JP2009106528A - ホログラム化粧方法 - Google Patents

Abstract

【課題】毛に直接的にホログラムを形成し、虹色の光輝効果を得る。
【解決手段】虹色の光輝効果を得るホログラム化粧方法が、ホログラム化粧道具１を用いて、毛髪１０等の毛に、ホログラムシート４等の凹凸構造を有する回折格子を加熱押圧し、毛に回折格子の表面凹凸を転写することからなる。
【選択図】図１

Description

本発明は、毛髪、睫毛、ヒゲ等の毛にホログラフィによる虹色の光輝効果を付与するホログラム化粧方法に関する。

口紅、マニキュア、爪等の化粧料にホログラム顔料を使用し、化粧により虹色の光輝効果を得ることが提案されている（特許文献１，２）。

また、同様の化粧効果を得るために、爪に、予めポリウレタンエマルジョンを含有するネールエナメルを塗布し、その塗膜に、凹凸構造を有する回折格子の凹凸パターンを転写することが提案されている（特許文献３）。

特開平６−５１６８２号公報 特表２００７−５１３８９３号公報 ＷＯ０１／１９６２５号公報

しかしながら、ホログラフィによる虹色の光輝効果を得るにあたり、化学薬品の使用をできるだけ控えるという近年の消費者のニーズに適合し、かつこの効果をより簡便に得られるようにする点からは、ホログラム顔料やコーティング剤の適用を省略することが望まれる。

これに対し、本発明は、毛に直接的にホログラムを形成し、虹色の光輝効果を得られるようにすることを目的とする。

本発明者は、ホログラムシート等の凹凸構造を有する回折格子を加熱して毛に押し当てると、意外にも、ホログラムシートの表面凹凸が毛に転写し、それにより虹色の光輝効果を得られることを見出し、本発明を完成させた。

即ち、本発明は、毛に、凹凸構造を有する回折格子を加熱押圧し、毛に回折格子の表面凹凸を転写するホログラム化粧方法を提供する。

また、本発明は、毛に、凹凸構造を有する回折格子の表面凹凸を転写する化粧道具であって、毛に接触する加熱押圧面に、凹凸構造を有する回折格子が設けられているホログラム化粧道具を提供する。

本発明のホログラム化粧方法によれば、余分な化粧料や化学物質を使用することなく、簡便な方法で、毛に直接的にホログラムを形成し、虹色の光輝効果を得ることが可能となる。

また、本発明の化粧道具によれば、本発明の化粧方法を極めて容易に実施することが可能となる。

以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一の構成要素は、同一又は同等の構成要素を表している。
また、本発明において、毛とは、毛髪、睫毛、ヒゲ等をいう。

図１は、本発明の一実施例のホログラム化粧道具１の斜視図である。このホログラム化粧道具１は、毛髪１０をホログラム（即ち、回折格子の転写パターン）の形成対象とするのに適したものであり、加熱温度を６０〜１５０℃に調整することのできる公知のヘアアイロン２を本体とし、その対向する加熱押圧面３ａ、３ｂに、凹凸構造を有する回折格子としてホログラムシート４を両面テープや面ファスナーによって着脱自在に貼着したものである。

ホログラムシート４としては、回折格子の規則性の点から、格子パターンが、図２に示す縦型、直交型、ドット型、波面型等であるものが好ましい。ホログラムシート４を毛髪１０に加熱押圧する際に、格子パターンが縦型の場合には、格子の向きを毛髪の長手方向に対して平行とすることが好ましく、波面型の場合には、格子の向きを毛髪の長手方向に対して直行とすることが好ましいが、実際の作業上は、格子パターンの向きを考慮せずにホログラムシート４を毛髪１０に加熱押圧できる方が好ましい。そこで、ホログラムシート４としては、縦型や波面型等の方向性のある格子パターンについては、その格子パターンを有する径０．１〜１．０ｍｍ程度の大きさの微小領域がランダムな向きに配置されているものが好ましい。

また、格子パターンは、その断面において凹部と凸部のパターンが同じ大きさで形状が反転したもの、即ち、格子パターンとその転写パターンが同じ凹凸パターンになるものが好ましい。

格子パターンの大きさに関しては、格子周期ｐは０．０１〜５．０μｍ、溝幅ｑは０．０１〜３．０μｍ、溝高さｒは０．０１〜５．０μｍが好ましい。特に、格子周期ｐは０．１〜２．０、溝幅ｑは０．５〜２．０、溝高さｒは０．１〜２．０が好ましい。

ホログラムシート３の材質としては、プラスチックシートの上にアルミニウム等の金属蒸着膜をつけたものが耐久性の点で好ましい。

このようなホログラムシートとしては、市販のホログラムシートを使用することができ、例えば、ホログラムサプライ株式会社製ＣＲ−７５やＳＰ−０８、ＳＰ−１３、ＳＰ−２０等をあげることができる。

このホログラム化粧道具１を使用し、本発明の方法により毛髪１０に虹色の光輝を付与する方法としては、予め、ホログラム化粧道具１の本体をなすヘアアイロン２の加熱温度を８０〜１２０℃に設定し、加熱押圧面３ａ、３ｂで毛髪１０を挟み、通常のヘアアイロンの使用時と同様の押圧力で５〜６０秒間加熱押圧する。この場合、毛髪１０に、格別前処理をする必要はなく、毛髪１０を乾燥状態にしておくことがホログラムシート４の格子パターンの転写性を向上させる点で好ましい。また、加熱に対して毛髪を保護する点からは、加熱押圧の前後に市販のトリートメント剤を塗布することが好ましい。

これに対し、加熱押圧時の温度が低すぎたり、加熱押圧時間が短すぎると、ホログラムシート４の表面凹凸が毛髪１０の表面に転写しにくく、反対に加熱温度が高すぎたり、加熱押圧時間が長すぎたりすると毛髪１０の表面が傷み、毛髪１０の外観にツヤがなくなったり、毛髪１０の感触が劣化する原因となる。

毛髪１０にホログラムシート４を加熱押圧することにより、図３に示すように、毛髪１０のキューティクルに、ホログラムシート４の表面凹凸を転写して、ホログラムシート４と凹凸が逆転した格子領域１１を形成することができ、毛髪１０は、白色光の下で虹色に輝くものとなる。

なお、毛髪表面に形成された格子領域１１は、毛髪を濡らしたり、平坦な加熱押圧面で再度ヘアアイロンをすることにより元に戻り、虹色の光輝効果は消失する。したがって、本発明によれば、化粧効果として虹色の光輝効果が必要な場合にのみ、随時、この効果を得ることができる。

本発明において、ホログラムシート等の回折格子を毛に加熱押圧する治具としては、当該毛の形状に適した加熱押圧面を有するものを使用すればよい。

例えば、本発明の方法を睫毛に適用する場合、ホットビューラーの睫毛の加熱押圧面にホログラムシートを貼着したものをホログラム化粧道具とすればよく、これにより、上述の毛髪と同様に、睫毛にホログラムシートの表面凹凸を転写させることができる。

実施例１
市販のヘアアイロン（八光工業社製、アドストＥＸ ストレートアイロン）の、加熱押圧面に、格子パターンが直交格子型のホログラムシート（ホログラムサプライ社製、SP-08）を両面テープ（ニチバン（株）製ナイスタック）で貼着した。一方、化粧対象試料として、日本人女性の黒髪を用意した。

このヘアアイロンの加熱温度を１００℃に設定し、黒髪数本を挟み、黒髪にホログラムシートを１０秒間加熱押圧した。

黒髪の加熱押圧面をレーザー顕微鏡で撮った拡大写真（倍率５０倍）を図３に示す。同図から、黒髪のキューティクルの表面にホログラムシートの直交格子型回折格子が明瞭に転写されていることがわかる。

転写後の黒髪は、図４に示すように、太陽光の下で虹色に輝いて見えた。

本発明の化粧方法及び化粧道具は、虹色の光輝効果を付与するメイクアップの分野で広く利用することができる。

ホログラム化粧道具の斜視図である。 回折格子の説明図である。 ホログラム化粧方法を適用した毛髪の表面凹凸の説明図である。 ホログラム化粧方法を適用した毛髪の輝きを示す写真である。

符号の説明

１ ホログラム化粧道具
２ ヘアアイロン
３ａ、３ｂ 加熱押圧面
４ ホログラムシート
１０ 毛髪
１１ 格子領域

Claims (5)

1. 毛に、凹凸構造を有する回折格子を加熱押圧し、毛に回折格子の表面凹凸を転写するホログラム化粧方法。
2. 毛が毛髪である請求項１記載のホログラム化粧方法。
3. 回折格子が、ホログラムシートからなる請求項１又は２記載のホログラム化粧方法。
4. 毛に、凹凸構造を有する回折格子の表面凹凸を転写する化粧道具であって、毛に接触する加熱押圧面に、凹凸構造を有する回折格子が設けられているホログラム化粧道具。
5. 加熱押圧面にホログラムシートが貼着されている請求項４記載のホログラム化粧道具。