JP2009101952A - 車体前部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体前部構造10は、左右のホイールハウスアッパーメンバーの前垂下部32,33が垂下され、左右のフロントサイドフレームの下方にフロントサブフレーム18が設けられ、フロントサブフレーム18の車体前方側に荷重支え手段24が設けられている。荷重支え手段24は、左右のパイプフレーム57,103を備え、各パイプフレーム57,103がフロントサブフレーム18の左右の前端部18c,18dから車体前方に向けてそれぞれ延出され、左右の前垂下部32,33にフレーム前端部57a,103aがそれぞれ連結されている。
【選択図】図3
Description
このため、オフセット衝突により前垂下部を相手車両に当てた場合に、衝撃荷重を前垂下部で良好に吸収可能な技術の実用化が望まれていた。
よって、左前垂下部は左パイプフレームを介してフロントサブフレームの左端部に連結されている。
これにより、例えば、相手車両が左側にずれてオフセット衝突した場合に、左前垂下部および左パイプフレームを変形させるとともに、パネル部材の左側寄りの部位にせん断応力を発生させることができ、衝撃荷重を一層良好に吸収することができる。
これにより、パネル部材を小型車に適用しても、小型車の重量を好適に抑えることができる。
車体前部構造10は、車体前部の左右側部にそれぞれ設けられた左右のフロントサイドフレーム11,12と、左右のフロントサイドフレーム11,12の前端部11a,12aに設けられたフロントバルクヘッド13と、左右のフロントサイドフレーム11,12の外側にそれぞれ設けられた左右のホイールハウスアッパーメンバー14,15とを備えている。
右フロントサイドフレーム12は、左フロントサイドフレーム11と左右対称の部材であり、車体前部方向を向いて車体前部の右側に配置されたフレーム部材である。
下横梁部29および左右の下延出部21,22で下ビーム34が形成されている。
左前垂下部32は、下端部32aが左下延出部21の左端部21aに上方から当接された状態でボルト35(図3も参照)で取り付けられている。
この左前垂下部32は、左フロントサイドフレーム11の前端部11aに対して車体幅方向外側に距離Lだけ離れた位置に設けられ、かつ、下端部32aが前端部11aに対して距離Hだけ下側まで延出されている。
右前垂下部33は、下端部33aが右下延出部22の右端部22aに上方から当接された状態でボルト37(図3参照)で取り付けられている。
この右前垂下部33は、左前垂下部32と同様に、右フロントサイドフレーム12の前端部12aに対して車体幅方向外側に距離Lだけ離れた位置に設けられ、かつ、下端部33aが前端部12aに対して距離Hだけ下側まで延出されている。
動力源17の後方で、かつ左右のフロントサイドフレーム11,12の下方にフロントサブフレーム18が設けられている。
フロントサブフレーム18は、平面視で略矩形状に形成され、左前取付部41および左後取付部42が左フロントサイドフレーム11(図1参照)に取り付けられるとともに、右前取付部43および右後取付部44が右フロントサイドフレーム12(図1参照)に取り付けられている。
フロントサブフレーム18を、動力源17の後方で、かつ左右のフロントサイドフレーム11,12の下方に設けることで、フロントサブフレーム18をコンパクトに形成し、小型車に対応させて軽量化を図ることができる。
これにより、フロントサブフレーム18が、左右のフロントサイドフレーム11,12に固定されている。
左右のロアアーム44,45にはそれぞれハブを介して左右の前輪(図示せず)が設けられている。
この荷重支え手段24は、フロントサブフレーム18の左前端部18cおよび左下延出部21を連結する左パイプフレームユニット51と、フロントサブフレーム18の右前端部18dおよび右下延出部22を連結する右パイプフレームユニット52と、左右のパイプフレームユニット51,52に架け渡されたパネル部材53とを備える。
左パイプフレームユニット51は、フロントサブフレーム18の左前端部18cに取り付けられた左後部ブラケット55と、左下延出部21に取り付けられた左前部ブラケット56と、左前部ブラケット56にフレーム前端部(前端部)57aが取り付けられるとともに左後部ブラケット55にフレーム後端部57bが取り付けられた左パイプフレーム57とを備える。
この左後部ブラケット55は、内外の側部61,62にそれぞれ取付孔64…が形成され、内側部61に取付孔64,64と同軸上にナット65,65(図4も参照)が溶接され、基部63に取付孔66が形成されている。
すなわち、フロントサブフレーム18の左前端部18cに基部63を当接した状態で、基部63の取付孔66にボルト67が差し込まれ、差し込んだボルト67がフロントサブフレーム18の支持孔68,68および左ロアアーム44の貫通孔69に差し込まれ、ナット71(図2参照)にねじ結合されている。
さらに、このボルト67で、フロントサブフレーム18の左前端部18cに左ロアアーム44が上下方向に回動自在に取り付けられている。
すなわち、内外の側部61,62間に左パイプフレーム57のフレーム後端部57bを配置した状態で、内外の側部61,62の取付孔64,64およびフレーム後端部57bの取付孔73,73にボルト72,72が差し込まれ、ナット65,65にねじ結合されている。
左前部ブラケット56は、略扇状に形成された底部76と、底部76の内辺から上向きに折り曲げられた内折曲片77と、底部76の外辺から上向きに折り曲げられた外折曲片78とを備える。
この左前部ブラケット56は、底部76および内外の折曲片77,78の基部片で左パイプフレーム57のフレーム前端部57aを覆う略コ字状の基部56aが形成され、基部56aがフレーム前端部57aに溶接で設けられている。
外折曲片78は、左下延出部21の後壁部21c(図7参照)に当接可能な外当接部位78aを備えている。
この左前部ブラケット56は、左下延出部21にボルト82,82で取り付けられている。
左前部ブラケット56は、底部76の底部当接位76aが左下延出部21の底部21bに当接され、内折曲片77の内当接部位77aが左下延出部21の後壁部21cに当接されるとともに外折曲片78の外当接部位78aが左下延出部21の後壁部21cに当接されている。
これにより、左前部ブラケット56が左下延出部21にボルト82,82で取り付けられている。
具体的には、左前垂下部32の下端部32aが左下延出部21の左端部21aに上方から当接された状態で左端部21aの取付孔39にボルト35が下方から差し込まれる。
これにより、左前垂下部32は、左下延出部21の左端部21aを介して左前部ブラケット56に連結されている。
左パイプフレーム57は、フレーム後端部57bが車体前後方向に直線状に延出され、残りの部位(フレーム本体部57cおよびフレーム前端部57a)がフレーム後端部57bからフレーム前端部57aまで車体前方でかつ車体幅方向外側に向けて角度θ傾斜させた状態で延出されている。
このフレーム後端部57bは、内外の側部61,62間に配置された状態で、内外の側部61,62の取付孔64…およびフレーム後端部57bの取付孔73…に差し込んだボルト72,72をナット65,65にねじ結合することで、左後部ブラケット55に取り付けられている。
フレーム本体部57cは、内外の側壁部91,92に同軸上に取付孔96…(内側壁部91の取付孔96…は図9参照)が形成されている。取付孔96…は、車体前後方向に所定間隔をおいて配置されている。
内側壁部91の取付孔96…と同軸上にナット97…(図9参照)が配置され、内側壁部91に溶接されている。
すなわち、左パイプフレーム57は、フロントサブフレーム18の左前端部18cから左下延出部21まで車体前方に向けて延出されている。
右前部ブラケット102は、左前部ブラケット56と左右対称の部材であり、各構成部材に左前部ブラケット56と同じ符号を付して説明を省略する。
右パイプフレーム103は、左パイプフレーム57と左右対称の部材であり、各構成部材に左パイプフレーム57と同じ符号を付して説明を省略する。
パネル部材53は、一例として、鋼材やカーボン材で形成された平板が所定形状に折り曲げられたものである。
このパネル部材53は、平面視略台形状に平板で平坦に形成された(板状の面が形成された)パネル平坦部105と、パネル平坦部105の左辺から上方に折り曲げられた左折曲片106と、パネル平坦部105の右辺から上方に折り曲げられた右折曲片107と、パネル平坦部105の上面105aに設けられた補強部111を備える。
右折曲片107は、車体前後方向に所定間隔をおいて右取付孔113…が形成されている。
すなわち、第1補強部111は、車体前後方向を向いてパネル平坦部105の上面105aに配置され、両縁部が上面105aにスポット溶接されている。
第2補強部111は、車体幅方向を向いてパネル平坦部105の上面105aに配置され、両縁部が上面105aにスポット溶接されている。
パネル部材53は、左折曲片106が左パイプフレーム57にボルト117…で取り付けられ、右折曲片107が右パイプフレーム103にボルト118で取り付けられている。
具体的には、左折曲片106を左パイプフレーム57の外壁部92に当接した状態で、左取付孔112…、内外の側壁部91,92の取付孔96…にボルト117…が差し込まれ、ナット97…にねじ結合されている。
これにより、荷重支え手段24を小型車に適用しても、小型車の重量を好適に抑えることができる。
よって、車体前部構造10の剛性を一層高めることができる。さらに、車体前部から後方に向けて衝撃荷重が作用した場合に、左右のフロントサイドフレーム11,12に伝わる衝撃荷重を荷重支え手段24に分散させることができる。
さらに、左右のフロントサイドフレーム11,12の軽量化を図ることで、車体の重心位置を下げることが可能になる。
これにより、エンジンルーム16に設けられた動力源17などを保護することができる。
図10(a),(b)は本発明に係る荷重支え手段の左パイプフレームでオフセット衝突による衝撃荷重を吸収する例を説明する図である。
(a)において、左ホイールハウスアッパーメンバー14の左前垂下部32は、左フロントサイドフレーム11の前端部11aに対して車体幅方向外側に距離Lだけ離れた状態で、前端部11aに対して距離H((b)参照)だけ下側まで垂下されている。
さらに、相手車両121の高さが異なった場合でも、相手車両121に左前垂下部32を確実に当てることができる。
この左前垂下部32は、下端部32aが荷重支え手段24(左前部ブラケット56、左パイプフレーム57および左後部ブラケット55)を介してフロントサブフレーム18の左前端部18cに連結されている。
これにより、左前垂下部32を相手車両121に当てた場合に、左前垂下部32および左パイプフレーム57を好適に変形させて衝撃荷重F((a)も参照)を良好に吸収することができる。
(a)において、左右のパイプフレーム57,103にパネル部材53を架け渡し、パネル部材53は平板で平坦に形成されている(板状の面が形成されている)。
これにより、例えば、相手車両121が左側にずれてオフセット衝突した場合に、左前垂下部32および左パイプフレーム57を変形させるとともに、パネル部材53の左側寄りの部位53aに衝撃荷重Fの一部を作用させることができる。
加えて、非変形を維持しようとする部位53bに引張力F2を矢印の如く発生させることができる。
そして、パネル部材53に発生したせん断力F1や引張力F2を利用してパネル部材53を変形させることで、衝撃荷重Fを一層良好に吸収することができる。
さらに、パネル部材53に波状形状(凹凸形状)を車体幅方向に向けて形成することも可能である。
Claims (2)
- 車体前後方向に向いて左右のフロントサイドフレームが設けられ、前記左右のフロントサイドフレームの外側に左右のホイールハウスアッパーメンバーがそれぞれ設けられ、前記左右のホイールハウスアッパーメンバーの前垂下部が前記左右のフロントサイドフレームの下方までそれぞれ垂下され、前記左右のフロントサイドフレーム間に設けられた動力源の後方で、かつ前記左右のフロントサイドフレームの下方にフロントサブフレームが設けられた車体前部構造において、
前記フロントサブフレームの左右の端部から車体前方に向けてそれぞれ延出され、前記左右の前垂下部にそれぞれ前端部が連結された左右のパイプフレームを備えたことを特徴とする車体前部構造。 - 前記左右のパイプフレームにパネル部材が架け渡され、前記パネル部材が板材で形成されていることを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
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