JP2009107516A - 開放装置および組付方法 - Google Patents
開放装置および組付方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009107516A JP2009107516A JP2007282901A JP2007282901A JP2009107516A JP 2009107516 A JP2009107516 A JP 2009107516A JP 2007282901 A JP2007282901 A JP 2007282901A JP 2007282901 A JP2007282901 A JP 2007282901A JP 2009107516 A JP2009107516 A JP 2009107516A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- short
- circuit
- electric motor
- switch
- electromagnetic suspension
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Automobile Manufacture Line, Endless Track Vehicle, Trailer (AREA)
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
Abstract
【課題】電磁サスペンションユニットをボディーに組み付ける場合に、組付け効率を向上させる。
【解決手段】電磁サスペンションユニット10は、電動モータのコイル列を短絡させたり、開放したりする短絡スイッチを含む。短絡スイッチは、常閉のスイッチであり、リレーに電圧が印加されると開状態に切り換えられる。短絡スイッチの閉状態においては、コイル列は短絡し、電動モータに制動力が加えられる状態にある。したがって、リフタ286によって電磁サスペンションユニット10を上昇させて、ボディー282に取り付ける場合に、接近離間力発生装置が収縮させられるが、その場合に減衰力が加えられる。それに対して、電磁サスペンションユニット10のコネクタ26に開放装置300を接続して、短絡スイッチを開状態とすれば、抵抗力が小さくなる。その結果、組み付けに要する時間を短くし、組付効率を向上させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】電磁サスペンションユニット10は、電動モータのコイル列を短絡させたり、開放したりする短絡スイッチを含む。短絡スイッチは、常閉のスイッチであり、リレーに電圧が印加されると開状態に切り換えられる。短絡スイッチの閉状態においては、コイル列は短絡し、電動モータに制動力が加えられる状態にある。したがって、リフタ286によって電磁サスペンションユニット10を上昇させて、ボディー282に取り付ける場合に、接近離間力発生装置が収縮させられるが、その場合に減衰力が加えられる。それに対して、電磁サスペンションユニット10のコネクタ26に開放装置300を接続して、短絡スイッチを開状態とすれば、抵抗力が小さくなる。その結果、組み付けに要する時間を短くし、組付効率を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、短絡スイッチを備えた電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける組付方法、車体に組み付ける際に使用される開放装置に関するものである。
特許文献1,2には、電動モータにより作動させられる電磁サスペンションユニットであって、電動モータに含まれるコイル列の両端を短絡させる短絡スイッチを含むものが記載されている。特許文献1,2に記載の電気的サスペンション装置においては、電動モータの制御不能の異常時に、前記短絡スイッチの切り換えにより、コイル列の両端が短絡させられる。それによって、異常時であっても、減衰力を発生させることが可能となる。
特開2003−223220号公報
特開2007−37264号公報
本発明の課題は、短絡スイッチを備えた電磁サスペンションユニットの伸縮を容易にすることであり、例えば、車体への組付工程が良好に行われるようにすることである。
請求項1に記載の開放装置は、電動モータにより伸縮させられる電磁サスペンションユニットであって、(a)前記電動モータに含まれる互いに直列に接続された1つ以上のコイルの列であるコイル列の両端を短絡させる閉状態と、開放する開状態とに切り換え可能な短絡スイッチと、(b)前記電動モータの作動を制御する制御装置に、制御装置側コネクタを介して接続されるユニット側コネクタとを含むものに接続可能な開放装置であって、(a)前記ユニット側コネクタに前記制御装置側コネクタに代えて接続される開放装置側コネクタと、(b)それらユニット側コネクタと開放装置側コネクタとが接続された状態の少なくとも一時期において、前記短絡スイッチを開状態として前記コイル列を開放する開放回路とを含むものとされる。
電磁サスペンションユニットには、ユニット側コネクタと制御装置側コネクタとによって、制御装置が接続される。電磁サスペンションユニットが車両に搭載された状態においては、電磁サスペンションユニットに制御装置が接続されるのであり、制御装置による電動モータの作動の制御により、電磁サスペンションユニットが伸縮させられる。制御装置は、電動モータの作動を制御するものであるが、短絡スイッチの開閉も制御するものとすることができる。
短絡スイッチは常閉のスイッチであり、スイッチ回路に電圧が印加されない場合に、閉状態にある。短絡スイッチが閉状態にあれば、コイル列の両端が短絡させられた状態にあり、電動モータは、回転に対して抵抗力を発生させる状態にある。電動モータが外力によって回転させられると起電力が発生するが、コイル列の両端が短絡された状態にあると、電気エネルギが熱エネルギに変換されて、回転が抑制される。この回転を抑制する力(制動力あるいは抵抗力と称する)は、電磁サスペンションユニットの伸縮を抑制する力となる。短絡状態において生じる制動力は、電動モータの回転速度が大きい場合は小さい場合より大きくなり、電磁サスペンションユニットの伸縮速度が大きい場合は小さい場合より大きくなることが知られている。この意味において、上述の抵抗力(あるいは制動力)を減衰力と称することができる。
短絡スイッチが開状態とされて、コイル列の両端が開放されると、電動モータは自由に回転可能な状態となる。電磁サスペンションユニットの伸縮により電動モータが回転させられることによって起電力が生じても、コイル列の両端が開放されているため、電流が流れず、電動モータの回転に対して抵抗力が加えられることはない。電動モータの自由な回転が許容され、「電動モータにより伸縮させられる装置」の伸縮に対して抵抗力が加えられることがない。
なお、電磁サスペンションユニットに、「電動モータにより伸縮させられる装置」に加えて、コイルスプリングであるサスペンションスプリングが含まれる場合において、短絡スイッチが閉状態にある場合には、電磁サスペンションユニットの伸縮に対して、抵抗力として電動モータにより加えられる減衰力とサスペンションスプリングによる弾性力との両方が加えられる。それに対して、短絡スイッチが開状態にある場合には、サスペンションスプリングの伸縮に対する弾性力は加えられるが、電動モータの自由な回転が許容されることにより「電動モータにより伸縮させられる装置」の伸縮に対して減衰力が加えられなくなる。その結果、電磁サスペンションユニットの伸縮に対する抵抗力を小さくすることができ、電磁サスペンションユニットの伸縮が容易となる。
また、電磁サスペンションユニットに、「電動モータにより伸縮させられる装置」に加えて空気圧室が含まれる場合において、その空気圧室が大気に開放されている場合には、「電動モータにより伸縮させられる装置」の伸縮に対して抵抗力が加えられない場合には、電磁サスペンションユニットの伸縮に対しても抵抗力が加えられることはない。空気圧室が大気から遮断されている場合には、その空気圧室の容積の変化に伴って弾性力としての抵抗力が加えられる。この場合においても、電動モータの自由な回転が許容されることにより、電磁サスペンションユニットの伸縮に対する抵抗力を小さくすることができる。
例えば、短絡スイッチの開閉の制御により、電磁サスペンションユニットを、伸縮に対して抵抗力が加えられる状態(あるいは、減衰力と弾性力との両方が加えられる抵抗力が大きい状態。以下、抵抗力が加えられる状態と称することがある)と、抵抗力が加えられないフリーな状態(あるいは、減衰力が加えられない抵抗力が小さい状態。以下、単にフリーな状態等と称することがある)とに切り換えることが可能であり、ばね上部の振動を抑制し、乗り心地を向上させることができる。
また、短絡スイッチは、常閉のスイッチであるため、制御装置が正常である場合に開状態とされ、あるいは、開閉制御が行われ、制御装置が異常となって、スイッチ回路に電圧が印加されなくなると、閉状態に切り換わる。そのため、制御装置が異常であっても、電磁サスペンションユニットの伸縮に対して減衰力(あるいは、減衰力と弾性力)を発生させることができる。この場合の短絡スイッチの開閉も、制御装置による短絡スイッチの開閉制御の一態様であると考えることができる。
電磁サスペンションユニットのユニット側コネクタには、制御装置側コネクタに代えて開放装置側コネクタを接続することができる。開放装置側コネクタを接続すれば、電磁サスペンションユニットには開放装置が接続される。例えば、電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける際に開放装置が接続されるのであり、接続状態の少なくとも一時期において短絡スイッチが開状態とされる。電動モータのコイル列の両端が開放され、電磁サスペンションユニットはフリーな状態等となる。
電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける際には、電磁サスペンションユニットが収縮させられるが、その場合に、短絡スイッチが閉状態にあると、収縮に伴って抵抗力が加えられる。電磁サスペンションユニットを伸縮させるのに大きな力が必要となったり、組付けに長い時間を要したりするという問題があった。
特に、車体が上方から吊り下げられた状態で下方から電磁サスペンションユニットが上昇させられて組み付けられる場合には、電磁サスペンションユニットを大きな速度で上昇させると、車体が持ち上がることがある。また、電磁サスペンションユニットは、それに含まれるサスペンションスプリングが所定量収縮するまで、収縮させられるのであるが、抵抗力は収縮速度に応じた大きさとなるため、車体が持ち上がらないように、収縮速度を小さくしなければならない。その結果、サスペンションスプリングを所定量収縮させるのに、長時間を要するという問題が生じるのである。
それに対して、組付け工程において、開放装置を接続して、短絡スイッチを開状態とすれば、電磁サスペンションユニットの収縮に対して抵抗力が加えられることがない(あるいは、抵抗力が小さくなる)ため、電磁サスペンションユニットを容易に収縮させることができ、組付作業が容易となる。特に、車体が上方から吊り下げられた状態で組み付けられる場合には、組付けに要する時間を短くすることができ、組付け効率を向上させることができるのであり、良好に組み付けることができる。
電磁サスペンションユニットの伸縮が容易とされれば、車両の保守整備、点検、電磁サスペンションユニットの点検、修理作業等も容易にできるという利点がある。
なお、開放装置は、電磁サスペンションユニットに接続された状態の全期間を通じて、短絡スイッチを開状態とするものであっても、一時期において開状態とするものであってもよい。例えば、電磁サスペンションユニットの伸縮に対して抵抗力が加えられることが望ましくない場合にのみ、開状態とされてもよいのである。
また、電動モータにおいて、1つのコイル列に属するコイルは1つであっても、複数であってもよい。さらに、電動モータは、コイルを1つ含むものであっても、複数のコイルを含むものであってもよい。
請求項2に記載の開放装置は、短絡スイッチのスイッチ回路に電圧を印加可能な電源を含むものである。短絡スイッチが、スイッチ回路への電圧の印加により開状態に切り換えられるものである場合、換言すれば、電圧が印加されていない場合に閉状態にあるスイッチである場合には、スイッチ回路に開放装置の電源の電圧が印加されることにより、短絡スイッチが開状態に切り換えられる。
請求項3に記載の開放装置は、電動モータに起電力が生じたことを検出する起電力検出部を含み、開放回路が、その起電力検出部によって電動モータに起電力が生じたことが検出された場合に、スイッチ回路に電源の電圧を印加することにより、短絡スイッチを開状態に切り換えるスイッチ制御部を含む。
電動モータが電源から遮断された状態において、電動モータが回転させられると、その回転速度に応じた起電力がコイルに生じる(電磁誘導)。換言すれば、電動モータに起電力が生じている状態は、電動モータが電磁サスペンションユニットの伸縮により回転させられている状態であると考えることができる。電磁誘導は、コイル列の両端が短絡状態にあっても、開放状態にあっても生じる。開放状態にある場合には、電磁誘導に起因した電圧差が生じるが、電流が流れることはない。
そこで、本項に記載の開放装置においては、起電力が生じているか否かを検出し、起電力が生じており、電磁サスペンションユニットが伸縮している状態にある場合に、スイッチ回路に電圧を印加することにより短絡スイッチを開状態とする。それに対して、起電力が生じていない場合には、スイッチ回路には電圧が印加されない。このように、必要な場合に限って、スイッチ回路に電圧が印加されるため、開放装置に含まれる電源の消費電力を少なくすることができる。
起電力検出部は、電動モータに生じた起電力を検出するものであり、例えば、電動モータに含まれるコイル列の両端の電圧を検出する電圧検出部としたり、電圧に応じた信号を出力する回路としたりすることができる。上述のように、コイル列の両端の電圧差に基づけば、短絡スイッチが閉状態にあっても開状態にあっても、起電力が生じているか否かがわかる。
請求項4に記載の開放装置においては、電動モータがコイル列を複数含み、短絡スイッチがそれら複数のコイル列毎に設けられる場合において、開放回路が、複数の短絡スイッチを閉状態から開状態に切り換える部分を含む。
開放回路は、複数の短絡スイッチのすべてを開状態に切り換える部分を含むが、それに加えて、複数の短絡スイッチの一部を開状態に切り換える部分も含むものとすることができる。複数の短絡スイッチを含む場合において、一部の短絡スイッチを開状態とすれば、すべての短絡スイッチが閉状態にある場合より、抵抗力を小さくすることができる。
請求項5に記載の開放装置は、電動モータにより伸縮させられ、車両のばね上部とばね下部との間に取り付けられる電磁サスペンションユニットであって、電動モータに含まれる互いに直列に接続された1つ以上のコイルの列であるコイル列の両端を短絡させる閉状態と、開放する開状態とに切り換え可能な短絡スイッチを含むものに接続可能な開放装置であって、当該開放装置が、車両とは別個に設けられ、車両には搭載されないものであって、かつ、短絡スイッチに取外し可能に接続され、接続された状態の少なくとも一時期において、短絡スイッチを開状態とすることによりコイル列を開放する開放回路を含むものとされる。
電磁サスペンションユニットは、車両のばね上部とばね下部との間に設けられるものであり、車両に搭載されるものである。電磁サスペンションユニットの伸縮の制御により、ばね上部の振動を抑制したり、姿勢を制御したりすることができる。
それに対して、開放装置は、車両とは別個に設けられるものであり、車両に搭載されないものである。電磁サスペンションユニットに接続されて使用されるが、そのままの状態で車両に搭載されることではない。車両の通常の使用状態においては(車両本来の機能のためには)、不要なものである。
請求項5に記載の開放装置には、請求項1ないし4のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
電磁サスペンションユニットには、ユニット側コネクタと制御装置側コネクタとによって、制御装置が接続される。電磁サスペンションユニットが車両に搭載された状態においては、電磁サスペンションユニットに制御装置が接続されるのであり、制御装置による電動モータの作動の制御により、電磁サスペンションユニットが伸縮させられる。制御装置は、電動モータの作動を制御するものであるが、短絡スイッチの開閉も制御するものとすることができる。
短絡スイッチは常閉のスイッチであり、スイッチ回路に電圧が印加されない場合に、閉状態にある。短絡スイッチが閉状態にあれば、コイル列の両端が短絡させられた状態にあり、電動モータは、回転に対して抵抗力を発生させる状態にある。電動モータが外力によって回転させられると起電力が発生するが、コイル列の両端が短絡された状態にあると、電気エネルギが熱エネルギに変換されて、回転が抑制される。この回転を抑制する力(制動力あるいは抵抗力と称する)は、電磁サスペンションユニットの伸縮を抑制する力となる。短絡状態において生じる制動力は、電動モータの回転速度が大きい場合は小さい場合より大きくなり、電磁サスペンションユニットの伸縮速度が大きい場合は小さい場合より大きくなることが知られている。この意味において、上述の抵抗力(あるいは制動力)を減衰力と称することができる。
短絡スイッチが開状態とされて、コイル列の両端が開放されると、電動モータは自由に回転可能な状態となる。電磁サスペンションユニットの伸縮により電動モータが回転させられることによって起電力が生じても、コイル列の両端が開放されているため、電流が流れず、電動モータの回転に対して抵抗力が加えられることはない。電動モータの自由な回転が許容され、「電動モータにより伸縮させられる装置」の伸縮に対して抵抗力が加えられることがない。
なお、電磁サスペンションユニットに、「電動モータにより伸縮させられる装置」に加えて、コイルスプリングであるサスペンションスプリングが含まれる場合において、短絡スイッチが閉状態にある場合には、電磁サスペンションユニットの伸縮に対して、抵抗力として電動モータにより加えられる減衰力とサスペンションスプリングによる弾性力との両方が加えられる。それに対して、短絡スイッチが開状態にある場合には、サスペンションスプリングの伸縮に対する弾性力は加えられるが、電動モータの自由な回転が許容されることにより「電動モータにより伸縮させられる装置」の伸縮に対して減衰力が加えられなくなる。その結果、電磁サスペンションユニットの伸縮に対する抵抗力を小さくすることができ、電磁サスペンションユニットの伸縮が容易となる。
また、電磁サスペンションユニットに、「電動モータにより伸縮させられる装置」に加えて空気圧室が含まれる場合において、その空気圧室が大気に開放されている場合には、「電動モータにより伸縮させられる装置」の伸縮に対して抵抗力が加えられない場合には、電磁サスペンションユニットの伸縮に対しても抵抗力が加えられることはない。空気圧室が大気から遮断されている場合には、その空気圧室の容積の変化に伴って弾性力としての抵抗力が加えられる。この場合においても、電動モータの自由な回転が許容されることにより、電磁サスペンションユニットの伸縮に対する抵抗力を小さくすることができる。
例えば、短絡スイッチの開閉の制御により、電磁サスペンションユニットを、伸縮に対して抵抗力が加えられる状態(あるいは、減衰力と弾性力との両方が加えられる抵抗力が大きい状態。以下、抵抗力が加えられる状態と称することがある)と、抵抗力が加えられないフリーな状態(あるいは、減衰力が加えられない抵抗力が小さい状態。以下、単にフリーな状態等と称することがある)とに切り換えることが可能であり、ばね上部の振動を抑制し、乗り心地を向上させることができる。
また、短絡スイッチは、常閉のスイッチであるため、制御装置が正常である場合に開状態とされ、あるいは、開閉制御が行われ、制御装置が異常となって、スイッチ回路に電圧が印加されなくなると、閉状態に切り換わる。そのため、制御装置が異常であっても、電磁サスペンションユニットの伸縮に対して減衰力(あるいは、減衰力と弾性力)を発生させることができる。この場合の短絡スイッチの開閉も、制御装置による短絡スイッチの開閉制御の一態様であると考えることができる。
電磁サスペンションユニットのユニット側コネクタには、制御装置側コネクタに代えて開放装置側コネクタを接続することができる。開放装置側コネクタを接続すれば、電磁サスペンションユニットには開放装置が接続される。例えば、電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける際に開放装置が接続されるのであり、接続状態の少なくとも一時期において短絡スイッチが開状態とされる。電動モータのコイル列の両端が開放され、電磁サスペンションユニットはフリーな状態等となる。
電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける際には、電磁サスペンションユニットが収縮させられるが、その場合に、短絡スイッチが閉状態にあると、収縮に伴って抵抗力が加えられる。電磁サスペンションユニットを伸縮させるのに大きな力が必要となったり、組付けに長い時間を要したりするという問題があった。
特に、車体が上方から吊り下げられた状態で下方から電磁サスペンションユニットが上昇させられて組み付けられる場合には、電磁サスペンションユニットを大きな速度で上昇させると、車体が持ち上がることがある。また、電磁サスペンションユニットは、それに含まれるサスペンションスプリングが所定量収縮するまで、収縮させられるのであるが、抵抗力は収縮速度に応じた大きさとなるため、車体が持ち上がらないように、収縮速度を小さくしなければならない。その結果、サスペンションスプリングを所定量収縮させるのに、長時間を要するという問題が生じるのである。
それに対して、組付け工程において、開放装置を接続して、短絡スイッチを開状態とすれば、電磁サスペンションユニットの収縮に対して抵抗力が加えられることがない(あるいは、抵抗力が小さくなる)ため、電磁サスペンションユニットを容易に収縮させることができ、組付作業が容易となる。特に、車体が上方から吊り下げられた状態で組み付けられる場合には、組付けに要する時間を短くすることができ、組付け効率を向上させることができるのであり、良好に組み付けることができる。
電磁サスペンションユニットの伸縮が容易とされれば、車両の保守整備、点検、電磁サスペンションユニットの点検、修理作業等も容易にできるという利点がある。
なお、開放装置は、電磁サスペンションユニットに接続された状態の全期間を通じて、短絡スイッチを開状態とするものであっても、一時期において開状態とするものであってもよい。例えば、電磁サスペンションユニットの伸縮に対して抵抗力が加えられることが望ましくない場合にのみ、開状態とされてもよいのである。
また、電動モータにおいて、1つのコイル列に属するコイルは1つであっても、複数であってもよい。さらに、電動モータは、コイルを1つ含むものであっても、複数のコイルを含むものであってもよい。
請求項2に記載の開放装置は、短絡スイッチのスイッチ回路に電圧を印加可能な電源を含むものである。短絡スイッチが、スイッチ回路への電圧の印加により開状態に切り換えられるものである場合、換言すれば、電圧が印加されていない場合に閉状態にあるスイッチである場合には、スイッチ回路に開放装置の電源の電圧が印加されることにより、短絡スイッチが開状態に切り換えられる。
請求項3に記載の開放装置は、電動モータに起電力が生じたことを検出する起電力検出部を含み、開放回路が、その起電力検出部によって電動モータに起電力が生じたことが検出された場合に、スイッチ回路に電源の電圧を印加することにより、短絡スイッチを開状態に切り換えるスイッチ制御部を含む。
電動モータが電源から遮断された状態において、電動モータが回転させられると、その回転速度に応じた起電力がコイルに生じる(電磁誘導)。換言すれば、電動モータに起電力が生じている状態は、電動モータが電磁サスペンションユニットの伸縮により回転させられている状態であると考えることができる。電磁誘導は、コイル列の両端が短絡状態にあっても、開放状態にあっても生じる。開放状態にある場合には、電磁誘導に起因した電圧差が生じるが、電流が流れることはない。
そこで、本項に記載の開放装置においては、起電力が生じているか否かを検出し、起電力が生じており、電磁サスペンションユニットが伸縮している状態にある場合に、スイッチ回路に電圧を印加することにより短絡スイッチを開状態とする。それに対して、起電力が生じていない場合には、スイッチ回路には電圧が印加されない。このように、必要な場合に限って、スイッチ回路に電圧が印加されるため、開放装置に含まれる電源の消費電力を少なくすることができる。
起電力検出部は、電動モータに生じた起電力を検出するものであり、例えば、電動モータに含まれるコイル列の両端の電圧を検出する電圧検出部としたり、電圧に応じた信号を出力する回路としたりすることができる。上述のように、コイル列の両端の電圧差に基づけば、短絡スイッチが閉状態にあっても開状態にあっても、起電力が生じているか否かがわかる。
請求項4に記載の開放装置においては、電動モータがコイル列を複数含み、短絡スイッチがそれら複数のコイル列毎に設けられる場合において、開放回路が、複数の短絡スイッチを閉状態から開状態に切り換える部分を含む。
開放回路は、複数の短絡スイッチのすべてを開状態に切り換える部分を含むが、それに加えて、複数の短絡スイッチの一部を開状態に切り換える部分も含むものとすることができる。複数の短絡スイッチを含む場合において、一部の短絡スイッチを開状態とすれば、すべての短絡スイッチが閉状態にある場合より、抵抗力を小さくすることができる。
請求項5に記載の開放装置は、電動モータにより伸縮させられ、車両のばね上部とばね下部との間に取り付けられる電磁サスペンションユニットであって、電動モータに含まれる互いに直列に接続された1つ以上のコイルの列であるコイル列の両端を短絡させる閉状態と、開放する開状態とに切り換え可能な短絡スイッチを含むものに接続可能な開放装置であって、当該開放装置が、車両とは別個に設けられ、車両には搭載されないものであって、かつ、短絡スイッチに取外し可能に接続され、接続された状態の少なくとも一時期において、短絡スイッチを開状態とすることによりコイル列を開放する開放回路を含むものとされる。
電磁サスペンションユニットは、車両のばね上部とばね下部との間に設けられるものであり、車両に搭載されるものである。電磁サスペンションユニットの伸縮の制御により、ばね上部の振動を抑制したり、姿勢を制御したりすることができる。
それに対して、開放装置は、車両とは別個に設けられるものであり、車両に搭載されないものである。電磁サスペンションユニットに接続されて使用されるが、そのままの状態で車両に搭載されることではない。車両の通常の使用状態においては(車両本来の機能のためには)、不要なものである。
請求項5に記載の開放装置には、請求項1ないし4のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
請求項6に記載の組付方法は、電動モータにより伸縮させられる電磁サスペンションユニットであって、その電動モータに含まれる互いに直列に接続された1つ以上のコイルの列であるコイル列の両端を短絡させる閉状態と開放する開状態とに切り換え可能な短絡スイッチを含むものを車体に組み付ける組付方法であって、前記電磁サスペンションユニットを前記車体に組み付ける際に、前記短絡スイッチを閉状態から開状態に切り換えることを特徴とする。
電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける際に、短絡スイッチが開状態とされてコイル列の両端が開放される。その結果、電磁サスペンションユニットをフリーな状態(あるいは、抵抗力が小さい状態)とすることができるため、組付け作業が容易となる。
短絡スイッチは、請求項1〜5に記載のように、開放装置を使用して、開状態に切り換えることができるが、それに限らない。例えば、すでに車両に組み付けられている装置を使用して開状態に切り換えることもできる。
請求項7に記載の組付方法においては、電磁サスペンションユニットがコネクタを備え、電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける際に、コネクタに、短絡スイッチを閉状態から開状態に切り換える開放装置を接続し、電磁サスペンションユニットが車体に組み付けられた後に、コネクタから開放装置を取り外す。
電磁サスペンションユニットが車体に組み付けられる前においては、コネクタには何も接続されていない。電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける場合に、コネクタに開放装置を接続する。開放装置によって短絡スイッチが開状態とされる。そして、組み付けが終了すると、コネクタから開放装置を外す。電磁サスペンションユニットのコネクタには制御装置が接続される。制御装置によって、車両の通常の使用状態において、電動モータや短絡スイッチが制御される。
電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける際に、短絡スイッチが開状態とされてコイル列の両端が開放される。その結果、電磁サスペンションユニットをフリーな状態(あるいは、抵抗力が小さい状態)とすることができるため、組付け作業が容易となる。
短絡スイッチは、請求項1〜5に記載のように、開放装置を使用して、開状態に切り換えることができるが、それに限らない。例えば、すでに車両に組み付けられている装置を使用して開状態に切り換えることもできる。
請求項7に記載の組付方法においては、電磁サスペンションユニットがコネクタを備え、電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける際に、コネクタに、短絡スイッチを閉状態から開状態に切り換える開放装置を接続し、電磁サスペンションユニットが車体に組み付けられた後に、コネクタから開放装置を取り外す。
電磁サスペンションユニットが車体に組み付けられる前においては、コネクタには何も接続されていない。電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける場合に、コネクタに開放装置を接続する。開放装置によって短絡スイッチが開状態とされる。そして、組み付けが終了すると、コネクタから開放装置を外す。電磁サスペンションユニットのコネクタには制御装置が接続される。制御装置によって、車両の通常の使用状態において、電動モータや短絡スイッチが制御される。
本発明の一実施例である開放装置について図面に基づいて説明する。開放装置は、電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける場合に、電磁サスペンションユニットに接続して使用されるものである。電磁サスペンションユニットは、車両に搭載された状態において、電気サスペンションシステムの構成要素となる。
以下、最初に、車両に搭載された電気サスペンションシステムについて説明し、次に、開放装置および開放装置を使用して電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける方法について説明する。
電気サスペンションシステムは、図2,3に示すように、電磁サスペンションユニット10と、制御装置12とを含む。
電磁サスペンションユニット10は、車両の前後左右の各車輪に対応してそれぞれ設けられており、それぞれ、図示しない車輪を保持するばね下部としてのロアアーム16とばね上部としての車体側部材18との間に配設された接近離間力発生装置20と、コイルスプリングであるサスペンションスプリング22と、接近離間力発生装置20を伸縮させる電動モータ24と、ユニット側コネクタ26とを含む。電磁サスペンションユニット10は、マウント部27に固定された取付部材28によって車体側部材18に取り付けられ、取り付けられた状態において、ユニット側コネクタ26に制御装置側コネクタ29が接続されて、制御装置12が接続される。
以下、最初に、車両に搭載された電気サスペンションシステムについて説明し、次に、開放装置および開放装置を使用して電磁サスペンションユニットを車体に組み付ける方法について説明する。
電気サスペンションシステムは、図2,3に示すように、電磁サスペンションユニット10と、制御装置12とを含む。
電磁サスペンションユニット10は、車両の前後左右の各車輪に対応してそれぞれ設けられており、それぞれ、図示しない車輪を保持するばね下部としてのロアアーム16とばね上部としての車体側部材18との間に配設された接近離間力発生装置20と、コイルスプリングであるサスペンションスプリング22と、接近離間力発生装置20を伸縮させる電動モータ24と、ユニット側コネクタ26とを含む。電磁サスペンションユニット10は、マウント部27に固定された取付部材28によって車体側部材18に取り付けられ、取り付けられた状態において、ユニット側コネクタ26に制御装置側コネクタ29が接続されて、制御装置12が接続される。
接近離間力発生装置20は、互いに軸線方向(接近離間力発生装置20の軸線の方向であり、以下、同様に軸線方向と称する)に相対移動可能に嵌合させられたアウタチューブ30およびインナチューブ32を含む。インナチューブ32は、アウタチューブ30に嵌入してアウタチューブ30の上端部から上方に突出する。その上方の突出端部にはフランジ部36が形成され、フランジ部36においてマウント部27に固定され、それによって、車体側部材18に固定される。アウタチューブ30の内壁面には、軸線方向に延びる一対のガイド溝38が設けられ、一対のガイド溝38の各々に、インナチューブ32の下端部に設けられた一対のキー40がそれぞれ係合させられている。それらガイド溝38およびキー40によって、アウタチューブ30とインナチューブ32とが、相対回転不能、軸線方向に相対移動可能とされている。なお、アウタチューブ30の上端部には、シール42が設けられている。
接近離間力発生装置20は、雄ねじ部が形成されたねじ部材50と、ベアリングボールを保持してそのねじ部材50と螺合する雌ねじ部が形成されたナット52とを備えたボールねじ機構(運動変換機構)54を含む。ねじ部材50は、軸線方向に延びた姿勢で、電動モータ24の出力軸58に相対回転不能に取り付けられる。一方、ナット52は、ねじ部材50と螺合した状態で、アウタチューブ30に固定されたナット支持筒60の上端部に固定されている。なお、電動モータ24はモータケース61に支持され、モータケース61がマウント部27に固定されるのであり、それによって、車体側部材18に固定される。また、モータ出力軸58およびねじ部材50は中空状とされている。
サスペンションスプリング22は、フランジ部36(あるいはマウント部27)に設けられた上部リテーナ62と、アウタチューブ30に設けられた下部リテーナ64との間に配設されている。したがって、電磁サスペンションユニット10が車体側部材18に組み付けられた状態においては、サスペンションスプリング22と接近離間力発生装置20とは、車体側部材(以下、ばね上部と称することがある)18とロアアーム(以下、ばね下部と称することがある)16との間に並列に設けられることになる。
アウタチューブ32の下端部にはシリンダ装置としてのショックアブソーバ68が固定されている。シリンダ装置68は、作動液が満たされたハウジング70と、ハウジング70に対して相対移動可能に嵌合されたピストン72とを含み、ピストン72によって、そのハウジング70内部が2つの液室に仕切られる。ピストン72のピストンロッド74は、中空状のねじ部材50およびモータ出力軸58を貫通し、モータケース61に固定されている。ピストン72には、上室80と下室82とを接続する連通路84が設けられ、連通路84には可変絞り86が設けられている。可変絞り86により、連通路84の流路面積が可変とされ、それによって、シリンダ装置68において発生させられる減衰力が制御可能とされている。本実施例においては、可変絞り86に電気信号が供給されなくても、連通路84が閉状態にされないようにされている。
本実施例において、電動モータ24の回転に伴ってねじ部材50が回転させられ、ナット支持筒60およびアウタチューブ30が軸線方向に直線移動させられる。電動モータ24のモータ出力軸58に加えられた出力がボールねじ機構54を介してアウタチューブ30に伝達される。それによって、アウタチューブ30とインナチューブ32とを軸線方向に相対移動させることができるのであり、相対移動に対する推進力を付与して、能動的にストローク動作を行わせることができる。例えば、接近離間力発生装置20は、ばね上部18の動作に対してばね上絶対速度に比例する減衰力を作用させるいわゆるスカイフックダンパ理論に基づく制御、および、ばね下部16の動作に対してばね下絶対速度に比例する減衰力を作用させる擬似的なグランドフック理論に基づく制御を実行することが可能である。さらに、推進力により上下方向におけるばね上部18とばね下部16との距離を積極的に変更し、また、ばね上ばね下間距離を所定の距離に維持する機能をも有している。この機能によって、旋回時の車体のロール,加速・減速時の車体のピッチ等を効果的に抑制すること、車両の車高を調整すること等が可能である。
図3に示すように、制御装置12は、入出力部,記憶部,実行部等を備えたコンピュータを主体として構成されたコントローラ142と、前後左右の各接近離間力発生装置20の電動モータ24の各々に対応して設けられた駆動回路としてのインバータ146とを有している。インバータ146の各々は、それぞれ、コンバータ148を介してバッテリ150に接続されている。
入出力部には、図示を省略するが、制御に必要な複数のセンサが接続されている。例えば、前後左右の各輪毎に設けられ、ばね上部18の上下加速度を検出するばね上加速度センサ、ばね下部16とばね上部18との間のストロークを検出するストロークセンサ、車速センサ、操舵角センサ、車両前後加速度センサ、車両横加速度センサ、アクセル開度センサ、ブレーキ力センサ等が該当する。
記憶部には、接近離間力発生装置20を制御する複数のプログラムやデータ等が記憶されている。
入出力部には、図示を省略するが、制御に必要な複数のセンサが接続されている。例えば、前後左右の各輪毎に設けられ、ばね上部18の上下加速度を検出するばね上加速度センサ、ばね下部16とばね上部18との間のストロークを検出するストロークセンサ、車速センサ、操舵角センサ、車両前後加速度センサ、車両横加速度センサ、アクセル開度センサ、ブレーキ力センサ等が該当する。
記憶部には、接近離間力発生装置20を制御する複数のプログラムやデータ等が記憶されている。
電動モータ24は3相のコイル150,152,154がスター結線(Y結線)された3相ブラシレスDCモータであり、インバータ146の制御によって制御される。インバータ146は、図示するように一般的なものであり、電動モータ24のU相,V相,W相の各コイル150,152,154のhigh側(高電位側),low側(低電位側)にそれぞれ対応する6つのスイッチング素子HUS,HVS,HWS,LUS,LVS,LWSと、それらスイッチング素子を開閉制御するスイッチング素子制御回路190とを含む。スイッチング素子制御回路190は、モータ回転角(電気角)に基づいてスイッチング素子を開閉作動させるのであり、複数のスイッチング素子をPWM(Pulse Width Modulation)制御することによって、電動モータ24に流れる電流量を制御する。スイッチング素子制御回路190がパルスオン時間TONとパルスオフ時間TOFFとによって定まるデューティ比Rduty(=TON/(TON+TOFF))を変更することで、電動モータ24を流れる電流量が制御され、回転トルクの大きさが制御される。具体的には、デューティ比が大きくされると、電流量が大きくされて、電動モータ24に発生する回転トルクが大きくされる。
電動モータ24が外部からの力によって回転させられる場合には、電動モータ24には起電力が生じる。この起電力はバッテリ150に回生可能とされており、それによって、相対移動を抑制することができる。
電動モータ24が外部からの力によって回転させられる場合には、電動モータ24には起電力が生じる。この起電力はバッテリ150に回生可能とされており、それによって、相対移動を抑制することができる。
上記インバータ146とバッテリ150との間には電源スイッチ200が設けられ、電動モータ24の3つのコイル150,152,154の通電端子間、詳しくは、U相のコイル150とV相のコイル152との通電端子間,V相のコイル152とW相のコイル154との通電端子間の各々には、それぞれ、短絡スイッチ202,204が設けられる。電源スイッチ200は、バッテリ150とインバータ146との間を連通させたり、遮断したりするスイッチであり、短絡スイッチ202,204は、通電端子間を短絡したり、開放したりするスイッチである。本実施例においは、コイル150,152によってコイル列205が構成され、コイル152,154によってコイル列206が構成されるのであり、これらコイル列205,206の通電端子間(両端部の間)に、短絡スイッチ202,204が設けられることになる。電動モータ24は2つのコイル列205,206を含むことになる。
電源スイッチ200に対応してリレー210が設けられ、短絡スイッチ202,204の各々に対応して、それぞれ、リレー212,214が設けられる。リレー210,212,214は、それぞれ、コイルを含むものであり、コイルを励磁、消磁させることにより、スイッチ200,202,204を開閉させる。リレー210を含むスイッチ回路218には、リレー用スイッチ220が設けられ、リレー212,214が並列に接続されたスイッチ回路222にはリレー用スイッチ224が設けられる。スイッチ回路218,222は、それぞれ、バッテリ150を含むものであり、リレー用スイッチ220,224は、コントローラ142の指令に基づいて開閉させられるものであり、スイッチング素子制御回路190から電圧が印加されない場合は開状態にある。
電源スイッチ200は、常開のスイッチであり、リレー210に電圧が印加されない場合に開状態(OFF状態)にあり、リレー210に電圧が印加されると閉状態(ON状態)とされる。
短絡スイッチ202,204は、それぞれ、常閉のスイッチであり、リレー212,214に電圧が印加されない場合に閉状態(OFF状態)にあり、リレー212,214に電圧が印加されると開状態(ON状態)とされる。
本実施例においては、短絡スイッチ202,204は、電磁サスペンションユニット10の構成要素である。
電源スイッチ200は、常開のスイッチであり、リレー210に電圧が印加されない場合に開状態(OFF状態)にあり、リレー210に電圧が印加されると閉状態(ON状態)とされる。
短絡スイッチ202,204は、それぞれ、常閉のスイッチであり、リレー212,214に電圧が印加されない場合に閉状態(OFF状態)にあり、リレー212,214に電圧が印加されると開状態(ON状態)とされる。
本実施例においては、短絡スイッチ202,204は、電磁サスペンションユニット10の構成要素である。
電気サスペンションシステム(電磁サスペンションユニット10が車両に組み付けられて、コネクタ26,29を介して制御装置12に接続された状態)が正常である場合には、本電気サスペンションシステムにおいて、接近離間力発生装置20において発生させられる接近離間力は、主として、インバータ146の制御により、電動モータ24への供給電流が制御されることによって制御される。インバータ146の制御により、電動モータ24の回転が抑制されて、上下方向の振動が抑制されることもある。インバータ146による制御、接近離間力の制御については、本発明の説明とは関係がないため、説明を省略する。
なお、シリンダ装置68においては、可変絞り86によって決まる連通路84の流路面積に応じた減衰力が、ばね上部18とばね下部16との上下方向の相対移動に伴って発生させられる。
なお、シリンダ装置68においては、可変絞り86によって決まる連通路84の流路面積に応じた減衰力が、ばね上部18とばね下部16との上下方向の相対移動に伴って発生させられる。
電気系統の失陥時(電力を供給不能な場合)には、リレー210,212,214に電圧が印加されなくなることにより、電源スイッチ200が開状態とされ、短絡スイッチ202,204が閉状態とされる。また、制御装置12の異常時(インバータ146によってスイッチング素子を制御不能な場合等)には、スイッチング素子制御回路190による制御が行われないようにされている。リレー用スイッチ220,224に電圧が印加されなくなることにより、開状態となり、電源スイッチ200が開状態となり、短絡スイッチ202,204が閉状態となる。電動モータ24が電源150から遮断され、電動モータ24の各コイル列205,206が短絡される。
この短絡スイッチ202,240の閉状態において、電動モータ24が、電磁サスペンションユニット10の伸縮により回転させられる場合には、電動モータ24の回転によって発生させられる起電力に応じた電気エネルギが熱エネルギに変換されて、回転が抑制される。この回転を抑制する抵抗力は、電磁サスペンションユニット12の伸縮を抑制する抵抗力となる。また、この抵抗力は、電動モータ24の回転速度、すなわち、電磁サスペンションユニット12の伸縮速度に応じた大きさとなるため、減衰力として作用する。それによって、電動モータ24の制御が行われていない状態であっても、減衰力を発生させることが可能となる。それによって、上下方向の振動を抑制することができる。
なお、減衰力はシリンダ装置68においても発生させられる。
この短絡スイッチ202,240の閉状態において、電動モータ24が、電磁サスペンションユニット10の伸縮により回転させられる場合には、電動モータ24の回転によって発生させられる起電力に応じた電気エネルギが熱エネルギに変換されて、回転が抑制される。この回転を抑制する抵抗力は、電磁サスペンションユニット12の伸縮を抑制する抵抗力となる。また、この抵抗力は、電動モータ24の回転速度、すなわち、電磁サスペンションユニット12の伸縮速度に応じた大きさとなるため、減衰力として作用する。それによって、電動モータ24の制御が行われていない状態であっても、減衰力を発生させることが可能となる。それによって、上下方向の振動を抑制することができる。
なお、減衰力はシリンダ装置68においても発生させられる。
次に、電磁サスペンションユニット10を車体に組み付ける場合について説明する。
車体側部材18に取り付ける前においては、電磁サスペンションユニット10のユニット側コネクタ26には何も接続されていない。リレー212,214には、電流が供給されないため、短絡スイッチ202,204は閉状態にある。
一方、電磁サスペンションユニット10をボディーに組み付ける場合には、図1に示すように、一対のハンガー280に保持されたボディー282が、一対のレール284に沿って、順番に搬送され、予め定められた所定の位置において停止する。電磁サスペンションユニット10が支持部285によって支持されてリフタ286によって上昇させられて(電磁サスペンションユニット10、図示しないエンジンユニット等の部品がサスペンションメンバに取り付けられたものが支持されて上昇させられることもある)、ボディー282の予め定められた部分に組み付けられる。その場合に、電磁サスペンションユニット10のマウント部27が車体側部材18(ボディー282の一部)に当接すると、その後、リフタ286の上昇に伴って接近離間力発生装置20が収縮させられ、サスペンションスプリング22が収縮させられる。電磁サスペンションユニット10は、サスペンションスプリング22が所定量圧縮させられた状態で取り付けられる。
車体側部材18に取り付ける前においては、電磁サスペンションユニット10のユニット側コネクタ26には何も接続されていない。リレー212,214には、電流が供給されないため、短絡スイッチ202,204は閉状態にある。
一方、電磁サスペンションユニット10をボディーに組み付ける場合には、図1に示すように、一対のハンガー280に保持されたボディー282が、一対のレール284に沿って、順番に搬送され、予め定められた所定の位置において停止する。電磁サスペンションユニット10が支持部285によって支持されてリフタ286によって上昇させられて(電磁サスペンションユニット10、図示しないエンジンユニット等の部品がサスペンションメンバに取り付けられたものが支持されて上昇させられることもある)、ボディー282の予め定められた部分に組み付けられる。その場合に、電磁サスペンションユニット10のマウント部27が車体側部材18(ボディー282の一部)に当接すると、その後、リフタ286の上昇に伴って接近離間力発生装置20が収縮させられ、サスペンションスプリング22が収縮させられる。電磁サスペンションユニット10は、サスペンションスプリング22が所定量圧縮させられた状態で取り付けられる。
電磁サスペンションユニット10をボディー282に組み付ける場合に、短絡スイッチ202,204が閉状態にあると、コイル列205,206が短絡状態にあり、接近離間力発生装置20の収縮に伴って抵抗力が加えられる。この場合の抵抗力は、接近離間力発生装置20の収縮速度に応じた減衰力と、サスペンションスプリング22の弾性力とを含む大きさとなる。そのため、図1に示すように、ボディー282が上方から吊り下げられた状態で下方から電磁サスペンションユニット10等が上昇させられて組み付けられる場合に、電磁サスペンションユニット10を大きな速度で上昇させると、ボディー282が持ち上がることがある。また、ボディー282が持ち上がらないように、上昇速度を小さくすると、サスペンションスプリング22を所定量収縮させるのに、長時間を要する。
そこで、本実施例においては、電磁サスペンションユニット10のユニット側コネクタ26に、開放装置300を接続する。開放装置300は、図4に示すように、電源302と、その電源302を含むリレー用回路304と、開放装置側コネクタ306とを含む。ユニット側コネクタ26と開放装置側コネクタ306とが接続されると、リレー用回路304が閉じられ、リレー212,214が並列に、電源302に接続されることになる。リレー212,214に電源302が接続されるため、リレー212,214に電圧が印加されて励磁されて、短絡スイッチ202,204が閉状態から開状態に切り換えられる。短絡スイッチ202,204は、ユニット側コネクタ26に開放装置300が接続された状態の全期間において、開状態に保たれることになる。
開放装置300が接続された電磁サスペンションユニット10等は、支持部285に支持されて、リフタ286によって上昇させられてボディー282に組み付けられる。組み付けの際に、短絡スイッチ202,204が開状態にあり、コイル列205,206が開放状態にあるため、収縮に伴って電動モータ24に起因して抵抗力が加えられることがない。この場合には、サスペンションスプリング22の弾性力と、シリンダ装置68における減衰力とが加えられる。収縮に伴って加えられる抵抗力を小さくすることができるため、組付けに要する時間を短くして、組付け効率を向上させることができる。
そして、組み付けが終了した後に、ユニット側コネクタ26から開放装置側コネクタ306(開放装置300)が取り外されて、制御装置12の制御装置側コネクタ29が接続される。車両の通常の使用状態において、電磁サスペンションユニット10は、制御装置12により制御されることになる。
本実施例においては、電源302,リレー用回路304等により開放回路310が構成される。リレー212,212を含むスイッチ回路222に電源302により電圧を印加して、短絡スイッチ202,204が開状態とされる。
そして、組み付けが終了した後に、ユニット側コネクタ26から開放装置側コネクタ306(開放装置300)が取り外されて、制御装置12の制御装置側コネクタ29が接続される。車両の通常の使用状態において、電磁サスペンションユニット10は、制御装置12により制御されることになる。
本実施例においては、電源302,リレー用回路304等により開放回路310が構成される。リレー212,212を含むスイッチ回路222に電源302により電圧を印加して、短絡スイッチ202,204が開状態とされる。
なお、開放装置は、図5に示す構造を成したものとすることができる。本実施例において、開放装置348は、電源350と、電源350を含むリレー用回路352と、そのリレー用回路352に設けられたリレー用スイッチ354と、電動モータ24のコイル間の電圧差に応じた信号を出力する電圧検出回路(起電力検出部の一態様である)356と、コンピュータ358と、開放装置側コネクタ360とを含む。コンピュータ358は、入出力部370,記憶部372,実行部374等を含み、入出力部370には、電圧検出回路356が接続されるとともに、リレー用スイッチ354がスイッチ回路380を介して接続される。
リレー用スイッチ354が開状態にある場合には、リレー212,214には電圧が印加されないため、短絡スイッチ202,204は閉状態にあるが、リレー用スイッチ354が閉状態とされると、短絡スイッチ202,204が開状態とされる。
電圧検出回路356は、コイル列206の両端間に設けられた抵抗390,391と、コンパレータ392とを含み、コンパレータ392には、抵抗390、391の間の電圧と予め定められた一定の電圧Vthとが入力され、抵抗390、391の間の電圧が一定電圧(しきい値)Vthより高い場合に、HIGH信号を出力する。
記憶部372には、図6のフローチャートで表されるスイッチ制御プログラムが記憶されている。
リレー用スイッチ354が開状態にある場合には、リレー212,214には電圧が印加されないため、短絡スイッチ202,204は閉状態にあるが、リレー用スイッチ354が閉状態とされると、短絡スイッチ202,204が開状態とされる。
電圧検出回路356は、コイル列206の両端間に設けられた抵抗390,391と、コンパレータ392とを含み、コンパレータ392には、抵抗390、391の間の電圧と予め定められた一定の電圧Vthとが入力され、抵抗390、391の間の電圧が一定電圧(しきい値)Vthより高い場合に、HIGH信号を出力する。
記憶部372には、図6のフローチャートで表されるスイッチ制御プログラムが記憶されている。
接近離間力発生装置20の伸縮により、電動モータ24が回転させられると、それに起因してコイル150,152,154に起電力が生じ、コイル間に電圧差が生じる。起電力は、短絡スイッチ202,204が閉状態にあっても、開状態にあっても生じる。
電圧検出回路356は、上述のように、コイル152、154の間の電圧差に応じた信号を出力するものであるが、コイル152に生じる起電力に応じた電圧変化と、コイル154に生じる起電力に応じた電圧変化とでは位相が120°ずれるため、これらの間の電圧差は、電動モータ24の回転に伴って変化する。また、これらの間の電圧差は、しきい値Vthより大きくなったり、小さくなったりするが、電動モータ24が停止し、起電力が発生しなくなると、常に、しきい値Vthより小さくなる。以上の事情に基づき、本実施例においては、電圧検出回路356の出力値がHIGHである場合、あるいは、HIGHでない時間が予め定められた設定時間以内である場合には、電動モータ24が回転させられている状態であると判定し、短絡スイッチ202,204を開状態に保つが、HIGHでない時間が設定時間を超えた場合には、回転させられていない状態、すなわち、組み付けが終了したとして、短絡スイッチ202,204を閉状態とする。
電圧検出回路356は、上述のように、コイル152、154の間の電圧差に応じた信号を出力するものであるが、コイル152に生じる起電力に応じた電圧変化と、コイル154に生じる起電力に応じた電圧変化とでは位相が120°ずれるため、これらの間の電圧差は、電動モータ24の回転に伴って変化する。また、これらの間の電圧差は、しきい値Vthより大きくなったり、小さくなったりするが、電動モータ24が停止し、起電力が発生しなくなると、常に、しきい値Vthより小さくなる。以上の事情に基づき、本実施例においては、電圧検出回路356の出力値がHIGHである場合、あるいは、HIGHでない時間が予め定められた設定時間以内である場合には、電動モータ24が回転させられている状態であると判定し、短絡スイッチ202,204を開状態に保つが、HIGHでない時間が設定時間を超えた場合には、回転させられていない状態、すなわち、組み付けが終了したとして、短絡スイッチ202,204を閉状態とする。
スイッチ制御プログラムはユニット側コネクタ26と開放装置側コネクタ360とが接続された状態において、予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、リレー用スイッチ354がOFF(開状態)とされる。リレー212,214には電圧が印加されないため、短絡スイッチ202,204は閉状態のままである。
S2において、電圧検出回路356の出力信号が読み込まれ、HIGHであるか否かが判定される。組付け工程が開始される以前においては、電動モータ24は停止状態にあるため、LOW信号が出力される(HIGH信号ではない)。S3において、リレー用スイッチ354がON(閉状態)であるか否かが判定される。組付け工程が開始される以前においては、リレー用スイッチ354はOFF(開状態)にあるため、S3の判定はNOとなり、以下、S1〜3が繰り返し実行される。
S1〜3が繰り返し実行されるうちに、組付け工程が開始され、電動モータ24が電磁サスペンションユニット10の収縮に伴って回転させられると、電圧検出回路356からの信号がHIGHとなるため、S2の判定がYESとなり、S4において、リレー用スイッチ354に電圧が印加されて、閉状態とされる。電源350によりリレー212,214に電圧が印加されて、励磁されて、短絡スイッチ202,204が開状態とされる。コイル列205,206が開放され、電動モータ24はフリーの状態となる。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、リレー用スイッチ354がOFF(開状態)とされる。リレー212,214には電圧が印加されないため、短絡スイッチ202,204は閉状態のままである。
S2において、電圧検出回路356の出力信号が読み込まれ、HIGHであるか否かが判定される。組付け工程が開始される以前においては、電動モータ24は停止状態にあるため、LOW信号が出力される(HIGH信号ではない)。S3において、リレー用スイッチ354がON(閉状態)であるか否かが判定される。組付け工程が開始される以前においては、リレー用スイッチ354はOFF(開状態)にあるため、S3の判定はNOとなり、以下、S1〜3が繰り返し実行される。
S1〜3が繰り返し実行されるうちに、組付け工程が開始され、電動モータ24が電磁サスペンションユニット10の収縮に伴って回転させられると、電圧検出回路356からの信号がHIGHとなるため、S2の判定がYESとなり、S4において、リレー用スイッチ354に電圧が印加されて、閉状態とされる。電源350によりリレー212,214に電圧が印加されて、励磁されて、短絡スイッチ202,204が開状態とされる。コイル列205,206が開放され、電動モータ24はフリーの状態となる。
電圧検出回路356からの信号がHIGHである間、S2,4が繰り返し実行される。S4が実行される際に、リレー用スイッチ354はすでにON状態にあるが差し支えない。
それに対して、電圧検出回路356の出力信号がLOWになった場合には、S2において判定がNOとなるが、リレー用スイッチ354がON状態にあるため、S3の判定がYESとなり、S5において、電圧検出回路356からの出力信号がLOW信号である状態が設定時間以上継続しているか否かが判定される。LOW信号である状態の継続時間が設定時間以内である場合には、S5の判定がNOとなる。この場合には、リレー用スイッチ354がOFF状態にされることはない。電圧検出回路356の出力信号がLOWである間、S2,3,5が繰り返し実行されるが、設定時間を経過しない間に、信号がHIGHとなれば、S4が実行される。この場合には、継続時間の計測もリセットされる。
電動モータ24が電磁サスペンションユニット10の収縮に伴って回転させられている間、S2,4あるいは、S2,3,5が繰り返し実行され、リレー用スイッチ354はON状態(閉状態)に保たれる。そのうちに、電圧検出回路356の出力信号がLOWである状態が設定時間を越えて継続すると、S5の判定がYESとなり、S6において、リレー用スイッチ254がOFF(開状態)とされる。リレー212,214に電圧が印加されなくなり、短絡スイッチ202,204が閉状態に切り換えられる。組付け工程が終了したため、短絡スイッチ202,204を閉状態に切り換えても差し支えない。
リレー用スイッチ254がON状態からOFF状態に切り換えられれば、その後、本プログラムが実行されようにすることができる。例えば、振動等に起因して、電動モータ24に起電力が生じ、それによって、リレー212,214に再度電圧が印加されることを防止するためである。
以上のように、本実施例においては、必要な場合に限って、リレー212,214に電圧が印加されるようにされているため、開放装置348の電源350における消費電力を低減させることができる。
本実施例においては、コンピュータ358のスイッチ制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりスイッチ制御部が構成され、スイッチ制御部およびリレー用回路352,電源250,リレー用スイッチ354,電圧検出回路354等により開放回路396が構成される。
それに対して、電圧検出回路356の出力信号がLOWになった場合には、S2において判定がNOとなるが、リレー用スイッチ354がON状態にあるため、S3の判定がYESとなり、S5において、電圧検出回路356からの出力信号がLOW信号である状態が設定時間以上継続しているか否かが判定される。LOW信号である状態の継続時間が設定時間以内である場合には、S5の判定がNOとなる。この場合には、リレー用スイッチ354がOFF状態にされることはない。電圧検出回路356の出力信号がLOWである間、S2,3,5が繰り返し実行されるが、設定時間を経過しない間に、信号がHIGHとなれば、S4が実行される。この場合には、継続時間の計測もリセットされる。
電動モータ24が電磁サスペンションユニット10の収縮に伴って回転させられている間、S2,4あるいは、S2,3,5が繰り返し実行され、リレー用スイッチ354はON状態(閉状態)に保たれる。そのうちに、電圧検出回路356の出力信号がLOWである状態が設定時間を越えて継続すると、S5の判定がYESとなり、S6において、リレー用スイッチ254がOFF(開状態)とされる。リレー212,214に電圧が印加されなくなり、短絡スイッチ202,204が閉状態に切り換えられる。組付け工程が終了したため、短絡スイッチ202,204を閉状態に切り換えても差し支えない。
リレー用スイッチ254がON状態からOFF状態に切り換えられれば、その後、本プログラムが実行されようにすることができる。例えば、振動等に起因して、電動モータ24に起電力が生じ、それによって、リレー212,214に再度電圧が印加されることを防止するためである。
以上のように、本実施例においては、必要な場合に限って、リレー212,214に電圧が印加されるようにされているため、開放装置348の電源350における消費電力を低減させることができる。
本実施例においては、コンピュータ358のスイッチ制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりスイッチ制御部が構成され、スイッチ制御部およびリレー用回路352,電源250,リレー用スイッチ354,電圧検出回路354等により開放回路396が構成される。
なお、上記実施例においては、組付け工程において、2つの短絡スイッチ202,204の両方が開状態とされるようにされていたが、いずれか一方のみが開状態とされるようにすることもできる。2つの短絡スイッチ202,204の両方が閉状態にある場合より、いずれか一方のみが閉状態にある方が、電動モータ24の抵抗を小さくすることができる。
また、上記実施例においては、電磁サスペンションユニット10をボディー282に組み付ける場合について説明したが、車両の保守、点検、電磁サスペンションユニット10の検査、修理等の際に、開放装置300,348を制御装置12に代わって取り付ければ、電磁サスペンションユニット10の伸縮を容易にでき、作業を容易にすることができる。
さらに、上記実施例においては、電磁サスペンションユニット10のユニット側コネクタ26が、制御装置側コネクタ29にも開放装置側コネクタ306,360にも接続され可能なものであったが、開放装置側コネクタ306,360専用のコネクタとすることもできる。
また、短絡スイッチ202,204は、コントローラ142が正常であって、インバータ146が異常である場合に、開閉制御されるようにすることができる。電源スイッチ200の開状態において、短絡スイッチ202,204を開状態とすれば、フリーな状態(サスペンションスプリング22の弾性力のみが加えられる状態)とすることができ、短絡スイッチ202,204を閉状態とすれば、ストロークに対して減衰力が発生させられる状態とすることができる。このことを利用して、例えば、スカイフック理論に基づいて、短絡スイッチ202,204を開閉させることができるのであり、それによって、ばね上部18の振動を良好に抑制することができる。
また、上記実施例においては、電磁サスペンションユニット10をボディー282に組み付ける場合について説明したが、車両の保守、点検、電磁サスペンションユニット10の検査、修理等の際に、開放装置300,348を制御装置12に代わって取り付ければ、電磁サスペンションユニット10の伸縮を容易にでき、作業を容易にすることができる。
さらに、上記実施例においては、電磁サスペンションユニット10のユニット側コネクタ26が、制御装置側コネクタ29にも開放装置側コネクタ306,360にも接続され可能なものであったが、開放装置側コネクタ306,360専用のコネクタとすることもできる。
また、短絡スイッチ202,204は、コントローラ142が正常であって、インバータ146が異常である場合に、開閉制御されるようにすることができる。電源スイッチ200の開状態において、短絡スイッチ202,204を開状態とすれば、フリーな状態(サスペンションスプリング22の弾性力のみが加えられる状態)とすることができ、短絡スイッチ202,204を閉状態とすれば、ストロークに対して減衰力が発生させられる状態とすることができる。このことを利用して、例えば、スカイフック理論に基づいて、短絡スイッチ202,204を開閉させることができるのであり、それによって、ばね上部18の振動を良好に抑制することができる。
さらに、図3において、リレー212,214を含むスイッチ回路222は、インバータ146のA点において接続されるようにすることもできる。この場合には、リレー用スイッチ224は不要となる。短絡スイッチ202,204が電源スイッチ200の開閉とは、別個独立に開閉させられない場合、すなわち、電源スイッチ200が閉状態にあると短絡スイッチ202,204は開状態にあり、電源スイッチ200が開状態にされると閉状態にされる場合には、リレー用スイッチ224は不要となる。本実施例においても、電源の失陥時には、電源スイッチ200が開状態とされるため、短絡スイッチ202,204は閉状態となる。
また、リレー212を含むスイッチ回路、リレー214を含むスイッチ回路は、それぞれ、別個の回路とすることもできる。
さらに、スイッチ220は、イグニッションスイッチのON・OFFにより連動してON・OFFさせられるスイッチとすることもできる。イグニッションスイッチがON状態に切り換わった場合にスイッチ220がON(閉状態)とされるようにするのである。電気系統の異常により、バッテリ150から電力が供給されなくなれば、電源スイッチ200が閉状態にあっても、電動モータ24には電力が供給されなくなる。その場合に、短絡スイッチ202,204は閉状態とされるため、電気系統の異常時に、上下方向の移動に伴って減衰力が発生させられる状態とすることができる。
また、電動モータ24の構造は、上記実施例におけるそれに限らない。3相のDCブラシレスモータに限らず、他の型のモータとすること等ができる。
さらに、接近離間力発生装置20において、電動モータ24によりナットが回転させられるようにすることができる。また、電動モータをリニアモータとすることもできる。その場合には、複数のコイルは、軸線と平行に並んで複数設けられることになる。
その他、本発明は、前述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
また、リレー212を含むスイッチ回路、リレー214を含むスイッチ回路は、それぞれ、別個の回路とすることもできる。
さらに、スイッチ220は、イグニッションスイッチのON・OFFにより連動してON・OFFさせられるスイッチとすることもできる。イグニッションスイッチがON状態に切り換わった場合にスイッチ220がON(閉状態)とされるようにするのである。電気系統の異常により、バッテリ150から電力が供給されなくなれば、電源スイッチ200が閉状態にあっても、電動モータ24には電力が供給されなくなる。その場合に、短絡スイッチ202,204は閉状態とされるため、電気系統の異常時に、上下方向の移動に伴って減衰力が発生させられる状態とすることができる。
また、電動モータ24の構造は、上記実施例におけるそれに限らない。3相のDCブラシレスモータに限らず、他の型のモータとすること等ができる。
さらに、接近離間力発生装置20において、電動モータ24によりナットが回転させられるようにすることができる。また、電動モータをリニアモータとすることもできる。その場合には、複数のコイルは、軸線と平行に並んで複数設けられることになる。
その他、本発明は、前述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
10:電磁サスペンションユニット 12:制御装置 22:サスペンションスプリング 24:電動モータ 26:ユニット側コネクタ 29:制御装置側コネクタ 30:アウタチューブ 32:インナチューブ 54:ボールねじ機構 150〜154:コイル 202,204:短絡スイッチ 212,214:リレー 222:スイッチ回路 300,348:開放装置 302,350:電源 304,352:リレー用回路 354:リレー用スイッチ 356:電圧検出回路
Claims (7)
- 電動モータにより伸縮させられる電磁サスペンションユニットであって、(a)前記電動モータに含まれる互いに直列に接続された1つ以上のコイルの列であるコイル列の両端を短絡させる閉状態と、開放する開状態とに切り換え可能な短絡スイッチと、(b)前記電動モータの作動を制御する制御装置に、制御装置側コネクタを介して接続されるユニット側コネクタとを含むものに接続可能な開放装置であって、
前記ユニット側コネクタに前記制御装置側コネクタに代えて接続される開放装置側コネクタと、
それらユニット側コネクタと開放装置側コネクタとが接続された状態の少なくとも一時期において、前記短絡スイッチを開状態として前記コイル列を開放する開放回路と
を含むことを特徴とする開放装置。 - 前記短絡スイッチが、スイッチ回路への電圧の印加により開状態に切り換えられるものであり、前記開放回路が、前記スイッチ回路に電圧を印加可能な電源を含む請求項1に記載の開放装置。
- 当該開放装置が、前記電動モータに起電力が生じたことを検出する起電力検出部を含み、前記開放回路が、その起電力検出部によって前記電動モータに起電力が生じたことが検出された場合に、前記スイッチ回路に前記電源の電圧を印加することにより、前記短絡スイッチを開状態に切り換えるスイッチ制御部を含む請求項2に記載の開放装置。
- 前記電動モータが前記コイル列を複数含み、前記短絡スイッチがそれら複数のコイル列毎に設けられ、前記開放回路が、前記複数の短絡スイッチを閉状態から開状態に切り換える部分を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載の開放装置。
- 電動モータにより伸縮させられ、車両のばね上部とばね下部との間に取り付けられる電磁サスペンションユニットであって、前記電動モータに含まれる互いに直列に接続された1つ以上のコイルの列であるコイル列の両端を短絡させる閉状態と、開放する開状態とに切り換え可能な短絡スイッチを含むものに接続可能な開放装置であって、
当該開放装置が、前記車両とは別個に設けられ、前記車両には搭載されないものであって、かつ、前記短絡スイッチに取外し可能に接続され、接続された状態の少なくとも一時期において、前記短絡スイッチを開状態とすることにより前記コイル列を開放する開放回路を含むことを特徴とする開放装置。 - 電動モータにより伸縮させられる電磁サスペンションユニットであって、その電動モータに含まれる互いに直列に接続された1つ以上のコイルの列であるコイル列の両端を短絡させる閉状態と開放する開状態とに切り換え可能な短絡スイッチを含むものを車体に組み付ける組付方法であって、
前記電磁サスペンションユニットを前記車体に組み付ける際に、前記短絡スイッチを閉状態から開状態に切り換えることを特徴とする組付方法。 - 前記電磁サスペンションユニットがコネクタを備え、前記電磁サスペンションユニットを前記車体に組み付ける際に、前記コネクタに、前記短絡スイッチを閉状態から開状態に切り換える開放装置を接続し、前記電磁サスペンションユニットが前記車体に組み付けられた後に、前記コネクタから前記開放装置を取り外す請求項6に記載の組付方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007282901A JP2009107516A (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | 開放装置および組付方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007282901A JP2009107516A (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | 開放装置および組付方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009107516A true JP2009107516A (ja) | 2009-05-21 |
Family
ID=40776515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007282901A Withdrawn JP2009107516A (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | 開放装置および組付方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009107516A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101527504B1 (ko) * | 2014-01-06 | 2015-06-09 | 주식회사 오토기기 | 차량부속 승강장치 |
-
2007
- 2007-10-31 JP JP2007282901A patent/JP2009107516A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101527504B1 (ko) * | 2014-01-06 | 2015-06-09 | 주식회사 오토기기 | 차량부속 승강장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7938410B2 (en) | Suspension system for vehicle | |
JP2008286362A (ja) | サスペンション装置 | |
JP6239453B2 (ja) | 電磁ダンパ | |
WO2008044395A1 (fr) | Système de suspension de véhicule | |
JP2007210454A (ja) | 車両用スタビライザシステム | |
JP2008068650A (ja) | 車両用サスペンションシステム | |
JP5716411B2 (ja) | 車両用電力供給システム | |
JP2003223220A (ja) | 電磁サスペンション装置 | |
JP2010260470A (ja) | 車両用サスペンションシステム | |
JP2009107516A (ja) | 開放装置および組付方法 | |
JP2007203932A (ja) | サスペンション装置 | |
JP4858292B2 (ja) | 車両用サスペンションシステム | |
JP2011189774A (ja) | 車両用サスペンション装置 | |
JP6480202B2 (ja) | サスペンション制御装置 | |
JP2009274575A (ja) | 車両用サスペンションシステム | |
JP2003042224A (ja) | 電磁サスペンション装置 | |
CN116573035A (zh) | 车辆行为控制系统 | |
JP5272799B2 (ja) | 車両用サスペンションシステム | |
JP4946714B2 (ja) | 車両用サスペンションシステム | |
JP4275552B2 (ja) | アクティブサスペンションの自己診断装置 | |
JP2011162067A (ja) | 減衰力制御装置 | |
JP2008114745A (ja) | 車両用サスペンションシステム | |
JP5088014B2 (ja) | 車両用サスペンションシステム | |
JP4775250B2 (ja) | 車両用サスペンションシステム | |
KR20160010787A (ko) | 롤링 능동 제어장치 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110104 |