JP2009101572A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009101572A
JP2009101572A JP2007275139A JP2007275139A JP2009101572A JP 2009101572 A JP2009101572 A JP 2009101572A JP 2007275139 A JP2007275139 A JP 2007275139A JP 2007275139 A JP2007275139 A JP 2007275139A JP 2009101572 A JP2009101572 A JP 2009101572A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
cap
recording head
ink
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007275139A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumasa Nishikawa
勝正 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2007275139A priority Critical patent/JP2009101572A/ja
Publication of JP2009101572A publication Critical patent/JP2009101572A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 チップつなぎタイプのインクジェット記録ヘッドを複数本用い、記録ヘッドを色毎にずらして配置するプリンタにおいて、ヘッド位置がずれてもキャップを移動させること無く確実にキャップ出来るようにする。
【解決手段】 記録ヘッドを、ずらし量を加味した長さをあらかじめ持たせた構成にし、ずらし量の如何に関わらず、キャップが可能な領域をヘッドに持たせる
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関するものであり、詳細には記録ヘッドおよびキャップ機構に関する。
従来のインクジェット方式による画像形成装置においては、給紙部から給紙した被記録媒体であるシート材に対し、画像形成部においてシート材の搬送方向と交叉する方向にインクを吐出する記録ヘッドを移動走査させてシート材上にインクを吐出させることで画像を形成し、排出部へ画像形成されたシート材を排出していた。この種の画像形成装置においては、非印字時の乾燥による記録ヘッドのノズルでのインク凝固や、空気(気泡)やゴミやホコリの侵入によるノズルの目詰まりが起こると、そのノズルにおいてインクの不吐出が起こり、これにより画像の乱れが発生してしまうという問題があった。したがって印字動作を行わない待機中にインクを吐出するためのノズル面をキャップで被覆することにより、ノズル面を乾燥やホコリなどから保護する構成が一般に用いられてきた。さらにノズル面の乾燥を防止するためにキャップ内部に吸収体を配し、その吸収体にインクを保持することでキャップにより被覆された内部の湿度を保つことが行われている。
ところで、従来のインクジェット記録ヘッドを用いたプリンタにおいては、例えばA4サイズ一枚のシート材に画像を形成するにあたり記録ヘッドを数回往復移動させて画像形成を形成するので、その印字速度は一般に毎分2〜数枚程度であった。しかしながら、近年、印字速度の高速化が求められており、その要求を満たすために、シート材の搬送方向に交差する方向の記録媒体の全幅にわたってインクを吐出するためのノズルを配列することで記録速度を毎分数十枚程度まで向上させた、いわゆるフルラインタイプのインクジェット記録ヘッドを1本から複数本備えた画像形成装置が発明されている。上記構成のフルラインタイプの記録ヘッドを実現する一手段として、一定のノズル数を持つ記録素子基板を支持板上に複数配列して記録媒体全幅にわたるインク吐出を行う形態の記録ヘッドが提案されている。しかしながら、印字領域が隣り合う記録素子基板同士が重なり合って画像を形成するような “繋ぎ目”となる印字画像領域においては、記録素子基板毎のインク吐出量、支持板への搭載位置精度等により、単独の記録素子基板での印字画像領域に比べて画像が劣化する恐れがある。これに対し、印字に使用するノズルの選択方法やインクの吐出タイミング制御など、“繋ぎ目”領域で画像劣化防止/抑止策として様々な方法が考えられている。
上記の例として、下記特許文献1をあげることが出来る。
特開平07-032592号公報
こうした状況において、各色の記録ヘッドを階段状にずらして配置して、“繋ぎ目”となる画像領域をインク色毎にずらすことで、同じ印字画像領域に各色の“繋ぎ目”が重ならないようにする、という方法が画像劣化の一抑止策として挙げられている。このような構造のプリンタにおいては、各色の記録ヘッドに対してキャップもずらして配置する必要がある。さらに各色の記録ヘッドのずらし量を任意に調整してより良い画像を形成しようとした場合、記録ヘッドに応じてキャップ位置も調整する必要が生じる。
本発明は、上述の如き事情に鑑みてなされたものであり、各色の記録ヘッドを階段状にずらして配置して、“繋ぎ目”となる画像領域をインク色毎にずらすことで、同じ印字画像領域に各色の“繋ぎ目”が重ならないようにする構成のインクジェット記録ヘッドによる画像形成装置において、記録ヘッドを良好な状態に維持するための記録ヘッドならびにキャップ機構を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を満足するため、本発明に係わるインクジェット記録装置は、液体を吐出するための複数のノズルと吐出エネルギーを発生する記録素子を複数配列した記録素子基板が支持板上に千鳥状に複数列配置され、該ノズルからインクを吐出して被記録媒体に画像形成を行うことのできる記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対して離接可能であって、前記記録ヘッドの前記記録素子基板を覆うことのできるキャップ部材と、を有し、前記千鳥状に配列された記録素子基板のうち、隣り合う記録素子基板のノズル重複領域幅をaとしたとき、1〜n本(nは記録装置に搭載された記録ヘッドの総本数)の記録ヘッドを前記記録素子基板の支持板上での配列方向に対してb(ただしb≧a)ずつずらして配置したインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドはキャップと当接するキャップ当接面を有し、前記キャップ当接面上であって前記複数配列されている記録素子基板のうちのヘッド両端位置にある記録素子基板の外側端部の平滑部から長さb×(n-1)以上のキャップ非当接領域αを設け、さらに前記キャップ当接面の両端部に長さb×(n-1)以上のキャップ非当接領域α'を設け、前記キャップ非当接領域αおよびキャップ非当接領域α'の内側にキャップ当接領域βを設けることを特徴とする。さらに、前記記録ヘッドは、液体を吐出するための複数のノズルと吐出エネルギーを発生する記録素子を複数配列した記録素子基板が支持板上にノズル配列方向に複数個配置され、複数のノズルからインクを吐出して被記録媒体の幅方向の画像形成を略同時に行うことのできるフルラインタイプの長尺記録ヘッドであることを特徴とする。
記録ヘッドを色毎にずらして配置するプリンタにおいて、ずらす量を加味したヘッド長さをあらかじめ持たせることにより、ヘッド位置がずれてもキャップを移動させること無く確実にキャップ出来る。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
以下、本発明に係わる画像形成装置の実施形態の一例を示す構成および動作を、図面にもとづいて説明する。
図1は本発明の実施形態であるプリンタの正面から見た全体概略構成図である。図2、図3は記録ヘッドユニットとキャップ部、および記録ヘッドのクリーニング機構を斜めから見た概略構成図である。
図1において、プリンタS内にある給紙カセット1に収容された被記録媒体のシート材である記録紙Pは、最上紙からピックアップローラ2により繰り出され分離パッド3の働きによって1枚ずつ分離給送される。給紙カセット1から給紙された記録紙Pは搬送ローラ対4によって回転停止しているレジストローラ対5へ搬送される。また、プリンタSの側方には手差しトレイ6が備えられており、ピックアップローラ2Bにより繰り出され分離パッド3Bによって1枚ずつ分離給送され、レジストローラ対5へ搬送される。
レジストローラ対5へ搬送された記録紙Pは、ベルト搬送部7へ向かって所定のタイミングで送り出され、搬送ベルト8に吸着ローラ9の直前で静電吸着される。搬送ベルト8は下流側搬送ローラである駆動ローラ10、上流側搬送ローラである搬送ローラ11、及び圧力ローラ12によって巻架されている。駆動ローラ10には図示しない駆動源より駆動力が伝達され、これにより搬送ベルト8が回転される。このとき、搬送ベルト8の表面は帯電器13によって電位を与えられている。搬送ベルト8に載置された記録紙Pが、接地された吸着ローラ9に達すると、記録紙Pと搬送ベルト8とがより密着した状態に静電吸着力によって維持されるため、記録紙Pは搬送ベルト8に密着して搬送ベルト8とともに移動する。
搬送ローラ11の記録紙搬送方向における下流側には、画像情報に基づいて画像を形成するための記録ヘッドユニット14が設けられている。記録ヘッドユニット14内にはインクの吐出により画像形成を行う記録ヘッド15が、記録紙Pの搬送方向上流側から15K(黒),15C(シアン),15M(マゼンタ),15Y(イエロー)の順に所定の間隔で配置され、ヘッドホルダ16に取り付けられている。この記録ヘッド15はヒータ等の電気熱エネルギー変換体を有してインクに熱を与えることが可能となっており、この熱によってインクを膜沸騰させ、この膜沸騰による気泡の成長または収縮によって生じる圧力変化によって記録ヘッド15の記録素子基板H1100上に配列されたノズルH1105からインクを吐出し、記録紙P上に画像を形成する。記録紙Pは、ベルト搬送部7を通過する際、記録ヘッドユニット14内に配置された各色の記録ヘッド15K(黒),15C(シアン),15M(マゼンタ),15Y(イエロー)により画像が記録される。各記録ヘッド15は記録紙Pの搬送方向と直交する方向に複数の記録素子基板H1100を配置することで全幅に複数のノズルH1105が配列されたフルラインタイプのインクジェット記録ヘッド15が用いられている。また、インクの吐出の方式としては、ピエゾ素子を用いてインク液室の容積変化によりインクの吐出を行う方式、等もあり、それら他の方式の記録ヘッドを用いても良い。
各記録ヘッド15はヘッドホルダ16に固定されており、ヘッドホルダ16はモータ17とヘッド上下ガイド18により上下に移動される。また、記録ヘッドユニット14内のヘッド上下ガイド18近傍に設けられたセンサ19によりヘッドホルダ16の上下動の移動距離が規定される。
また、各記録ヘッド15は画像形成のためのインクの吐出を行っていないときは、インクの乾燥によるノズルH1105でのインクの凝固や記録素子基板H1100へのゴミやホコリ等の付着を防止するためにキャップ20により保護されている。すなわち、画像形成を行っていないときは、キャップ20K(黒),20C(シアン),20M(マゼンタ),20Y(イエロー)は図2の状態のように各色の記録ヘッド15K(黒),15C(シアン),15M(マゼンタ),15Y(イエロー)の記録素子基板H1100をそれぞれ保護するキャッピング位置に保持されている。画像形成を行う場合にはヘッドホルダ16をモータ17、ヘッド上下ガイド18、センサ19により所定量移動させるとともに、図示しない駆動源によりキャップ20K(黒),20C(シアン),20M(マゼンタ),20Y(イエロー)を図3の状態のように各記録ヘッド15から記録紙Pへのインクの吐出を妨げない退避位置に移動させ、再びヘッドホルダ16をモータ17、ヘッド上下ガイド18、センサ19により各記録ヘッド15の記録素子基板H1100と搬送ベルト8上の記録紙Pとの距離(紙間)が規定の値になるまで移動させてから各色のインクを吐出させて記録紙Pに画像形成を行う。
搬送ベルト8に密着して搬送ベルト8とともに記録紙Pが記録ヘッドユニット14の下を移動するのと同期して記録ヘッド15によるインクの吐出が記録ヘッド15に設けられたノズルH1105から行われ、記録紙P上に画像が形成される。
記録ヘッドユニット14において画像が形成された後の記録紙Pは、分離ガイド21により搬送ベルトから分離され、排紙反転ローラ22と拍車23のニップ部に導かれる。一方、インクの吐出が終わった記録ヘッド15およびヘッドホルダ16、キャップ20は記録ヘッド15の記録素子基板H1100をキャップ20により保護する初期の位置へと戻される。
記録ヘッド15は、クリーニング機構35により記録ヘッド15の記録素子基板H1100搭載面に残るインク滴等を清掃・除去される。クリーニング機構35は記録ヘッド15の記録素子基板H1100搭載面に残るインク滴等を吸収するための多孔質吸収体からなる吸収体36と、記録ヘッド15の記録素子基板H1100搭載面に残るインク滴等を除去するための記録ヘッド15の全幅をワイプできる幅を持った弾性体からなる全面ワイパー37および記録ヘッド15の記録素子基板H1100配列領域部をワイプできる幅を持ったノズルワイパー38と、吸収体36と全面ワイパー37およびノズルワイパー38とを一体的に支持する支持部材39とから構成される。支持部材39が図示せぬ駆動源からの駆動によりレール40の上を記録ヘッド15に当接しながら移動することでクリーニング機構35による記録ヘッド15のクリーニングが行われる。
画像形成後の記録紙Pは、排紙反転ローラ22と拍車23に挟持搬送されるが、記録紙の片面にのみ画像を形成する片面印字モードか、記録紙の表裏両面に画像を形成する両面印字モードかにより、前者の場合はそのまま排紙部24に排出され、後者の場合は再給紙部25に送られて再び機内に戻されて裏面に画像が形成された後、排紙部24に送られ機外に排出される。
片面印字モードの場合、画像形成後の記録紙Pは、排紙反転ローラ22と拍車23から排紙パス26を通り、排紙ローラ27とそれと対向した拍車28により挟持搬送され、排紙トレイ29に排出される。
一方、両面印字モードの場合、排紙ローラ27と拍車28の搬送方向下流側に設けたセンサ30とによりタイミングを制御して記録紙P後端が排紙ローラ27と拍車28のニップを抜ける直前に排紙ローラ27と拍車28を反転させることで記録紙Pは排紙パス26を通り、排紙反転ローラ22と拍車31によりスイッチバックパス32に導かれる。スイッチバックパス32上を進んだ記録紙Pは再給紙パス33へと送られる。記録紙Pは再給紙ローラ34a,34bにより再びレジストローラ対5に送られ、表面と同様にして裏面に画像形成を行う。裏面の画像形成がなされた記録紙Pは片面印字モード時と同様に排紙パス26に導かれ、排紙ローラ27とそれと対向した拍車28により挟持搬送され、排紙トレイ29に排出される。
次に図4、図5、図6、図7、および図8を用いて記録ヘッドの構成について説明する。図4は記録ヘッドの外観斜視図、図5は記録ヘッドの分解斜視図、図6は記録ヘッドの記録素子ユニットの分解斜視図、図7は記録ヘッドの記録素子基板の(a)斜視図、および(b)A−A断面図、図8は記録素子基板と電気配線基板の配線接続部の(a)斜視図、および(b)A−A断面図、である。
図4で示すように記録ヘッド15は、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギーを生じせしめるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いてノズルからインクを飛翔させて媒体に記録を行うバブルジェット(登録商標)方式のサイドシュータ型とされる記録ヘッドである。なお、既述のとおり、記録ヘッドの吐出口からインクを吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、レーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用でインク滴を吐出させるもの、あるいは、発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液体を加熱させるもの等があり、いかなる方法を用いても良い。
記録ヘッド15は、図5の分解斜視図に示すように、記録素子ユニットH1001とインク供給ユニットH1002のインク供給部材H1500から構成される。さらに、図6の分解斜視図に示すように、記録素子ユニットH1001は、記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300、第2のプレートH1400、フィルター部材H1600で構成されている。
図7(a)は、記録素子基板H1100の構成を説明する図であり、図7(b)は図7(a)に示すA−A断面図である。記録素子基板H1100は、例えば、厚さ0.5〜1mmのSi基板H1108で薄膜が形成されている。また、インク流路として長溝状の貫通口からなるインク供給口H1101が形成され、インク供給口H1101の両側に電気熱変換素子H1102がそれぞれ1列ずつ千鳥状に配列されており、前記電気熱変換素子H1102、及び、Al等の電気配線が成膜技術により形成されている。また、該電気配線に電気信号の入出力や電力供給するために電極H1103が設けられている。前記インク供給口H1101は、前記Si基板H1108の結晶方位を利用して、異方性エッチングを行う。ウエハー面に<100>、厚さ方向に<111>の結晶方位を持つ場合、アルカリ系(KOH、TMAH、ヒトラジン等)の異方性エッチングにより、約54.7度の角度でエッチングが進行する。この方法を用いて、所望の深さにエッチングする。また、前記Si基板H1108上には、ノズルプレートH1110が具備され、電気熱変換素子H1102に対応したインク流路H1104、ノズルH1105、発泡室H1107がフォトリソ技術により形成されている。また、前記ノズルH1105は前記電気熱変換素子H1102に対向するように設けられており、インク供給口H1101から供給されたインクを電気熱変換素子H1102により気泡を発生させてインクを吐出させるものである。
第1のプレートH1200は、例えば、厚さ0.5〜10mmのアルミナ(Al)材料で形成されている。なお、第1のプレートの素材は、アルミナに限られることなく、記録素子基板H1100の材料の線膨張率と同等の線膨張率を有し、かつ、記録素子基板H1100材料の熱伝導率と同等もしくは同等以上の熱伝導率を有する材料で作られてもよい。第1のプレートH1200の素材は、例えば、シリコン(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、ジルコニア、窒化珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)のうちいずれであってもよい。第1のプレートH1200には、記録素子基板H1100にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されており、記録素子基板H1100のインク供給口H1101が第1のプレートH1200のインク供給口H1201に対応し、かつ、記録素子基板H1100は第1のプレートH1200に対して位置精度良く接着固定される。その接着剤は、例えば、粘度が低く、接触面に形成される接着層が薄く、かつ、硬化後、比較的高い硬度を有し、かつ、耐インク性のあるものが望ましい。例えば、エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化接着剤、もしくは紫外線硬化併用型の熱硬化接着剤であり、接着層の厚みは50μm以下が望ましい。
記録素子基板H1100は、図4に示すように第1のプレートH1200上に千鳥状に配置され、同一色による幅広の記録を可能としている。例えば、ノズル群の長さが1.5インチ程度の6つの記録素子基板H1100a、H1100b、H1100c、H1100d、H1100e、H1100fを千鳥状に配置し、A4幅の記録を可能にしている。
また、各記録素子基板H1100の吐出口群の端部は、千鳥状に隣接する記録素子基板H1100のノズル群の端部と、記録方向に対して重複する、ノズルオーバーラップ部Nを設け、各記録素子基板H1100による印刷に隙間が生じることを防止している。例えば、ノズル群H1106aとノズル群H1106bに重複領域H1109a、H1109bを設けている。本実施例のように6個の記録素子基板H1100を用いた場合には、5個のノズルオーバーラップ部Nが存在することになる。
電気配線基板H1300は、記録素子基板H1100に対してインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、記録素子基板H1100を組み込むための開口部を有しており、裏面には第2のプレートH1400が接着固定される。また、電気配線基板H1300は、記録素子基板H1100の電極H1103に対応する電極端子H1302と、配線基板端部に位置し記録装置本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301を有している。電気配線基板H1300と記録素子基板H1100は、電気的に接続されており、接続方法は、例えば、記録素子基板H1100の電極H1103と電気配線基板H1300の電極端子H1302を金ワイヤーH1303を用いたワイヤーボンディング技術によりにより電気的に接続される。電気配線基板H1300の素材としては、例えば、配線が二層構造のフレキシブル配線基板が使用され、表層はポリイミドフィルムで覆われている。
第2のプレートH1400は、例えば、厚さ0.1〜1mm程度のSUS板で形成されている。なお、第2のプレートの素材は、SUSに限られることなく、耐インク性を有し、良好な平面性を有する材料で作られてもよい。そして、第2のプレートH1400は、第1のプレートH1200に接着固定された記録素子基板H1100および該記録素子基板を取り込む開口部を有し、第1のプレートに接着固定される。
さらに図8で示すように、記録素子基板H1100と電気配線基板H1300の電気実装部は第一の封止剤H1304により封止される。第一の封止剤H1304による封止部は記録素子基板H1100および電気配線基板H1300よりも0.05〜0.3mm程度突出する。また、記録素子基板H1100と電気配線基板H1300の間に生じる溝部も第二の封止剤H1305で封止しされ、電気接続部分をインクによる腐食や外的衝撃から保護している。
第1のプレートH1200の裏面側インク供給口H1201には、インク中に混入された異物を取り除くためのフィルター部材H1600が接着固定される。
次に図9、図10、図11、図12、図13、図14、および図15を用いて記録ヘッドの配置構成について説明する。図9は本発明の実施形態であるインクジェット記録装置における記録ヘッドの配置の概略構成図、図10は本発明を用いない場合のインクジェット記録装置における記録ヘッドの配置の概略構成図、図11はインクジェット記録装置による画像に関して、(a)本発明を用いた場合の概念図、および(b)本発明を用いない場合の概念図、図12、図13および図14は本発明の実施形態である記録ヘッドとキャップに関する説明のための図、図15は本発明の記録ヘッドを用いた他のインクジェット記録装置の実施例に関する概略図、である。
図9に示すように、記録ヘッド15K(黒),15C(シアン),15M(マゼンタ),15Y(イエロー)は、用紙搬送方向に対しては所定の間隔で配置されている。さらに用紙搬送方向と垂直な方向に対しては、各記録ヘッド15のノズルオーバーラップ部Nが重ならないように、記録ヘッド15K(黒)を基準に長さbづつずらして階段状に配置される(ただしb≧ノズルオーバーラップ部Nの用紙搬送方向と垂直な方向における長さ)。
ノズルオーバーラップ部Nにおける印字では、重なり合う記録素子基板H1100毎のインク吐出量、第一のプレートH1200への搭載位置精度等により、単独の記録素子基板での印字画像領域に比べて画像が劣化する恐れがある。もしも図10に示すように、用紙搬送方向と垂直な方向に対して記録ヘッド15を同じ位置に配置した場合、各色記録ヘッド15のノズルオーバーラップ部Nによる印字領域が図11(a)に示すように印字画像の同じ位置に集中してしまう。これに対し、本実施例のように用紙搬送方向と垂直な方向に対して各記録ヘッド15のノズルオーバーラップ部Nが重ならないように階段状に配置した場合には、ノズルオーバーラップ部Nによる印字領域が図11(b)に示すように各色毎に違う位置になる。したがって、ノズルオーバーラップ部Nによる印字において生じやすい画像劣化が特定部位に集中せず、各色毎に分散された印字画像を形成することが可能となる。
さらに各色の記録ヘッド記録ヘッド15K(黒),15C(シアン),15M(マゼンタ),15Y(イエロー)に対応して、キャップ20K(黒),20C(シアン),20M(マゼンタ),20Y(イエロー)が設けられている。キャップ20は記録ヘッド15に対し、図12で示すように電気配線基板H1300表面に当接して記録素子基板H1100を被覆する。このとき記録ヘッド15の電気配線基板H1300表面上には、図13に示すようにキャップ20と当接しないキャップ非当接領域αおよびα'が設けられ、さらにキャップ非当接領域αおよびα'の内側には、キャップ20と当接するキャップ当接領域βを設けられている。ここで、キャップ非当接領域αは、配列された記録素子基板H1100のうちの両端の記録素子基板H1100の外側端部の電気接続封止部外側の電気配線基板H1300平滑部から長さb×4以上、および電気配線基板H1300の両端部から長さb×4以上の幅にわたって設けられる。キャップ20は、図14に示すように用紙搬送方向に対しては記録ヘッド15と同じ所定の間隔で配置され、用紙搬送方向と垂直な方向に対しては、各色の記録ヘッド15に設けられたキャップ当接領域βにおいて記録ヘッド15を被覆可能な所定の位置に配置される。このとき、記録ヘッド15にキャップ非当接領域αを規定してあるので、すなわち各記録ヘッド15のずらし量bの総和=3bは、キャップ非当接領域αよりも小さくなるので、キャップ20は常にキャップ当接領域βで当節することになり、キャップ20K(黒),20C(シアン),20M(マゼンタ),20Y(イエロー)は、用紙搬送方向と垂直な方向に対してずらして配置する必要がなくなり、プリンタPの構造が簡素化される。
本実施例では、記録ヘッド15K(黒)を基準に用紙搬送方向と垂直な方向に対して長さbづつずらして階段状に配置する構成について説明したが、例えばプリンタ設置現場において更なる高画質化や印字調整のためにサービスマンや顧客自らがずらし量を調整したりする場合において(すなわち出荷後にずらし量bを調整する場合において)は、記録ヘッド15の位置調整量に応じてキャップ20の位置調整をする必要がなくなり、作業が簡略化される。また、プリンタ内部にそのような調整機構を設けたプリンタに対しても、本発明に示す記録ヘッド15を用いれば、記録ヘッド15の位置調整に伴なうキャップ20位置調整のための機構を設けなくても良くなり、装置が簡略化される。
また、本実施例においては、記録ヘッド15が記録媒体幅分のノズルを有するいわゆるフルラインタイプのインクジェット記録装置であり、記録ヘッド15は固定され、記録媒体が記録ヘッド15下を通過することで画像形成を行っていたが、図15に示すように、記録ヘッドが記録媒体上を複数回往復運動して画像を形成するいわゆるシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置であっても良い。
本発明の実施形態であるインクジェット記録装置の全体概略構成を示す正面図である。 本発明の実施形態であるインクジェット記録装置の記録ヘッドユニットとキャップ部、および記録ヘッドのクリーニング機構を斜めから見た概略構成図である。 本発明の実施形態であるインクジェット記録装置の記録ヘッドユニットとキャップ部、および記録ヘッドのクリーニング機構を斜めから見た概略構成図である。 本発明の実施形態である記録ヘッドの外観斜視図である。 本発明の実施形態である記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態である記録ヘッドの記録素子ユニットの分解斜視図である。 本発明の実施形態である記録ヘッドの記録素子基板の(a)斜視図、および(b)A−A断面図である。 本発明の実施形態である記録ヘッドの記録素子基板と電気配線基板の配線接続部の(a)斜視図、および(b)A−A断面図である。 本発明の実施形態であるインクジェット記録装置における記録ヘッドの配置の概略構成図である。 本発明を用いない場合のインクジェット記録装置における記録ヘッドの配置の概略構成図である。 インクジェット記録装置による画像に関して、(a)本発明を用いた場合の概念図、および(b)本発明を用いない場合の概念図である。 本発明の実施形態である記録ヘッドとキャップに関する説明のための(a)斜視図、(b)部分拡大図である。 本発明の実施形態である記録ヘッドとキャップに関する説明のための(a)正面図および下面図、(b)部分拡大図である。 本発明の実施形態であるインクジェット記録装置における記録ヘッドおよびキャップの配置の概略構成図である。 本発明の記録ヘッドを用いた他のインクジェット記録装置の実施例に関する概略図である。
符号の説明
S プリンタ
P 記録紙
1 給紙カセット
2,2B ピックアップローラ
3,3B 分離パッド
4 搬送ローラ対
5 レジストローラ対
6 手差しトレイ
7 ベルト搬送部
8 搬送ベルト
9 吸着ローラ
10 駆動ローラ
11 搬送ローラ
12 圧力ローラ
13 帯電器
14 記録ヘッドユニット
15 記録ヘッド
16 ヘッドホルダ
17 モータ
18 ヘッド上下ガイド
19 センサ
20 キャップ
21 分離ガイド
22 排紙反転ローラ
23 拍車
24 排紙部
25 再給紙部
26 排紙パス
27 排紙ローラ
28 拍車
29 排紙トレイ
30 センサ
31 拍車
32 スイッチバックパス
33 再給紙パス
34a,34b 再給紙ローラ
35 クリーニング機構
36 吸収体
37 全面ワイパー
38 ノズルワイパー
39 支持部材
40 レール
H1001 記録素子ユニット
H1002 インク供給ユニット
H1100 記録素子基板
H1101 インク供給口
H1102 電気熱変換素子
H1103 電極
H1104 インク流路
H1105 ノズル
H1106 ノズル群
H1107 発泡室
H1108 Si基板
H1109 重複領域
H1110 ノズルプレート
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1301 外部信号入力端子
H1302 電極端子
H1303 金ワイヤー
H1304 第一の封止剤
H1305 第二の封止剤
H1400 第2のプレート
H1402 開口部
H1500 インク供給部材
H1600 フィルター部材

Claims (2)

  1. 液体を吐出するための複数のノズルと吐出エネルギーを発生する記録素子を複数配列した記録素子基板が支持板上に千鳥状に複数列配置され、該ノズルからインクを吐出して被記録媒体に画像形成を行うことのできる記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対して離接可能であって、前記記録ヘッドの前記記録素子基板を覆うことのできるキャップ部材と、を有し、前記千鳥状に配列された記録素子基板のうち、隣り合う記録素子基板のノズル重複領域幅をaとしたとき、1〜n本(nは記録装置に搭載された記録ヘッドの総本数)の記録ヘッドを前記記録素子基板の支持板上での配列方向に対してb(ただしb≧a)ずつずらして配置したインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドはキャップと当接するキャップ当接面を有し、前記キャップ当接面上であって前記複数配列されている記録素子基板のうちのヘッド両端位置にある記録素子基板の外側端部の平滑部から長さb×(n-1)以上のキャップ非当接領域αを設け、さらに前記キャップ当接面の両端部に長さb×(n-1)以上のキャップ非当接領域α'を設け、前記キャップ非当接領域αおよびキャップ非当接領域α'の内側にキャップ当接領域βを設けることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録ヘッドは、液体を吐出するための複数のノズルと吐出エネルギーを発生する記録素子を複数配列した記録素子基板が支持板上にノズル配列方向に複数個配置され、複数のノズルからインクを吐出して被記録媒体の幅方向の画像形成を同時に行うことのできるフルラインタイプの長尺記録ヘッドであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
JP2007275139A 2007-10-23 2007-10-23 インクジェット記録装置 Pending JP2009101572A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007275139A JP2009101572A (ja) 2007-10-23 2007-10-23 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007275139A JP2009101572A (ja) 2007-10-23 2007-10-23 インクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009101572A true JP2009101572A (ja) 2009-05-14

Family

ID=40703861

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007275139A Pending JP2009101572A (ja) 2007-10-23 2007-10-23 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009101572A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019210066A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 キヤノン株式会社 画像記録装置およびその制御方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019210066A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 キヤノン株式会社 画像記録装置およびその制御方法
JP7171242B2 (ja) 2018-05-31 2022-11-15 キヤノン株式会社 画像記録装置およびその制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8882241B2 (en) Liquid-jet head and liquid-jet head device
JP2006281542A (ja) 画像形成装置
JP4574385B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよび記録装置
JPH03234539A (ja) インクジェット記録装置
JP4652770B2 (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びデータ処理方法
JP2002154200A (ja) 画像形成装置
JP2008114561A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置
US8523330B2 (en) Recording apparatus, liquid droplet discharging head, and liquid droplet discharging head circuit board with improved wiring pattern
JP2003250281A (ja) 積層型圧電素子及びその製造方法、圧電型アクチュエータ、液滴吐出ヘッド並びにインクジェット記録装置
JP2011056922A (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2009101578A (ja) インクジェット記録ヘッド及び、インクジェット記録装置
US8167402B2 (en) Ink jet printing apparatus and ink jet printing method
JP2007076264A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法及び画像形成装置
JP2013116590A (ja) 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置。
JP4418619B2 (ja) インクジェット記録装置および記録方法
JP4906578B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置
JP2009101572A (ja) インクジェット記録装置
JP4455901B2 (ja) 液滴吐出ヘッド、液体カートリッジおよびこれを使用した液滴吐出装置
JP2009006560A (ja) インクジェット記録ヘッドおよび、記録装置
JP4455783B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP2006218671A (ja) 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
JP2003094653A (ja) インクジェットヘッド
JP2011079246A (ja) インクジェット記録ヘッド
JP2009279764A (ja) 流体噴射装置
JPH054335A (ja) 記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20100201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100630