JP2009101929A - ワイパーアームの揺動範囲変更装置 - Google Patents

ワイパーアームの揺動範囲変更装置 Download PDF

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Abstract

【課題】揺動アームの振動を抑制することでワイパーアームを円滑に往復回動させるワイパーアームの揺動範囲変更装置を提供する。
【解決手段】クランクアーム22に連結される第1リンクアーム24aと、リンクプレート25に連結される第2リンクアーム24bとの双方に連結されると共に、ボディAに固定されたボディ軸11に支持され、クランクアーム22の回転に伴ってリンクプレート25を揺動させる揺動アーム11と、ボディ軸12に軸支され、揺動アーム11をボディ軸12の軸方向に挟み込み、揺動アーム11の振れを拘束するホルダ13と、揺動アーム11のボディ軸12に対する長さ方向の移動がホルダに保持された状態と解除された状態を切り替える切替手段14とを備える。揺動アーム11はボディ軸12を中心として回動自在であり、切替手段14による切り替えに伴い、ワイパーアーム27の揺動範囲を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイパーアームを円滑に揺動させるためのワイパーアームの揺動範囲変更装置に関する。
従来のワイパーアームの揺動範囲変更装置には、一端部でリンクプレートに、他端部でクランクアームに連結されたロッドの回動中心位置を変更させることで、ワイパーアームの往復回動範囲を変更して運転者等の視界を確保するものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、クランクアームとリンクロッドとの連結軸の位置を変更させてクランクアームの回転半径を可変にさせることで、ワイパーアームの往復回動範囲を変更するものもある(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献1に記載のワイパーアームの往復揺動範囲変更手段は、位置が拘束された状態でボディに設置されている軸103を中心に回動自在で、且つ長さ方向に摺動自在なロッド101を備えており、ロッド101の一端部はリンクロッドを介してクランクアーム53に、他端部はリンクロッドを介してリンクプレートに連結されている。
特許文献1の図8〜図13に示されるようなロッドの揺動位置変更手段によって、ロッド101が長さ方向に摺動し、軸103のロッド101に対する相対位置が変更されるので、軸103とロッド101の両端部との距離、すなわち支点と両端の連結点との距離が変化し、入力側の振幅よりも出力側の振幅が小さくなる。この距離の変化によってロッド101の回動範囲が変更されることに連動して、リンクプレートの往復運動範囲が変更され、ワイパーアームの回動範囲も変更される。
特許文献2に記載のワイパーアームの往復揺動範囲変更手段は、クランクアームに形成された長穴に連結軸が配置され、クランクアームに支持された連結軸変位機構によって連結軸の位置が移動する構成である。
特表2000−071397号公報(第22〜23頁、第7〜13図) 実開平03−125655号公報(第6〜12頁、第1〜3図)
ところで、特許文献1に記載のロッド101は軸103を中心に回動自在、且つ長さ方向に摺動自在となるので、完全に拘束されることはない。加えて、その両端部では他の部材に連結されているだけの自由端が存在するため、ロッド101の回動する面に交叉する方向(以下、回動面交叉方向という)、特にロッド101の回動する面に直交する方向(以下、回動面直交方向という)に振動し易い状態である。
ロッド101の回動面直交方向の振動の大きさ(振幅)は、ワイパーが作動すると大きくなり、往復回動回数が増加するとさらに大きくなる。降雨時には通常、ワイパーアームは1分間に数十回〜数百回、往復回動するので、ワイパーアームに連結されるロッド101の回動直交方向の振動はワイパーアームの円滑な往復回動の阻害要因となる。したがって、ロッド101の回動面直交方向の振動を防止する必要があるが、特許文献1に記載の往復揺動範囲変更手段には、そのような振動を防止する措置が施されていない。
仮に、軸103に挿通された座金でロッド101を軸103の軸方向の両側から拘束させても、座金のロッド101に対向する面でしか拘束されないので、結局ロッド101の両端部は振動し易い。また、ロッド101を軸103に対して摺動自在にする必要があるので、座金ではロッド101を強固に拘束することができない。
また、ワイパーアームに設けられた払拭体(ワイパーブレード)のウインドガラス側には、ウインドガラスの雨滴等を効果的に払拭させるために、ゴム部材がウインドガラスに接触するように取り付けられている。したがって、駆動手段が作動すると、ゴム部材とウインドガラスとの間に摩擦力が発生して、駆動手段の運動方向に応じてロッド101の他の部材との連結部分に力が作用する。
払拭体及びゴム部材の長さは一般的に数十cmであること、さらにゴム部材はウインドガラスに密着していることから、例えばウインドガラスとゴム部材との間に雨滴が存在してもゴム部材とウインドガラスとの間の摩擦力は数百kNに達することが経験的に知られている。したがって、ゴム部材とゴム部材を動かす駆動手段の間に配置され、往復揺動範囲変更手段の力の伝達経路を形成する各部材にも同等の力が軸力として作用する。
また、ロッド101には長孔が設けられ、この長孔内をカムプレートの回転によって移動し、ロッド101の支点位置と両端部の連結軸との距離が変更される例が示されている。この場合、駆動手段が作動すると、ロッド101に数百kNの軸力が発生し、カムフォロアを介してカムプレートがこの軸力を受ける。このため、ロッド101に設けられているカムフォロアが軸103に設けられているカムプレートとの接触点において反力を受けるので、ロッド101はその反力を受けながら揺動する。
カムフォロアは大きな力でカムプレートに係止しているので、例えば軸103の軸線方向等の振動等によって、カムフォロアとカムプレートが当該軸線方向にズレて、カムフォロアがカムプレートの何れかの端面を摺動する。さらに、長期間の使用では、カムプレートとカムフォロアの衝突によりカムプレートが破損する虞もある。
特許文献2に記載の往復揺動範囲変更手段の、クランクアームとリンクロッドとの連結部である連結軸は、力の伝達経路の途中に位置するので、数百kNの力が直接作用する。したがって、数百kNの力が直接作用する連結軸を移動させる能力を有する連結軸変位機構を通常5cm程度のクランクアームに支持させるのは困難であるので、クランクアームの回転半径を可変にさせるのは現実的ではない。
本発明の目的は斯かる課題に鑑みてなされたもので、揺動アーム(ロッド)の振動を抑制することでワイパーアームを円滑に往復回動させるワイパーアームの揺動範囲変更装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、ボディに固定されたピボット軸を中心にワイパーアームを揺動させる駆動手段に連結され、この駆動手段の駆動軸を中心に回転するクランクアームと、前記ワイパーアームに連結されたリンクプレートとの間に介在し、前記ワイパーアームの揺動範囲を変更する揺動範囲変更装置であって、前記クランクアームに連結される第1リンクアームと、前記リンクプレートに連結される第2リンクアームと、前記第1リンクアームと第2リンクアームの双方に連結されると共に、前記ボディに固定されたボディ軸に支持され、前記クランクアームの回転に伴って前記リンクプレートを揺動させる揺動アームと、前記ボディ軸に軸支され、前記揺動アームを前記ボディ軸の軸方向に挟み込み、前記揺動アームの振れを拘束するホルダと、前記揺動アームの前記ボディ軸に対する長さ方向の移動が前記ホルダに保持された状態と解除された状態を切り替える切替手段とを備え、前記揺動アームは前記ボディ軸を中心として回動自在であり、前記切替手段による切り替えに伴い、前記ワイパーアームの揺動範囲を変更することを特徴とする。
ワイパーアームの揺動範囲変更装置を構成する揺動アームはボディ軸を支点に回動自在にクランクアームに連結される第1リンクアーム及びワイパーアームに連結される第2リンクアームに連結されているので、クランクアームの回転を受けて、ボディ軸を中心に回動する。
この時、揺動アームの連結点における運動に着目すると、第1リンクアームとの連結点が入力側となる回動を行い、第2リンクアームとの連結点が出力側となる回動を行う。それぞれの連結点における揺動範囲の大きさは、揺動アームの回動中心と両連結点との距離の比によって決定される。詳細には、出力側の移動の大きさは、{出力側の振幅=入力側の振幅の大きさ×(回動中心と第1リンクアームとの連結点との距離/回動中心と第2リンクアームとの連結点との距離)}となり、梃子の原理に従って求められる。
クランクアームは駆動手段の駆動軸を中心に回転するので、クランクアームの1回転は、揺動アームの1往復に相当し、ワイパーアームの1往復となる。
駆動手段の力をワイパーアームに伝達するために複数の部材(クランクアーム〜リンクプレート)が連結されることにより、力の伝達経路が形成され、この伝達経路は駆動手段とピボット軸とによって支持されている。この伝達経路の構成は、設置される対象物(例えば自動車や船舶等の輸送用機械)に起因するが、一般的には伝達方向に対して長く形成されるので、エンジン等の外的要因によって、伝達経路を含む平面に交叉する方向へ移動(特に、伝達経路を含む平面に直交する方向へ振動)する傾向にある。ホルダは、この伝達経路の一部を形成するものであるので、同様にその交叉する方向に移動する傾向にある。
一方、ホルダは、ボディに固定されたボディ軸に軸支されているので、ホルダ自体が回動面交叉方向に移動(主に回動面直交方向に振動)することはできない。ここで、「ボディに固定」とは、その位置が拘束され、ボディ軸はその位置で回転自在である状態のことをいう。また、ホルダは伝達経路の一部を形成する揺動アームから独立しているので、ボディ軸の軸方向に確実に拘束させることが可能である。さらに、ホルダは揺動アームをボディ軸の軸方向に挟み込む、揺動アームの振れ(単なる移動も含む)を拘束する。したがって、揺動アームは回動面交叉方向に移動(主に回動面直交方向に振動)することはない。
ホルダの長さは座金の長さに対して十分長く形成することができ(例えば揺動アームの長さに対してホルダの長さの割合が1/3程度)、揺動アームとホルダとの間隙は非常に小さい(例えば1mm以下)ので、揺動アームの両端部においても回動面交叉方向への移動が小さい。
クランクアームに連結される第1リンクアームは、ボディ軸に回動自在な揺動アームに連結されているので、クランクアームの回転を受けてほぼ直線運動する。したがって、揺動アームは第1リンクアームとの連結点から第1リンクアームの長さ方向成分の力を受けて、ボディ軸を中心として揺動する。
揺動アームの揺動はその他端部に連結された第2リンクアームに伝達され、第2リンクアームはその他端部においてリンクプレートに連結されることで、ほぼ直線運動し、ピボット軸に支持(軸支)されたリンクプレートを揺動させる。
揺動範囲変更装置には、揺動アームのボディ軸に対する長さ方向の移動が保持された状態と解除された状態を切り替える切替手段が設けられているので、揺動アームが切替手段に保持されることで、揺動アームの長さ方向への自由な移動は阻止される。
したがって、揺動アームが揺動している間、揺動アームの入力側の振幅と出力側の振幅の比率が一定に維持されるので、揺動アームによる回動中心位置が保持され、安定したワイパーアームの揺動が行われる。
前記切替手段は、前記ホルダに対して移動することで前記揺動アームに形成された係合溝に係合し、前記揺動アームを前記長さ方向に係止させる係止部材と、前記ホルダに設置され、前記係止部材を前記ホルダに対して移動させることで前記係合溝に係合させる自己保持型ソレノイドと、前記ホルダと前記係止部材に接続され、前記係止部材を前記ホルダに対して移動させることで前記係合溝に係合させる付勢部材とを有することもある(請求項2)。
前記揺動アームを前記長さ方向の何れか一方の向きに移動させる移動補助手段を備え、前記移動補助手段は前記ホルダ又は前記ボディ軸と前記揺動アームとに接続されていることもある(請求項3)。
前記揺動アームを前記長さ方向の双方の向きに強制的に移動させる強制移動手段を備え、前記揺動アームが、前記強制移動手段を構成する駆動装置によって回転する前記ボディ軸の回転に連動して前記長さ方向に移動することもある(請求項4)。
揺動範囲変更装置は、クランクアームの回転に伴ってリンクプレートを揺動させる揺動アームと、ボディ軸に軸支され、揺動アームをボディ軸の軸方向に挟み込み、アームの振れを拘束するホルダと、揺動アームのボディ軸に対する長さ方向の移動がホルダに保持された状態と解除された状態を切り替える切替手段とを備え、揺動アームがボディ軸を中心として回動自在であり、切替手段による切り替えに伴い、ワイパーアームの揺動範囲を変更するので、円滑にワイパーアームを揺動させることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1に自動車、列車、船舶等の輸送用機械3のワイパー装置2に使用されている本発明のワイパーアームの揺動範囲変更装置10の例を示す。図2に示すようにワイパー装置2は例えば輸送用機械3のボディAに設置されている。ワイパー装置2は、クランクアーム22の回転運動に変換されたモーター等の駆動手段21の動力を一旦、揺動アーム11の揺動に変換し、揺動アーム11の揺動を最終的にワイパーアーム27の揺動に変換する。
ワイパーアーム27には、ワイパーアーム27をボディAに固定されたピボット軸26の周りに回動(揺動)させるためのリンクプレート25が一体的に連結、もしくは接合されている。このリンクプレート25がピボット軸26に回動自在に軸支され、後述の第2リンクアーム24bから直線運動を伝達されることによりピボット軸26の周りに回動し、ワイパーアーム27を揺動させる。図面では輸送用機械3として自動車を想定していることから、2本のワイパーアーム27A、27Bを並列させ、各リンクプレート25A、25B間に第3リンクアーム24cを架設して互いに連結し、第2リンクアーム24bの直線運動によって両ワイパーアーム27A、27Bを連動させている。
揺動アーム11の回転中心位置は揺動範囲変更装置10によって変更され、揺動アーム11の回転中心位置の変更に起因してワイパーアーム27の揺動範囲が変更される。以下、ワイパー装置2及び揺動範囲変更装置10について説明する。
最初にワイパー装置2について説明する。図3に示すように揺動範囲変更装置10はワイパーアーム27にピボット軸26を介して連結されるリンクプレート25と、駆動手段21のクランクアーム22との間に配置されている。揺動アーム11の揺動の中心となるボディ軸12はボディAのいずれかの部分に移動しない状態に固定されている。揺動アーム11はボディ軸12が貫通する後述の摺動孔11aの長さの範囲でボディ軸12に対して長さ方向に相対移動可能で、摺動孔11aの両端位置で停止可能となっている。
揺動アーム11は一端部において第1ピン23aを介して第1リンクアーム24aに回動自在に連結され、他端部において第2ピン23bを介して第2リンクアーム24bに回動自在に連結される。第1リンクアーム24aの他端部はクランクアーム22の一端部に第3ピン23cを介して回動自在に連結されているため、揺動アーム11は駆動手段21の回転によってボディ軸12を中心に回動する。
リンクプレート25Aは一端部において第2リンクアーム24bに第4ピン23dを介して回動自在に連結され、他端部においてピボット軸26に、ピボット軸26を中心として回動自在に連結され、第2リンクアーム24bの直線運動に伴い、ピボット軸26を中心として回動する。リンクプレート25Aには前記のようにワイパーアーム27Aがリンクプレート25Aと一体的に回動するよう、連結等されているため、リンクプレート25Aの回動と同時にワイパーアーム27Aが回動(揺動)する。
リンクプレート25Bも同様に一端部において、前記第2リンクアーム24bに連結された第3リンクアーム24cに第5ピン23eを介して回動自在に連結され、他端部においてピボット軸26に、ピボット軸26を中心として回動自在に連結される。
第3リンクアーム24cは他端部において第2リンクアーム24bに第4ピン23dを介して回動自在に連結され、第2リンクアーム24bの直線運動と同時に直線運動する。第3リンクアーム24cはリンクプレート25Aにも第4ピン23dを介して回動自在に連結されているため、リンクプレート25Aの回動に連動してリンクプレート25Bを回動させる。リンクプレート25Bにはワイパーアーム27Bがリンクプレート25Bと一体的に連結等されているため、リンクプレート25Bの回動と同時にワイパーアーム27Bが回動(揺動)する。
以上によりクランクアーム22の回転運動はそれに連結された第1リンクアーム24aの往復運動に変換され、その往復運動はボディ軸12を中心とする揺動アーム11の回動(揺動)に変換される。揺動アーム11の回動は第2リンクアーム24bの往復運動に変換され、その往復運動がピボット軸26を中心とするリンクプレート25A、25Bの回動(揺動)、すなわちワイパーアーム27A、27Bの回動(揺動)に変換される。
後述のように揺動アーム11の揺動角度はその摺動孔11a内におけるボディ軸12の位置に応じて相違し、図3−(a)に示すようにボディ軸12が摺動孔11aの第2ピン23b寄りに位置したときには、ボディ軸12から第2ピン23bまでの距離L1が最小になるため、揺動アーム11の揺動角度は最大になる。このとき、第2リンクアーム24bの往復運動の距離が最大になるため、ワイパーアーム27A、27Bは最も広範囲の領域を払拭する。
図3−(b)に示すようにボディ軸12が摺動孔11aの第3ピン23c寄りに位置したときには、ボディ軸12から第2ピン23bまでの距離L1が最大になるため、揺動アーム11の揺動角度は最小になる。このとき、第2リンクアーム24bの往復運動の距離が最小になるため、ワイパーアーム27A、27Bが払拭する領域も最小になる。
例えば、図3(a)に示すような、第1ピン23aとボディ軸12との距離L1:第2ピン23bとボディ軸12との距離L2=1:1の状態から、図3(b)に示すような、第1ピン23aとボディ軸12との距離L1:第2ピン23bとボディ軸12との距離L2=2:1の状態を想定する。この場合、回動範囲変更後の揺動アーム11の回動範囲は、変更前の回動範囲の1/2になる。
次に、揺動範囲変更装置10について説明する。図4(a)、(b)に示すように、揺動範囲変更装置10は、長さ方向に移動自在且つボディ軸12を中心に回動自在な揺動アーム11が第1ピン23aを介して第1リンクアーム24aと、第2ピン23bを介して第2リンクアーム24bと、それぞれ回動自在に連結されてなる。
また、揺動範囲変更装置10は、位置が拘束され、且つ回転又は回動自在な状態でボディAに設置されているボディ軸12と、揺動アーム11が挿通し、ボディ軸12に軸支されているホルダ13と、揺動アーム11のボディ軸12に対する長さ方向の移動がホルダ13に拘束された状態と解除された状態を切り替える切替手段14と、揺動アーム11の長さ方向の移動を補助する移動補助手段15とを備える。
図5(a)に示すように、揺動アーム11には、ボディ軸12を貫通させるための摺動孔11aが例えば長さ方向に長く形成され、揺動アーム11はボディ軸12に対して移動自在である。図5(a)では摺動孔11aは、長さ方向の略中点から第2ピン23b側へ向かって形成されている。
この摺動孔11aの長さ方向に対する長さ及び位置に応じて、ボディ軸12から第1ピン23aまでの距離L1とボディ軸12から第2ピン23bまでの距離L2との比の変更される範囲が決定される。したがって、この摺動孔11aの長さ方向に対する長さ及び位置はクランクアーム22の長さ及びリンクプレート25の目標の回動範囲によって適宜に設定される。
また、揺動アーム11の長さ方向の移動によって、ボディ軸12が摺動孔11aの第1ピン23a側の端部と第2ピン23b側の端部との間を相対的に移動する。図面では、摺動孔11aは、揺動アーム11の幅方向の中央部に形成されているが、幅方向に対する設置位置は問われない。「幅方向」とは、長さ方向に直交する方向のことを意味する。
揺動アーム11には、後述する、切替手段14を構成する係止部材14aが揺動アーム11を長さ方向に係止させるための係合溝11bが外側から幅方向に形成されている。本実施の形態では、係合溝11bに外側から挿入して揺動アーム11を長さ方向に係止させる係合片14dが揺動アーム11の幅方向に平行に設けられ、係合片14d、14d間に揺動アーム11が配置されるので、係合溝11bは外側から幅方向に形成され、一方は他方の係合溝11bから摺動孔11aの長さ分離れた位置に形成されている。
図4(a)〜(d)に示すように、ホルダ13は揺動アーム11が挿通する挿通部13aと、後述する、係止部材14aを移動させるための単安定自己保持型ソレノイド(以下、ソレノイドと略す)14bを支持する支持部13bと、移動補助手段15を設置するための移動補助手段片13cとを有する。挿通部13aの外面に、支持部13b及び移動補助手段片13cが連設されている。
挿通部13aの両端部は開口しており、挿通部13aの内部には揺動アーム11が長さ方向に移動自在に、且つ幅方向及びボディ軸12の軸線方向に対して拘束された状態で挿通している。
図面では揺動アーム11の断面形状を矩形にしていることに対応し、揺動アーム11を包囲する挿通部13aの内部の断面形状も同一の形状にしているが、挿通部13aが揺動アーム11をボディ軸12の軸方向と揺動アーム11の幅方向に振動しない程度に包囲していれば、揺動アーム11の断面形状は問われない。揺動アーム11がホルダ13と共に揺動する上では、揺動アーム11の表面と挿通部13aの内周面との間に隙間がない方がよく、揺動中心を変更するために揺動アーム11をホルダ13に対して長さ方向に移動させる上では摩擦が小さいことが適切である。
揺動アーム11がボディ軸12の軸方向に対してホルダ13に拘束され、ホルダ13がボディ軸12に軸支、つまりボディ軸12の軸線方向に拘束されているので、揺動アーム11と挿通部13aとが重なる範囲では、揺動アーム11の回動面に交叉する方向への移動が拘束される。
ホルダ13の長さが揺動アーム11の長さの1/4〜1/3程度である場合、揺動アーム11は長さ方向に対して1/4〜1/3の範囲でホルダ13にボディ軸12の軸方向への移動が拘束されるので、揺動アーム11の軸線とボディ軸12の軸線とで形成される平面内を回動して、揺動アーム11の両端部が移動することはない。
また、揺動アーム11が揺動アーム11の幅方向に対してホルダ13に拘束され、ホルダ13がボディ軸12に軸支、つまりボディ軸12に回動自在であるので、揺動アーム11が切替手段14によってホルダ13に拘束されているときには、揺動アーム11とホルダ13とは一体となってボディ軸12を中心に回動する。
挿通部13aの長さ方向に対して、上記切替手段14の態様との関係で決定される位置には、係止部材14aが揺動アーム11の外側から挿入するための係合溝13dが形成され、挿入部13aの内部に連通している。本実施の形態では、切替手段14の態様との関係によって係合溝13dは2つ設けられ、挿通部13aの幅方向に対面している。
図5(c)に示すように、摺動孔11aの第1ピン23a側の端部にボディ軸12が位置するときには、第1ピン23a側に位置する係合溝11bは挿通部13aの軸線に対して同一側に形成されている係合溝13dと一致する。図5(d)に示すように、摺動孔11aの第2ピン23b側の端部にボディ軸12が位置するときには、第2ピン23b側に近い係合溝11bは挿通部13aの軸線に対して同一側に形成されている係合溝13dと一致する。
図4(a)〜(d)に示すように、切替手段14は、ホルダ13の幅方向に移動して係合溝13d及び係合溝11bに係止することで揺動アーム11を揺動アーム11の長さ方向に係止させる係止部材14aと、係止部材14aをホルダ13の幅方向に移動させるソレノイド14b及び付勢部材14cとを有する。ソレノイド14b及び付勢部材14cが係止部材14aをホルダ13の幅方向に移動させることによって、係止部材14aの係止片14dは係合溝11bに挿入すると共に、ホルダ13の幅方向に押し付けられて、揺動アーム11を長さ方向に係止させる。
ソレノイド14bは例えばソレノイド14bの可動鉄心14eの可動方向がホルダ13の幅方向に一致するように、支持部13bに固定されている。係止部材14aはソレノイド14bの先端部で接続され、例えば可動鉄心14eが後退することによってホルダ13の幅方向に移動する。
付勢部材14cは係止部材14a及びホルダ13に接続されており、付勢力の向きがホルダ13の幅方向に一致し、係止部材14aが可動鉄心14eに引っ張られた際に移動した係止部材14aを付勢するように配置されている。係止部材14aが可動鉄心14eに引っ張られた際に発生する付勢部材14cの付勢力が、ソレノイド14bの吸引力より小さくなるように設定されている。これは、ソレノイド14bの吸引力によって揺動アーム11が係止片14dに係止している状態を維持するためである。
したがって、ソレノイド14bの吸引力が発生した際には、吸引力によって可動鉄心14eが後退する向きに係止部材14cが移動し、ソレノイド14bの吸引力が解除された際には、付勢部材14cの付勢力によって可動鉄心14eが前進する向きに係止部材14cが移動する。
ソレノイド14bの吸引力によって係合片14dが係合溝11b内で保持されるので、揺動アーム11は長さ方向に係止する。一方、ソレノイド14bの吸引力が解除された際には、付勢部材14cの付勢力によって係合片14dが係合溝11b内で揺動アーム11に押止されるので、揺動アーム11は長さ方向に係止する。
本実施の形態においては、可動鉄心14eと第1ピン23a側の係合溝11bとは揺動アーム11の軸線に対して同一側に配置されている。したがって、摺動孔11aの第1ピン23a側の端部にボディ軸12が配置される場合、ソレノイド14bを作動させて可動鉄心14eの吸引力によって係止部材14aで揺動アーム11を係止させると同時に、係止部材14aと揺動アーム11とを一体化させることができる。
ソレノイド14bの代わりに双安定自己保持形ソレノイドを使用した場合は、付勢部材14cは不要となる。これは、双安定自己保持形ソレノイドのプル側コイルに通電することで可動鉄心14eを吸引し、プッシュ側コイルに通電することで可動鉄心14eを突きだし、それぞれの状態を永久磁石の力で保持させることができるからである。さらに、駆動手段21の回転数が例えば100rpmを越える場合、ソレノイド14bを構成する永久磁石の保持力が減衰する傾向にあるので、可動鉄心14eの引っ張りと反対の向きに作用する付勢部材14cの付勢力によって係合片14dを係合溝11b内で保持させることができない虞があるからである。したがって、100rpmを越える場合、係止部材14aをホルダ13に対して移動させることで係合溝11bに係合させるためには、双安定自己保持形ソレノイドを使用するのが好適である。
一方、摺動孔11aの第2ピン23b側の端部にボディ軸12が配置される場合、可動鉄心14eの吸引力を解除させて、付勢部材14cの付勢力により係止部材14aで揺動アーム11を係止させると同時に、係止部材14aと揺動アーム11とを一体化させることができる。
移動補助手段15は例えば、バネ等の弾性部材で構成されている。移動補助手段15は、例えば、挿通部13aの移動補助手段片13cと第2ピン23bとに接続され、摺動手段15の力が作用する方向(本実施の形態においては、弾性部材の軸線方向)と揺動アーム11の軸線方向とが一致するように配置されている。さらに、移動補助手段15は、ボディ軸12が摺動孔11aの第1ピン23a側の端部に配置されている際に、揺動アーム11を長さ方向に移動させてボディ軸12が摺動孔11aの第2ピン23b側の端部に配置させることができるように設定されている。
ここで、切替手段14が設置されておらず、クランクアーム22が左回転すると仮定すると、ボディ軸12と第3ピン23cとの距離が最小から最大へ移行する際には、揺動アーム11は第1ピン23aから駆動手段21の動力によって引っ張られて、ボディ軸12が摺動孔11aの第1ピン23a側の端部に移動しようとする。一方、ボディ軸12と第3ピン23cとの距離が最大から最小へ移行する際には、揺動アーム11は第1ピン23aから駆動手段21の動力によって押されて、ボディ軸12が摺動孔11aの第2ピン23b側の端部に移動しようとする。
これらの揺動アーム11の挙動は、ワイパーブレード28の払拭抵抗によるものである。つまり、揺動アーム11の出力側の各部材の運動が拘束されるので、揺動アーム11の揺動と、第1リンクアーム24aの直線運動が起こりにくくなり、揺動アーム11の長さ方向の運動、すなわち、第4ピン23dを中心とする第2リンクアーム24bの揺動が起こり易くなる。
また、摺動孔11aの軸線方向と第1リンクアーム24aのクランクアーム22による直線運動の向きとが一致する際(ボディ軸12と第3ピン23cとの距離が最小から最大へ移行する際)に、揺動アーム11は駆動手段21から効率よく力を受けることができるので、揺動アーム11は円滑に長さ方向に移動することができる(本実施の形態の場合、ボディ軸12が摺動孔11aの第1ピン23a側の端部へ移動する)。
一方、摺動孔11aの軸線方向と第1リンクアーム24aのクランクアーム22による直線運動の向きとが大きく相違する際(ボディ軸12と第3ピン23cとの距離が最大から最小へ移行する際)は、揺動アーム11は駆動手段21から効率よく力を受けることができない。したがって、この場合に揺動アーム11が長さ方向に移動しようとする向きに、移動補助手段15の力が作用するように移動補助手段15を設置することで、揺動アーム11は強制的に長さ方向に移動せられる(本実施の形態の場合、ボディ軸12が摺動孔11aの第2ピン23b側の端部へ移動する)。
さらに、実験によれば、駆動手段21の回転速度が30rpm(30往復)以下では、ボディ軸12は摺動孔11aの第2ピン23b側の端部へも、第1ピン23a側の端部へも移動し、第1ピン23a側の端部への方が円滑に移動する傾向がある。一方、駆動手段21の回転速度が50rpm、75rpmの場合においては、ボディ軸12は摺動孔11aの第1ピン23a側の端部へ円滑に移動するが、ボディ軸12は摺動孔11aの第2ピン23b側の端部へ80〜50%のみ移動する傾向がある。
また、クランクアーム22が右回転すると仮定すると、ボディ軸12と第3ピン23cとの距離が最小から最大へ移行する際には、揺動アーム11は第1ピン23aから駆動手段21の動力によって引っ張られて、ボディ軸12が摺動孔11aの第1ピン23a側の端部に移動しようとする。一方、ボディ軸12と第3ピン23cとの距離が最大から最小へ移行する際には、揺動アーム11は第1ピン23aから駆動手段21の動力によって押されて、ボディ軸12が摺動孔11aの第2ピン23b側の端部に移動しようとする。
クランクアーム22の回転範囲において、摺動孔11aの軸線方向と第1リンクアーム24aのクランクアーム22による直線運動の向きとが一致する範囲は、上記左回転の場合と一致。したがって、ボディ軸12と第3ピン23cとの距離が最大から最小へ移行する際に、揺動アーム11は駆動手段21から効率よく力を受けることができる。この時、揺動アーム11が押されて、ボディ軸12が摺動孔11aの第2ピン側の端部に移動しようとする。
つまり、駆動手段21の回転方向によってボディ軸12が摺動孔11a内で移動する方向が異なる。したがって、クランクアーム22が右回転の場合、移動補助手段15は移動補助手段片13cと第1ピン23aとに接続されることが望ましい。
このように、揺動アーム11はボディ軸12に対して移動することができるため、切替手段14が設置されていなければ、自由に移動しようとする。しかし、切替手段14のソレノイド14bを操作して係止部材14aをホルダ13の幅方向に移動させることによって、揺動アーム11の長さ方向の移動を阻止すると同時に、揺動アーム11における回動中心を変更することができるので、揺動アーム11のワイパーアーム27側の回動範囲を自由に調整することができる。
また、揺動アーム11の長さ方向に関して、駆動手段21以外の動力を利用せずに揺動アーム11の回動中心位置を変更することができるので、揺動アーム11の長さ方向への移動にモーター等の駆動手段を要する場合に比して、揺動範囲変更装置10の必要部品数
が削減されると同時に、電力消費量が抑制される。
(実施の形態2)
次に、他の実施の形態である揺動範囲変更装置30について図6、図7により説明する。だだし、実施の形態1と共通する部分については、同一の名称・符号を用い、説明を省略する。
図4では、揺動範囲変更装置10は移動補助手段15を有し、揺動アーム11を補助的に移動させている構成であるのに対し、図6(a)〜(d)では、揺動範囲変更装置30は強制移動手段35を有し、揺動アーム31を強制的に長さ方向に移動させる構成である。強制移動手段35は、ボディAに設置されてボディ軸12を回動させる駆動装置35cと、ボディ軸12に固定されてボディ軸12と共に回動自在なカムプレート35aと、揺動アーム31に設置されてカムプレート35aの回動時の接触による圧力を揺動アーム31に伝達するカムフォロア35bとを有する。
図面のように、駆動装置35cとボディ軸12との間に、駆動装置35cの回転軸35dの回転をボディ軸12に伝達する伝達機構を介在させることもある。回転軸35dによって揺動範囲変更装置30のボディ軸12を回転させる場合には、伝達機構を介在させる必要はない。
揺動アーム31における摺動孔31aの両外側位置には、カムプレート35aに当接し得るカムフォロア35b、35bが突設、接続等により設置される。カムフォロア35bはボディ軸12の回転に伴い、カムプレート35aが回転したときに、カムプレート35aから揺動アーム31の軸方向に圧力を受ける位置に配置される。カムフォロア35b、35bはボディ軸12から等しい距離の位置にある。ボディ軸12はカムプレート35aの中心から偏心した位置を貫通し、ボディ軸12の回転によりカムプレート35aのボディ軸12から最も遠い縁(最縁)の区間がいずれか一方のカムフォロア35bを押圧し、揺動アーム31をボディ軸12に対して強制的に相対移動させる。
カムプレート35aを揺動アーム31の長さ方向に見たとき(図6(d)に示す状態では)、ボディ軸12から、カムプレート35aの最縁までの距離L0はカムフォロア35b、35b間距離L3より短く、L0の2倍はL3より大きい(L0<L3<2L0)。このL0はカムプレート35aがいずれかの向きに回転するに従い、次第に大きくなり、最大を迎えた後、次第に小さくなる。図面では図6(d)の状態からカムプレート35aがボディ軸12の中心の周りに90°回転したときにL0が最大になるようにしている。
以上の関係により、ボディ軸12の回転に伴い、カムプレート35aの最縁の区間が一方のカムフォロア35bを押圧し続けることにより、揺動アーム31をボディ軸12に対し、ボディ軸12から遠ざかる向きに強制的に相対移動させる。ボディ軸12が更に回転し、カムプレート35aが半周すれば、カムプレート35aの最縁の区間が他方のカムフォロア35bを押圧し、揺動アーム31を逆向きに相対移動させる。
図7(a)〜(d)に示すように、揺動アーム31の幅方向の少なくとも片側には第1実施形態と同様、切替手段34を構成する係止部材34aの係合片34dが揺動アーム31の幅方向に係合する係合溝31bが形成される。揺動アーム31を拘束するホルダ33の、揺動アーム31の係合溝31bに対応した位置にも、係合片34dが係合する係合溝33dが形成される。
揺動アーム31はその係合溝31bとホルダ33の係合溝33dが合致した状態で、係合片34dが係合溝31bと係合溝33dに係合することによりホルダ33に対する軸線方向の移動を拘束され、ホルダ33に固定された状態になる。
図7(e)に示すように、摺動孔31aの第1ピン23a側の端部にボディ軸12が位置したとき、第1ピン23a側の揺動アーム31の係合溝31bとホルダ33の係合溝33dとが合致する。また、図7(f)に示すように、摺動孔31aの第2ピン23b側の端部にボディ軸12が位置したとき、第2ピン23b側の揺動アーム31の係合溝31bとホルダ33の係合溝33dとが合致する。
揺動アーム31の係合溝31bは、揺動アーム31が摺動孔31aの長さの範囲でホルダ33に対して軸線方向に相対移動した位置を拘束するために、揺動孔31aの長さ方向に隔てた2箇所に形成される。ホルダ33はボディ軸12と共に揺動アーム31に対して移動するから、その移動距離(ストローク)は摺動孔31a内におけるボディ軸12の移動距離に等しい。またホルダ33の2箇所の係合溝33d、33dには、それぞれに対応した位置に配置された係合片34d、34dが係合するから、2箇所の係合溝33d、33d間距離は2本の係合片34d、34d間距離に等しい。
図6(a)〜(d)に示すように、ホルダ33の挿通部33aはボディ軸12が挿入した状態で例えば座金等によってボディ軸12に軸支されるので、ボディ軸12を中心に揺動自在である。揺動アーム31は揺動方向に対してホルダ33に拘束されているので、ホルダ33と共にボディ軸12を中心に揺動自在である。また、揺動アーム31の摺動孔31aにおいてボディ軸12が貫通した状態で挿通部33aに挿通しているので、揺動アーム31は長さ方向に移動自在である。
図4では、係合片14dを揺動アーム31の幅方向に距離を隔てた2箇所に配置し、揺動アーム31の幅方向に移動させている。これに対し、図6(a)〜(d)では、係合片34dを揺動アーム31の長さ方向に係合溝31b、31b間(係合溝33d、33d間)の長さに対応した距離を隔てた2箇所に配置し、回動軸34eを中心に回動させている。
図6の場合、回動軸34eが2つの係合片34d、34d間に位置するので、係止部材34aが一方の向きに回動する際に、一方の係合片34dは一方の係合溝31bに挿入し、係止部材34aが反対の向きに回動する際に、他方の係合片34dは他方の係合溝31bに挿入する。
係止部材34aは、例えばソレノイド14bの吸引力による可動鉄心14eの後退運動に連動して回動する。図面では、係止部材34aは、可動鉄心14eに連結され、ソレノイド14bの吸引力を係止部材34aに伝達する作用片34fを備える。作用片34fが係止部材34aを回動させられることができるなら、設置位置は問われない。
付勢部材14cは、係止部材34がソレノイド14bによって回動軸34eを中心に回動する際に、係止部材34aをソレノイド14bによる回動の向きと反対の向きに付勢するように配置されている。作用片34fが可動鉄心14eと共に吸引される際に発生する付勢部材14cの付勢力は、可動鉄心14eの吸引力より小さくなるように設定されている。これは、可動鉄心14eの吸引力によって係止部材34aが回動し、係合片34dが揺動アーム31に押止した状態を維持するためである。
したがって、ソレノイド14bの吸引力が発生した際には、可動鉄心14eが後退する向きに対応する向きに係止部材34aが回動し(図において右回りの向き)、第2ピン23b寄りの係合片34dが第2ピン23b寄りの係合溝31b及び係合溝33dに嵌入して、少なくとも揺動アーム31に係合する。
ソレノイド14bの吸引力が解除された際には、付勢部材14cの付勢力が作用する向きに係止部材34aが回動し(図において左回りの向き)、第1ピン23a寄りの係合片34dが第1ピン23a寄りの係合溝31b及び係合溝33dに嵌入して、少なくとも揺動アーム31に係合する。
ソレノイド14b又は付勢部材14cによって係合片34dが揺動アーム31に係合する際に、揺動アーム31は係合片34dが係合する向きに(図6(d)において、左向き)、すなわち揺動アーム31の幅方向に1mm程度強制的に移動する。図面では係合片34dが揺動アーム31に係合する直前は、カムフォロア35bはカムプレート35aの外縁の曲線部分と点で接触しているので、揺動アーム31が幅方向に移動することによってカムプレート35aとカムフォロア35bとの接触状態が断たれる。したがって、揺動アーム31が揺動する際に、カムプレート35aとカムフォロア35bとは接触しない。この結果、揺動アーム31の円滑な揺動が行われる。
ソレノイド14bの吸引力の発生によって一方の係合片34dが一方の係合溝31b内で強固に保持されるので、揺動アーム31が長さ方向に係止する。また、ソレノイド14bの吸引力の解除によって付勢部材14cの付勢力のみが作用し、その付勢力によって他方の係止部材34aが他方の係合溝31b内で揺動アーム31に係合して強固に保持されるので、揺動アーム31は長さ方向に係止する。
ここで、ソレノイド14bの代わりに双安定自己保持形ソレノイドを使用した場合は、前述の付勢部材14cは必要でなく、双安定自己保持形ソレノイドのプル側コイルに通電することで可動鉄心14eを吸引し、プッシュ側コイルに通電することで可動鉄心14eを突きだし、それぞれの状態を永久磁石の力で保持させることができる。
本実施の形態においては、駆動装置35cがボディ軸12を回転させることで、カムプレート35aを回転させ、揺動アーム31をホルダ33に対して相対移動させる。図面では駆動装置35cとしてウォームギアを使用している。この場合、ウォーム軸(回転軸35d)の回転によりウォームが回転し、同時にウォームに固定されているボディ軸12が回転し、カムプレート35aが回転する。
したがって、摺動孔31aの第2ピン23b側の端部にボディ軸12が配置された際に、ソレノイド14bを稼動させて可動鉄心14eの吸引力を利用して第2ピン23b側の係合片34dで揺動アーム31を長さ方向に係止すると、揺動アーム31はホルダ33に完全に拘束される。
同様に、摺動孔31aの第1ピン23a側の端部にボディ軸12が配置された際に、可動鉄心14eの吸引力を解除して、付勢部材14cの付勢力により第1ピン23a側の係合片34dで揺動アーム31を長さ方向に係止すると、揺動アーム31はホルダ33に完全に拘束される。
揺動アーム31における回動中心位置を強制的に変更させ、切替手段34のソレノイド14bを操作して係止部材34aを回動させて揺動アーム31の長さ方向の移動を阻止することによって、揺動アーム31の回動範囲を自由に且つ、確実に調整することができる。
(その他の実施の形態)
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
輸送用機械のワイパー装置に使用されているワイパーアームの揺動範囲変更装置の様子を表す概要図である。 図1の要部拡大図である。 (a)は第1ピンとボディ軸との距離:第2ピンとボディ軸との距離=1:1の場合における、入力側の揺動アームの回動範囲と出力側の揺動アームの回動範囲との関係を表す概要図、(b)は第1ピンとボディ軸との距離:第2ピンとボディ軸との距離=2:1の場合における、入力側の揺動アームの回動範囲と出力側の揺動アームの回動範囲との関係を表す概要図である。 (a)は揺動範囲変更装置の側面図、(b)は揺動範囲変更装置の側面図、(c)は揺動範囲変更装置の正面図、(d)は揺動範囲変更装置の平面図である。 (a)は揺動アームの平面図、(b)はホルダの横断面図、(c)は揺動アームがホルダに挿通した状態を表す平面図、(d)は揺動アームがホルダに挿通した状態を表す平面図である。 (a)は揺動範囲変更装置の側面図、(b)は揺動範囲変更装置の側面図、(c)は図6(a)のA−A断面図、(d)は揺動範囲変更装置の平面図である。 (a)は揺動アームの平面図、(b)はホルダの平面図、(c)はホルダの正面図、(d)は図7(b)のB−B側面図、(e)は揺動アームがホルダに挿通した状態を表す平面図、(e)は揺動アームがホルダに挿通した状態を表す平面図である。
符号の説明
2………ワイパー装置
3………輸送用機械
10……ワイパーアームの揺動範囲変更装置
11……揺動アーム
11a…摺動孔
11b…係合溝
12……ボディ軸
13……ホルダ
13a…挿通部
13b…支持部
13c…移動補助手段片
13d…係合溝
14……切替手段
14a…係止部材
14b…自己保持型ソレノイド
14c…付勢部材
14d…係合片
14e…可動鉄心
15……移動補助手段
21……駆動手段
21a…駆動軸
22……クランクアーム
23a…第1ピン
23b…第2ピン
23c…第3ピン
23d…第4ピン
23e…第5ピン
24a…第1リンクアーム
24b…第2リンクアーム
25……リンクプレート
25A…リンクプレート
25B…リンクプレート
26……ピボット軸
27……ワイパーアーム
27A…ワイパーアーム
27B…ワイパーアーム
28……ワイパーブレード
30……ワイパーアームの揺動範囲変更装置
31……揺動アーム
31a…挿入孔
31b…係合溝
33……ホルダ
33a…挿通部
33b…支持部
33d…係合溝
34……切替手段
34a…係止部材
34d…係合片
34e…回転
34f…作用片
35……強制移動手段
35a…カムプレート
35b…カムフォロア
35c…駆動装置
35d…回転軸
A………ボディ
L0……ボディ軸から、カムプレートの最縁までの距離
L1……第1ピンとボディ軸との距離
L2……第2ピンとボディ軸との距離
L3……カムフォロア間の長さ

Claims (4)

  1. ボディに固定されたピボット軸を中心にワイパーアームを揺動させる駆動手段に連結され、この駆動手段の駆動軸を中心に回転するクランクアームと、前記ワイパーアームに連結されたリンクプレートとの間に介在し、前記ワイパーアームの揺動範囲を変更する揺動範囲変更装置であって、
    前記クランクアームに連結される第1リンクアームと、
    前記リンクプレートに連結される第2リンクアームと、
    前記第1リンクアームと第2リンクアームの双方に連結されると共に、前記ボディに固定されたボディ軸に支持され、前記クランクアームの回転に伴って前記リンクプレートを揺動させる揺動アームと、
    前記ボディ軸に軸支され、前記揺動アームを前記ボディ軸の軸方向に挟み込み、前記揺動アームの振れを拘束するホルダと、
    前記揺動アームの前記ボディ軸に対する長さ方向の移動が前記ホルダに保持された状態と解除された状態を切り替える切替手段とを備え、
    前記揺動アームは前記ボディ軸を中心として回動自在であり、前記切替手段による切り替えに伴い、前記ワイパーアームの揺動範囲を変更することを特徴とするワイパーアームの揺動範囲変更装置。
  2. 前記切替手段は、前記ホルダに対して移動することで前記揺動アームに形成された係合溝に係合し、前記揺動アームを前記長さ方向に係止させる係止部材と、
    前記ホルダに設置され、前記係止部材を前記ホルダに対して移動させることで前記係合溝に係合させる自己保持型ソレノイドと、
    前記ホルダと前記係止部材に接続され、前記係止部材を前記ホルダに対して移動させることで前記係合溝に係合させる付勢部材と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のワイパーアームの揺動範囲変更装置。
  3. 前記揺動アームを前記長さ方向の何れか一方の向きに移動させる移動補助手段を備え、
    前記移動補助手段は前記ホルダ又は前記ボディ軸と前記揺動アームとに接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のワイパーアームの揺動範囲変更装置。
  4. 前記揺動アームを前記長さ方向の双方の向きに強制的に移動させる強制移動手段を備え、
    前記揺動アームが、前記強制移動手段を構成する駆動装置によって回転する前記ボディ軸の回転に連動して前記長さ方向に移動することを特徴とする請求項1又は2に記載のワイパーアームの揺動範囲変更装置。
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