JP2009103860A - 光導波路および光導波路製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同一面上に位置するように配置された2本以上のコア層110および互いに隣り合う2本のコア層間に設けられた第1クラッド層120を含む中心層と前記中心層の少なくとも表裏両面に設けられた第2クラッド層200と、を有し、前記コア層および前記第1クラッド層の少なくとも前記第2クラッド層と接する側の面が、水酸基を有する樹脂、および、主鎖にケイ素−ケイ素結合を含む樹脂から選択される少なくともいずれか一方の樹脂を含み、且つ、前記第2クラッド層がシリコーン樹脂を含むことを特徴とする光導波路。
【選択図】図1
Description
請求項1に係わる発明は、
同一面上に位置するように配置された2本以上のコア層および互いに隣り合う2本のコア層間に設けられた第1クラッド層を含む中心層と
前記中心層の少なくとも表裏両面に設けられた第2クラッド層と、を有し、
前記コア層および前記第1クラッド層の少なくとも前記第2クラッド層と接する側の面が、水酸基を有する樹脂、および、主鎖にケイ素−ケイ素結合を含む樹脂から選択される少なくともいずれか一方の樹脂を含み、且つ、
前記第2クラッド層がシリコーン樹脂を含むことを特徴とする光導波路である。
前記中心層に、エポキシ系樹脂およびアクリル系樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂を含み、且つ、
前記第2クラッド層に、無機材料からなるフィラーが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の光導波路である。
コア層として機能する層を2層以上含み、且つ、前記コア層として機能する層と、クラッド層として機能する層とを交互に積層したフィルムを、該フィルムの厚み方向に対して切断することにより、2本以上のコア層と、互いに隣接する2本のコア層間に位置するクラッド層とを含む中心層を形成する中心層形成工程と、
前記中心層の外周面を、クラッド層として機能する材料により被覆する被覆工程とを経て、光導波路を作製することを特徴とする光導波路製造方法である。
前記フィルムの切断が、ダイシングソーを用いて実施されることを特徴とする請求項3記載の光導波路製造方法である。
前記被覆工程が、
凹部を有する成形型の前記凹部の底部にクラッド層として機能する第1の材料を配置する工程と、
前記凹部の底部に配置された前記第1の材料上に、前記中心層を有する部材を配置する工程と、
前記凹部の底部に配置された前記第1の材料および前記中心層を被覆するように、クラッド層として機能する第2の材料を配置する工程と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の光導波路製造方法である。
前記中心層の外周面を被覆するクラッド層として機能する材料が、シリコーン樹脂を 含むことを特徴とする請求項3に記載の光導波路製造方法である。
前記中心層の外周面を被覆するクラッド層として機能する材料が、無機材料からなるフィラーを分散させたシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の光導波路製造方法である。
請求項2に記載の発明によれば、コア層やクラッド層に難燃性に乏しい材料が含まれる場合でも、難燃性に優れた光導波路を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、スループット、切断面精度、切断装置価格のバランスに優れた光導波路製造方法を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、新たな切断などの追加工程なしに、所望の寸法を持つ光導波路を作製できる光導波路製造方法を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、屈曲性に優れた光導波路を作製できる光導波路製造方法を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、難燃性に優れた光導波路を作製できる光導波路製造方法を提供することができる。
本発明の光導波路は、同一面上に位置するように配置された2本以上のコア層および互いに隣り合う2本のコア層間に設けられた第1クラッド層を含む中心層と前記中心層の少なくとも表裏両面に設けられた第2クラッド層と、を有し、前記コア層および前記第1クラッド層の少なくとも前記第2クラッド層と接する側の面が、水酸基を有する樹脂、および、主鎖にケイ素−ケイ素結合を含む樹脂から選択される少なくともいずれか一方の樹脂を含み、且つ、前記第2クラッド層がシリコーン樹脂を含むことを特徴とする。
また、第2クラッド層に用いられるシリコーン樹脂は屈折率が低いため、コア層を構成する樹脂材料との屈折率差を大きくすることが容易である。従って、光導波路が屈曲した時でも導波光を閉じ込める効果を容易に高くすることができる。
一方、光導波路の作製過程において、コア層や第1クラッド層の少なくとも第2クラッド層と接する側の面を親水化処理してもよい。この場合は、上述したエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂の他に、樹脂分子中に水酸基を有さない樹脂(ポリオレフィン系樹脂やポリイミド系樹脂)も利用できる。親水化処理方法としては、例えば、エキシマレーザーの照射などが挙げられる。
また、コア層と、第1クラッド層、第2クラッド層との屈折率差は0.02以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましい。本発明のように曲げを前提とした導波路では、屈折率差が0.02未満の場合には、曲げ損失が大きくなる恐れが大きくなる。なお、屈折率差の上限値は特に限定されないが、材料の入手容易性等の実用上の観点からは0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。
コア層を構成する樹脂材料の透過損失としては、伝送する光の波長域において0.3dB/cm以下であることが好ましく、0.1dB/cm以下であることがより好ましい。
参考までに述べれば、難燃性規格としては、たとえばアメリカの Underwriters Laboratories 社が定めたUL−94規格がある。これは試験片に炎を当て燃焼時間と滴下物の有無を確認する試験法である。小型機器に利用される高分子材料を利用した光導波路では少なくとも遅燃性「94HB」、できれば自己消火性「94V」規格が要求される。
このため、中心層に、エポキシ系樹脂およびアクリル系樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂を含む場合には、第2クラッド層に、無機材料からなるフィラーが含まれていることが好ましい。これにより、光導波路の難燃性を向上させることができる。
また、これらのフィラーの使用は、通常、光導波路の屈曲性低下を招きやすい。しかし、本発明の光導波路では、第2クラッド層に、柔軟性に優れたシリコーン樹脂を利用しているため、上述した問題の発生を回避できる。
これに加えて、屈折率の低いシリコーン樹脂を利用しているため、コア層と第2クラッド層との屈折率差を大きく保つことが容易であるため、導波光を閉じ込める効果を容易に高くすることができる。それゆえ、フィラーの利用による損失増加も回避することが容易である。
図1は、本発明の光導波路の層構成の一例を示す模式断面図であり、光路に対して垂直に交わる面で光導波路を切断した場合の断面図を示したものである。図中、100は中心層、110はコア層、120は(コア層110間に位置する)第1クラッド層、122は(中心層100端部に位置する)第1クラッド層、200、200A、200Bは第2クラッド層、300、310、320、330は光導波路を表す。
図1(B)に示す光導波路310は、図1(A)に示す光導波路300において中心層100の両端部に第1クラッド層122を更に設けた構成を有するものである。
また、図1(C)に示す光導波路320は、2本のコア層110と、これら2本のコア層110間に設けられた第1クラッド層120と、コア層110の第1クラッド層120が設けられた側と反対側に設けられた第1クラッド層122とからなる中心層100の両面のみを覆うように第2クラッド層200A、200Bが設けられた構成を有するものである。
さらに、図1(D)に示す光導波路330は、複数本のコア層110を有する場合について示したものであり、コア層110の数が異なる以外は基本的な層構成は図1(D)に示す場合と同様である。
端面部分は、図2(A)に示されるように単純にコア層110の光路方向に対して垂直な面を成すように構成されていてもよいが、図2(B)に示すように必要に応じて、コア層110の光路方向に対して所定の角度θ1(例えば、45度)を成すように構成されていてもよい。なお、このような傾斜した端面は、例えば、ダイシングブレードなどを利用して切削加工することにより形成することができる。
このミラー部は、コア層と同一の厚みを有し断面が方形状のブロックからなり、4隅の一端を基点としていずれか1辺と角度θ2(例えば、45度)を成すように分離された2つの透光性部材150、支持体160を、分離面で重ね合わせたものであり、透光性部材150と支持体160との界面にはミラー170が配置されている。このミラー部は、透光性部材150側の部分がコア層110の端面部分に密着し、且つ、ミラー170がコア層110の光路方向に対して所定の角度θ2(例えば、45度)を成すように配置されている。
支持体160としては、透明でも不透明な材料でもよく、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂などの樹脂材料が利用できる。
ミラー170としては、伝搬光の波長に対して高い反射率を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、金、銀、アルミニウムやこれらの合金からなる金属膜を用いることができる。なお、これらの金属材料はVCSELとして用いられる波長850nmの光に対しても高い反射率を有する点で好適である。
本発明の光導波路製造方法は、コア層として機能する層を2層以上含み、且つ、前記コア層として機能する層と、クラッド層として機能する層とを交互に積層したフィルム(以下、「多層フィルム」と称す場合がある)を、該フィルムの厚み方向に対して切断することにより、2本以上のコア層と、互いに隣接する2本のコア層間に位置するクラッド層とを含む中心層を形成する中心層形成工程と、前記中心層の外周面を、クラッド層として機能する材料により被覆する被覆工程とを経て、光導波路を作製することを特徴とする。
なお、切断間隔(ここでは切断されて形成される中心層の厚みを意味する)としては、作製する光導波路の用途にもよるが、例えば、携帯電話などの小型機器で利用する光導波路を作製する場合には、30μm〜100μmの範囲内が好ましく、40μm〜60μmの範囲内がより好ましい。
切断間隔が100μmを超える場合には、携帯電話などの小型機器に対応した屈曲性能をもつ光導波路を作製することが困難となる場合がある。一方、切断間隔が 30μm未満では、切断自体が困難となる場合がある。
多層フィルムの切断方法としては、切断面の面粗さが光導波路のコア層として適用可能な加工法ならばどのような方法でも適用できるが、スループット、切断面精度、切断装置価格のバランスから、ダイシングソーによる切断が望ましい。
しかしながら、被覆工程は、(1)凹部を有する成形型の凹部の底部にクラッド層として機能する第1の材料を配置する工程と、(2)凹部の底部に配置された第1の材料上に、中心層を有する部材を配置する工程と、(3)凹部の底部に配置された第1の材料および中心層を被覆するように、クラッド層として機能する第2の材料を配置する工程と、を含むものであることが好ましい。
なお、成形型としては、その凹部の内壁面がクラッド層を構成する材料に対して離型性を有するものが用いられる。凹部の内壁面に離型性を付与するためには、成形型を構成する材料そのものが離型性を有するものであってもよく、凹部の内壁面に離型剤をコーティング処理してもよい。
例えば、クラッド層を構成する材料として、熱や紫外線などの付与によって硬化するシリコーン樹脂を用いる場合、この材料が硬化した際に接着しない材料、すなわち表面に水酸基をもたない樹脂、たとえばPE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、ポリオレフィンなどが好適に用いられる。
また、コア層とクラッド層との屈折率差は0.02以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましい。本発明の光導波路製造方法を利用して屈曲性を有する光導波路を作製する場合、屈折率差が0.02未満の場合には、伝搬損失が大きくなる場合がある。なお、屈折率差の上限値は特に限定されないが、材料の入手容易性等の実用上の観点からは0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。コア層を構成する材料の透過損失としては、伝送する光の波長域において0.3dB/cm以下であることが好ましく、0.1dB/cm以下であることがより好ましい。
また、光導波路に対して屈曲性を付与したい場合には、コア層およびクラッド層を構成する材料として、樹脂を用いることが好適である。
この場合、中心層の両面にシリコーン樹脂を含むクラッド層が配置されることになるため、光導波路を曲げた際に生じる曲げ歪は柔らかいシリコーン樹脂に加わることになる。それゆえ、屈曲性に優れた光導波路を作製することができる。
なお、無機材料からなるフィラーとしては、公知の無機材料からなる粒子であれば特に限定されないが、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化シリコン(シリカ)、酸化チタン等を挙げることができる。
図3は、本発明の光導波路製造方法の一例を示す模式図であり、図3(A)は、光導波路の製造に用いる多層フィルムの模式断面図を示したものであり、図3(B)は、多層フィルムを台に固定した状態を示した模式断面図であり、図3(C)は多層フィルムを切断して、中心層となりえる部材を形成した後の状態を示した模式断面図であり、図3(D)は、凹部を有する成形型の凹部にクラッド層として機能する材料を配置した状態を示した模式断面図であり、図3(E)は、成形型の凹部内に配置されたクラッド層として機能する材料上に中心層となりえる部材を配置した状態を示した模式断面図であり、図3(F)は、成形型の凹部内に配置されたクラッド層として機能する材料および中心層となりえる部材を被覆するように、さらに成形型の凹部内にクラッド層として機能する材料を配置した状態を示した模式断面図であり、図3(G)は、成形型から取り出した光導波路の模式断面図である。
その後、台500から剥離した中心層となりえる部材420Aを、切断面が水平方向となるようにクラッド層として機能する材料430A上に配置して、クラッド層として機能する材料430A中に半分程度沈み込むように押し込む(図3(E))。
この状態で、中心層となりえる部材420Aを覆うと共に凹部610全体が埋め込まれるように、凹部610にクラッド層として機能する材料430Aを配置する(図3(F))。続いて、クラッド層として機能する材料430Aを硬化させる刺激(光や熱など)を付与してクラッド層として機能する材料430Aを硬化させた後、成形型600から中心層420Aがクラッド層430Bで被覆された光導波路を剥離して取り出すことができる(図3(G))。
図4に示す例では、長方形状で端面が垂直に切断された多層フィルム420を用い、この多層フィルム420の長辺と平行(図中、点線方向)に切断する工程を経て光導波路を作製する。
図5は、光導波路の作製に用いる多層フィルムの形状の他の例を示す概略模式図であり、図5中に示す符号420および点線は図4に示すものと同様である。また、長方形の多層フィルム420の4隅のうち、対向する2隅の一方および他方をそれぞれ通過し、且つ、長辺に対して角度θa、θb(但し、θa、θbは、それぞれ0を超え90度未満の範囲の角度)を成す2本の一点鎖線も切断ラインを示す。
図5に示す例において、例えば、角度θa=θb=45度とした場合、光導波路の一方の端面から入射する光の伝搬方向と、他方の端面から照射される光の伝搬方向とを平行且つ同一方向とすることができる。
図6は、光導波路の作製に用いる多層フィルムの形状の他の例を示す概略模式図であり、図6中に示す符号420および点線は図4に示すものと同様である。また、符号150、160、170は図2(C)に示すものと同様である。
なお、切断に際しては、鋸刃状の面の頂部および谷部をアライメントマークとして利用できるため、切断時の位置決めが容易となる上に、切断精度を向上させることもできる。
ミラー170付きの支持体160の作製方法としては特に限定されないが、例えば、樹脂製シートをスタンパ加工により片面に鋸刃状の面が形成した部材に、真空蒸着やスパッタリング等によって、ミラー170を形成する金属膜を形成した後、この部材を、多層フィルム420の厚みに対応するように切断したものを利用できる。
−光導波路の作製−
図3に示す手順によって、図1(B)に示す構造を有する光導波路を以下の手順で作製した。
まず、引張弾性率1.5GPa、波長850nmでの屈折率1.60、材料損失0.06dB/cmのコア層用エポキシ樹脂A(NTTアドバンステクノロジ社製)、および、引張弾性率1.5GPa、波長850nmでの屈折率1.53の第1クラッド層用エポキシ樹脂B(NTTアドバンステクノロジ社製)が交互に合計5層積層された多層フィルムを準備した。各層の厚みはB層/A層/B層/A層/B層=10/45/205/45/10μmである(但し、「A層」はエポキシ樹脂Aからなる層、「B層」はエポキシ樹脂Bからなる層を意味する)。また多層フィルムの大きさは125mm×50mmである。
得られた光導波路については、光導波路を直線状に伸ばした状態の伝搬損失と、光導波路の長手方向の1点を曲率半径が1mmとなるように屈曲させた場合の伝搬損失の増加量(=屈曲状態の伝搬損失−直線状態の伝搬損失)と、光導波路の長手方向の1点を曲率半径が1mmとなるように連続して10万回屈曲させた後の挿入損失の増加量(=繰り替し屈曲テスト後の伝搬損失−繰り替し屈曲テスト前の伝搬損失)と、を評価した。
その結果、直線状態の伝搬損失は0.08dB/cm、屈曲時の挿入損失増加量は0.1dB以下、10万回の繰り返し屈曲後の挿入損失増加量は0.1dB以下であった。
またこの光導波路を水平に置いて、片端から燃焼させたところ、その燃焼が進む速度は60mm/分相当であった。
以上の評価結果を表1に示す。
実施例1において、第2クラッド層の形成に用いたシリコーン樹脂の代わりに、このシリコーン樹脂100質量部に対してフィラー(水酸化アルミニウム、平均粒子径200nm)30質量部を混合したものを用い、且つ、シリコーン樹脂を常温(25℃)で24時間放置することにより硬化させた以外は、実施例1と同様にして光導波路を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、多層フィルムを構成するA層用の樹脂として、引張弾性率1.6GPa、波長850nmでの屈折率1.6、材料損失0.08dB/cmのコア層用 アクリル樹脂A(NTTアドバンステクノロジ社製)を用い、且つ、多層フィルムを構成するB層用の樹脂として、引張弾性率1.6GPa、波長850nmでの屈折率 1.5、材料損失0.1dB/cmの第1クラッド層用アクリル樹脂B(NTTアドバンステクノロジ社製)を用いた以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、多層フィルムを構成するA層用の樹脂として、引張弾性率1.2GPa、波長850nmでの屈折率1.53、材料損失0.03dB/cmのコア層用ポリシラン樹脂A(日本ペイント社製)を用い、且つ、多層フィルムを構成するB層用の樹脂として、引張弾性率1.2GPa、波長850nmでの屈折率1.50、材料損失 0.03dB/cmの第1クラッド層用 ポリシラン樹脂B(日本ペイント社製)を用いた以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、層構成がA層/B層/A層(=45/205/45μm)である多層フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして光導波路を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例2において、層構成がA層/B層/A層(=45/205/45μm)である多層フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして光導波路を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、多層フィルムを構成するA層用の樹脂として、引張弾性率1.8GPa、波長850nmでの屈折率 1.54、材料損失 0.04dB/cmのコア層用ファンクショナルノルボルネン樹脂A(JSR社製)を用い、且つ、多層フィルムを構成するB層用の樹脂として、引張弾性率1.8GPa、波長850nmでの屈折率1.51、材料損失 0.04dB/cmの第1クラッド層用ファンクショナルノルボルネン樹脂B(JSR社製)を用いた以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、成形型の凹部に充填する樹脂として、常温硬化型のフッ素樹脂(フロロテクノロジー社製、FG−3030Z−40)を用いて導波路全体の厚みを180μmとして、常温硬化によりこの樹脂を硬化処理した以外は実施例1と同様にして光導波路を作製した。評価結果を表1に示す。
銅をコーティングしたシリコンウエハ上にスピンコートにより、引張弾性率1.5GPa、波長850nmの屈折率1.51、材料損失0.06dB/cmのクラッド用UV硬化型エポキシ樹脂C(NTTアドバンステクノロジ社製)を厚み50μm積層し、UV露光硬化した。次に同様にスピンコートにより、引張弾性率1.5GPa、波長850nmの屈折率1.57、材料損失0.06dB/cmのコア用UV硬化型エポキシ樹脂D(NTTアドバンステクノロジ社製)を厚み50μm積層し、コアパターンに対応したフォトマスクを通してアライナーでUV露光し、有機溶媒で未硬化樹脂を洗い流すことによってコアパターンを形成した。さらに同様に樹脂CをスピンコートとUV露光で50μm積層した。ポストベークを120度で30分行った後、ダイシングソーで長さ120mm、幅1.5mmの形状をに切断し、アルカリ液に基板を付けて銅を溶かすことによって、基板から剥離し、クラッド樹脂Cにコアが埋め込まれた構造の光導波路を作製した。評価結果を表1に示す。
110 コア層
120 (コア層110間に位置する)第1クラッド層
122 (中心層100端部に位置する)第1クラッド層
150 透光性部材
160 支持体
170 ミラー
200、200A、200B 第2クラッド層
300、310、320、330 光導波路
400 コア層(又はコア層として機能する層)
410 クラッド層(又はクラッド層として機能する層)
420 多層フィルム
420A 中心層(又は中心層となりえる部材)
430A クラッド層として機能する材料
430B クラッド層(クラッド層として機能する材料430Aを硬化させたもの)
500 台
510 粘着層
600 成形型
610 凹部
Claims (7)
- 同一面上に位置するように配置された2本以上のコア層および互いに隣り合う2本のコア層間に設けられた第1クラッド層を含む中心層と、
前記中心層の少なくとも表裏両面に設けられた第2クラッド層と、を有し、
前記コア層および前記第1クラッド層の少なくとも前記第2クラッド層と接する側の面が、水酸基を有する樹脂、および、主鎖にケイ素−ケイ素結合を含む樹脂から選択される少なくともいずれか一方の樹脂を含み、且つ、
前記第2クラッド層がシリコーン樹脂を含むことを特徴とする光導波路。 - 前記中心層に、エポキシ系樹脂およびアクリル系樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂を含み、且つ、
前記第2クラッド層に、無機材料からなるフィラーが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の光導波路。 - コア層として機能する層を2層以上含み、且つ、前記コア層として機能する層と、クラッド層として機能する層とを交互に積層したフィルムを、該フィルムの厚み方向に対して切断することにより、2本以上のコア層と、互いに隣接する2本のコア層間に位置するクラッド層とを含む中心層を形成する中心層形成工程と、
前記中心層の外周面を、クラッド層として機能する材料により被覆する被覆工程とを経て、光導波路を作製することを特徴とする光導波路製造方法。 - 前記フィルムの切断が、ダイシングソーを用いて実施されることを特徴とする請求項3記載の光導波路製造方法。
- 前記被覆工程が、
凹部を有する成形型の前記凹部の底部にクラッド層として機能する第1の材料を配置する工程と、
前記凹部の底部に配置された前記第1の材料上に、前記中心層を有する部材を配置する工程と、
前記凹部の底部に配置された前記第1の材料および前記中心層を被覆するように、クラッド層として機能する第2の材料を配置する工程と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の光導波路製造方法。 - 前記中心層の外周面を被覆するクラッド層として機能する材料が、シリコーン樹脂を 含むことを特徴とする請求項3に記載の光導波路製造方法。
- 前記中心層の外周面を被覆するクラッド層として機能する材料が、無機材料からなるフィラーを分散させたシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の光導波路製造方法。
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