JP5136260B2 - 光導波路フィルム、及び光送受信モジュール - Google Patents

光導波路フィルム、及び光送受信モジュール Download PDF

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Description

本発明は、光導波路フィルム、及び光送受信モジュールに関する。
最近、IC(Integrated Circuit)技術やLSI(Large Scale Integrated circuit)技術において、動作速度や集積度向上のために、高密度に電気配線を行なう代わりに、機器装置間、機器装置内のボード間、チップ間において光配線を行なうことが注目されている。この光配線を実現させるために光導波路フィルムが提案されている。
例えば、ベース基材に補強部材を形成した後、光導波路フイルムを形成し、補強したい部分を残して選択的にベース基材の除去を行った補強部付きの光導波路フィルムが提案されている(特許文献1)。
また、電子素子と光素子とを集積化した光電融合回路基板の上に高分子光導波路回路が直接組み立てられた光電子集積回路が提案されている(特許文献2)。
このような光導波路フィルム(光配線)において、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等の面型発光素子と受光素子を実装して、装置内に組み込む場合には、導波路に光路変換機能が必要となる。このとき、一般的には、外部にミラーを設ける方法や導波路に45°反射面を作り、空気界面での全反射を利用した方法が数多く提案されている。
一方で、反射面に金属層(反射層)を着膜した光導波路フィルムも提案されている(特許文献3乃至4)。
特開平4−281406号公報 特開2000−235127公報 特開2007−148457公報 WO04/02747
本発明の課題は、近赤外域での反射率を持つと共に劣化が抑制された優れた反射層を有する光導波路フィルムを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
光が伝播する光導波路コアと、
前記光導波路コアの少なくとも一方の長手方向端部に設けられた傾斜面と、
前記傾斜面上に設けられ、銀又は銀合金を含んで構成される金属層からなる反射層と、
前記反射層上を覆って設けられ、チタン層又はチタン合金層を含む保護層と、
前記光導波路コアを包囲し前記光導波路コアよりも屈折率が低いクラッド部と、
を備え、
前記反射層と前記保護層が一体化され、銀又は銀合金を含んで構成される金属層の表面がチタン銀合金からなる複合合金であることを特徴とする光導波路。
請求項2に係る発明は、
前記保護層が、前記チタン層又はチタン合金層を覆って設けられた窒化チタン層を含むことを特徴とする請求項1に記載の光導波路。
請求項に係る発明は、
請求項1又は2に記載の光導波路と、
発光素子と該発光素子を保持する第1の保持部材とを有し、前記発光素子から射出された光が前記光導波路の入射端面に結合されるように、前記第1の保持部材上に前記光導波路の一方の端部を保持する光送信部と、
受光素子と該受光素子を保持する第2の保持部材とを有し、前記光導波路の出射端面から射出された光が前記受光素子に受光されるように、前記第2の保持部材上に前記光導波路の他方の端部を保持する光受信部と、
を備えることを特徴とする光送受信モジュール。
請求項1に係る発明によれば、他種の反射層及びその保護層を適用した場合に比べ、近赤外域での反射率を持つと共に劣化が抑制された反射層を有する光導波路フィルムが提供される。
請求項2に係る発明によれば、チタン層又はチタン合金層のみを保護層として適用した場合に比べ、より、反射層の劣化が抑制される。
請求項に係る発明によれば、反射層と保護層との密着性が向上される。
請求項4に係る発明によれば、耐久性に優れ、精度良く赤外域での光の送受信が行われる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同一の機能・作用を有する部材には、全図面を通じて同じ符合を付与し、重複する説明は省略することがある。
[光導波路フィルム]
図1は、実施形態に係る光導波路フィルムを示す概略構造図であり、(A)が斜視図であり、(B)がA−A断面図である。図2は、実施形態に係る光導波路フィルムが変形に対して追従性(屈曲性)を有することを示す斜視図である。
本実施形態に係る光導波路フィルム10は、図1に示すように、例えば、ベルト状の光導波路であり、クラッド114と、クラッド114に埋設された光導波路コア112と、を有する光導波路フィルム本体116を備える。また、光導波路フィルム本体116には、その長手方向両端部に光導波路コア112に伝播する光の光路変換部となるミラー面116A(傾斜面)を有しており、当該ミラー面116A上には、ミラー層118(反射層)が形成されている。そして、ミラー層118は、保護層120で覆われている。
ここで、光導波路コア112の屈折率はクラッド114よりも高く構成されている。例えば、光導波路コア112とクラッド114との屈折率差を一例として3%である場合を考えると、屈曲させたときに曲率半径が1.5mmまで曲げ損失がほとんどない光導波路フィルムとなる。屈折率差は、大きいほど屈曲時の損失が無い曲げ半径を小さくできるが、光導波路フィルムの機械的な屈曲性、受発光素子との接続損などを考えると屈折率差を2%以上5%以下程度が最も好ましい。この屈折率差を3%以上4%以下にすると、曲げ半径1mmで屈曲させても、実用的な屈曲時の光損失が非常に小さくなり、受発光素子との接続も容易で実用的である。
光導波路コア112は、同一平面上であって光導波路フィルム10の幅方向に互いに伝播光が並進するように並列に配列して複数配設されている。なお、本実施形態では、2本の光導波路コア112が配列されている。光導波路コア112は、その長手方向端部が、当該長手方向に対して傾斜するミラー面116Aが形成されている。当該ミラー面116Aは、光導波路コア112の長手方向に対して、例えば45°の角度をなすように形成されている。このミラー面116Aでは、光導波路コア112内を伝播する光がミラー面116Aに到達すると、ミラー面116Aと隣接する層(本実施形態ではミラー層118)により、反射され、光の伝播方向が変換される。なお、ミラー面の角度を45°と標記しているが、金属反射面を介して光路変換を行うため導波路の臨界角以下のずれであれば十分に機能する。例えば、導波路のコアとクラッドの屈折率差が3%である場合には、臨界角が23.6°となり45°との差である、21.4°〜68.6°まで90°光路変換機能を有する反射面として機能する。
クラッド114は、光導波路コア112よりも屈折率が低い材料で構成され、光導波路コア112の周囲を取り囲んで配設されている。
ここで、光導波路コア112及びクラッド114の材料としては、光導波路フィルム10の使用波長に対して透明であり、光導波路コア112及びクラッド114との間に所望の屈折率差を設定できるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば脂環式オレフィン樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等が使用される。
ミラー層118は、金属層から構成されている。そして、金属層は、銀又は銀合金を含んで構成されている。銀合金としては、通常のAgに比べ経時変化の少ない材料が開発されおり、これを用いることがよい。この如く銀合金としては、例えば、「37番合金」、「109番合金」、「110番合金」等の三菱マテリアル社製の銀合金が挙げられる。
ミラー層118として配設される金属層の厚さ500nm以上5μm以下、好ましくは500nm以上2μm以下の金属層であることがよい。
保護層120は、ミラー層118側から、チタン銀合金層120A(TiAg層)、チタン層120B(Ti層)、及び窒化チタン層120C(TiN層)が順次配設され、これらの層で構成されている。ここで、本実施形態では、保護層120が3層構成の形態を説明しているが、これに限られず、保護層120は、チタン層120B及び窒化チタン層120Cで構成した形態、チタン銀合金層120A及びチタン層120Bで構成した形態であってもよい。ここで、銀及び銀合金膜の上にスパッタリング法でチタン膜を薄く形成した場合、チタンが銀及び銀合金中に拡散してチタン銀合金を形成し易い。従って、純チタン層という層が独立して存在しないことも考えられるが、この場合には銀の表面に、銀とチタンの合金が確認できる。つまり、チタン層の代わりに、チタン合金層のみを有していてもよい。具体的には、例えば、反射層と保護層とが一体化された形態、すなわち、銀及び銀合金膜の上にチタン銀合金層が一体で形成された複合合金の単独膜のような形態であってもかまわない。言い換えれば、反射層と保護層が一体化され、銀又は銀合金を含んで構成される金属層(当該一体化された層)の表面がチタン銀合金からなる複合合金である形態であってもかまわない。
保護層120は、その全体の厚みが10nm以上500nm以下であることが望ましく、より望ましくは10nm以上200nm以下であり、さら望ましくは10nm以上50nm以下である。また、当該保護層120を構成する各層(チタン銀合金層120A、チタン層120B、及び窒化チタン層120Cのそれぞれの層)は、その厚みが5nm以上50nm以下であることが望ましく、より望ましくは5nm以上25nm以下である。この厚みを、上記範囲とすることで、保護層の厚膜化を抑制しつつ、ミラー層118(反射層)の劣化が抑制される。
なお、保護層120を構成するチタン層120Bの厚みは、後述するスパッタリング法により形成する場合、この形成と同時に下層の銀又は銀合金で構成される電気配線層120及びミラー層118との界面にチタン銀合金層120Aも形成されることから、当該チタン銀合金層120Aを含む厚みとする。
光導波路フィルム10は、可とう性を有する透明樹脂フィルムからなることがよく、図2(A)及び(B)に示すように、「折り曲げ」や「ねじれ」等の変形に対して追従性(高い屈曲性)を有している。このためフィルムが変形した状態でも、光送受信部から送信された光信号が、光導波路フィルム10に形成された光導波路を導波して、光送受信部により受信される。光導波路フィルム10は、最小屈曲半径3mm以下の可とう性を備えていることが好ましい。最小屈曲半径は、光導波路フィルム10を折り曲げたときに光導波路フィルム10の内側に形成される曲線の微小な部分を円と近似したとき、その円の最小半径の長さを表す値であり、ASTM D―2176に従いその許容値が測定される。
光導波路フィルム10は、その厚さが50μm以上500μm以下であることが望ましく、より望ましくは、50μm以上200μm以下である。一方、光導波路フィルム10は、その幅が0.2mm以上10mm以下であることが望ましく、より望ましくは、0.25mm以上5mm以下である。
以下、本実施形態に係る光導波路フィルム10の製造方法について説明する。図3及び図4は、実施形態に係る光導波路フィルムの製造方法を示す工程図である。なお、図3は図1(A)におけるB−B断面図における工程図を示し、図4は図1(A)におけるA−A断面図における工程図を示す。
本実施形態に係る光導波路フィルム10の製造方法では、まず、図3(A)に示すように、クラッド層114A及びコア層112Aがこの順で積層された高分子フィルム10A(積層体)を準備する。高分子フィルム10Aの各層を積層する方法は、各層の間で剥離が生じないように一体的に積層されれば特に限定されず、例えば、ラミネート法、スピンコート等の公知の方法が採用される。
クラッド層114Aを構成する材料は、コア層112A(光導波路コア112)との間で所定の屈折率差が設定され得る材質であれば特に制限されず、用途に応じて、材料の屈折率、光透過性等の光学的特性、機械的強度、耐熱性、フレキシビリティー(可撓性)等を考慮して選択される。例えば、放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂、望ましくは紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を選択し、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマーあるいはモノマーとオリゴマーの混合物が望ましく用いられる。より望ましくは紫外線硬化性樹脂を選択する。
クラッド層114Aを構成する具体的な材料としては、例えばエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、脂環式アクリル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等)、脂環式オレフィン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、二又は三酢酸セルロース、アミド系樹脂(脂肪族、芳香族ポリアミド等)、イミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、又は前記樹脂のブレンド物等が挙げられる。
クラッド層114Aは、例えば、上記材料から選択される液状樹脂をガラス等の基板上に滴下し、スピンコートにより均一な厚みとした後、これを硬化させて形成してもよいし、予め成形された樹脂フィルムを用いてもよい。
クラッド層114Aの厚みは特に限定されるものではないが、光学性能、フレキシブル性能、後述する切削加工性、強度などの観点から、10μm以上100μm以下であることが望ましく、より望ましくは20μm以上50μm以下である。
コア層112Aとしては、例えば紫外線硬化性樹脂が用いられ、紫外線硬化性のモノマー、オリゴマー、若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が望ましく用いられる。コア用の具体的な材料として、エポキシ系、アクリル系紫外線硬化性樹脂などが望ましく用いられる。
例えば、コア用硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂)の液状樹脂をクラッド層114A上に均一な厚みで塗布した後、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等を用いて紫外線を照射して硬化させることでコア層112Aが形成される。
ここで、特に、コア層112A及びクラッド層114Aを構成する材料としては、紫外線硬化型若しくは熱硬化型のエポキシ系樹脂、紫外線硬化型若しくは熱硬化型のアクリル系樹脂、紫外線硬化型若しくは熱硬化型のフッ素化ポリアミド系樹脂が用いられることがよい。
コア層112Aの厚みは特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよいが、光学性能、フレキシブル性能、後述する切削加工性、強度などの観点から、20μm以上120μm以下であることが望ましく、より望ましくは30μm以上90μm以下である。
また、高分子フィルム10Aのサイズや総厚は特に限定されず、材質、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、フレキシブルな光導波路フィルム10とするためには、高分子フィルム10Aの厚さは50μm以上500μm以下であることが望ましく、より望ましくは50μm以上200μm以下である。一方、高分子フィルム10Aの幅は、0.2mm以上10mm以下であることが望ましく、より望ましくは、0.25mm以上5mm以下である。光導波路フィルム10の厚さ及び幅を上記範囲とすることで、光導波路としての屈曲性及び強度を確保し易い。
次に、図3(B)に示すように、高分子フィルム10Aをコア層112A側から切削、即ちコア層112Aを切削し、光導波路コア112を形成する。光導波路コア112の形成は、例えば、ダイシングソーにより、高分子フィルム10Aの長手方向に沿って行う切削を、高分子フィルム10Aの幅方向に所定間隔(この間隔が光導波路コア112の幅となる)で実施することで行われる。この切削により、クラッド層114Aの同一平面上であって高分子フィルム10Aの幅方向に互いに伝播光が並進するように並列に配列して、光導波路コア112が複数配設される。本実施形態では2本の光導波路コア112を形成している。ここで、130は、ダイシングソーによる切削を行うための高分子フィルム10Aに貼り付けるダイシングテープを示す。
次に、図3(C)に示すように、光導波路コア112を覆う、即ち、上記切削による切削溝に埋め込むように、クラッド形成用硬化性樹脂を塗布し、これを硬化してクラッド層114Bを形成する。具体的には、例えば、高分子フィルム10Aの切削面側に、クラッド用硬化性樹脂を滴下するとともに、スピンコート法による遠心力により広げることで、光導波路コア112上とクラッド用硬化性樹脂が塗布されると共に各切削溝の内部がクラッド用硬化性樹脂によって満たされ、これを硬化させる。なお、このクラッド用硬化性樹脂を塗布する方法としては、スピンコート法に限ることではなく、例えばスペーサーにより膜厚を制御しながら、ガラス基板などによりクラッド用硬化性樹脂を押し付けて露光硬化する方法を採用してもよい。これによりクラッド114(クラッド層114A、114B)が、光導波路コア112の周囲を取り囲んで形成される。
ここで、クラッド層114Bを形成するためのクラッド形成用硬化性樹脂は、液状の物質であり、例えば、放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いられる。中でも、硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が望ましく用いられるが、紫外線硬化性樹脂を選択することが望ましい。紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性、熱硬化性のモノマー、オリゴマーあるいはモノマーとオリゴマーの混合物が望ましく用いられる。紫外線硬化性樹脂としては、エポキシ系、アクリル系の紫外線硬化性樹脂が望ましく用いられ、熱硬化性樹脂としては、ポリイミド系、シリコーン系の樹脂が望ましく用いられる。
次に、図4(D)に示すように、光導波路コア112が形成された高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)の長手方向両端部を切削し、高分子フィルム10Aの長手方向に対して例えば45°傾斜したミラー面116A(傾斜構造)をクラッド114の端面及び光導波路コア112の端面に形成する。このクラッド114の端面及び光導波路コア112の端面をミラー面とするための切削は、例えば、軸方向に対向する主面の一方の面に刃先に45°の傾斜構造を有するブレードを用いたダイシングブレード132により高分子フィルム10Aを切断することで形成される。また、このクラッド114の端面及び光導波路コア112の端面をミラー面とするための切削は、軸方向に対向する主面の双方の面に刃先に45°の傾斜構造を有するブレードを用いたダイシングブレード132により高分子フィルム10Aを切断することで形成してもよい。
このようにして光導波路フィルム本体116を作製する。
次に、図4(E)に示すように、ミラー面116Aを除く、光導波路コア112が形成された高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)の主面上に、マスク134(遮蔽層)を配設する。このマスク134としては、例えば、金属マスク(具体的には、例えばNi電鋳のメタルマスク)が好適に適用される。ここで、マスク134は、精度よく、光導波路コア112が形成された高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)の主面上に配設する必要はなく、例えば、高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)の主面のうち長手方向両端部を露出して配設してもよい。つまり、マスク134の長手方向長さが、高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)の主面の長手方向長さよりも短く、ミラー面116Aと共に、その主面の長手方向両端部にミラー層118及び保護層120が形成されてもよい。
次に、図4(F)に示すように、銀又は銀合金を含んで構成される金属層118Aを形成し、これをミラー層118とする。ここで、金属層118Aは、例えば、スパッタリング法を利用して形成することがよい。
次に、図4(G)に示すように、ミラー面116Aに形成されたミラー層118(金属層118A)を覆って、保護層120を形成する。つまり、ミラー層118側から、チタン銀合金層120A(Ti層)、チタン層120B(Ti層)、及び窒化チタン層120C(TiN層)を順次形成する。これらの層は、例えば、スパッタリング法により形成することがよい。
具体的には、例えば、チタンをターゲットとするスパッタリング法に従って、アルゴンガスを装置内に流入させ、これを放電させることでチタン層120Bを形成する。スパッタリング法によりチタンを、銀又は銀合金を含んで構成される金属層118A(ミラー層118)上に堆積させると、まず、チタンと銀との合金が生成される。このため、チタン層120Bは、当該チタン層120Bと金属層118Aとの間にチタン銀合金層120Aを介在して形成される。
そして、チタンをターゲットとするスパッタリング法に従って、アルゴンガスに窒素ガスを混入させて装置内に流入させ、これを放電させることで窒化チタン層120Cを形成する。スパッタリング法による窒化チタン層120Cの形成では、着膜時の圧力と、装置内に流入させるアルゴンガス及び窒素ガスの流量比を変えることで、窒化チタン層120Cの特性やチタン及び窒素の構成比が調整される。特に、製膜条件としては、窒化チタン本来の色調である黄金色の窒化チタン層となる条件が好ましく、窒素の構成比を高めて褐色の窒化チタン層であっても保護層としては機能する。このときの製膜条件としては、例えば、アルゴンと窒素の混合比で5%以上20%以下である。成膜時の圧力によって黄金色となる混合比は変化するが、例えば、典型的には成膜圧力0.3Paでは、混合比が10%で黄金色の窒化チタン層が形成される。したがって、スパッタリング法による窒化チタン層の形成は、制御範囲が大きく、容易に目的の窒化チタン層が得られる。
なお、ミラー層118(金属層118A)、保護層120(チタン銀合金層120A(Ti層)、チタン層120B(Ti層)、及び窒化チタン層120C(TiN層))を順次、スパッタリング法により着膜することで、各層の主面と共に側面も覆うように、上層の層が着膜される。
ここで、上記スパッタリング法による、金属層118A(ミラー層118)と、保護層120(チタン層120B(チタン銀合金層120A含む)、窒化チタン層120C)と、の形成は、以下の手法を採用して実施することがよい。
1)高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)を加熱しないでスパッタリングを行う手法(例えば、当該高分子フィルム10Aを保持する保持部材(ワーク)に加熱源(ヒータ)を設けない手法)
2)スパッタリング領域(着膜させる領域)を移動させながら間欠的にスパッタリングを行う手法(例えば、「ターゲット」とワークとなる「高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)」と相対的に移動(例えば回転)させながらスパッタリングを行う手法)
上記手法を採用することにより、スパッタリング法において、高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)への加熱や、輻射熱により高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)の劣化(ダメージ)を低減させ、得られる光導波路フィルム10の性能低下が抑制される。この手法は、特に、スパッタリング温度が高温となり易い、保護層120(チタン層120B(チタン銀合金層120A含む)、窒化チタン層120C)の形成に有効である。
また、上記手法を採用することにより、スパッタリング法において、高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)への加熱がなく、また、輻射熱の負荷が最小限の抑えられることから、高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)はダイシングテープ130を貼り付けられたまま、スパッタリンクの実施が行える。ダイシングテープ130は、通常耐熱性が低く、着膜対象を加熱する通常のスパッタリング法では、接着剤の成分が真空中に放出され真空度の低下といった現象が生じることになるが、上記手法を採用することにより、この現象が抑制される。このため、本実施形態では、高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)はダイシングテープ130を貼り付けられたまま、スパッタリンクの実施が行える。
次に、図4(H)に示すように、マスク134を除去することで、本実施形態に係る光導波路フィルム10が得られる。
なお、ミラー層118及び保護層120を形成する前の上記光導波路フィルム本体116は、上記製法に限られず、他の製法であってもよい。図5は、他の光導波路フィルム本体の製造方法を示す工程図である。また、光導波路フィルム本体116は、ダイシングソーによる製法のみならず、例えば、鋳型を用いて中空部を持つクラッドを形成し、当該中空部に樹脂の吸引してコアを形成する方式で製造してもよい。
具体的には、例えば、他の光導波路フィルム本体116の製造方法では、図5(A)示すように、クラッド層114A、コア層112A、及びクラッド層114Cがこの順で積層された高分子フィルム10A(積層体)を準備する。即ち、2つのクラッド層114A、14Cによりコア層112Aが挟まれて積層された高分子フィルム10Aを準備する。
ここで、クラッド層114Cは、コア層112Aとの間で所定の屈折率差が設定され得る材質であれば特に制限されないが、クラッド層114Aと同じ材料が望ましく用いられる。例えば、クラッド層114Aと同じ液状樹脂をコア層112A上に均一な厚みで塗布した後、これを硬化させることでクラッド層114Cが形成される。
クラッド層114Cの厚みは、光学性能、フレキシブル性能、後述する切削加工性、強度などの観点から、5μm以上100μm以下であることが望ましく、より望ましくは10μm以上50μm以下である。
なお、クラッド層114Aとクラッド層114Cの厚みは同じである必要はなく、例えば、クラッド層114Cの厚みをクラッド層114Aよりも薄くすることで、高分子フィルム10Aの総厚を小さく抑えてもよい。
次に、図5(B)に示すように、高分子フィルム10Aをクラッド層114C側から当該クラッド層114Cと共にコア層112Aを切削し、光導波路コア112を形成する。
次に、図5(C)に示すように、光導波路コア112を覆う、即ち、複数の光導波路コア112同士の間隙を埋め込んで(切削溝に埋め込むように)、硬化性樹脂を塗布し、これを硬化してクラッド層114Bを形成する。これによりクラッド114(クラッド層114A、14B、14C)が、光導波路コア112の周囲を取り囲んで形成される。
そして、図示しないが、光導波路コア112が形成された高分子フィルム10Aの長手方向両端部を切削し、高分子フィルム10Aの長手方向に対して例えば45°傾斜したミラー面116A(傾斜面)をクラッド114の端面及び光導波路コア112の端面に形成する。
このようにして光導波路フィルム本体116を作製する。その後、上記同様にミラー層及び保護層120を順次形成することで、光導波路フィルムが得られる。
上記本実施形態に係る光導波路フィルム10では、銀又は銀合金を含んで構成される金属層118Aが、ミラー層118(反射層)として配設されている。そして、当該ミラー層118(反射層)を保護する目的で、当該ミラー層118を覆ってチタン層120Bを含む保護層120が配設されている。
この光路変換を行うためのミラー面(傾斜面)に配設する金属層118Aの材料としては、近赤外線域での反射性能とコストとの観点から、銀又は銀合金が最も適している。しかし銀又は銀合金は、酸化や硫黄化及び塩化などが生じ易く、耐久性に劣る。銀に種々の金属を添加した銀合金なども存在するが、これでも経時による劣化は避けられず信頼性という観点では不十分で、樹脂による保護層を厚く設けることが必要である。また、モバイル機器などではできるだけ薄くしたいという要求があり、保護層もできるだけ薄くする必要がある。
そこで、本実施形態では、銀又は銀合金を含んで構成される金属層118Aをミラー層118(反射層)として適用し、これを保護する保護層120として、耐久性が高いチタン層120Bを含む保護層120を適用している。このため、本実施形態では、他種の反射層及びその保護層を適用した場合に比べ、近赤外域での反射率を持つと共に劣化が抑制された反射層を有する光導波路フィルム10となる。
また、本実施形態では、保護層120として、チタン層120Bに比べより物質透過性(例えば、酸素、硫黄、塩素などの透過性)の低い窒化チタン層120Cをさらに配設していることから、チタン層120Bのみを保護層120として適用した場合に比べ、より、ミラー層118(反射層)の劣化が抑制される。また、窒化チタン層120Cは、チタン層120Bを介在させてミラー層118(銀又は銀合金の金属層)を覆うことから、密着性も向上される。
加えて、本実施形態では、保護層120として、保護層120として、チタン層120Bとミラー層118との間に、双方の構成成分で構成されるチタン銀合金層120Aを介在させるため、チタン層120Bとミラー層118(反射層)の密着性が向上される。つまり、ミラー層118(反射層)と保護層120との密着性が向上される。
なお、保護層120の材料としては、耐腐食性の金属(例えばチタン)、窒化物(SiNやTiN等)や酸化物(SiO等)がある。特に、耐腐食性の金属、窒化物は酸化物より膜質が均一で各種の封止膜として優れた特性を示す。しかしながら、通常、耐腐食性の金属、窒化物は500℃以上600℃以下に加熱してCVD(Chemical Vaper Deposition))やPVD(Physical Vapor Deposition)で製膜する方法が一般的であり、低温で製膜できるスパッタリング法を用いても、200℃程度に加熱して製膜する必要があり、耐熱性が低い樹脂製の高分子フィルム(光導波路フィルム本体)に対して製膜するのは困難である。
具体的には、通常、スパッタリング法によるチタン層120B、窒化チタン層120Cの形成には、基板(着膜対象)を200℃以上300℃以下程度に加熱して、密着性と膜質の均一性を高めることが行われる。したがって、これまでアクリル樹脂やエポキシ樹脂などの高分子フイルム上への着膜はほとんど行われていないのが現状である。
以下、基板(着膜対象)を加熱しないで、且つスパッタリング領域(着膜させる領域)を移動させながら間欠的にスパッタリングを行う手法を採用して、スパッタリングで製膜した、チタン層120B、窒化チタン層120C等をXRD(X線回折)解析結果を示す。なお、X線回折装置への取り付けと、ピーク検出の容易さを考慮してガラス基板上に着膜したサンプルでXRD(X線回折)解析を行った。また、スパッタリング装置としては、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)を用いた。
具体的には、チタン(Ti)ターゲットを用いてアルゴン(Ar)ガス(流量20SCCM)を流しながらスパッタリング法(パワー350W、圧力0.3Pa、製膜速度7nm/min)で、ガラス基板を加熱することなく、ターゲットに対して、当該ガラス基板を回転移動(ワークを毎分2回転)させつつ、当該ガラス基板上にチタン(Ti)を製膜(厚み320nm)した。この製膜した、チタン層の膜質のXRD(X線回折)解析結果を図6に示す。この図6から、チタン(Ti)のピークが観測され、チタン層が製膜されていることがわかる。
また、同じく、チタン(Ti)ターゲットを用いて、アルゴン(Ar)ガス(流量)と窒素(N)ガス(流量2SCCM)とを9:1の流量比(アルゴンガス流量18SCCM、窒素ガス流量2SCCM)で流しながらスパッタリング法(パワー350W、圧力0.3Pa、製膜速度2.8nm/min)で、ガラス基板を加熱することなく、ターゲットに対してガラス基板を回転移動(ワークを毎分2回転)させつつ、当該ガラス基板上に窒化チタン(TiN)を製膜(厚み236nm)した。この製膜した、窒化チタン層の膜質のXRD(X線回折)解析結果を図7に示す。この図7から、2θの値が図6に見られたTiのピークが消えてTiNのピークが得られており、窒化チタン(TiN)層が形成されていることがわかる。
また、比較のために、ガラス基板を回転移動(ワークを回転)させず、ガラス基板を200℃で加熱しながら、上記同様にしてスパッタリング法で当該ガラス基板上に窒化チタン(TiN)を製膜(厚み236nm)した。この窒化チタン層の膜質のXRD(X線回折)解析結果を図8に示す。この図8から、上記図7と同様にTiNのピークが得られており、窒化チタン(TiN)層が形成されており、ガラス基板を加熱せずに製膜を行った窒化チタン(TiN)層とはほとんど膜質の差がないことがわかる。
また、銀合金(三菱マテリアル社製の37番銀合金)のターゲットを用いてスパッタリング法で、ガラス基板を加熱することなく、ターゲットに対して、当該ガラス基板を回転移動(ワークを毎分2回転)させつつ、ガラス基板上に銀合金を製膜(厚み100nm)した。その後、チタン(Ti)ターゲットを用いてアルゴン(Ar)ガス(流量20SCCM)を流しながらスパッタリング法(パワー350W、圧力0.3Pa、製膜速度7nm/min)で、同様にガラス基板を非加熱で回転移動させつつ、銀合金を製膜したガラス基板上にチタン(Ti)を製膜(厚み20nm)した後、続けて、アルゴン(Ar)ガス(流量)と共に窒素(N)ガス(流量2SCCM)を9:1の流量比(アルゴンガス流量18SCCM、窒素ガス流量2SCCM)で流させて、銀合金、チタンが順次製膜されたガラス基板上に窒化チタン(TiN)を製膜(厚み236nm)した。この製膜した層の膜質のXRD(X線回折)解析結果を図9に示す。この図9から、銀合金、チタン、窒化チタンのピークと共に、チタン銀合金(TiAg)のピークが観測され、各層と共に、銀合金層とチタン層との間にチタン銀合金層が介在して製膜されていることがわかる。
このように、本実施形態では、例えば、上記如く、スパッタリング法における特定の手法(上記1)、2))を採用すると、高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)への加熱や、輻射熱により高分子フィルム10A(光導波路フィルム本体116)の劣化(ダメージ)を低減させる、即ち、当該フィルムに熱による劣化を低減させつつスパッタリング法により保護層120の製膜がなされる。つまり、本実施形態では、光導波路フィルム10の熱による劣化を抑制しつつ、上記特定の層構成のミラー層118及び保護層120の配設が実現される。
[光送受信モジュール]
図10は、実施形態に係る光送受信モジュールの概略側面図である。図11は、実施形態に係る光送受信モジュールの概略平面図である。本実施形態に係る光送受信モジュール11は、図10及び図11に示すように、ベルト状の光導波路フィルム10と、光導波路フィルム10に形成された光導波路を介して光信号を送受信する光送受信部12及び光送受信部14とで構成されている。そして、光導波路フィルム10として、上記説明した実施形態に係る光導波路フィルム10が適用される。
また、光送受信部12は保持部材22を備えており、光導波路フィルム10の一方の端部は保持部材22上に保持されている。また、光送受信部14は保持部材24を備えており、光導波路フィルム10の他方の端部は保持部材24上に保持されている。
保持部材22及び保持部材24の各々には、受光素子34と、発光素子32と、これら受発光素子の信号の送受信を行うための結線部42と、が設けられている。なお、図示しないが、受光素子34と発光素子32との駆動用回路と増幅用回路を配設してもよい。
受発光素子の信号の送受信を行うための結線部42は、モジュール外部から受発光素子から送受信する信号の増幅、受発光素子の駆動を行うため、受光素子34及び発光素子32が保持部材22及び保持部材24に設けられた電極52(本実施形態では2つ)とワイヤ54によりそれぞれ結線されて構成している。
この光送受信モジュール11に設けられた光導波路フィルム10と、保持部材22及び保持部材24の各々に設けられた受光素子34、発光素子32、及び結線部42は、封止樹脂13によって被覆・封止されている。この封止樹脂は、特に制限はないが、例えば、UL94試験による難燃性がHB以上である難燃性樹脂であることがよい。
次に、保持部材22を備えた光送受信部12の構成について説明する。なお、保持部材24は保持部材22と同じ構成であり、光送受信部14は光送受信部12と同じ構成となるため、保持部材24及び光送受信部14については説明を省略する。
保持部材22は、略直方体状の基板から構成されている。この保持部材22には、受光素子34と、発光素子32と、これらの受光素子34及び発光素子32、及び結線部42が設けられている。
なお、本実施形態では、光送受信部12から光信号を送信するための光導波路を送信用光導波路とし、光送受信部12により光信号を受信するための光導波路を受信用光導波路としているが、光送受信部14から見た場合には、送信用光導波路と受信用光導波路とが逆転することは言うまでもない。
上記の光送受信部12は、たとえば、保持部材22上に発光素子32及び受光素子34を、フリップチップボンダー等を用いて実装する。次に、上記光導波路フィルム10を発光素子32及び受光素子34上にフリップチップボンダーを用いて実装する。これによって、光導波路フィルム10は、保持部材22及び保持部材24によって保持された状態となる。そして、発光素子32及び受光素子34をワイヤ54より電極52と結線する。
さらに、ディスペンサーを用いて、保持部材22及び保持部材24各々上に実装又は保持された発光素子32、受光素子34、結線部42、及び光導波路フィルム10の表面に塗布することによって、これらの表面に、封止樹脂13を形成する。このディスペンサーによる塗布は、モジュールを溝が設けられた型に配置して行ってもよい。
上記工程によって、光送受信モジュール11を構成する発光素子32、受光素子34、結線部42、及び光導波路フィルム10の表面が封止樹脂13によって被覆された、本実施形態の光送受信モジュール11が作製される。
次に、本実施形態に係る光送受信モジュール11の作用について説明する。ここでは、光送受信部12から光信号を送信するための光導波路を送信用光導波路とし、光送受信部12により光信号を受信するための光導波路を受信用光導波路として説明する。
本実施形態に係る光送受信モジュールでは、光送受信部12から光送受信部14に光信号を送信する場合には、光送受信部12の保持部材22に保持された発光素子32から射出された光が送信用光導波路の光導波路コア112の入射端面に結合され、光導波路フィルム10に形成された送信用光導波路を導波する。そして、送信用光導波路の光導波路コア112の出射端面から射出された光が、光送受信部14の保持部材24に保持された受光素子34により受光される。
同様に、光送受信部14から送信された光信号を光送受信部12で受信する場合には、光送受信部14の保持部材24に保持された発光素子32から射出された光が受信用光導波路の光導波路コア112の入射端面(ミラー面116A)に結合され、光導波路フィルム10に形成された受信用光導波路を導波する。そして、受信用光導波路の光導波路コア112の出射端面(ミラー面116A)から射出された光が、光送受信部12の保持部材22に保持された受光素子34により受光される。
上記の実施形態では、発光素子及び受光素子の両方を実装した光送受信部の間で双方向の光通信を行う光送受信モジュールについて説明したが、発光素子を備えた光送信部と受光素子を備えた光受信部との間で一方向の光通信を行う光送受信モジュールとしてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
Si基板に厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークし、フォトマスクを通して露光し、現像して、断面が正方形をなす2本の凸部(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:80mm)を形成した。また、凸部と凸部との間隔は250μmとした。次に、これを120℃でポストベークして、光導波路フィルム作製用の原盤を作製した。
次に、この原盤に離型剤を塗布した後、熱硬化性液状ジメチルシロキサンゴム(ダウ・コウニングアジア社製:SYLGARD184、粘度5000mPa.s)及びその硬化剤を混合したものを流し込み、120℃で30分間加熱して硬化させた後、剥離して、断面が矩形である凸部に対応する凹部を持った型(型の厚さ:5mm)を作製した。
更に、平面形状が円形である鋳型における厚さ方向の断面形状がテーパー状である貫通孔を、凹部の一端及び他端において、凹部と連通するように、打ち抜きにより形成して鋳型を作製した。
この鋳型と、鋳型より一回り大きい膜厚20μmのクラッド用フィルム基材(アートンフィルム、JSR(株)製、屈折率1.510)を密着させた。次に、鋳型の進入側貫通孔に、粘度が500mPa.sの紫外線硬化性樹脂を数滴落とし、排出側(減圧吸引側)貫通孔から減圧吸引したところ、10分で凹部内に紫外線硬化性樹脂が充填された。次いで、50mW/cmのUV光を鋳型の上部から5分間照射して紫外線硬化させた。鋳型をアートンフィルムから剥離したところ、アートンフィルム上に原盤凸部と同じ形状のコアが形成された。
次に、アートンフィルムのコア形成面に、硬化後の屈折率がアートンフィルムと同じ1.510である紫外線硬化性樹脂を塗布した後、厚さ20μmのクラッド用フィルム基材を張り合わせ、50mW/cmのUV光を5分間照射して紫外線硬化させることで、2枚のフィルムを接着させ、幅1.5mm、膜厚100μmのベルト状の光導波路フィルム本体とした。
次に、45°の角度付きダイシングブレードを備えたダイシングソーを用いて、光導波路フィルムの両端を光軸に対して45°の角度で切断し、両端部に傾斜角45°の傾斜面(ミラー面)を有する光導波路フィルム本体を得た。
次に、銀合金ターゲット(三菱マテリアル社製、37番Ag合金)を用いたスパッタリング法により、45°面の傾斜面に膜厚100nmの銀合金層を着膜した。スパッタリングによる着膜は、ダイシングテープに張り付いたまま行った。スッパッタリングには、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)を用いて、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が15SCCM、製膜圧力が0.25Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら、180秒間の着膜を行うことで銀合金層(ミラー層)を光導波路フイルム本体の傾斜面上に100nm着膜した。
続けて、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)において、銀合金ターゲットからチタン(Ti)ターゲットに変えてスパッタリングを行い、チタン(Ti)層と窒化チタン(TiN)層との積層し、これを保護層とした。
具体的には、Ti層の製膜は、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が20SCCM、製膜圧力が0.30Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら90秒間で着膜することで、光導波路フイルム本体の銀合金層(ミラー層)を覆ってTi層を10nm着膜した。
次に、TiN膜の製膜は、同じTiターゲットを用いて、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が18SCCM、窒素ガス流量が2SCCM、製膜圧力が0.30Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら210秒間で着膜することで、光導波路フイルム本体のTi層を覆ってTiN層を10nm製膜した。
なお、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)は、ターゲットを4種類積むことができるため、大気に曝すことなく一連の動作で3層の層を積層した。
また、XRD(X線回折)解析から、Ti層は銀合金層と反応して、チタン銀合金層が形成されているのが確認された。
最後にダイシングテープから剥がすことで、90度光路変換部である傾斜面(ミラー面)に、保護層で覆われたミラー層を持った光導波路フイルムが作製された。
(評価)
波長850nmのLED光源の光を、コア径50μmのマルチモードファイバーを介して得られた光導波路に入射し、受光側にはコア径200μmのポリマークラッドファイバーを介してフォトダイオードで光の挿入損失を測定し、ミラー層の性能を測った結果、反射損失は0.3dBと高性能であった。また、長期信頼性を調べるため、得られた光導波路フィルムを5wt%の食塩水に24時間侵積することで長期信頼性の加速試験を行ったところ、ミラー層には塩化による白化など何の変化も認められず長期信頼性が高いことが分かった。比較のため、Ti/TiN層のない銀合金層(ミラー層)のみのサンプルでは、完全に白化し反射率が大きく低下した。
(実施例2)
まず、コアとなる高屈折率のエポキシ系フィルム(厚さ50μm、屈折率1.57)を用意した。次に、屈折率1.51のエポキシ系紫外線硬化樹脂を厚さ20μmとなるように、このコアとなる高屈折率のエポキシ系フィルムの両面にスピンコートにより塗布し、紫外線を照射して硬化させることで3層フィルムを得た。
次に、上記3層フィルムをダイシングソー(DISCO社製DAD321)に設置し、厚さ100μmのブレードを取り付けたダイシングソーを用い、主面(最上面)側から、75μm±5μmの精度で切削した。次に50μm移動させて切削することでコア径が50μmのコアに相当する凸部を形成した。次に、1.1mm移動させて切削し更に50μm移動させて切削することによって、コア径が50μmでピッチが1.1mmの2芯のコアを形成した。
次に、屈折率1.51のエポキシ系紫外線硬化樹脂を、上記切削した凹部へ埋めるように塗布した後に、紫外線を照射して硬化させて、幅1.0mm、膜厚90μmのベルト状の光導波路フィルムとした。
次に、45°角度付きのブレードを備えたダイシングソーを用いて、この光導波路フィルムの両端を光軸に対し45°の角度で切断し、45°ミラー面を形成し、コアを露出させた。このようにして、両端部に傾斜角45°の傾斜面(ミラー面)を有する光導波路フィルム本体を得た。
次に、銀合金ターゲット(三菱マテリアル社製、37番Ag合金)を用いたスパッタリング法により、45°面の傾斜面に膜厚100nmの銀合金層を着膜した。スパッタリングによる着膜は、ダイシングテープに張り付いたまま行った。スッパッタリングには、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)を用いて、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が15SCCM、製膜圧力が0.25Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら、180秒間の着膜を行うことで銀合金層(ミラー層)を光導波路フイルム本体の傾斜面上に100nm着膜した。
続けて、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)において、銀合金ターゲットからチタン(Ti)ターゲットに変えてスパッタリングを行い、チタン(Ti)層と窒化チタン(TiN)層との積層し、これを保護層とした。
具体的には、Ti層の製膜は、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が20SCCM、製膜圧力が0.30Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら90秒間で着膜することで、光導波路フイルム本体の銀合金層(ミラー層)を覆ってTi層を10nm着膜した。
次に、TiN膜の製膜は、同じTiターゲットを用いて、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が18SCCM、窒素ガス流量が2SCCM、製膜圧力が0.30Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら210秒間で着膜することで、光導波路フイルム本体のTi層を覆ってTiN層を10nm製膜した。
なお、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)は、ターゲットを4種類積むことができるため、大気に曝すことなく一連の動作で3層の層を積層した。
また、XRD(X線回折)解析から、Ti層は銀合金層と反応して、チタン銀合金層が形成されているのが確認された。
最後にダイシングテープから剥がすことで、90度光路変換部である傾斜面(ミラー面)に、保護層で覆われたミラー層を持った光導波路フイルムが作製された。
(評価)
実施例1と同様にして、ミラー層の性能を測った結果、反射損失は0.3dBと高性能であった。また、長期信頼性を調べるため、得られた光導波路フィルムを5wt%の食塩水に24時間侵積することで長期信頼性の加速試験を行ったところ、ミラー層には塩化による白化など何の変化も認められず長期信頼性が高いことが分かった。比較のため、Ti/TiN層のない銀合金層(ミラー層)のみのサンプルでは、完全に白化し反射率が大きく低下した。
(実施例3)
スピンコート法により、エポキシ樹脂の塗布及び製膜を繰り返して、低屈折率層(厚さ20μm1.51)、高屈折率層(厚さ50μm、屈折率1.57)、低屈折率層(厚次に、屈折率1.51)をこの順に積層させて、エポキシ系の3層フィルムを得た。
次に、上記3層フィルムをダイシングソー(DISCO社製DAD321)に設置し、厚さ100μmのブレードを取り付けたダイシングソーを用い、主面(最上面)側から、75μm±5μmの精度で切削した。次に50μm移動させて切削することでコア径が50μmのコアに相当する凸部を形成した。次に、1.1mm移動させて切削し更に50μm移動させて切削することによって、コア径が50μmでピッチが1.1mmの2芯のコアを形成した。
次に、屈折率1.51のエポキシ系紫外線硬化樹脂を、上記切削した凹部へ埋めるように塗布した後に、紫外線を照射して硬化させて、幅1.0mm、膜厚90μmのベルト状の光導波路フィルムとした。
次に、45°角度付きのブレードを備えたダイシングソーを用いて、この光導波路フィルムの両端を光軸に対し45°の角度で切断し、45°ミラー面を形成し、コアを露出させた。このようにして、両端部に傾斜角45°の傾斜面(ミラー面)を有する光導波路フィルム本体を得た。
次に、銀合金ターゲット(三菱マテリアル社製、37番Ag合金)を用いたスパッタリング法により、45°面の傾斜面に膜厚100nmの銀合金層を着膜した。スパッタリングによる着膜は、ダイシングテープに張り付いたまま行った。スッパッタリングには、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)を用いて、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が15SCCM、製膜圧力が0.25Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら、180秒間の着膜を行うことで銀合金層(ミラー層)を光導波路フイルム本体の傾斜面上に100nm着膜した。
続けて、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)において、銀合金ターゲットからチタン(Ti)ターゲットに変えてスパッタリングを行い、チタン(Ti)層を形成し、これを保護層とした。
具体的には、Ti層の製膜は、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が20SCCM、製膜圧力が0.30Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら90秒間で着膜することで、光導波路フイルム本体の銀合金層(ミラー層)を覆ってTi層を10nm着膜した。
なお、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)は、ターゲットを4種類積むことができるため、大気に曝すことなく一連の動作で2層の層を積層した。
また、XRD(X線回折)解析から、Ti層は銀合金層と反応して、チタン銀合金層が形成されているのが確認された。
最後にダイシングテープから剥がすことで、90度光路変換部である傾斜面(ミラー面)に、保護層で覆われたミラー層を持った光導波路フイルムが作製された。
(評価)
実施例1と同様にして、ミラー層の性能を測った結果、反射損失は0.3dBと高性能であった。また、長期信頼性を調べるため、得られた光導波路フィルムを5wt%の食塩水に24時間侵積することで長期信頼性の加速試験を行ったところ、ミラー層には塩化による白化など何の変化も認められず長期信頼性が高いことが分かった。しかし、長期信頼性の加速試験において、食塩水の浸漬を36時間に伸ばしたところ、若干ではあるが、ミラー層には塩化による白化が認められた。Ti層とTiN層を複合化した保護層に比べ劣るものの、Ti層のみの単独層でも、銀合金層(ミラー層)の保護層として機能することがわかった。比較のため、Ti層のない銀合金層(ミラー層)のみのサンプルでは、完全に白化し反射率が大きく低下した。
(実施例4)
スピンコート法により、アクリル樹脂の塗布及び製膜を繰り返して、低屈折率層(厚さ20μm1.51)、高屈折率層(厚さ50μm、屈折率1.57)、低屈折率層(厚次に、屈折率1.51)をこの順に積層させて、アクリル系の3層フィルムを得た。
そして、実施例3と同様にして、両端部に傾斜角45°の傾斜面(ミラー面)を有する光導波路フィルム本体を得た。
次に、銀合金ターゲット(三菱マテリアル社製、37番Ag合金)を用いたスパッタリング法により、45°面の傾斜面に膜厚100nmの銀合金層を着膜した。スパッタリングによる着膜は、ダイシングテープに張り付いたまま行った。スッパッタリングには、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)を用いて、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が15SCCM、製膜圧力が0.25Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら、180秒間の着膜を行うことで銀合金層(ミラー層)を光導波路フイルム本体の傾斜面上に100nm着膜した。
続けて、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)において、銀合金ターゲットからチタン(Ti)ターゲットに変えてスパッタリングを行い、チタン(Ti)層を形成し、これを保護層とした。
具体的には、Ti層の製膜は、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が20SCCM、製膜圧力が0.30Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら90秒間で着膜することで、光導波路フイルム本体の銀合金層(ミラー層)を覆ってTi層を10nm着膜した。
なお、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)は、ターゲットを4種類積むことができるため、大気に曝すことなく一連の動作で2層の層を積層した。
また、XRD(X線回折)解析から、Ti層は銀合金層と反応して、チタン銀合金層が形成されているのが確認された。
最後にダイシングテープから剥がすことで、90度光路変換部である傾斜面(ミラー面)に、保護層で覆われたミラー層を持った光導波路フイルムが作製された。
(評価)
実施例1と同様にして、ミラー層の性能を測った結果、反射損失は0.3dBと高性能であった。また、長期信頼性を調べるため、得られた光導波路フィルムを5wt%の食塩水に24時間侵積することで長期信頼性の加速試験を行ったところ、ミラー層には塩化による白化など何の変化も認められず長期信頼性が高いことが分かった。しかし、長期信頼性の加速試験において、食塩水の浸漬を36時間に伸ばしたところ、若干ではあるが、ミラー層には塩化による白化が認められた。Ti層とTiN層を複合化した保護層に比べ劣るものの、Ti層のみの単独層でも、銀合金層(ミラー層)の保護層として機能することがわかった。比較のため、Ti層のない銀合金層(ミラー層)のみのサンプルでは、完全に白化し反射率が大きく低下した。
参考例5)
実施例3と同様にして、スピンコート法により、エポキシ樹脂の塗布及び製膜を繰り返して、低屈折率層(厚さ20μm1.51)、高屈折率層(厚さ50μm、屈折率1.57)、低屈折率層(厚次に、屈折率1.51)をこの順に積層させて、エポキシ系の3層フィルムを得た。
そして、実施例3と同様にして、両端部に傾斜角45°の傾斜面(ミラー面)を有する光導波路フィルム本体を得た。
次に、銀合金ターゲット(三菱マテリアル社製、37番Ag合金)を用いたスパッタリング法により、45°面の傾斜面に膜厚100nmの銀合金層を着膜した。スパッタリングによる着膜は、ダイシングテープに張り付いたまま行った。スッパッタリングには、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)を用いて、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が15SCCM、製膜圧力が0.25Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら、180秒間の着膜を行うことで銀合金層(ミラー層)を光導波路フイルム本体の傾斜面上に100nm着膜した。
続けて、ULVAC社製のハイレートスパッタリング装置(SH−450)において、銀合金ターゲットからチタン(Ti)ターゲットに変えてスパッタリングを行い、窒化チタン(TiN)層を20nm着膜し、これを保護層とした。
具体的には、TiN層の製膜は、チタン(Ti)ターゲットを用いて、パワーが0.35kW、アルゴンガス流量が18SCCM、窒素ガス流量が2SCCM、製膜圧力が0.30Pa、ワーク(光導波路フィルム本体)を加熱することなく毎分2回転させながら420秒間で着膜することで、銀合金ミラー層を覆ってTiN層を20nm製膜した。
最後にダイシングテープから剥がすことで、90度光路変換部である傾斜面(ミラー面)に、保護層で覆われたミラー層を持った光導波路フイルムが作製された。
(評価)
実施例1と同様にして、ミラー層の性能を測った結果、反射損失は0.3dBと高性能であった。また、長期信頼性を調べるため、得られた光導波路フィルムを5wt%の食塩水に24時間侵積することで長期信頼性の加速試験を行ったところ、ミラー層には塩化による白化が若干認められ長期信頼性がTi層がある場合に比較して劣ることが確認された。比較のため、Ti層のない銀合金層(ミラー層)のみのサンプルでは、完全に白化し反射率が大きく低下した。
実施形態に係る光導波路フィルムを示す概略構造図であり、(A)が斜視図であり、(B)がA−A断面図である。 実施形態に係る光導波路フィルムが変形に対して追従性(屈曲性)を有することを示す斜視図である。 実施形態に係る光導波路フィルムの製造方法を示す工程図である。 実施形態に係る光導波路フィルムの製造方法を示す工程図である。 他の光導波路フィルム本体の製造方法を示す工程図である。 着膜対象を加熱しないでスパッタリングによりチタン層を着膜したときのXRD(X線回折)解析結果を示す図である。 着膜対象を加熱しないでスパッタリングによりた窒化チタン層を着膜したときのXRD(X線回折)解析結果を示す図である。 着膜対象を加熱してスパッタリングにより窒化チタン層を着膜したときのXRD(X線回折)解析結果を示す図である。 着膜対象を加熱しないでスパッタリングにより銀合金層、チタン層、窒化チタン層を順次着膜したときのXRD(X線回折)解析結果を示す図である。 実施形態に係る光送受信モジュールの概略側面図である。 実施形態に係る光送受信モジュールの概略平面図である。
符号の説明
10 光導波路フィルム
10A 高分子フィルム
11 光送受信モジュール
12 光送受信部
13 封止樹脂
14 光送受信部
22 保持部材
24 保持部材
32 発光素子
34 受光素子
42 結線部
52 電極
54 ワイヤ
112 光導波路コア
112A コア層
114 クラッド
114A〜114C クラッド層
116 光導波路フィルム本体
116A ミラー面
118 ミラー層
118A 金属層
120A チタン銀合金層
120B チタン層
120C 窒化チタン層
120 保護層
130 ダイシングテープ
132 ダイシングブレード
134 マスク

Claims (3)

  1. 光が伝播する光導波路コアと、
    前記光導波路コアの少なくとも一方の長手方向端部に設けられた傾斜面と、
    前記傾斜面上に設けられ、銀又は銀合金を含んで構成される金属層からなる反射層と、
    前記反射層上を覆って設けられ、チタン層又はチタン合金層を含む保護層と、
    前記光導波路コアを包囲し前記光導波路コアよりも屈折率が低いクラッド部と、
    を備え、
    前記反射層と前記保護層が一体化され、銀又は銀合金を含んで構成される金属層の表面がチタン銀合金からなる複合合金であることを特徴とする光導波路。
  2. 前記保護層が、前記チタン層又はチタン合金層を覆って設けられた窒化チタン層を含むことを特徴とする請求項1に記載の光導波路。
  3. 請求項1又は2に記載の光導波路と、
    発光素子と該発光素子を保持する第1の保持部材とを有し、前記発光素子から射出された光が前記光導波路の入射端面に結合されるように、前記第1の保持部材上に前記光導波路の一方の端部を保持する光送信部と、
    受光素子と該受光素子を保持する第2の保持部材とを有し、前記光導波路の出射端面から射出された光が前記受光素子に受光されるように、前記第2の保持部材上に前記光導波路の他方の端部を保持する光受信部と、
    を備えることを特徴とする光送受信モジュール。
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