例を示し、(a)は、平面図、(b)は、(a)のA−G−A断面図。 本発明の実施形態に係る振動体の厚みと周波数との関係を示すグラフ。 本発明の実施形態に係る振動体の直径と周波数との関係を示すグラフ。 本発明の実施形態に係る振動体支持梁の幅と周波数との関係を示すグラフ。 本発明の実施形態に係る周波数と接続部の半径との関係を示すグラフ。 本発明の実施形態に係る周波数と振動体支持梁の幅と接続部の半径rとの関係を示すグラフ。 従来技術の円盤−中央支持構造による振動体の直径と周波数の関係を示すグラフ。 従来技術の単純梁構造による梁の長さと周波数との関係を示すグラフ。
符号の説明
10…MEMSレゾネータ、20…振動体、21…振動体支持梁、24…接続部、30…一対の加振電極、40…給電手段、50…検出手段。

Claims (5)

  1. 円盤形状の振動体と、前記振動体の両側に当該振動体の外周部に対して空隙を有してそれぞれ対向配置される一対の電極と、
    前記振動体の外周部側面両側から前記一対の電極の間に延在される一対の振動体支持梁と、
    前記一対の電極に同相の交流電力を印加するための給電手段と、
    前記振動体と前記一対の電極との間の静電容量に対応した出力を得る検出手段と、
    を備え、
    前記振動体の外周部と前記一対の振動体支持梁との接続部が、連続した滑らかな曲線で接続されていることを特徴とするMEMSレゾネータ。
  2. 請求項1に記載のMEMSレゾネータにおいて、
    前記振動体の外周部と前記一対の振動体支持梁との接続部を連続する滑らかな曲線が、半径5μmから15μmの範囲の円弧で形成されていることを特徴とするMEMSレゾネータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のMEMSレゾネータにおいて、
    前記振動体の直径が20μmから40μmの範囲、前記振動体支持梁の幅が、0.2μmから5μmの範囲、に設定されていることを特徴とするMEMSレゾネータ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のMEMSレゾネータにおいて、
    前記一対の電極の前記振動体支持梁側の端部が、前記振動体の外周部と前記接続部との接点よりも前記振動体支持梁の側面から離間して配設されていることを特徴とするMEMSレゾネータ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のMEMSレゾネータにおいて、
    前記振動体が、シリコン基板上に構成されたシリコン層またはシリコン化合物から構成されていることを特徴とするMEMSレゾネータ。
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