JP2009109947A - 現像装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定してキャリヤの劣化を抑制し、高画質な画像形成を長期にわたって実現することのできる現像装置、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】逆極性粒子回収部材を用いて、トナー供給用現像剤担持体表面に付着した逆極性微粒子を回収し、現像剤槽へ戻すことにより、現像剤中の逆極性粒子量を適切に維持することができ、逆極性粒子による荷電補助効果で現像剤の長寿命化を達成することができる。
【選択図】図1
【解決手段】逆極性粒子回収部材を用いて、トナー供給用現像剤担持体表面に付着した逆極性微粒子を回収し、現像剤槽へ戻すことにより、現像剤中の逆極性粒子量を適切に維持することができ、逆極性粒子による荷電補助効果で現像剤の長寿命化を達成することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、キャリヤと、トナーと、トナーと逆極性に帯電する逆極性粒子とを含む現像剤を用い、少なくとも潜像を現像するためのトナー担持体と、トナー担持体にトナーを供給するためのトナー供給用現像剤担持体と、現像剤を収容、攪拌するための現像剤槽と、を設けたハイブリッド現像装置、及びそれを用いる画像形成装置に関する。
従来より、電子写真方式を用いた画像形成装置における現像方式としては、現像剤としてトナーのみを用いる一成分現像方式及びトナーとキャリヤを用いる二成分現像方式が知られている。
一成分現像方式では、装置の簡略化、小型化、低コスト化の面で有利である一方、規制部の強いストレスによりトナーの劣化が促進され易く、トナーの電荷受容性が低下しやすい。さらに、トナー規制部材やトナー担持体表面がトナーや外添剤により汚染されることでトナーへの電荷付与性も低下して、結果として現像装置の寿命が短くなってしまう。
二成分現像方式ではトナーを、キャリヤとの混合による摩擦帯電で帯電するため、ストレスが小さく、トナーの劣化に対して有利である。さらにトナーへの電荷付与部材としてキャリヤを用いるので一成分現像方式と比べて長寿命化に有利である。
しかしながら、二成分現像剤を用いた場合においても、トナーや外添剤によってキャリヤ表面の汚染が生じることには変わりなく、長期使用によりトナー帯電量の低下を引き起こす。二成分現像剤の寿命も決して十分とは言えず、より長寿命化が望まれる。
二成分現像剤を長寿命化する方法が各種開発されてきた(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1には、トナーと共に、もしくは単独でキャリヤを少量ずつ補給し、それに応じて、荷電性の低下した劣化現像剤を排出することで、キャリヤの入れ替えを行い、劣化キャリヤ比率の増大を抑える現像装置が開示されている。キャリヤを入れ替えているため、キャリヤ劣化によるトナーの帯電量低下を一定のレベルで抑えることが可能となり、長寿命化に有利である。
しかしながら、排出されたキャリヤを回収する機構が必要であることや、キャリヤが消耗品となることからコスト、環境面などに問題がある。また、キャリヤの新旧比率が安定するまでに所定量の印刷を繰り返す必要があり、初期特性を維持しているとは言えないという側面がある。
本発明者は、これまでに特許文献2に記載したような現像方式を提案した。
この現像方式では、現像剤中にキャリヤと、トナーと、トナーと逆極性に帯電する逆極性粒子を含む現像剤を用い、現像器としてトナー層をその表面に担持して像担持体上の静電潜像を現像するトナー担持体、表面に現像剤を担持搬送しトナー担持体に電界によってトナーを供給するトナー供給用現像剤担持体、及び現像剤を収容する現像剤槽を備えるいわゆるハイブリッド現像方式の現像器を用いる。
これら現像剤と現像器を組み合わせると、トナー供給用現像剤担持体とトナー担持体の対向部では現像剤中からトナーのみをトナー担持体の表面に分離させてトナー層を形成している一方で、逆極性粒子についてはその多くが電界によってトナー担持体への移行を妨げられ、結局現像剤槽に戻ることになる。すなわち、現像剤中には常にある程度以上の量の逆極性粒子が存在し続ける。
その結果、通常であればトナー樹脂や後処理剤のキャリヤへのスペントによって耐刷とともにキャリヤの電荷付与性は低下していくが、このシステムでは現像剤中に常に存在する逆極性粒子が現像器中でキャリヤ表面に付着することで、キャリヤの電荷付与性能の低下を有効に補うことにより、キャリヤの劣化を長期にわたって抑制する効果が得られている。
しかしながら、上記の逆極性粒子を用いたハイブリッド現像方式に限らずハイブリッド現像方式一般に共通する課題として、トナー担持体上の現像に使用されなかった残留トナーの残像が、次の現像工程において濃度差となって現れるいわゆる現像履歴(ゴースト)という課題がある。
近年、ハイブリッド現像方式においてこの課題を解決する方式が提案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3では、トナー回収用現像剤担持体を設置し、これにトナー担持体上の現像残トナーを回収するための電圧を印加する方式が記載されている。この方式によれば、トナー回収用現像剤担持体によってトナー担持体上の現像残トナーを確実に回収できるため、ゴーストの問題が発生しない。
特開昭59−100471号公報
特開2007−108673号公報
特開平10−319708号公報
特許文献2に記載の、キャリヤの劣化抑制のため逆極性粒子を用いるハイブリッド現像方式にも、さらに長寿命化を図るためには以下のような課題がある。またこれは、ゴーストを回避するためトナー回収用現像剤担持体を設けた特許文献3に記載のハイブリッド現像方式と上記逆極性粒子の使用とを組み合わせた場合に、特に重要となる課題である。
すなわち、通常多数の逆極性粒子はトナー供給用現像剤担持体上の現像剤中に取り込まれて移動し、そのまま現像剤槽へと戻ることができる。しかしながら、逆極性粒子はトナー供給用現像剤担持体上のトナー担持体との対向部で、電界によってトナー供給用現像剤担持体表面に引き寄せられる力を受ける。このため、一部の逆極性粒子はこの力によって現像剤中を通過してトナー供給用現像剤担持体の表面に付着してしまう。付着した逆極性粒子はトナー供給用現像剤担持体表面に蓄積し、本来現像剤槽に戻り、キャリヤのスペント防止に寄与すべき逆極性粒子量を減らすことになる。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、安定してキャリヤの劣化を抑制し、高画質な画像形成を長期にわたって実現することのできる現像装置、及び画像形成装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. トナーとキャリヤと、前記トナーと逆極性に帯電する逆極性粒子とを含む現像剤を収容する現像剤槽と、前記現像剤槽において混合撹拌された前記現像剤を表面に担持搬送するトナー供給用現像剤担持体と、前記トナー供給用現像剤担持体から前記トナーの供給を受けて担持搬送し、像担持体上の潜像を現像するトナー担持体と、を有する現像装置において、前記トナー供給用現像剤担持体の表面に付着した前記逆極性粒子を、前記現像剤槽へ戻すために回収する逆極性粒子回収部材を有することを特徴とする現像装置。
2. 前記トナー供給用現像剤担持体は、表面に前記現像剤を担持搬送しない非搬送領域を有し、前記逆極性粒子回収部材は、前記トナー供給用現像剤担持体の前記非搬送領域に対向、もしくは当接して配設されていることを特徴とする1に記載の現像装置。
3. 前記トナー担持体のトナー搬送方向で、前記トナー供給用現像剤担持体の上流側に、前記トナー担持体に対向して配設され、前記トナー担持体から現像後の残トナーを回収するトナー回収用現像剤担持体を有することを特徴とする1または2に記載の現像装置。
4. 前記トナー供給用現像剤担持体は、前記トナー回収用現像剤担持体と対向して配設され、前記トナー回収用現像剤担持体に前記現像剤を受け渡すことを特徴とする3に記載の現像装置。
5. 前記逆極性粒子回収部材はローラ形状を有し、前記トナー供給用現像剤担持体に対向して配設されていることを特徴とする1乃至4の何れか1項に記載の現像装置。
6. 前記逆極性粒子回収部材はスクレーパ形状を有し、前記トナー供給用現像剤担持体に当接して配設されていることを特徴とする1乃至4の何れか1項に記載の現像装置。
7. 前記トナー供給用現像剤担持体は、固定配置された磁石ローラとこれを内包する回転自在なスリーブローラとを有し、前記磁石ローラには、磁極として反発磁界を発生し、対応する前記スリーブローラ上のキャリヤを剥離する同極部が設けられ、前記トナー供給用現像剤担持体上に前記非搬送領域を形成していることを特徴とする2乃至6の何れか1項に記載の現像装置。
8. 1乃至7の何れか1項に記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、トナー供給用現像剤担持体表面に付着した逆極性微粒子を回収し、現像剤槽へ戻すことにより、現像剤中の逆極性粒子量を適切に維持することができ、逆極性粒子による荷電補助効果で現像剤の長寿命化を達成することができる。すなわち、安定してキャリヤの劣化を抑制し、高画質な画像形成を長期にわたって実現することのできる現像装置、及び画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について、以下に図面を用いて説明する。
(画像形成装置の構成と動作)
図1に、本発明の一実施形態による画像形成装置の主要部の構成例を示す。図1を用いて画像形成装置の概略構成と動作を説明する。
図1に、本発明の一実施形態による画像形成装置の主要部の構成例を示す。図1を用いて画像形成装置の概略構成と動作を説明する。
この画像形成装置は、電子写真方式により像担持体(感光体)1に形成されたトナー像を用紙等の転写媒体Pに転写して画像形成を行うプリンタである。
この画像形成装置は、画像を担持するための像担持体1を有しており、像担持体1の周辺には、像担持体1を帯電するための帯電部材3、像担持体1上の静電潜像を現像する現像装置2a、像担持体1上のトナー像を転写するための転写ローラ4、及び像担持体1上の残留トナー除去用のクリーニングブレード5が、像担持体1の回転方向Aに沿って順に配置されている。
像担持体1は、帯電部材3で帯電された後に、図中のE点の位置でレーザ発光器などを備えた露光装置40により露光されて、その表面上に静電潜像が形成される。現像装置2aは、この静電潜像を現像し、トナー像を形成する。転写ローラ4は、この像担持体1上のトナー像を転写媒体Pに転写した後、図中の矢印C方向に排出する。クリーニングブレード5は、転写後の像担持体1上の残留トナーを機械的な力で除去する。
画像形成装置に用いられる像担持体1、帯電部材3、露光装置40、転写ローラ4、クリーニングブレード5等は、周知の電子写真方式の技術を任意に使用してよい。例えば、帯電部材3として図中、帯電ローラが示されているが、像担持体1と非接触の帯電装置であってもよい。また例えば、クリーニングブレードはなくてもよい。
(ハイブリッド現像装置の構成と動作)
本発明に係る上記現像装置2aの構成と動作について説明する前に、従来のハイブリッド現像装置の構成例について説明する。またそこでの問題点についても合わせて述べる。
本発明に係る上記現像装置2aの構成と動作について説明する前に、従来のハイブリッド現像装置の構成例について説明する。またそこでの問題点についても合わせて述べる。
<装置構成と動作>
図2は、特許文献3に記載されたような、トナー回収用現像剤担持体を設けたハイブリッド現像装置の一形態の断面図である。
図2は、特許文献3に記載されたような、トナー回収用現像剤担持体を設けたハイブリッド現像装置の一形態の断面図である。
現像装置2は、トナー層を担持搬送し、像担持体1上の潜像を現像するトナー担持体25と、現像剤24を担持搬送し、対向するトナー担持体25にトナーを供給するトナー供給用現像剤担持体11と、対向するトナー担持体25から現像後の残存トナーを回収し、現像剤24とともに現像剤槽16へ戻すトナー回収用現像剤担持体26と、現像剤24を収容し、混合撹拌する現像剤槽16とを有する。
現像剤24はトナーとキャリヤと、特許文献2に記載のような、トナーと逆極性に帯電する逆極性粒子とを有しているものとする。次に、この現像装置2におけるトナー供給と回収の動作について説明する。
画像形成時には、トナー供給用現像剤担持体11上を(矢印D方向に)担持搬送された現像剤24中から、トナー供給領域7で、トナーのみがトナー担持体25へ供給される。供給されたトナーは、像担持体1との対向部(現像領域6)へ運ばれ、像担持体1上の潜像を現像する。
そこで使われなかった残存トナーは、トナー回収領域8で、トナー担持体25からトナー回収用現像剤担持体26へと回収される。回収されたトナーは、現像剤24とともに(矢印F方向に)担持搬送され、現像剤槽16へと戻される。
この際トナーの供給、回収は、それぞれに印加されたバイアス電圧で形成された電界によって行われる。トナー極性がマイナスの場合を例として説明すると、トナー供給用現像剤担持体11にはトナー担持体25よりも低い電圧を印加してトナーがトナー供給用現像剤担持体11からトナー担持体25へと移動する力を受けるような電界を形成する。逆にトナー回収用現像剤担持体26にはトナー担持体25よりも高い電圧を印加してトナーがトナー担持体25からトナー回収用現像剤担持体26へと移動する力を受けるような電界を形成する。このように電圧印加することでトナーの供給、回収を行っている。
このときトナー移動を促進するために直流電圧に重畳していずれか一方、もしくは両方の部材に交流電圧を重畳して交番電界を形成しても良い。この場合には1周期の平均電圧が上記の大小関係を満たすよう印加する電圧を設定することになる。
なお、ここではトナー極性がマイナスの場合のみを説明したが、トナー極性がプラスの場合は上記と反対の関係となるよう電圧を印加するものである。
<逆極性粒子の挙動>
続いて、この現像装置の上記動作において、現像剤24中に含まれる逆極性粒子の挙動とそれに関する問題点について、図3を用いて説明する。図3は、図2の現像装置2における関係部分を抜粋した断面図である。
続いて、この現像装置の上記動作において、現像剤24中に含まれる逆極性粒子の挙動とそれに関する問題点について、図3を用いて説明する。図3は、図2の現像装置2における関係部分を抜粋した断面図である。
なお、ここでもトナー極性をマイナスと仮定して説明するが、トナー極性がプラスの場合はトナー及び逆極性粒子の極性、電界の方向、電位の大小を反転させて考えることで同じ現象が起こることが理解できる。
前述したように、トナー担持体25とトナー供給用現像剤担持体11の対向部では、トナーをトナー担持体25へ供給する方向に電界を形成するため、トナー供給用現像剤担持体11よりもトナー担持体25に印加される電圧を高く設定している。逆極性粒子はトナーと逆極性に帯電しているため同じ電界下ではトナーと逆方向の力を受けることになり、この対向部では矢印S方向の力を受ける。
またこれも前述したように、トナー担持体25とトナー回収用現像剤担持体26の対向部では、トナーをトナー回収用現像剤担持体26へ回収する方向に電界を形成するため、トナー担持体25よりもトナー回収用現像剤担持体26に印加される電圧を高く設定している。この対向部では、逆極性粒子はトナーと逆方向の力、すなわち矢印Tの方向の力を受ける。
このときトナー担持体25、トナー供給用現像剤担持体11、トナー回収用現像剤担持体26の電位の大小関係は、トナー回収用現像剤担持体26>トナー担持体25>トナー供給用現像剤担持体11となる。よってトナー供給用現像剤担持体11とトナー回収用現像剤担持体26の対向部では、逆極性粒子は電位の高いトナー回収用現像剤担持体26からトナー供給用現像剤担持体11へと向かう方向の力、すなわち矢印Rの方向の力を受ける。
現像剤24中の逆極性粒子がこのような力に沿って動いた結果、逆極性粒子は現像剤槽16に戻されず、トナー供給用現像剤担持体11上へと集まることになる。それらの逆極性粒子は矢印Sや矢印Rの方向の力を受けるうちに、次第にトナー供給用現像剤担持体11の表面に付着し、その表面に蓄積されてしまう。
この際、逆極性粒子は現像剤槽16への戻りが不十分になるので、逆極性粒子によるキャリヤの劣化抑制効果が十分には得られにくくなる。また、逆極性粒子がトナー供給用現像剤担持体11表面に多数蓄積すると、逆極性粒子の持つ電荷によってトナー供給用現像剤担持体11表面のチャージアップが起こり、電界の形成が阻害される不具合も生じてくる可能性がある。
ところで、上記現像装置2でトナー回収用現像剤担持体を設けたのは、現像残トナーによるゴースト対策であった(特許文献3参照)。従って、ユーザの画質要求として少々のゴーストが許容できる場合には、小型化や低コスト化の観点を優先し、上記現像装置2で設けていたトナー回収用現像剤担持体26を設けないような構成も可能である。
そのような構成のハイブリッド現像装置に関しても、逆極性粒子を現像剤24中に添加してキャリヤの劣化抑制が可能になるが、図4を参照して、次のような、上記と同様の問題があることも述べておく。
図4は、図2の現像装置2について、上述のようにトナー回収用現像剤担持体26を設けないとした場合の関係部分を抜粋した断面図である。
トナー回収用現像剤担持体26を設けない場合、トナー担持体25とトナー回収用現像剤担持体26との対向部で逆極性粒子が現像剤24中から離脱させられることがないので、多数の逆極性粒子はトナー供給用現像剤担持体11上の現像剤24中に取り込まれたまま移動し、そのまま現像剤槽16へと戻ることができる(矢印T方向の力は働かない)。
しかしながら逆極性粒子は、トナー担持体25とトナー供給用現像剤担持体11との対向部で、電界によってトナー供給用現像剤担持体11表面に引き寄せられる力(矢印S方向の力)を受ける。そのため、ほとんどの逆極性粒子は現像剤24に含まれて現像剤槽16へと戻されるものの、一部の逆極性粒子はこの力によって、搬送されている現像剤24中を通過して、トナー供給用現像剤担持体11表面に付着してしまう。
こうして付着した逆極性粒子はトナー供給用現像剤担持体11表面に蓄積し、本来、現像剤槽16に戻るべき逆極性粒子量を減らすことになる。
トナーの補給とともに逆極性粒子を補給するようにすれば、このロスは画像比率の高い印字を行う際にはあまり問題にならない。しかし、画像比率の低い印字を行う際にはトナー補給自体が少なくなり、上記のロスが問題となる。すなわち、キャリヤ劣化抑制効果が不足してトナー帯電量の低下が起こる場合がある。
(現像剤の構成)
本実施形態に係る現像装置において使用する現像剤の構成について説明する。
本実施形態に係る現像装置において使用する現像剤の構成について説明する。
使用する現像剤はトナー、該トナーを帯電するためのキャリヤ及び逆極性粒子を含む。
逆極性粒子は、使用されるキャリヤによってトナーの帯電極性に対して逆極性に帯電され得るものである。例えば、トナーがキャリヤによって負に帯電されるとき、逆極性粒子は現像剤中で正に帯電されている正帯電性粒子である。また例えば、トナーがキャリヤによって正に帯電されるとき、逆極性粒子は現像剤中で負に帯電されている負帯電性粒子である。
逆極性粒子を二成分系現像剤に含有させ、かつ耐久に伴い現像剤から離脱した逆極性粒子を現像剤とともに現像剤槽へ戻し、混合撹拌する。これにより、トナーや後処理剤のキャリヤへのスペント等によりキャリヤの荷電性が低下しても、逆極性粒子もトナーを正規極性に荷電し得るため、キャリヤの荷電性を有効に補うことができる。結果としてキャリヤの劣化を抑制できる。
本発明において使用される逆極性粒子はトナーの帯電極性によって適宜選択される。トナーとして負帯電性トナーを用いる場合、逆極性粒子としては、正帯電性を有する微粒子が用いられ、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、アルミナ等の無機微粒子やアクリル樹脂、ベンゾグァナミン樹脂、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成された微粒子を使用することができる。また樹脂中に正帯電性を付与する正荷電制御剤を含有させたり、含窒素モノマーの共重合体を構成するようにしてもよい。
上記の正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、四級アンモニウム塩等を使用することができ、また上記の含窒素モノマーとしては、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル、ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール等を使用することができる。
一方、正帯電性トナーを用いる場合、逆極性粒子としては、負帯電性を有する微粒子が用いられ、例えば、シリカ、酸化チタン等の無機微粒子に加え、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成された微粒子を使用することができる。また樹脂中に負帯電性を付与する負荷電制御剤を含有させたり、含フッ素アクリル系モノマーや含フッ素メタクリル系モノマーの共重合体を構成するようにしてもよい。上記の負荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸系、ナフトール系のクロム錯体、アルミニウム錯体、鉄錯体、亜鉛錯体等を使用することができる。
また、逆極性粒子の帯電性及び疎水性を制御するために、無機微粒子の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理するようにしてもよく、特に、無機微粒子に正帯電性を付与する場合には、アミノ基含有カップリング剤で表面処理することが好ましく、また負帯電性を付与する場合には、フッ素基含有カップリング剤で表面処理することが好ましい。逆極性粒子の個数平均粒径は、100〜1000nmであることが好ましい。
本実施形態に使用するトナーとしては、特に限定されず、一般に使用されている公知のトナーを使用することができ、バインダー樹脂中に着色剤や必要に応じて、荷電制御剤や離型剤等を含有させ、外添剤を処理させたものを使用できる。トナー粒径としてはこれに限定されるものではないが、3〜15μm程度が好ましい。
このようなトナーを製造するにあたっては、一般に使用されている公知の方法で製造することができる。例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等を用いて製造することができる。
トナーに使用するバインダー樹脂としては、これに限定されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)やポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂単体もしくは複合体により、軟化温度が80〜160℃の範囲のものを、またガラス転移点が50〜75℃の範囲のものを用いることが好ましい。
また、着色剤としては、一般に使用されている公知のものを用いることができ、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができ、一般に上記のバインダー樹脂に対して2〜20質量%の割合で用いることが好ましい。
また、上記の荷電制御剤としても、公知のものを用いることができ、正帯電性トナー用の荷電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂などがある。負帯電性トナー用荷電制御剤としては、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物などがある。荷電制御剤は一般に上記のバインダー樹脂に対して0.1〜10質量%の割合で用いることが好ましい。
また、上記の離型剤としても、一般に使用されている公知のものを用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス等を単独あるいは2種類以上組み合わせて使用することができ、一般に上記のバインダー樹脂に対して0.1〜10質量%の割合で用いることが好ましい。
また、上記の外添剤としても、一般に使用されている公知のものを用いることができ、流動性改善例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子を使用することができ、特にシランカップリング剤やチタンカップリング剤やシリコンオイル等で疎水化したものを用いるのが好ましい。そして、このような流動化剤を上記のトナーに対して0.1〜5質量%の割合で添加させて用いるようにする。外添剤の個数平均一次粒径は10〜100nmであることが好ましい。
本発明に使用するキャリヤとしては、特に限定されず、一般に使用されている公知のキャリヤを使用することができ、バインダー型キャリヤやコート型キャリヤなどが使用できる。キャリヤ粒径としてはこれに限定されるものではないが、15〜100μmが好ましい。
バインダー型キャリヤは、磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させたものであり、キャリヤ表面に正または負帯電性の帯電性微粒子を固着させたり、表面コーティング層を設けることもできる。バインダー型キャリヤの極性等の帯電特性は、バインダー樹脂の材質、帯電性微粒子、表面コーティング層の種類によって制御することができる。
バインダー型キャリヤに用いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂に代表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂等の硬化性樹脂が例示される。
磁性体微粒子としては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を用いることができる。その形状は粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合には、鉄系の強磁性微粒子を用いることが好ましい。また、化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有する磁性樹脂キャリヤを得ることができる。磁性体微粒子は磁性樹脂キャリヤ中に50〜90質量%の量で添加することが適当である。
バインダー型キャリヤの表面コート材としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられ、これらの樹脂を表面にコートし、硬化させてコート層を形成することにより、帯電付与能力を向上させることができる。
バインダー型キャリヤの表面への帯電性微粒子あるいは導電性微粒子の固着は、例えば、磁性樹脂キャリヤと微粒子とを均一混合し、磁性樹脂キャリヤの表面にこれら微粒子を付着させた後、機械的・熱的な衝撃力を与え、微粒子を磁性樹脂キャリヤ中に打ち込むようにして固定することにより行われる。この場合、微粒子は、磁性樹脂キャリヤ中に完全に埋設されるのではなく、その一部を磁性樹脂キャリヤ表面から突き出すようにして固定される。
帯電性微粒子としては、有機、無機の絶縁性材料が用いられる。具体的には、有機系としては、ポリスチレン、スチレン系共重合物、アクリル樹脂、各種アクリル共重合物、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂及びこれらの架橋物などの有機絶縁性微粒子を用いることができ、帯電レベル及び極性については、素材、重合触媒、表面処理等により、希望するレベルの帯電及び極性を得ることができる。また、無機系としては、シリカ、二酸化チタン等の負帯電性の無機微粒子や、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等の正帯電性の無機微粒子などが用いられる。
一方、コート型キャリヤは磁性体からなるキャリヤコア粒子に樹脂コートがなされてなるキャリヤであり、コート型キャリヤにおいてもバインダー型キャリヤ同様、キャリヤ表面に正または負帯電性の帯電性微粒子を固着させたりできる。コート型キャリヤの極性等の帯電特性は、表面コーティング層の種類や帯電性微粒子により制御することができ、バインダー型キャリヤと同様の材料を用いることができる。特にコート樹脂はバインダー型キャリヤのバインダー樹脂と同様の樹脂が使用可能である。
逆極性粒子、トナー及びキャリヤの組み合わせによるトナー及び逆極性粒子の帯電極性は、それぞれを混合撹拌し現像剤とした後、図5に示すような装置を用いて現像剤からトナーまたは逆極性粒子を分離するときの電界の方向から容易に知ることができる。図5は、トナーなどの帯電粒子の帯電量を測定する装置の概略図である。
すなわち図5に示す装置において、トナー及びキャリヤ、逆極性粒子からなる現像剤を導電性スリーブ41の表面全体に均一になる様に載せると共に、この導電性スリーブ41内に設けられたマグネットロール42の回転数を1000rpmにセットし、バイアス電源43よりバイアス電圧をトナーの帯電電位と同じ極性に2kV印加し、15秒間上記導電性スリーブ41を回転させ、この導電性スリーブ41を停止させた時点での円筒電極44における電位Vmを読み取ると共に、円筒電極44に付着したトナーの質量を精密天秤で計量して、トナーの帯電量を求めることができる。
またトナー及びキャリヤ以外の添加する粒子の極性は、バイアス電源43より印加するバイアス電圧の極性により判別することができる。つまりバイアス電源43より印加するバイアス電圧をトナーの帯電電位と逆の極性に印加したときに、円筒電極44に付着する粒子はトナーの帯電極性と逆帯電、すなわち逆極性粒子である。
トナーとキャリヤの混合比は所望のトナー帯電量が得られるよう調製されれば良く、トナー混合比はトナーとキャリヤとの合計質量に対して3〜50質量%、好ましくは6〜30質量%が適している。
初期の現像剤に含まれる逆極性粒子の量は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、例えば、キャリヤに対して0.01〜5質量%、特に0.01〜2質量%が好ましい。
現像剤は、例えば、予めトナーに逆極性粒子を外添処理した後で、キャリヤと混合することによって調整することができる。
(第1の実施形態に係る現像装置)
次に、本発明の現像装置の第1の実施形態について、再度図1を用いて説明する。
次に、本発明の現像装置の第1の実施形態について、再度図1を用いて説明する。
<装置構成>
第1の実施形態に係る現像装置2aは、既述した図2の現像装置2と同様に、以下の構成要素を備える。すなわち、現像装置2aは、逆極性粒子を含む現像剤24を収容する現像剤槽16、現像剤槽16から供給された現像剤24を表面に担持して搬送するトナー供給用現像剤担持体11、トナー供給用現像剤担持体11からトナー供給領域7においてトナーの供給を受け、前記像担持体1上に形成された静電潜像を現像するトナー担持体25、現像領域6を通過した後にトナー担持体25上に残留する現像残トナーをトナー回収領域8において回収するトナー回収用現像剤担持体26を備える。
第1の実施形態に係る現像装置2aは、既述した図2の現像装置2と同様に、以下の構成要素を備える。すなわち、現像装置2aは、逆極性粒子を含む現像剤24を収容する現像剤槽16、現像剤槽16から供給された現像剤24を表面に担持して搬送するトナー供給用現像剤担持体11、トナー供給用現像剤担持体11からトナー供給領域7においてトナーの供給を受け、前記像担持体1上に形成された静電潜像を現像するトナー担持体25、現像領域6を通過した後にトナー担持体25上に残留する現像残トナーをトナー回収領域8において回収するトナー回収用現像剤担持体26を備える。
また現像装置2aは、トナー担持体25に電圧を供給するトナー担持体用バイアス電源31、トナー供給用現像剤担持体11に電圧を供給するトナー供給用現像剤担持体用バイアス電源32、トナー回収用現像剤担持体26に電圧を供給するトナー回収用現像剤担持体用バイアス電源33を備える。これも具体的には述べなかったが、図2の現像装置2と同様である。
そして図2の現像装置2とは異なる構成要素として、現像装置2aは、トナー供給用現像剤担持体11から逆極性粒子を回収するための逆極性粒子回収部材29、逆極性粒子回収部材29から回収した逆極性粒子を離脱させるスクレーパ30を備える。
以下に、さらに詳細な構成を説明する。
現像装置2aにおいて使用する現像剤24は、既に詳述したように、トナー、該トナーを帯電するためのキャリヤ及び逆極性粒子を含んでなるものであり、現像剤槽16に収容される。
現像剤槽16は、ケーシング19により形成されており、通常は内部に混合撹拌部材17、18を収納している。混合撹拌部材17、18は、現像剤24を混合・撹拌し、トナー供給用現像剤担持体11へ現像剤24を供給する。ケーシング19の混合撹拌部材18に対向する位置には、トナー濃度検出用のATDC(Automatic Toner Density Control)センサ20が配設されていることが好ましい。
現像装置2aは通常、現像領域6で消費される分のトナーを現像剤槽16内に補給するための補給部10を有している。補給部10において、補給トナー23を収納した図示しないホッパから送られた補給トナーが現像剤槽16内へ補給される。ATDCセンサ20の出力に基づいて補給動作が制御されるようにすればよい。
また、現像剤24中の逆極性粒子量を補充する目的で、補給トナー23中には逆極性粒子を混合しておき、トナーとともに補給されるようにしてもよい。
現像装置2aはまた、トナー供給用現像剤担持体11上の現像剤量を規制するための現像剤薄層化用の規制部材(規制ブレード)15を有している。
トナー供給用現像剤担持体11は、固定配置された磁石ローラ13と、これを内包する回転自在なスリーブローラ12とから構成され、トナー担持体25へとトナーを供給するためのトナー供給バイアスが、トナー供給用現像剤担持体用バイアス電源32により印加される。
磁石ローラ13は、スリーブローラ12の回転方向に沿ってN1、S1、N2、N3、S2の5つの磁極を有する。これらの磁極のうち、主磁極N1は、トナー担持体25と対向するトナー供給領域7の位置に配されている。
トナー回収用現像剤担持体26も同様に、固定配置された磁石ローラ28と、これを内包する回転自在なスリーブローラ27とから構成され、トナー担持体25上の現像残トナーを回収するための回収バイアスが、トナー回収用現像剤担持体用バイアス電源33により印加される。
磁石ローラ28は、スリーブローラ27の回転方向に沿ってN4、S3、N5、S4、N6の5つの磁極を有する。これらの磁極のうち、主磁極S3は、トナー担持体25と対向するトナー回収領域8の位置に配されている。また、スリーブローラ27上の現像剤24を剥離するための反発磁界を発生させる同極部N6、N4が、現像槽16内部に対向した位置に配置されている。
さらに、現像装置2aにおいては、トナー供給用現像剤担持体11上の現像剤24をトナー回収用現像剤担持体26へと受け渡すために、それぞれのS1とN4がトナー供給用現像剤担持体11とトナー回収用現像剤担持体26の対向部に配されている。
トナー供給用現像剤担持体11のS1磁極側からトナー回収用現像剤担持体26のN4磁極側へ、現像剤24は受け渡され、搬送されていく。従って、トナー供給用現像剤担持体11表面では、トナー回収用現像剤担持体26に現像剤24を受け渡す部分から回転方向下流側にかけて、キャリヤ及びトナーが搬送されない領域である非搬送領域Bが形成されている。
逆極性粒子回収部材29が、その非搬送領域Bに対向して設けられている。
逆極性粒子回収部材29はトナー供給用現像剤担持体11とは非接触に支持されており、逆極性粒子回収部材用バイアス電源34によってバイアス電圧が印加される。逆極性粒子回収部材29とトナー供給用現像剤担持体11の対向部では、逆極性粒子が逆極性粒子回収部材29に移動する方向に電界が形成されている。
トナー担持体25はトナー供給用現像剤担持体11、トナー回収用現像剤担持体26及び像担持体1のそれぞれに対向するように配され、像担持体1上の静電潜像を現像するための現像バイアスがトナー担持体用バイアス電源31により印加されている。
トナー担持体25は上記電圧を印加可能な限りいかなる材料からなっていてよく、例えば、表面処理を施したアルミローラが挙げられる。その他アルミ等の導電性基体上に、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂コートやシリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴムコーティングを施したものを用いてもよい。コーティング材料としては、これに限定されるものではない。さらに上記コーティングのバルクもしくは表面に導電剤が添加されていてもよい。導電剤としては、電子導電剤もしくはイオン導電剤が挙げられる。電子導電剤として、ケッチンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックや、金属粉、金属酸化物の微粒子等が挙げられるが、これに制約されない。イオン導電剤として、四級アンモニウム塩等のカチオン性化合物や、両性化合物、その他イオン性高分子材料が挙げられるが、これにこだわらない。さらに、アルミ等の金属材料からなる導電性ローラであっても構わない。
<逆極性粒子の挙動>
トナー担持体25、トナー供給用現像剤担持体11、トナー回収用現像剤担持体26、及び逆極性粒子回収部材29の近傍での逆極性粒子の挙動について、図6を用いて詳しく説明する。図6は、図1の現像装置2aにおける関係部分を抜粋した断面図である。
トナー担持体25、トナー供給用現像剤担持体11、トナー回収用現像剤担持体26、及び逆極性粒子回収部材29の近傍での逆極性粒子の挙動について、図6を用いて詳しく説明する。図6は、図1の現像装置2aにおける関係部分を抜粋した断面図である。
ここでもトナー極性をマイナスと仮定して説明するが、トナー極性がプラスの場合はトナー及び逆極性粒子の極性、電界の方向、電位の大小を反転させればよい。これらは各電界が交番電界を形成してもよいことも含め、既述した現像装置2の場合と同様である。以後説明する各実施形態においてもすべて同様である。
トナー担持体25とトナー供給用現像剤担持体11の対向部では、トナーをトナー担持体25へ供給する方向に電界を形成している。従って逆極性粒子はトナーと逆極性に帯電しているため同じ電界下ではトナーと逆方向の力、すなわち矢印S方向の力を受ける。
またトナー担持体25とトナー回収用現像剤担持体26の対向部では、トナーをトナー回収用現像剤担持体26へ回収する方向に電界を形成する。従ってこの対向部では、逆極性粒子はトナーと逆方向の力、すなわち矢印Tの方向の力を受ける。
このときトナー担持体25、トナー供給用現像剤担持体11、トナー回収用現像剤担持体26の電位の大小関係は、トナー回収用現像剤担持体26>トナー担持体25>トナー供給用現像剤担持体11となる。よってトナー供給用現像剤担持体11とトナー回収用現像剤担持体26の対向部では、逆極性粒子は電位の高いトナー回収用現像剤担持体26からトナー供給用現像剤担持体11へと向かう方向の力、すなわち矢印Rの方向の力を受ける。
現像剤24中の逆極性粒子にこのような力が働くため、トナー回収用現像剤担持体26に一旦受け渡されようとした現像剤に含まれる逆極性粒子の一部は、まず矢印R方向の力を受けてトナー供給用現像剤担持体11へと引き戻される。そこを現像剤24に含まれて通過した逆極性粒子も矢印T方向の力を受けてトナー担持体25上に移行する。その後トナー担持体25上を搬送された後、矢印S方向の力を受けて再びトナー供給用現像剤担持体11上へと移動する。
このため本来であれば現像剤24とともに現像剤槽16に戻るはずの逆極性粒子は、トナー供給用現像剤担持体11上へと集まることになる。それらの逆極性粒子は矢印Sや矢印Rの方向の力を受けるうちに、現像剤24中を通過してトナー供給用現像剤担持体11の表面に付着・蓄積し、トナー供給用現像剤担持体11の回転に沿って逆極性粒子回収部材29との対向部へと移動してくる。
逆極性粒子回収部材29にはバイアス電圧としてトナー供給用現像剤担持体11より低い電圧が印加されており、電界によって逆極性粒子は矢印G方向の力を受け、トナー供給用現像剤担持体11から逆極性粒子回収部材29へと移動させられる。
逆極性粒子回収部材29はトナー供給用現像剤担持体11上の非搬送領域Bに対向しており、トナーやキャリヤに阻害されることなく逆極性粒子をトナー供給用現像剤担持体11から回収することができる。回収された逆極性粒子回収部材29上の逆極性粒子は、スクレーパ30によって剥離され、現像剤槽16へと戻される。
このように逆極性粒子回収部材29を設けることで、トナー回収用現像剤担持体26を設けた場合でも逆極性粒子が現像剤槽16へと戻される。これにより、キャリヤの劣化抑制効果が得られ、かつトナー供給用現像剤担持体11表面のチャージアップで電界の形成が阻害されることもない。またトナー回収用現像剤担持体を設けていることで、ゴーストの発生も抑止できる。
本実施形態において、逆極性粒子回収部材29はトナー供給用現像剤担持体11と非接触で対向する部材を用いたが、逆極性粒子回収部材29が非接触である必要はなく、例えば、図7で示すようなスクレーパ形状を有する部材を当接して、機械的に剥離してもよい。接触して機械的に剥離するので、場合によってはバイアス電圧の印加も省略できる。
(第2の実施形態に係る現像装置)
次に、本発明の現像装置の第2の実施の形態について、図8を用いて説明する。図8において図1と同様の働きをする部材には図1と同じ番号を付し、詳細説明は省略する。
次に、本発明の現像装置の第2の実施の形態について、図8を用いて説明する。図8において図1と同様の働きをする部材には図1と同じ番号を付し、詳細説明は省略する。
<装置構成>
第2の実施形態に係る現像装置2bにおいては、第1の実施形態とは異なり、現像剤24をトナー供給用現像剤担持体11からトナー回収用現像剤担持体26へ受け渡すのではなく、トナー供給用現像剤担持体11、トナー回収用現像剤担持体26それぞれに規制部材15及び35を設け、受け渡しは行わない構成となっている。
第2の実施形態に係る現像装置2bにおいては、第1の実施形態とは異なり、現像剤24をトナー供給用現像剤担持体11からトナー回収用現像剤担持体26へ受け渡すのではなく、トナー供給用現像剤担持体11、トナー回収用現像剤担持体26それぞれに規制部材15及び35を設け、受け渡しは行わない構成となっている。
この現像装置2bにおいて、トナー供給用現像剤担持体11内部の磁石ローラ13は、スリーブローラ12の回転方向に沿ってN1、S1、N2、N3、S2の5つの磁極を有する。これらの磁極のうち、主磁極N1は、トナー担持体25と対向するトナー供給領域7の位置に配されている。
またスリーブローラ12上の現像剤24を剥離するための反発磁界を発生させる同極部N2、N3が、現像剤槽16内部に対向した位置に配置されており、それによりN2〜N3間のトナー供給用現像剤担持体11表面に、現像剤24が搬送されない非搬送領域Bを形成している。
非搬送領域Bに対向して逆極性粒子回収部材29が設けられており、トナー供給用現像剤担持体11上の逆極性粒子を回収する。
トナー回収用現像剤担持体26内部の磁石ローラ28も同様に、スリーブローラ27の回転方向に沿ってN4、S3、N5、S4、N6の5つの磁極を有する。これらの磁極のうち、主磁極S3は、トナー担持体25と対向するトナー回収領域8の位置に配されており、また、スリーブローラ27上の現像剤24を剥離するための反発磁界を発生させる同極部N6、N4は、現像槽16内部に対向した位置に配置されている。
<逆極性粒子の挙動>
トナー担持体25、トナー供給用現像剤担持体11、トナー回収用現像剤担持体26、及び逆極性粒子回収部材29の近傍での逆極性粒子の挙動について、図9を用いて詳しく説明する。図9は、図8の現像装置2bにおける関係部分を抜粋した断面図である。
トナー担持体25、トナー供給用現像剤担持体11、トナー回収用現像剤担持体26、及び逆極性粒子回収部材29の近傍での逆極性粒子の挙動について、図9を用いて詳しく説明する。図9は、図8の現像装置2bにおける関係部分を抜粋した断面図である。
同じくトナー極性をマイナスと仮定して説明する。
トナー担持体25とトナー供給用現像剤担持体11の対向部では、トナーをトナー担持体25へ供給する方向に電界を形成する。従って逆極性粒子はトナーと逆極性に帯電しているため同じ電界下ではトナーと逆方向の力、すなわち矢印S方向の力を受ける。
またトナー担持体25とトナー回収用現像剤担持体26の対向部では、トナーをトナー回収用現像剤担持体26へ回収する方向に電界を形成する。従ってこの対向部では、逆極性粒子はトナーと逆方向の力、すなわち矢印Tの方向の力を受ける。
この矢印T方向の力によって、トナー回収用現像剤担持体26上の逆極性粒子はトナー担持体25へと移動し、その後トナー担持体25とトナー供給用現像剤担持体11の対向部で、矢印S方向の力を受けてトナー供給用現像剤担持体11上へと送られる。
トナー供給用現像剤担持体11上の逆極性粒子は、そのうちの多数がトナー供給用現像剤担持体11上の現像剤24中に取り込まれて移動し、現像剤槽16へと戻ることができる。
しかしながら逆極性粒子は、トナー担持体25とトナー供給用現像剤担持体11との対向部で、電界によってトナー供給用現像剤担持体11表面に引き寄せられる力を受ける。そのため、一部の逆極性粒子はこの力によって、搬送されている現像剤24の中を通過してトナー供給用現像剤担持体11表面に付着してしまう。
付着した逆極性粒子は、現像剤24とともにトナー供給用現像剤担持体11から分離せず、非搬送領域Bへと運ばれ、逆極性粒子回収部材29との対向部へと移動する。
逆極性粒子回収部材29にはバイアス電圧としてトナー供給用現像剤担持体11より低い電圧が印加されており、電界によって逆極性粒子は矢印G方向の力を受け、トナー供給用現像剤担持体11から逆極性粒子回収部材29へと移動させられる。
回収された逆極性粒子回収部材29上の逆極性粒子は、スクレーパ30によって剥離され現像剤槽16へと戻される。
このように本実施の形態では、第1の実施形態の場合と同様の効果が得られ、またトナー供給用現像剤担持体11表面に付着した一部の逆極性粒子まで現像剤槽16へと戻すことができるようになり、より逆極性粒子によるキャリヤの劣化抑制効果が高まることになる。
(第3の実施形態に係る現像装置)
次に、本発明の現像装置の第3の実施の形態について、図10を用いて説明する。図10において図1、2と同様の働きをする部材には図1、2と同じ番号を付し、詳細説明は省略する。
次に、本発明の現像装置の第3の実施の形態について、図10を用いて説明する。図10において図1、2と同様の働きをする部材には図1、2と同じ番号を付し、詳細説明は省略する。
<装置構成>
第3の実施形態に係る現像装置2cは、第1及び第2の実施形態とは異なり、トナー回収用現像剤担持体26を設置しない構成を採っている。
第3の実施形態に係る現像装置2cは、第1及び第2の実施形態とは異なり、トナー回収用現像剤担持体26を設置しない構成を採っている。
この構成ではトナー担持体25上の現像に使用されなかった残留トナーが完全に除去されなくなるため、次の現像工程において残留トナーがある部分とない部分が濃度差となって現れるいわゆる現像履歴(ゴースト)が発生する恐れがある。反面、小型化や低コスト化に有利であり、要求する画像品質がさほど高くない場合にはこのような構成が採用できる。
この現像装置2cにおいて、トナー供給用現像剤担持体11内部の磁石ローラ13は、スリーブローラ12の回転方向に沿ってN1、S1、N2、N3、S2の5つの磁極を有する。これらの磁極のうち、主磁極N1は、トナー担持体25と対向するトナー供給領域7の位置に配されている。
またスリーブローラ12上の現像剤24を剥離するための反発磁界を発生させる同極部N2、N3が、現像剤槽16内部に対向した位置に配置されており、それによりN2〜N3間のトナー供給用現像剤担持体11表面に、現像剤24が搬送されない非搬送領域Bを形成している。
非搬送領域Bに対向して逆極性粒子回収部材29が設けられており、トナー供給用現像剤担持体11上の逆極性粒子を回収する。
<逆極性粒子の挙動>
トナー担持体25、トナー供給用現像剤担持体11、及び逆極性粒子回収部材29の近傍での逆極性粒子の挙動について、図11を用いて詳しく説明する。図11は、図10の現像装置2cにおける関係部分を抜粋した断面図である。
トナー担持体25、トナー供給用現像剤担持体11、及び逆極性粒子回収部材29の近傍での逆極性粒子の挙動について、図11を用いて詳しく説明する。図11は、図10の現像装置2cにおける関係部分を抜粋した断面図である。
同様にトナー極性をマイナスと仮定して説明する。
トナー担持体25とトナー供給用現像剤担持体11の対向部では、トナーをトナー担持体25へ供給する方向に電界を形成する。従って逆極性粒子はトナーと逆極性に帯電しているため同じ電界下ではトナーと逆方向の力、すなわち矢印S方向の力を受ける。
この力によって、トナー供給用現像剤担持体11上を搬送される逆極性粒子はトナー担持体25へと移行することなく、トナー供給用現像剤担持体11上の現像剤24中に留まる。さらに、トナー供給用現像剤担持体11上の現像剤24とともに搬送されて、現像剤槽16へと戻ることができる。
しかしながら逆極性粒子は、トナー担持体25とトナー供給用現像剤担持体11との対向部で、電界によってトナー供給用現像剤担持体11表面に引き寄せられる力を受ける。そのため、一部の逆極性粒子はこの力によって、搬送されている現像剤24の中を通過してトナー供給用現像剤担持体11表面に付着してしまう。
付着した逆極性粒子は、現像剤24とともにトナー供給用現像剤担持体11から分離せず、非搬送領域Bへと運ばれ、逆極性粒子回収部材29との対向部へと移動する。
逆極性粒子回収部材29にはバイアス電圧としてトナー供給用現像剤担持体11より低い電圧が印加されており、電界によって逆極性粒子は矢印G方向の力を受け、トナー供給用現像剤担持体11から逆極性粒子回収部材29へと移動させられる。
回収された逆極性粒子回収部材29上の逆極性粒子は、スクレーパ30によって剥離され現像剤槽16へと戻される。
このように本実施の形態では、ゴーストの対策としての効果はないものの、第1の実施形態の場合と同様の効果が得られる。またトナー供給用現像剤担持体表面に付着した一部の逆極性粒子まで現像剤槽16へと戻すことができるようになり、より逆極性粒子によるキャリヤの劣化抑制効果が高まることになる。
上述した各実施形態の現像装置、及び画像形成装置を用いて実験を行い、キャリヤによるトナーの荷電能力の耐久に伴う変化を評価した。各実験条件を以下に示す。
<実施例1>
図1に示した構成を有する現像装置を用い、現像剤としてはコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350用キャリヤ(体積平均粒径約33μm)と後述する方法で作成したトナーAを用いた。
図1に示した構成を有する現像装置を用い、現像剤としてはコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350用キャリヤ(体積平均粒径約33μm)と後述する方法で作成したトナーAを用いた。
現像剤中のトナー比率は10質量%とした。トナー比率は現像剤全量に対するトナー、後処理剤及び逆極性粒子の合計量の割合である(以下、同様である)。
トナー供給用現像剤担持体には−250Vの直流電圧を、トナー回収用現像剤担持体には−70Vの直流電圧を印加した。トナー担持体にはDC電圧−300Vに振幅1.4kV、Duty比60%、周波数4kHzの矩形波を重畳した現像バイアスを印加した。
トナー担持体には表面にアルマイト処理を施したアルミローラを用い、トナー供給用現像剤担持体とトナー担持体及びトナー回収用現像剤担持体とトナー担持体との最近接部のギャップは0.3mmとした。またトナー供給用現像剤担持体とトナー回収用現像剤担持体とのギャップは0.3mmとした。
像担持体上に形成された静電潜像の背景部電位は−550V、画像部電位は−60Vであり、像担持体とトナー担持体との最近接部のギャップは0.15mmとした。
逆極性粒子回収部材にはDC電圧−200Vに振幅1.4kV、Duty比40%、周波数4kHzの矩形波を重畳したバイアスを印加した。逆極性粒子回収部材としては表面にアルマイト処理を施したアルミローラを用い、トナー供給用現像剤担持体と逆極性粒子回収部材との最近接部のギャップは0.15mmとした。
<実施例2>
図8に示した構成を有する現像装置を用い、現像剤としてはコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350用キャリヤ(体積平均粒径約33μm)と後述する方法で作成したトナーAを用いた。
図8に示した構成を有する現像装置を用い、現像剤としてはコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350用キャリヤ(体積平均粒径約33μm)と後述する方法で作成したトナーAを用いた。
現像剤中のトナー比率は10質量%とした。トナー比率は現像剤全量に対するトナー、後処理剤及び逆極性粒子の合計量の割合である(以下、同様である)。
トナー供給用現像剤担持体には−250Vの直流電圧を、トナー回収用現像剤担持体には−70Vの直流電圧を印加した。トナー担持体にはDC電圧−300Vに振幅1.4kV、Duty比60%、周波数4kHzの矩形波を重畳した現像バイアスを印加した。
トナー担持体には表面にアルマイト処理を施したアルミローラを用い、トナー供給用現像剤担持体とトナー担持体及びトナー回収用現像剤担持体とトナー担持体との最近接部のギャップは0.3mmとした。
像担持体上に形成された静電潜像の背景部電位は−550V、画像部電位は−60Vであり、像担持体とトナー担持体との最近接部のギャップは0.15mmとした。
逆極性粒子回収部材にはDC電圧−200Vに振幅1.4kV、Duty比40%、周波数4kHzの矩形波を重畳したバイアスを印加した。逆極性粒子回収部材としては表面にアルマイト処理を施したアルミローラを用い、トナー供給用現像剤担持体と逆極性粒子回収部材との最近接部のギャップは0.15mmとした。
<実施例3>
図10に示した構成を有する現像装置を用い、現像剤としてはコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350用キャリヤ(体積平均粒径約33μm)と後述する方法で作成したトナーAを用いた。
図10に示した構成を有する現像装置を用い、現像剤としてはコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhub C350用キャリヤ(体積平均粒径約33μm)と後述する方法で作成したトナーAを用いた。
現像剤中のトナー比率は10質量%とした。トナー比率は現像剤全量に対するトナー、後処理剤及び逆極性粒子の合計量の割合である(以下、同様である)。
トナー供給用現像剤担持体には−250Vの直流電圧を印加した。トナー担持体にはDC電圧−300Vに振幅1.4kV、Duty比60%、周波数4kHzの矩形波を重畳した現像バイアスを印加した。
トナー担持体には表面にアルマイト処理を施したアルミローラを用い、トナー供給用現像剤担持体とトナー担持体との最近接部のギャップは0.3mmとした。
像担持体上に形成された静電潜像の背景部電位は−550V、画像部電位は−60Vであり、像担持体とトナー担持体との最近接部のギャップは0.15mmとした。
逆極性粒子回収部材にはDC電圧−200Vに振幅1.4kV、Duty比40%、周波数4kHzの矩形波を重畳したバイアスを印加した。逆極性粒子回収部材としては表面にアルマイト処理を施したアルミローラを用い、トナー供給用現像剤担持体と逆極性粒子回収部材との最近接部のギャップは0.15mmとした。
<比較例1>
実施例1で使用した現像装置から逆極性粒子回収部材のみを除いた現像装置を用いた。現像剤は実施例1と同じものを用いた。
実施例1で使用した現像装置から逆極性粒子回収部材のみを除いた現像装置を用いた。現像剤は実施例1と同じものを用いた。
<比較例2>
実施例2で使用した現像装置から逆極性粒子回収部材のみを除いた現像装置を用いた。現像剤は実施例1と同じものを用いた。
実施例2で使用した現像装置から逆極性粒子回収部材のみを除いた現像装置を用いた。現像剤は実施例1と同じものを用いた。
<比較例3>
実施例3で使用した現像装置から逆極性粒子回収部材のみを除いた現像装置を用いた。現像剤は実施例1と同じものを用いた。
実施例3で使用した現像装置から逆極性粒子回収部材のみを除いた現像装置を用いた。現像剤は実施例1と同じものを用いた。
<トナー作成>
なお、実施例、比較例で用いたトナーAについては以下の方法で作成した。
なお、実施例、比較例で用いたトナーAについては以下の方法で作成した。
湿式造粒法により作製された体積平均粒径約6.5μmのトナー母材に対し、第一の疎水性シリカ0.2質量%と第二の疎水性シリカ0.5質量%と疎水性酸化チタン0.5質量%をヘンシェルミキサ(三井金属鉱山社製)を用いて40m/sの速度で3分間表面処理を行って外添処理した。
ここで用いた第一の疎水性シリカは、個数平均一次粒径16nmのシリカ(#130:日本アエロジル社製)を疎水化剤であるヘキサメチルジシラザン(HMDS)により表面処理を施したものである。また、第二の疎水性シリカは、個数平均一次粒径20nmのシリカ(#90G:日本アエロジル社製)をHMDSにより表面処理したものである。疎水性酸化チタンは、個数平均一次粒径30nmのアナターゼ型酸化チタンを水系湿式中で疎水化剤であるイソブチルトリメトキシシランにより表面処理をしたものである。
この外添処理した粒子に対してさらに逆極性粒子として個数平均粒径350nmのチタン酸ストロンチウムをトナー母材粒子に対して2質量%を添加し、再度上記ヘンシェルミキサを用いて40m/sの速度で3分間外添処理し、トナーAを得た。
<実験、評価結果>
各実施例、比較例に示した現像装置と、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製複写機bizhub C350を改造した画像形成装置を用い、各条件で画像面積率約5%及び2%の画像チャートを用いて10万枚の耐久評価を行った。
各実施例、比較例に示した現像装置と、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製複写機bizhub C350を改造した画像形成装置を用い、各条件で画像面積率約5%及び2%の画像チャートを用いて10万枚の耐久評価を行った。
5万枚及び10万枚時点でサンプリングした現像剤のトナー帯電量を測定した結果を表1に示した。いずれの現像装置においても、補給トナーはトナーAを用いた。現像剤のサンプリングは現像剤槽から行った。
表1より、実施例1〜3においては画像面積率5%、2%いずれの画像を用いた場合でも、初期から10万枚印刷後までトナー帯電量は初期の帯電量を維持できている。
これに対して、比較例1では画像面積率5%、2%いずれの場合でも、明らかにトナー帯電量の低下が生じている。また比較例2、比較例3では、画像面積率5%の画像を用いた場合はトナー帯電量を維持できるものの、画像面積率2%の画像を用いた場合は明らかにトナー帯電量の低下が生じている。
上述してきたように、本実施形態での現像装置、及び画像形成装置によれば、トナー供給用現像剤担持体表面に付着した逆極性微粒子を回収し、現像剤槽へ戻すことにより、現像剤中の逆極性粒子量を適切に維持することができ、逆極性粒子による荷電補助効果で現像剤の長寿命化を達成することができる。すなわち、安定してキャリヤの劣化を抑制し、高画質な画像形成を長期にわたって実現することができる。
なお、上述の実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 像担持体
2、2a、2b、2c 現像装置
3 帯電部材
4 転写ローラ
5 クリーニングブレード
6 現像領域
7 トナー供給領域
8 トナー回収領域
11 トナー供給用現像剤担持体
12 スリーブローラ
13 磁石ローラ
16 現像剤槽
24 現像剤
25 トナー担持体
26 トナー回収用現像剤担持体
27 スリーブローラ
28 磁石ローラ
29 逆極性粒子回収部材
30 スクレーパ
2、2a、2b、2c 現像装置
3 帯電部材
4 転写ローラ
5 クリーニングブレード
6 現像領域
7 トナー供給領域
8 トナー回収領域
11 トナー供給用現像剤担持体
12 スリーブローラ
13 磁石ローラ
16 現像剤槽
24 現像剤
25 トナー担持体
26 トナー回収用現像剤担持体
27 スリーブローラ
28 磁石ローラ
29 逆極性粒子回収部材
30 スクレーパ
Claims (8)
- トナーとキャリヤと、前記トナーと逆極性に帯電する逆極性粒子とを含む現像剤を収容する現像剤槽と、
前記現像剤槽において混合撹拌された前記現像剤を表面に担持搬送するトナー供給用現像剤担持体と、
前記トナー供給用現像剤担持体から前記トナーの供給を受けて担持搬送し、像担持体上の潜像を現像するトナー担持体と、を有する現像装置において、
前記トナー供給用現像剤担持体の表面に付着した前記逆極性粒子を、前記現像剤槽へ戻すために回収する逆極性粒子回収部材を有する
ことを特徴とする現像装置。 - 前記トナー供給用現像剤担持体は、表面に前記現像剤を担持搬送しない非搬送領域を有し、
前記逆極性粒子回収部材は、前記トナー供給用現像剤担持体の前記非搬送領域に対向、もしくは当接して配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 前記トナー担持体のトナー搬送方向で、前記トナー供給用現像剤担持体の上流側に、前記トナー担持体に対向して配設され、
前記トナー担持体から現像後の残トナーを回収するトナー回収用現像剤担持体を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。 - 前記トナー供給用現像剤担持体は、前記トナー回収用現像剤担持体と対向して配設され、
前記トナー回収用現像剤担持体に前記現像剤を受け渡す
ことを特徴とする請求項3に記載の現像装置。 - 前記逆極性粒子回収部材はローラ形状を有し、前記トナー供給用現像剤担持体に対向して配設されている
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の現像装置。 - 前記逆極性粒子回収部材はスクレーパ形状を有し、前記トナー供給用現像剤担持体に当接して配設されている
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の現像装置。 - 前記トナー供給用現像剤担持体は、固定配置された磁石ローラとこれを内包する回転自在なスリーブローラとを有し、
前記磁石ローラには、磁極として反発磁界を発生し、対応する前記スリーブローラ上のキャリヤを剥離する同極部が設けられ、前記トナー供給用現像剤担持体上に前記非搬送領域を形成している
ことを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の現像装置。 - 請求項1乃至7の何れか1項に記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007284899A JP2009109947A (ja) | 2007-11-01 | 2007-11-01 | 現像装置、及び画像形成装置 |
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JP2009109947A true JP2009109947A (ja) | 2009-05-21 |
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ID=40778454
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JP (1) | JP2009109947A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11480893B2 (en) | 2021-02-05 | 2022-10-25 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus capable of returning scattered toner at a portion where a developing roller and a supply roller face each other to a circulation path during an image forming operation |
-
2007
- 2007-11-01 JP JP2007284899A patent/JP2009109947A/ja active Pending
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