JP2009104053A - 駆動装置及び駆動方法、並びに電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば液晶表示装置等の駆動装置において、表示の際のディスクリネーションラインの発生を防止することで、画質を向上させる。
【解決手段】駆動装置は、複数の画素が配列されてなる画素領域(10a)で表示されるべき画像を画素単位で示す元画像信号を補正し、補正後画像信号として画素領域を有する電気光学装置に供給することで、電気光学装置を駆動する駆動装置であって、複数の画素のうち相隣接する二つの画素間における、元画像信号の階調の差分を算出する算出手段(120)と、算出された差分が小さくなるように元画像信号を補正する補正手段(140)と、補正された元画像信号を補正後画像信号として、電気光学装置に所定方式で供給する信号供給手段とを備える。
【選択図】図5
【解決手段】駆動装置は、複数の画素が配列されてなる画素領域(10a)で表示されるべき画像を画素単位で示す元画像信号を補正し、補正後画像信号として画素領域を有する電気光学装置に供給することで、電気光学装置を駆動する駆動装置であって、複数の画素のうち相隣接する二つの画素間における、元画像信号の階調の差分を算出する算出手段(120)と、算出された差分が小さくなるように元画像信号を補正する補正手段(140)と、補正された元画像信号を補正後画像信号として、電気光学装置に所定方式で供給する信号供給手段とを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、例えば液晶表示装置等を駆動する駆動装置及び駆動方法、並びに該駆動装置を備えた電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の駆動装置として、例えば液晶表示装置等の表示装置を駆動する場合に、表示の際のディスクリネーションラインと呼ばれる表示ムラの発生を防止して画質を向上させるものがある。ディスクリネーションラインは、隣接画素間、或いは画素領域において輝度の低下によって部分的に暗くなったり、光漏れにより明るくなってしまう表示ムラであり、液晶に印加される電界の乱れに起因して発生する。例えば、基板面に垂直な縦電界の印加が想定されている場合における想定外の横電界の発生に起因して、顕在化しやすい。このため、例えば特許文献1では、駆動極性を反転させつつ液晶表示装置を駆動する場合において、相隣接する画素に印加される電圧の極性が、互いに逆となる時間を短くするように駆動することにより、ディスクリネーションラインの発生を防止する技術が開示されている。
しかしながら、上述した技術においては、駆動極性が逆となってしまう期間が少なからず存在するため、そのような期間においてディスクリネーションラインが発生してしまう。また、極性が逆とならない期間であっても、表示する階調の違いによって隣接する画素間に電位差が生じるため、同様にディスクリネーションラインが発生してしまうおそれがある。即ち、上述した技術によれば、電界の乱れや想定外の横電界の発生による、液晶の配向の乱れを、十分に小さくすることが困難であるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、表示の際のディスクリネーションラインの発生を防止することで、画質を向上させることが可能な駆動装置及び駆動方法、並びに該駆動装置を備えた電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた電子機器を提供することを課題とする。
本発明の駆動装置は上記課題を解決するために、複数の画素が配列されてなる画素領域で表示されるべき画像を画素単位で示す元画像信号を補正し、補正後画像信号として前記画素領域を有する電気光学装置に供給することで、前記電気光学装置を駆動する駆動装置であって、前記複数の画素のうち相隣接する二つの画素間における、前記元画像信号の階調の差分を算出する算出手段と、前記算出された差分が小さくなるように前記元画像信号を補正する補正手段と、該補正された元画像信号を補正後画像信号として、前記電気光学装置に所定方式で供給する信号供給手段とを備える。
本発明に係る駆動装置によれば、その動作時に、先ず複数の画素が配列されてなる画素領域で表示されるべき画像を画素単位で示す元画像信号が入力される。元画像信号が入力されると、例えばプロセッサ、メモリ等を有する算出手段によって、複数の画素のうち相隣接する二つの画素間における、元画像信号に係る階調の差分が算出される。差分は、典型的には、複数の画素全てについて算出されるが、所定の画素についてのみ算出されてもよい。
続いて、例えばプロセッサ、メモリ等を有する補正手段により、算出された差分が小さくなるように元画像信号が補正される。例えば、差分を算出した二つの元画像信号のいずれか一方の階調が、他方の元画像信号の階調に近付くように補正される。或いは、両方の元画像信号を互いに階調が近付くように補正してもよい。上述した補正は、典型的には、元画像信号の電圧を変化させることによって行われる。即ち、補正することによって、隣接する画素間の電位差は小さくなる。
補正された補正後画像信号は、例えばプロセッサ、メモリ、電源等を有する信号供給手段によって、電気光学装置に所定方式で供給される。例えば、走査線別にシリアルな画素信号のフォーマットや、これに加えて複数本のデータ線を同時駆動する場合におけるシリアル−パラレル変換(或いは相展開)された画像信号のフォーマットで供給される。これにより、電気光学装置が駆動され、画像が表示されることとなる。尚、典型的には、駆動装置からは、このような補正後画像信号の所定方式による供給に同期して、走査信号が供給される。但し、このような走査信号は、当該駆動装置とは別に用意された走査線駆動回路から、供給されてもかまわない。
ここで仮に、上述したような補正が行われないとすると、隣接する画素間に比較的大きな電位差が生じることとなる。このような電位差は、例えば横電界等を発生させる原因となり、このような横電界は、画素領域においてディスクリネーションラインを発生させる原因となる。特に、縦電界で駆動されることが想定されている電気光学装置の場合には、想定外の横電界の発生により、ディスクリネーションラインが顕著に発生し得る。ディスクリネーションラインが発生してしまうと、画素領域において、部分的に暗い部分や明るい部分が存在することとなり、結果として表示ムラが発生してしまう。即ち、画質が低下してしまう。
しかるに本発明では特に、上述したように、元画像信号を補正することで、隣接する画素間の電位差を小さくすることが可能である。よって、ディスクリネーションラインの発生を防止することが可能である。尚、元画像信号の階調の差分が小さくなるように補正すると、表示される画像は、多少ぼやけるように補正されてしまう。しかしながら、ディスクリネーションラインによる画質の低下が改善される分を考慮すると、全体として画質は向上される。特に、表示の高精細化のために画素が小さく構成されている電気光学装置を駆動する場合においては、補正によるぼやけは、視覚的に殆ど或いは全く感じられないまでに低減される。これに対し、ディスクリネーションラインは、例えば画面上に暗い線や明るい線として現れるため、非常に目に付きやすい。従って、ディスクリネーションラインの発生を防止することで、効果的に画質を向上させることが可能である。
以上説明したように、本発明に係る駆動装置によれば、隣接する画素間において、元画像信号の階調の差分を算出することで、好適に元画像信号を補正することが可能である。よって、表示の際のディスクリネーションラインの発生を防止し、画質を向上させることが可能である。
本発明の駆動装置の一態様では、前記補正手段は、前記算出された差分に応じて、前記元画像信号を構成する前記二つの画素に対応する二つの信号部分のうち、一方の信号部分に係る前記階調が、他方の信号部分に係る前記階調に近付くように補正するための補正量を決定する補正量決定手段と、前記決定された補正量に基づいて、前記一方の信号部分を補正する部分補正手段とを備える。
この態様によれば、補正手段によって元画像信号が補正される際に、先ず、例えばプロセッサ、メモリ、コンパレータ等を有する補正量決定手段によって、算出された差分に応じた補正量が決定される。補正量は、元画像信号を構成する二つの画素に対応する二つの信号部分のうち、一方の信号部分に係る階調が、他方の信号部分に係る階調に近付くように補正するための値として決定される。また、このような補正量は、算出することで決定されてもよいし、予め設定されたテーブル等を用いて決定されてもよい。尚、ここでの「信号部分」とは、元画像信号を構成する個々の画素信号或いは元画素信号を意味している。即ち、画像信号は、複数の画素に対応する複数の信号部分(或いは画素信号)の集合体ということもできる。
続いて、例えばプロセッサ、メモリ、加算器等を有する部分補正手段により、決定された補正量に基づいて、一方の信号部分が補正される。ここでの補正は、典型的には、補正量が一方の画像信号に加算又は減算されることで行われる。一方の信号部分が補正されることで、隣接する画素間における電位差は小さくなる。よって、ディスクリネーションラインの発生を防止することが可能である。
本態様では特に、差分に応じた補正量を決定することで、より確実に元画像信号を補正することを可能としている。従って、表示の際のディスクリネーションラインの発生をより確実に防止し、画質を向上させることが可能である。
上述した補正手段が補正量決定手段及び部分補正手段を備える態様では、前記補正量決定手段は、前記算出された差分に所定の補正係数を乗ずることで、前記補正量を算出するように構成してもよい。
このように構成すれば、補正量決定手段によって、算出された差分に所定の補正係数が乗ぜられることにより、上述した補正量が算出される。所定の補正係数は、例えば所定の補正係数を用いた補正を行いつつ、実際の表示をシミュレートすることで求められ、予め設定される。尚、設定される所定の補正係数は1つに限られなくともよく、例えば差分の大きさ等に応じて、複数の補正係数が使い分けられるようにしてもよい。
所定の補正係数を用いることにより、補正量をより容易に決定することができる。従って、表示の際のディスクリネーションラインの発生をより確実に防止し、画質を向上させることが可能となる。
上述した補正量決定手段が所定の補正係数を用いる態様では、前記所定の補正係数は、前記二つの画素が一の方向に隣接する場合及び前記一の方向と交わる他の方向に隣接する場合で別々に設定されているように構成してもよい。
このように構成すれば、補正量が決定される際に、画素が隣接する方向によって、相異なる所定の補正係数が用いられる。例えば一の画素に対して、上下左右の4方向から他の画素が隣接している場合には、上下方向と左右方向とで所定の補正係数が2つ設定され、補正量が決定される。
上述したように補正量を決定することで、隣接する方向によって特性が異なる場合に、より適切な補正量が決定される。例えば、電気光学装置において、走査線毎に画像信号の極性を反転させて駆動を行う場合(所謂、1H反転駆動方式の場合)には、走査線と交わる方向に隣接する画素間においてディスクリネーションラインが発生しやすくなる。このような場合には、画素が走査線と交わる方向に隣接する場合の補正係数を大きくすることで、より適切な補正量が決定される。
より適切な補正量が決定されることで、表示の際のディスクリネーションラインの発生は効果的に防止される。従って、画質を向上させることが可能となる。
上述した補正手段が補正量決定手段及び部分補正手段を備える態様では、前記補正量決定手段は、前記一方の信号部分として、前記二つの信号部分のうち前記階調が明るい方又は暗い方のいずれかを選択するように設定されているように構成してもよい。
このように構成すれば、補正量決定手段では、一方の信号部分として、階調が明るい方又は暗い方のうち、設定された方の信号部分が選択される。即ち、補正が行われる信号部分を、階調に基づいて選択するように設定される。例えば、階調が明るい方を選択するように設定した場合には、一方の信号部分の階調が暗い方に近付くように補正されるため、表示は全体として暗くなる方向に補正される。
上述したように、補正する信号部分を階調によって選択するようにすることで、補正後の表示を明るくするか又は暗くするかを選択できる。よって、例えば補正前の元画像信号による表示が暗いような場合には、一方の信号として、階調が暗い方を選択するように設定することで、補正後の表示を明るくすることが可能である。
以上説明したように、本態様に係る駆動装置によれば、画質を向上させると共に、表示の際の明るさを調整することが可能である。加えて、一方の信号部分を選択する処理が容易となるため、装置構成等の複雑化を防止することも可能である。
上述した補正手段が補正量決定手段及び部分補正手段を備える態様では、前記補正量決定手段は、前記一方の信号部分として、前記二つの信号部分のうち前記階調が明るい方又は暗い方のいずれかを選択する選択手段を有するように構成してもよい。
このように構成すれば、補正量決定手段に有された選択手段によって、一方の信号部分として、階調が明るい方又は暗い方のいずれかの信号部分が選択される。選択手段は、例えば差分を算出した信号部分の階調等に応じて、明るい方又は暗い方のいずれかを選択する。即ち、状況に応じて、より好適な選択を行うようにすることが可能となる。よって、補正量決定手段では、より適切な補正量が決定されることとなる。
上述した選択手段による信号部分の選択において、いずれの信号部分を選択するかは、例えば駆動する電気光学装置の特性を選択手段に認識させることで、駆動開始時に設定されるようにしてもよいし、入力される画像信号に基づいて、選択手段がリアルタイムで判断するようにしてもよい。
以上説明したように、本態様に係る駆動装置によれば、補正量決定手段が選択手段を有していることで、より適切な補正量を決定することが可能となる。よって、表示の際のディスクリネーションラインの発生を効果的に防止することが可能となる。従って、画質を向上させることが可能である。
上述した補正手段が補正量決定手段及び部分補正手段を備える態様では、前記算出手段は、前記二つの信号部分に係る前記階調が、いずれも所定範囲内である場合に、前記差分を算出するように構成してもよい。
このように構成すれば、算出手段によって差分の算出が行われる際に、差分を算出する二つの信号部分に係る階調が、所定範囲内であるか否かが判定される。そして、二つの信号部分に係る階調がいずれも所定範囲内である場合に、差分が算出される。即ち、二つの信号部分に係る前記階調の少なくとも一方が、所定範囲内でない場合には、算出手段は差分を算出せず、補正も行われない。尚、ここでの「所定範囲」とは、階調が範囲外である場合には、補正による効果が薄い又は補正によって画質が低下してしまうような範囲を意味している。所定範囲は、例えば電位差によるディスクリネーションラインの発生率をシミュレートすることにより求められる。
信号部分に係る階調が所定範囲内であるか否かが判定されることで、効果が薄い又は補正によって画質が低下してしまうような場合には、補正を行わないようにすることが可能である。即ち、補正による効果が十分に得られるような場合にのみ、補正を行うようにすることが可能である。これにより、画質を効果的に向上させることが可能である。
また、上述したように、二つの信号部分に係る前記階調の少なくとも一方が、所定範囲内でない場合には、算出手段は差分を算出せず、補正も行われないため、装置にかかる負荷を低減させることも可能である。
上述した補正手段が補正量決定手段及び部分補正手段を備える態様では、前記二つの信号部分のうち、少なくとも一方を記憶する記憶手段を更に備え、前記算出手段は、前記記憶手段に記憶された少なくとも一方の信号部分を用いて、前記差分を算出するように構成してもよい。
このように構成すれば、差分を算出する二つの信号部分のうち少なくとも一方が、例えばラインバッファメモリ、フレームバッファメモリ等を有する記憶手段によって記憶されている。そして、差分を算出する際には、記憶手段に記憶された少なくとも一方の信号部分を用いて差分が算出される。より具体的には、例えば一方の画像信号が記憶されている場合、記憶された画像信号と入力された画像信号との差分が算出される。また、二つの画像信号が記憶されている場合は、記憶されている二つの画像信号から差分を算出する。
例えば、電気光学装置における走査線と交わる方向で隣接する画素について差分を算出しようとする場合には、信号部分の供給されるタイミングが画素間で異なる。よって、二つの信号部分から直接(即ち、いずれの信号部分も記憶させずに)差分を算出することが困難である。
しかるに本態様では特に、上述したように、記憶手段によって、少なくとも一方の信号部分を記憶させておくことが可能である。このため、信号部分の供給されるタイミングが画素間で異なる場合であっても、容易に差分を算出することが可能となる。よって、補正手段において、確実に信号部分を補正することができる。従って、表示の際のディスクリネーションラインの発生を確実に防止し、画質を向上させることが可能である。
本発明の駆動方法は上記課題を解決するために、複数の画素が配列されてなる画素領域で表示されるべき画像を画素単位で示す元画像信号を補正し、補正後画像信号として前記画素領域を有する電気光学装置に供給することで、前記電気光学装置を駆動する駆動方法であって、前記複数の画素のうち相隣接する二つの画素間における、前記元画像信号の階調の差分を算出する算出工程と、前記算出された差分が小さくなるように前記元画像信号を補正する補正工程と、該補正された元画像信号を補正後画像信号として、前記電気光学装置に所定方式で供給する信号供給工程とを備える。
本発明に係る駆動方法によれば、上述した本発明の駆動装置の場合と同様に、隣接する画素間において、元画像信号の階調の差分を算出することで、好適に元画像信号を補正することが可能である。よって、表示の際のディスクリネーションラインの発生を防止し、画質を向上させることが可能である。
尚、本発明の駆動方法においても、上述した本発明の駆動装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明の駆動装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明の電気光学装置によれば、上述した本発明に係る駆動装置を具備してなるので、表示の際のディスクリネーションラインの発生を効果的に防止し、画質を向上させることが可能である。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、高品質な表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することも可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<電気光学装置>
先ず、本実施形態に係る駆動装置によって駆動される電気光学装置の構成について、図1から図3を参照して説明する。以下では、駆動回路内蔵型のTFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
先ず、本実施形態に係る駆動装置によって駆動される電気光学装置の構成について、図1から図3を参照して説明する。以下では、駆動回路内蔵型のTFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
本実施形態に係る電気光学装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、本実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図であり、図2は、図1のH−H´線断面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板等の透明基板である。対向基板20も、TFTアレイ基板10と同様に、透明基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されている。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素電極が設けられた画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。画素電極9aは、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電膜からなり、配向膜は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。他方、対向基板20上には、格子状又はストライプ状の遮光膜23が形成された後に、その全面に亘って対向電極21が設けられており、更には最上層部分に配向膜が形成されている。対向電極21は、ITO膜などの透明導電膜からなり、配向膜は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で所定の配向状態をとる。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
次に、本実施形態に係る電気光学装置の画素部の電気的な構成について、図3を参照して説明する。ここに図3は、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
図3において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極9a及びTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、本実施形態に係る液晶装置の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、本実施形態に係る液晶装置は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
液晶層50(図2参照)を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。
ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極21(図2参照)との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。蓄積容量70は、画像信号の供給に応じて各画素電極9aの電位を一時的に保持する保持容量として機能する容量素子である。蓄積容量70の一方の電極は、画素電極9aと並列してTFT30のドレインに接続され、他方の電極は、定電位となるように、電位固定の容量線300に接続されている。蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性が向上し、コントラスト向上やフリッカの低減といった表示特性の向上が可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る電気光学装置では、画素毎に設けられた画素電極9aが、走査線が伸びる方向(即ち、図中のX方向)、及び走査線と交わる方向(即ち、図中のY方向)で隣接するように、マトリクス状に配置されている。
<駆動装置>
次に、上述した電気光学装置を駆動する、本実施形態に係る駆動装置の構成及び動作について、図4から図12を参照して説明する。
次に、上述した電気光学装置を駆動する、本実施形態に係る駆動装置の構成及び動作について、図4から図12を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る駆動装置と上述した電気光学装置との接続構成について、図4を参照して説明する。ここに図4は、本実施形態に係る駆動装置と電気光学装置との接続構成を示す斜視図である。
図4において、本実施形態に係る駆動装置100は、図1及び図2に示したデータ線駆動回路101に対して、補正後の画像信号を所定フォーマットで供給する装置として構築されている。より具体的には、外部回路接続端子102にフレキシブルコネクタ200を介して接続される、液晶パネルに対する外部回路或いは装置として構築される。即ち、本実施形態における駆動装置100は、液晶パネルに対する画像信号供給装置或いは回路とも呼べるものとして構築されている。更に、補正を伴わない元画像信号を供給する画像信号供給装置に内蔵される又はその後段に配置される補正回路或いは装置とも呼べるものとして構築されてもよい。加えて、駆動装置は、本実施形態に独自の補正に合わせて、ガンマ補正、シリアル−パラレル変換等の既存の補正や処理を実行するように構成されてもよい。
次に、本実施形態に係る駆動装置の構成及び動作について詳細に説明する。以下では、差分を算出する信号部分が供給される二つの画素電極9aが、互いにどの方向で隣接しているかによって、装置の構成及び動作を別々に説明する。尚ここでは、差分を算出する二つの信号部分のうち、階調の暗い方の信号部分に補正が行われる(即ち、予め暗い方の信号部分を補正するように設定されている)場合を例にとる。
先ず、差分を算出する二つの画素電極9aが、走査線の伸びる方向(即ち、図3におけるX方向)で隣接している場合について、図5から図7を参照して説明する。ここに図5は、X方向の補正を行う駆動装置の構成を示すブロック図であり、図6は、X方向の補正を行う駆動装置の動作を示すフローチャートである。また図7は、X方向で相隣接する二つの画素電極の位置関係を示す平面図である。
図5において、本実施形態に係る駆動装置は、本発明の「算出手段」の一例であるリミッタ110及び算出部120と、本発明の「補正量決定手段」の一例である補正量決定部130と、本発明の「補正手段」の一例である加算部140とを備えて構成されている。
リミッタ110及び算出部120は、例えば演算回路やメモリ等を備えて構成されている。リミッタ110は、入力される二つの信号部分に係る階調を検出し、それらの信号部分を算出部120に対して出力するか否かを決定する。算出部120は、入力される二つの信号部分の差分を算出し、一つの差分情報として補正量決定部130に出力する。
補正量決定部130は、演算回路やメモリ等を備えて構成されており、入力された差分に基づいて、補正量を決定する。補正量は、例えば数式等を用いることで算出されてもよいし、予め設定されたテーブル等に基づいて決定されてもよい。
加算部140は、演算回路やメモリ等を備えて構成されており、入力された信号部分に対し、補正量決定部130において決定された補正量を加算することで補正する。そして、補正した信号部分を、上述した電気光学装置に供給する。
図6において、本実施形態に係る駆動装置の動作時には、先ず装置に元画像信号が入力される(ステップS11:YES)。元画像信号は、上述したように、電気光学装置の走査線3a(図3参照)毎に順次入力される。続いて、入力された元画像信号から、n−1番目の信号部分及びn番目の信号部分を抽出する(ステップS12)。即ち、図7に示すように、画像表示領域10a(図1参照)において、左側からX方向に数えてn−1番目に位置する画素電極9aに供給される信号部分及びn番目に位置する画素電極9aに供給される信号部分が抽出される。
抽出された二つの信号部分は夫々、リミッタ110に入力される。リミッタ110は、二つの信号部分の階調がいずれも所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS13)。所定範囲は、階調が範囲外である場合には、補正による効果が薄い又は補正によって画質が低下してしまうような範囲として、例えば電位差によるディスクリネーションラインの発生率をシミュレートすることにより求められている。階調がいずれも所定範囲内である場合には(ステップS13:YES)、二つの信号部分は夫々、算出部120へ出力される。他方で、階調の少なくとも一方が所定範囲外である場合には(ステップS13:NO)、二つの信号部分は出力されない。即ち、後述する差分の算出や、信号部分の補正は行われない。
リミッタ110から出力された二つの信号部分が算出部120に入力されると、算出部120は、二つの信号部分の階調の差分を算出する(ステップS14)。算出された差分は、補正量決定部130に入力される。補正量決定部130は、差分に所定の補正係数をかけることによって補正量を決定する(ステップS15)。所定の補正係数は、n番目の信号部分に係る階調及びn−1番目の信号部分に係る階調のいずれの方が明るいかによって異なる値をとる。例えば、n番目の信号部分に係る階調の方が明るい場合は、所定の補正係数はk1とされ、n−1番目の信号部分に係る階調の方が明るい場合は、所定の補正係数はk2とされる。
ここで、n番目の信号部分に係る階調をLn、n−1番目の信号部分に係る階調をLn−1とすると、n番目の信号部分に係る階調Lnの方が明るい場合の補正量A1は、例えば以下に示す数式(1)によって決定される。
A1=(Ln−Ln−1)×k1 ・・・(1)
また、n−1番目の信号部分に係る階調Ln−1の方が明るい場合の補正量A2は、例えば以下に示す数式(2)によって決定される。
また、n−1番目の信号部分に係る階調Ln−1の方が明るい場合の補正量A2は、例えば以下に示す数式(2)によって決定される。
A2=(Ln−1−Ln)×k2 ・・・(2)
このように決定された補正量は、加算部140に出力される。加算部140は、n番目の信号部分及びn−1番目の信号部分のうち、階調が暗い方の信号部分に対して、補正量を加算する(ステップS16)。補正された信号部分は、補正後画像信号として電気光学装置に出力される(ステップS17)。
このように決定された補正量は、加算部140に出力される。加算部140は、n番目の信号部分及びn−1番目の信号部分のうち、階調が暗い方の信号部分に対して、補正量を加算する(ステップS16)。補正された信号部分は、補正後画像信号として電気光学装置に出力される(ステップS17)。
上述したような動作が、X方向で隣接する全ての画素電極9a間で繰り返し行われることにより、X方向の補正が行われる。この補正によって、X方向で隣接する画素間に供給される画像信号の電位差は小さくなる。従って、電気光学装置の画像表示領域10aにおいて発生するディスクリネーションラインを防止することができ、画質を向上させることが可能である。
このように図5から図7を参照して説明した駆動装置は、図1及び図2に示したデータ線駆動回路101に対して、補正後の画像信号を供給する装置として構築されている。但し、駆動装置は、データ線駆動回路101を含んで構築されてもよく、更に、これに加えて又は代えて図1及び図2に示した走査線駆動回路104を含んで構築されてもよい。いずれにせよ、図5に示した画像信号を補正する回路部分を含む限りにおいて、本実施形態による効果は、同様に得られる。
次に、差分を算出する二つの画素電極9aが、走査線と交わる方向(即ち、図3におけるY方向)で隣接している場合について、図8から図10を参照して説明する。ここに図8は、Y方向の補正を行う駆動装置の構成を示すブロック図であり、図9は、Y方向の補正を行う駆動装置の動作を示すフローチャートである。また図10は、Y方向で相隣接する二つの画素電極の位置関係を示す平面図である。尚、以下では、上述した画素電極9aがX方向で隣接する場合の補正を行う駆動装置と重複する部分の説明は、適宜省略するものとする。
図8において、画素電極9aがY方向で隣接する場合の補正を行う駆動装置は、上述した画素電極9aがX方向で隣接する場合の補正を行う駆動装置に加えて、本発明の「記憶手段」の一例である記憶部150を備えて構成されている。
記憶部150は、ラインバッファ等のメモリ装置であり、例えば直前に供給された1ライン(即ち、1行分の画素)に供給される信号部分を記憶する。記憶された信号部分は、命令に応じて読み出すことが可能である。尚ここでは、記憶部150として、1つのラインバッファが備えられている場合について説明するが、複数のラインバッファが備えられるように構成してもよい。
図9において、画素電極9aがY方向で隣接する場合の補正を行う駆動装置の動作時には、先ず装置に元画像信号が入力される。元画像信号は、上述したように、電気光学装置の走査線3a(図3参照)毎に順次入力される。ここで、n−1ライン目の信号部分が入力されると(ステップS21:YES)、記憶部150は、n−1ライン目の信号部分を記憶する(ステップS22)。即ち、図10に示すように、画像表示領域10a(図1参照)において、上からY方向に数えてn−1番目に位置する画素電極9aに供給される信号部分が、記憶部150に記憶される。
続いて、nライン目の信号部分が入力されると(ステップS23:YES)、上述したステップS22において記憶されたn−1ライン目の信号部分を読み出す(ステップS24)。このような処理を行うことで、供給されるタイミングの異なる信号部分を、同時に処理することが可能となる。即ち、n−1ライン目の一の画素電極に供給される信号部分と、一の画素電極に隣接するnライン目の他の画素電極に供給される信号部分とを、同時に処理することが可能となる。
以降は、上述した画素電極9aがX方向で隣接する場合と同様にステップS13からステップS17までの工程が行われる。よって、Y方向で隣接する画素間に供給される画像信号の電位差は小さくなる。従って、電気光学装置の画像表示領域10aにおいて発生するディスクリネーションラインを防止することができ、画質を向上させることが可能である。
但し、ステップS15における補正量の決定には、異なる所定の補正係数が用いられる。例えば、nライン目の信号部分に係る階調の方が明るい場合は、所定の補正係数はk3とされ、n−1ライン目の信号部分に係る階調の方が明るい場合は、所定の補正係数はk4とされる。よって、nライン目の信号部分に係る階調をL2n、n−1ライン目の信号部分に係る階調をL2n−1とすると、nライン目の信号部分に係る階調L2nの方が明るい場合の補正量A3は、例えば以下に示す数式(3)によって決定される。
A3=(L2n−L2n−1)×k3 ・・・(3)
また、n−1ライン目の信号部分に係る階調L2n−1の方が明るい場合の補正量A4は、例えば以下に示す数式(4)によって決定される。
また、n−1ライン目の信号部分に係る階調L2n−1の方が明るい場合の補正量A4は、例えば以下に示す数式(4)によって決定される。
A4=(L2n−1−L2n)×k4 ・・・(4)
このように、画素電極9aがX方向に隣接する場合とY方向に隣接する場合とで、異なる補正係数を用いることにより、隣接する方向による、ディスクリネーションラインの発生率の違いに対応した補正を行うことが可能となる。例えば、走査線3a(図3参照)毎に画像信号の極性を反転させて駆動を行う場合(所謂、1H反転駆動方式の場合)は、X方向で隣接する画素電極9a間の電位差と比較して、Y方向で隣接する画素電極9a間の電位差が大きくなる。よって、上述した補正係数k1及びk2に対して、k3及びk4を大きく設定しておけば、より効果的な補正が行える。同様に、データ線6a(図3参照)毎に画像信号の極性を反転させて駆動を行う場合(所謂、1S反転駆動方式の場合)は、Y方向で隣接する画素電極9a間の電位差と比較して、X方向で隣接する画素電極9a間の電位差が大きくなる。よって、上述した補正係数k3及びk4に対して、k1及びk2を大きく設定しておけば、より効果的な補正が行える。
このように、画素電極9aがX方向に隣接する場合とY方向に隣接する場合とで、異なる補正係数を用いることにより、隣接する方向による、ディスクリネーションラインの発生率の違いに対応した補正を行うことが可能となる。例えば、走査線3a(図3参照)毎に画像信号の極性を反転させて駆動を行う場合(所謂、1H反転駆動方式の場合)は、X方向で隣接する画素電極9a間の電位差と比較して、Y方向で隣接する画素電極9a間の電位差が大きくなる。よって、上述した補正係数k1及びk2に対して、k3及びk4を大きく設定しておけば、より効果的な補正が行える。同様に、データ線6a(図3参照)毎に画像信号の極性を反転させて駆動を行う場合(所謂、1S反転駆動方式の場合)は、Y方向で隣接する画素電極9a間の電位差と比較して、X方向で隣接する画素電極9a間の電位差が大きくなる。よって、上述した補正係数k3及びk4に対して、k1及びk2を大きく設定しておけば、より効果的な補正が行える。
また、上述した画素電極9aがX方向に隣接する場合の補正、及びY方向に隣接する場合の補正は、典型的には両方とも行われるが、いずれか一方のみを行う場合でも効果を得ることは可能である。よって、例えば1H反転駆動方式の場合は、Y方向に隣接する場合の補正のみを行うようにし、1S反転駆動方式の場合は、X方向に隣接する場合の補正のみを行うようにしてもよい。このように補正を行うようにすることで、装置の負荷を低減しつつ、効果的な補正を行うことが可能となる。
このように図8から図10を参照して説明した駆動装置は、図1及び図2に示したデータ線駆動回路101に対して、補正後の画像信号を供給する装置として構築されている。但し、駆動装置は、データ線駆動回路101を含んで構築されてもよく、更に、これに加えて又は代えて図1及び図2に示した走査線駆動回路104を含んで構築されてもよい。いずれにせよ、図8に示した画像信号を補正する回路部分を含む限りにおいて、本実施形態による効果は、同様に得られる。
更に、本実施形態に係る駆動装置には、差分を算出する二つの信号部分のち、いずれの信号部分に補正を行うかを選択する選択部が備えられてもよい。以下では、上述した駆動装置の変形例として、選択部を備えた駆動装置について、図11及び図12を参照して説明する。ここに図11は、本実施形態に係る駆動装置の変形例の構成を示すブロック図であり、図12は、本実施形態に係る駆動装置の変形例の動作を示すフローチャートである。尚ここでは、説明の便宜上、画素電極9aがX方向に隣接する場合の補正についてのみ説明し、Y方向で隣接する場合の補正については説明を省略する。
図11において、本実施形態に係る駆動装置の変形例では、図5で説明した駆動装置に加えて、本発明の「選択手段」の一例である選択部160を備えて構成されている。選択部160は、例えば演算回路やメモリ等を備えて構成されており、リミッタ110から入力される二つの信号部分を算出部120に出力することに加えて、加算部140に対して、二つの信号部分に基づいて生成された選択情報信号を出力する。
図12において、本実施形態に係る駆動装置の変形例の動作時には、先ず図6で説明したように、ステップS11からステップS13の工程が行われる。ここで、リミッタ110から出力された二つの信号部分は、選択部160に入力される。選択部160は、入力された二つの信号部分等に基づいて、入力された二つの信号部分のうち、いずれの信号部分を補正するかを選択する。例えば、いずれの信号部分の階調も暗く、補正前の元画像信号によって表示される画像が暗いと判断した場合には、階調が暗い方の信号部分を補正するように選択する。これにより、補正後の画像信号によって表示される画像は、明るくなるように補正される。
選択部160は、いずれの信号部分を補正するか選択すると、選択情報信号を加算部140に出力する(ステップS32)。加算部140は、選択情報信号によって、いずれの信号部分を補正するかを認識し、選択された信号部分を補正する。尚、暗い方の信号部分が補正される場合には、上述したように補正量は加算されるが、明るい方の信号部分が補正される場合には、補正量は信号部分から減算される。或いは、補正量決定手段130によって、負の補正量が決定される。選択情報信号は、信号部分が選択部160に入力される度に出力されてもよいし、所定期間毎又は駆動開始時のみというように、所定のタイミングで出力されるようにしてもよい。
選択情報信号が出力された後は、図6で説明した場合と同様に、ステップS14からステップS17までの工程が行われる。このように、駆動装置が選択部160を備えることにより、画素電極9aにおけるディスクリネーションラインの発生を防止することに加えて、明るさの調整を行うことが可能となる。よって、より効果的に画質を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る駆動装置では、隣接する画素電極9a間に供給される二つの信号部分について、階調の差分を用いて補正を行うことにより、効果的にディスクリネーションラインの発生を防止することが可能となる。従って、電気光学装置における表示画質を向上させることが可能となる。尚、上述した実施形態では、二つの信号部分のうち、一方の信号部分のみを補正する場合について説明したが、両方の信号部分を補正するようにしてもよい。また、上述したような信号部分の補正は、電気光学装置が駆動されている間は常に行われるようにしてもよいし、例えば切り替えスイッチ等によって、補正をするか否かを選択できるように構成してもよい。即ち、ユーザ等の判断に応じて、補正するか否かを選択できるように構成してもよい。
<電子機器>
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。ここに図13は、プロジェクタの構成例を概略的に示す平面図である。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。ここに図13は、プロジェクタの構成例を概略的に示す平面図である。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。
図13に示されるように、プロジェクタ1100内部には、RGBの3原色に夫々対応したLED110R、110G及び110Bが設けられている。LED110R、110G及び110Bは、例えば60Hzの周期で夫々順次に光を投射する。LED110R、110G及び110Bから射出された投射光は、夫々合成プリズム300に入射した後、ライトバルブとしての液晶パネル200に対して出射される。
液晶パネル200の構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給される信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、液晶パネル200によって変調された光は、投射レンズ400を介して投影される。これにより、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
本実施形態に係るプロジェクタ1100では、R、G、Bの各原色に対応するLED110R、110G及び110Bが設けられているため、カラーフィルタを設けなくともよい。よって、コストの削減が可能な他、投射光がカラーフィルタを通過しないため、高輝度が得られる。
尚、図13を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う駆動装置及び駆動方法、並びに電気光学装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
3a…走査線、6a…データ線、9a…画素電極、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、20…対向基板、21…対向電極、30…TFT、50…液晶層、101…データ線駆動回路、102…外部回路接続端子、110…リミッタ、120…算出部、130…補正量決定部、140…加算部、150…記憶部、160…選択部、200…フレキシブルコネクタ
Claims (11)
- 複数の画素が配列されてなる画素領域で表示されるべき画像を画素単位で示す元画像信号を補正し、補正後画像信号として前記画素領域を有する電気光学装置に供給することで、前記電気光学装置を駆動する駆動装置であって、
前記複数の画素のうち相隣接する二つの画素間における、前記元画像信号の階調の差分を算出する算出手段と、
前記算出された差分が小さくなるように前記元画像信号を補正する補正手段と、
該補正された元画像信号を補正後画像信号として、前記電気光学装置に所定方式で供給する信号供給手段と
を備えることを特徴とする電気光学装置の駆動装置。 - 前記補正手段は、
前記算出された差分に応じて、前記元画像信号を構成する前記二つの画素に対応する二つの信号部分のうち、一方の信号部分に係る前記階調が、他方の信号部分に係る前記階調に近付くように補正するための補正量を決定する補正量決定手段と、
前記決定された補正量に基づいて、前記一方の信号部分を補正する部分補正手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動装置。 - 前記補正量決定手段は、前記算出された差分に所定の補正係数を乗ずることで、前記補正量を算出することを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
- 前記所定の補正係数は、前記二つの画素が一の方向に隣接する場合及び前記一の方向と交わる他の方向に隣接する場合で別々に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
- 前記補正量決定手段は、前記一方の信号部分として、前記二つの信号部分のうち前記階調が明るい方又は暗い方のいずれかを選択するように設定されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 前記補正量決定手段は、前記一方の信号部分として、前記二つの信号部分のうち前記階調が明るい方又は暗い方のいずれかを選択する選択手段を有することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 前記算出手段は、前記二つの信号部分に係る前記階調が、いずれも所定範囲内である場合に、前記差分を算出することを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 前記二つの信号部分のうち、少なくとも一方を記憶する記憶手段を更に備え、
前記算出手段は、前記記憶手段に記憶された少なくとも一方の信号部分を用いて、前記差分を算出する
ことを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の駆動装置。 - 複数の画素が配列されてなる画素領域で表示されるべき画像を画素単位で示す元画像信号を補正し、補正後画像信号として前記画素領域を有する電気光学装置に供給することで、前記電気光学装置を駆動する駆動方法であって、
前記複数の画素のうち相隣接する二つの画素間における、前記元画像信号の階調の差分を算出する算出工程と、
前記算出された差分が小さくなるように前記元画像信号を補正する補正工程と、
該補正された元画像信号を補正後画像信号として、前記電気光学装置に所定方式で供給する信号供給工程と
を備えることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 請求項1から8のいずれか一項に記載の駆動装置を具備してなることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項10に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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