JP2009108232A - フッ素樹脂製多孔質体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐薬品性に優れ、かつ機械的強度の高いフッ素樹脂製多孔質体を容易に製造できる方法を提供する。
【解決手段】(a)エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重合体から選択されるフッ素樹脂20〜50質量%および無機微粒子50〜80質量%を含む組成物を溶融成形して成形体を得る工程、(b)該成形体を、無機微粒子を溶解しうる物質に接触させる工程、(c)さらに該成形体を延伸する工程を有するフッ素樹脂製多孔質体の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】(a)エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重合体から選択されるフッ素樹脂20〜50質量%および無機微粒子50〜80質量%を含む組成物を溶融成形して成形体を得る工程、(b)該成形体を、無機微粒子を溶解しうる物質に接触させる工程、(c)さらに該成形体を延伸する工程を有するフッ素樹脂製多孔質体の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、フッ素樹脂製多孔質体の製造方法に関する。
有機高分子多孔質体(多孔質フィルム、多孔質中空糸等。)は、各種フィルタ、電池のセパレータ等として用いられている。特に、フッ素樹脂製多孔質体は、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性等の特性に優れることから、臨床医学分野(血液成分分析、血清、注射薬の除菌等。)、半導体産業分野(半導体装置の洗浄水、洗浄薬品中の微粒子除去等。)、公衆衛生分野(大気汚染検査等。)等の分野で用いるフィルタとして注目されている。フッ素樹脂製多孔質体としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す。)製多孔質体、フッ化ビニリデン系樹脂製多孔質体、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体製多孔質体が知られている。
PTFE製多孔質体は、たとえば、下記方法で製造される。
(1)乳化重合法で得られたPTFEのファインパウダーをカレンダー成形して成形体を得た後、該成形体を延伸してフィブリル化する方法。
(1)乳化重合法で得られたPTFEのファインパウダーをカレンダー成形して成形体を得た後、該成形体を延伸してフィブリル化する方法。
しかし、PTFE製多孔質体には、下記問題がある。
(i)PTFEは比較的軟質であるため、耐クリープ性が充分でなく、巻回すると潰れが生じ、ろ過性能が低下しやすい。
(ii)PTFEは溶融粘度が極めて高いため、溶融成形(押出成形、射出成形等。)が困難である。そのため、PTFE製多孔質体の形状はフィルムに限定され、用途に応じた任意の形状(中空糸等。)とすることが困難である。
(i)PTFEは比較的軟質であるため、耐クリープ性が充分でなく、巻回すると潰れが生じ、ろ過性能が低下しやすい。
(ii)PTFEは溶融粘度が極めて高いため、溶融成形(押出成形、射出成形等。)が困難である。そのため、PTFE製多孔質体の形状はフィルムに限定され、用途に応じた任意の形状(中空糸等。)とすることが困難である。
一方、フッ化ビニリデン系樹脂およびエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体は溶融成形可能である。
フッ化ビニリデン系樹脂製多孔質体の製造方法としては、下記方法が知られている。
(2)相分離法によって成形する方法(特許文献1)。
しかし、(2)の方法では、大量の溶媒が必要である。
フッ化ビニリデン系樹脂製多孔質体の製造方法としては、下記方法が知られている。
(2)相分離法によって成形する方法(特許文献1)。
しかし、(2)の方法では、大量の溶媒が必要である。
(2)の方法を改良した方法としては、下記方法が提案されている。
(3)ポリフッ化ビニリデン、有機液状体および無機微粉体からなる混合物を溶融成形して中空糸を得た後、該中空糸から有機液状体および無機微粉体を抽出し、抽出後の中空糸を延伸し、ついで収縮させる方法(特許文献2)。
(3)ポリフッ化ビニリデン、有機液状体および無機微粉体からなる混合物を溶融成形して中空糸を得た後、該中空糸から有機液状体および無機微粉体を抽出し、抽出後の中空糸を延伸し、ついで収縮させる方法(特許文献2)。
しかし、(2)、(3)の方法で得られたフッ化ビニリデン系樹脂製多孔質体には、ジメチルホルムアミド、アミン、アルカリ水溶液等の薬品に容易に侵されるという問題がある。
エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体製多孔質体の製造方法としては、下記方法が提案されている。
(4)エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体10〜60容量%、無機微粉体7〜42容量%および有機液状体30〜75容量%の混合物を溶融成形して成形物を得た後、該成形物から有機液状体および無機微粉体を抽出する方法(特許文献3)。
(5)エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体35〜55質量%、溶剤可溶性樹脂35〜60質量%および無機微粉体5〜15質量%の混合物を溶融成形して成形物を得た後、該成形物から溶剤可溶性樹脂および無機微粉体を抽出する方法(特許文献4)。
(6)エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体および無機充填剤の混合物を溶融成形して成形体を得た後、該成形体を延伸する方法(特許文献5)。
(4)エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体10〜60容量%、無機微粉体7〜42容量%および有機液状体30〜75容量%の混合物を溶融成形して成形物を得た後、該成形物から有機液状体および無機微粉体を抽出する方法(特許文献3)。
(5)エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体35〜55質量%、溶剤可溶性樹脂35〜60質量%および無機微粉体5〜15質量%の混合物を溶融成形して成形物を得た後、該成形物から溶剤可溶性樹脂および無機微粉体を抽出する方法(特許文献4)。
(6)エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体および無機充填剤の混合物を溶融成形して成形体を得た後、該成形体を延伸する方法(特許文献5)。
しかし、(4)の方法では、微細孔を有機液状体および無機微粉体の抽出のみで形成しているため、得られる多孔質体の機械的強度が低い問題がある。
(5)の方法も同様に、微細孔を溶剤可溶性樹脂および無機微粉体の抽出のみで形成しているため、得られる多孔質体の機械的強度が低い問題がある。
(5)の方法も同様に、微細孔を溶剤可溶性樹脂および無機微粉体の抽出のみで形成しているため、得られる多孔質体の機械的強度が低い問題がある。
(6)の方法で得られる多孔質体は、比較的機械的強度が高いものの、延伸前の成形体は無機充填剤を多く含むため脆く、そのままでは延伸が困難である。そのため、成形体がフィルムの場合は、該フィルムを延伸性のアシストフィルムでサンドウィッチした状態で延伸する必要がある。また、成形体が中空糸の場合は、該中空糸をあらかじめ熱処理し、弾性回復率を特定の範囲に調整した後に延伸する必要がある。このように(6)の方法では、製造条件が厳しく、多孔質体の製造が煩雑である問題がある。
特公昭60−97001号公報
国際公開第2002/070115号パンフレット
特公昭63−11370号公報
特許第3265678号公報
特開2003−192815号公報
本発明は、耐薬品性に優れ、かつ機械的強度の高いフッ素樹脂製多孔質体を容易に製造できる方法を提供する。
本発明のフッ素樹脂製多孔質体の製造方法は、下記工程(a)〜(c)を有することを特徴とする。
(a)下記フッ素樹脂20〜50質量%および無機微粒子50〜80質量%を含む組成物を溶融成形して成形体を得る工程。
(b)前記工程(a)で得られた成形体を、無機微粒子を溶解しうる物質に接触させる工程。
(c)前記工程(b)の後、前記成形体を延伸する工程。
フッ素樹脂:エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンおよびエチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重合体からなる群より選択される少なくとも一種。
(a)下記フッ素樹脂20〜50質量%および無機微粒子50〜80質量%を含む組成物を溶融成形して成形体を得る工程。
(b)前記工程(a)で得られた成形体を、無機微粒子を溶解しうる物質に接触させる工程。
(c)前記工程(b)の後、前記成形体を延伸する工程。
フッ素樹脂:エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンおよびエチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重合体からなる群より選択される少なくとも一種。
前記無機微粒子の平均粒子径は、0.04〜20μmであることが好ましい。
本発明のフッ素樹脂製多孔質体の製造方法によれば、耐薬品性に優れ、かつ機械的強度の高いフッ素樹脂製多孔質体を容易に製造できる。
本発明のフッ素樹脂製多孔質体の製造方法は、下記工程を有する方法である。
(a)後述する特定のフッ素樹脂20〜50質量%および無機微粒子50〜80質量%を含む組成物を溶融成形して成形体を得る工程。
(b)工程(a)で得られた成形体を、無機微粒子を溶解しうる物質に接触させる工程。
(c)工程(b)の後、成形体を延伸し、多孔質体を得る工程。
(d)必要に応じて、工程(c)で得られた多孔質体を、無機微粒子を溶解しうる物質に接触させる工程。
(a)後述する特定のフッ素樹脂20〜50質量%および無機微粒子50〜80質量%を含む組成物を溶融成形して成形体を得る工程。
(b)工程(a)で得られた成形体を、無機微粒子を溶解しうる物質に接触させる工程。
(c)工程(b)の後、成形体を延伸し、多孔質体を得る工程。
(d)必要に応じて、工程(c)で得られた多孔質体を、無機微粒子を溶解しうる物質に接触させる工程。
工程(a):
フッ素樹脂は、下記溶融成形性フッ素樹脂の群より選択される少なくとも一種である。
エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(以下、ETFEと記す。)、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体(以下、PFAと記す。)、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体(以下、FEPと記す。)、
ポリクロロトリフルオロエチレン(以下、PCTFEと記す。)、および
エチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重合体(以下、ECTFEと記す。)。
フッ素樹脂は、下記溶融成形性フッ素樹脂の群より選択される少なくとも一種である。
エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(以下、ETFEと記す。)、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体(以下、PFAと記す。)、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体(以下、FEPと記す。)、
ポリクロロトリフルオロエチレン(以下、PCTFEと記す。)、および
エチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重合体(以下、ECTFEと記す。)。
フッ素樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フッ素樹脂としては、比較的低温で容易に溶融成形できるという点から、ETFEまたはFEPが好ましく、ETFEがより好ましい。
フッ素樹脂としては、比較的低温で容易に溶融成形できるという点から、ETFEまたはFEPが好ましく、ETFEがより好ましい。
ETFEにおける、テトラフルオロエチレン(以下、TFEと記す。)に基づく繰返し単位/エチレンに基づく繰返し単位のモル比は、70/30〜30/70が好ましく、65/35〜40/60がより好ましく、60/40〜40/60がさらに好ましい。
ETFEは、TFEおよびエチレンの他に、他の単量体1に基づく繰返し単位を含んでいてもよい。他の単量体1としては、下記単量体が挙げられる。
フルオロエチレン類(TFEを除く。):CF2=CFCl、CF2=CH2等、
フルオロプロピレン類:CF2=CFCF3、CF2=CHCF3等、
炭素数が4〜12のフルオロアルキル基を有する(パーフルオロアルキル)エチレン類:CF3CF2CF2CF2CH=CH2、CF3CF2CF2CF2CF=CH2等、
パーフルオロビニルエーテル類:Rf(OCFXCF2)mOCF=CF2(ただし、Rfは、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、Xは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基、mは、0〜5の整数を表す。)等、
容易にカルボン酸基またはスルホン酸基に変換可能な基を有するパーフルオロビニルエーテル類:CH3OC(=O)CF2CF2CF2OCF=CF2、FSO2CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF=CF2等、
オレフィン類(エチレンを除く。):C3オレフィン(プロピレン等。)、C4オレフィン(ブチレン、イソブチレン等。)等。
フルオロエチレン類(TFEを除く。):CF2=CFCl、CF2=CH2等、
フルオロプロピレン類:CF2=CFCF3、CF2=CHCF3等、
炭素数が4〜12のフルオロアルキル基を有する(パーフルオロアルキル)エチレン類:CF3CF2CF2CF2CH=CH2、CF3CF2CF2CF2CF=CH2等、
パーフルオロビニルエーテル類:Rf(OCFXCF2)mOCF=CF2(ただし、Rfは、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、Xは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基、mは、0〜5の整数を表す。)等、
容易にカルボン酸基またはスルホン酸基に変換可能な基を有するパーフルオロビニルエーテル類:CH3OC(=O)CF2CF2CF2OCF=CF2、FSO2CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF=CF2等、
オレフィン類(エチレンを除く。):C3オレフィン(プロピレン等。)、C4オレフィン(ブチレン、イソブチレン等。)等。
他の単量体1は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他の単量体1に基づく繰返し単位の割合は、ETFEのすべての繰返し単位(100質量%)のうち、30モル%以下が好ましく、0.1〜15モル%が好ましく、0.2〜10モル%がさらに好ましい。
他の単量体1に基づく繰返し単位の割合は、ETFEのすべての繰返し単位(100質量%)のうち、30モル%以下が好ましく、0.1〜15モル%が好ましく、0.2〜10モル%がさらに好ましい。
FEPにおける、TFEに基づく繰返し単位/ヘキサフルオロプロピレンに基づく繰返し単位のモル比は、98/2〜50/50が好ましく、95/15〜60/40が好ましく、90/10〜75/25がさらに好ましい。
FEPは、TFEおよびヘキサフルオロプロピレンの他に、他の単量体2に基づく繰返し単位を含んでいてもよい。他の単量体2としては、下記単量体が挙げられる。
フルオロエチレン類(TFEを除く。):CF2=CFCl、CF2=CH2等、
フルオロプロピレン類(ヘキサフルオロプロピレンを除く。):CF2=CHCF3等、
炭素数が4〜12のフルオロアルキル基を有する(パーフルオロアルキル)エチレン類:CF3CF2CF2CF2CH=CH2、CF3CF2CF2CF2CF=CH2等、
パーフルオロビニルエーテル類:Rf(OCFXCF2)mOCF=CF2(ただし、Rfは、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、Xは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基、mは、0〜5の整数を表す。)等、
容易にカルボン酸基またはスルホン酸基に変換可能な基を有するパーフルオロビニルエーテル類:CH3OC(=O)CF2CF2CF2OCF=CF2、FSO2CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF=CF2等、
オレフィン類(エチレンを除く。):C3オレフィン(プロピレン等。)、C4オレフィン(ブチレン、イソブチレン等。)等。
フルオロエチレン類(TFEを除く。):CF2=CFCl、CF2=CH2等、
フルオロプロピレン類(ヘキサフルオロプロピレンを除く。):CF2=CHCF3等、
炭素数が4〜12のフルオロアルキル基を有する(パーフルオロアルキル)エチレン類:CF3CF2CF2CF2CH=CH2、CF3CF2CF2CF2CF=CH2等、
パーフルオロビニルエーテル類:Rf(OCFXCF2)mOCF=CF2(ただし、Rfは、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、Xは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基、mは、0〜5の整数を表す。)等、
容易にカルボン酸基またはスルホン酸基に変換可能な基を有するパーフルオロビニルエーテル類:CH3OC(=O)CF2CF2CF2OCF=CF2、FSO2CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF=CF2等、
オレフィン類(エチレンを除く。):C3オレフィン(プロピレン等。)、C4オレフィン(ブチレン、イソブチレン等。)等。
他の単量体2は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他の単量体2に基づく繰返し単位の割合は、FEPのすべての繰返し単位(100モル%)のうち、30モル%以下が好ましく、0.1〜15モル%が好ましく、0.2〜10モル%がさらに好ましい。
他の単量体2に基づく繰返し単位の割合は、FEPのすべての繰返し単位(100モル%)のうち、30モル%以下が好ましく、0.1〜15モル%が好ましく、0.2〜10モル%がさらに好ましい。
PFAにおける、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく繰返し単位のパーフルオロアルキル基の炭素数は、1〜18が好ましい。
PFAにおける、TFEに基づく繰返し単位/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく繰返し単位のモル比は、90/10〜99.8/0.2(モル比)が好ましく、93/7〜99.5/0.5(モル比)が好ましく、95/5〜99/1がさらに好ましい。
PFAにおける、TFEに基づく繰返し単位/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく繰返し単位のモル比は、90/10〜99.8/0.2(モル比)が好ましく、93/7〜99.5/0.5(モル比)が好ましく、95/5〜99/1がさらに好ましい。
PFAは、TFEおよびパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の他に、他の単量体3に基づく繰返し単位を含んでいてもよい。他の単量体3としては、上述の単量体1(ただし、TFEおよびパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)を除く。)が挙げられる。
他の単量体3は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他の単量体3に基づく繰返し単位の割合は、PFAのすべての繰返し単位(100モル%)のうち、30モル%以下が好ましく、0.1〜15モル%が好ましく、0.2〜10モル%がさらに好ましい。
他の単量体3に基づく繰返し単位の割合は、PFAのすべての繰返し単位(100モル%)のうち、30モル%以下が好ましく、0.1〜15モル%が好ましく、0.2〜10モル%がさらに好ましい。
フッ素樹脂のメルトインデックス値(以下、MIと記す。)は、0.5〜45が好ましく、10〜40がより好ましい。MIは、溶融成形性の尺度であり、大きいと分子量は小さく、小さいと分子量は大きくなる。MIが小さすぎると、無機微粒子を混合する際に負荷が大きく加工性に劣る。この範囲にあると、フッ素樹脂は、溶融成形性に優れ、無機微粒子との混合性に優れる。
フッ素樹脂の割合は、組成物(100質量%)のうち、20〜50質量%であり、25〜45質量%が好ましく、30〜40質量%がより好ましい。フッ素樹脂が20質量%以上であれば、溶融成形性が良好となり、また、充分な機械的強度を有する多孔質体が得られる。フッ素樹脂が50質量%以下であれば、空孔率が高く、連通した微細孔を有する多孔質体が得られる。
無機微粒子としては、溶融成形の際に、組成物中にて実質的に安定で、凝集を起さず、均一に分散するものが好ましい。該無機微粒子は、工程(c)において、フッ素樹脂と分散した無機微粒子との界面に剥離を生じさせて連通した微細孔を形成するとともに、工程(b)および工程(d)において、無機微粒子の抽出によって微細孔を形成することで空孔率の増加に寄与する。
無機微粒子としては、公知の無機微粒子が挙げられ、具体的には、無水シリカ、タルク、クレー、カオリン、マイカ、ゼオライト、塩化ナトリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸カルシウム等が挙げられ、凝集しにくく分散しやすいという点から、無水シリカが好ましい。
無機微粒子の平均粒子径は、好適な微細孔を形成する点から、0.04〜20μmが好ましく、0.1〜15μmがより好ましく、0.2〜10μmがさらに好ましい。無機微粒子の平均粒子径が0.04μm以上であれば、体積あたりの表面積が小さくなり、また加工時の負荷が小さくなるため、高濃度で添加できる。また、無機微粒子の平均粒子径が20μm以下であれば、好適な微細孔を形成できる。
無機微粒子の平均粒子径は、一次粒子の平均粒子径とする。
無機微粒子の平均粒子径は、一次粒子の平均粒子径とする。
無機微粒子の割合は、組成物(100質量%)のうち、50〜80質量%であり、55〜75質量%が好ましく、60〜70質量%がより好ましい。無機微粒子が50質量%以上であれば、連通した微細孔を有する多孔質体が得られる。無機微粒子が80質量%以下であれば、溶融成形性が良好となる。
組成物は、フッ素樹脂および無機微粒子を混合することによって調製される。
調製方法としては、フッ素樹脂および無機微粒子を粉体混合機に投入して混合した後、一軸または二軸押出機を用いて混練し、ペレット化する方法が好ましい。
粉体混合機としては、V型混合機、二重円錐混合機、リボン型混合機、短軸ロータ型混合機、タービン型混合機、ヘンシェルミキサ、ハイスピードミキサ、スーパーミキサ、タンブラーミキサ等が挙げられる。
調製方法としては、フッ素樹脂および無機微粒子を粉体混合機に投入して混合した後、一軸または二軸押出機を用いて混練し、ペレット化する方法が好ましい。
粉体混合機としては、V型混合機、二重円錐混合機、リボン型混合機、短軸ロータ型混合機、タービン型混合機、ヘンシェルミキサ、ハイスピードミキサ、スーパーミキサ、タンブラーミキサ等が挙げられる。
溶融成形法としては、たとえば、下記方法が挙げられる。
(i)成形体が中空糸またはチューブの場合:前記ペレットを溶融混練装置により溶融混練し、中空のダイスから押し出す方法。
(ii)成形体がフィルムの場合:前記ペレットを溶融混練装置により溶融混練し、フラットダイまたはTダイが装着された押出成形機から押し出す方法。
(i)成形体が中空糸またはチューブの場合:前記ペレットを溶融混練装置により溶融混練し、中空のダイスから押し出す方法。
(ii)成形体がフィルムの場合:前記ペレットを溶融混練装置により溶融混練し、フラットダイまたはTダイが装着された押出成形機から押し出す方法。
溶融混練装置としては、押出機、バンバリーミキサ、2本ロール、ニーダ等が挙げられる。溶融混練温度は、フッ素樹脂の融点以上、好ましくは融点+20℃以上の温度で、かつフッ素樹脂の分解温度未満の温度が好ましい。
工程(b):
工程(b)は、工程(a)で得られた成形体を、無機微粒子を溶解しうる物質に浸漬等により接触させる工程である。
工程(c)の前に、工程(b)を経ることにより、成形体は、柔軟性が著しく向上し、脆性が緩和されるので、工程(c)における延伸が可能になる。工程(b)では、無機微粒子の一部が抽出され、主に成形体の表面に微細孔が形成される。
工程(b)は、工程(a)で得られた成形体を、無機微粒子を溶解しうる物質に浸漬等により接触させる工程である。
工程(c)の前に、工程(b)を経ることにより、成形体は、柔軟性が著しく向上し、脆性が緩和されるので、工程(c)における延伸が可能になる。工程(b)では、無機微粒子の一部が抽出され、主に成形体の表面に微細孔が形成される。
接触方法としては、回分法、向流多段法等の公知の方法が挙げられる。
接触時間は、15分〜10時間が好ましく、30分〜6時間がより好ましく、1時間〜4時間が最も好ましい。
接触時間は、15分〜10時間が好ましく、30分〜6時間がより好ましく、1時間〜4時間が最も好ましい。
無機微粒子を溶解しうる物質は、無機微粒子を溶解し、フッ素樹脂を溶解しないものであればよい。無機微粒子を溶解しうる物質としては、下記のものが挙げられる。
無機微粒子が酸に可溶な場合:塩酸、硫酸等。
無機微粒子がアルカリに可溶な場合:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液。
無機微粒子が水に可溶な場合:水。
無機微粒子が酸に可溶な場合:塩酸、硫酸等。
無機微粒子がアルカリに可溶な場合:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液。
無機微粒子が水に可溶な場合:水。
工程(c):
工程(c)は、成形体を一軸および/または二軸方向に延伸して、連通した微細孔を形成し、多孔質体を得る工程である。
工程(c)は、成形体を一軸および/または二軸方向に延伸して、連通した微細孔を形成し、多孔質体を得る工程である。
延伸方法としては、たとえば、下記方法が挙げられる。
(i)二対のロール等の回転速度比の違いにより縦方向に一軸延伸する方法。
(ii)一軸延伸した後、引き続き公知の拡幅延伸機等により横方向に逐次延伸する方法。
(iii)縦および横方向に同時に二軸延伸する方法。
(i)二対のロール等の回転速度比の違いにより縦方向に一軸延伸する方法。
(ii)一軸延伸した後、引き続き公知の拡幅延伸機等により横方向に逐次延伸する方法。
(iii)縦および横方向に同時に二軸延伸する方法。
一軸方向(縦方向)のみに延伸する場合、延伸倍率は、1.5〜5倍が好ましく、2〜4倍がより好ましい。
二軸方向に延伸する場合、一軸方向(縦方向)の延伸倍率は、1.1倍以上が好ましく、1.5倍以上がより好ましく、2〜4倍がさらに好ましく、二軸方向(横方向、中空糸場合は円周方向)の延伸倍率は、1.2倍以上が好ましく、1.3倍以上がより好ましく、2〜5倍がさらに好ましい。
二軸方向に延伸する場合、一軸方向(縦方向)の延伸倍率は、1.1倍以上が好ましく、1.5倍以上がより好ましく、2〜4倍がさらに好ましく、二軸方向(横方向、中空糸場合は円周方向)の延伸倍率は、1.2倍以上が好ましく、1.3倍以上がより好ましく、2〜5倍がさらに好ましい。
延伸温度は、常温以上フッ素樹脂の融点以下が好ましく、フッ素樹脂の融点より10〜100℃低い温度がより好ましい。
延伸された成形体を、さらに緊張下に熱処理した後、室温まで冷却することが好ましい。熱処理としては、延伸温度以上、フッ素樹脂の融点以下の温度で熱固定する処理が挙げられる。
延伸された成形体を、さらに緊張下に熱処理した後、室温まで冷却することが好ましい。熱処理としては、延伸温度以上、フッ素樹脂の融点以下の温度で熱固定する処理が挙げられる。
工程(d):
工程(b)では、全ての無機微粒子が抽出されるわけではなく、成形体の表層部の無機微粒子が抽出される。よって、必要に応じて、工程(c)の後、再度、無機微粒子の抽出を行ってもよい。
工程(d)は、工程(b)と同様に行えばよい。
工程(b)では、全ての無機微粒子が抽出されるわけではなく、成形体の表層部の無機微粒子が抽出される。よって、必要に応じて、工程(c)の後、再度、無機微粒子の抽出を行ってもよい。
工程(d)は、工程(b)と同様に行えばよい。
本発明の製造方法で得られるフッ素樹脂製多孔質体の形状としては、フィルム(平膜)、中空糸(中空糸膜)、チューブ等が挙げられる。
本発明の製造方法で得られるフッ素樹脂製多孔質体の空孔率は、50〜85%が好ましく、60〜75%がより好ましい。
本発明の製造方法で得られるフッ素樹脂製多孔質体における微細孔の平均孔径は、0.05〜2.0μmが好ましく、0.1〜1.5μmがより好ましい。
本発明の製造方法で得られるフッ素樹脂製多孔質体における微細孔の孔径分布は、すべての微細孔の孔径が0.01〜5.0μmの範囲内であることが好ましく、0.02〜3.0μmの範囲内であることがより好ましい。
本発明の製造方法で得られるフッ素樹脂製多孔質体の空孔率は、50〜85%が好ましく、60〜75%がより好ましい。
本発明の製造方法で得られるフッ素樹脂製多孔質体における微細孔の平均孔径は、0.05〜2.0μmが好ましく、0.1〜1.5μmがより好ましい。
本発明の製造方法で得られるフッ素樹脂製多孔質体における微細孔の孔径分布は、すべての微細孔の孔径が0.01〜5.0μmの範囲内であることが好ましく、0.02〜3.0μmの範囲内であることがより好ましい。
以上説明した本発明のフッ素樹脂製多孔質体の製造方法にあっては、工程(c)において成形体を延伸する前に、工程(b)において成形体から無機微粒子の一部を抽出しているため、従来のように、延伸の前に、フィルムを延伸性のアシストフィルムでサンドウィッチしたり、中空糸をあらかじめ熱処理し、弾性回復率を特定の範囲に調整したりといった煩雑な操作を行う必要がない。そのため、フッ素樹脂製多孔質体を容易に製造できる。
また、フッ素樹脂として、フッ化ビニリデン系樹脂を除く溶融成形性フッ素樹脂を用いているため、耐薬品性に優れる。
また、工程(c)において成形体を延伸しているため、機械的強度が高い。
また、フッ素樹脂として、フッ化ビニリデン系樹脂を除く溶融成形性フッ素樹脂を用いているため、耐薬品性に優れる。
また、工程(c)において成形体を延伸しているため、機械的強度が高い。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
例1〜5は実施例であり、例6〜9は比較例である。
例1〜5は実施例であり、例6〜9は比較例である。
(MI)
フッ素樹脂のMIは、ASTM D3159−98に準拠し、メルトインデクサー(タカラ工業社製)を用いて、297℃で測定した。
フッ素樹脂のMIは、ASTM D3159−98に準拠し、メルトインデクサー(タカラ工業社製)を用いて、297℃で測定した。
(平均粒子径)
無機微粒子の平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布計を用いて測定した。
無機微粒子の平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布計を用いて測定した。
(空孔率)
多孔質体の空孔率は、多孔体を完全に濡らすことのできる液体で濡らし、濡れた状態での質量と、液体を乾燥させた乾燥質量から比重を用いて計算した。
多孔質体の空孔率は、多孔体を完全に濡らすことのできる液体で濡らし、濡れた状態での質量と、液体を乾燥させた乾燥質量から比重を用いて計算した。
(平均孔径、孔径分布)
多孔質体における微細孔の平均孔径、孔径分布は、ASTM F316−86、JIS K3832に準拠した細孔径分布測定器(PMI社製、パームポロメータ)を用いて測定した。
多孔質体における微細孔の平均孔径、孔径分布は、ASTM F316−86、JIS K3832に準拠した細孔径分布測定器(PMI社製、パームポロメータ)を用いて測定した。
(機械的強度)
多孔質体の引張強度は、ASTM D638に準拠し、チャック間25mm、速度50mm/分で引っ張ったときの破断強さを、引っ張り前の見かけの断面積で除した値とした。
多孔質体の引張強度は、ASTM D638に準拠し、チャック間25mm、速度50mm/分で引っ張ったときの破断強さを、引っ張り前の見かけの断面積で除した値とした。
〔例1〕
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A、MI:37g/10分)の13.0g(30質量%)および無水シリカ(アドマテックス社製、アドマファインSOC3、一次粒子の平均粒子径:900nm)の30.4g(70質量%)を、ラボプラスミルを用い、300℃で10分間溶融混練し、ついで、中空糸状キャピラリーを備えたキャピラリーフローテスター(東洋精機製作所社製)を用いて成形し、中空糸(内径:2mm、外径:3mm)を得た。
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A、MI:37g/10分)の13.0g(30質量%)および無水シリカ(アドマテックス社製、アドマファインSOC3、一次粒子の平均粒子径:900nm)の30.4g(70質量%)を、ラボプラスミルを用い、300℃で10分間溶融混練し、ついで、中空糸状キャピラリーを備えたキャピラリーフローテスター(東洋精機製作所社製)を用いて成形し、中空糸(内径:2mm、外径:3mm)を得た。
工程(b):
得られた中空糸を、90℃の15質量%の水酸化カリウム水溶液に2時間浸漬して無水シリカの一部を抽出した。
得られた中空糸を、90℃の15質量%の水酸化カリウム水溶液に2時間浸漬して無水シリカの一部を抽出した。
工程(c):
恒温槽付きテンシロン(オリエンテック社製)を用い、中空糸を115℃で10分間予熱した後、500mm/分で長さ方向に引張り、2.5倍の延伸を行い、多孔質中空糸(内径:1.3mm、外径:1.7mm)を得た。
多孔質中空糸の空孔率、多孔質中空糸の微細孔の平均孔径、孔径分布、多孔質中空糸の強度を測定した。結果を表1に示す。
恒温槽付きテンシロン(オリエンテック社製)を用い、中空糸を115℃で10分間予熱した後、500mm/分で長さ方向に引張り、2.5倍の延伸を行い、多孔質中空糸(内径:1.3mm、外径:1.7mm)を得た。
多孔質中空糸の空孔率、多孔質中空糸の微細孔の平均孔径、孔径分布、多孔質中空糸の強度を測定した。結果を表1に示す。
〔例2〕
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の12.8g(30質量%)および微粉塩(赤穂化成社製、オシオミクロンT0、平均粒子径:10μm)の29.9g(70質量%)を用いた以外は、例1と同様にして中空糸を得た。
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の12.8g(30質量%)および微粉塩(赤穂化成社製、オシオミクロンT0、平均粒子径:10μm)の29.9g(70質量%)を用いた以外は、例1と同様にして中空糸を得た。
工程(b):
得られた中空糸を、90℃のお湯に2時間浸漬して微粉塩の一部を抽出した。
得られた中空糸を、90℃のお湯に2時間浸漬して微粉塩の一部を抽出した。
工程(c)
例1と同様にして延伸を行い、多孔質中空糸を得た。
多孔質中空糸の空孔率、多孔質中空糸の微細孔の平均孔径、孔径分布、多孔質中空糸の強度を測定した。結果を表1に示す。
例1と同様にして延伸を行い、多孔質中空糸を得た。
多孔質中空糸の空孔率、多孔質中空糸の微細孔の平均孔径、孔径分布、多孔質中空糸の強度を測定した。結果を表1に示す。
〔例3〕
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の12.9g(30質量%)、微粉塩(赤穂化成社製、オシオミクロンT0)の25.7g(60質量%)および無水シリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL OX50、1次粒子の平均粒子径:40nm)の4.3g(10質量%)を用いた以外は、例1と同様にして中空糸を得た。
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の12.9g(30質量%)、微粉塩(赤穂化成社製、オシオミクロンT0)の25.7g(60質量%)および無水シリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL OX50、1次粒子の平均粒子径:40nm)の4.3g(10質量%)を用いた以外は、例1と同様にして中空糸を得た。
工程(b):
得られた中空糸を、90℃の15質量%の水酸化カリウム水溶液に2時間浸漬して無水シリカと塩の一部を抽出した。
得られた中空糸を、90℃の15質量%の水酸化カリウム水溶液に2時間浸漬して無水シリカと塩の一部を抽出した。
工程(c)
例1と同様にして延伸を行い、多孔質中空糸を得た。
多孔質中空糸の空孔率、多孔質中空糸の微細孔の平均孔径、孔径分布、多孔質中空糸の強度を測定した。結果を表1に示す。
例1と同様にして延伸を行い、多孔質中空糸を得た。
多孔質中空糸の空孔率、多孔質中空糸の微細孔の平均孔径、孔径分布、多孔質中空糸の強度を測定した。結果を表1に示す。
〔例4〕
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の9.7g(20質量%)および無水シリカ(アドマテックス社製、アドマファインSOC5、一次粒子の平均粒子径:1.6μm)の38.9g(80質量%)を用いた以外は、例1と同様にして中空糸を得た。
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の9.7g(20質量%)および無水シリカ(アドマテックス社製、アドマファインSOC5、一次粒子の平均粒子径:1.6μm)の38.9g(80質量%)を用いた以外は、例1と同様にして中空糸を得た。
工程(b):
例1と同様にして無水シリカの一部を抽出した。
例1と同様にして無水シリカの一部を抽出した。
工程(c)
例1と同様にして延伸を行い、多孔質中空糸を得た。
多孔質中空糸の空孔率、多孔質中空糸の微細孔の平均孔径、孔径分布、多孔質中空糸の強度を測定した。結果を表1に示す。
例1と同様にして延伸を行い、多孔質中空糸を得た。
多孔質中空糸の空孔率、多孔質中空糸の微細孔の平均孔径、孔径分布、多孔質中空糸の強度を測定した。結果を表1に示す。
〔例5〕
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の20.7g(50質量%)および無水シリカ(アドマテックス社製、アドマファインSOC3、一次粒子の平均粒子径:800nm)の20.7g(50質量%)を用いた以外は、例1と同様にして中空糸を得た。
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の20.7g(50質量%)および無水シリカ(アドマテックス社製、アドマファインSOC3、一次粒子の平均粒子径:800nm)の20.7g(50質量%)を用いた以外は、例1と同様にして中空糸を得た。
工程(b):
例1と同様にして無水シリカの一部を抽出した。
例1と同様にして無水シリカの一部を抽出した。
工程(c)
例1と同様にして延伸を行い、多孔質中空糸を得た。
多孔質中空糸の空孔率、多孔質中空糸の微細孔の平均孔径、孔径分布、多孔質中空糸の強度を測定した。結果を表1に示す。
例1と同様にして延伸を行い、多孔質中空糸を得た。
多孔質中空糸の空孔率、多孔質中空糸の微細孔の平均孔径、孔径分布、多孔質中空糸の強度を測定した。結果を表1に示す。
〔例6〕
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の28.0g(70質量%)、無水シリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL OX50)の12.0g(30質量%)を用いた以外は、例1と同様にして中空糸を得た。
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の28.0g(70質量%)、無水シリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL OX50)の12.0g(30質量%)を用いた以外は、例1と同様にして中空糸を得た。
工程(b):
例1と同様にして無水シリカの一部を抽出した。
工程(c)
例1と同様にして延伸を行ったが、連通した微細孔を有する多孔質中空糸は得られなかった。結果を表2に示す。
例1と同様にして無水シリカの一部を抽出した。
工程(c)
例1と同様にして延伸を行ったが、連通した微細孔を有する多孔質中空糸は得られなかった。結果を表2に示す。
〔例7〕
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の6.7g(15質量%)および無水シリカ(アドマテックス社製、アドマファインSOC1)の38.1g(85質量%)を用いた以外は、例1と同様にして混練を行ったが、粉状となり成形できなかった。結果を表2に示す。
工程(a):
ETFE(旭硝子社製、フルオンLM740A)の6.7g(15質量%)および無水シリカ(アドマテックス社製、アドマファインSOC1)の38.1g(85質量%)を用いた以外は、例1と同様にして混練を行ったが、粉状となり成形できなかった。結果を表2に示す。
〔例8〕
工程(a):
例1と同様にして中空糸を得た。
工程(b):
得られた中空糸を、90℃の15質量%の水酸化カリウム水溶液に2時間浸漬して無水シリカの一部を抽出した。延伸工程がないため、中空糸には、連通した微細孔が形成されなかった。結果を表2に示す。
工程(a):
例1と同様にして中空糸を得た。
工程(b):
得られた中空糸を、90℃の15質量%の水酸化カリウム水溶液に2時間浸漬して無水シリカの一部を抽出した。延伸工程がないため、中空糸には、連通した微細孔が形成されなかった。結果を表2に示す。
〔例9〕
工程(a):
例1と同様にして中空糸を得た。
工程(c)
例1と同様にして延伸を試みたが、中空糸が脆く、延伸できなかった。結果を表2に示す。
工程(a):
例1と同様にして中空糸を得た。
工程(c)
例1と同様にして延伸を試みたが、中空糸が脆く、延伸できなかった。結果を表2に示す。
本発明の製造方法で得られるフッ素樹脂製多孔質体は、臨床医学分野(血液成分分析、血清、注射薬の除菌等。)、半導体産業分野(半導体装置の洗浄水、洗浄薬品中の微粒子除去等。)、公衆衛生分野(大気汚染検査等。)等の分野で用いるフィルタとして有用である。また、耐薬品性およびろ過性能に優れ、機械的強度も高いため、水処理用途(飲料水、浄水、下水処理、し尿処理、膜分離活性汚泥処理、排水処理、廃液処理)に用いる水処理用膜、分離用中空糸、水処理用中空糸等として有用である。
Claims (2)
- 下記工程(a)〜(c)を有する、フッ素樹脂製多孔質体の製造方法。
(a)下記フッ素樹脂20〜50質量%および無機微粒子50〜80質量%を含む組成物を溶融成形して成形体を得る工程。
(b)前記工程(a)で得られた成形体を、無機微粒子を溶解しうる物質に接触させる工程。
(c)前記工程(b)の後、前記成形体を延伸する工程。
フッ素樹脂:エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンおよびエチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重合体からなる群より選択される少なくとも一種。 - 前記無機微粒子の平均粒子径が、0.04〜20μmである、請求項1に記載のフッ素樹脂製多孔質体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007283194A JP2009108232A (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | フッ素樹脂製多孔質体の製造方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP (1) | JP2009108232A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024144061A1 (ko) * | 2022-12-26 | 2024-07-04 | 국립부경대학교 산학협력단 | 퍼플루오로알콕시 알케인(pfa) 및 무기계 물질이 블렌딩된 다공성 복합막, 및 이의 제조방법 |
-
2007
- 2007-10-31 JP JP2007283194A patent/JP2009108232A/ja active Pending
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WO2024144061A1 (ko) * | 2022-12-26 | 2024-07-04 | 국립부경대학교 산학협력단 | 퍼플루오로알콕시 알케인(pfa) 및 무기계 물질이 블렌딩된 다공성 복합막, 및 이의 제조방법 |
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