JP2009111823A - 映像信号変換装置,映像表示装置,映像信号変換方法 - Google Patents

映像信号変換装置,映像表示装置,映像信号変換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】色域が映像表示部よりも広い一次映像信号を映像表示部の色域内の二次映像信号に変換する際に,映像表示部の色域内の色を正しく再現でき,他の色について色の連続性を確保しつつ低い演算負荷で信号変換できること。
【解決手段】入力映像信号に色域変換を施した信号に基づき(A1),(A2)式により算出した中間輝度値に出力上限値よりも大きな値が含まれる場合に,所定の変換規則により間輝度値を出力範囲内の値に変換した値の信号からなる二次映像信号を生成し,そうでない場合に,中間輝度値の信号からなる二次映像信号を生成する。なお、Sminは出力下限値,Xr〜Xbは一次映像信号のRGBの値,Kは定数,Lr〜LbはRGB中間輝度値。
Figure 2009111823

【選択図】図1

Description

本発明は,所定の出力範囲を一部に含む(出力範囲よりも広い)拡張範囲の信号値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる映像信号を,前記出力範囲の値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる映像信号へ変換する映像信号変換装置及びその方法,並びにその映像信号変換装置を備えた映像表示装置に関するものである。
テレビジョン受像機等の映像表示装置において,液晶ディスプレイ等の映像表示部は,RGB3原色それぞれの輝度信号からなる映像信号(以下,出力側映像信号という)に基づいて映像を表示する。一般に,前記出力側映像信号におけるRGB3原色の輝度信号は,その組合せが映像表示部により表示可能(再現可能)な色域(色再現領域又は色再現範囲ともいう)内の色と対応するように,信号値(RGB3原色の輝度信号の値)が予め定められた下限値(以下,出力下限値という)からそれより大きい上限値(以下,出力上限値という)までの出力範囲(例えば,0〜255或いは0〜1等)内で正規化されている。
ところで,映像表示装置に入力される映像信号(以下,入力映像信号という)により表現可能な色域若しくはその入力映像信号に対して既知の色域変換処理を施した映像信号である入力側映像信号が,映像表示部により再現可能(表示可能)な色域と一致する場合,前記入力側映像信号の信号値を前記出力側映像信号として採用すれば,映像表示部により前記入力映像信号に対応した映像(色)が表示される。
一方,前記入力側映像信号により表現可能な色域が,映像表示部により再現可能(表示可能)な色域から外れている場合(映像表示部の色域よりも広い場合等),前記入力側映像信号の信号値は前記出力範囲から外れた値をとり得ることとなり,それを前記出力側映像信号として採用することができない場合が生じる。例えば,映像表示部の色域に対応する映像信号の3原色の輝度値の範囲(前記出力範囲)が0〜1であるのに対し,前記入力側映像信号の信号値が負の値となる場合や1を超える値となる場合があり,そのような場合には,前記入力側映像信号を,信号値が前記出力範囲に収まる前記出力側映像信号へ変換しなければならない。このような状況としては,例えば,前記入力側映像信号がIEC 61966−2−4規格(通称,xvYCC規格)やIEC 61966−2−1規格に準拠した映像信号であるのに対し,前記出力側映像信号がITU−R BT.709規格に準拠した映像信号である状況が考えられる。
ここで,前記入力側映像信号の信号値が前記出力範囲から外れている場合の信号変換方法としては,最も簡易な方法として,前記入力側映像信号の信号値に前記出力範囲でのクリップ処理(リミッタ処理といってもよい)を施すことによって前記出力側映像信号に変換する処理が考えられる。
また,特許文献1には,出力系の色域(映像表示部の色域に相当)が入力系の色域(前記入力側映像信号の色域に相当)よりも小さい場合に,入力系の色域を明度及び彩度の2次元平面上において領域分割し,分割領域ごとに色相を一定にしつつ色域の圧縮(信号値の圧縮)を行うことについて示されている。
特開平9−98298号公報
しかしながら,前記入力側映像信号をクリップ処理によって前記出力側映像信号に変換した場合,前記出力範囲を超える前記入力側映像信号の信号値が全て前記出力下限値又は前記出力上限値に置き換えられるため,前記入力側映像信号における色の連続性が著しく損なわれてしまう(グラデーションの破綻が生じる)という問題点があった。
一方,特許文献1に示されるように,前記入力側映像信号を色域圧縮によって前記出力側映像信号に変換した場合,色の連続性は確保できるものの,前記入力側映像信号が映像表示部の色域内の色を表す場合(前記入力側映像信号の信号値が前記出力範囲に収まっている場合)であっても,その映像信号が異なる色の映像信号に変換されてしまい,前記入力映像信号が表す本来の色を正しく再現(表示)できなくなるという問題点があった。さらに,特許文献1に示される技術は,映像信号を明度及び彩度の2次元平面上のデータとして処理するため,色相を一定にしつつ色域圧縮(信号変換)を行う処理が,三角関数を用いた演算処理となって演算負荷が高いという問題点もあった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,映像表示部により表示可能な色域と色域が一致しない映像信号(前記入力側映像信号に相当)が与えられ,その映像信号を映像表示部の色域内の色を表す映像信号(前記出力側映像信号に相当)に変換する際に,与えられた映像信号が映像表示部の色域内の色を表す場合にはその本来の色を正しく再現(表示)できるとともに,与えられた映像信号が映像表示部の色域外の領域の色を表す信号である場合にはその領域の色の連続性を確保でき(グラデーションの破綻を回避でき),さらに,低い演算負荷で信号変換処理を実行できる映像信号変換装置及びその方法,並びに映像表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係る映像信号変換装置は,予め定められた出力下限値から出力上限値までの出力範囲を一部に含む拡張範囲の信号値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる映像信号(以下,一次映像信号という)を,所定の映像表示手段に直接もしくはガンマ処理が施された後に入力される映像信号であり,前記出力範囲の値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる映像信号(以下,二次映像信号という)へ変換する装置であり,次の(1)〜(3)に示す各構成要素を備えるものである。
(1)信号値と再現色との対応関係が前記二次映像信号のそれと整合しない色域不整合映像信号に対し信号変換処理を施すことにより,前記色域不整合映像信号を信号値と再現色との対応関係が前記二次映像信号と整合する前記一次映像信号へ変換する色域変換手段。
(2)前記色域変換手段による変換処理後の前記一次映像信号におけるRGB各原色の輝度信号の値を次の(A1)式及び(A2)式に適用して得られるRGB各原色の中間輝度値を算出する中間輝度値算出手段。
Figure 2009111823
但し,Sminは前記出力下限値(二次映像信号の各輝度信号の下限値),Xr,Xg及びXbはそれぞれ前記一次映像信号におけるR輝度信号の値,G輝度信号の値及びB輝度信号の値,c,m,y,Xr’,Xg’及びXb’は変数,kは定数(0<k),Lr,Lg及びLbはそれぞれR中間輝度値,G中間輝度値及びB中間輝度値である。
(3)前記RGB各原色の中間輝度値に前記出力上限値よりも大きな値が含まれる場合に,予め定められた変換規則により前記RGB各原色の中間輝度値を前記出力範囲内の値に変換した値の信号からなる前記二次映像信号を生成し,前記RGB各原色の中間輝度値に前記出力上限値よりも大きな値が含まれない場合に,前記RGB各原色の中間輝度値の信号からなる前記二次映像信号を生成する二次映像信号生成手段。
ここで,前記二次映像信号が,正規化された値として0から1までの範囲である前記出力範囲の信号値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる映像信号である場合,前記一次映像信号は,正規化された値として負の値から1より大きい値までの範囲である前記拡張範囲の信号値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる映像信号である。この場合,前記出力下限値及び前記出力上限値がそれぞれ0及び1であるので,前記(A1)式は,次の(A1’)式に置き換えられる。この(A1’)式は,前記(A1)式の一例である。
Figure 2009111823
なお,本発明は,必ずしも(A1)及び(A2)式に従って前記RGB各原色の中間輝度値を算出することを要件とするものではなく,(A1)式及び(A2)式に従った処理と同等の結果が得られる処理を実行することによって前記RGB各原色の中間輝度値を算出するものであればよい。例えば,前記(A1)式及び(A2)式に従った信号値算出処理と同等の結果が得られる他の演算式に基づく信号値算出処理,或いは,予め設定された信号値テーブルに基づく信号変換処理等を実行することにより,前記RGB各原色の中間輝度値を算出することも考えられる。
また,前記二次映像信号生成手段における前記予め定められた変換規則としては,例えば,次の(4)又は(5)のいずれかに示す規則が考えられる。
(4)前記中間輝度値のうち値が最大であるものを前記出力上限値に置き換えるとともに,その他の前記中間輝度値については前記中間輝度値の中で値が最大であるものの大きさに応じて定まる圧縮係数に基づき圧縮する規則。
(5)前記RGB各原色の中間輝度値の全てを,前記出力下限値から前記RGB各原色の中間輝度値のうちの最大値までの範囲の幅に対する前記出力範囲の幅の比に応じて圧縮する規則。
以下,本発明における映像信号の変換処理の内容について説明する。なお,以下の説明において,「階調レベル」とは,RGB各原色の輝度信号の値(信号値Xr,Xg,Xb)から前記出力下限値(Smin)を差し引いた値を意味する。なお,前記出力下限値が0(Smin=0)である場合,RGB各原色についての信号値(輝度値)と「階調レベル」とは同じ値となる。
本発明においては,与えられた映像信号(前記色域不整合映像信号)が,前記二次映像信号との間で信号値と再現色との対応関係が整合しない(異なる)ものであっても,前記色域変換手段の処理(色域変換処理)により,前記一次映像信号と前記二次映像信号との間では,信号値と再現色との対応関係が整合する。従って,前記一次映像信号の信号値が前記出力範囲内である場合,その一次映像信号をそのまま前記映像表示手段に入力させれば,前記色域不整合映像信号が表す本来の色(再現色)が前記映像表示手段によって正しく再現(表示)される。
そして,本発明においては,前記一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)が前記出力範囲内である場合,その一次映像信号をそのまま前記二次映像信号とする。即ち,(A1)式及び(A2)式において,前記中間輝度値がLr=Xr,Lg=Xg,Lb=Xgとなり,それらの値がそのまま前記二次映像信号におけるRGB3原色の輝度信号の値となる。
また,本発明においては,前記一次映像信号におけるある原色の階調レベルが負のレベルである(即ち,信号値Xr,Xg,Xbが前記出力下限値Sminよりも小さい)場合,その階調レベル(負のレベル)を,その大きさ(絶対値)に応じたレベルの他の2原色の正の階調レベルに置き換える。例えば,前記中間輝度算出手段は,前記出力範囲が0〜1であり,前記一次映像信号におけるR輝度信号の値が−0.1である場合,そのR輝度信号の負の階調レベル(−0.1−0=−0.1)を,その大きさに応じた他の2原色(G及びB)の正の階調レベル(k・c:但し,c=0−(−0.1),kは正の定数)に置き換える。これは,原色Rの負の階調レベル(−c)をその原色Rの補色であるシアンの正の階調レベル(c)に置き換え,さらにそのシアンの正の階調レベル(c)を加法混色法によって他の2原色(G及びB)それぞれの正の階調レベル(k・c)に換算することを意味する。
以上に示したように,本発明によれば,前記一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)が前記出力範囲内である場合,その一次映像信号がそのまま前記二次映像信号となるため,前記一次映像信号が表す本来の色が前記映像表示手段によって正しく再現(表示)される。
また,本発明によれば,前記一次映像信号における3原色の輝度信号それぞれについて,その値が前記出力下限値よりも小さい(階調レベルが負である)場合には,当該原色の負の階調レベルが,その大きさ(絶対値)に応じて他の2原色の正の階調レベルに置き換えられる。そのため,本発明によれば,前記一次映像信号に階調レベルが負である信号値が含まれる場合(RGBの各信号値の1つ以上が前記出力下限値を下回る場合)であっても,その階調レベルの組合せ(RGBの組合せ)に応じた色を表示手段によって再現(表示)でき,多くの場合に(前記中間輝度値が前記出力上限値を超えない限り),前記映像表示手段の色域外の領域での色の連続性を確保できる(グラデーションの破綻を回避できる)。しかも,本発明における映像信号の変換処理は,RGB各原色の信号値に基づく簡易な(演算負荷の低い)四則演算により実現できる。
但し,3原色の信号それぞれについて,負の階調レベルを他の2原色の信号の正の階調レベルに置き換えることにより得られたRGB各原色の中間輝度値Lr,Lg,Lbが,前記出力上限値を超えることもまれに生じ得る。そのような場合,前記(3)又は(4)に示す規則に従って前記中間輝度値を圧縮することによって前記二次映像信号を生成すれば,前記映像表示手段の色域外の領域において,前記映像表示手段の色域外の領域での色の連続性を確保できる(グラデーションの破綻を回避できる)。
特に,(4)に示す規則に従って前記中間輝度値を圧縮することによって前記二次映像信号を生成すれば,前記中間輝度値における3原色の色バランス(色相)を前記二次映像信号においても維持できる。
また,前記(A2)式における定数kが1であれば,後述するように,前記一次映像信号が表す色の色相と,前記前記中間輝度値が表す色の色相とを一致させることができ,前記一次映像信号が表す色(元の色)が前記映像表示手段の色域外の色である場合に,元の色と色味の近い色を前記映像表示手段において再現(表示)できる。
ここで,前記色域不整合映像信号の例としては,IEC 61966−2−4規格(いわゆる新動画用拡張色空間国際規格であるxvYCC)若しくはIEC 61966−2−1規格に準拠した映像信号や,その映像信号にガンマ処理が施された信号が考えられる。なお,IECは,International Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)の略である。
また,与えられた映像信号(前記色域不整合映像信号)と前記映像表示手段の色域に対応する前記二次映像信号との間で信号値と再現色との対応関係が整合しない状況としては,前記二次映像信号の信号値とその信号値に基づく前記映像表示手段の表示色との関係が,ITU−R BT.709規格やITU−R BT.601−5規格等の標準的な規格における映像信号と再現色との関係と整合していない状況が考えられる。なお,ITUは,International Telecommunication Union(国際電気通信連合)の略である。
また,本発明は,以上に示した本発明に係る映像信号変換装置及びその映像信号変換装置により生成された前記二次映像信号に基づく映像を表示する映像表示手段を備えた映像表示装置として捉えることもできる。
また,本発明は,以上に示した本発明に係る映像信号変換装置における各手段が実行する処理をプロセッサ(演算手段或いはコンピュータといってもよい)によって実行する映像信号変換方法として捉えることもできる。
本発明によれば,与えられた映像信号が,前記二次映像信号との間で信号値と再現色との対応関係が整合しない(異なる)ものであっても,前記色域変換手段の処理(色域変換処理)により,前記一次映像信号と前記二次映像信号との間では,信号値と再現色との対応関係が整合する。従って,前記一次映像信号の信号値が前記出力範囲内である場合,その一次映像信号をそのまま前記映像表示手段に入力させれば,前記色域不整合映像信号が表す本来の色(再現色)が前記映像表示手段によって正しく再現(表示)される。
さらに,本発明によれば,前記一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)が前記出力範囲内(映像表示手段に入力される前記二次映像信号の信号値がとり得る範囲内)である場合,その一次映像信号がそのまま前記二次映像信号となるため,前記一次映像信号が表す本来の色が前記映像表示手段によって正しく再現(表示)される。
また,本発明によれば,前記一次映像信号が前記映像表示手段の色域外の領域の色を表す信号である場合,少なくともその信号の階調レベルが負であるときには,多くの場合に,前記映像表示手段の色域外の領域での色の連続性を確保できる(グラデーションの破綻を回避できる)。特に,前記(A2)式における係数k(定数)を1とすれば,前記一次映像信号(元の映像信号)が表す色の色相と,前記二次映像信号が表す色の色相とを一致させることができ,前記一次映像信号が表す色(元の色)が前記映像表示手段の色域外の色である場合に,元の色と色味の近い色を前記映像表示手段において再現(表示)できる。
しかも,本発明における映像信号の変換処理は,RGB各原色の信号値に基づく簡易な(演算負荷の低い)四則演算により実現できるので,比較的低い性能のプロセッサにより実現できる。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施形態に係る映像表示装置Zの主要部の概略構成を表すブロック図,図2は映像表示装置Zの変形例である映像表示装置Z’の主要部の概略構成を表す図,図3は映像表示装置Zが備える信号範囲調整部が原色Bの負の階調レベルを他の2原色の正の階調レベルに置き換える様子をベクトルにより表現した概念図,図4及び図5は映像信号の再現色の具体例(第1の例及び第2の例)を色度図により表した図である。
本発明の実施形態に係る映像表示装置Zは,図1に示すように,映像表示手段であるディスプレイ6と,入力された映像信号を前記ディスプレイ6に供給するRGB信号(映像信号)に変換する映像信号変換装置Qとを備えている。
前記ディスプレイ6は,RGB各原色の輝度信号(R信号,G信号及びB信号)からなる映像信号が入力され,その映像信号に基づく映像を表示する液晶ディスプレイやCRT等のデバイスである。このディスプレイ6に入力される映像信号(RGB信号)は,予め定められた出力下限値Sminから出力上限値Smaxまで(ここで,Smin<Smax)の範囲(以下,出力範囲Wという)の値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる映像信号(以下,非線形二次映像信号V2’という)である。なお,前記非線形二次映像信号V2’は,前記ディスプレイ6により表示可能(再現可能)な色域内の色と対応するように,信号値(RGB3原色の輝度信号の値)が前記出力範囲W(例えば,0〜255或いは0〜1等)内で正規化された映像信号である。
そして,映像表示装置Zには,前記ディスプレイ6が表示(再現)可能な色域よりも広く拡張された色域を表現可能な映像信号が入力される。この映像信号のことを,以下,入力映像信号Vinという。
前記映像信号変換装置Qが実行する処理の概要は以下の通りである。
前記映像信号変換装置Qは,まず,外部から入力される前記入力映像信号Vinを,前記出力範囲Wにおける信号値と再現色との対応関係が前記二次映像信号の信号値と前記ディスプレイ6の表示色(再現色)との対応関係と整合するRGB信号(RGB各原色の輝度信号からなる映像信号,以下,線形一次映像信号V1という)に変換する。
次に,前記映像信号変換装置Qは,前記線形一次映像信号V1を,ガンマ処理が施された後に前記ディスプレイ6に入力される線形二次映像信号V2(前記出力範囲Wの値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる映像信号)へ変換する処理を実行し,さらに,前記線形二次映像信号V2にガンマ処理を施して,ガンマ処理後の前記非線形二次映像信号V2’を前記ディスプレイ6に対して出力する。
また,前記映像信号変換装置Qは,例えば,DSP(Digital Signal Processor)やASIC等のデジタル処理回路(素子)であり,演算用のプロセッサ(演算手段)及びそのプロセッサにより実行されるプログラムが記憶されたROM等の記憶手段,並びにRAM等のその他の周辺装置を備えて構成されている。そして,前記映像信号変換装置Qが備える各構成要素(RGB信号生成部1,一次側ガンマ処理部2,色域変換処理部3,信号範囲調整部4及び二次側ガンマ処理部5)は,それぞれの処理に対応したプログラムを実行する前記プロセッサによって具現されている。
なお,前記映像信号変換装置Qが備える各構成要素は,前段の構成要素がメモリに記録した信号値(信号処理の結果)を,後段の構成要素がそのメモリから読み出して参照することにより,処理結果(信号値)の受け渡しを行う。
続いて,前記映像信号変換装置QにおけるRGB信号生成部1,一次側ガンマ処理部2,色域変換処理部3,信号範囲調整部4及び二次側ガンマ処理部5の処理について説明する。
前記RGB信号生成部1は,外部から入力される前記入力映像信号Vinを,RGB各原色の輝度信号からなる映像信号(以下,非線形入力RGB信号V0’という)に変換する処理(即ち,RGB信号を生成する処理)を実行する。
前記入力映像信号Vinは,例えば,IEC 61966−2−4規格,或いはIEC 61966−2−1規格に準拠したYUV信号やYcbcr信号等の映像信号であり,その色域は,前記ディスプレイ6により表示(再現)可能な色域よりも広く拡張されている。
そして,前記ディスプレイ6の色域(前記入力映像信号V0により表現可能な色域)よりも前記入力映像信号Vinにより表現可能な色域の方が広いため,前記非線形入力映像信号V0’は,前記出力範囲W(出力下限値Sminから出力上限値Smaxまで)を一部に含む範囲(前記出力範囲Wよりも広い範囲)の信号値をとり得るRGB信号(RGB各原色の輝度信号からなる映像信号)となる。
なお,IEC 61966−2−4規格及びIEC 61966−2−1規格において,各規格に準拠したYUV信号やYcbcr信号を同規格に準拠したRGB信号に変換する規則(変換式)が規定されており,前記RGB信号生成部1は,その規則(変換式)に従った信号変換処理を行う。このため,前記入力映像信号Vinが,IEC 61966−2−4規格,或いはIEC 61966−2−1規格に準拠したYUV信号やYcbcr信号等の映像信号である場合,前記非線形入力RGB信号V0’も,IEC 61966−2−4規格,或いはIEC 61966−2−1規格に準拠したRGB信号となる。
ところで,前記非線形入力RGB信号V0’及び前記非線形二次映像信号V2’は,信号値(輝度の階調値)とその信号値に対応する実際の色の輝度との対応関係が非線形である映像信号である。以下,前記非線形入力RGB信号V0’及び前記非線形二次映像信号V2’それぞれについて,信号値とその信号値に対応する実際の色の輝度との対応関係が線形となるように修正(補正)された信号を,それぞれ線形入力RGB信号V0及び線形二次映像信号V2という。
前記一次側ガンマ処理部2は,前記非線形入力RGB信号V0’に対して周知のガンマ処理(ガンマ補正処理ともいう)を施すことにより,信号値(輝度の階調値)とその信号値に対応する実際の色の輝度との対応関係が非線形である前記非線形入力RGB信号V0’を,信号値とその信号値に対応する実際の色の輝度との対応関係が線形である線形入力RGB信号V0に変換する処理を実行する。通常,この一次側ガンマ処理部2は,ガンマ値が(1/2.2)であるガンマカーブに従ってガンマ処理を行う。なお,前記一次側ガンマ処理部2が参照する前記非線形入力RGB信号V0’から前記線形入力RGB信号V0への信号変換テーブル又は変換式は,映像信号変換装置Qが備えるメモリ(ROM等)に予め記憶されている。
また,前記色域変換処理部3は,信号値と再現色との対応関係が,前記線形二次映像信号V2における信号値と再現色との対応関係と整合しない前記線形入力RGB信号V0(前記色域不整合映像信号の一例)に対して信号変換処理を施すことにより,前記線形入力RGB信号V0を,信号値と再現色との対応関係が前記線形二次映像信号V2と整合する前記線形一次映像信号V1へ変換する処理(以下,色域変換処理という)を実行する(前記色域変換手段の一例)。
より具体的には,前記色域変換処理部3は,前記線形入力RGB信号V0におけるR輝度値Ir,G輝度値Ig及びB輝度値Ibの一次式である次の(E1)式の演算によって前記色域変換処理を実行する。
Figure 2009111823
(E1)式における変換係数h1〜h9は,理論計算や表示色の実測等によって予め定めることができる。
なお,前記ディスプレイ6の色域(前記非線形二次映像信号V2’や前記線形二次映像信号V2により表現可能な色域)よりも前記入力映像信号Vinにより表現可能な色域の方が広いため,前記線形一次映像信号V1は,前記出力範囲W(出力下限値Sminから出力上限値Smaxまで)を一部に含む拡張範囲W’の信号値をとり得るRGB信号(RGB各原色の輝度信号からなる映像信号)となる。
また,前記信号範囲調整部4は,前記出力範囲Wを一部に含む前記拡張範囲W’の信号値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる前記線形一次映像信号V1を,前記出力範囲Wの値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる前記線形二次映像信号V2へ変換する処理を実行するものである。以下,前記信号範囲調整部4が実行する処理の詳細について説明する。
まず,前記信号範囲調整部4は,前記線形一次映像信号V1(色域変換処理後の信号)におけるRGB各原色の輝度信号の値(Xr,Xg,Xb)を次の(A1)式及び(A2)式に適用(代入)して得られるRGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)を算出する(前記中間輝度値算出手段の一例)。なお,当該映像信号変換装置Qにおいては,(A1)式及び(A2)式における「一次映像信号」におけるRGB3原色の輝度信号の値(Xr,Xg,Xb)は,前記線形一次映像信号V1におけるRGB各原色の輝度信号の値であるものとする。
Figure 2009111823
ここで,前記非線形二次映像信号V2’及び前記線形二次映像信号V2が,正規化された値として0から1までの範囲(前記出力範囲Wの一例)の信号値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる映像信号である場合,前記非線形一次映像信号V1’及び前記線形一次映像信号V1は,正規化された値として負の値から1より大きい値までの範囲(前記拡張範囲W’)の信号値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる映像信号である。この場合,前記出力下限値Sminが0,前記出力上限値Smaxが1であるので,(A1)式は,次の(A1’)式に置き換えられる。この(A1’)式は,(A1)式の一例である。
Figure 2009111823
さらに,前記信号範囲調整部4は,前記RGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)に前記出力上限値Smaxよりも大きな値が含まれる場合(Lr>Smax,Lg>Smax,Lb>Smaxの3条件うちのいずれか1つ以上の条件が成立する場合)に,予め定められた二次変換規則により前記RGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)を前記出力範囲内Wの値に変換した値の信号からなる前記線形二次映像信号V2を生成する(前記二次映像信号生成手段の一例)。
ここで,前記二次変換規則(予め定められた変換規則)としては,例えば,次の(B1)式に基づく変換規則が考えられる。なお,当該映像信号変換装置Qにおいては,(B1)式における「二次映像信号」におけるRGB3原色の輝度信号の値(Yr,Yg,Yb)は,前記線形二次映像信号V2におけるRGB各原色の輝度信号の値であるものとする。
Figure 2009111823
この(B1)式は,前記RGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)の全てを,前記出力下限値Sminから前記RGB各原色の中間輝度値の最大値Lmaxまでの範囲の幅(Lmax−Smin)に対する前記出力範囲Wの幅(Smax−Smin)の比に応じて線形圧縮する規則(処理)を表す。
この(B1)式に基づく変換規則は,前記RGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)のうち値が最大であるもの(Lmax)を前記出力上限値Smaxに置き換え,さらに,その他の前記中間輝度値について,前記中間輝度値(Lr,Lg,Lb)の中で値が最大であるもの(Lmax)の大きさに応じて定まる圧縮係数に基づき圧縮する規則の一例である。なお,(B1)式に基づく変換規則における前記圧縮係数は,前記出力下限値Sminから前記中間輝度値の最大値Lmaxまでの範囲の幅(Lmax−Smin)に対する前記出力範囲Wの幅(Smax−Smin)の比である。
その他,前記圧縮係数の定め方(求め方)としては,例えば,二次関数や指数関数,或いはそれに類する関係式に基づいて,前記中間輝度値の最大値Lmaxと前記出力上限値Smaxとの差(Lmax−Smax)が大きくなるほど値が1から所定の収束値(0より大きく1未満の値)に漸近するような前記圧縮係数を定めることも考えられる。このようにして定めた圧縮係数が,前記RGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)のうち値が最大であるもの(Lmax)以外の前記中間輝度値に対して乗算され,これによって信号値(輝度値)が圧縮される。
また,その他の前記二次変換規則として,次の(B2)式に基づく変換規則も考えられる。なお,当該映像信号変換装置Qにおいては,(B2)式における「二次映像信号」におけるRGB3原色の輝度信号の値(Yr,Yg,Yb)は,前記線形二次映像信号V2におけるRGB各原色の輝度信号の値であるものとする。
Figure 2009111823
この(B2)式は,前記RGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)のうち前記出力上限値Smaxよりも値が大きいものを前記出力上限値Smaxに置き換えるクリップ処理を表す。但し,このクリップ処理を採用した場合,前記線形二次映像信号V2における色の連続性は損なわれる。
一方,前記信号範囲調整部4は,前記RGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)に前記出力上限値Smaxよりも大きな値が含まれない場合(Lr≦SmaxかつLg≦SmaxかつLb≦Smaxである場合)に,前記RGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)の信号からなる前記線形二次映像信号V2を生成する(前記二次映像信号生成手段の一例)。即ち,「Lr≦SmaxかつLg≦SmaxかつLb≦Smax」である場合,前記信号範囲調整部4は,前記RGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)をそのまま信号値(Yr,Yg,Yb)とする前記線形二次映像信号V2を生成する。
以上のようにして前記信号範囲調整部4により生成された前記線形二次映像信号V2は,その信号値(Yr,Yg,Yb)が前記出力範囲W1に収まる信号となる。
また,前記二次側ガンマ処理部5は,前記信号範囲調整部4により生成された前記線形二次映像信号V2に周知のガンマ処理を施すことにより,前記線形二次映像信号V2を前記非線形二次映像信号V2’(RGB3原色の輝度信号)に変換する。通常,この二次側ガンマ処理部5は,ガンマ値が2.2(前記一次側ガンマ処理部2でのガンマ値の逆数)であるガンマカーブに従ってガンマ処理を行う。
なお,この前記二次側ガンマ処理部5が出力する前記非線形二次映像信号V2’も,その信号値(Yr’,Yg’,Yb’)が前記出力範囲W1に収まる信号となる。そして,前記ディスプレイ6は,前記二次側ガンマ処理部5から出力される前記非線形二次映像信号V2’に基づく映像を出力(表示)する。
以下,映像信号変換装置Qによる映像信号の変換処理の内容について説明する。なお,以下の説明において,RGB各原色の輝度信号の値(信号値Xr,Xg,Xb)から前記出力下限値(Smin)を差し引いた値を「階調レベル」と称する。
映像信号変換装置Qにおいては,前記線形一次映像信号V1の信号値(Xr,Xg,Xb)が前記出力範囲W内である場合,その線形一次映像信号V1をそのまま前記線形二次映像信号V2とする。即ち,(A1)式及び(A2)式において,前記中間輝度値がLr=Xr,Lg=Xg,Lb=Xgとなり,それらの値がそのまま前記線形二次映像信号V2におけるRGB3原色の輝度信号(Yr,Yg,Yb)の値となる。
また,映像信号変換装置Qにおいては,前記線形一次映像信号V1におけるある原色の階調レベルが負のレベルである(即ち,信号値Xr,Xg,Xbが前記出力下限値Sminよりも小さい)場合,その階調レベル(負のレベル)を,その大きさ(絶対値)に応じたレベルの他の2原色の正の階調レベルに置き換える。例えば,前記信号範囲調整部4は,前記出力範囲が0〜1であり,前記線形一次映像信号V1におけるR輝度信号の値Xrが−0.1である場合,そのR輝度信号Xrの負の階調レベル(−0.1−0=−0.1)を,その大きさに応じた他の2原色(G及びB)の正の階調レベル(k・c:但し,c=0−(−0.1),kは正の定数)に置き換える。これは,原色Rの負の階調レベル(−c)をその原色Rの補色であるシアンの正の階調レベル(c)に置き換え,さらにそのシアンの正の階調レベル(c)を加法混色法によって他の2原色(G及びB)それぞれの正の階調レベル(k・c)に換算することを意味する。
同様に,前記信号範囲調整部4は,前記出力範囲が0〜1であり,前記線形一次映像信号V1におけるG輝度信号の値Xgが−0.1である場合,そのG輝度信号Xgの負の階調レベル(−0.1−0=−0.1)を,その大きさに応じた他の2原色(R及びB)の正の階調レベル(k・m:但し,m=0−(−0.1),kは正の定数)に置き換える。これは,原色Gの負の階調レベル(−m)をその原色Rの補色であるマゼンタの正の階調レベル(m)に置き換え,さらにそのマゼンタの正の階調レベル(m)を加法混色法によって他の2原色(R及びB)それぞれの正の階調レベル(k・m)に換算することを意味する。
同様に,前記信号範囲調整部4は,前記出力範囲が0〜1であり,前記線形一次映像信号V1におけるB輝度信号の値Xbが−0.1である場合,そのB輝度信号Xbの負の階調レベル(−0.1−0=−0.1)を,その大きさに応じた他の2原色(R及びG)の正の階調レベル(k・y:但し,y=0−(−0.1),kは正の定数)に置き換える。これは,原色Bの負の階調レベル(−y)をその原色Bの補色であるイエローの正の階調レベル(y)に置き換え,さらにそのイエローの正の階調レベル(y)を加法混色法によって他の2原色(R及びG)それぞれの正の階調レベル(k・y)に換算することを意味する。
図3は,前記信号範囲調整部4が原色Bの負の階調レベルを他の2原色(R,G)それぞれの正の階調レベルに置き換える様子をベクトルにより表現した概念図である。なお,図3において,6方向への矢印は原色R,G,B及びその補色であるシアン(C),マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の座標軸を表す。
図3に示すように,前記信号範囲調整部4は,前記線形一次映像信号V1における原色Bの階調レベル(Xb−Smin)が負である場合,それを原色Bの補色であるイエローの正の階調レベル(y)に置き換え,さらにそのイエローの正の階調レベル(y)を加法混色法によって他の2原色(R及びG)それぞれの正の階調レベル(k・y)に置き換える。なお,図3に示す例はk=1の場合の例である。
図4及び図5は映像信号の再現色の具体例を色度図(xy式度図)により表した図である。なお,図4及び図5の説明において,前記出力範囲は0〜1(Smin=0,Smax=1)である。また,前記信号範囲調整部4による処理において,前記(A2)式における定数kは0.5であるものとし,また,前記二次変換規則は,前記(B1)式に基づく変換規則であるものとする。
また,図4及び図5において,実線で示す三角形の枠及びその内側の領域は,IEC 61966−2−4規格に準拠した入力映像信号(前記入力映像信号Vin及び前記非線形入力RGB信号V0’)の色域を表し,波線で示す三角形の枠及びその内側の領域は,前記ディスプレイ6により再現可能な色域(前記線形二次映像信号V2及び前記非線形二次映像信号V2’の色域に相当)を表し,他の波線で表す枠及びその内側の領域は,CIE1931色度図の色域を表す。
まず,図4について説明する。図4に示す例は,ディスプレイ6の色域よりも入力映像信号の色域の方が狭い場合の例である。
また,図4を作成するにあたり,入力映像信号のRGBの信号値(Ir,Ig,Ib)からxy色度図の座標値x,yへの変換式として,IECの規格において定められた次の(F1)式を用いている。
Figure 2009111823
また,図4を作成するにあたり,前記ディスプレイ6に入力されるRGBの信号値(Yr,Yg,Yb)からxy色度図の座標値x,yへの変換式は,次の(F2)式を用いている。
なお,(F1)式及び(F2)式におけるx,yは,xy色度図の座標値である。
Figure 2009111823
これら(F1)式及び(F2)式に基づけば,前記色域変換処理は,次の(F3)式で表される。なお,この(F3)式は,前記(E1)式の係数h1〜h9に,(F1)式及び(F2)式に基づいて求まる具体的な数値を適用した式である。
Figure 2009111823
図4において,前記入力映像信号のRGB信号値(Ir,Ig,Ib)が,(−0.1350,0.7977,0.1131)である色(以下,第1の色という)の座標がa1,同じくRGB信号値(Ir,Ig,Ib)が(0.4466,0.3298,0.2652)である色(以下,第2の色という)の座標がa2,同じくRGB信号値(Ir,Ig,Ib)が(−0.5090,0.8988,0.2132)である色(以下,第3の色という)の座標がa3として表記されている。なお,座標a1〜a3は,前記(F1)式に基づいて求めたものである。
前記第1の色及び前記第2の色について,前記入力映像信号のRGB信号値に対して(F3)式に基づく前記色域変換処理を施すと,得られる一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)は,それぞれ(0.1080,0.7977,0.1131),及び(0.4162,0.3298,0.2652)となり,前記出力範囲W(0〜1)に収まる。このため,その一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)を前記線形二次映像信号V2の信号値とすればよい。
一方,前記第3の色について,前記入力映像信号のRGB信号値に対して(F3)式に基づく前記色域変換処理を施すと,得られる一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)は,(−0.5090,0.8988,0.2132)となり,前記出力範囲W(0〜1)から外れる。
図4において,前記第3の色について,一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)をクリップ処理によって前記出力範囲W内の信号値に変換して得られる色の座標がb3,その一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)を前記信号範囲調整部4により前記出力範囲W内の信号値に変換して得られる色の座標がc3として表記されている。
次に,図5について説明する。図5に示す例は,ディスプレイ6の色域よりも入力映像信号の色域の方が広い場合の例である。
また,図5を作成するにあたり,入力映像信号のRGBの信号値(Ir,Ig,Ib)からxy色度図の座標値x,yへの変換式として,IECの規格において定められた前記(F1)式を用いている。
また,図5を作成するにあたり,前記ディスプレイ6に入力されるRGBの信号値(Yr,Yg,Yb)からxy色度図の座標値x,yへの変換式は,次の(F4)式を用いている。
なお,(F4)式におけるx,yは,xy色度図の座標値である。
Figure 2009111823
前記(F1)式及び前記(F4)式に基づけば,前記色域変換処理は,次の(F5)式で表される。なお,この(F5)式は,前記(E1)式の係数h1〜h9に,(F1)式及び(F4)式に基づいて求まる具体的な数値を適用した式である。
Figure 2009111823
図5において,前記入力映像信号のRGB信号値(Ir,Ig,Ib)が,(0.4466,0.3298,0.2652)である色(以下,第4の色という)の座標がa4,同じくRGB信号値(Ir,Ig,Ib)が(−0.1350,0.7977,0.1131)である色(以下,第5の色という)の座標がa5,同じくRGB信号値(Ir,Ig,Ib)が(0.2700,0.6427,0.0508)である色(以下,第6の色という)の座標がa6として表記されている。なお,座標a4〜a6は,前記(F1)式に基づいて求めたものである。
前記第4の色について,前記入力映像信号のRGB信号値に対して(F5)式に基づく前記色域変換処理を施すと,得られる一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)は,(0.1080,0.7977,0.1131)となり,前記出力範囲W(0〜1)に収まる。このため,その一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)を前記線形二次映像信号V2の信号値とすればよい。
一方,前記第5の色及び前記第6の色について,前記入力映像信号のRGB信号値に対して(F3)式に基づく前記色域変換処理を施すと,得られる一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)は,それぞれ(−2.0113,0.7977,−0.1415),(−0.4775,0.6417,−0.1689)となり,前記出力範囲W(0〜1)から外れる。
図5において,前記第5の色及び第6の色について,一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)をクリップ処理によって前記出力範囲W内の信号値に変換して得られる色の座標がb5,b6,その一次映像信号の信号値(Xr,Xg,Xb)を前記信号範囲調整部4により前記出力範囲W内の信号値に変換して得られる色の座標がc5,c6として表記されている。
図5から,クリップ処理では,異なる色である前記第5の色(座標a5)及び前記第6の色(座標a6)が,信号変換によって前記ディスプレイ6の色域内における同じ色(同じ座標b5,b6:(x,y)=(0.35,0.45))に変換されてしまうことがわかる。一方,図5から,前記信号範囲調整部4の処理によれば,異なる色である前記第5の色(座標a5)及び前記第6の色(座標a6)は,信号変換によって前記ディスプレイ6の色域内における異なる色(異なる座標c5,c6)に変換されことがわかる。
以上図5に示したように,映像表示装置Zにおいては,前記線形一次映像信号V1が前記ディスプレイ6の色域外の領域の色を表す信号である場合でも,その映像信号の色を代替色でディスプレイ6上に表示できるとともに,前記線形一次映像信号V1の信号値の変化に応じてディスプレイ6による表示色も変化するので,ディスプレイ6による表示色の連続性を確保できる(グラデーションの破綻を回避できる)。
次に,前記線形一次映像信号V1の色相と前記線形2次映像信号V2の色相との関係について説明する。
前記出力下限値Sminが0であるときの前記線形一次映像信号V1におけるRGB信号の信号値(Xr,Xg,Xb)と,そのRGB信号に相当するYcbcr信号(輝度値Y,原色Bの色差Cb,原色Rの色差Crの組合せ)との関係は,次の(C1)式により表される。
Figure 2009111823
この(C1)式から,前記線形一次映像信号V1に相当するYcbcr信号における両色差信号値の比Cr/Cbは,次の(C2)式で表される。
Figure 2009111823
一方,前記出力下限値Sminが0であるときの前記線形二次映像信号V2におけるRGB信号の信号値(Yr,Yg,Yb)と,そのRGB信号に相当するYcbcr信号(輝度値Y’,原色Bの色差Cb’,原色Rの色差Cr’の組合せ)との関係は,次の(D1)式により表される。
Figure 2009111823
ここで,前記線形一次映像信号V1における原色Bの信号値Xbのみが前記出力下限値Smin未満であり,その他の2原色(R,G)の信号値Xr,Xb,及び前記RGB3原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)が前記出力範囲W内である(即ち,前記出力上限値Smaxを超えない)場合を考える。この場合,前記(A1)式及び前記(A2)式から次の(D2)式が得られる。
Figure 2009111823
この(D2)式を前記(D1)式に代入(適用)することにより,次の(D3)式が得られる。
Figure 2009111823
この(D3)式から,前記線形二次映像信号V2に相当するYcbcr信号における両色差信号値の比Cr’/Cb’は,次の(D4)式で表される。
Figure 2009111823
周知の通り,2つのYcbcr信号について,色差信号値の比(Cr/Cb及びCr’/Cb’)が一致すれば,それら2つのYcbcr信号それぞれにより表される色は,色相が同一である。ここで,前記(C2)式に基づくCr/Cbと,(D4)式に基づくCr’/Cb’とを一致させるには,定数kが1であればよい。また,色相の一致について以上に示したことは,前記線形一次映像信号V1におけるRGB3原色の信号値の組合せが他の組合せである場合であっても同様である。
従って,前記(A2)式における定数kが1であれば,多くの場合(前記中間輝度値Lr,Lg,Lbが前記出力上限値Smaxを超えない限り),前記信号範囲調整部4による信号変換(信号値の範囲の調整)の前後において,映像信号が表す色の色相を維持する(一致させる)ことができ,前記線形一次映像信号V1が表す色(元の色)が前記ディスプレイ6の色域外の色である場合に,元の色と色味の近い色を前記ディスプレイ6において再現(表示)できる。
また,前記(B1)式に基づく信号変換の前後において,RGB3原色の輝度値の比は変化しないので色相は維持される。従って,前記(A2)式における定数kを1とし,前記二次変換規則として前記(B1)式に基づく変換規則を採用すれば,常に,前記信号範囲調整部4による信号変換(信号値の範囲の調整)の前後において,映像信号が表す色の色相を維持する(一致させる)ことができる。
以上に示したように,映像表示装置Zにおいては,与えられた映像信号(前記非線形入力RGB信号V0’)にガンマ処理を施した前記線形入力RGB信号V0(前記色域不整合映像信号の一例)が,前記線形二次映像信号V2(ガンマ処理が施された後にディスプレイ6に入力される映像信号)との間で信号値と再現色との対応関係が整合しない(異なる)ものであっても,前記色域変換処理部3による前記色域変換処理により,前記線形一次映像信号V1と前記線形二次映像信号V2との間では,信号値と再現色との対応関係が整合する。
そして,映像表示装置Zにおいては,前記線形一次映像信号V1の信号値(Xr,Xg,Xb)が前記出力範囲W内である場合,その線形一次映像信号V1がそのまま前記線形二次映像信号V2となるため,前記入力映像信号Vinが表す本来の色が,前記ディスプレイ6によって正しく再現(表示)される。
また,映像表示装置Zにおいては,前記線形一次映像信号V1における3原色の輝度信号それぞれについて,その値(Xr,Xg,Xb)が前記出力下限値Sminよりも小さい(階調レベルが負である)場合には,当該原色の負の階調レベルが,その大きさ(絶対値)に応じて他の2原色の正の階調レベルに置き換えられる。そのため,映像表示装置Zによれば,前記非線形一次映像信号V1’及び前記線形一次映像信号V1が前記ディスプレイ6の色域外の領域の色を表す信号である場合,少なくともその信号の階調レベルが負であるときには,多くの場合に(前記中間輝度値Lr,Lg,Lbが前記出力上限値Smaxを超えない限り),前記ディスプレイ6の色域外の領域での色の連続性を確保できる(グラデーションの破綻を回避できる)。特に,前記(A2)式における定数kが1であれば,前記線形一次映像信号V1が表す色(元の色)が前記ディスプレイ6の色域外の色である場合に,元の色と色味の近い色(色相が同じ色)を前記ディスプレイ6において再現(表示)できる。しかも,前記映像信号変換装置Qが実行する映像信号の変換処理は,RGB各原色の信号値に基づく簡易な(演算負荷の低い)四則演算により実現できる。
但し,RGB各原色の中間輝度値Lr,Lg,Lbが,前記出力上限値を超えることもまれに生じ得る。そのような場合,前記(B1)式に従って前記中間輝度値(Lr,Lg,Lb)を圧縮することによって前記線形二次映像信号V2を生成すれば,前記ディスプレイ6の色域外の領域において,前記線形一次映像信号V1における色相を前記線形二次映像信号V2においても維持できる。
ところで,信号変換が行われる前後の2つの映像信号について,色相を維持するためには,前述したように,元の映像信号をYcbcr信号で表したときの色差信号の比Cr/Cbと,変換後の映像信号をYcbcr信号で表したときの色差信号の比Cr’/Cb’とを一致させつつ色域の圧縮を行えばよい。しかしながら,Ycbcr信号において,Cr/Cb=Cr’/Cb’となるように色域の圧縮を行うためには,例えば,θ=arctan(Cr/Cb)=arctan(Cr’/Cb’)などとし,このθに対応する色相について,前記(D1)式に基づいて,RGBの信号値が前記出力範囲を超えないような色域の範囲を特定した上で,その色域の範囲内の色(変換後のYcbcr信号が表す色)を予め定めた規則に従って特定する,といった手順で変換後の映像信号を算出する必要がある。しかしながら,そのような手順で信号変換処理を行う場合,煩雑な三角関数の演算や二元一次方程式を解く演算を行う必要が生じ,演算負荷が高くなる。
一方,前記信号変換装置Qにおいては,(A1)式及び(A2)式,さらには(B1)式又は(B2式)に示したような簡易な条件判別処理と四則演算とを行うだけで済み,低い演算負荷で信号変換処理を実行できる。
次に,図2に示すブロック図を参照しつつ,前記映像表示装置Zの応用例である映像表示装置Z’について説明する。なお,図2において,図1に示した前記映像表示装置Zの構成要素と同じ構成要素については同じ符号が付されている。
前記映像表示装置Zにおける前記映像信号変換装置Qにおいては,前記色域変換処理の対象となる映像信号(前記色域不整合映像信号に相当)が,IEC 61966−2−4規格やIEC 61966−2−1規格等に準拠した映像信号である前記非線形入力RGB信号V0’に,前記一次側ガンマ処理部2によってガンマ処理が施された線形の映像信号(前記線形入力RGB信号V0)であった。
さらに,前記映像信号変換装置Qにおいては,信号値の範囲の調整後(信号変換後)の二次映像信号が線形の映像信号(前記線形二次映像信号V2)であり,その映像信号に前記二次側ガンマ処理部5によってガンマ処理が施された非線形の信号(前記非線形二次映像信号V2’)が前記ディスプレイ6に入力される映像信号(前記出力範囲Wの信号値をとり得る信号)であった。
これにより,信号変換に簡易な線形式(一次式)である前記(A2)式や前記(B1)式,或いは(E1)式を採用しても,非線形の映像信号に線形処理を施した場合に生じる画質の低下を招くことがない。
一方,前記映像表示装置Z’は,前記映像表示装置Zにおける前記映像信号変換装置Qに代えて,その映像信号変換装置Qから前記一次側ガンマ処理部2及び前記二次側ガンマ処理部3が除かれた映像信号変換装置Q’を備えている。即ち,映像信号変換装置Q’は,前記RGB信号生成部1と前記色域変換処理部3と前記信号範囲調整部4とを備えている。
前記映像信号変換装置Q’が実行する処理の概要は以下の通りである。
前記映像信号変換装置Q’は,まず,外部から入力される前記入力映像信号Vinを,前記出力範囲Wにおける信号値と再現色との対応関係が前記二次映像信号の信号値と前記ディスプレイ6の表示色(再現色)との対応関係と整合するRGB信号である非線形一次映像信号V1に変換する。
次に,前記映像信号変換装置Qは,前記非線形一次映像信号V1’を,前記ディスプレイ6に直接入力される前記非線形二次映像信号V2’(前記出力範囲Wの値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる映像信号)へ変換する処理を実行する。以下,映像信号変換装置Q’による処理の詳細について説明する。
映像信号変換装置Q’において,前記RGB信号生成部1により生成される前記非線形入力RGB信号V0’(前記色域不整合映像信号の一例)は,その信号値と再現色との対応関係が,前記ディスプレイ6に直接入力される前記非線形二次映像信号V2’における信号値と再現色との対応関係と整合していない。
そして,前記映像信号変換装置Q’における前記色域変換処理部3は,前記非線形入力RGB信号V0’に対して信号変換処理を施すことにより,前記非線形入力RGB信号V0’を,信号値と再現色との対応関係が前記非線形二次映像信号V2’と整合する非線形一次映像信号V1’へ変換する前記色域変換処理を実行する(前記色域変換手段の一例)。
より具体的には,前記映像信号変換装置Q’における前記色域変換処理部3は,前記RGB信号生成部1により生成された前記非線形入力RGB信号V0’に対し,前記非線形入力RGB信号V0’におけるR輝度値Ir’,G輝度値Ig’及びB輝度値Ib’の一次式である次の(E2)式の演算によって前記色域変換処理を実行する。
Figure 2009111823
(E2)式における変換係数h1〜h9は,理論計算や表示色の実測等によって予め定めることができる。
なお,前記ディスプレイ6の色域(前記非線形二次映像信号V2’により表現可能な色域)よりも前記入力映像信号Vinにより表現可能な色域の方が広いため,前記非線形一次映像信号V1’は,前記出力範囲W(出力下限値Sminから出力上限値Smaxまで)を一部に含む拡張範囲W’の信号値をとり得るRGB信号(RGB各原色の輝度信号からなる映像信号)となる。
また,前記映像信号変換装置Q’における前記信号範囲調整部4は,まず,前記色域変換処理が施された後の前記非線形一次映像信号V1’におけるRGB各原色の輝度信号の値を前記(A1)式及び前記(A2)式に適用(代入)して得られるRGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)を算出する(前記中間輝度値算出手段の一例)。なお,当該映像信号変換装置Q’においては,(A1)式及び(A2)式における「一次映像信号」におけるRGB3原色の輝度信号の値(Xr,Xg,Xb)は,前記非線形一次映像信号V1’におけるRGB各原色の輝度信号の値であるものとする。
さらに,前記映像信号変換装置Q’における前記信号範囲調整部4は,前記RGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)に前記出力上限値Smaxよりも大きな値が含まれる場合(Lr>Smax,Lg>Smax,Lb>Smaxの3条件うちのいずれか1つ以上の条件が成立する場合)に,前記二次変換規則により前記RGB各原色の中間輝度値(Lr,Lg,Lb)を前記出力範囲内Wの値に変換した値の信号からなる前記非線形二次映像信号V2’を生成する(前記二次映像信号生成手段の一例)。
ここで,前記二次変換規則としては,例えば,前記(B1)式に基づく変換規則や前記(B2)式に基づく変換規則が考えられる。なお,当該映像信号変換装置Q’においては,前記(B2)式又は前記(B2)式における「二次映像信号」におけるRGB3原色の輝度信号の値(Yr,Yg,Yb)は,前記非線形二次映像信号V2’におけるRGB各原色の輝度信号の値であるものとする。
このように,前記映像信号変換装置Q’においては,前記色域変換処理の対象となる映像信号(前記非線形入力RGB信号V0’)が,IEC 61966−2−4規格やIEC 61966−2−1規格に準拠した映像信号(前記非線形一次映像信号V1’)である。
前記映像信号変換装置Q’のように,非線形の一次映像信号V1’に対し,前記(A2)式や前記(B1)式のような線形式(一次式)を用いて信号変換を行った場合,多少の画質の低下を招くが,2回のガンマ処理を省略できる点で,演算負荷低減効果が高い。このような映像信号変換装置Q’及びそれを備えた映像表示装置Z’も本発明の実施形態の一例である。
本発明は,一次側の映像信号を,その信号値が所定範囲に収まるように二次側の映像信号に変換する信号変換装置及びそれを備えた映像表示装置に利用可能である。
本発明の実施形態に係る映像表示装置Zの主要部の概略構成を表すブロック図。 映像表示装置Zの変形例である映像表示装置Z’の主要部の概略構成を表す図。 映像表示装置Zが備える信号範囲調整部が原色Bの負の階調レベルを他の2原色の正の階調レベルに置き換える様子をベクトルにより表現した概念図。 映像信号の再現色の具体例(第1の例)を色度図により表した図。 映像信号の再現色の具体例(第2の例)を色度図により表した図。
符号の説明
Z,Z’:映像表示装置
Q,Q’:映像信号変換装置
1 :RGB信号生成部
2 :一次側ガンマ処理部
3 :色域変換処理部
4 :信号範囲調整部
5 :二次側ガンマ処理部
6 :ディスプレイ

Claims (9)

  1. 予め定められた出力下限値から出力上限値までの出力範囲を一部に含む拡張範囲の信号値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる一次映像信号を,映像表示手段に直接もしくはガンマ処理が施された後に入力される映像信号であり,前記出力範囲の値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる二次映像信号へ変換する映像信号変換装置であって,
    信号値と再現色との対応関係が前記二次映像信号のそれと整合しない色域不整合映像信号に対し信号変換処理を施すことにより,前記色域不整合映像信号を信号値と再現色との対応関係が前記二次映像信号と整合する前記一次映像信号へ変換する色域変換手段と,
    前記色域変換手段による変換処理後の前記一次映像信号におけるRGB各原色の輝度信号の値を次の(A1)式及び(A2)式に適用して得られるRGB各原色の中間輝度値を算出する中間輝度値算出手段と,
    Figure 2009111823
    前記RGB各原色の中間輝度値に前記出力上限値よりも大きな値が含まれる場合に,予め定められた変換規則により前記RGB各原色の中間輝度値を前記出力範囲内の値に変換した値の信号からなる前記二次映像信号を生成し,前記RGB各原色の中間輝度値に前記出力上限値よりも大きな値が含まれない場合に,前記RGB各原色の中間輝度値の信号からなる前記二次映像信号を生成する二次映像信号生成手段と,
    を具備してなることを特徴とする映像信号変換装置。
  2. 前記(A2)式における定数kが1である請求項1に記載の映像信号変換装置。
  3. 前記二次映像信号生成手段における前記予め定められた変換規則が,前記中間輝度値のうち値が最大であるものを前記出力上限値に置き換えるとともに,その他の前記中間輝度値については前記中間輝度値の中で値が最大であるものの大きさに応じて定まる圧縮係数に基づき圧縮する規則である請求項1又は2のいずれかに記載の映像信号変換装置。
  4. 前記二次映像信号生成手段における前記予め定められた変換規則が,前記二次映像信号生成手段における前記予め定められた変換規則が,前記RGB各原色の中間輝度値の全てを,前記出力下限値から前記RGB各原色の中間輝度値のうちの最大値までの範囲の幅に対する前記出力範囲の幅の比に応じて圧縮する規則である請求項1又は2のいずれかに記載の映像信号変換装置。
  5. 前記色域不整合映像信号がIEC 61966−2−4規格若しくはIEC 61966−2−1規格に準拠した映像信号又は該映像信号にガンマ処理が施された信号である請求項1〜4のいずれかに記載の映像信号変換装置。
  6. 正規化された値として負の値から1より大きい値までの範囲である拡張範囲の信号値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる一次映像信号を,所定の映像表示手段に入力される映像信号であり,正規化された値として0から1までの範囲である出力範囲の値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる二次映像信号へ変換する映像信号変換装置であって,
    前記一次映像信号におけるRGB各原色の輝度信号の値を次の(A1’)式及び(A2)式に適用して得られるRGB各原色の中間輝度値を算出する中間輝度値算出手段と,
    Figure 2009111823
    前記RGB各原色の中間輝度値に1よりも大きな値が含まれる場合に,予め定められた変換規則により前記RGB各原色の中間輝度値を前記出力範囲内の値に変換した値の信号からなる前記二次映像信号を生成し,前記RGB各原色の中間輝度値に1よりも大きな値が含まれない場合に,前記RGB各原色の中間輝度値の信号からなる前記二次映像信号を生成する二次映像信号生成手段と,
    を具備してなることを特徴とする映像信号変換装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の映像信号変換装置及び該映像信号変換装置により生成された前記二次映像信号に基づく映像を表示する映像表示手段を具備してなることを特徴とする映像表示装置。
  8. 予め定められた出力下限値から出力上限値までの出力範囲を一部に含む拡張範囲の信号値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる一次映像信号を,映像表示手段に直接もしくはガンマ処理が施された後に入力される映像信号であり,前記出力範囲の値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる二次映像信号へ変換して出力する映像信号変換方法であって,
    所定のプロセッサにより,
    信号値と再現色との対応関係が前記二次映像信号のそれと整合しない色域不整合映像信号に対し信号変換処理を施すことにより,前記色域不整合映像信号を信号値と再現色との対応関係が前記二次映像信号と整合する前記一次映像信号へ変換する色域変換処理と,
    前記色域変換処理による変換処理後の前記一次映像信号におけるRGB各原色の輝度信号の値を次の(A1)式及び(A2)式に適用して得られるRGB各原色の中間輝度値を算出して記憶手段に記録する中間輝度値算出処理と,
    Figure 2009111823
    前記RGB各原色の中間輝度値に前記出力上限値よりも大きな値が含まれる場合に,予め定められた変換規則により前記RGB各原色の中間輝度値を前記出力範囲内の値に変換した値の信号からなる前記二次映像信号を生成し,前記RGB各原色の中間輝度値に前記出力上限値よりも大きな値が含まれない場合に,前記RGB各原色の中間輝度値の信号からなる前記二次映像信号を生成して出力する二次映像信号生成処理と,
    を実行してなることを特徴とする映像信号変換方法。
  9. 正規化された値として負の値から1より大きい値までの範囲である拡張範囲の信号値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる一次映像信号を,映像表示手段に直接もしくはガンマ処理が施された後に入力される映像信号であり,正規化された値として0から1までの範囲である出力範囲の値をとり得るRGB各原色の輝度信号からなる二次映像信号へ変換するして出力する映像信号変換方法であって,
    所定のプロセッサにより,
    信号値と再現色との対応関係が前記二次映像信号のそれと整合しない色域不整合映像信号に対し信号変換処理を施すことにより,前記色域不整合映像信号を信号値と再現色との対応関係が前記二次映像信号と整合する前記一次映像信号へ変換する色域変換処理と,
    前記色域変換処理による変換処理後の前記一次映像信号におけるRGB各原色の輝度信号の値を次の(A1’)式及び(A2)式に適用して得られるRGB各原色の中間輝度値を算出して記憶手段に記録する中間輝度値算出処理と,
    Figure 2009111823
    前記RGB各原色の中間輝度値に1よりも大きな値が含まれる場合に,予め定められた変換規則により前記RGB各原色の中間輝度値を前記出力範囲内の値に変換した値の信号からなる前記二次映像信号を生成し,前記RGB各原色の中間輝度値に1よりも大きな値が含まれない場合に,前記RGB各原色の中間輝度値の信号からなる前記二次映像信号を生成して出力する二次映像信号生成処理と,
    を実行してなることを特徴とする映像信号変換方法。
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