JP2009103384A - 天井カセット形空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、熱交換器に対する特別な加工が不要となって工数低減に寄与するとともに、熱交換器の大型化を推進して熱交換性能の向上化を得られ、ドレンポンプのメンテナンス作業の向上化を得る天井カセット形空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機本体1の下面に開口部を有し、空気調和機本体の内部に、下面開口部の略中央部位に対向して配置される送風機5と、送風機の吹出し側である周囲を囲んで配置される熱交換器6と、この熱交換器の下部に設けられドレン水を受けるドレンパン7を収容し、空気調和機本体の下面開口部を閉成する化粧パネル2は、送風機および熱交換器の内側部に対向して吸込み口12を備えるとともに熱交換器の外側部と空気調和機本体側壁との間に対向して吹出し口15を備え、吸込みグリル13を吸込み口に開閉自在に嵌め込み、ドレンパン内に集溜するドレン水を汲み上げて外部へ排出するドレンポンプ10は、熱交換器の熱交換用空気を導入する1次側に配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】空気調和機本体1の下面に開口部を有し、空気調和機本体の内部に、下面開口部の略中央部位に対向して配置される送風機5と、送風機の吹出し側である周囲を囲んで配置される熱交換器6と、この熱交換器の下部に設けられドレン水を受けるドレンパン7を収容し、空気調和機本体の下面開口部を閉成する化粧パネル2は、送風機および熱交換器の内側部に対向して吸込み口12を備えるとともに熱交換器の外側部と空気調和機本体側壁との間に対向して吹出し口15を備え、吸込みグリル13を吸込み口に開閉自在に嵌め込み、ドレンパン内に集溜するドレン水を汲み上げて外部へ排出するドレンポンプ10は、熱交換器の熱交換用空気を導入する1次側に配置する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、空気調和機本体を天井埋込み型とした天井カセット形空気調和機に係り、特にドレンポンプの取付け構造の改良に関する。
天井カセット形空気調和機は、空気調和機本体が天井内に取付けられる。空気調和機本体内部の略中央部に送風機が配置され、送風機の周囲を囲み、平面視で略矩形枠状の熱交換器が配置される。熱交換器の下部にはドレン水を受けるドレンパンを備え、このドレンパンにドレン水を屋外へ排出するドレンポンプを備えている。
空気調和機本体の下面には開口部が設けられていて、この開口部を化粧パネルで閉成している。上記化粧パネルには、送風機および熱交換器の内側部に対向して吸込み口が設けられるとともに、熱交換器の外側部と空気調和機本体側壁との間に対向して吹出し口が設けられる。
上記ドレンパンには、ドレンホースが詰った場合、またはドレンポンプの故障の際にドレンパンに溜ったドレン水を機外へ強制的に排出するため、あるいは長期に亘る使用によりドレンパン内に生成し蓄積された水垢状物質を除去する等のメンテナンス作業のために、ドレン口が設けられる。
たとえば、[特許文献1]では、ドレン口を封止するドレンキャップを、ドレン口に対して着脱自在とするとともに水密的に固定できるように構成している。さらに、ドレンキャップの略中央部に排水孔を設け、この排水孔に対して着脱自在で水密的に固定できる排水栓を設けた技術が開示されている。
特開2007−85690号公報
ところで、熱交換器を基準にして、吸込み口側が熱交換空気を導入する「1次側」と呼ぶとすると、吹出し口側が熱交換空気を導出する「2次側」となる。上記[特許文献1]において、ドレンポンプは、熱交換器の2次側である熱交換器の外側部と空気調和機本体側壁との間に取付けられている。
一方、空気調和機本体の外形寸法は、大型化抑制の点から基準範囲に定めている。さらに、吸込み口の開口面積は必要な熱交換量を確保するために、可能な限り最大寸法に定めている。当然ながら、上記ドレンポンプにおいても所定の直径寸法があるから、ドレンポンプを熱交換器の2次側に配置すると、そのままでは熱交換器が収まりきれない。
[特許文献1]では特に説明されていないが、対策として、熱交換器の一部を内側へ突出する。あるいは、熱交換器隅部の角を落として斜め形状とし、これらの変形部内側にドレンポンプを配置する。したがって、熱交換器の2次側にドレンポンプを配置できるが、そのために熱交換器に特別な加工を施す必要があり、工数が嵩む。
また、実際にはドレンポンプに対するメンテナンスも必要である。このときは、ドレンポンプが熱交換器の2次側に配置されているので、化粧パネルと、電気部品箱と、ドレンパンを、順次取外すことにより、漸くドレンポンプの取外しが可能となる。したがって、ドレンポンプのメンテナンス作業は非常に手間がかかる。
本発明は上記事情にもとづきなされたものであり、その目的とするところは、熱交換器に対する特別な加工を不要として工数低減に寄与するとともに、熱交換器の大型化を推進して熱交換性能の向上化を得られ、ドレンポンプのメンテナンス作業の向上化を得る天井カセット形空気調和機を提供しようとするものである。
上記目的を満足するため本発明の天井カセット形空気調和機は、筐体である空気調和機本体の下面に開口部を有し、空気調和機本体の内部に、下面開口部の略中央部位に対向して配置する送風機と、送風機の吹出し側である周囲を囲んで配置する熱交換器および、この熱交換器の下部に設けられ熱交換器で生成するドレン水を受けるドレンパンを収容し、空気調和機本体の下面開口部を閉成する化粧パネルは室内送風機および熱交換器の内側部に対向して吸込み口を備えるとともに熱交換器の外側部と空気調和機本体側壁との間に対向して吹出し口を備え、吸込みグリルを化粧パネルの吸込み口に開閉自在に嵌め込み、ドレンパン内に集溜するドレン水を汲み上げて外部へ排出するドレンポンプは、熱交換器の熱交換空気を導入する1次側に配置する。
本発明によれば、熱交換器に対する特別な加工が不要となって工数低減に寄与し、熱交換器の大型化を推進して熱交換性能の向上化を得られ、ドレンポンプのメンテナンス作業の向上化を得るなどの効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。(なお、文中に符号の付していない構成部品および構成部位については図示していない。また、図の煩雑さを避けるために意図して構成部品および構成部位に符号を付していない場合もある)
図1は、本発明の一実施の形態に係る天井カセット形空気調和機を見上げた状態での斜視図である。図2は、天井カセット形空気調和機の底面図である。図3は、図2の一部拡大図である。
図1は、本発明の一実施の形態に係る天井カセット形空気調和機を見上げた状態での斜視図である。図2は、天井カセット形空気調和機の底面図である。図3は、図2の一部拡大図である。
天井カセット形空気調和機は、天井板に設けられた取付け用開口部に室内側から挿入され、吊り下げボルト等を介して、いわゆる天井裏に吊持固定される空気調和機本体1と、この空気調和機本体1の下面部に取付けられ天井板から室内側に露出する化粧パネル2とから構成される。
前記空気調和機本体1は、下面部が開口し、天板部1aと側面部に金属薄板を加工してなる板金製のケーシング3を備えている。このケーシング3の内周面は発泡スチロール材等からなる断熱材が取付けられ、内周面全面に亘って断熱材で覆われている。したがって、空気調和機本体1は断熱構造をなしている。
空気調和機本体1内部における下面開口部の略中央部に対向して、ファンガードで保護された送風機5が配置される。この送風機5は、軸方向から空気を吸込んで周方向へ吹出す、いわゆる遠心ファン(「ターボファン」とも呼ばれる)を備えている。送風機5の上方部位は天板部1aで覆われるので、下面開口部が送風機5の吸込み側に存在する。
上記送風機5の吹出し側である周囲を囲むようにして、平面視で略四角枠状の熱交換器6が配置される。前記熱交換器6の下部にはドレンパン7が設けられていて、冷房運転時に熱交換器6の熱交換作用にともなって生成されるドレン水をドレンパン7が受けるようになっている。
上記ドレンパン7は、上記空気調和機本体1の周壁に嵌め込まれていて、外側の辺部に内側ヘ向って凹陥形成される凹陥部aを有する。さらに、ドレンパン7は、一つの内角隅部のみが内径方向へ向って突出形成されていて、この突部7aのドレンパン7底面壁にドレン口8が設けられる。
上記ドレン口8は、メンテナンス時などドレンパン7に残留するドレン水や水垢状物質等(以下、これらを総称して、「ドレン水」と呼ぶ)を排出処理するための開口部であるが、後述するように、ドレンポンプ10を空気調和機本体1から取外し、必要なメンテナンスを行うためのメンテナンス用口を兼ねる。
前記ドレン口8は、閉塞部材であるドレンキャップ18によって開閉自在に閉塞される。図1および図2は、ドレン口8からドレンキャップ18を取外した状態を示している。図3は、図2のドレン口8からドレンキャップ18を取外し、ドレン口8とその周辺部分を拡大して示している。
特に図3に示すように、開口されたドレン口8から後述するドレンポンプ10が見えている。すなわち、ドレンポンプ10はドレン口8の真上部位に設けられている。換言すれば、ドレンポンプ10の直下部位にドレン口8が設けられていて、ドレンポンプ10の中心軸がドレン口8の中心軸と一致するよう取付けられる。
しかも、ドレン口8の直径はドレンポンプ10の直径よりも大に形成されていて、ドレン口8からドレンポンプ10の外周面が完全に見える。そのため、メンテナンス時など必要に応じてドレンポンプ10を取外すことにより、ドレンポンプ10はドレン口8に対して挿通自在となっている。
上記ドレン口8の近傍部位で、かつドレンパン7の内側一部に沿って電気部品箱11が設けられる。この電気部品箱11は、空気調和機本体1内に収容されている電動部品を制御する電気部品や、リモコンに対する送受信をなす電気部品等を収容するためのものである。
前記ケーシング3の下面開口部は、図1のみに示す前記化粧パネル2によって閉成されている。この化粧パネル2は、たとえば合成樹脂材から成型されて美麗に仕上げられており、天井板から室内に対して露出し、空気調和機本体1周面と天井板の取付け用開口部との隙間を遮蔽する。
化粧パネル2の略中央部には吸込み口12が開口されていて、フィルタを備えた吸込みグリル13によって開閉自在である。図1は吸込みグリル13を開放して吸込み口12を露出した状態を示している。図2は空気調和機本体1から化粧パネル2を取外した状態を示している。
なお説明すると、前記吸込み口12は送風機5および熱交換器6の内側部と対向する部位に開口していて、略矩形状をなしている。この吸込み口12に前記吸込みグリル13が開閉自在に取付けられている。
前記吸込みグリル13は、吸込み口12における室内空気の流通を可能としながら、吸込み口12からケーシング3内部に対する遮蔽をなす。メンテナンス時には、吸込みグリル13を開放することでフィルタを取外すことができ、室内床上でのフィルタの掃除が可能である。
前記吸込みグリル13は、吸込み口12における室内空気の流通を可能としながら、吸込み口12からケーシング3内部に対する遮蔽をなす。メンテナンス時には、吸込みグリル13を開放することでフィルタを取外すことができ、室内床上でのフィルタの掃除が可能である。
上記ドレンパン7に設けられるドレン口8は、ドレンパン7の一つの内角隅部に設けられるところから、上記吸込み口12と対向する部位にある。また、化粧パネル2の各辺部に沿って吹出し口15が設けられていて、これは空気調和機本体1側面壁とドレンパン7の凹陥部aとで形成される隙間部に対向する。
熱交換器6を基準にした熱交換空気の流れは、吸込み口12側が熱交換空気を導入する「1次側」と呼ぶとすると、吹出し口15側が熱交換空気を導出する「2次側」となる。上記ドレン口8は吸込み口12と対向する部位に設けられるところから、熱交換器6の1次側に設けられる。
また、ドレンポンプ10はドレン口8の真上部位に設けられている。換言すれば、ドレンポンプ10の直下部位にドレン口8が設けられていて、ドレンポンプ10も熱交換器6の1次側に設けられることになる。しかも、ドレン口8の直径はドレンポンプ10の直径よりも大に形成され、ドレンポンプ10はドレン口8に対して挿通自在である。
化粧パネル2と送風機5との間にはベルマウス16が設けられ、周囲を上記ドレンパン7で囲まれる。ベルマウス16は、送風機5側が小径で、化粧パネル2の吸込み口12側が大径のホーン状に形成される。一部は上記電気部品箱11によって吸込み口12に対して遮蔽されるが、送風案内の機能は保持している。
つぎに、ドレンポンプ10の取付け構造について詳述する。
図4は空気調和機本体一部の概略構成図であり、ドレンポンプ10の取付け構造を説明する図である。図5は空気調和機本体一部の斜視図であり、空気調和機本体1の天板部1aを除去して内部を露出しドレンポンプ10の取付け構造を説明する図である。
図4は空気調和機本体一部の概略構成図であり、ドレンポンプ10の取付け構造を説明する図である。図5は空気調和機本体一部の斜視図であり、空気調和機本体1の天板部1aを除去して内部を露出しドレンポンプ10の取付け構造を説明する図である。
上記ドレンポンプ10は吸込み部10aを下部側であるドレン口8に向け、上端面がポンプ支持具17に取付けられている。ドレン口8にドレンキャップ18が嵌め込まれた状態で、ドレンポンプ10の吸込み部10a端面とドレンキャップ18との間隔は極くわずかでしかなく、ドレンポンプ10の下部側の略半分はドレンパン7内に位置する。
すなわち、ドレンポンプ10の吸込み部10aはドレンパン7に集溜するドレン水内に完全に浸漬するよう支持される。ドレンポンプ10を支持するポンプ支持具17は、ポンプ支持部17aから直上部位へ延出される脚部17bを備えていて、この脚部17bの上端は空気調和機本体1を構成する天板部1aに取付け固定される。
図4に示すドレンポンプ10の裏面側には、吸込み部10aから吸込んだドレン水を吐出する吐出部が設けられていて、ここにドレンホース19の一端部が接続される。ドレンホース19は、吐出部からポンプ支持具17の脚部17b間に巻回され、さらに上記熱交換器6の上端部と空気調和機本体天板部1aとの間を越えて引き回される。
すなわち、空気調和機本体1の天板部1aにおいて、ケーシング3の内面に取付けられる断熱材4の一部が凹陥形成されていて、この凹陥部bにドレンホース19が挿通される。
上記断熱材4に対する加工は必要であるが、凹陥部bを形成するだけなので、ほとんど工数に影響しない。また、熱交換器6の上端部に対して何らの加工も不要であり、工数への影響は全く無い。
上記断熱材4に対する加工は必要であるが、凹陥部bを形成するだけなので、ほとんど工数に影響しない。また、熱交換器6の上端部に対して何らの加工も不要であり、工数への影響は全く無い。
特に図4に示すように、上記熱交換器6は、その下端面がドレンパン7の底面壁に一体に設けられる突堤部dに載置される。一方で、熱交換器6の上端面は空気調和機本体1の天板部1aに設けられる断熱材4に接触している。すなわち、熱交換器6は空気調和機本体天板部1aとドレンパン7との間に、上下方向から挟持固定されている。
ただし、ドレンパン7において、熱交換器6を支持する突堤部dがドレンパン7の底面壁全周に亘って設けられていると、熱交換器6で生成されるドレン水が突堤部dの内側と外側に二分されてしまう。これに対して、上記ドレン口8とドレンポンプ10は熱交換器6の内側部位に設けられている。
熱交換器6で生成され流下して突堤部dの内側に集溜するドレン水は、そのままドレン口8およびドレンポンプ10に導かれるが、突堤部dの外側に集溜するドレン水はそこで溜ってしまい、突堤部dをオーバーフローしない限りドレン口8とドレンポンプ10に導かれないこととなる。
そのため、突堤部dの少なくとも一箇所において、ある程度の長さ寸法をもって突堤部dが切欠加工され、中断された中断部eとなる。この中断部eにおいてドレンパン7の底面壁が露出し、熱交換器6から突堤部dの外側部位に流下したドレン水は、中断部eを介して内側部位に導かれ、ドレン口8やドレンポンプ10から排出されることになる。
つぎに、ドレン口8とドレンキャップ18について詳述する。
図6はドレン口8からドレンキャップ18と外蓋カバー20を取外した斜視図、図7はドレンキャップ18の正面図と、B−B線に沿う断面図である。
上記ドレンパン7に設けられるドレン口8は、その周面に沿って突部が下方に一体に設けられていて、この突部の内周面に雌ねじ部fが設けられる。これに対して上記ドレンキャップ18は、ドレン口8の直径よりも大なる直径の円形をなすフランジ部18aと、このフランジ部18aの一側面に突設され、その外周面に上記雌ねじ部fと螺合可能な雄ねじ部gを備えている。
図6はドレン口8からドレンキャップ18と外蓋カバー20を取外した斜視図、図7はドレンキャップ18の正面図と、B−B線に沿う断面図である。
上記ドレンパン7に設けられるドレン口8は、その周面に沿って突部が下方に一体に設けられていて、この突部の内周面に雌ねじ部fが設けられる。これに対して上記ドレンキャップ18は、ドレン口8の直径よりも大なる直径の円形をなすフランジ部18aと、このフランジ部18aの一側面に突設され、その外周面に上記雌ねじ部fと螺合可能な雄ねじ部gを備えている。
このことにより、ドレンキャップ18の雄ねじ部gをドレン口8の雌ねじ部fに螺合締結することで、ドレンキャップ18はドレン口8を閉塞する。いわゆる、スクリューキャップ構造を採用することとなり、水漏れのない確実な閉栓作業を行える。または、ドレンキャップ18をドレン口8から螺脱し取外すことで、ドレン口8を完全開口できるようになっている。
さらに、ドレンキャップ18の雄ねじ部gには、周方向に沿って複数のドレン排水用孔22が互いに間隔を存して設けられている。一方、ドレン口8の雌ねじ部fには、上記ドレン排水用孔22と略同一寸法、もしくは小さい寸法に開口されるドレン排水用溝23が1ヶ所設けられる。
ドレン口8のドレン排水用溝23は、ドレンキャップ18がドレン口8を完全閉塞する位置ではドレン排水用孔22に連通しない。ドレンキャップ18を回動してドレン口8に対する完全閉塞が解け、さらにドレンキャップ18をある程度開放したときドレン排水用孔22がドレン排水用溝23に連通する。したがって、ドレン排水用孔22とドレン排水用溝23を介してドレンパン7内のドレン水が排水される。
これらドレン排水用孔22とドレン排水用溝23が設けられておらず、単にドレン口8をドレンキャップ18が開閉自在とする構成であると、ドレンキャップ18をドレン口8から取外したとき、ドレン口8からドレン水が瞬時に、かつ大量に排出されてしまう。そのため、ドレン水を受けきれずに周囲を濡らす虞れがあるが、上述の構成では徐々に排水されるので、全てを受けることができて周囲を濡らすことはない。
特に図7(A)(B)で詳細に示すように、上記ドレンキャップ18のフランジ部18aには、表面下部側へ突出するとともに、裏面が凹陥状に形成される把手部25が一体に設けられている。したがって、ドレンキャップ18をドレン口8に取付けるとき、もしくは取外すとき、上記把手部25を摘みながらドレンキャップ18を回動付勢すれば、容易に作業できる。
さらに、上記把手部25の裏面側は凹陥部が一体に形成されることになり、この凹陥部に抗菌剤26が取付けられる。ドレンキャップ18でドレン口8を閉塞した状態で、ドレンキャップ18の裏面側はドレンパン7に集溜するドレン水に浸漬される。そのため、ドレンパン7にドレン水を集溜したまま長期間が経過すると、ドレンキャップ18とドレン口8周辺に雑菌類が付着し、水垢や異臭の発生原因となり易い。
そこで、ドレンキャップ18の裏面側に抗菌剤26を取付けることで、ドレンキャップ18とドレン口8周辺の雑菌類の繁殖を抑制して、水垢や異臭の発生要因を除去する。ドレン水が清浄化されるところから、ドレンパン7全体に亘って雑菌類の繁殖を抑制し、ドレンポンプ10やドレンホース19における詰りの要因を除去できる。
再び図6に示すように、上記ドレンキャップ18は、この下部側に着脱自在に取付けられる外蓋カバー20によって覆われていて、通常の状態ではドレンキャップ18の存在を確認できない。すなわち、上記外蓋カバー20は化粧パネル2と同一の素材で、かつ同一色に形成されていて、ドレン口8の雌ねじ部fが設けられる突部の端末開口を開閉自在に閉塞している。
さらに上記外蓋カバー20は、裏面側(上方)に突出する円環凹部20aが形成されていて、この円環凹部20aの外径寸法はドレン口8の直径寸法と同一である。したがって、外蓋カバー20は突部端末に円環凹部20aをワンタッチで掛止固定できる。外蓋カバー20の取外しにあたっては、円環凹部20aを摘んで引降せば、容易に取外せる。
以上要するに、ドレン口8に対して上記ドレンキャップ18が内蓋となり、この下部側に外蓋である外蓋カバー20が取付けられて、二重構造となっている。外蓋カバー20とドレンパン7との間にはある程度の間隔が形成され、空気層を有する。
そのため、ドレンパン7に集溜するドレン水の温度が低くドレンキャップ18が冷却されても、空気層の存在によりドレンキャップ18下面に露付きが生じることがない。ドレンキャップ18のみであると、この下面に露付きが生じてそのまま室内に落下し、室内を濡らす虞れがあるが、外蓋カバー20を設けることで防止できる。
そのため、ドレンパン7に集溜するドレン水の温度が低くドレンキャップ18が冷却されても、空気層の存在によりドレンキャップ18下面に露付きが生じることがない。ドレンキャップ18のみであると、この下面に露付きが生じてそのまま室内に落下し、室内を濡らす虞れがあるが、外蓋カバー20を設けることで防止できる。
このようにして構成された天井カセット形空気調和機において、送風機5が駆動されると室内空気が吸込みグリル13と吸込み口12を介し、ベルマウス16に案内されて空気調和機本体1内に吸引される。室内空気は熱交換器6の一次側から熱交換器6を流通し、熱交換されてから二次側へ導出される。
そして、熱交換空気は吹出し口15から室内へ吹出され、室内の空気調和をなす。特に冷房運転時には、熱交換器6の熱交換作用にともなってドレン水が生成され、ドレンパン7に滴下する。時間の経過とともにドレンパン7におけるドレン水の集溜量が増大し、水位が上昇する。
フロートスイッチがドレンパン7内のドレン水の水位を常時検知していて、ドレン水の水位が基準の最高水位を越えたことを検知すると、フロートスイッチは制御部へ検知信号を送る。制御部はドレンポンプ10へ駆動信号を送り、ドレンポンプ10はドレン水を吸上げドレンホース19を介して外部へ排出する。
ドレンパン7に集溜されたドレン水は、ドレンパン7をオーバーフローすることなく円滑に排水される。ドレン水の水位が徐々に降下して最低基準水位にまで降下したことをフロートスイッチが検知すると、再び制御部へ検知信号が送られる。制御部はドレンポンプ10に停止信号を送り、ドレン水の排水を停止させる。
メンテナンス作業時等で、ドレンパン7内に残留するドレン水を全て排出する場合は、ドレン口8から外蓋カバー20とドレンキャップ18を取外す。
図8(A)(B)(C)は、ドレン口8から外蓋カバー20とドレンキャップ18を取外す状態を順に示す説明図である。
図8(A)では、ドレン口8にドレンキャップ18と外蓋カバー20が取付けられ、ドレン口8を閉塞している。すなわち、ドレン口8の雌ねじ部fにドレンキャップ18の雄ねじ部gが螺合され、かつ締結されている。上記ドレンポンプ10の吸込み部10aは、ドレンキャップ18の雄ねじ部g内径側に挿入していて、ドレンパン7のドレン水を確実に吸込む位置にある。
図8(A)(B)(C)は、ドレン口8から外蓋カバー20とドレンキャップ18を取外す状態を順に示す説明図である。
図8(A)では、ドレン口8にドレンキャップ18と外蓋カバー20が取付けられ、ドレン口8を閉塞している。すなわち、ドレン口8の雌ねじ部fにドレンキャップ18の雄ねじ部gが螺合され、かつ締結されている。上記ドレンポンプ10の吸込み部10aは、ドレンキャップ18の雄ねじ部g内径側に挿入していて、ドレンパン7のドレン水を確実に吸込む位置にある。
このとき、ドレンキャップ18の雄ねじ部gに設けられるドレン排水用孔22は、ドレン口8の雌ねじ部fに設けられるドレン排水用溝23と非対向位置にあり、ドレン口8周面に一体形成される突部で閉塞されているから、ドレン排水用孔22からドレン水が排出されることはない。
上記ドレンキャップ18の把手部25裏面の凹陥部に充填される抗菌剤26は、ドレン水に確実に浸漬状態にある。外蓋カバー20はドレン口8の突部端末に嵌め込まれ、ドレンキャップ18を覆い、ドレンキャップ18との間に空気層を形成する。よって、ドレン水が低温でありドレンキャップ18が冷却されても、この下面に露付きが生じない。
ドレンポンプ10に対するメンテナンス作業にあたって、ドレン口8を開放してドレンパン7に集溜するドレン水を排出する必要がある。このときは、吸込みグリル13を回動して空気調和機本体1の下面開口部を開放し、吸込み口12と、ドレンパン7の突出部7aに取付けられる外蓋カバー20を露出する。
そこで図8(B)に示すように、外蓋カバー20を取外して、ドレンキャップ18を露出する。この状態でも、ドレンキャップ18の雄ねじ部gに設けられるドレン排水用孔22は、ドレン口8の雌ねじ部fに設けられるドレン排水用溝23と非対向位置にあり、突部によって閉塞されているのでドレン排水用孔22からドレン水が排出されない。
つぎに、ドレンキャップ18の把手部25を摘んで、雌ねじ部fと雄ねじ部gとの螺合締結が解除する方向へ回動操作する。ドレンキャップ18のドレン口8に対する閉塞状態が緩んでから、さらにドレンキャップ18を回動付勢すると、図8(C)に示すように、ドレンキャップ18の雄ねじ部gに設けられるドレン排水用孔22の一部が、ドレン口8の雌ねじ部fに設けられるドレン排水用溝23に連通する。
ドレンパン7に集溜するドレン水は、ドレン排水用溝23とドレン排水用孔22を介してドレン口8から排出される。ドレン排水用溝23に対するドレン排水用孔22の連通面積を大にするほどドレン水の排出量が多くなるので、適宜排出量を調整すればよい。
ドレンパン7からドレン水を完全排出したら、ドレンキャップ18をドレン口8から取外す。結局、ドレン水を排出するにあたって周囲を濡らすことなく、確実に作業できる。ドレン口8を完全開放することで、先に図1および図2に示すように、ドレン口8からドレンポンプ10が見える。
ドレンパン7からドレン水を完全排出したら、ドレンキャップ18をドレン口8から取外す。結局、ドレン水を排出するにあたって周囲を濡らすことなく、確実に作業できる。ドレン口8を完全開放することで、先に図1および図2に示すように、ドレン口8からドレンポンプ10が見える。
ドレンポンプ10の直径はドレン口8の直径よりも小さく形成されているので、ドレンポンプ10周面とドレン口8周面とはある程度の間隙を存している。そこで、この間隙に工具を差し込んで、ドレンポンプ10をポンプ支持具17に取付けていた固定具を取外す。全ての固定具を取外すまでは、工具を持たない方の手でドレンポンプ10を支持し脱落を防止する。
全ての固定具を取外したら、ドレンポンプ10を中心軸に沿って降下させる。ドレンポンプ10はポンプ支持具17から離間し、かつそのままドレン口8を挿通して空気調和機本体1から取外せる。したがって、ドレンポンプ10に対するメンテナンスが、所望の部位で可能となる。
上述したように、ドレンポンプ10を熱交換器6の1次側に配置することにより、ドレンポンプ10を熱交換器6の2次側に配置する場合と比較して、空気調和機本体1の外形寸法を拡大することなく、熱交換器6をより大型化できる。これにともない、送風機5の大型化も図ることができ、熱交換性能の向上を得られる。
さらに、ドレンポンプ10を熱交換器6の1次側に配置することにより、ドレンポンプ10を熱交換器6の2次側に配置する場合のように、熱交換器6においてドレンポンプ10を避ける加工が不要となり、工数の低減化を得られる。すなわち、コストの低減化に寄与する。
さらに、ドレンポンプ10を熱交換器6の1次側に配置することにより、吸込みグリル13を開放して吸込み口12を露出すれば、吸込み口12を介してドレンポンプ10を取外せる。ドレンポンプ10を熱交換器6の2次側に配置する場合のように、化粧パネル2、ドレンパン7、電気部品箱11を取外す必要が無く、作業性の向上化を得る。
なお、上記ドレンパン7は、少なくとも一部が吸込み口12と対向するよう突出し、この突部7aにドレン口8を設け、このドレン口8をドレンキャップ18で開閉自在に閉塞するようにしたから、吸込みグリル13を開放して吸込み口12を露出させればドレンキャップ18に対するドレン口8の開放操作が容易に行えて、作業性の向上化を得られる。
上記ドレン口8は、ドレンポンプ10の直下部のドレンパン7底面壁部位に設けられ、ドレンポンプ10が挿通自在な直径に開口されているから、吸込みグリル13を開放すればドレンポンプ10に対するメンテナンス作業が可能となる。特に、ドレンパン7や電気部品箱11などを取外す必要がなく、作業性の向上化を図れる。
なお、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。
なお、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。
1…空気調和機本体、5…送風機、6…熱交換器、7…ドレンパン、12…吸込み口、15…吹出し口、2…化粧パネル、13…吸込みグリル、10…ドレンポンプ、7a…突部、8…ドレン口、18…ドレンキャップ(閉塞部材)。
Claims (3)
- 下面が開口する筐体である空気調和機本体と、
この空気調和機本体の内部に収容され、上記下面開口部の略中央部位に対向して配置され軸方向から空気を吸込んで周方向へ吹出す送風機と、この送風機の吹出し側である周囲を囲んで配置される熱交換器および、この熱交換器の下部に設けられ熱交換器に生成されるドレン水を受けるドレンパンと、
上記空気調和機本体の下面開口部を閉成し、上記送風機および上記熱交換器の内側部に対向して吸込み口を備えるとともに、上記熱交換器の外側部と空気調和機本体側壁との間に対向して吹出し口を備えた化粧パネルと、
この化粧パネルの上記吸込み口に開閉自在に嵌め込まれる吸込みグリルと、
上記ドレンパン内に集溜するドレン水を汲み上げて外部へ排出するドレンポンプと
を具備し、
上記ドレンポンプは、上記熱交換器の熱交換用空気を導入する1次側に配置されることを特徴とする天井カセット形空気調和機。 - 上記ドレンパンは、少なくとも一部が上記化粧パネルの吸込み口と対向するよう突出する突部を有し、この突部にドレン排水用のドレン口が設けられ、このドレン口に開閉自在に閉塞する閉塞部材が設けられることを特徴とする請求項1記載の天井カセット形空気調和機。
- 上記ドレン口は、上記ドレンポンプの直下部に対向するドレンパン底面壁部位に設けられ、ドレンポンプが挿通自在な直径に開口されることを特徴とする請求項2記載の天井カセット形空気調和機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007276905A JP2009103384A (ja) | 2007-10-24 | 2007-10-24 | 天井カセット形空気調和機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007276905A JP2009103384A (ja) | 2007-10-24 | 2007-10-24 | 天井カセット形空気調和機 |
Publications (1)
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JP2009103384A true JP2009103384A (ja) | 2009-05-14 |
Family
ID=40705220
Family Applications (1)
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JP2007276905A Pending JP2009103384A (ja) | 2007-10-24 | 2007-10-24 | 天井カセット形空気調和機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009103384A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012026695A (ja) * | 2010-07-27 | 2012-02-09 | Mitsubishi Electric Corp | 空気調和装置およびこれに用いるキャップ |
-
2007
- 2007-10-24 JP JP2007276905A patent/JP2009103384A/ja active Pending
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