JP2009106067A - ワイヤハーネス用グロメット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車に搭載されるエンジンと車体との間に架け渡されるワイヤハーネスに装着するグロメットであって、車体側に取り付ける第一取付部と、該第一取付部と連続する筒部と、該筒部の他端側に設けたエンジン側に取り付ける第二取付部とを弾性材により一体成形しており、第一取付部は、車体に設けた嵌合溝に係止する凹部を外周面に設けた本体部を備え、該本体部の中央部に設けた貫通穴の出口側の外周縁の対向位置より一対の長尺な伸縮片を突設しており、一対の伸縮片を縮めた状態で、その先端部分に、貫通穴を貫通しているワイヤハーネスをテープ巻きで固着し、エンジンの振動発生時に伸縮片を伸縮させて振動を吸収できる構成としている。
【選択図】図1
Description
よって、ワイヤハーネスW/Hは、グロメット1の小径筒部1bで位置決め固定され、該固定位置がワイヤハーネスW/Hの車体パネル2に対する位置決め固定点となる。
前記エンジンとの固定位置と車体パネルとの固定位置の間のワイヤハーネスW/Hの寸法が短いと、エンジンの振動による伸縮力がワイヤハーネスW/Hに局所的に負荷され、ワイヤハーネスW/Hが損傷するおそれがある。
よって、ワイヤハーネスW/Hに負荷される伸縮力を分散させるために、両固定位置間のワイヤハーネスW/Hの寸法を長くすることが望まれており、例えば、200mm以上にすることが望まれている。
前記車体側に取り付ける第一取付部と、該第一取付部と連続する筒部と、該筒部の他端側に設けたエンジン側に取り付ける第二取付部とを弾性材により一体成形しており、
前記第一取付部は、車体に設けた嵌合溝に係止する凹部を外周面に設けた本体部を備え、該本体部の中央部に前記筒部の中空と連通した貫通穴を設けていると共に、該貫通穴の出口側の外周縁の対向位置より一対の長尺な伸縮片を突設しており、
前記一対の伸縮片を縮めた状態で、その先端部分に、前記貫通穴を貫通している前記ワイヤハーネスをテープ巻きで固着し、前記エンジンの振動発生時に前記伸縮片を伸縮させて振動を吸収できる構成としているワイヤハーネス用グロメットを提供している。
即ち、本発明のグロメットでは、グロメットの伸縮片でワイヤハーネスとテープ巻き固定しているが、該固定位置は車体パネルに対して完全に位置決めされた固定点ではなく、伸縮片が伸縮することにより移動可能としたフリー固定点となっている。
よって、ワイヤハーネスが車体パネルに対して完全に位置決めされた固定点は、エンジンからより離れた室内側に設けることができ、ワイヤハーネスのエンジン側の固定位置と車体パネル側の固定位置との間の寸法を長くすることができ、エンジンの振動によってワイヤハーネスに負荷される伸縮力を分散させ、ワイヤハーネスの損傷を防止することができる。
前記構成によれば、車体に設けた嵌合溝にグロメットの第一取付部の本体部をスライド挿入することによりグロメットを車体に装着することができ、車体に設けた貫通穴に押し込みもしくは引っ張りにより装着するグロメットと比べて、グロメットの車体への装着作業を容易にすることができる。
なお、装着作業性は低下するが、車体に設けた貫通穴に押し込みもしくは引っ張りにより装着するグロメットに前記一対の伸縮片を設けてもよい。
前記伸縮片の伸縮代を30mm〜60mmとしているのは、伸縮代の長さ30mmより小さいと、エンジンの振動に合わせて伸縮片を十分に伸縮させることができないからであり、60mmより大きいと、伸縮片が必要以上に長くなってしまうからである。
前記エンジン側の第二取付部は、厚肉筒部の外周面に係止突起を設けていると共に両端に大径とした挟持部を突設しており、
前記エンジン側に設けた固定部材を前記挟持部で挟持すると共に、該固定部材に設けた溝に前記係止突起を係止して取り付ける構成としていることが好ましい。
また、ワイヤハーネスにクリップ等からなる固定部材を直接取り付けるのではなく、グロメットの第二取付部の挟持部で固定部材を挟持すると共に、固定部材に設けた溝に前記係止突起を係止して取り付ける構成としているため、固定部材をグロメットに確実に位置決め固定することができる。
即ち、本発明のグロメットでは、グロメットの伸縮片でワイヤハーネスとテープ巻き固定しているが、該固定位置は車体パネルに対して完全に位置決めされた固定点ではなく、伸縮片が伸縮することにより移動可能としたフリー固定点となっている。
よって、ワイヤハーネスが車体パネルに対して完全に位置決めされた固定点は、エンジンからより離れた室内側に設けることができ、ワイヤハーネスのエンジン側の固定位置と車体パネル側の固定位置との間の寸法を長くすることができ、エンジンの振動によってワイヤハーネスに負荷される伸縮力を分散させ、ワイヤハーネスの損傷を防止することができる。
図1乃至図5に、本発明の実施形態を示す。
本実施形態のワイヤハーネス用グロメット10は、自動車に搭載されるエンジン(図示せず)と車体との間に架け渡されるワイヤハーネスW/Hに外装して装着するものである。
前記貫通穴11cは、本体部11aの軸線方向に対して傾斜させて貫通させており、貫通穴11cの周縁より突出する伸縮片11dも本体部11aの軸線方向に対して傾斜させて突出させている。伸縮片11dは、図1(B)に示すように、貫通穴11cの周縁に沿った円弧形状としており、その先端外周面にテープTの位置ズレを防止するためのリブ11eを突設している。各伸縮片11dは、貫通穴11cの周方向におよそ60度の範囲にそれぞれ設けている。
一対の伸縮片11dの長さを40mm〜70mm、該伸縮片11dの先端側の7mm〜10mmの範囲をワイヤハーネスとのテープ巻き部分、30mm〜60mmをテープ巻きしない伸縮代としている。
一方、グロメット10の第一取付部11側では、前記のように貫通穴11cより引き出したワイヤハーネスW/Hの外周面に、撓ませて若干縮めた状態の伸縮片11dの先端部を沿わせ、該先端部にのみテープTを巻き付けてテープ巻き固着している。このとき、伸縮片11dは、完全に伸縮させた状態ではなく、若干縮めた状態としているため、ワイヤハーネスW/Hに伸縮力が負荷されると、図5(A)に示すように伸びたり、図5(B)に示すようにさらに縮むことが可能な状態となっている。即ち、車室側となる第一取付部11側ではワイヤハーネスW/Hを完全に位置決め固定せず、伸縮片11dの伸縮により移動可能なフリー固定としている。
また、図4に示すように、グロメット10の第一取付部11側より引き出したワイヤハーネスW/Hの車室側に樹脂成形品からなるプロテクタ30を外装し、プロテクタ30の両端に設けたテープ巻き舌片30aにテープTを巻き付けて、該テープ巻き付け位置でワイヤハーネスW/Hとプロテクタ30とを完全に位置決め固定している。該プロテクタ30には車体係止部30bを一体成形しており、該車体パネル30bを車体パネル21の係止孔21aに挿入係止して、該プロテクタ30を車体パネル21に位置決め固定している。
一方、ワイヤハーネスW/Hにプロテクタ30を外装してテープ巻き舌片30aで位置決め固定すると共に、該プロテクタ30を車体係止部30bを介して車体パネル21に位置決め固定しているため、ワイヤハーネスW/Hとプロテクタ30とのテープ巻き舌片30aにおけるテープ巻き固定位置が、車体側におけるワイヤハーネスW/Hの完全な位置決め固定点F1となる。
このように、第二取付部13の厚肉筒部13aをエンジン側の固定部材40と位置決め固定すると共に、第二取付部13の小径筒部13dへのテープ巻きによりワイヤハーネスW/Hとグロメット10とを位置決め固定しているため、ワイヤハーネスW/Hと小径筒部13dとのテープ巻き固定位置が、エンジン側におけるワイヤハーネスW/Hの位置決め固定点F2となる。
このように、ワイヤハーネスW/Hとグロメット10とを車体側で完全に位置決め固定していないため、ワイヤハーネスW/Hの車体側の位置決め固定点がエンジンからより離れたワイヤハーネスW/Hとプロテクタ30との固定点F1となる。よって、車体パネル側の固定点F1とエンジン側の固定点F2との間のワイヤハーネスW/Hの寸法を長くすることができ、エンジンの振動によってワイヤハーネスに負荷される伸縮力を分散させ、ワイヤハーネスの損傷を防止することができる。
また、グロメット10の筒部12によりエンジンルームに搭載された外部干渉材からワイヤハーネスW/Hを保護することができると共に、筒部12を蛇腹筒部としているため、ワイヤハーネスW/Hの配索経路に応じて自由に屈曲させることができる。
11 第一取付部
11a 本体部
11b 凹部
11c 貫通穴
11d 伸縮片
12 筒部
13 第二取付部
13a 厚肉筒部
13b 係止突起
13c 挟持部
20 車体パネル
20a 嵌合溝
W/H ワイヤハーネス
Claims (3)
- 自動車に搭載されるエンジンと車体との間に架け渡されるワイヤハーネスに装着するグロメットであって、
前記車体側に取り付ける第一取付部と、該第一取付部と連続する筒部と、該筒部の他端側に設けたエンジン側に取り付ける第二取付部とを弾性材により一体成形しており、
前記第一取付部は、車体に設けた嵌合溝に係止する凹部を外周面に設けた本体部を備え、該本体部の中央部に前記筒部の中空と連通した貫通穴を設けていると共に、該貫通穴の出口側の外周縁の対向位置より一対の長尺な伸縮片を突設しており、
前記一対の伸縮片を縮めた状態で、その先端部分に、前記貫通穴を貫通している前記ワイヤハーネスをテープ巻きで固着し、前記エンジンの振動発生時に前記伸縮片を伸縮させて振動を吸収できる構成としているワイヤハーネス用グロメット。 - 前記第一取付部を取り付ける前記車体に設けた嵌合溝は上面開口のU字形状であり、該第一取付部の前記本体部は前記嵌合溝に上方より装着するU形状の外形を呈し、円弧状とした外周面に前記係止用の凹部を設けていると共に、前記貫通穴は前記本体部に傾斜させて貫通させ、かつ、前記一対の伸縮片の長さは40mm〜70mmとし、該伸縮片の先端側の7mm〜10mmの範囲を前記ワイヤハーネスとのテープ巻き部分とし、30mm〜60mmを伸縮代としている請求項1に記載のワイヤハーネス用グロメット。
- 前記第一取付部と前記第二取付部を連続する前記筒部は凹凸を設けた蛇腹筒部とし、
前記エンジン側の第二取付部は、厚肉筒部の外周面に係止突起を設けていると共に両端に大径とした挟持部を突設しており、
前記エンジン側に設けた固定部材を前記挟持部で挟持すると共に、該固定部材に設けた溝に前記係止突起を係止して取り付ける構成としている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用グロメット。
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