JP2009106163A - 核酸配列、ベクター、形質転換体、製造方法、及び、核酸配列プライマー - Google Patents

核酸配列、ベクター、形質転換体、製造方法、及び、核酸配列プライマー Download PDF

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瑞穂 梶川
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Abstract

【課題】HLA-Gを高発現させることに適した、HLA-Gをコードする塩基配列からなる核酸配列等の提供。
【解決手段】HLA-Gをコードする特定の塩基配列であって、5’末端配列の一定の領域のA又はT若しくはUの含量が定められた値以内であるような塩基配列からなる核酸配列。また、HLA-Gをコードする特定の塩基配列からなる核酸配列。上記核酸配列を含有するベクター、そのベクターを含有する形質転換体、その形質転換体を用いたHLA-Gの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、核酸配列、ベクター、形質転換体、製造方法、及び、核酸配列プライマーに関し、特にHLA-Gをコードする核酸配列等に関するものである。
HLA-Gは、ヒト非古典的主要組織適合性抗原(Major Histocompatibility Complex,MHC)の一つである。HLA-Gは、不妊治療、臓器移植時の拒絶反応の抑制、自己免疫疾患の治療等に有用でかつ安全性の高い免疫抑制タンパク製剤として利用し得る物質である。HLA-Gは、絨毛外栄養膜、胸腺上皮細胞及び一部の腫瘍にのみ発現している。(leMaoult et al.,(2003)Tissue Antigens,62,273-284.)今日までに報告されているHLA-Gの受容体は、CD8、白血球Ig様受容体B1/B2(LILRB1/LILRB2、LIR1/LIR2及びILT2/ILT4としても知られている)、及びKIR2DL4である。
発明者らはジスルフィド結合型HLA-G二量体の効率的な作製方法を見出し、このHLA-G二量体の抑制性LILRB1を介するシグナル伝達が、単量体の場合と比較して100倍程度増強されることを証明した(PCT/JP2006/314537)。さらに、HLA-G二量体の立体構造解析に成功し、構造的にも二量体化することによってシグナルが増強されることを裏付けた(非特許文献1参照)。
M.Shiroishi、外9名著,「Efficient Leukocyte Ig-like Receptor Signaling and Crystal Structure of Disulfied-linked HLA-G Dimer」,JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY,米国,The American Society for Biochemistry and Molecular Biology,Inc.,2006年2月2日,vol.281,no.15,p.10439-10447
しかしながら、発明者らが提案した方法では、HLA-Gの発現効率は培養液1L当たり収量2-3mg程度であった。タンパク質の活性測定や構造解析、タンパク質のスクリーニング又はタンパク質そのものを試薬や薬剤として使用する場合、ある程度のタンパク質量が必要となる。発現効率が培養液1L当たり収量2-3mg程度であれば、研究用としては充分であっても、大量のタンパク質が必要とされる商業用としては十分ではない。ある一定量を得るために、何度も製造工程を繰り返したり、より大型の装置を設置したりすることが必要となる。また、発現量が少ないために、製造工程でロスする割合が大きくなり、無駄も多くなる。
したがって、本発明の目的は、HLA-Gを高発現させることに適したHLA-Gをコードする塩基配列からなる核酸配列、該核酸配列を含有するベクター、該ベクターを含有する形質転換体、該形質転換体を培養し、発現産物を回収することを含むHLA-Gの製造方法、該核酸配列を有する核酸配列プライマーを提供することである。
請求項1に係る発明は、配列番号1に記載のHLA-Gをコードする配列番号3に記載の塩基配列であって、第1番目の塩基から第24番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が41%以上67%以下に置換された塩基配列、第25番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が29%以上59%以下に置換された塩基配列又は第1番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が35%以上63%以下に置換された塩基配列からなる核酸配列である。また、配列番号3は核酸配列であるので、TがUに置き換わってもよい。
請求項2に係る発明は、下記(a)又は(b)に記載の核酸配列からなり、かつHLA-Gと同等の性質又は機能を有するタンパク質をコードする核酸配列である。また、配列番号4、配列番号5又は配列番号6は核酸配列であるので、TがUに置き換わってもよい。
(a)配列番号1に記載のHLA-Gをコードする配列番号4、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列からなる核酸配列。
(b)配列番号4、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された核酸配列。
請求項3に係る発明は、配列番号1に記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列をコードし、かつHLA-Gと同等の性質又は機能を有するタンパク質をコードする下記(a)、(b)又は(c)に記載の核酸配列である。また、配列番号3は核酸配列であるので、TがUに置き換わってもよい。また、下記(a)の配列番号3に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第24番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの塩基数が11塩基以上16塩基以下であってもよい。さらに、下記(b)の配列番号3に記載の塩基配列において第25番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの塩基数が8塩基以上14塩基以下であってもよい。さらに、下記(c)の配列番号3に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの塩基数が18塩基以上30塩基以下であってもよい。
(a)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号3に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第24番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が41%以上67%以下に置換された塩基配列からなる核酸配列。
(b)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号3に記載の塩基配列において第25番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が29%以上59%以下に置換された塩基配列からなる核酸配列。
(c)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号3に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が35%以上63%以下に置換された塩基配列からなる核酸配列。
請求項4に係る発明は、配列番号1に記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列をコードし、かつHLA-Gと同等の性質又は機能を有するタンパク質をコードする下記(a)、(b)又は(c)に記載の核酸配列である。また、配列番号4、配列番号5又は配列番号6は核酸配列であるので、TがUに置き換わってもよい。また、下記(a)の配列番号4に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第24番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの塩基数が11塩基以上16塩基以下であってもよい。さらに、下記(b)の配列番号5に記載の塩基配列において第25番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの塩基数が8塩基以上14塩基以下であってもよい。さらに、下記(c)の配列番号6に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの塩基数が18塩基以上30塩基以下であってもよい。
(a)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号4に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第24番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が41%以上67%以下である塩基配列からなる核酸配列。
(b)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号5に記載の塩基配列において第25番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が29%以上59%以下である塩基配列からなる核酸配列。
(c)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号6に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が35%以上63%以下である塩基配列からなる核酸配列。
請求項5に係る発明は、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の核酸配列を含有するベクターである。
請求項6に係る発明は、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の核酸配列あるいは請求項5に記載のベクターを含有する形質転換体である。
請求項7に係る発明は、宿主が大腸菌である請求項6に記載の形質転換体である。
請求項8に係る発明は、請求項6又は請求項7に記載の形質転換体を培養し、発現産物を回収するステップを含む、HLA-Gの製造方法である。
請求項9に係る発明は、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の核酸配列において第1番目から第48番目までの塩基配列の一部を含むものからなる、HLA-Gをコードする核酸配列プライマーである。
本発明のHLA-Gをコードする塩基配列からなる核酸配列によれば、従来知られているHLA-Gをコードする野生型HLA-G遺伝子又は変異型HLA-G遺伝子を用いてHLA-Gを発現させた場合に比べ、発現効率が十数倍向上する利点がある。
すなわち、従来は培養液1L当たり収量2-3mgであったのに対し、本発明者らが設計した、野生型HLA-Gのアミノ酸配列は変わらないようにして、全アミノ酸それぞれをコードするコドンを大腸菌での発現に適する形に改変し、さらに改変した遺伝子の開始コドン下流の塩基配列を改変した塩基配列からなる核酸配列によれば、培養液1L当たり収量30mg程度得られ、一回の製造工程で得られるHLA-G量が飛躍的に向上した。よって、ある一定量のHLA-Gを得るために必要な製造工程の回数はより少なくてすむので時間短縮につながる。また、ある一定量のHLA-Gを得るために必要な装置もより小さなものですむので設置場所の確保が容易となる。さらに、製造工程でロスする割合が小さくなるため無駄が減る。
また、本発明は、野生型HLA-Gのアミノ酸配列は変わらないようにして、全アミノ酸それぞれをコードするコドンを大腸菌での発現に適する形としたため、例えば請求項7に係る発明にあるように、増殖速度が速い大腸菌を用いてHLA-Gを発現させることにより、他の宿主生物若しくは細胞と比較して培養時間が短くてすむ。つまり、短時間で大量のタンパク質を調整することができる。また、大腸菌は豊富な基礎知識が確立されているために、取り扱いが簡単で応用範囲が広く、必要な設備も簡易なものでよいという利点がある。また、宿主としては他の増殖速度が速い枯草菌などを用いてもよい。
現在、HLA-Gは様々な応用がなされている。そのため、本発明を用いて発現させたHLA-Gを、例えば、不妊治療、臓器移植時の拒絶反応の抑制や自己免疫疾患、特にアレルギー性疾患の治療に用いることが可能となる。HLA-Gは、ヒト体内にある物質であるため、例えば炎症性疾患の治療薬として用いられる人工的に合成されたステロイドなどと比較して、有用でかつ安全性の高い免疫抑制タンパク製剤として利用し得る物質である。
図1は、本発明の実施の形態につき、遺伝子を作製する過程を示した概略図である。二つの工程が含まれ、まず、全合成により(a)に示される野生型HLA-G遺伝子から(b)に示される人工合成HLA-G遺伝子(以下HLA-GECとする)を作製する工程が行われ、続いて、(b)に示されるHLA-GECから(c)、(d)又は(e)に示されるHLA-GECの5’末端を改変した遺伝子(以下、(c)に対応する遺伝子をHLA-GQCa、(d)に対応する遺伝子をHLA-GQCb、(e)に対応する遺伝子をHLA-GQCabとする)を作製する工程が行われる。
まず、図1の(a)から(b)に至る全合成を行う工程について説明する。
HLA-Gはヒト由来のタンパク質であるので、その野生型HLA-G遺伝子(図1(a)及び配列番号2)を用いて大腸菌での発現を試みても発現しないか、発現しても発現量が少ない可能性が高い。
そこで、野生型HLA-Gのアミノ酸配列(配列番号1、野生型HLA-Gのアミノ酸配列情報は、例えばNCBIに「Accession number:M90684」として公表されている。)は変わらないようにして、全アミノ酸それぞれをコードするコドンを大腸菌での発現に適したものに変えたHLA-GEC(図1(b)及び配列番号3)を設計し、全合成した。その際、HLA-GECの5’末端にEcoRVサイト及びNdeI(タカラバイオ社製)サイトを、3’末端にHindIII(TOYOBO社製)サイトを挿入した。
次に、HLA-GECとpUC57ベクターを制限酵素EcoRV、HindIIIで切断し、HLA-GECの大きいDNA断片とpUC57ベクターをT4DNAリガーゼ(TOYOBO社製)を用いて連結した。
次に、連結したプラスミドをさらに制限酵素NdeI、HindIIIで切断し、1mMEDTAを含む40mMトリス酢酸緩衝液にてアガロースゲル電気泳動を行い、HLA-GEC断片を切り出し、QIAquickGel Extraction Kit(キアゲン社製)を用いて抽出・精製した。同様に、pGMT7ベクターを制限酵素NdeI、HindIIIで切断し、アガロースゲル電気泳動を行い、該当するDNA断片を切り出し、抽出・精製した。そして、HLA-GECとpGMT7ベクターをT4DNAリガーゼを用いて連結し、HLA-GEC-pGMT7を構築した。
次に、このHLA-GEC-pGMT7プラスミドで大腸菌BL21(DE3)plysS株を形質転換し、100mg/Lのアンピシリンを含む2×YT培地(0.5%塩化ナトリウム、1.6%トリプトン、1%乾燥酵母エキス(以上ナカライ社製))中で37℃で培養した。
次に、培養懸濁液がOD600=0.4〜0.6に達した時点で、1mMとなるようにIPTGを添加し、さらに37℃で4〜6時間発現誘導した。IPTG発現誘導前及びIPTG発現誘導後4時間の培養菌液1mLを遠心分離後、沈殿した菌体に直接サンプルバッファーを加え、95℃で加熱処理した後、上清をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動した。
続いて、図1の(b)から(c)、(d)及び(e)に至るHLA-GQCa、HLA-GQCb及びHLA-GQCabを作製する工程について述べる。
全合成により作製されたHLA-GECにおいて、野生型HLA-Gのアミノ酸配列は変わらないようにして、開始コドン下流の塩基配列がアデニン又はチミンに富むような配列を設計した。
まず、配列番号1に示されているHLA-Gの第2残基から第5残基までと第7残基をコードするコドンを置換したもの(HLA-GQCa(図1の(c)及び配列番号4))と、HLA-Gの第10残基から第14残基までと第16残基をコードするコドンを置換したもの(HLA-GQCb(図1の(d)及び配列番号5))について説明する。
HLA-GQCa及びHLA-GQCbを作製するために、HLA-GEC-pGMT7を鋳型にして、PCR用緩衝液(Promega社製)、deoxyNTP混合液(TOYOBO社製)、5’側プライマー(HLA-GQCaの場合は配列番号7、HLA-GQCbの場合は配列番号9)、3’側プライマー(HLA-GQCaの場合は配列番号8、HLA-GQCbの場合は配列番号10)(それぞれ最終濃度0.2μM)及びPfuTurbo DNA Polymerase(Promega社製)を加え、PCRを行った。その際、プライマーは相補的なオリゴヌクレオチドプライマーを使用し、反応は変性30秒(95℃)、アニール1分(60℃)、プライマーイクステンション8分(68℃)にて25サイクル行った。
次に、PCR産物にDpnI(NEB社製)を加え、37℃で1時間反応させ、鋳型を除去し、アガロースゲル電気泳動を行い、PCR産物の存在を確認した。そして、DNAシークエンサーで塩基配列を確かめ、HLA-GQCa-pGMT7及びHLA-GQCb-pGMT7を得た。
HLA-GQCa-pGMT7又はHLA-GQCb-pGMT7を得た後、それぞれのプラスミドを大腸菌BL21(DE3)plysS株に形質転換し、HLA-Gを生産する菌(E.Coli HLA-GQCa-pGMT7又はE.Coli HLA-GQCb-pGMT7)を得た。この形質転換体を100mg/Lのアンピシリンを含む2×YT培地(0.5%塩化ナトリウム、1.6%トリプトン、1%乾燥酵母エキス)中で37℃で培養した。その後、培養懸濁液がOD600=0.4〜0.6に達した時点で、1mMとなるようにIPTGを添加し、さらに37℃で4〜6時間発現誘導した。IPTG発現誘導前及びIPTG発現誘導後4時間の培養菌液1mLを遠心分離後、沈殿した菌体に直接サンプルバッファーを加え、95℃で加熱処理した後、上清をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動した。
また、上記2つを合わせて置換したもの(HLA-GQCab(図1の(e)及び配列番号6))も考えられる。HLA-GQCabを作製する場合は、HLA-GQCa-pGMT7又はHLA-GQCb-pGMT7を鋳型にして、HLA-GQCa及びHLA-GQCb同様のPCR及びその他の操作を行えばよい。ただし、HLA-GQCa-pGMT7を鋳型にする場合は、配列番号9のオリゴヌクレオチドを5’側プライマー、配列番号10のオリゴヌクレオチドを3’側プライマーとし、HLA-GQCb-pGMT7を鋳型にする場合は、配列番号7のオリゴヌクレオチドを5’側プライマー、配列番号8のオリゴヌクレオチドを3’側プライマーとする。HLA-GQCab-pGMT7を得た後、上記と同様に形質転換を行い、培養を行う。
続いて、図2を参照して、HLA-GECと、HLA-GQCa、HLA-GQCb又はHLA-GQCabとの違いについて説明する。図2の(a)は、HLA-Gの第1残基から第8残基までのアミノ酸配列とそのアミノ酸それぞれに対応するコドンを示し、図1の(c)の塗りつぶし部位と対応する。図2の(b)は、HLA-Gの第9残基から第16残基までのアミノ酸配列とそのアミノ酸それぞれに対応するコドンを示し、図1の(d)の塗りつぶし部位と対応する。また、図1の(e)の塗りつぶし部位は図2の(a)及び(b)を併せたものである。
図2の(a)を参照して、最上段の数字はHLA-Gのアミノ酸配列のN末端のアミノ酸を1としてアミノ酸配列を数え上げたものである。第二段の小文字のアルファベットはHLA-GECの塩基配列を示し、第四段のアミノ酸に対応するコドンごとにまとめて示している。第三段の数値はHLA-GECのコドンの大腸菌における使用頻度を表している。第四段の大文字のアルファベットは最上段のアミノ酸配列数え上げ番号に対応するアミノ酸を示す。これらはアミノ酸の上下に示されているコドンによってコードされるアミノ酸でもある。第五段の小文字のアルファベットはHLA-GQCa又はHLA-GQCabの塩基配列を示し、第四段のアミノ酸に対応するコドンごとにまとめて示している。最下段の数値はHLA-GQCa又はHLA-GQCabのコドンの大腸菌における使用頻度を表している。図2の(b)には、HLA-GQCb又はHLA-GQCabに関して同様に示されている。
図2の(a)及び(b)の第三段及び最下段の使用頻度を比較すると、アミノ酸の上部に示してあるHLA-GECのコドン使用頻度に比べ、アミノ酸の下部に示してあるHLA-GQCa、HLA-GQCb又はHLA-GQCabのコドン使用頻度は全体的に低い。図2の(a)に示されているHLA-GECとHLA-GQCa又はHLA-GQCab間で異なるコドンの使用頻度は平均3.9%HLA-GQCa又はHLA-GQCabが低く、異なっている5つのコドンのうち4つでHLA-GQCa又はHLA-GQCab中のコドンの使用頻度のほうが低い。また、コドン使用頻度の差が最大のもので8.6%ある。図2の(b)に示されているHLA-GECとHLA-GQCb又はHLA-GQCab間で異なるコドンの使用頻度は平均8.5%HLA-GQCb又はHLA-GQCabが低く、異なっている6つのコドンの全てでHLA-GQCb又はHLA-GQCab中のコドンの使用頻度のほうが低い。また、コドン使用頻度の差が最大のもので17.5%ある。
なお、H.Yasueda、外4名著,「HIGH-LEVEL DIRECT EXPRESSION OF SEMI-SYNTHETIC HUMAN INTERLEUKIN-6 IN ESCHERICHIA COLI AND PRODUCTION OF N-TERMINUS MET-FREE PRODUCT」,Nature Biotechnology,米国,Nature Publishing Group,1990年11月,vol.8,no.11,p.1036-1040には、ヒト由来IL-6を大腸菌で高発現する方法が示されている。しかしながら、本発明は、HLA-Gのコード領域全体を大腸菌での発現に適したコドンに置換するステップを含み、さらにタンパク質コード領域でない部分(SD配列やSD配列と開始コドンの間の配列)に変異を加えて塩基配列を改変するものではない。また、本発明は、N末端から8残基、又は9残基から16残基までに対応する塩基配列をアデニン又はチミンに富むように改変するものである。
続いて、図3を参照して、図1の各HLA-G遺伝子を用いたHLA-Gの発現について説明する。図3は、図1の各HLA-G遺伝子を用いたHLA-Gの発現を示す図である。また、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に用いた菌体の調整は、野生型HLA-G遺伝子、HLA-GEC、HLA-GQCa、HLA-GQCbとも同様にしたものであり、泳動に用いた量も同様である。
図3の(a)列は、マーカーの分子量を示す。マーカーの分子量より、図3の(c)列、(e)列、(g)列及び(i)列の矢印部は、HLA-Gの分子量である約32kDaとなる部分を示す。
図3の(b)列は、野生型HLA-G遺伝子(図1(a))を用いた場合のIPTG発現誘導前の菌体の泳動パターンを示し、図3の(c)列は、IPTG発現誘導後4時間の菌体の泳動パターンを示す。HLA-Gの発現は、(c)列矢印部に示されている程度に留まっている。
図3の(d)列は、HLA-GEC(図1(b))を用いた場合のIPTG発現誘導前の菌体の泳動パターンを示し、図3の(e)列は、IPTG発現誘導後4時間の菌体の泳動パターンを示す。(e)列の矢印部を見ると、バンドがはっきりと確認できない。そのため、HLA-Gは発現していないか、例え発現していたとしてもわずかであると判断できる。
図3の(f)列は、HLA-GQCa(図1(c))を用いた場合のIPTG発現誘導前の菌体の泳動パターンを示し、図3の(g)列は、IPTG発現誘導後4時間の菌体の泳動パターンを示す。また、図3の(h)列は、HLA-GQCb(図1(d))を用いた場合のIPTG発現誘導前の菌体の泳動パターンを示し、図3の(i)列は、IPTG発現誘導後4時間の菌体の泳動パターンを示す。(g)列及び(i)列の矢印部によれば、野生型HLA-G遺伝子を用いた場合の(c)列矢印部及びHLA-GECを用いた場合の(e)列矢印部と比較して、明らかに発現量が増大している。また、HLA-GQCaを用いた場合のIPTG発現誘導前である(f)列とIPTG発現誘導後4時間である(g)列とを比較すると、明らかにIPTG発現誘導後の(g)列矢印部にタンパク質が発現している。HLA-GQCbを用いた場合の(h)列及び(i)列に関しても同様である。図2で示したように、HLA-GECと比較してHLA-GQCa及びHLA-GQCbの大腸菌におけるコドン使用頻度は低いにもかかわらず、HLA-GQCa及びHLA-GQCbの発現量は飛躍的に増大した。
続いて、HLA-Gの再構成及び精製について説明する。IPTGを添加して発現誘導した菌体懸濁液を遠心分離機にかけ菌体を集め、Resuspension buffer(50mMトリスpH8.0、100mM塩化ナトリウム)を加え、懸濁し、超音波破砕で菌体を破砕した後、遠心分離して封入体を得た。この封入体をTriton wash buffer(0.5%TritonX-100、50mMトリスpH8.0、100mM塩化ナトリウム)及びResuspension buffer(50mMトリスpH8.0、100mM塩化ナトリウム)で十分洗浄した後に、6.0M Guanidine solution(6.0Mグアニジン、50mMメスpH6.5、10mMEDTA)で可溶化した。この時点で、HLA-G溶液を紫外吸光法により測定したところ、A280値が約67であったので、HLA-Gの発現量はおよそ32mg/Lである。次に、HLA-Gと複合体を形成するヒトb2ミクログロブリン(HLA-Gの5倍の濃度の量を添加)と20mgペプチド(RIIPRHLQL)を添加し、Refolding buffer(0.1MトリスpH8.0、0.4ML-アルギニン、5mMEDTA、3.7mMシスタミン、6.4mMシステアミン)を用いて一般的な希釈法で4℃、48時間撹拌しながら巻き戻した。そして、ゲルろ過(superdex75)及びイオン交換クロマトグラフィー(ResourceQ)により精製した。
次に、Reaction buffer(50mM D-biotin、100mM ATP、15μMBirA)に15μMとなるようにHLA-Gを溶解させ、ビオチン化した。ゲルろ過(Superdex75)によりHLA-Gとreaction bufferを分離し、ビオチン化したHLA-Gをペプチド(RIIPRHLQL)と化学的にビオチン化したヒトb2ミクログロブリンとともに巻き戻した。巻き戻したHLA-Gは、ゲルろ過(superdex75)及びイオン交換クロマトグラフィー(ResourceQ)により精製した。
続いて、活性測定について説明する。BIAcore2000(登録商標)(英国、セントオールバンズのBIAcoreAB)を使用し、HLA-GとLIR2の表面プラズモン共鳴実験を行った。まず、ストレプトアビジンが共有結合で固定されている研究用センサーチップCM5(BIAcoreAB)上に、ビオチン化HLA-GとネガティブコントロールであるBSAを固定化した。次に、ランニングバッファーであるHBS-EP(10mMヘペスH7.5、150mM塩化ナトリウム、3.4mM EDTA、0.005%Surfactant P20)に溶解したLIR2を10μL/分で流した。各濃度での平衡結合応答は、サンプルフローセルにおける応答から対照フローセルにおいて測定された応答を減算することによって計算した。反応速度定数は、BIAevaluation v3.2(BIAcore)による単純1:1ラングミュア結合モデルに合わせるカーブフィッティングにより得た。他のカーブフィッティングは、ORIGIN3(Microcal Software)によって得た。また、結合定数(Kd)は、スキャッチャード分析又は標準ラングミュア結合等温線の非線形カーブフィッティングによって得た。
図4は、HLA-G又はネガティブコントロールであるBSAに対するLIR2の反応を示す図である。実線はHLA-Gをセンサーチップに固定化した場合を示し、点線はBSAをセンサーチップに固定化した場合を示す。図4によれば、BSAと比較して、LIR2はHLA-Gに結合している。
図5は、HLA-GとLIR2のKd値を示す図である。図5によれば、Kd値は4.1μMである。これは、野生型HLA-G遺伝子を用いてHLA-Gを発現させた場合のHLA-GとLIR2との表面プラズモン共鳴実験の結果(Shiroishi et al.,(2003)Proc Natl Acad Sci USA.(論文中で、ILT4D1D2と示されているものとLIR2は同一のものである))と一致している。
なお、本発明において、HLA-Gは野生型HLA-Gに限定されず、例えば、野生型HLA-Gのアミノ酸配列のうち1又は数個のアミノ酸配列が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、かつ白血球Ig様受容体(LILR)(Ig-like transcript(ILT)、CD85d、LIR等)及び/又はCD8との結合活性を有するタンパク質(変異型)を用いてもよい。
ここで、上記「1又は数個のアミノ酸配列が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列」としては、例えば、1〜15個程度、好ましくは1〜10個程度、より好ましくは1〜5個程度のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列であることが好ましい。
また、上記「欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質」は、LILR及びCD8との結合活性を安定して発揮できるタンパク質であることが重要であるため、例えばLILR及びCD8との結合反応性に重要と考えられるアミノ酸残基は、野生型HLA-Gのアミノ酸配列から変異(欠失、置換又は付加)されていないものが好ましい。さらに、HLA-G二量体の形成のためにはHLA-G分子間のジスルフィド結合に寄与するシステイン残基(Cys42)の存在が重要であるため、第42番目のアミノ酸残基は、野生型HLA-Gのアミノ酸配列から変異(欠失、置換又は付加)されていないものが好ましい。HLA-G二量体については非特許文献1を参照されたい。
ここで、「LILR及びCD8との結合活性」とは、HLA-GがLILR及び/又はCD8と直接結合する活性であって、これによりLILRあるいはCD8を介したシグナルを伝達し、免疫制御効果を発揮することができる活性を意味する。
ただし、免疫制御効果を発揮することができる活性を有する限り、本発明においては上記LILR及び/又はCD8との結合活性に限定されるものではなく、KIR2DL4、CD160などとの結合活性が挙げられる。
なお、上記「欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質」が、LILR及びCD8との結合活性を有するかどうかの確認は、例えばT細胞ハイブリドーマを用いたレポーターアッセイなどにより行うことができる。
HLA-Gの調整は、形質転換体を用いて組換えHLA-Gを発現させ回収することにより行うことができる。組換えHLA-Gを発現させるためには、まず、公知の遺伝子組換え技術を用いて、HLA-Gのアミノ酸配列をコードする遺伝子を発現ベクター等に組み込んだ組換えベクターを構築することが必要である。
HLA-Gのアミノ酸配列をコードする遺伝子としては、野生型HLA-G遺伝子、HLA-GECのほか、HLA-GQCa、HLA-GQCb又はHLA-GQCabを用いることもできる。HLA-GQCa、HLA-GQCb又はHLA-GQCabは、HLA-GECのDNA配列に変異を導入して調整すればよく、例えば、Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1987-1997)等に記載の部位特異的変異誘発法に準じて調整することができる。具体的には、Kunkel法やGapped duplex法等の公知手法により、部位特異的突然変異法を利用した変異導入用キットを用いて調整することができる。当該キットとしては、例えば、QuickCange(登録商標)Site-Directed Mutagenesis Kit(ストラタジーン社製)、GeneTailor(登録商標)Site−Directed Mutagenesis System(インビトロジェン社製)、TaKaRa Site−Directed Mutagenesis System(Mutan-K、Mutan-Super Express Km等:タカラバイオ社製)等が好ましく挙げられる。また、前述した変異型HLA-Gのコード遺伝子を用いることもできる。変異型HLA-Gのコード遺伝子は、上記のような方法を用いて野生型HLA-G遺伝子、HLA-GEC、HLA-GQCa、HLA-GQCb又はHLA-GQCabのDNA配列に変異を導入して調整すればよい。
次いで、公知の各種形質転換法により、組換えベクターを宿主に導入して形質転換体を得、これを培養することにより、組換えHLA-Gを発現させることができる。なお、本発明でいう「形質転換体」とは宿主に外来遺伝子が導入されたものを意味し、例えば、宿主にプラスミドDNA等を導入すること(形質転換)で外来遺伝子が導入されたもの、並びに、宿主に各種ウイルス及びファージを感染させること(形質導入)で外来遺伝子が導入されたものがいずれも含まれる。宿主は、導入された組換えベクター等からHLA-Gを発現しうるものであれば、限定はされず、例えば、ヒトやマウス等の各種動物細胞、各種植物細胞、各種昆虫細胞、細菌、酵母等の公知の宿主が使用できる。
組換えHLA-Gの製造は、具体的には、上述の形質転換体を培養する工程と、得られる培養物から組換えHLA-Gを採取する工程とを含む方法により行うことができる。ここで、「培養物」とは、培養上清、培養細胞、培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。上記形質転換体の培養は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。目的のタンパク質は、上記培養物中に蓄積される。
組換えHLA-Gが細胞外に生産される場合は、培養液をそのまま使用するか、遠心分離やろ過等により細胞を除去する。その後、必要に応じて硫安沈殿による抽出等により、培養物中から組換えHLA-Gを採取し、さらに必要に応じて透析、各種クロマトグラフィー(ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー,アフィニティークロマトグラフィー等)を用いて単離精製することができる。
組換えHLA-Gが細胞内に生産される場合は、細胞を破砕することにより組換えHLA-Gを採取することができる。破砕後、遠心分離やろ過などにより、必要に応じて細胞の破砕残渣(細胞抽出液不溶性画分)を除く。残渣除去後の上清は、細胞抽出液可溶性画分であり、粗精製したタンパク質溶液とすることができる。
また、組換えHLA-Gの産生は、形質転換体を用いたタンパク質合成系のほか、生細胞を全く使用しない無細胞タンパク質合成系を用いても行うこともでき、産生された組換えHLA-Gは、クロマトグラフィー等の手段を適宜選択して精製することができる。
本発明につき、遺伝子を作製する過程を示した概略図であり、まず、全合成により(a)に示される野生型HLA-G遺伝子から(b)に示されるHLA-GECを作製する工程が行われ、続いて、(b)に示されるHLA-GECから(c)、(d)又は(e)に示されるHLA-GQCa、HLA-GQCb、HLA-GQCabを作製する工程が行われることを示す。 (a)はHLA-Gの第1残基から第8残基までのアミノ酸配列とそのアミノ酸それぞれに対応するコドンを示し、図1の(c)の塗りつぶし部位と対応し、(b)は、HLA-Gの第9残基から第16残基までのアミノ酸配列とそのアミノ酸それぞれに対応するコドンを示し、図1の(d)の塗りつぶし部位と対応する。 図1の各HLA-G遺伝子を用いた場合の菌体の泳動パターンを示す図である。 HLA-G又はネガティブコントロールであるBSAに対するLIR2の反応を示す図である。 HLA-GとLIR2のKd値を示す図である。

Claims (9)

  1. 配列番号1に記載のHLA-Gをコードする配列番号3に記載の塩基配列であって、第1番目の塩基から第24番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が41%以上67%以下に置換された塩基配列、第25番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が29%以上59%以下に置換された塩基配列又は第1番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が35%以上63%以下に置換された塩基配列からなる核酸配列。
  2. 下記(a)又は(b)に記載の核酸配列からなり、かつHLA-Gと同等の性質又は機能を有するタンパク質をコードする核酸配列。
    (a)配列番号1に記載のHLA-Gをコードする配列番号4、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列からなる核酸配列。
    (b)配列番号4、配列番号5又は配列番号6に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された核酸配列。
  3. 配列番号1に記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列をコードし、かつHLA-Gと同等の性質又は機能を有するタンパク質をコードする下記(a)、(b)又は(c)に記載の核酸配列。
    (a)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号3に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第24番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が41%以上67%以下に置換された塩基配列からなる核酸配列。
    (b)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号3に記載の塩基配列において第25番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が29%以上59%以下に置換された塩基配列からなる核酸配列。
    (c)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号3に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が35%以上63%以下に置換された塩基配列からなる核酸配列。
  4. 配列番号1に記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列をコードし、かつHLA-Gと同等の性質又は機能を有するタンパク質をコードする下記(a)、(b)又は(c)に記載の核酸配列。
    (a)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号4に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第24番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が41%以上67%以下である塩基配列からなる核酸配列。
    (b)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号5に記載の塩基配列において第25番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が29%以上59%以下である塩基配列からなる核酸配列。
    (c)アミノ酸配列の欠質、置換又は付加に応じて変異した配列番号6に記載の塩基配列において第1番目の塩基から第48番目の塩基までの塩基配列のA又はT若しくはUの含量が35%以上63%以下である塩基配列からなる核酸配列。
  5. 請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の核酸配列を含有するベクター。
  6. 請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の核酸配列あるいは請求項5に記載のベクターを含有する形質転換体。
  7. 宿主が大腸菌である請求項6に記載の形質転換体。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の形質転換体を培養し、発現産物を回収するステップを含む、HLA-Gの製造方法。
  9. 請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の核酸配列において第1番目から第48番目までの塩基配列の一部を含むものからなる、HLA-Gをコードする核酸配列プライマー。
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