JP2009102792A5 - - Google Patents

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織機の杼道を通して緯糸を搬送する方法および織機
本発明は、流動搬送媒体を供給される少なくとも1つのノズルにより織機の杼道を通して緯糸を搬送する方法に関する。更に本発明は、織機の杼道を通して緯糸を搬送するための流動搬送媒体を供給される少なくとも1つのノズルを備えた織機に関する。
エアジェット織機においては、エアノズルにより指向性のエアジェットが発生させられ、エアジェットが緯糸を自由飛行にて杼道を通して運ぶ。このために多数のエアノズルグループ(メインノズル、サブノズル)が空気弁によって時間的に段階付けされて制御される。メインノズルは緯糸の加速を行なう。サブノズルは杼道を通る糸先端を案内する。
一般にエアノズルは、予め定められた時間規則にしたがって制御される。この場合に、開閉時点の正しい設定は、特に糸材料、空気圧力および気候条件に依存し、しばしば機織実験からの経験値に基づく。
緯糸の出発および到着を測定することは公知である。この場合に、緯糸の出発は織機の糸ブレーキが解放されてメインノズルが圧縮空気により作動させられる時点によって定められる。糸到着は2つの光センサによって測定される。出発と到着との間の線形補間によって糸飛走が非常に大まかにモデル化され、一般には直線の一様な運動が仮定される。その場合に、使用者画面「ノズル設定」において、生じた補間された直線が表示される。エアノズルの重大な誤設定は、この画面において認識可能であるが、パラメータの段階的な変更によって手動調整されなければならない。
本発明の課題は、このような織機における緯糸の搬送を最適化することにある。
この課題は、流動搬送媒体を供給される少なくとも1つのノズルにより織機の杼道を通して緯糸を搬送する方法であって、次のステップを特徴とする方法によって解決される。
緯糸上に不規則に分布する自然の糸帯電の、緯糸に沿って変化するを、電極装置を用いて無接触にて検出し、電極装置における変化する総電荷を決定するステップ、
緯糸の軸方向速度を決定するために総電荷の周期的変化を評価するステップ、
緯糸の軸方向速度に依存して織機の少なくとも1つのノズルを制御するステップ。
更に、この課題は、杼道を通して緯糸を搬送するための流動搬送媒体を供給される少なくとも1つのノズルを備えた織機であって、
緯糸上に不規則に分布する自然の糸帯電の、緯糸に沿って変化するを、電極装置を用いて無接触にて検出し、かつ電極装置における変化する総電荷を決定する測定装置と、
緯糸の軸方向速度を決定するために総電荷の周期的変化を評価する評価ユニットと、
緯糸の軸方向速度に依存して織機の少なくとも1つのノズルを制御する制御ユニットと、
を備えた織機によって解決される。
織機の杼道を通して緯糸を搬送する方法に関する本発明の有利な実施態様は次の通りである。
・測定装置における緯糸の軸方向速度に基づいて後の時点における緯糸の糸先端位置が求められ、この情報が織機の少なくとも1つのノズルの制御に使用される。
・緯糸の糸先端がノズルの動作範囲に達したときに、少なくとも1つのノズルが投入される。
・織機が少なくとも1つのメインノズルおよび複数のサブノズルを有し、メインノズルおよび/または複数のサブノズルが測定装置の測定結果に依存して制御される。
・少なくとも1つのノズルの制御が各緯入れ時に緯糸の軸方向速度に依存して行なわれる。
織機に関する本発明の有利な実施態様は次の通りである。
・評価ユニットが、周期的に変化する総電荷を有効信号としての周期的な電圧変化に変換する。評価ユニットが、主成分以外の周波数混合の一部を抑制する。評価ユニットが、主成分以外の周波数混合の一部を抑制するために、調整可能な、特に自動補正可能なフィルタ要素を有する。フィルタ要素が帯域フィルタであり、帯域フィルタのために、主成分の現在の測定周波数に応じて帯域フィルタの中心周波数を自動設定するように構成された制御構成要素が設けられている。
・少なくとも1つのメインノズルおよび複数のサブノズルを備え、測定装置がメインノズルの後に配置されている。
緯糸の軸方向速度とは、緯糸の縦の広がり(糸軸)の方向における速度であると理解される。
本発明の中心思想は、緯糸の軸方向速度に依存したノズル(メインノズルおよび/またはサブノズル)のとりわけ自動的な制御にある。特に、本発明はサブノズルの制御に取り組む。このために緯糸の軸方向速度が無接触の測定法により求められる。このために必要な測定装置は、独国特許第19900581号明細書に記載された光学式でない空間フィルタ法、すなわち光学式でないセンサを用いた空間フィルタ法の原理に基づいて動作する。
測定方法は、緯糸上に不規則に分布する自然の糸帯電の、緯糸に沿って変化するを、それらの帯電に由来する静電誘導作用により検出することに基づいている。静電誘導作用に対して軸方向の糸飛走方向において位置に関連して周期的に変化する感度を有する電極装置を含む唯一のセンサのそばを緯糸が通過し、電極装置の少なくとも一部において、変化する総電荷が発生し、総電荷の、時間に関連したほぼ周期的な変化がセンサにおいて検出され、電極装置における変化する総電荷が主成分の周りに集中した狭い帯域の周波数混合として検出される。この主成分の周波数は、通過する緯糸の軸方向速度に比例する。
測定方法および測定装置の更なる詳細に関しては、独国特許第19900581号明細書を参照されたい。この独国特許明細書の内容(詳細な説明、特許請求の範囲、図面)は、このことに関して完全に広範囲に本特許出願の中に取り込まれ、したがって本特許出願の同等の構成部分と見なすことができる。特に、段落番号[0001]−[0004]ならびに[0032]−[0082]、請求項1乃至13および図1乃至13が関連している。
特に次の点を参照されたい。すなわち、光学式でないセンサが、導電性でない中間ゾーンによって互いに隔離された導電性の格子棒からなる格子状の電極装置を有し、格子棒が互いに平行に糸近傍において接触を回避する間隔にて配置され、格子棒は、とりわけ、
そばを通過する糸に対して横方向に向けられ、
軸方向の糸飛走方向に並べられ、
グループ内においては互いに導電接続されていて、しかも軸方向の糸飛走方向において、それぞれ1つのグループの1つの格子棒と他のグループの1つの格子棒とが互いに交替し、
そばを通過する糸に対して固定のままの幾何学な対応関係にて配置され、
周期的に繰り返される順序にて並べられ、
少なくともグループ内では互いに同質である。
本発明により、緯糸の飛走を非常に正確にモデル化することができる。このために緯糸の軸方向速度を飛走軌道の1つ又は複数の個所で検出することができる。織機のエアノズルを自動的に設定し、あるいは調節さえもすることができる。
サブノズルの自動調節が特に有利である。例えば空気湿度の変動のような障害となる環境影響を緯糸材料の材料公差と同様に補償することができる。緯入れ品質を監視し、最適化することができる。緯入れ時の問題をより正確に認識し、分類することができる。織機の装置が簡単化される。それによって必要な準備時間も短くなる。本発明により、今日使用されている比較的敏感な光学的なセンサ装置を置き換えることができる。
以下において、図面に示された実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図面は、簡単化された部分的に概略的な表示で示されている。
図1は緯糸軌道に沿った織機の最も重要な機械部分(従来技術)を示し、
図2は機械角度設定(従来技術)の原理を示し、
図3は時間制御(従来技術)の原理を示し、
図4は本発明による制御の原理を示し、
図5は空間フィルタの原理を示し、
図6は測定装置、評価ユニットおよび制御ユニットを示し、
図7は帯域フィルタの中心周波数のシフトを示す。
以下に詳しく説明する図における同じ符号は、同じまたは類似の機能の要素に相当する。
織機1においてシャフトの運動が織機の主軸の回転角度に関連させられている。定められた回転角度から、1つのシャフトが上方に向かって、そして他の1つのシャフトが下方に向かって移動する。それによって杼道が開かれる。
杼道はできるだけ長く開かれているべきである。なぜならば、これは利用可能な緯入れ時間を長くするからである。
ここに示されている2つのシャフトを有する簡単な例では、各シャフトに、例えば経糸の半分が引っ掛かっている。2つよりも多いシャフトが存在する場合には複数の糸グループがシャフトに割り当てられている。しかしながら、本発明は、シャフトを使用しない織機にも使用可能である。緯入れは、なおも、繰り返えされる杼道の開放のもとで行なわれる。緯入れのために必要な糸長を、緯糸ボビン3から、予め巻枠に緯糸を巻いておく装置2引き出す。エアジェット織機の場合には、空気噴射ノズルにより、方向を強制されたエアジェットが発生させられ、エアジェットが緯糸4を自由飛行にて杼道を通して運ぶ。予め巻枠に緯糸を巻いておく装置2から緯糸4が釈放されるや否や、(図示されていない)前段ノズルおよびメインノズル5が緯糸4をぴんと張って緯入れ速度まで加速する。今や、予め定められた機械回転角度または緯入れ周期に基づいてサブノズルグループが順々に作動させられる。到着センサ7は、いつ緯糸4が織幅に到達したかを記録する。緯糸4は、(図示されていない)吸引ノズルによって捕らえられか、もしくは(図示されていない)伸張ノズルによってまっすぐに引っ張られる。伸張ノズルの機能は最後のサブノズルグループによって受け継がれる。リード(筬、筬框)が緯糸4を仕上げ布に打ち込み、リードに存在する糸カッター8が緯糸4を切断する。引続いて、シャフトがそれらの位置を交換し、それによって一方では杼道が閉じられ、他方では経糸の交差が行なわれる。したがって緯糸4がしっかりと閉じ込められる。最後に製品引出装置が予め定められた長さだけ作動させられる。図1は緯糸4の緯入れ経路に沿った織機1の最重要部分を示す。
エアジェット織機においては多くの空気圧要素が使用される。エアノズル5,6の制御は電磁開閉弁もしくは圧電開閉弁を介して行なわれる。ここに説明する例では電磁開閉弁9が使用される。この場合に、電磁石によって密閉要素が開閉される。約5msの開閉時間によりこれらの構成部分は圧電弁よりも緩やかであるが、しかし大きな体積流を可能にし、低コストである。電磁開閉弁9は、「開状態」と「閉状態」との2つの状態を取り得る。
電磁開閉弁9の開閉時間のほかに機械制御の開閉時間が空気消費に関する重要な基準である。特にサブノズル開閉時間が制御サイクル時間のゆえに長くならざるを得なければ得ないほど、ますます空気消費が増大する。空気圧要素がエアジェット織機のエネルギー消費の50%よりも多いエネルギー消費を引き起こすことを勘案すれば、ノズル開時間変更はエネルギー消費に大きな影響を及ぼす。開閉時間の最適化によって10%以上のエネルギー節減が可能である。
織機1の正しい設定は非常に時間のかかる要求の多い課題である。したがって、繊維機械製造者は、繊維工業用の短い装備変更時間を有する機械をより魅力的に構成するために、持続的にこれらの設定過程を短縮するよう試みている。
従来技術から機械装置の種々の構想が知られている。基本的に、これらの構想は、それらが機械角度の設定に基づくか、それとも時間制御に基づくことによって相違する。機械角度設定の場合には、メインノズル5ならびにサブノズル6の投入時点および遮断時点が、図2に単純化されて示されているように、織機1の主軸の回転角度に依存する。これは機械装置の最も単純な形である。しかしながら、機械回転数の変更時における機械の必要な調整時間および不可欠の新しい設定は不都合なことである。このシステムでは材料特性の公差を考慮することができない。時間制御の場合には、ノズル固定した時間で制御される。機械角度設定と違って、高コストの新たな調整を行なう必要なしに、回転数を変更することができる。ノズル制御経過全体の開始時点が主軸の回転数に応じてシフトされるだけである。空気圧の経過が、回転数の上昇に伴って早く開始され、回転数の低下に伴って遅く開始される。サブノズル6はメインノズル5の作動後に時間遅れにて開閉される。このような時間制御が単純化されて図3に示されている。
本発明によれば、織機が、図4に示されているように、測定装置11を装備している。更に、以下に説明するように、測定装置11によって検出される信号により、評価ユニット12において緯糸4の軸方向速度が求められる。これに続いて制御ユニット13が自動的にサブノズル6を緯糸4の軸方向速度に依存して制御する。ここでの適用例に関しては、測定装置11がメインノズル5の後に配置されているならば、特に有利であることが分かった。なぜならば、全ての糸(緯糸ロール)に対して唯一の測定装置11しか必要としないからである。しかし、原理的には測定装置11が糸飛走の任意の各位置に配置されていてよい。
測定装置11は、緯糸上に不規則に分布する自然の糸帯電の、緯糸4に沿って変化するを、糸帯電に基づく静電誘導作用により検出するように構成されている。このために測定装置11はセンサ14を含み、センサ14はこれのそばを緯糸4が通過するように配置されている。センサ14は静電誘導作用に対して軸方向の糸飛走方向16の位置に関連して周期的に変化する感度を有する電極装置15を含む。センサ14のそばを通過する緯糸4が、電極装置15の少なくとも一部において、変化する総電荷を発生する。この場合にセンサ14では時間に関連して近似された周期的な総電荷変化が検出され、電極装置15における変化する総電荷は、主成分のまわりに集中した狭い帯域の混合周波数として決定される。この主成分の周波数fHは通過する緯糸4の軸方向速度に比例する(独国特許第19900581号明細書参照)。
換言するならば、本発明においては、電極装置15を形成する2つのセグメントの間に緯糸が通過させられ静電式の空間フィルタ法が使用される(図5参照)。各セグメント上には交互に遮蔽電極17および測定電極18が配置されている。遮蔽電極17は測定電極18を互いに隔離する。したがって、それぞれ1つの測定電極18においてのみ、緯糸4上に存在する電荷によって電荷シフトが影響を及ぼされる。緯糸4が更に移動すると、初期状態への電荷の復帰シフトが起こる。当該糸部分が次の測定電極18の上方に達するや否や、そこで電荷シフトが新たに始まる。電荷シフト間の時間はその糸部分速度ならびに測定電極18の間隔に依存する。速度に比例する周波数が電圧信号にて発生する。第2のセグメントは第1のセグメントと同じ構造を有し、ここでは全ての電極が電極間隔だけずらされているだけである。この結果、第1のセグメントが信号を供給し第2のセグメントが信号を供給せず、そしてその逆が生じる。それによって、両セグメントの信号を差動増幅器において比較し、ノイズ作用を低減することができる。測定装置11の空間フィルタ原理ならびに動作態様が図5に示されている。
評価ユニット12は、緯糸4の軸方向速度を決定するための総電荷の周期的変化を評価するように構成されている。このために、周期的に変化する総電荷が有効信号としての周期的な電圧変動に変換される。更に、評価ユニット12は主成分の外側の周波数混合の一部を抑制するように構成されている。このために、評価ユニット12は、調整可能な、特に自動補正可能なフィルタ要素を有する。これは、特に帯域通過フィルタ19である(略して、帯域フィルタ)。帯域フィルタ19のために制御構成要素21が設けられている。制御構成要素21は、主成分の実際に測定された周波数fHに応じて帯域フィルタ19の中心周波数を自動的に調整するように構成されている。
詳細には、評価ユニット12は、図6に示すように、前置増幅器22、帯域フィルタ19、後置増幅器23ならびに信号処理ユニット24を含む。緯糸4の偶然に依存して分布する電荷からの信号が測定装置11において発生された後に、信号が前置増幅器22において増幅される。引続いて、更に後で詳しく説明する帯域フィルタ19によるフィルタ処理が行なわれる。引続いて信号の後置増幅が後置増幅器23により行なわれる。その後に続く差動増幅器を有する信号処理ユニット24において、信号がディジタル化されるか、もしくは周波数変調された矩形信号に変換される(図5右側参照)。信号処理ユニット24は帯域フィルタ19のための制御構成要素21としても用いられる。信号処理ユニット24は、このためにとりわけVCO(電圧制御発振器)の構成部分として実施されているPLL(位相ロックループ、図示されていない。)を含む。電極装置15の両セグメントの信号の比較のために、信号処理ユニット24は(図示されていない)差動増幅器も含む。
信号処理ユニット24は電子データ処理ユニットであり、とりわけアナログディジタル変換器およびディジタル信号プロセッサ(DSP)を含む。DSPの代わりに、他のディジタルマイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(アプリケーション・スペシフィック・インテグレイティド・サーキット、ASIC)、プログラム可能集積回路(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、FPGA)またはプログラム可能論理デバイス(コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス、CPLD)も使用可能である。更に、信号処理ユニット24は、データ入力ユニットおよびデータ出力ユニットと一緒に動作する従来のデータ処理プロセッサを含む。更に、データ処理ユニットはプロセッサにおいて実行するように構成されているコンピュータプログラムを含む。コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムがデータ処理ユニットにおいて実行されるときに、信号処理ユニット24に割り当てられた前述の処理ステップを実行しかつ前述の機能(差動増幅器等)を実現するためのコンピュータプログラムコードを含む。代替として、プロセッサにおいて実行されるコンピュータプログラムの代わりに、データ処理ユニット内に特別のディジタル回路構成(FPGA、ASIC、CPLD等)を設け、それの動作によって信号処理ユニット24に割り当てられた前述の方法ステップの実行および前述の機能の実現をするように構成もしくは準備してもよい。
フィルタの使用は、有用な信号利用の妨げになる信号中の(特に低周波の)外乱を除去するために必要である。可変でない固定のフィルタ要素は、緯糸の高い動特性(20000m/s2までの加速度)ならびにそれにより生じるさまざまの信号のために、一方では緯入れ開始時に、そして他方では連続的な緯入れ経過において使用不能である。なぜならば、糸加速開始時に存在する有効周波数が、後の緯入れ経過において障害周波数となるからである。固定のフィルタ要素は、障害の原因となる周波数を有効信号から除去することができない。
調整可能なフィルタ要素の使用によって、必要なフィルタ処理が問題なく実行可能である。このために帯域フィルタ19が現在の測定周波数に適合化される。換言するならば、測定された信号に応じたフィルタ特性の自動調整が行なわれる。このために相応に構成されかつ制御構成要素を介して制御可能な帯域フィルタ19の中心周波数が緯糸4の現在の軸方向速度に応じて調整される(図7参照)。
帯域フィルタ19の帯域幅は、とりわけ有効信号が中心周波数の更新までの時間内に帯域幅を出ることがないように設定されている。それゆえに、必要な帯域幅、緯糸4の加速度と、信号処理ユニット24によって実現されているフィルタ制御のサイクル時間に依存する。緯糸の極めて高い動特性(加速度)に基づいて、センサ信号、例えば5kHz/ミリ秒(検出電極の間隔が例えば4mmである場合)の周波数帯域を通過する。加速開始の範囲における帯域幅は、とりわけ、約5kHzに制限されている。というのは、さもないと帯域幅が高い周波数において有意義な信号調和にとって過大になるからである。この場合に信号処理ユニット24は中心周波数の更新を1.5ms内に行なわなければならない。使用される帯域フィルタ19の中心周波数fMの確定のためにPLLのクロック信号が利用される。
信号調和は次の機能原理を有する。緯入れの開始時に帯域通過の中心周波数fMが、PLLによって発生させられるクロック周波数を超えて、緯入れ初期周波数+Xに置かれる。測定された有効信号およびそれから求められた周波数に応じて、信号処理ユニット24内の制御構成要素が、新たなクロック信号を発生するPLLに電圧信号を与え、この電圧信号が帯域フィルタ19を現在の有効信号周波数+Xに置く。この場合にXは決定的に帯域フィルタ19の帯域幅および信号処理ユニット24内の制御構成要素のサイクル時間に依存する。
フィルタ要素は、高い柔軟性を有しかつ簡単にディジタル信号プロセッサの助けによりパラメータ化が可能であるディジタルフィルタであるとよい。しかし、ディジタルフィルタの代わりに、例えばSPS制御によりパラメータ化することができるSCフィルタ(スイッチドキャパシタフィルタ)が使用されてもよい。
軸方向速度は、数学的関係を介して有効信号の主成分の周波数に関連づけられ、したがって信号処理ユニット24において算定可能である。更に、この信号処理ユニット24において、積分を介して、測定装置11における緯糸4の軸方向速度から、定められた後の時点における緯糸4の糸先端位置を求めることができる。糸長も算定可能であるので、測定装置11は糸長センサとしても役立ち得る。要約すれば、上述の装置により、緯糸4の緯入れ経過のシミュレーションが可能である。評価ユニット12において測定装置11の有効信号のみならず、その他のセンサ装置の信号25(糸出発、糸到着等)も一緒にされて評価に使用されるならば、情報の特に広範囲な評価およびこれにつながる織機1の特に正確なかつ広範囲の制御が可能である。
サブノズル6の制御に関連した情報が評価ユニット12から制御ユニット13に引き渡される。制御ユニット13は、緯糸4の軸方向速度に依存してサブノズル6を自動制御するように構成されている。この場合にノズルの制御とは、ノズルの投入および場合によっては遮断であると理解され、ここでは電磁開閉弁9の操作によって行なわれる。換言するならば、サブノズル6の開閉時点を決定することが重要である。この場合に制御ユニット13は、グループごとに配置されたサブノズル6が、緯糸4の糸先端がサブノズルの動作範囲に達したときに、順々に投入されるように構成されているとよい。サブノズル6の制御時点の1度だけの設定のみならず、サブノズル6の制御が各緯入れ時にフィードバック制御が存在するように自動的に行なわれるとよい。サブノズル6の制御のために制御ユニットが制御信号26を出力する(図6参照)。
測定装置11の必要な測定精度は2つの基準に依存する。一方ではエアノズル区間のために使用される制御に依存し、他方では運び入れる糸の速度に依存する。基本的には制御ユニット13はサブノズル6の制御のための信号を予め与える。この準備時間は、少なくとも、(電磁開閉弁の遅れを含めた)ノズル開時間込みのノズル制御信号の印加までの時間(したがって、制御側で制約される遅れ)に等しい。
制御ユニット13は各サイクル開始時にのみ信号を出力するとよい。この場合に「サイクル」とは、全ての入力パラメータの次の読み込みおよび全ての出力パラメータの出力までの時間であると理解される。したがって、測定装置11の測定誤差は1サイクル内の糸飛走長の半分より小さくなければならない。具体例では、1.5msのサイクル時間において、試験された糸材料に関して、ごく僅かのセンチメートルの公差範囲がもたらされる。測定装置11の精度の向上は、緯入れ開始および緯入れ終了への信号の正確な応答によって達成される。
緯糸経路に沿った織機の最も重要な機械部分(従来技術)を示す概略図 機械角度設定(従来技術)の原理を示す概略図 時間制御(従来技術)の原理を示す概略図 本発明による制御の原理を示す概略図 空間フィルタの原理を示す概略図 測定装置、評価ユニットおよび制御ユニットを示すブロック図 帯域フィルタの中心周波数のシフトを示すダイアグラム
1 織機
2 予め巻枠に緯糸を巻いておく装置
3 緯糸ボビン
4 緯糸
5 メインノズル
6 サブノズル
7 到着センサ
8 糸カッター
9 電磁開閉弁
11 測定装置
12 評価ユニット
13 制御ユニット
14 センサ
15 電極装置
16 糸飛走方向
17 遮蔽電極
18 測定電極
19 帯域通過フィルタ
21 制御構成要素
22 前置増幅器
23 後置増幅器
24 信号処理ユニット
25 信号
26 制御信号

Claims (11)

  1. 流動搬送媒体を供給される少なくとも1つのノズル(5,6)により織機(1)の杼道を通して緯糸(4)を搬送する方法であって、
    緯糸(4)上に不規則に分布する自然の糸帯電の、緯糸(4)に沿って変化するを、糸帯電に基づく静電誘導作用により無接触にて検出するステップであって、静電誘導作用に対して軸方向の糸飛走方向(16)において位置に関連して周期的に変化する感度を有する電極装置(15)を含む唯一のセンサ(14)のそばを緯糸(4)が通過し、電極装置(15)の少なくとも一部において、変化する総電荷が発生し、総電荷の、時間に関連した周期的な変化がセンサ(14)において検出され、電極装置(15)における変化する総電荷が主成分の周りに集中した狭い帯域の周波数混合として決定され、この主成分の周波数(fH)が通過する緯糸(4)の軸方向速度に比例しているステップ、
    緯糸(4)の軸方向速度を決定するために総電荷の周期的変化を評価するステップ、
    緯糸(4)の軸方向速度に依存して織機(1)の少なくとも1つのノズル(5,6)を制御するステップ
    を有する織機の杼道を通して緯糸を搬送する方法。
  2. 測定装置(11)における緯糸(4)の軸方向速度に基づいて緯糸(4)の糸先端位置が求められ、この情報が織機(1)の少なくとも1つのノズル(5,6)の制御に使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 緯糸(4)の糸先端がノズル(5,6)の動作範囲に達したときに、少なくとも1つのノズル(5,6)が投入されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 織機(1)が少なくとも1つのメインノズル(5)および複数のサブノズル(6)を有し、メインノズル(5)または複数のサブノズル(6)が測定装置(11)の測定結果に依存して制御されることを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の方法。
  5. 少なくとも1つのノズル(5,6)の制御が各緯入れ時に緯糸(4)の軸方向速度に依存して行なわれることを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載の方法。
  6. 杼道を通して緯糸(4)を搬送するための流動搬送媒体を供給される少なくとも1つのノズル(5,6)を備えた織機(1)であって、
    緯糸上に不規則に分布する自然の糸帯電の、緯糸(4)に沿って変化する帯電に基づく静電誘導作用により検出する測定装置(11)であって、静電誘導作用に対して軸方向の糸飛走方向(16)において位置に関連して周期的に変化する感度を有する電極装置(15)を含む唯一のセンサ(14)のそばを緯糸(4)が通過し、電極装置(15)の少なくとも一部において、変化する総電荷が発生し、総電荷の、時間に関連した周期的な変化がセンサ(14)において検出され、電極装置(15)における変化する総電荷が主成分の周りに集中した狭い帯域の周波数混合として決定され、この主成分の周波数(fH)が通過する緯糸(4)の軸方向速度に比例している測定装置(11)と、
    緯糸(4)の軸方向速度を決定するために総電荷の周期的変化を評価する評価ユニット(12)と、
    緯糸(4)の軸方向速度に依存して織機(1)の少なくとも1つのノズル(5,6)を制御する制御ユニット(13)と、
    を備えた織機。
  7. 評価ユニット(12)が、周期的に変化する総電荷を有効信号としての周期的な電圧変化に変換することを特徴とする請求項6記載の織機。
  8. 評価ユニット(12)が、主成分以外の周波数混合の一部を抑制することを特徴とする請求項7記載の織機。
  9. 評価ユニット(12)が、主成分以外の周波数混合の一部を抑制するために、調整可能なフィルタ要素(19)を有することを特徴とする請求項8記載の織機。
  10. フィルタ要素(19)が帯域フィルタであり、帯域フィルタのために、主成分の現在の測定周波数(fH)に応じて帯域フィルタ(19)の中心周波数(fM)を自動設定するように構成された制御構成要素(24)が設けられていることを特徴とする請求項9記載の織機。
  11. 少なくとも1つのメインノズル(5)および複数のサブノズル(6)を備え、測定装置(11)がメインノズル(5)の後に配置されていることを特徴とする請求項6乃至10の1つに記載の織機。
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