JP2009100656A - ワサビ栽培装置及び栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワサビ栽培における作業性を改善するワサビの栽培装置及び栽培方法の提供。
【解決手段】鋼管33〜36を接合して組立てられ、一対の鋼管33で構成された栽培槽載置部32を備える架台30と、上面が開口された箱状を呈し、側面17a〜17iの上部に表面水流出孔が穿設され、下部に浸透水流出孔が穿設されており、栽培槽載置部32に配設されるワサビ栽培槽1a〜1iと、ワサビ栽培槽1a〜1iの中に浸透水流出孔を閉塞させて布設され、栽培作業者によって引き上げられて摺動することにより、浸透水流出孔を段階的に開放してワサビ栽培槽1a〜1iから流出する浸透水の流量を調節可能とする止水シートとを具備する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ワサビ栽培装置及び栽培方法に関するものである。
ワサビの成育には養水中の溶存酸素量が重要とされ、水温、水質の条件が整った豊富な水量が必要とされる。また、作土中に浸透した水(浸透水)と、作土表面を覆って流れる水(表面水)との水量のバランスも、ワサビの成育において重要とされる。このため、旧来のワサビ栽培は、渓流沿いなど、水温が低く安定した条件の水が豊富に得られる環境に造成されたワサビ田において行われていた。しかし、ワサビ田は、造成に必要なコストが高く、管理も大変であったため、良質のワサビを低コストで安定して生産することは困難であった。また、ワサビ栽培は、農薬の使用に制約があり、旧来のワサビ田におけるワサビ栽培方法では、害虫駆除や成育状態の確認等に多くの労力が必要とされていた。
そこで、水質、水温及び水量を管理しやすく、良質のワサビをより省力かつ低コストにて栽培する技術が考案されてきた。一例として、特許文献1に開示された流水量調節手段を備えた栽培ベッドを用いたワサビの栽培に関する技術を挙げることができる。特許文献1に開示のワサビ栽培装置によれば、栽培ベッドの底面に設けられた排水孔に被せた防水シートを破壊することで開口している排水孔を増やし、浸透水の流量を増加させて、ワサビの成育に合わせて流水量を調節することができる。
特許3726177号
しかし、特許文献1に開示のワサビ栽培装置によると、表面水はオーバーフロー方式で流出するのに対し、浸透水は栽培ベッドの底面に設けられた排水孔を開放することで流出量が調節されるため、表面水と浸透水とを同時に目視確認して調節することが難しく、正確な調節が困難であった。
本発明は、上記の実状に鑑み、浸透水及び表面水のバランスを調節しやすくし、栽培における作業性を改善するワサビの栽培装置及び栽培方法を提供することを目的とするものである。
本発明のワサビの栽培装置は、「不透水性の素材で形成され、上面が開放され、透水性を有する所定の厚みの透水材が底部に敷設され該透水材の上に栽培床が充填される受容部を備え、側面の下部に前記透水材を透過した水を流出させる浸透水流出孔が穿設され、側面の上部に前記受容部に充填された栽培床の上に滞留する水を流出させる表面水流出孔が穿設されている複数の栽培槽と、
該栽培槽を着脱自在に載置可能な栽培槽載置部を複数備え、前記栽培槽を階段状に配設可能な架台と、
前記浸透水流出孔から流出する水量を調節する浸透水量調節手段と
を具備し、
前記栽培槽は前記架台に階段状に配設され、
前記架台の最上部に配設された前記栽培槽に水が給水されると、前記栽培槽に給水された水が、前記表面水流出孔及び前記浸透水流出孔を通って流下し、より低い位置に配設された他の栽培槽へと流入することで、階段状に配設された複数の前記栽培槽に上から下へと順に給水される」ことを特徴とするものである。
ここで、「階段状」とは、複数の栽培槽が高さを変えて段になって配設されている状態を示す。上段の栽培槽と下段の栽培槽とは、一部が重なっていてもよい。また、栽培槽載置部の形状は、栽培槽載置部に栽培槽が載せられるものに限定するものではなく、レールやフックに対して栽培槽が架設されるものであってもよいし、留め金等によって係止する構造をもつものであってもよい。
「栽培床」とは、土、砂、砂利等で構成されたワサビの根が張る作土層を示す。「透水材」は、養水を透過するものの栽培床を透過させず保持することで、養水の流下にともなう栽培床の流失を防ぐものである。
本発明によれば、表面水流出孔及び浸透水流出孔がいずれも栽培槽の側面に穿設されているため、表面水流出孔から出る水量と浸透水流出孔から出る水量とをいずれも容易に目視で確認することができる。また、表面水の流量と浸透水の流量とを同時に目視確認できるので、流量のバランスについても容易に見当をつけ、調節することが可能である。
ところで、ワサビ栽培は、ワサビが成長して根茎が収穫可能となるまでに1年半以上の長い期間を要し、その間に栽培床の砂や砂利などが目詰まりを起こして透水性が低下したり、ワサビの成長により根が張ったりして水流に対する抵抗が増すと、浸透水の流下が阻害されるようになる。また、ワサビは、成長するにつれて、溶存酸素を得るためにより多くの浸透水を必要とするようになる。これに対し、本発明は、浸透水量調節手段を備えており、浸透水流出孔の開放面積を拡大させ、浸透水流出孔からの浸透水の流量を増大させることで、栽培床の状態やワサビの成育に応じて適切な浸透水の流量を維持することができる。
また、本発明によれば、栽培槽が階段状に配設されているため、栽培作業者は、見やすい高さにある栽培槽のワサビの成育状態を目視確認することができる。例えば、葉の裏側についた害虫の駆除や病害の発見が簡単になるので、被害の拡大を防ぐことができる。また、見やすい高さの栽培槽のワサビにおける病虫害の発生の有無を確認すれば、他の栽培槽における病虫害の有無を推定できるので、管理の省力化を果たすことができる。すなわち、低い位置に配設された栽培槽では病虫害の確認のためにも作業時に身をかがめる必要があり、栽培作業者に対する負担が大きいのに対し、見やすい高さの栽培槽において病虫害が発見された場合にのみ害虫駆除等の対策を行えばよいので、労力の軽減を図ることができる。特に、栽培作業者が身体的に障害をもっていたり、高齢のために身をかがめる動作が困難であったりする場合には、作業の負担を軽減する効果が高い。
さらに、本発明によれば、栽培槽は着脱可能に配設されているため、ワサビの成育状態にムラが生じてしまった場合には、成育の早い栽培槽と、成育の遅い栽培槽とを入れ換えて栽培条件を改善することができ、品質の安定したワサビをより容易に栽培することができる。
なお、栽培槽載置部の高さや架台の高さを調節可能とすれば、作業者の体格や周辺の作業環境に応じて、栽培槽の配設高さを最適なものとすることができる。また、栽培槽はすべて同形である必要はなく、種々の形状が混在していてもよい。栽培槽載置部の形状については、栽培槽を配設可能であれば特に形状を限定されるものではないが、井桁状、網状などとし、栽培槽を栽培槽載置部の上に載置するものとすると、種々の栽培槽に対応できる。
また、本発明のワサビの栽培装置は、「前記表面水流出孔は、複数設けられており、相互に高さが異なっている」構成とすることもできる。
本構成によれば、高さが異なる複数の表面水流出孔が設けられているので、給水量を増加させたり浸透水流出孔からの排水量が減少したりして表面水の水位が高くなると、より高い位置に設けられた表面水流出孔からも表面水が流出し、水位の上昇に応じて表面水の流量を増加させることができる。また、栽培床の目詰まりなどによって浸透水の流量が減少し、水位が上昇した場合にも、水位が上昇すると表面水の流量が増大するため、速やかに排水して栽培槽の中の水位を適切な範囲で安定させることができる。
さらに、本構成によれば、高さが異なる表面水流出孔が複数設けられていることによって水位の変化を段階的に把握することができ、管理の目安とすることができる。
また、本発明のワサビの栽培方法は、「前記浸透水量調節手段として、柔軟にして不透水性の素材で形成され、作業者が把持可能な把持部を備える止水シートを、前記把持部を前記栽培槽の外に露出させて、前記栽培槽の内面に沿って前記栽培槽の前記浸透水流出孔が設けられた箇所を覆い前記浸透水流出孔を閉止するように布設する止水シート布設工程と、
該止水シート布設工程の後に前記透水材を敷設し、前記栽培床を充填する栽培床充填工程と、
前記止水シートを摺動させて前記浸透水流出孔の開放面積を漸増的に拡大することにより、前記浸透水排水孔から流出する水の流量を増大させる浸透水量調節工程と
を有する」ことを特徴とするものである。
ここで、「布設」とは、柔軟な止水シートを栽培槽の内面、すなわち受容部の底面及び側面に沿わせて配設することを意味する。
本構成によれば、止水シートによって封じられていた浸透水流出孔を、止水シートを摺動させて開放された部分を次第に拡大することにより、浸透水の流量を増大させることができる。これにより、浸透水の流量と表面水の流量とのバランスを簡単に調節することができる。
また、本構成によれば、浸透水量調節手段を簡素な装置とすることができるので、ワサビ栽培を低コストにて行うことができる。
また、止水シートを栽培槽の内面に沿って摺動可能に布設してから透水材及び栽培床を栽培槽の受容部に入れるため、止水シートを浸透水流出孔に対してしっかり圧着させ、閉塞させることができる。
さらに、止水シートには把持部が備えられており、作業者が把持部を持って止水シートを摺動させることができ、極めて簡単な操作で浸透水の流量を調節することができる。このとき、浸透水流出孔の開放の度合いによって、浸透水の流量を細かく調整することも可能である。すなわち、浸透水流出孔が部分的に閉塞されている状態にあれば、浸透水流出孔が全体的に開放された場合よりも流量を少なくすることができる。
さらに、浸透水流出孔を複数設け、止水シートを摺動させると順番に開放させるようにすれば、浸透水流出孔の開いている面積を段階的に変化させることができ、浸透水の流量をより正確に調節することができる。
また、止水シートを、表面水流出孔と浸透水流出孔とを結ぶ直線方向以外の方向に摺動させるようにすれば、止水シートを摺動させたときに表面水流出孔に干渉して水流の妨げとなる虞がなく、より管理しやすくすることができる。
このように、本発明によれば、浸透水及び表面水のバランスを調節しやすくし、栽培における作業性を改善することが可能なワサビの栽培装置及び栽培方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるワサビの栽培装置及びワサビ栽培装置を用いた栽培方法を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図3に基づき説明する。図1(a)は、ワサビ栽培槽の構成を示す正面図であり、図2(a),(b)は、図1におけるA−A間の断面によりワサビ栽培槽の構成を示す断面図であり、図3は、ワサビ栽培槽を架台に配設した使用状態を説明する説明図である。
図1(a)及び図2(a),(b)に示すように、ワサビ栽培槽1は、底板3、側壁16〜19からなり上方が開放された箱状を呈する。本例のワサビ栽培槽1は、プラスティック製の成形品であり、全体が一体的に形成されている。側壁17の上部には、表面水流出孔11(下から順に、第一表面水流出孔11a、第二表面水流出孔11b、第三表面水流出孔11c)が穿設されており、側壁17の下部には、浸透水流出孔12(下から順に、第一浸透水流出孔12a、第二浸透水流出孔12b、第三浸透水流出孔12c)が穿設されている。本例のワサビ栽培槽1は、内寸が幅約570mm、奥行き約340mm、高さ約200mmの寸法であり、内部に栽培床S等を充填しワサビPを栽培可能とした状態の重量は、約40kg程度であり、さらに内部に水を浸透させると約50kg程度となる。ここで、ワサビ栽培槽1が、本発明の栽培槽に相当する。
栽培床Sの下に敷設される透水材25は、樹脂を発泡させて作られた多数の小さな粒状の発泡樹脂粒からなる発泡透水材20が、柔軟で目の細かい網状で透水性を有する透水袋21の中に封入されて形成されている。透水袋21の織目は、発泡透水材20が通過できない程度に細かくなっており、発泡透水材20は透水袋の中から流出しない。発泡透水材20は、発泡樹脂粒同士が吸着せず隙間を有しているため、空気や水を透過させるが、網状の透水袋21とともに、栽培床Sを構成する作土の粒子の透過は防ぐ。透水材25は、内側底部14に敷設されたときに、側壁17に穿設された第一浸透水流出孔12a、第二浸透水流出孔12b及び第三浸透水流出孔12cを覆う高さまでを十分に覆う容積を有し、受容部15の内面の形状に従って、ワサビ栽培槽1の受容部15の内側底部14の全体を覆うように敷設される。
以下、透水材25及び止水シート4の配設について説明する。透水材25を敷設する前に、浸透水流出孔12を覆って封じることができる短冊状の止水シート4が、側壁17の内面24に沿って布設される。止水シート4は、柔軟な不透水性の樹脂製であり、視認性が高い色を呈する樹脂製の把持部5が上端に取着されている。止水シート4は、内面24に沿って上から直下方向に垂らすようにして配設され、透水材25の敷設によって下部を内面24に対して圧接され、上部を内面24に対して粘着テープ(図示しない)で仮留めされる。ここで、止水シート4が、本発明の浸透水量調節手段に相当し、止水シート4を配設する本工程が、本発明の止水シート布設工程に相当する。
ワサビ栽培槽1の中に透水材25及び止水シート4が配設された後、透水材25の上に、ワサビPの苗を植えるための砂や砂利等からなる栽培床Sが充填される。栽培床Sは、第一表面水流出孔11aを閉塞しないように、第一表面水流出孔11aの下端部よりも下まで充填される。栽培床Sが充填されたら、止水シート4の仮留めを除去する。ここで、本工程が、本発明の栽培床充填工程に相当する。
以下、図1(a)及び図2(a),(b)に基づき、ワサビ栽培槽1を用いたワサビの栽培方法について説明する。図2(a)に示すように、栽培床Sに養水Wを給水装置41から給水する。栽培床Sは透水性が高く、浸透した養水Wは、栽培床Sに浸透し受容部15に満ちて、養水Wの水位は第一表面水流出孔11aまで達し、養水Wは第一表面水流出11aから外に流出する。一旦第一表面水流出孔11aに水位が到達し、給水装置41から給水される水量と、第一表面水流出孔11aから流出する水量とが平衡に達すると、栽培床Sの表面より下に浸透した養水Wの動きは鈍くなる。そして、給水装置41から給水された養水Wの大部分は栽培床Sの表面を流れて第一表面水流出孔11aから流出するようになる。以下、栽培床Sの表面を流れて流出する水を、表面水と呼ぶ。
ここで、栽培作業者が把持部5を手でつかんで引き上げ、止水シート4を上に向かって摺動させることにより、止水シート4によって閉塞されていた第一浸透水流出孔12aが開放され、ワサビ栽培槽1の中の透水材25を透過した養水(以下、透水材25を透過して下部に設けられた浸透水流出孔12から流出する水を、浸透水と呼ぶ)が第一浸透水流出孔12aから流出し始める。これにより、給水装置41から給水された養水Wは、第一表面水流出孔11a及び第一浸透水流出孔12aの2箇所から流出するようになり、やがて第一表面水流出孔11aから流出する水量、すなわち表面水の流量と、第一浸透水流出孔12aから流出する水量、すなわち浸透水の流量とが、所定のバランスにおいて平衡に達する。このとき、栽培作業者は、止水シート4の摺動をゆっくりと行い、表面水の流量と浸透水の流量とのバランスを目視によって確認し、適切な流量の比率において平衡状態を保つように調節することが可能である。
図2(a)のワサビPaの成育が進むと、栽培床Sの中で大きくはった根が浸透水の流下の障害となり次第に栽培床Sを透過する水量が低下する。また、栽培床Sの砂や砂利、及び透水材25の隙間が次第に目詰まりして透水性が低下する。このため、給水量が一定であれば、浸透水の流量が減少し、その分表面水の流量が増加する。しかし、一般にワサビの成育には、浸透水の溶存酸素量等が重要であり、ワサビPaの成育が進行するにつれて必要に応じて浸透水の流量を増加させる必要がある。
図2(a)のワサビPaが、図2(b)に示すワサビPbのように大きく成長したら、栽培作業者は把持部5をつかんで止水シート4を上方に摺動させる。止水シート4が上に摺動すると、第一浸透水流出孔12aに加えて第二浸透水流出孔12bが開放されて、第二浸透水流出孔12bからも浸透水が流出するようになり、浸透水流量が増加する。給水量が一定であれば、浸透水流量が増加し、その分の表面水流量が減少する。このようにして、表面水の流量と浸透水の流量とのバランスを調整する。なお、養水Wの水量が不足するときは、浸透水の流量の調節に加えて、給水装置41による給水量を増加させる。ここで、止水シート4を摺動させて浸透水の流量を調節する本工程が、本発明の浸透水量調節工程に相当する。
図1(a)及び図2(a),(b)に示すように、単独のワサビ栽培槽1に上方から給水装置41によって養水を給水し、表面水流出孔11及び浸透水流出孔12から余剰の養水を流出させるようにしてワサビ栽培を行うことも可能であるが、図3に示すように、架台30を用いて複数のワサビ栽培槽1を階段状に配設し、上から下へと順番に給水されるようにすると、より多数のワサビを効率よく栽培することが可能である。
以下、図3に基づき説明する。架台30は、鋼管33〜36が、接合金具38〜40によって立体的な骨組み状に組み上げられたものである。
まず、12本の鋼管34と6本の鋼管35とを用いて、立設される6本の鋼管34を、横設される3本の鋼管35に対して接合金具39で結着し、2組の枠組状に組上げる。立設された鋼管34に対して、夫々、ワサビ栽培層1を配設する高さに合わせて位置決めされた18本の鋼管33が接合金具40を用いて結着され、立体的な枠組状を構成するとともに、横設された鋼管33によってワサビ栽培槽1を配設する栽培槽載置部32が9箇所設けられる。さらに、鋼管36が、接合金具38で適宜鋼管34に対して結着されて斜設される。鋼管36は筋交として働き、架台30の強度を高める。
ワサビ栽培槽1a〜1eは、5段の階段状に架台30に配設され、ワサビ栽培槽1f,1gは、ワサビ栽培槽1d,1eの上方に、同じく2段の階段状に配設される。ワサビ栽培槽1aに対しては給水装置41aが設置され、ワサビ栽培槽1fに対しては給水装置41bが設置され、ワサビ栽培槽1hに対しては給水装置41cが設置され、夫々に給水量を調節可能である。ワサビ栽培槽1a〜1iは、夫々数株のワサビPを栽培するのに適した大きさであり、いずれも同形を呈する。また、立設された鋼管34の間隔よりもワサビ栽培槽1a〜1iの奥行寸法は十分小さく、ワサビ栽培槽1a〜1iは、栽培槽載置部32上にて位置をずらし向きを変えることで、鋼管34の間を通して着脱することが可能である。先述のようにワサビ栽培槽1a〜1iは、内部に栽培床Sが充填された状態でも重量が約40kg程度であり、栽培作業者2人で運搬が可能な重量及び寸法であるので、少人数の栽培作業者で管理を行うことができる。
寒冷紗45は、ポリエステル等の柔軟な樹脂製繊維からなる目の粗い織物であり、所定の通気性と透光性とを有する。寒冷紗45をワサビP1〜P22の周囲に巡らすことにより、遮光、保温、防風等の効果をもたらし、強い季節風や夏季の日照などによってワサビP1〜P22に病害等の問題が発生することを予防する効果がある。架台30は、最上部に配設されたワサビ栽培槽1aよりも十分に上方まで骨組が立ち上げられており、ワサビ栽培槽1a〜1iよりも外側に鋼管33〜36が出ているため、寒冷紗45を架台30に被せることで架台30の上方または全体を寒冷紗45で覆い、ワサビP1〜P22の成育における日照や風の影響を低減させることができる。
以下、図2(a),(b)及び図3に基づき、本例のワサビの栽培方法について説明する。先述のように、ワサビ栽培槽1で栽培しているワサビPaの成育が進み大きく張った根が浸透水の水流を阻害したり、栽培床Sの砂や砂利及び透水材25の隙間が次第に目詰まりしたりして浸透水の流量が低下したときには、止水シート4を摺動させて浸透水流出孔12をより広く開放することで浸透水の流量を増加させることができる。図3のように、架台30を用いて複数のワサビ栽培槽1a〜1eを階段状に配設して多数のワサビを栽培する場合には、給水装置41aから最上段に位置するワサビ栽培槽1aに対して給水を行い、次段のワサビ栽培槽1bに対しては、最上段のワサビ栽培槽1aの表面水流出孔11及び浸透水流出孔12から流出した養水が流入することで給水される。以下、順に下の段のワサビ栽培層1c〜1eへと養水が流下して、全てのワサビ栽培槽1へと給水が行われる。こうして、給水装置41aから最上段のワサビ栽培槽1aに注がれた養水が、最下段のワサビ栽培槽1eまで行き渡り、最下段のワサビ栽培槽1eの表面水流出孔11及び浸透水流出孔12から流出する。
ワサビ栽培装置60によれば、栽培作業者は、直立したときに丁度視認しやすい高さにあるワサビ栽培槽1aまたは1bのワサビP1,P2の成育状態を目視確認して病虫害の発生の有無を確認すれば、より低位に配設されているワサビ栽培槽1c〜1eの病虫害の有無を推定でき、病虫害の対策等の管理の省力化を果たすことができる。また、栽培作業者が立った姿勢で作業しやすいワサビ栽培槽1aまたはワサビ栽培槽1bなどにおいてワサビP1またはワサビP2の成育状況に適した状態に表面水と浸透水との比率を調節し、その流出の様子に合わせて、より低位に配設されているワサビ栽培槽1c〜1eの表面水と浸透水との比率を調節することが可能であり、中腰の姿勢やしゃがんだ姿勢における作業時間を短縮することができる。
また、側面17a〜17eを目視にて確認することで、各ワサビ栽培槽1について表面水と浸透水の流出の様子が確認でき、栽培作業者は、表面水と浸透水のバランスを容易に把握することができる。
ワサビ栽培槽1f〜1iに関しても、ワサビ栽培槽1a〜1eと同様に、浸透水と表面水の流量を調節したり、側面17f〜17iを視認して浸透水と表面水のバランスを確認したり、作業しやすい高さにあるワサビ栽培槽1a,1b,1f,1g等の観察によって病虫害を確認したりすることが可能である。ワサビ栽培槽1f,1gは、ワサビ栽培槽1d,1eのワサビP4,P5の成育と栽培作業の邪魔にならないように上方に空間を空けて夫々ワサビ栽培槽1d,1eの上方に配設されている。また、同様にワサビ栽培槽1h,1iは、ワサビ栽培槽1a,1bの下方に配設されており、ワサビP21,P22の上方にはワサビの成育と栽培作業の邪魔にならないように空間が空けられている。
ところで、従来のワサビ田においては、養水が流下するにつれ溶存酸素等の成分や水温等の性質は次第に変化する。また、日照や通風の状態によっても成育状態が異なるため、ワサビの成育が不均等となり品質が低下する虞があった。これに対し、ワサビ栽培装置60によれば、配設された位置によって栽培条件に相違が生じ、ワサビP1〜P5の成育状態に差が生じたときにワサビ栽培槽1の位置を入替えて成育状態を調整することが可能である。例えば、最下段のワサビ栽培槽1eのワサビP5の成育状態が、最上段のワサビ栽培槽1aのワサビP1よりも遅れているときには、最下段のワサビ栽培槽1eを、最上段のワサビ栽培槽1aと入替えて成育状態の均等化を図ることが可能である。また、病虫害が発生した場合にも、栽培が不適当な状態に陥ったワサビ栽培槽1を架台30から取り除き、他のワサビ栽培槽1を階段状に配設し直して栽培を続けることができる。このとき、先述のように止水シート4によって浸透水の流量調整を併せて行い、成育状態の改善を図ることもできる。このように、ワサビ栽培装置60によれば、ワサビPの成育状態の改善が容易であり、ワサビPの成育状態が最もよいワサビ栽培槽1を基準として他のワサビ栽培槽1のワサビPに関しても栽培条件を整えることができる。
このように、本例のワサビ栽培装置60及び栽培方法によれば、表面水流出孔11及び浸透水流出孔12がいずれもワサビ栽培槽1の側面17に穿設されているため、表面水流出孔11から出る水量と浸透水流出孔12から出る水量とを目視で容易に確認し、表面水と浸透水との流量のバランスについても容易に見当をつけ、調節することが可能である。
また、本例のワサビ栽培装置60は、止水シート4によって閉塞されていた浸透水流出孔12を、止水シート4を摺動させて次第に開放することにより、浸透水の流量を増大させることができる。これにより、浸透水流出孔12からの排水量を調節することで浸透水の流量と表面水の流量とを簡単に調節しバランスをとることができる。
また、止水シート4の布設後に透水材25及び栽培床Sをワサビ栽培槽1の受容部15に入れるため、止水シート4を浸透水流出孔12に対してしっかり圧着させ、閉塞させることができる。
さらに、止水シート4には把持部5が備えられており、栽培作業者が把持部5を持って止水シート4を摺動させることができ、極めて簡単な操作で浸透水の流量を調節することができる。浸透水流出孔12は、浸透水流出孔12a〜12cの3個からなり、止水シート4を摺動させると3個の浸透水流出孔を順番に開放させるので、浸透水の流量を段階的に変化させ、より正確に調節することができる。
本例のワサビ栽培装置60によれば、高さが異なる複数の表面水流出孔11a〜11cが設けられているので、表面水の水位が高くなると、より高い位置に設けられた表面水流出孔からも表面水が流出し、水位の上昇に応じて表面水の流量を増加させることができる。また、栽培床の目詰まりなどによって浸透水の流量が減少し、表面水の流量が増加して水位が上昇した場合にも、水位が上昇すると表面水の流量が増大するため、速やかに排水してワサビ栽培槽1の中の水位を適切な水準で安定させることができる。また、表面水流出孔11の目視によって、水位がどの水準で安定しているかを、夫々のワサビ栽培槽1a〜1iについて容易に把握することができる。
また、本例のワサビ栽培装置60によれば、表面水流出孔11、浸透水流出孔12、及び止水シート4を組合わせた簡素な構成で養水の水流を調節することができるので、ワサビ栽培を低コストにて行うことができる。
また、本例のワサビ栽培装置60によれば、ワサビ栽培槽1が架台30に階段状に配設されているため、栽培作業者は、見やすい高さにあるワサビ栽培槽1のワサビPの成育状態を間近で目視確認することができる。例えば、ワサビ栽培装置60の周囲を歩きながらでも葉の裏側についた害虫の駆除や病害の発見が簡単になるので、被害の拡大の虞を低減させることができる。また、見やすい高さのワサビ栽培槽1aまたはワサビ栽培槽1fのワサビPにおける病虫害の発生の有無を確認すれば、養水が同系統の他のワサビ栽培槽1b〜1eや、養水が別系統ながらも近接して配置されているワサビ栽培槽1f〜1iにおける病虫害の有無を推定できるので、管理の省力化を果たすことができる。すなわち、低い位置に配設されたワサビ栽培槽1b〜1e,1h,1iでは病虫害の確認のためにも作業時に身をかがめる必要があり、栽培作業者に対する負担が大きいのに対し、見やすい高さのワサビ栽培槽1aまたはワサビ栽培槽1fにおいて病虫害が発見された場合にのみ害虫駆除等の対策を行えばよく、他のワサビ栽培槽1における確認作業を省略し、労力の軽減を図ることができる。特に、栽培作業者が身体的に障害をもっていたり、高齢のために身をかがめる動作が困難であったりする場合には、作業の負担を軽減する効果が高い。
さらに、本例のワサビ栽培装置60によれば、ワサビ栽培槽1は着脱可能に配設されているため、ワサビ栽培槽1を取り外して植え付けなどの作業を行ってもよいし、ワサビ栽培槽1を配設した後に植え付けなどの作業を行ってもよく、作業しやすい方法を選択することができる。従来のワサビ田や栽培ベッドとは異なり、ワサビ栽培槽1は、先述のように少人数の栽培作業者で運搬が可能な大きさ及び重量であり、移動は容易である。
また、ワサビPの成育状態にムラが生じてしまった場合には、成育の早いワサビ栽培槽1と、成育の遅いワサビ栽培槽1とを入れ換えて成育状態の悪いワサビ栽培槽1の栽培条件を改善することができ、品質の安定したワサビPの栽培をより容易に行うことができる。
さらに、本例のワサビ栽培装置60によれば、ワサビ栽培槽1f,1gがワサビ栽培槽1d,1eの上方に配設されており、ワサビ栽培槽1h,1iがワサビ栽培槽1a,1bの下方に配設されているので、別々の架台に配設される場合よりも集約されているので空間の利用効率が高くなる。本例においては、5基分の面積の土地において9基のワサビ栽培槽1を用いてワサビ栽培が可能であるので、各ワサビ栽培槽1を平面的に配設した場合よりも1.8倍の利用効率を得ることができる。これにより、単位面積あたりのワサビの収量を高めることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び構成の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、表面水流出孔11が、高さを変えて3個形成されているものを例として示したが、これに限定されるものではなく、表面水流出孔11の数及び形状は異なるものとすることができる。例えば、表面水流出孔11は1個であってもよいし、4個以上であってもよい。また、形状が長円形や長方形であってもよい。
また、上記実施形態では、止水シート4は、上下に並んだ浸透水流出孔12を閉塞し、浸透水流出孔12を開放するときは上方へと引き上げる形状のものを示したが、浸透水流出孔12及び止水シート4の形状はこれに限定されるものではなく、異なる形状であってもよい。例えば、図1(b)に示すように、ワサビ栽培槽50の側壁57の下部に左右方向にずれて上下に設けられた一対の浸透水流出孔52a,52bを止水シート54で閉塞し、栽培作業者が把持部55を掴んで止水シート54を摺動させることで浸透水の流量を調節するものであってもよい。これにより、側壁57の上部中央付近に設けられた表面水流出孔51と止水シート54とが干渉することを防ぐことができる。
また、把持部5は、止水シート4を操作するために栽培作業者が把持する部分であり、上記実施形態において示したように単に止水シート4の上端部が把持可能な形状に形成されているだけでもよいが、識別性の高い色に着色されていてもよいし、指でつまむための孔を設けるなどしてより把持しやすい形状に形成されていたり、別部材で形成されて止水シート4に取着されていてもよい。
また、浸透水量調節手段は、止水シート4に限定されるものではなく、この他の手段を用いてもよい。例えば、柔軟なシート状ではなく、開閉可能な仕切板状の部材で水の流量を調節するものであってもよいし、浸透水流出孔12に開閉式の弁装置を備えたものであってもよい。また、浸透水流出孔12に取着したホースや配管材等の部材の着脱や交換によって圧力損失を増減させて水量を調節するものなどであってもよい。このように、浸透水量調節手段の具体的な形状や方式は、特定の形状や方式に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、ワサビ栽培装置60にワサビ栽培槽1が階段状に5個配設されているものを示したが、これに限定されるものではなく、他の配設状態であってもよい。すなわち、架台30に配設されたワサビ栽培槽1が4個以下であってもよいし、架台30よりも大きな架台にワサビ栽培槽1を6個以上配設してもよい。また、ワサビ栽培槽1が階段状に一列に配設されている必要はなく、途中で向きを変えて配設されていてもよい。架台30は、ワサビ栽培槽1の配設状態に応じて、適宜筋交等の補強部材を補って強度を高めるようにしてもよい。
また、ワサビ栽培槽1はすべて同形である必要はなく、種々の形状が混在していてもよい。また、ワサビ栽培槽1は、人力によって容易に運搬可能であれば、大きさや重量は例示したものに限定されるものではない。栽培槽載置部32の形状については、ワサビ栽培槽1を配設可能であれば特に形状を限定されるものではないが、井桁状、網状などとし、ワサビ栽培槽1を栽培槽載置部32の上に載置するものとすると、種々の形状のワサビ栽培槽1に対応できる。
なお、透水材25の例として、ここでは発泡樹脂粒を用いた発泡透水材20が透水袋21に詰められたものを示したが、これに限定されるものではない。透水性を有しながら栽培床Sの流失を防ぐものであれば、木炭、玉石、セラミック、無発泡樹脂粒など他の材質からなるものであってもよいし、小さな粒状のものの集合ではなく多孔状の比較的大きな材質からなるものであってもよい。また、その他の格子状や網目状の部材からなるものであってもよい。
また、栽培槽載置部32の高さを調節可能とすれば、作業者の体格や周辺の作業環境に応じて、ワサビ栽培槽1の配設高さを最適なものとすることができる。
さらに、架台30を大形化し、より多数のワサビ栽培槽1を階段状に配設することで、さらに空間の利用効率を高め、収益性を高めることも可能である。
また、本例のワサビ栽培装置60によれば、ワサビ栽培槽1が規則的に配設されており、個々のワサビ栽培槽1の配設位置の特定が容易であることにより、成育中の各ワサビPの各種属性をワサビ栽培槽1ごとに、あるいは夫々のワサビPごとに詳細に把握し、栽培及び管理することができる。すなわち、ワサビPの成育歴について個別に情報を管理できるので、種子から養成した実成苗、ウイルスフリーのバイオ育成苗、分けつ苗など、夫々のワサビPの苗の性質を特定し、夫々に適した栽培方法を採ることができる。更に、分けつ苗の場合には、分けつ何代目に相当する苗であるかという情報や、親株がどのような苗であったかという情報も把握することができ、ワサビPの栽培に役立てることができる。また、栽培中においても、生育中の各ワサビPの株ごとに成育過程を記録し、成育状態に合わせて水量等の栽培条件を調整したりすることが容易となる。例えば、異なるワサビの品種の栽培を並行して行ったり、栽培床Sの組成を変更したりした場合にも、各種の条件の違いによる成育状態の違いを適切に把握し、以後の栽培にそのデータを生かすことが可能となる。これにより、ワサビPの栽培における栽培作業者の経験や勘に左右される部分を減少させ、熟練していない栽培作業者による管理体制での生産性を改善することができる。また、従来のワサビ田における栽培形態においては、多数のワサビがまとめて栽培されており、ワサビの株ごとの栽培条件の管理及び調整は困難で、株ごとに個別の栽培条件の管理及び変更を行うためには膨大な労力が必要となっていたが、本例のワサビ栽培装置60及びワサビ栽培槽1によれば、比較的小規模なワサビ栽培槽1を基本単位として数株のワサビPごとに栽培条件を設定することが可能であるので、従来のワサビ田等におけるワサビ栽培よりも細かく管理を行うことができる。また、比較的小さな労力によってワサビ栽培槽1の配設位置を変更したり、他のワサビ栽培槽1と交換することが短時間のうちにできるので、ワサビPの成育状態を適切な時期において容易に改善することができる。これにより、栽培条件の管理の精密化と大幅な省力化とを果たすことが可能である。なお、栽培条件や成育状態の管理にはコンピュータによる情報管理システムが適している。コンピュータによる情報管理システムを利用することで各種の栽培条件を総合的に調整することが容易になるため、上記の特徴の効果をさらに高め、夫々のワサビPの栽培条件の管理をより適切なものとし、高品質なワサビPを効率よく栽培することができる。
(a)第一の実施形態のワサビ栽培槽の正面図である。(b)第二の実施形態のワサビ栽培槽の正面図である。 図1におけるA−A間の縦断面図である。 ワサビ栽培槽を架台に配設した使用状態を説明する説明図である。
符号の説明
P ワサビ
S 栽培床
W 養水
1 ワサビ栽培槽(栽培槽)
4 止水シート(浸透水量調節手段)
5 把持部
11 表面水流出孔
12 浸透水流出孔
25 透水材
30 架台
32 栽培槽載置部
60 ワサビ栽培装置

Claims (3)

  1. 不透水性の素材で形成され、上面が開放され、透水性を有する所定の厚みの透水材が底部に敷設され該透水材の上に栽培床が充填される受容部を備え、側面の下部に前記透水材を透過した水を流出させる浸透水流出孔が穿設され、側面の上部に前記受容部に充填された栽培床の上に滞留する水を流出させる表面水流出孔が穿設されている複数の栽培槽と、
    該栽培槽を着脱自在に載置可能な栽培槽載置部を複数備え、前記栽培槽を階段状に配設可能な架台と、
    前記浸透水流出孔から流出する水量を調節する浸透水量調節手段と
    を具備し、
    前記栽培槽は前記架台に階段状に配設され、
    前記架台の最上部に配設された前記栽培槽に水が給水されると、前記栽培槽に給水された水が、前記表面水流出孔及び前記浸透水流出孔を通って流下し、より低い位置に配設された他の栽培槽へと流入することで、階段状に配設された複数の前記栽培槽に上から下へと順に給水されることを特徴とするワサビ栽培装置。
  2. 前記ワサビ栽培装置の表面水流出孔は、複数設けられており、相互に高さが異なっていることを特徴とする請求項1に記載のワサビ栽培装置。
  3. 前記浸透水量調節手段として、柔軟にして不透水性の素材で形成され、作業者が把持可能な把持部を備える止水シートを、前記把持部を前記栽培槽の外に露出させて、前記栽培槽の内面に沿って前記栽培槽の前記浸透水流出孔が設けられた箇所を覆い前記浸透水流出孔を閉止するように布設する止水シート布設工程と、
    該止水シート布設工程の後に前記透水材を敷設し、前記栽培床を充填する栽培床充填工程と、
    前記止水シートを摺動させて前記浸透水流出孔の開放面積を漸増的に拡大することにより、前記浸透水排水孔から流出する水の流量を増大させる浸透水量調節工程と
    を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワサビ栽培装置を使用するワサビ栽培方法。
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