JP2009100031A - アンテナ装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンテナ装置の周囲に金属や誘電体等が配置された場合であっても良好なアンテナ特性を確保し、通信特性の劣化を抑制することが可能なアンテナ装置、及び電子機器を提供する。
【解決手段】支持板11によって一面が当該支持板11に対向する状態で支持される扁平直方体状の電子機器10の非金属部に配置されるアンテナ装置1において、給電部1Aと、当該給電部1Aの両側のそれぞれから延出する導電部1B,1Cと、を備え、給電部1Aと導電部1B,1Cとは周面を構成する同一側面dに配置されており、導電部1B,1Cは、電子機器10における一面に直交する周面の短手方向(Y方向)のほぼ全域に亘って延在すると共に、周面の長手方向にも拡がりを持って延在するように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、アンテナ装置及び電子機器に係り、特に、設置環境によらず良好なアンテナ特性を確保することが可能なアンテナ装置及び電子機器に関する。
従来、パーソナルコンピューター、複写機、及びプリント装置等の電子機器にアンテナ装置を搭載して無線通信機能を持たせる技術が知られている。
このような技術は、近年、FPD(flat panel detector)などの医療用の電子機器に対しても応用されており、例えば、導電性材料からなる扁平な筐体の上面にアンテナ装置を設ける技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−089058号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、アンテナ装置が扁平な筐体の上面に設けられているため、例えばこの上面に物が載置された場合にはアンテナ装置としての機能が十分に発揮されないなど、使用環境に応じてアンテナ特性が劣化してしまうおそれがあった。
また、上面には例えば操作部等の機能部をもたせる場合もあり、アンテナ装置の設置箇所に制限があるという問題があった。
さらに、設置環境によっては上面に近接して金属や誘電体等のアンテナ特性に影響を与える部品が備えられる場合もあり、このような場合には金属や誘電体等の影響を直に受けてしまうためアンテナ特性が劣化してしまうおそれがあった。
本発明は、前記した点に鑑みてなされたものであり、アンテナ装置の使用環境や設置環境によらず良好なアンテナ特性を確保し、通信特性の劣化を抑制することが可能なアンテナ装置、及び電子機器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
支持板によって一面が当該支持板に対向する状態で支持される扁平直方体状の電子機器の非金属部に配置されるアンテナ装置において、
給電部と、当該給電部の両側のそれぞれから延出する導電部と、から構成されるユニットを備え、
前記ユニットの前記給電部と前記導電部とは前記周面を構成する同一側面に配置されており、
前記導電部は、前記電子機器における前記一面に直交する周面の短手方向のほぼ全域に亘って延在すると共に、前記周面の長手方向にも拡がりを持って延在するように構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記導電部の少なくとも1つは、前記周面内で階段状に屈曲した状態で延在するように構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記導電部の少なくとも1つは、前記周面内で当該周面の短手方向に対して傾斜して延在するように構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記導電部の少なくとも1つは、前記周面内で当該周面の短手方向に対して傾斜して延在するように構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記導電部のそれぞれは、互いに異なる長さを有していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記導電部の先端部は、前記給電部を基点にして当該給電部の両側に拡がるように前記周面の長手方向に沿っていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記給電部と前記導電部とからなるユニットが複数備えられており、
前記複数のユニットのうち、少なくとも1つのユニットの前記給電部は前記周面における前記短手方向の一端部に配置されていて、残りのユニットの前記給電部のうち、少なくとも1つの前記給電部は、前記周面における前記短手方向の他端部に配置されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、
支持板によって一面が当該支持板に対向する状態で支持される扁平直方体状の電子機器において、
前記非金属部に配置されるアンテナ装置を備え、
前記アンテナ装置は、給電部と、当該給電部の両側のそれぞれから延出する導電部と、から構成されるユニットを備え、
前記ユニットの前記給電部と前記導電部とは前記周面を構成する同一側面に配置されており、
前記導電部は、前記電子機器における前記一面に直交する周面の短手方向のほぼ全域に亘って延在すると共に、前記周面の長手方向にも拡がりを持って延在するように構成されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の電子機器において、
放射線画像検出器であることを特徴とする。
本発明によれば、アンテナ装置が、当該アンテナ装置が設置される扁平な電子機器の周面において、その側面の短手方向のほぼ全域に亘って延在すると共に、周面の長手方向にも拡がりを持って延在するように構成されているため、周囲に金属等が配置された場合であっても、アンテナ装置の少なくとも一方の導電部は金属部等から所定距離以上離して配置されることとなり、アンテナ装置の特性を確保することができる。このため、良好なアンテナ特性を維持し、通信特性の劣化を抑制することが可能となる。
以下に、本発明に係るアンテナ装置及びアンテナ機能付き電子機器の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。なお、図面上に表示したXYZ軸は共通の軸を示すものとする。
[第1実施形態]
図1は本実施形態に係る電子機器10が支持板11の上方に設置された図を示す側面図であり、図2は電子機器10の要部拡大図である。
電子機器10として、本実施形態においては、例えば輝尽性蛍光体シートを収納したカセッテやFPD等の放射線画像検出器を例示して説明する。なお、これ以外に、例えば、パーソナルコンピューター、複写機、及びプリンタ装置等の電子機器にも適用可能である。
図1及び図2に示すように、電子機器10は扁平直方体状の筐体を備えている。なお、ここでいう直方体状とは完全な直方体でなくとも外観上直方体状であれば良い。また、電子機器10の筐体は非金属から形成されている。非金属とは、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂やカーボン等が挙げられる。
電子機器10の下面(一面)は図示しない支持部により支持され、金属からなる支持板11と略平行となるよう対向している。このとき、電子機器10の下面と支持板11の上面との間には、10mmの間隙が設けられている。
なお、図2に示すように、以下の説明において、電子機器10の下面と直交する方向をY方向とし、Y方向と直交な平面において、互いに直交する2方向をX方向,Z方向とする。また、電子機器10の周面において、YZ平面と平行な側面を側面dとし、側面dの上辺及び下辺をそれぞれ辺b1,b2とする。
図2に示すように、本実施形態の電子機器10の側面dには、アンテナ装置1が備えられている。
アンテナ装置1は、給電部1Aと、給電部1Aの両側からそれぞれ延出する第一導電部1B及び第二導電部1Cと、から構成されるユニットを備えており、その給電部1Aは側面dにおいてY方向の中央となるように配置されている。第一導電部1Bは給電部1Aから上方向に延出し、側面dの上辺b1に達すると屈曲して辺b1に沿ってZ方向に延出している。また、第二導電部1Cは給電部1Aから下方向に延出し、側面dの上辺b2に達すると屈曲して、辺b2に沿って第一導電部1Bと反対の方向に延出している。
このように、給電部1Aと第一導電部1B及び第二導電部1Cとは、電子機器10の周面を構成する同一側面dに配置されており、第一導電部1B及び第二導電部1Cは電子機器10の周面の短手方向(Y方向)の全域に亘って延在すると共に、周面の長手方向(Z方向)にも拡がりを持って延在するように構成されている。第一導電部1B及び第二導電部1Cは、給電部1Aを中心として互いに同一の長さを有している。
このとき、第一導電部1B及び第二導電部1CはZ方向と平行となっているため、Z方向の偏波に対応可能となっている。
次に、本実施形態のアンテナ装置1の通信作用について説明する。
所定の周波数の電波が外部機器より送信されると、アンテナ装置1は、第一導電部1B又は第二導電部1Cにより当該電波を受信する。電波が受信されると、給電部1Aに向かって受信した電波に応じた振幅及び位相の電圧電流が発生し、給電部1Aに供給された電流は、図示しない無線通信回路に伝達され、電気信号として処理される。
一方、アンテナ装置1が電波を送信する場合、図示しない無線通信回路からの電気信号に基づいて、給電部1Aに所定の振幅及び位相で電流が供給される。給電部1Aに供給された電流は、第一導電部1B及び第二導電部1Cに供給され、第一導電部1B及び第二導電部1Cに電流が流れる。そして、第一導電部1B及び第二導電部1Cに電流が流れると、アンテナ装置1から外部機器に対して電波が送信される。
次に、本実施形態におけるアンテナ装置1のアンテナ特性について説明する。
まず、一般的に金属がアンテナに与える影響について説明する。
図3に示すように、第一導電部6B及び第二導電部6Cが給電部6Aを介して接続された直線状のアンテナ装置6を側面dに設置し、この電子機器60を金属からなる支持板11の上方に配置した。
ここで、アンテナ特性の指標の1つとしては、入力電力と反射電力の比から求められるリターンロス特性が挙げられる。リターンロスは反射係数ともいい、その値が小さい程アンテナ装置としてマッチングがとれていることを示し、一般にはその値が−10dB以下の範囲が使用帯域として好ましいとされている。
図4は、図3に示すアンテナ装置6のリターンロスを示す特性曲線である。なお、比較のため支持板11が下方に無い場合を破線で示している。
図4に示すように、電子機器60の下方に金属がある場合と無い場合とを比較すると、金属が無い場合にはアンテナ装置6は−10dB以下の好ましい特性を示すのに対し、金属がある場合にはそのリターンロスは−10dB以上の値となってその特性が劣化していることがわかる。
図5は、本実施形態におけるアンテナ装置1のアンテナ特性を示す図である。
図5に示すように、本実施形態のアンテナ装置1によれば、リターンロスが−10dB以下の値となっているため、支持板11の影響をあまり受けずアンテナ装置1のアンテナ特性は実用にたえうるものであることがわかる。
また、図6(a)は、本実施形態におけるアンテナ装置1のXY平面内におけるZ成分の放射パターンを示す図であり、図6(b)はYZ平面内におけるZ成分の放射パターンを示す図である。
図6(a)及び図6(b)に示すように、本実施形態のアンテナ装置1によれば、XY平面内においてもYZ平面内においてもZ成分の強い放射が確認でき、Z方向の偏波に高感度なアンテナであることがわかる。
以上より、本実施形態のアンテナ装置1及び電子機器10によれば、第一導電部1B及び第二導電部1Cが電子機器10の周面の短手方向全域に亘って延在するとともに、電子機器10の周面の長手方向にも拡がりを持って延在した構成とすることにより、金属からなる支持板11の影響を低減することができる。
また、アンテナ装置1をこのような構成とすることによって電子機器10が給電部1Aを中心に点対称な構成となるため、2つの導電部のうち少なくとも一方が支持板11より所定距離以上離れることとなり、電子機器10を表裏の区別なく使用することが可能となる。
また、アンテナ装置1の第一導電部1B及び第二導電部1Cを屈曲させることで、第一導電部1B及び第二導電部1Cの全長(いわゆるL長)が、一直線状に形成したものと比べて長くなるため共振周波数が低下し、アンテナ自体を小型化することも可能となる。
[第2実施形態]
図7に示すように、本実施形態の電子機器20によれば、アンテナ装置2は、給電部2Aと第一導電部2B及び第二導電部2Cとから構成されるユニットを備えており、給電部2Aは側面dにおいてY方向の中央に配置されている。第一導電部2Bは給電部2Aから階段状に屈曲しながらZ方向に拡がるように上斜め方向に延出し、その先端部は辺b1に沿うようになっている。また、第二導電部2Cは給電部2Aから階段状に屈曲しながら第一導電部2Bと反対の方向に延出し、その先端部は辺b2に沿うようになっている。
このように、給電部2Aと第一導電部2B及び第二導電部2Cとは、電子機器20の周面を構成する同一側面dに配置されており、第一導電部2B及び第二導電部2Cは電子機器20の周面の短手方向(Y方向)の全域に亘って延在すると共に、周面の長手方向(Z方向)にも拡がりを持って延在するように構成されている。また、第一導電部2B及び第二導電部2Cは、側面dにおいて階段状に屈曲した状態で延在しており、第一導電部2B及び第二導電部2Cは、給電部2Aを中心として互いに同一の長さを有している
次に、図8に本実施形態におけるアンテナ装置2のアンテナ特性を示す。
図8に示すように、本実施形態のアンテナ装置2によれば、リターンロスが−10dB以下の値となっているため、支持板11の影響をあまり受けずアンテナ装置2のアンテナ特性は実用にたえうるものであることがわかる。
次に、図9(a)に本実施形態におけるアンテナ装置1のXY平面内におけるZ成分の放射パターンを示し、図9(b)にYZ平面内におけるZ成分の放射パターンを示す。
図9(a)及び図9(b)に示すように、本実施形態のアンテナ装置2によれば、XY平面内においてもYZ平面内においてもZ成分の強い放射が確認でき、Z方向の偏波に高感度なアンテナであることがわかる。
以上より、本実施形態のアンテナ装置2及び電子機器20によれば、第一導電部2B及び第二導電部2Cが電子機器20の周面の短手方向全域に亘って延在するとともに、電子機器20の周面の長手方向にも拡がりを持って延在した構成とすることにより、金属からなる支持板11による影響を低減することができる。
また、アンテナ装置2をこのような構成とすることによって電子機器20が給電部2Aを中心に点対称な構成となるため、2つの導電部のうち少なくとも一方が支持板11より所定距離以上離れることとなり、電子機器20を表裏の区別なく使用することが可能となる。
また、アンテナ装置2の第一導電部2B及び第二導電部2Cを屈曲させることで、第一導電部2B及び第二導電部2Cの全長(いわゆるL長)が、第一実施形態のアンテナ装置1と比較してより長くなるため、共振周波数が低下しアンテナ自体をより小型化することも可能となる。
[第3実施形態]
図10に示すように、本実施形態における電子機器30は、その筐体の側面の一部にABS樹脂等の樹脂からなる非金属部13が設けられており、その他の部分は例えば銅などの金属によって形成されている。
非金属部13には、アンテナ装置3が備えられている。アンテナ装置3は、給電部3A、第一導電部3B、及び第二導電部3Cからなるユニットを備えており、その形状は前記した第2実施形態と同様であるためその説明は省略する。
次に、図11に本実施形態におけるアンテナ装置3のアンテナ特性を示す。
図11に示すように、本実施形態のアンテナ装置3によれば、リターンロスが−10dB以下の値となっており、支持板11や非金属部13近傍の金属部分による影響をあまり受けずアンテナ特性は実用にたえうるものであることがわかる。
以上より、本実施形態のアンテナ装置3及び電子機器30によれば、第一導電部3B及び第二導電部3Cが電子機器30の周面の短手方向全域に亘って延在するとともに、電子機器30の周面の長手方向にも拡がりを持って延在した構成とすることにより、金属部分の影響を低減することができる。
また、アンテナ装置3をこのような構成とすることによって電子機器30が給電部3Aを中心に点対称な構成となるため、2つの導電部のうち少なくとも一方が支持板11より所定距離以上離れることとなり、電子機器30を表裏の区別なく使用することが可能となる。
また、アンテナ装置3の第一導電部3B及び第二導電部3Cを屈曲させることで、第一導電部3B及び第二導電部3Cの全長(いわゆるL長)が、第一実施形態のアンテナ装置1と比較してより長くなるため、共振周波数が低下しアンテナ自体をより小型化することも可能となる。
[第4実施形態]
図12に示すように、本実施形態におけるアンテナ装置4は、給電部4Aと、第一導電部4B及び第二導電部4Cとからなるユニット41a,41bの2つを組み合わせて構成される。
ユニット41aは、その給電部4Aが側面dの辺b2上にくるように配置されている。第一導電部4Bは、辺b2に沿ってZ方向に所定距離延出した後、上方向に向かって屈曲し、上方向に延出して辺b1に達すると再び屈曲して辺b1に沿ってZ方向に延出している。第二導電部4Cは、辺b2に沿って第一導電部4Bと反対の方向に延出している。
また、ユニット41bは、その給電部4Aが側面dの辺b1上にくるように配置されている。第一導電部4Bは、辺b1に沿ってZ方向に所定距離延出した後、下方向に向かって屈曲し、下方向に延出して辺b2に達すると再び屈曲して辺b2に沿ってZ方向に延出している。第二導電部4Cは、辺b1に沿って第一導電部4Bと反対の方向に延出している。
このように、ユニット41a,41bは同一側面dに配置され、かつ、それぞれのユニットの第一導電部4B及び第二導電部4Cは電子機器40の周面の短手方向(Y方向)の全域に亘って延在すると共に、周面の長手方向(Z方向)にも拡がりを持って延在するように構成されている。また、第一導電部4B及び第二導電部4Cのそれぞれは、互いに異なる長さを有している。
さらに、一方のユニット41aの給電部4Aが、側面dにおける短手方向の一端部である辺b2に配置されており、他方のユニット41bの給電部4Aは短手方向の他端部である辺b1に配置されるようになっている。
なお、本実施形態においては2つのユニット41a,41bを備えることとして説明しているがユニットの数はこれに限定されるものではなく、3つ以上のユニットが備えられた場合には、そのうち少なくとも1つのユニットの給電部4Aが電子機器40の周面の短手方向の一端部に配置され、残りのユニットのうち少なくとも1つの給電部4Aが短手方向の他端部に配置されるようにすればよい。
また、本実施形態においては2つのユニット41a,41bは同一の側面dに配置されているが、各ユニットを異なる側面に配置することもできる。
図13は、本実施形態におけるアンテナ装置4を構成するユニット41a,41bのアンテナ特性を示す図である。なお、図13においては、ユニット41aのアンテナ特性を実線で示し、ユニット41bのアンテナ特性を破線で示している。
図13に示すように、ユニット41a,41bによれば、給電点4Aをアンテナ装置4全体の中心からシフトさせるとともに第一導電部4B及び第一導電部4Bを互いに異なる長さとしたことにより新たな共振点ができるため、第1実施形態のアンテナ装置1のアンテナ特性(図5参照)と比較して、2GHz付近の共振を維持したまま4GHz付近にも共振が得られることがわかる。
また、ユニット41aとユニット41bとを比較すると、ユニット41bにおいては金属の影響により4GHz付近におけるリターンロスの値が若干小さくなっているものの、両者とも4GHz付近においても−10dB以下の値を維持できることがわかる。
そして、2GHz付近及び4GHz付近においてリターンロスが−10dB以下の値であるため、アンテナ装置4はこの2点において良好なアンテナ特性であり、支持板11のの影響をあまり受けていないことがわかる。
図14(a)は、アンテナ装置4の1つめの共振点である1.958GHzでのXY平面内における放射パターンを示す図であり、図14(b)はYZ平面内における放射パターンを示す図である。
図14(a)及び図14(b)に示すように、本実施形態のアンテナ装置4によれば、XY平面内においてもYZ平面内においても強いZ成分の放射が確認でき、Z方向の偏波に高感度なアンテナであることがわかる。
なお、図示しないがアンテナ装置4の2つめの共振点である4.01GHzにおいても同様の放射パターンを得ることができる。
以上より、本実施形態のアンテナ装置4及び電子機器40によれば、ユニット41a,41bの第一導電部4B及び第二導電部4Cが電子機器40の周面の短手方向全域に亘って延在するとともに、電子機器40の周面の長手方向にも拡がりを持って延在した構成とすることにより、金属からなる支持板11による影響を低減することができる。
また、一方のユニットの給電部4Aが、側面dの短手方向の一端部である辺b1に配置され、他方のユニットの給電部4Aが他端部である辺b2に配置された構成とすることで、電子機器10の上下を逆とした場合でも2つの給電部のうち少なくとも一方が支持板11より所定距離以上離れることとなり、電子機器10を表裏の区別なく使用することが可能となる。
さらに、複数のユニットを備えたことによって、互いの指向性を補完しあうため全体として特性の良いアンテナ装置とすることができる。
なお、上記第1実施形態から第4実施形態は、支持板11が金属からなる場合の金属からの影響を考えた構成であるが、支持板11が例えば木材等の非金属からなる場合であってもそのアンテナ特性は実用にたえうるものとなることは勿論である。さらに、非金属の支持板11の一部に金属部があったとしてもそのアンテナ特性は実用にたえうるものとなることは勿論である。
さらに、電子機器の近傍に支持板11がない場合にも、電子機器に備えられたアンテナ装置のアンテナ特性は実用にたえうるものとなることは勿論である。
また、上記第1実施形態から第4実施形態においては、Y方向を上方向として説明しているが、電子機器の向きとしてはこれに限定されず、X方向又はZ方向を上方向として実施することも可能である。
また、上記第1実施形態から第4実施形態においては、各導電部を屈曲した形状として説明しているが、側面dにおいて当該側面dの短手方向に対して傾斜して直線状に延在するように構成してもよい。
その他、本発明が上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
第1実施形態の電子機器を示す側面図である。 第1実施形態の電子機器と電子機器に備えられたアンテナ装置の要部構成を示す斜視図である。 金属のアンテナ装置への影響を説明するために用いる斜視図である。 図3示すアンテナ装置のアンテナ特性を示す特性曲線である。 図1に示すアンテナ装置のアンテナ特性を示す特性曲線である。 (a)は、図1に示すアンテナ装置のXY平面におけるZ方向の偏波を示す放射パターンであり、(b)はYZ平面におけるZ方向の偏波を示す放射パターンである。 第2実施形態の電子機器と電子機器に備えられたアンテナ装置の要部構成を示す斜視図である。 図7に示すアンテナ装置のアンテナ特性を示す特性曲線である。 (a)は図7に示すアンテナ装置のXY平面におけるZ方向の偏波を示す放射パターンであり、(b)はYZ平面におけるZ方向の偏波を示す放射パターンである。 第3実施形態の電子機器と電子機器に備えられたアンテナ装置の要部構成を示す斜視図である。 図10に示すアンテナ装置のアンテナ特性を示す特性曲線である。 第4実施形態の電子機器と電子機器に備えられたアンテナ装置の要部構成を示す斜視図である。 図12に示すアンテナ装置のアンテナ特性を示す特性曲線である。 (a)は図12に示すアンテナ装置のXY平面におけるZ方向の偏波を示す放射パターンであり、(b)はYZ平面におけるZ方向の偏波を示す放射パターンである。
符号の説明
1 アンテナ装置
1A 給電部
1B 第一導電部
1C 第二導電部
10 電子機器
11 支持板
12 筐体
b1,b2 辺
d 面

Claims (9)

  1. 支持板によって一面が当該支持板に対向する状態で支持される扁平直方体状の電子機器の非金属部に配置されるアンテナ装置において、
    給電部と、当該給電部の両側のそれぞれから延出する導電部と、から構成されるユニットを備え、
    前記ユニットの前記給電部と前記導電部とは前記周面を構成する同一側面に配置されており、
    前記導電部は、前記電子機器における前記一面に直交する周面の短手方向のほぼ全域に亘って延在すると共に、前記周面の長手方向にも拡がりを持って延在するように構成されていることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記導電部の少なくとも1つは、前記周面内で階段状に屈曲した状態で延在するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記導電部の少なくとも1つは、前記周面内で当該周面の短手方向に対して傾斜して延在するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  4. 前記導電部のそれぞれは、前記給電部を中心として互いに同一の長さを有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記導電部のそれぞれは、互いに異なる長さを有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記導電部の先端部は、前記給電部を基点にして当該給電部の両側に拡がるように前記周面の長手方向に沿っていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記給電部と前記導電部とからなるユニットが複数備えられており、
    前記複数のユニットのうち、少なくとも1つのユニットの前記給電部は前記周面における前記短手方向の一端部に配置されていて、残りのユニットの前記給電部のうち、少なくとも1つの前記給電部は、前記周面における前記短手方向の他端部に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  8. 支持板によって一面が当該支持板に対向する状態で支持される扁平直方体状の電子機器において、
    前記非金属部に配置されるアンテナ装置を備え、
    前記アンテナ装置は、給電部と、当該給電部の両側のそれぞれから延出する導電部と、から構成されるユニットを備え、
    前記ユニットの前記給電部と前記導電部とは前記周面を構成する同一側面に配置されており、
    前記導電部は、前記電子機器における前記一面に直交する周面の短手方向のほぼ全域に亘って延在すると共に、前記周面の長手方向にも拡がりを持って延在するように構成されていることを特徴とする電子機器。
  9. 放射線画像検出器であることを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
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